JP3325408B2 - 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法

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JP3325408B2 JP27581394A JP27581394A JP3325408B2 JP 3325408 B2 JP3325408 B2 JP 3325408B2 JP 27581394 A JP27581394 A JP 27581394A JP 27581394 A JP27581394 A JP 27581394A JP 3325408 B2 JP3325408 B2 JP 3325408B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂中に微細
な架橋ジエン系ゴム粒子が分散した熱可塑性エラストマ
ー組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】動的架橋とは、ゴムが溶融された熱可塑
性樹脂と一緒に混練されながら架橋されることをいう
が、この動的架橋によりゴムを熱可塑性樹脂中に分散さ
せることは、例えば特公平5−29653号公報に記載
のように、従来から行われている。しかし、その多くは
加工性あるいはモジュラスを向上させるためのものであ
って、復元力(圧縮永久歪、永久伸びなど)を改善した
例は少ない。
【0003】そのような状況下でも、特開平2−235
949号公報や特開平4−63850号公報には、熱可
塑性樹脂の復元力を改善した例が報告されているが、こ
れらによる場合、熱可塑性樹脂の圧縮永久歪がある程度
改善されているものの、ゴムの圧縮永久歪に比べると、
改善の程度が少ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
動的架橋による場合は、モジュラスや加工性が改善され
ることはあっても、復元力が大幅に改善されることはな
かった。
【0005】したがって、本発明は、熱可塑性樹脂が持
つ物性を損なうことなく、その復元力を架橋ゴムのそれ
に近付け、樹脂とゴムの優れた特性を併有する熱可塑性
エラストマー組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
中にジエン系ゴムを分散させ、架橋剤により上記ジエン
系ゴムを動的に架橋し、熱可塑性樹脂中に平均粒径10
μm以下の架橋ジエン系ゴム粒子を分散させることによ
り、熱可塑性エラストマー組成物として、上記目的を達
成したものである。
【0007】すなわち、本発明者らは、熱可塑性樹脂中
にゴムを分散させるにあたり、鋭意研究を重ねた結果、
分散させる架橋ジエン系ゴム粒子が微細であるときは、
復元力が大幅に改善され、かつ樹脂マトリクスが連続層
をとることによって機械的強度の低下が少なくなること
を見出し、その知見に基づいて、熱可塑性樹脂中に動的
架橋により平均粒径10μm以下の微細な架橋ジエン系
ゴム粒子を分散させることによって、熱可塑性エラスト
マー組成物の復元力を大幅に向上させ、かつ機械的強度
の低下を抑制して、熱可塑性樹脂とジエン系ゴムの優れ
た特性を併有する熱可塑性エラストマー組成物を提供し
たのである。
【0008】特に熱可塑性樹脂としてアイオノマー樹脂
と呼ばれているエチレン−アクリル酸共重合体の金属イ
オン中和物、エチレン−メタクリル酸共重合体の金属イ
オン中和物、エチレン−アクリル酸−メタクリル酸三元
共重合体の金属イオン中和物などを用い、ジエン系ゴム
としてエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPD
M)、ブタジエンゴムなどを用いるときは、復元力が大
幅に改善され、熱可塑性樹脂とジエン系ゴムの優れた特
性を最適の状態で併有する熱可塑性エラストマー組成物
が得られる。また、動的架橋時のトルク変化を規定する
ことによって、より微細な架橋ジエン系ゴム粒子を熱可
塑性樹脂中に分散させることができることも明らかにす
ることができた。
【0009】つぎに、本発明をより詳細に説明する。ま
ず、本発明において、熱可塑性エラストマー組成物を構
成するにあたって使用する熱可塑性樹脂としては、特に
限定されるものではないが、前記のように、エチレン−
アクリル酸共重合体の金属イオン中和物、エチレン−メ
タクリル酸共重合体の金属イオン中和物、エチレン−ア
クリル酸−メタクリル酸三元共重合体の金属イオン中和
物などが好ましく、特にエチレン−メタクリル酸共重合
体の金属イオン中和物が好ましい。そして、上記共重合
体を中和する金属イオンとしては、ナトリウムイオン、
カリウムイオン、リチウムイオンなどのアルカリ金属イ
オン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイ
オン、銅イオン、マンガンイオンなどの2価金属イオ
ン、アルミニウムイオン、ネオジウムイオンなどの3価
金属イオンなどが挙げられるが、特に亜鉛イオンが金属
イオン凝集体の結合力が大きいので、架橋ジエン系ゴム
粒子の分散に基づく機械的強度の低下が小さいことから
好ましい。
【0010】上記のようなエチレン−アクリル酸共重合
体の金属イオン中和物の好適な具体例としては、例え
ば、亜鉛イオン中和エチレン−アクリル酸共重合系アイ
オノマー樹脂〔例えば、エクソンケミカル社製のIOT
EK(アイオテック)7010(商品名)など〕、ナト
リウムイオン中和エチレン−アクリル酸共重合系アイオ
ノマー樹脂〔例えば、エクソンケミカル社製のIOTE
K(アイオテック)8000(商品名)など〕などが挙
げられ、エチレン−メタクリル酸共重合体の金属イオン
中和物の好適な具体例としては、例えば、亜鉛イオン中
和エチレン−メタクリル酸共重合系アイオノマー樹脂
〔例えば、三井デュポンポリケミカル(株)製のハイミ
ラン1705、ハイミラン1706、ハイミランAM7
315、ハイミランAM7317(いずれも商品名)な
ど〕、ナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共
重合系アイオノマー樹脂〔例えば、三井デュポンポリケ
ミカル(株)製のハイミラン1605、ハイミラン17
07(いずれも商品名)など〕などが挙げられ、またエ
チレン−アクリル酸−メタクリル酸三元共重合体の金属
イオン中和物の好適な具体例としては、例えば、亜鉛イ
オン中和エチレン−アクリル酸−メタクリル酸三元共重
合系アイオノマー樹脂〔例えば、三井デュポンポリケミ
カル(株)製のハイミラン(商品名)〕、ナトリウムイ
オン中和エチレン−アクリル酸−メタクリル酸三元共重
合系アイオノマー樹脂〔例えば、三井デュポンポリケミ
カル(株)製のハイミラン(商品名)〕などが挙げられ
る。
【0011】一方、ジエン系ゴムとしては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、エチレン−プロピレン−
ジエンゴム(EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、ブ
チルゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などが用い
られ、特にエチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブタジ
エンゴムなどが好ましい。
【0012】熱可塑性樹脂とジエン系ゴムとの比率とし
ては、重量比で30:70〜95:5、特に30:70
〜80:20が好ましい。熱可塑性樹脂の比率が上記範
囲より少ない場合は、熱可塑性樹脂の有する強度が低下
して、高強度の熱可塑性エラストマー組成物が得られに
くくなり、また熱可塑性樹脂の比率が上記範囲より多く
なると、ジエン系ゴムによる熱可塑性エラストー組成物
の永久伸びなどの復元力が充分に改善されなくなるおそ
れがある。
【0013】架橋剤としては、過酸化物以外であれば、
特に限定されることなく各種のものを使用することがで
きるが、硫黄と加硫促進剤の併用、硫黄のみ、加硫促進
剤のみ、オキシムなどが好適に使用される。上記加硫促
進剤としては、例えば、ジベンゾチアジルジスルフィ
ド、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジル
スルフェンアミド、ヘキサメチレンテトラミン、メルカ
プトベンゾチアゾール、テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチ
ルチウラムジスルフィドなどが好適なものとして挙げら
れるが、これらに限定されることなく、一般にゴム配合
で用いられる加硫促進剤であれば各種のものを用いるこ
とができる。また、オキシム系架橋剤の具体例として
は、例えば、p−キノンジオキシム、p,p′−ジベン
ゾイルキノンジオキシムなどが挙げられる。架橋剤とし
て過酸化物を用いないのは、過酸化物の場合、熱可塑性
樹脂の架橋も同時に起こってしまい、成形加工ができな
くなってしまうからである。
【0014】架橋剤の量としては、熱可塑性樹脂とジエ
ン系ゴムとの混合物中のジエン系ゴム100重量部に対
して0.2〜10重量部、特に1〜5重量部が好まし
い。架橋剤の量が上記範囲より少ない場合は、ジエン系
ゴムの架橋が充分に行われないため、復元力が充分に向
上せず、架橋剤の量が上記範囲より多くなると、架橋が
速く進みすぎるため、微細な架橋ゴム粒子の形成が困難
になり、強度低下を招くおそれがある。
【0015】また、所望の物性を得るため、上記熱可塑
性樹脂、ジエン系ゴム、架橋剤を含む系に、充填剤、加
工助剤、可塑剤などを配合してもよい。
【0016】上記のような架橋剤を含む配合物の混練り
時の温度、すなわち、動的架橋時の温度は、架橋剤の活
性化反応温度より20℃低い温度から250℃の範囲が
適している。例えば、硫黄と加硫促進剤を併用する場
合、活性化温度が一般に150℃程度であるので、動的
架橋時の温度としては130〜250℃が適している。
また、オキシム系架橋剤の場合、活性化温度が一般に1
80℃程度であるので、動的架橋時の温度としては16
0〜250℃の範囲が適している。動的架橋時の温度が
上記範囲より低い場合は、ジエン系ゴムの架橋が充分に
進行せず、また、たとえ架橋が生じたとしても架橋速度
が遅いため作業効率が悪くなる。逆に動的架橋時の温度
が上記範囲より高くなると、ジエン系ゴムの劣化が進
み、永久伸びなどの復元力の改善が行われにくくなる。
【0017】混練りの方法は、従来から採用されている
ニーダー、バンバリー、押出機、ロールなどによる混練
りなど、各種の方法を採用することができるが、剪断力
が大きくかかるニーダー、押出機などによる混練りが特
に好ましい。
【0018】動的架橋の際に、充填剤などを混合しても
よいし、あらかじめジエン系ゴムに充填剤を混合してお
いてもよい。また、可能であれば熱可塑性樹脂とジエン
系ゴムとをあらかじめロール、ニーダー、バンバリー、
押出機などで混合しておき、それを動的架橋してもよ
い。さらに、架橋剤の活性化温度以下で混合が行えるな
らば、熱可塑性樹脂、ジエン系ゴム、充填剤、架橋剤な
ど、すべての配合物を混合しておき、それを動的架橋に
付してもよい。
【0019】動的架橋を行う際、ジエン系ゴムの架橋に
より一旦上昇したトルクが低下し、安定する直前あるい
は安定した直後に動的架橋を終了するのが好ましい。具
体的にいえば、動的架橋前の安定したトルクを100と
し、下記の熱可塑性樹脂とジエン系ゴムの比をAとする
とき、 動的架橋時のトルクが式B=100+(10×A)で定
義されるBの値以上になれば、それ以後、いつ動的架橋
を終了してもよい。以後、このトルクBを理想トルク比
ということにする。特にトルクが上記理想トルク比Bの
値以上という条件を満たし、かつ最大値をとった後に動
的架橋を終了することが好ましい。ただし、架橋ジエン
系ゴム粒子の平均粒径が10μm以下となる条件であれ
ば、上記条件に限られることはない。
【0020】本発明において、熱可塑性樹脂中に分散す
る架橋ジエン系ゴム粒子は、平均粒径10μm以下のも
のであるが、これは架橋ジエン系ゴム粒子の平均粒径が
10μmより大きくなると、永久伸びなどの復元力が充
分に改善されないし、また熱可塑性樹脂の有する機械的
強度が低下するからである。
【0021】架橋ジエン系ゴム粒子は、粒径が小さくな
るほど復元力の改善や機械的強度の低下を防止する上で
好都合であるが、あまりにも小さくなりすぎると、熱可
塑性エラストマーの復元力が熱可塑性樹脂のそれに近づ
き、かえって復元力の改善がみられなくなってしまうの
で、実用上は平均粒径で0.001μm以上のものが好
ましい。
【0022】動的架橋の終了は、上記のようにトルク値
によって管理するのが適切であるが、時間でいうと、架
橋剤の種類、配合、配合物の量などによって大きく異な
るが、通常、1〜60分程度であり、例えば、硫黄と加
硫促進剤とを併用する場合は2〜30分程度で、オキシ
ム系架橋剤を用いる場合は3〜60分程度である。
【0023】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0024】実施例1〜3および比較例1〜3 熱可塑性樹脂、ジエン系ゴム、架橋剤としては、それぞ
れ下記のものを用い、実施例1〜3については表1に記
載の配合量、比較例1〜3については表2に記載の配合
量で、熱可塑性樹脂に対するジエン系ゴムの比率を変え
つつ、実施例1〜3では動的架橋を行い、比較例1〜3
では混練りのみを行った。
【0025】熱可塑性樹脂:ハイミランAM7315
〔商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製、亜鉛イ
オン中和エチレン−メタクリル酸共重合系アイオノマー
樹脂〕ジエン系ゴム: エスプレン501A〔商品名、住友化学
工業(株)製、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(E
PDM)〕架橋剤: バルノックDGM〔商品名、日本油脂(株)
製、p,p′−ジベンゾイルキノンジオキシム〕
【0026】実施例1〜3における動的架橋は、表1に
示す配合材料を東洋精機(株)製ラボプラストミルで回
転数100回転で混練しつつ180℃で行った、そし
て、動的架橋終了後のサンプルを3〜5mmに粉砕後、
170℃で15分間シートプレスを行い、物性測定用の
試料とした。
【0027】実施例1〜3における動的架橋の終了は、
前記の理想トルク比を満たし、かつ最大トルク比に達し
た後ただちに終了する方法によって行い、比較例1〜3
における混練りは、それぞれ対応する実施例で動的架橋
に要した時間と同時間混練りする方法によって行った。
【0028】そして、粒径の測定は、走査型電子顕微鏡
(JEOL社製T−220A)を用いて反射電子像写真
を撮影し、その任意の50個のゴム粒子の垂直方向の長
さを測定し、その数平均による数値を平均粒径とした。
なお、比較例1〜3は動的架橋を行っていないため、熱
可塑性樹脂とジエン系ゴムがそれぞれ連続層を形成して
おり、そのため、粒径の測定はできなかった。また、得
られた架橋物の物性(引張り強さ、伸び、永久伸び)は
JIS−K6301(加硫ゴム物理試験方法)によって
測定した。
【0029】実施例1〜3の配合、動的架橋時の回転
数、理想トルク比、最大トルク比、架橋ジエン系ゴム粒
子の平均粒径、架橋物の物性を表1に示し、比較例1〜
3の配合、混練り時の回転数、時間、架橋物の物性を表
2に示す。
【0030】なお、表中における各配合材料の配合量は
重量部によるものであり、表中への表示にあたって、熱
可塑性樹脂、ジエン系ゴムは商品名で表示し、架橋剤の
項目中の(対ゴム100)はジエン系ゴム100重量部
に対する架橋剤の量(重量部)を示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1に示すように、実施例1〜3は永久伸
びが小さく、復元力が優れていた。すなわち、熱可塑性
樹脂とジエン系ゴムとの比率の相違により物性は異なる
ものの、最も熱可塑性樹脂の比率が高い実施例1でも、
永久伸びは22.3%であり、同配合(ただし、架橋剤
を含まない)の比較例1に比べてはもとより、最も熱可
塑性樹脂の比率が少ない比較例3に比べても、永久伸び
が小さく、復元力が優れていた。
【0034】実施例4 実施例1とは、架橋剤の種類を変え、硫黄と加硫促進剤
を架橋剤として用い、動的架橋を行って熱可塑性エラス
トマー組成物を製造し、その物性を測定した。
【0035】表3に実施例4の配合、動的架橋時の回転
数、理想トルク比、最大トルク比、架橋ジエン系ゴム粒
子の平均粒径、架橋物の物性を示す。なお、この実施例
4に対応する比較例は、比較例1になるので、この表3
には比較例1の配合量、混練り時の回転数、時間、架橋
物の物性も併せて示す。また、表中への表示方法、動的
架橋の方法、粒径や物性の測定方法は前記実施例1の場
合と同じである。
【0036】なお、この実施例4で用いた架橋剤は下記
のものである。架橋剤: 硫黄 加硫促進剤〔テトラブチルチウラムジスルフィド、ノク
セラーTBT−N(商品名)、大内新興化学工業(株)
製〕、表中では、促TBT−Nで示す。
【0037】
【表3】
【0038】表3に示す結果から明らかなように、実施
例4は、対応する比較例の比較例1に比べて、永久伸び
が小さく復元力が優れており、また、引張強さ、伸びな
どの大幅な低下は認められなかった。
【0039】実施例5〜6および比較例4〜5 実施例1とは、ジエン系ゴムの種類を変え、実施例5〜
6では動的架橋を行って熱可塑性エラストマー組成物を
製造し、比較例4〜5では混練りだけで熱可塑性エラス
トマー組成物を製造し、その物性比較などを行った。
【0040】表4に実施例5〜6の配合、動的架橋時の
回転数、理想トルク比、最大トルク比、架橋ジエン系ゴ
ム粒子の平均粒径、架橋物の物性を示し、表5に比較例
4〜5の配合量、混練り時の回転数、時間、架橋物の物
性を示す。なお、表中への表示方法、動的架橋の方法、
粒径や物性の測定方法は前記実施例1の場合と同じであ
る。
【0041】なお、この実施例5〜6および比較例4〜
5で用いたジエン系ゴムは下記のものである。ジエン系ゴム: エスプレン301〔商品名、住友化学工
業(株)製、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EP
DM)〕 ノーデル1470〔商品名、昭和電工(株)製、エチレ
ン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)〕
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】表4および表5に示す結果から明らかなよ
うに、実施例5〜6は、比較例4〜5に比べて、永久伸
びが小さく、復元力が優れており、また、引張強さ、伸
びなどの大幅な低下は認められなかった。
【0045】実施例7〜8および比較例6〜7 ジエン系ゴムとしてブタジエンゴムを用い、その量を変
えつつ、実施例7〜8では動的架橋を行って熱可塑性エ
ラストマー組成物を製造し、比較例6〜7では混練りだ
けで熱可塑性エラストマー組成物を製造し、その物性比
較などを行った。
【0046】表6に実施例7〜8の配合、動的架橋時の
回転数、理想トルク比、最大トルク比、架橋ジエン系ゴ
ム粒子の平均粒径、架橋物の物性を示し、表7に比較例
6〜7の配合、混練り時の回転数、時間、架橋物の物性
を示す。なお、表中への表示方法、動的架橋の方法、粒
径や物性の測定方法は前記実施例1の場合と同じであ
る。
【0047】この実施例7〜8および比較例6〜7で用
いたジエン系ゴムは下記のものである。ジエン系ゴム: BR01〔商品名、日本合成ゴム(株)
製、ハイシスブタジエンゴム〕
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】表6および表7に示す結果から明らかなよ
うに、実施例7〜8は、比較例6〜7に比べて、永久伸
びが小さく、復元力が優れており、また、引張強さ、伸
びなどについても低下はなく、むしろ優れていた。
【0051】実施例9〜10 実施例1とは、架橋剤の種類を変え、硫黄と加硫促進剤
を架橋剤として用い、動的架橋を行って熱可塑性エラス
トマー組成物を製造し、その物性を測定した。
【0052】表8に実施例9〜10の配合、動的架橋時
の回転数、理想トルク比、最大トルク比、架橋ジエン系
ゴム粒子の平均粒径、架橋物の物性を示す。なお、表中
への表示方法、動的架橋の方法、粒径や物性の測定方法
は前記実施例1の場合と同じである。
【0053】なお、この実施例9〜10で用いた架橋剤
は下記のものである。架橋剤: 硫黄 加硫促進剤〔テトラメチルチウラムジスルフィド、ノク
セラーTT(商品名)、大内新興化学工業(株)製〕、
表中では促TTで示す。
【0054】
【表8】
【0055】この実施例9〜10に対応する比較例は、
比較例6〜7であるが、表8と前記表7に示す結果の比
較から明らかなように、実施例9〜10は比較例6〜7
に比べて、永久伸びが少なく、復元力が優れており、ま
た、引張強さ、伸びなどの大幅な低下は認められなかっ
た。
【0056】実施例11および比較例8 実施例11では、実施例1と動的架橋時の回転数を変え
て(すなわち、100rpmから150rpmに変え
て)、動的架橋を行って熱可塑性エラストマー組成物を
製造し、比較例8では、比較例1と混練り時の回転数を
変えて(すなわち、100rpmから150rpmに変
えて)、混練りを行って熱可塑性エラストマー組成物を
製造し、実施例11では架橋ジエン系ゴム粒子の平均粒
径の変化と物性変化を調べ、比較例8では物性変化を調
べた。
【0057】表9に実施例11の配合、動的架橋時の回
転数、理想トルク比、最大トルク比、架橋ジエン系ゴム
粒子の平均粒径、架橋物の物性および比較例8の配合、
混練り時の回転数、時間、架橋物の物性を示す。なお、
表中への表示方法、粒径や物性の測定方法などは前記実
施例1の場合と同じである。
【0058】
【表9】
【0059】表9に示すように、実施例11は、比較例
8に比べて、永久伸びが小さく、復元力が優れており、
また引張強さ、伸びの低下もなく、むしろ優れていた。
【0060】また、この実施例11を前記実施例1と比
較すると、架橋ジエン系ゴム粒子の平均粒径が8μmか
ら3μmと小さくなり、それに伴って永久伸びは22.
3%から13.7%に小さくなっていた。一方、比較例
8と比較例1では、永久伸びは小さくなったものの、引
張強さや伸びは低下していた。
【0061】実施例12 実施例1とは、架橋剤の種類を変え、硫黄と加硫促進剤
を架橋剤として用い、実施例4とは動的架橋時の回転数
を変えて(すなわち、100rpmから150rpmに
変えて)、動的架橋を行って熱可塑性エラストマー組成
物を製造し、架橋ジエン系ゴム粒子の平均粒径の変化と
物性変化を調べた。
【0062】表10に実施例12の配合、動的架橋時の
回転数、理想トルク比、最大トルク比を示す。また、こ
の実施例12に対応する比較例は比較例8であるので、
この表10には架橋ジエン系ゴム粒子の平均粒径、架橋
物の物性、比較例8の配合、混練り時の回転数、時間、
架橋物の物性も併せて示す。なお、表中への表示方法、
粒径や物性の測定方法などは前記実施例1の場合と同じ
である。
【0063】なお、この実施例12で用いた架橋剤は下
記のものである。架橋剤: 硫黄 加硫促進剤〔テトラブチルチウラムジスルフィド、ノク
セラーTBT−N(商品名)、大内新興化学工業(株)
製〕、表中には促TBT−Nで示す。
【0064】
【表10】
【0065】表10に示すように、実施例12は、比較
例8に比べて、永久伸びが小さく、復元力が優れてお
り、また引張強さ、伸びの低下もなく、むしろ優れてい
た。
【0066】また、この実施例12を前記実施例4と比
較すると、架橋ジエン系ゴム粒子の平均粒径が1.2μ
mから0.7μmと小さくなり、それに伴って永久伸び
は23.1%から16.7%に小さくなっていた。
【0067】実施例13〜15および比較例9〜11 実施例13〜15では、実施例1とは架橋剤の配合量を
変えて、動的架橋を行って熱可塑性エラストマー組成物
を製造し、比較例9〜10では架橋剤の配合量やトルク
値を本発明の範囲外に変動させて、動的架橋を行って熱
可塑性エラストマー組成物を製造した。また、比較例1
1には熱可塑性樹脂のハイミランAM7315〔商品
名、アイオノマー樹脂〕単体の物性を示す。
【0068】表11に実施例13〜15の配合、動的架
橋時の回転数、理想トルク比、最大トルク比、架橋ジエ
ン系ゴム粒子の平均粒径、架橋物の物性を示し、表12
に比較例9〜10の配合量、動的架橋時の回転数、理想
トルク比、最大トルク比、架橋ジエン系ゴム粒子の平均
粒径、架橋物の物性および比較例11の物性を示す。な
お、表中への表示方法、粒径や物性の測定方法などは前
記実施例1の場合と同じである。
【0069】
【表11】
【0070】
【表12】
【0071】表11および表12に示す結果から明らか
なように、実施例13〜15は、熱可塑性樹脂単独の比
較例11に比べてはもとより、比較例9〜10に比べて
も、永久伸びが小さく、復元力が優れており、また引張
強さ、伸びに関しても、熱可塑性樹脂単独の比較例11
と同等またはそれ以上の特性を有していた。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、復元
力が優れ、引張強さや伸びに関しても熱可塑性樹脂に匹
敵する優れた特性を有し、熱可塑性樹脂とジエン系ゴム
の優れた特性を併有する熱可塑性エラストマー組成物を
提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 9/00 - 9/10 C08L 23/26 WPI/L(QUESTEL)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂中に分散させたジエン系ゴ
    ムを架橋剤により動的架橋してなり、熱可塑性樹脂中に
    平均粒径10μm以下の架橋ジエン系ゴム粒子が分散し
    ていることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、エチレン−アクリル酸
    共重合体の金属イオン中和物、エチレン−メタクリル酸
    共重合体の金属イオン中和物またはエチレン−アクリル
    酸−メタクリル酸三元共重合体の金属イオン中和物であ
    る請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 ジエン系ゴムが、エチレン−プロピレン
    −ジエンゴムである請求項1記載の熱可塑性エラストマ
    ー組成物。
  4. 【請求項4】 ジエン系ゴムが、ブタジエンゴムである
    請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 架橋剤が、オキシム系架橋剤である請求
    項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】 架橋剤が、硫黄と加硫促進剤との混合物
    である請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂中にジエン系ゴムを分散さ
    せ、架橋剤により上記ジエン系ゴムを動的に架橋して、
    熱可塑性樹脂中に平均粒径10μm以下の架橋ジエン系
    ゴム粒子を分散させたことを特徴とする熱可塑性エラス
    トマー組成物の製造方法。
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