JP3325055B2 - トラクター牽引式野菜移植機 - Google Patents

トラクター牽引式野菜移植機

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JP3325055B2
JP3325055B2 JP30524592A JP30524592A JP3325055B2 JP 3325055 B2 JP3325055 B2 JP 3325055B2 JP 30524592 A JP30524592 A JP 30524592A JP 30524592 A JP30524592 A JP 30524592A JP 3325055 B2 JP3325055 B2 JP 3325055B2
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俊郎 和田
有正 一宮
勇二 小原
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ヤンマー農機株式会社
石川島芝浦機械株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トラクター牽引式野菜
移植機における、移植ユニットや駆動ユニットやフレー
ム等の配置構成に関する。
【0002】
【従来の技術】野菜栽培の大規模化を反映して、野菜移
植機においても近来、移植作業の大規模化及び省力化を
図るため、トラクター牽引式の野菜移植機が開発されて
いる。従来のトラクター牽引式野菜移植機においては、
移植爪がトラクターのPTO軸からの駆動力によって駆
動されるのであるが、該移植爪への給苗作業は、該移植
機に設けられた作業者用ステップに乗り込んだ作業者に
より、搭載する育苗トレイ等より一々苗を移植爪への供
給部に供給しているのが現状である。より省力化を図る
ためには、育苗トレイから移植爪への給苗作業も自動化
されることが望ましいのである。このような自動給苗機
構については、歩行式の野菜移植機において公知となっ
ているのであり、例えば、一か所において移植爪と同期
して回動自在に取りつけられた苗取爪が、縦横方向に移
動する育苗トレイよりポット苗を取り出し、移植爪に給
苗する構成のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】歩行式の野菜移植機に
おいて、公知となっている自動給苗機構をトラクター牽
引式の野菜移植機に応用する場合、問題となるのは、作
業者が安全に作業のできるステップ位置を確保すること
である。従来の給苗機構は、移植爪に対して前後方向に
位置しているため、野菜移植機の前後長が長くなってし
まう。また、作業者にとって、機体に対して横方向ある
いは後方を向く作業姿勢は、トラクターの進行方向が把
握できず、作業中に恐怖感を覚えるものである。従っ
て、野菜移植機の最後部に作業者を配置するのがよいの
であるが、前記の如く野菜移植機の前後長が長くなって
しまう構成では、トラクターの微妙な横方向の操向操作
に伴って、該移植機が大きく蛇行してしまう原因とな
り、また、トラクターより駆動する構成であると、クラ
ッチの入・切りはトラクター側で行うので、移植作業者
では危険が伴い操作性も悪かったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決するために、次のような方法を用いるもので
ある。請求項1においては、トラクター後部に昇降可能
に装着する野菜移植機において、平面視コの字状のベー
スフレーム1の前部に、給苗部P1及び移植部P2より
なる移植ユニットPと、駆動ユニットDを回動支点軸4
にて上下回動自在に枢支し、該移植ユニットPは、育苗
トレイTを立てて下方に搬送しかつ前後に摺動する苗載
台13よりなる給苗部P1と、苗取爪14と移植爪15
により構成され位置を固定された移植部P2より構成
し、前記駆動ユニットDは、左右に配置した左側駆動ユ
ニットDLと右側駆動ユニットDRと、その外側に配置
した接地駆動輪Wにより構成し、ベースフレーム1の後
に作業者用ステップSを配設し、更に、ベースフレー
ム1の前端に、トラクターの3点リンクであるトップリ
ンクTL及びロアリンクLLを連結するための連結用マ
スト3を固設したものである。請求項2においては、前
記給苗部P1と移植部P2により構成した移植ユニット
Pにおいて、該給苗部P1と移植部P2を、該移植ユニ
ットPの左右方向に並置したものである。請求項3にお
いては、前記給苗部P1と移植部P2により構成した移
植ユニットPの駆動力を、左側駆動ユニットDLと右側
駆動ユニットDRの外側に配置した接地駆動輪Wより得
るものである。
【0005】
【作用】以上の如く構成した本発明における作用を説明
する。野菜移植機の駆動ユニットDの接地駆動輪Wの駆
動により、移植ユニットPにおける給苗部P1の苗載台
13、苗取爪14、及び移植部P2における移植爪15
が駆動されるものであり、作業者はベースフレーム1の
最後部の作業者用ステップSにて前方を見ながら、予備
苗台6より育苗トレイTを給苗部P1の苗載台13に供
給する作業をすることができ、また、移植ユニットP1
における給苗部P1と移植部P2とが左右方向に位置し
ているので、野菜移植機の前後長さが短縮されるもので
ある。
【0006】
【実施例】本発明の解決すべき課題及び構成は以上の如
くであり、次に添付の図面に示した本発明の実施例を説
明する。図1は本発明のトラクター牽引式野菜移植機の
駆動ユニットDの内部側面図を含む全体側面図、図2は
同じく移植ユニットPの側面図を含む全体側面図、図3
は同じく平面図、図4は駆動ユニットD及び移植ユニッ
トPにおける駆動系のスケルトン図である。
【0007】本発明のトラクター牽引式野菜移植機の全
体構成について説明する。ベースフレーム1は、図3の
如く平面視コの字形で、側面視は図1の如く上部フレー
ム1a及び下部フレーム1bよりなり、前端部はツール
バー2に固着されている。該ツールバー2には、トラク
ターの3点リンクであるトップリンクTL及びロアリン
クLLを連結するための連結用マスト3が固設されてい
る。図1及び図3におけるRWは、トラクターの後輪で
ある。そして、該ツールバー2の後部に回動支点軸4が
横架され、該回動支点軸4は移植ユニットP及び左右駆
動ユニットDL・DRよりなる駆動ユニットDの上下回
動支点軸とし、かつ、駆動ユニットDから移植ユニット
Pへの動力伝動軸としている。そして、該ベースフレー
ム1の最後部には、ステップ板5を取付け、作業者用ス
テップ部Sとしているのである。なお、左右の上部フレ
ーム1aの上方位置には、図3の如く、各々予備苗台6
を配置し、作業者用ステップS上の作業者によって該予
備苗台6上の育苗トレイTが移植ユニットPの給苗部P
1の苗載台13に順次供給するものである。
【0008】以上の如き構成のベースフレーム1に横架
した回動支点軸4の外側部に駆動ユニットDL・DRを
枢支しており、該ベースフレーム1の内側部分において
は、移植ユニットPを平行に二個枢支可能となってい
る。このように、駆動ユニットDL・DRと移植ユニッ
トPが、同一軸にて上下回動可能となっているので、該
駆動ユニットの接地駆動輪Wの車高と該移植ユニットP
における移植高さとを、常に一致できるものである。
【0009】駆動ユニットDL・DRには、接地駆動輪
Wが各々軸支されており、該接地駆動輪Wはトラクター
の牽引によって追従し、畝上を回転するものである。そ
して、該駆動ユニットのうち、左側駆動ユニットDLに
ついて説明する。左側駆動ユニットDLは、移植ユニッ
トPへの伝動ケースとなるものである。即ち、図1及び
図4に示す如く、左側駆動ユニットDLの接地駆動輪W
の駆動軸7にスプロケット8を、回動支点軸4にスプロ
ケット9を固設し、チェーン10を巻回するものであ
り、該接地駆動輪Wの回転により回動支点軸4を駆動す
る構成となっている。そして、この回動支点軸4が、該
移植ユニットPの入力軸となっているのである。また、
駆動ユニットDLから移植ユニットPへの伝動を切るた
めに、該回動支点軸4において、入力クラッチ11が該
スプロケット9付近に配設されており、該入力クラッチ
11の「入」「切」は、作業者用ステップSの直前部に
立設したクラッチ操作レバー12の操作によるものであ
る。なお、該入力クラッチ11は、該駆動軸7に配設し
てもよい。
【0010】次に、移植ユニットPの構成について説明
する。部材の配置構成より説明すると、図3の如く、移
植ユニットP内における右側部分は給苗部P1、左側部
は移植部P2を構成するものである。給苗部P1におい
ては、育苗トレイTを立てて下方に搬送するべく構成さ
れた苗載台13が前後に摺動可能に設置されている。ま
た、定位置にて、該苗載台13上の育苗トレイTからポ
ット苗を取り出す苗取爪14が回動可能に取り付けられ
ている。移植部P2においては、前方にて移植ミッショ
ンケースMが回動支点軸4に軸支されており、該移植ミ
ッションケースM後方に移植伝動ケース16を連設し、
後部にて、該苗取爪14が取り出したポット苗を受け取
り、かつ、畝上に移植する如く回動する移植爪15を配
設している。なお、該移植ユニットの下方前部には、移
植直前に畝上を鎮圧する鎮圧ローラー17を、下方後部
には、移植爪15の後方にて、図3におけるローラーフ
レーム18を介して、移植苗に土寄せするための培土ロ
ーラー19を軸支しているものである。
【0011】以上の苗載台13、苗取爪14及び移植爪
15の駆動構成について、図2乃至図4より説明する。
前記の如く回動支点軸4に軸支された移植ミッションケ
ースM内において、該回動支点軸4上に入力ギア20
が、ワンウエイクラッチ21を介して付設されており、
調節用軸22の伝動ギア23に噛合されている。ワンウ
ェイクラッチ21を配設したのは、該野菜移植機の停止
時等に、接地駆動輪Wが一時逆転して、回動支点軸4も
追随して逆転することがある。これは、前記の苗載台1
3や苗取爪14、或いは移植爪15の駆動が逆転するこ
とに繋がるものであり、移植作業にとっては甚だ不都合
で、機械の故障にも繋がるもととなる。そのため、回動
支点軸4の回転方向を、接地駆動輪Wにおける正転方向
だけにするように、ワンウェイクラッチを配設している
のである。なお、このワンウェイクラッチは、該調節用
軸22と該伝動ギア23との間に介設してもよい。
【0012】調節用軸22の外端部には調節用クランク
レバー22aが配設されており、該レバーを回転するこ
とによって、移植ミッションケースMを左右方向に移動
させ、移植位置を調節できるようにしているのである。
そして、該調節用軸22から変速用軸24及びカウンタ
ー軸32へギアを介して動力が伝達されており、該カウ
ンター軸32付設のギア33が、移植クラッチ軸34上
の一回転クラッチ35を具備するクラッチギア35aに
噛合している。一方、変速用軸24より変速ベルト2
5、無断変速プーリー軸26を介して移植ユニットクラ
ッチ軸27と連動している。該移植ユニットクラッチ軸
27にはタイミングカム28を固設し、該タイミングカ
ム28よりロッド29及びカム軸30を介して操作カム
31を連設している。こうして、該移植ユニットクラッ
チ軸27の回転に伴う該タイミングカム28の揺動によ
り該操作カム31を揺動させ、該移植クラッチ軸34に
おける一回転クラッチ35の「入」「切」の切り換えを
なすものであり、そして、一回転クラッチ35が「入」
状態の時には、前記のギア33とクラッチギア35aと
の噛合により、移植クラッチ軸34が駆動されるもので
ある。
【0013】更に、移植伝動ケース16内にて、該移植
クラッチ軸34付設のスプロケットよりチェーン36を
巻回し、安全クラッチ37を介して移植ロータリーケー
ス38を回転可能としている。該移植ロータリーケース
38は、クランクアーム39を介して移植アーム40に
連結されており、該移植アーム40先端のガイドローラ
ー40aが、立設するガイド部41のガイド溝内に嵌入
されており、該移植ロータリーケース38の回転に伴っ
て、ガイドローラー40aはガイド部41の溝内を上下
動し、移植アーム40自体は前後にも揺動しながら上下
動することとなる。そして、このように駆動する移植ア
ーム40に、爪支持体42及び進退ロッド43を介し
て、爪体15a・15bを開口自在に枢着した移植爪1
5を支持するものであり、こうして、移植爪15の昇降
機構を構成するものである。また、移植アーム40にお
けるクランクアーム39の枢支部分に開閉カム44を該
進退ロッド43に押当可能に付設し、該クランクアーム
39の回転に伴って、該進退ロッド43が摺動すること
によって、移植爪15における爪体15a・15bを開
閉するよう構成するものである。
【0014】一方、移植ユニットクラッチ軸27は、チ
ェーン45を介して苗取駆動軸46を連動するものであ
り、該苗取駆動軸46の回転にて苗取ロータリーケース
47を回転し、クランクアーム48を介して苗取爪支持
体49を回動して、苗取爪14を回動するものである。
また、該クランクアーム48の苗取支持体49側基端部
に開閉カム50を設け、該苗取爪14を開閉可能とす
る。こうして、苗載台13上の育苗トレイTよりポット
苗を取り出して、上昇停止位置にある移植爪15に給苗
する苗取爪14の駆動系を構成するものである。
【0015】そして、該苗取駆動軸46は、チェーン5
1を介して駆動カム軸52を連動するものであり、該駆
動カム軸52は、苗載台13の前後搬送軸54の変速切
替えを行う横送り切替ギアケース53に入軸しており、
また、苗載台13の前後方向搬送における終端時に育苗
トレイ縦搬送チェーン55・55の縦搬送駆動を行うク
ラッチ軸56を間欠回転する縦搬送カム57、及び、前
記苗取爪14の苗取出時に苗載台13下方から作用させ
る苗押出ピン58の苗押出カム59を軸支している。苗
載台14においては、該縦搬送チェーン55・55が、
上部縦搬送軸60及び下部縦搬送軸61に巻回されてい
るものであり、該下部縦搬送軸61に該クラッチ軸56
がワンウェイクラッチを介して連結し、下方のみに該縦
搬送チェーン55が駆動する如く構成している。こうし
て、苗載台13の前後方向の摺動と、前後終端部におけ
る苗載台13上の育苗トレイTの下方への搬送駆動を構
成するものである。
【0016】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成することに
より、次の如き効果を奏するものである。請求項1の如
く構成したことにより、従来、移植爪に一個ずつのポッ
ト苗を給苗していた作業が、移植部P2に同期して、育
苗トレイTを立てて下方に搬送しかつ前後に摺動する苗
載台13により構成された給苗部P1を配設することに
より、作業者は育苗トレイを給苗部P2に供給するだけ
でよく、作業の省力化が実現できる。そして、作業者用
ステップSが野菜移植機の最後部に配設され、作業者
は、前方を見ながら作業ができるので、トラクターの進
行方向が把握でき、恐怖感を生じることなく、また、不
意の進路変更等による危険性も低減するものである。
【0017】また、請求項2の如く、移植ユニットPに
おいて、給苗部P1と移植部P2を左右方向に並置して
いるので、移植ユニットPの前後方向の長さを短縮する
ことができ、従って、野菜移植機の前後長さが短くなる
ので、トラクターの横揺れに伴う該野菜移植機の蛇行幅
を低減できるのである。
【0018】また、請求項3の如く、移植ユニットPの
駆動力は、駆動ユニットDにおける接地駆動輪Wより得
るものなので、トラクターのPTO軸より動力を得る場
合に比べ、該野菜移植機の進行速度に合致して移植爪が
駆動し、移植苗の前後間隔が常に一定で確実な移植作業
が得られるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトラクター牽引式野菜移植機の駆動ユ
ニットDの内部側面図を含む全体側面図である。
【図2】同じく移植ユニットPの側面図を含む全体側面
図である。
【図3】同じく平面図である。
【図4】駆動ユニットD及び移植ユニットPにおける駆
動系のスケルトン図である。
【符号の説明】
D 駆動ユニット W 接地駆動輪 P 移植ユニット P1 給苗部 P2 移植部 S 作業者用ステップ 1 ベースフレーム 4 回動支点軸 13 苗載台 14 苗取爪 15 移植爪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小原 勇二 岡山県岡山市久米197番地 石川島芝浦 機械株式会社岡山工場内 (56)参考文献 特開 昭59−11106(JP,A) 特開 昭56−82009(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 11/02 302

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラクター後部に昇降可能に装着する野
    菜移植機において、平面視コの字状のベースフレーム1
    の前部に、給苗部P1及び移植部P2よりなる移植ユニ
    ットPと、駆動ユニットDを回動支点軸4にて上下回動
    自在に枢支し、該移植ユニットPは、育苗トレイTを立
    てて下方に搬送しかつ前後に摺動する苗載台13よりな
    る給苗部P1と、苗取爪14と移植爪15により構成さ
    れ位置を固定された移植部P2より構成し、前記駆動ユ
    ニットDは、左右に配置した左側駆動ユニットDLと右
    側駆動ユニットDRと、その外側に配置した接地駆動輪
    Wにより構成し、ベースフレーム1の後に作業者用ス
    テップSを配設し、更に、ベースフレーム1の前端に、
    トラクターの3点リンクであるトップリンクTL及びロ
    アリンクLLを連結するための連結用マスト3を固設し
    ことを特徴とするトラクター牽引式野菜移植機。
  2. 【請求項2】 前記給苗部P1と移植部P2により構成
    した移植ユニットPにおいて、該給苗部P1と移植部P
    2を、該移植ユニットPの左右方向に並置したことを特
    徴とする請求項1記載のトラクター牽引式野菜移植機。
  3. 【請求項3】 前記給苗部P1と移植部P2により構成
    した移植ユニットPの駆動力を、左側駆動ユニットDL
    と右側駆動ユニットDRの外側に配置した接地駆動輪W
    より得ることを特徴とする請求項1記載のトラクター牽
    引式野菜移植機。
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