JP3322601B2 - 地下構造物用傾斜調整ブロック - Google Patents

地下構造物用傾斜調整ブロック

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JP3322601B2
JP3322601B2 JP08149497A JP8149497A JP3322601B2 JP 3322601 B2 JP3322601 B2 JP 3322601B2 JP 08149497 A JP08149497 A JP 08149497A JP 8149497 A JP8149497 A JP 8149497A JP 3322601 B2 JP3322601 B2 JP 3322601B2
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孝志 矢良上
信行 梅崎
賢一 古賀
義和 日高
文博 太田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下に埋設される
下水道施設、上水道施設、電力・通信施設等の地下構造
物における立上り管の傾斜を調整する地下構造物用傾斜
調整ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】各種の地下構造物においては、その内部
の点検や維持管理のために、地上に通じる立上り管を設
けるのが一般的であり、たとえば、下水道施設において
は、下水道の管路の会合する箇所や管路の方向、傾斜、
管径等の変化する箇所にはマンホールが設けられる。
【0003】近年、下水道の分野においては、点検機械
が発達し、マンホール内に人が入らずに点検が可能にな
ったこと、並びにコスト低減及び施工期間短縮の要求か
ら、マンホールの小型化が図られている。
【0004】図6は従来の小型マンホールを示す概略図
で、マンホール部分は、管路11に既製の底部ブロック
12を接続し、その上に立上り管13を接続し、立上り
管13の上部に蓋本体14aと受枠14bとからなる地
下構造物用蓋14を設けることによって構成される。と
ころが、下水道の管路11は、下水が自然流下するよう
に流れ方向に沿って下向きの傾斜を持つように埋設され
ているので、立上り管13は管路11の傾斜の分だけ傾
斜して立ち上がることになる。
【0005】立上り管13が傾斜していると、設置後の
埋め戻しの際に埋戻し土砂15により曲げ方向の荷重が
かかり、立上り管13が倒れたり、あるいは接続部分が
壊れたりする危険性があるので、垂直に立ち上がるよう
に傾斜調整を行うことが要求される。
【0006】この傾斜調整を行う手段としては、たとえ
ば、特公昭58−5331号公報に記載されている傾斜
調整枠を利用することが考えられる。
【0007】この公報記載の傾斜調整枠は、本来的には
会所桝や汚水桝等の地下構造物の上端に設置される、蓋
本体と受枠とからなる地下構造物用蓋を地表面の傾斜に
一致させるのに使用するもので、外壁面に傾斜角度を示
す目盛りを附した傾斜調整枠を2段以上組積し、傾斜調
整枠を相対的に回動することによって傾斜角度の調整を
行うものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
傾斜調整枠を地下構造物の立上り管の傾斜調整に利用し
た場合、以下の問題がある。
【0009】図7は、上記の傾斜調整枠を地下構造物の
立上り管の傾斜調整に利用した場合の問題点を説明する
ための概略図である。なお、図7においては傾斜角度を
示す目盛りは、省略している。
【0010】図7−(a)は、下部傾斜調整枠aの最も
高い側を上部傾斜調整枠bの最も低い側に合わせた場合
を示す。このとき、上部傾斜調整枠bの上面はほぼ水平
となる。
【0011】図7−(b)は、図7−(a)の状態から
上部傾斜調整枠bを下部傾斜調整枠aに対して180°
回動した状態を示し、下部傾斜調整枠aの最も高い側を
上部傾斜調整枠bの最も高い側に合わせた場合を示す。
このとき、上部傾斜調整枠bの上面は、最大傾斜角度を
もって傾斜する。また、その傾斜方向は、紙面と平行に
左から右方向に向かっている。
【0012】図7−(c)は、図7−(a)の状態から
上部傾斜調整枠bを下部傾斜調整枠aに対して反時計回
り方向に約90°回動した状態を示す。このとき、上部
傾斜調整枠bの上面の傾斜角度は、図7−(b)の最大
傾斜角度よりも小さな値となる。そして、上部傾斜調整
枠bの上面の傾斜方向は、矢印で示すように、図7−
(b)に示した上部傾斜調整枠bの傾斜方向とは異なる
方向となる。
【0013】このように、下部傾斜調整枠aと上部傾斜
調整枠bとの相対的な位置関係に応じて、上部傾斜調整
枠bの上面の傾斜角度及び傾斜方向が変わる。
【0014】このような傾斜調整枠を地下構造物の立上
り管を地上に向けて垂直に立ち上げるために用いる場
合、上部傾斜調整枠bと下部傾斜調整枠aに設けた傾斜
角度を示す目盛りを合わせることによって、図6で説明
した下水道の管路11の流れ方向(紙面に平行な方向)
の傾斜に対する傾斜角度を調整することは可能である。
【0015】しかし、前述したように、下部傾斜調整枠
aと上部傾斜調整枠bとを相対的に回動させると、傾斜
角度だけではなく傾斜方向も変化するので、これらの傾
斜調整枠を地下構造物の上に載置するときの地下構造物
に対する位置関係によっては、傾斜方向が管路の流れ方
向と交叉する方向となるので、立上り管は、管路の流れ
方向と交叉する方向に対して傾斜して立ち上がることに
なる。
【0016】この場合、前述のように設置後の埋め戻し
の際に埋戻し土砂により曲げ方向の荷重がかかり、立上
り管が倒れたり、接続部分が壊れたりするという問題が
ある。
【0017】さらに、立上り管の上部に設置する地下構
造物用蓋を開けて、地上から地下構造物内部の点検を行
う場合、立上り管が傾斜していると内部の状況が確認し
ずらくなるという問題もある。
【0018】これらの問題を解消するためには、下部傾
斜調整枠aと上部傾斜調整枠bの両方を、これらの傾斜
調整枠を載置する地下構造物に対して回動させることに
よって、傾斜角度及び傾斜方向を調整することが必要と
なる。そのため、現場施工の際の作業者の負担が増し、
また、作業効率も悪くなる。
【0019】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、地下構造物の立上り管の傾斜調整を簡単かつ正確に
行うことができるようにした地下構造物用傾斜調整ブロ
ックを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の地下構造物用傾
斜調整ブロックは、地下構造物の立上り管の傾斜を調整
する傾斜調整ブロックであって、傾斜調整ブロックは、
上部ブロックと下部ブロックとからなり、下部ブロック
は、下部ブロックが載置される地下構造物に対して回動
可能に載置され、上部ブロックは、下部ブロックに対し
て回動可能に載置され、上部ブロックと下部ブロック
は、それぞれの上面と下面の少なくとも一方を傾斜面と
し、上部ブロックと下部ブロックには、所定の傾斜角度
を調整するための第1の表示を設け、下部ブロックに
は、下部ブロックが載置される地下構造物に対する傾斜
方向を調整するための第2の表示を設けたことを特徴と
する。
【0021】このような構成にすることによって、第1
の表示及び第2の表示を目印として、傾斜角度だけでな
く傾斜方向の調整も簡単に行うことができ、立上り管を
地上に向けて垂直に立ち上げることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明においては、第1の表示
は、上部ブロック又は下部ブロックのいずれか一方に設
けた傾斜角度調整目盛と、上部ブロック又は下部ブロッ
クのいずれか他方に設けた合わせ位置表示とからなり、
傾斜角度調整目盛と合わせ位置表示とを合わせることよ
って、所定の傾斜角度を調整することができる。
【0023】また、傾斜角度調整目盛については、上部
ブロックと下部ブロックとの相対的な回動によって得ら
れる最大の傾斜角度を等分するように設けることが好ま
しい。
【0024】また、第1の表示は、上部ブロックと下部
ブロックに設けた合わせ位置表示と、上部ブロック又は
下部ブロックに設けた回動方向表示と、上部ブロック又
は下部ブロックに設けた回動距離表示とから構成するこ
ともでき、この場合は、上部ブロックを下部ブロックに
対して、上部ブロックと下部ブロックのそれぞれの合わ
せ位置表示を合せた位置を起点として回動方向表示の向
きに回動距離表示の回動距離だけ回動させることによっ
て所定の傾斜角度を調整することができる。
【0025】第2の表示は、傾斜方向調整目盛であり、
この傾斜方向調整目盛を下部ブロックが載置される地下
構造物に対して合わせることによって傾斜角度に応じて
傾斜方向を調整することができる。
【0026】また、傾斜方向調整目盛を下部ブロックが
載置される地下構造物に設けるとともに、第2の表示
しての合わせ位置表示を下部ブロックに設け、この合わ
せ位置表示を前記傾斜方向調整目盛に対して合わせるこ
とによっても、傾斜角度に応じて傾斜方向を調整するこ
とができる。
【0027】上部ブロックと下部ブロックとの合わせ面
をそれぞれ傾斜面とし、上部ブロックの最大高さ位置を
下部ブロックの最小高さ位置に合わせたときに、上部ブ
ロックの上面と下部ブロックの下面とが平行になるよう
に構成すると、傾斜角度を零から調整することができ
る。
【0028】
【実施例】図1は上部ブロックを示し、図1−(a)は
平面図、図1−(b)は正面図、図1−(c)は裏面図
の半分である。上部ブロック1は円筒状に形成され、上
端は水平面とし、その内周には立上り管を載置させるた
めの段部2が形成されている。
【0029】上部ブロック1の下面は、水平面に対して
3°の傾斜角度を持つ傾斜面3にするとともに、下面に
は後述の下部ブロック6の環状係合凹部8(図2)に係
合し摺動する環状係合凸部4を設けている。
【0030】図2は下部ブロックを示し、図2−(a)
は平面図、図2−(b)は正面図、図2−(c)は裏面
図の半分である。下部ブロック6の上面は、上部ブロッ
ク1の傾斜面3と同じ3°の傾斜角度を持つ傾斜面7に
するとともに、上面には前述の上部ブロック1の下面に
設けられた環状係合凸部4に係合し摺動する環状係合凹
部8を設けている。環状係合凹部8の幅は、上部ブロッ
ク1の環状係合凸部4の幅よりも若干大きくしており、
両者の間にクリアランスを設けることによって、上部ブ
ロック1が下部ブロック6に対して円滑に回動できるよ
うにしている。下部ブロック6の下端は水平面とし、そ
の外周は後述の底部ブロック12(図3)の開口部の段
部に係合する形状に形成されている。
【0031】前述のとおり、本実施例では、上部ブロッ
ク1と下部ブロック6のそれぞれの傾斜面3、7が3°
の傾斜角度を持っているので、下部ブロック6の上に上
部ブロック1を載置し、これらを相対的に回動させるこ
とによって、0〜6°の範囲で傾斜角度を調整すること
ができる。
【0032】そして、所定の傾斜角度を調整するための
第1の表示として、図1又は図2に示すように、上部ブ
ロック1に傾斜角度調整目盛5を、下部ブロック6に合
わせマーク9を設けている。傾斜角度調整目盛5は、上
部ブロック1の外周面の下端側に設けており、上部ブロ
ック1の最小高さ位置に0°の、最大高さ位置に6°の
目盛を表示し、その間を図1−(c)において時計回り
方向に1°間隔で目盛を表示している。
【0033】この傾斜角度調整目盛5の各目盛の位置
は、 α=cos-1{tan(ψ−θ)/tanψ}・・・(1)式 で求められる。ここで、αは図1−(c)における基準
線OAからの中心角、ψは傾斜面3、7の傾斜角度(本
実施例ではψ=3°)、θは下部ブロック6上に上部ブ
ロック1を載置したときの上部ブロック1の上面の傾斜
角度である。したがって、例えば、1°の目盛位置は、
(1)式にθ=1°を代入するとα=48°となり、以
後同様に(1)式のθに各数値を代入することによっ
て、0°〜6°の各目盛位置が図1−(c)に示すよう
に設定される。他方、合わせマーク9は、下部ブロック
6の最大高さ位置の外周面の上端に設けている。そし
て、この合わせマーク9を前記の傾斜角度調整目盛5に
合わせることによって、0〜6°の範囲で所定の傾斜角
度を調整することができる。
【0034】さらに、下部ブロック6の外周面の下端側
には、第2の表示としての傾斜方向調整目盛10を設け
ている。傾斜方向調整目盛10は、後述するように、上
部ブロック1と下部ブロック6との組み合せによって調
整する傾斜角度に応じて、各々の傾斜角度における傾斜
方向を管路の流れ方向に一致させ、立上がり管を垂直に
立ち上げるための表示である。本実施例では、下部ブロ
ック6の最小高さ位置と最大高さ位置とのちょうど中間
の位置に0°の、最大高さ位置に6°の目盛を表示し、
その間を傾斜角度調整目盛5と同様に1°間隔で目盛を
表示している。なお、目盛の表示方向は、傾斜角度調整
目盛5とは反対方向であり、図2−(c)において反時
計回り方向である。
【0035】この傾斜方向調整目盛10の各目盛の位置
は、 β=α×0.5・・・(2)式 で求められる。ここで、βは図2−(c)における基準
線OBからの中心角である。したがって、例えば1°の
目盛位置はβ=24°となり、0°〜6°の各目盛位置
は、図2−(c)に示す位置となる。
【0036】次に、本発明の傾斜調整ブロックを用いて
立上り管を垂直に立ち上げる方法について説明する。
【0037】図3は、本発明の傾斜調整ブロックBを用
いた下水道施設の立上り管(小型マンホ一ル)を示し、
図3−(a)は正面図、図3−(b)は右側面図であ
る。なお、図3の例は、管路11の流れ方向の傾斜が3
°の場合である。
【0038】この場合、まず下部ブロック6をその傾斜
方向調整目盛10の3°の目盛が流入側の管路11のセ
ンターに合うように底部ブロック12の上に配置する。
【0039】次いで、下部ブロック6の上に上部ブロッ
ク1をその傾斜角度調整目盛5の3°の目盛が下部ブロ
ック6の合わせマーク9に合うように配置する。このよ
うに底部ブロック12の上に下部ブロック6と上部ブロ
ック1とを管路11の傾斜に応じてそれぞれ位置決めし
て積み重ねることによって、管路11の傾斜に対して傾
斜角度を調整するだけでなく傾斜方向も調整し、立上り
管13を垂直に立ち上げることができる。なお、実施例
のように傾斜角度調整目盛5の目盛と傾斜方向調整目盛
10の目盛とを対応させておくと、管路11の傾斜に対
して傾斜角度と傾斜方向の両方を簡単に調整することが
できる。また、実施例では上部ブロック1と下部ブロッ
ク6とは面合しているので、傾斜角度調整後に、曲げ方
向や圧縮方向に荷重が加わっても、傾斜角度がずれるこ
とはない。
【0040】図4は、本発明における第1の表示の別実
施例を示すもので、図4−(a)は上部ブロックの正面
図、図4−(b)は下部ブロックの正面図である。ま
た、図5は下部ブロックに設けた傾斜方向調整目盛と回
動距離表示の拡大図である。
【0041】上部ブロック1と下部ブロック6の形状
は、先の実施例のものと同一であり、同一の部分につい
ては同一の符号で示しその説明を省略する。また、それ
ぞれの傾斜面3、7の傾斜角度も3°である。
【0042】上部ブロック1には、図4−(a)に示す
ように最小高さ位置の外周面の下端に合わせマーク20
を設け、この合わせマーク20位置を起点として図中左
方向に向かう矢印21を設けている。一方、下部ブロッ
ク6には、図4−(b)に示すように合わせマーク9、
傾斜方向調整目盛10のほかに、所定の傾斜角度を調整
するために必要な上部ブロック1の回動距離を示した回
動距離表示22が設けられている。
【0043】この回動距離表示22には、図5に示すよ
うに傾斜方向調整目盛10の傾斜角度を示す各盛に対
応させて回動距離を表示しており、例えば、調整する傾
斜角度が3°の場合、上部ブロック1を下部ブロック6
との合わせ面に沿って周方向に回動させる距離が330
mmであることを示している。なお、回動距離は合わせ
面の外径が変われば当然変わるが、本実施例では合わせ
面の外径が420mmの場合であり、この外径の値と図
1−(c)に示した傾斜角度調整目盛5の各目盛位置を
示す中心角から計算すれば周方向の回動距離を求めるこ
とができる。
【0044】以上の構成において、立上り管を垂直に立
ち上げる方法について、先の実施例の図3に示す管路1
1の流れ方向の傾斜が3°の場合において、図3を参照
して説明する。
【0045】まず、先の実施例と同じように下部ブロッ
ク6をその傾斜方向調整目盛10の3°の目盛が流入側
の管路11のセンターに合うように底部ブロック12の
上に配置する。次いで、上部ブロック1をその合わせマ
ーク20が下部ブロックの合わせマーク9に合うように
下部ブロック6の上に載せた後、上部ブロック1を矢印
21の方向に3°の傾斜角度に対応する回動距離(33
0mm)だけ回動させる。
【0046】以上の方法によって、本実施例においても
先の実施例と同様に立上り管13を垂直に立ち上げるこ
とができる。
【0047】また、上部ブロック1を下部ブロック6に
対して所定の回動距離だけ回動させるときには、回動距
離を明示したゲージやテープ等を用いることにより、簡
単に所定の回動距離だけ回動させることができる。
【0048】なお、本実施例においては回動方向表示と
しての矢印21を上部ブロック1側に、回動距離表示2
2を下部ブロック6側に設けたが、これらの表示は上部
ブロックと下部ブロックの何れに設けてもよい。また、
回動方向表示と回動距離表示の表示方法も実施例に限定
されるものではなく、要するに、所定の傾斜角度を調整
するために、上部ブロックを下部ブロックに対して合わ
せマーク位置を起点として回動させる方向とその距離が
わかるような表示であればよい。
【0049】さらに、上部ブロックと下部ブロックのそ
れぞれの傾斜面の傾斜角度は、実施例のように、必ずし
も同一である必要はない。ただし、実施例のように、上
部ブロックと下部ブロックのそれぞれの傾斜面の傾斜角
度はなるべく同一にする方が、上部ブロックと下部ブロ
ックを相対的に円滑に回動させるためには好適である。
また、実施例のように、上部ブロックと下部ブロックと
の合わせ面を同一の傾斜角度を有する傾斜面とし、上部
ブロックの最大高さ位置を下部ブロックの最小高さ位置
に合わせたとき、上部ブロックの上面と下部ブロックの
下面とが平行になるように構成すると、傾斜角度を零か
ら調整できるという面から好ましい。
【0050】実施例では、下部ブロックの傾斜方向調整
目盛は、管路の流入側に合わせるようにしているが、管
路の流出側に合わせるような表示としてもよい。
【0051】また、下部ブロックが載置される底部ブロ
ックに、実施例のような傾斜方向調整目盛を設けるとと
もに、下部ブロックに合わせ位置表示を設け、この合わ
せ位置表示を前記の傾斜方向調整目盛に対して合わせる
ようにしてもよい。要するに、上部ブロックと下部ブロ
ックとの組み合わせによって得られる傾斜角度に応じ
て、底部ブロックとの位置関係を調整し、各々の傾斜角
度における傾斜方向を管路の流れ方向に一致させること
ができるようなような表示であればよい。
【0052】傾斜角度調整目盛及び傾斜方向調整目盛の
目盛の表示方法は、角度だけでなく、百分率(%)とし
てもよい。
【0053】実施例では、底部ブロックの上に、直接、
下部ブロックと上部ブロックを積み重ねたが、立上り管
の途中に上部ブロックと下部ブロックを組み込んで傾斜
調整を行ってもよい。ただし、立上り管の下端部側で傾
斜調整を行う方が、埋め戻しの際の立上り管の倒れや立
上り管と底部ブロックとの接続部分の破損を防止すると
いう面からは好ましい。
【0054】
【発明の効果】(1) 所定の傾斜角度を調整するため
の第1の表示及び下部ブロックが載置される地下構造物
に対する傾斜方向を調整するための第2の表示を設ける
ことによって、傾斜角度の調整だけではなく傾斜方向の
調整も簡単に行うことができるので、立上り管の傾斜調
整を簡単かつ正確に行うことができる。
【0055】(2) 第2の表示として、傾斜方向調整
目盛を下部ブロックに設けることによって、調整が必要
な傾斜角度に応じて傾斜方向を調整することができるの
で、施工現場によって調整が必要な傾斜角度が変わった
としても、簡単に傾斜角度と傾斜方向を調整することが
できる。傾斜方向調整目盛を下部ブロックが載置される
地下構造物に設けるとともに、第2の表示としての合わ
せ位置表示を下部ブロックに設けることによっても同様
の効果を得ることができる。
【0056】(3) 前記の傾斜調整を行うことによっ
て、立上り管を垂直に立ち上げることができるので、埋
め戻しの際の立上り管の倒れや接続部分の破損を防止す
ることができる。
【0057】(4) 傾斜調整により立上り管が垂直に
なる場合、地上から地下構造物内部の点検を行うときの
視認性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 上部ブロックを示し、図1−(a)は平面
図、図−1(b)は正面図、図1−(c)は裏面図の半
分である。
【図2】 下部ブロックを示し、図2−(a)は平面
図、図2−(b)は正面図、図2−(c)は裏面図の半
分である。
【図3】 本発明の地下構造物用傾斜調整ブロックを用
いた立上り管を示し、図3−(a)は正面図、図3−
(b)は右側面図である。
【図4】 本発明の別実施例で、図4−(a)は上部ブ
ロックの正面図、図4−(b)は下部ブロックの正面図
である。
【図5】 下部ブロックに設けた傾斜方向調整目盛と回
動距離表示の拡大図である。
【図6】 従来の小型マンホールを示す概略図である。
【図7】 傾斜調整枠を地下構造物の立上り管の傾斜調
整に利用した場合の問題点を説明するための概略図であ
る。
【符号の説明】
1 上部ブロック 2 段部 3 傾斜面 4 環状係合凸部 5 傾斜角度調整目盛 5a 回動距離表示 6 下部ブロック 7 傾斜面 8 環状係合凹部 9 合わせマーク(合わせ位置表示) 9b 矢印 10 傾斜方向調整目盛(第2の表示) 11 管路 12 底部ブロック(地下構造物) 13 立上り管 14 地下構造物用蓋 14a 蓋本体 14b 受枠 15 埋戻し土砂 20 合わせマーク(合わせ位置表示) 21 矢印(回動方向表示) 22 回動距離表示 B 傾斜調整ブロック a 下部傾斜調整枠 b 上部傾斜調整枠
フロントページの続き (72)発明者 古賀 賢一 福岡市博多区堅粕5丁目8番18号 日之 出水道機器株式会社内 (72)発明者 日高 義和 福岡市博多区堅粕5丁目8番18号 日之 出水道機器株式会社内 (72)発明者 太田 文博 福岡市博多区堅粕5丁目8番18号 日之 出水道機器株式会社内 (56)参考文献 実開 平3−62132(JP,U) 実開 昭61−58248(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 29/12

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地下構造物の立上り管の傾斜を調整する
    傾斜調整ブロックであって、傾斜調整ブロックは、上部
    ブロックと下部ブロックとからなり、下部ブロックは、
    下部ブロックが載置される地下構造物に対して回動可能
    に載置され、上部ブロックは、下部ブロックに対して回
    動可能に載置され、上部ブロックと下部ブロックは、そ
    れぞれの上面と下面の少なくとも一方を傾斜面とし、上
    部ブロックと下部ブロックには、所定の傾斜角度を調整
    するための第1の表示を設け、下部ブロックには、下部
    ブロックが載置される地下構造物に対する傾斜方向を調
    整するための第2の表示を設けたことを特徴とする地下
    構造物用傾斜調整ブロック。
  2. 【請求項2】 第1の表示は、上部ブロック又は下部ブ
    ロックのいずれか一方に設けた傾斜角度調整目盛と、上
    部ブロック又は下部ブロックのいずれか他方に設けた合
    わせ位置表示とからなり、傾斜角度調整目盛と合わせ位
    置表示とを合わせることによって、所定の傾斜角度を調
    整するようにしたことを特徴とする請求項1記載の地下
    構造物用傾斜調整ブロック。
  3. 【請求項3】 傾斜角度調整目盛は、上部ブロックと下
    部ブロックとの相対的な回動によって得られる最大の傾
    斜角度を等分するように設けたことを特徴とする請求項
    2記載の地下構造物用傾斜調整ブロック。
  4. 【請求項4】 第1の表示は、上部ブロックと下部ブロ
    ックに設けた合わせ位置表示と、上部ブロック又は下部
    ブロックに設けた回動方向表示と、上部ブロック又は下
    部ブロックに設けた回動距離表示とからなることを特徴
    とする請求項1記載の地下構造物用傾斜調整ブロック。
  5. 【請求項5】 第2の表示は、傾斜方向調整目盛であ
    り、この傾斜方向調整目盛を下部ブロックが載置される
    地下構造物に対して合わせることによって傾斜角度に応
    じて傾斜方向を調整するようにしたことを特徴とする請
    求項1、2、3又は4記載の地下構造物用傾斜調整ブロ
    ック。
  6. 【請求項6】 傾斜方向調整目盛を下部ブロックが載置
    される地下構造物に設けるとともに、第2の表示として
    の合わせ位置表示を下部ブロックに設け、この合わせ位
    置表示を前記傾斜方向調整目盛に対して合わせることに
    よって、傾斜角度に応じて傾斜方向を調整するようにし
    たことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の地下
    構造物用傾斜調整ブロック。
  7. 【請求項7】 上部ブロックと下部ブロックとの合わせ
    面をそれぞれ傾斜面とし、上部ブロックの最大高さ位置
    を下部ブロックの最小高さ位置に合わせたときに、上部
    ブロックの上面と下部ブロックの下面とが平行になるよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5又は6記載の地下構造物用傾斜調整ブロック。
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