JP3322094B2 - ポリアミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
ポリアミドフィルムおよびその製造方法Info
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Description
フィルムに関するものである。詳しくは、滑り性および
透明性に優れたポリアミドフィルムに関するものであ
る。
遮断性、透明性、耐油性、耐薬品性に優れているため包
装分野、特に食品包装の分野で利用されている。
ため、製膜時にフィルムが引っかかったり、多色印刷時
にインクの印刷ずれが起こり不良品が発生するなどの問
題が生じる。このようにフィルムの滑り性は生産性、品
質面などにおいて極めて重要な特性であり、滑り性の改
善が切望されてきた。
法としては、無機粒子を添加することは公知であり、例
えば特公昭58−52820公報には比表面積100m
2/g以上の無機粒子を添加することが記載されてい
る。また、特開昭62−252452号公報には50〜
300m2/gの比表面積を有する湿式法で合成された
二酸化ケイ素を添加することが記載されている。
を添加すると滑り性は増すが、球晶の発達、ポリアミド
樹脂と無機粒子との間に生じるボイドなどによりフィル
ムの透明性が低下する。
時に改善するために幾つかの検討が行われているが、従
来の技術では優れた滑り性と透明性を持つポリアミドフ
ィルムを得ることはできなかった。
00℃以上の温度で高温熱処理された二酸化ケイ素を、
樹脂の艶消し性を改善する目的で、樹脂に添加すること
が記載されているが、ポリアミドフィルムの滑り性に関
する記載はない。
性と透明性という両立しない物性を同時に改善し、滑り
性および透明性が優れたポリアミドフィルムを提供する
ことにある。
よび透明性に優れたポリアミドフィルムを開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、所定の平均粒径、比表面積を有
し、所定の熱処理温度で処理された二酸化ケイ素を特定
の割合でポリアミド中に分散させることにより、その目
的を達するポリアミドフィルムが得られることを見出だ
し、本発明を完成するに至った。
は、(A)ポリアミド 100重量部 および(B)
1〜6μmの平均粒径を有し、かつ100〜300m2
/gの比表面積を有すると共に、450〜900℃で熱
処理された二酸化ケイ素0.1〜1.0重量部からな
る。
リアミドフィルムにすることができる。
は、一般にポリアミドと称される組成物を包含し、代表
的なものとしては、6−ナイロン、6,6−ナイロン、
6,10−ナイロン、12−ナイロン、ポリ(メタキシ
レンアジパミド)等が挙げられる。これらのポリアミド
はブレンドしたものでも良く、また、6−ナイロン/
6,6−ナイロン、6−ナイロン/6,10−ナイロ
ン、6−ナイロン/12−ナイロン、6−ナイロン/
6,10−ナイロン/12−ナイロン等の共重合体にも
使用できる。
50〜900℃での熱処理を受けたものであり、かつ前
記した所定範囲内の平均粒径、比表面積を有する二酸化
ケイ素である。
いているが、この二酸化ケイ素の平均粒径が1μm以下
では滑り性が余り改良されず好ましくない。一方、平均
粒径が6μmより大きいとフィルム中のフィッシュアイ
の原因になるので好ましくない。二酸化ケイ素の好まし
い平均粒径は2.0〜5.0μmである。比表面積が1
00m2/g未満ではポリアミドとの親和性が低下する
ため、延伸時にポリアミドと二酸化ケイ素の界面にボイ
ドが発生し透明性が低下する。また、300m2/gを
越えると粒子表面のシラノール基が強く結合し凝集物が
できやすくなるため透明性が低下する。二酸化ケイ素の
好ましい比表面積は120〜200m2/gである。
00℃超ではそれぞれ透明性が低下する。好ましい熱処
理温度は700〜850℃である。熱処理時間として
は、0.1時間以上、0.2時間以上、0.2〜5時
間、さらに0.5〜3時間の順でが好ましい。
基数が、5個/100A2 以下であることが好ましい。
表面シラノール基数が大きいと、粒子間の凝集力が強く
なり凝集物ができやすくなるため透明性が低下する。好
ましくは2個/100A2 以下である。
割合が0.1重量部未満では、フィルムに十分な滑り性
を付与することができず、1.0重量部を越えるとフィ
ルムの透明性が低下する。好ましくは0.2〜0.5重
量部である。
との配合は任意の段階で行うことができる。例えば、ポ
リアミドの重合開始前または重合開始後の任意の時期に
内部添加する方法でも良く、または、二酸化ケイ素(B
成分)を1.0重量部以上の高濃度で含むポリアミド組
成物を製造しておき、これと二酸化ケイ素を含まないポ
リアミドをフィルムを製膜する前に、フィルム中の二酸
化ケイ素が0.1〜1.0重量部含まれるように混合し
ても良い。
法としては、当業界で一般的なポリアミドフィルムの製
膜方法で行うことができる。
等の方法があり、必要に応じて公知の延伸方法により一
軸延伸、二軸延伸等の延伸工程を経て延伸フィルムとし
ても良い。
ルムであっても良いし、共押出しやラミネ−トのような
多層フィルムの少なくとも一部を形成するものであって
も良い。
止剤、着色剤等を添加して、更に付加価値の高いポリア
ミドフィルムを得ることも可能である。
明する。なお、フィルム、および二酸化ケイ素の各物性
は以下に示した方法により測定した。
対湿度55%の条件下で、平行移動式で静止摩擦係数を
測定した。
M D1003に準じてフィルムのヘ−ズ値を測定し
た。
測定した。
して算出した。測定法としては定圧容量法を採用し、測
定温度は液体窒素浴を用いて−196℃にした。
平衡時の窒素圧力、v:圧力pにおける吸着気体の容
積、vm :全表面が吸着層で覆われた時の吸着気体の容
積、K:定数〕を用いてp/v(p0 −p)と p/p
0 との関係をグラフに画き、p/p0 が0.05〜0.
35の範囲で直線を引き、その切片と勾配からvm およ
びKを算出し、このvm から常法により比表面積を計算
した。尚、窒素分子の占有面積を16.2A2 とし、測
定装置の死容積の測定はヘリウムガスを使用した。
たものの重量を基準とし、800℃で恒量になるまで強
熱した時の減量から以下の式を用いてシラノ−ル基数を
求めた。
成するための乗数、1020:比表面積の単位をm2 /
gからA2 /gに換算するための係数〕
素(平均粒径3.1μm、比表面積133m2/g、表
面シラノール基数2個/100Å2)と6−ナイロンパ
ウダー(パウダー粒径20メッシュパス)をブレンドし
たものを二軸押出し機を用いて溶融混練し、二酸化ケイ
素含有量10%の6−ナイロンペレットを得た。この6
−ナイロンペレット3重量部と二酸化ケイ素無添加6−
ナイロンペレットを97重量部をブレンドし、二酸化ケ
イ素含有量0.3重量部とした。
T−ダイ法により、250℃で溶融した後20℃の冷却
ロ−ル上に押出し,厚さ40μmの未延伸フィルムを得
た。得られたフィルムの滑り性および透明性の評価結果
を表1に示す。
イ素(平均粒径3.1μm、比表面積142m2 /g、
表面シラノ−ル基数5個/100A2 )を用いて、実施
例1と同じ方法で二酸化ケイ素含有量10%の6−ナイ
ロンペレットを得た。この6−ナイロンペレット3重量
部と二酸化ケイ素無添加6−ナイロンペレットを97重
量部をブレンドし、二酸化ケイ素含有量を0.3重量部
とした。このブレンドした6−ナイロンを実施例1と同
じ方法で製膜した。評価結果を表1に示す。
レットと二酸化ケイ素無添加6−ナイロンのブレンド比
を変えて、二酸化ケイ素含有量を0.1重量部および
0.8重量部とした以外は実施例1と同じ方法で製膜し
た。評価結果を表1に示す。
イ素(平均粒径1.5μm、比表面積150m2 /g、
表面シラノ−ル基数2個/100A2 )を用いて、実施
例1と同じ方法で二酸化ケイ素含有量10%の6−ナイ
ロンペレットを得た。この6−ナイロンペレット5重量
部と二酸化ケイ素無添加6−ナイロンペレットを95重
量部をブレンドし、二酸化ケイ素含有量を0.5重量部
とした。このブレンドした6−ナイロンを実施例1と同
じ方法で製膜した。評価結果を表1に示す。
イ素(平均粒径5.0μm、比表面積120m2 /g、
表面シラノ−ル基数2個/100A2 )を用いて、実施
例1と同じ方法で二酸化ケイ素含有量10%の6−ナイ
ロンペレットを得た。この6−ナイロンペレット2重量
部と二酸化ケイ素無添加6−ナイロンペレットを98重
量部をブレンドし、二酸化ケイ素含有量を0.2重量部
とした。このブレンドした6−ナイロンを実施例1と同
じ方法で製膜した。評価結果を表1に示す。
第1表に示す平均粒径・比表面積・表面シラノ−ル基数
を有する二酸化ケイ素を用いて、実施例1と同じ方法で
二酸化ケイ素含有量10%の6−ナイロンペレットを得
た。この6−ナイロンペレットと二酸化ケイ素無添加6
−ナイロンペレットを第1表に示した二酸化ケイ素含有
量になるよう所定の割合でブレンドした後、実施例1と
同じ方法で製膜した。
性が不足し(比較例1)、6μmより大きい場合には滑
り性は良好であるが透明性が不足する(比較例2)。比
表面積が100m2/gより小さい場合にはポリアミド
との親和性が悪いために透明性が低下し(比較例3)、
比表面積が300m2/gより大きい場合には二酸化ケ
イ素の凝集物のために透明性が低下した(比較例4)。
また熱処理条件が弱い場合には、透明性が低下した(比
較例5、6)。二酸化ケイ素への熱処理温度が950℃
と高い場合には透明性が低下した(比較例7)。平均粒
径と比表面積が請求の範囲にあっても、二酸化ケイ素の
含有量が0.1重量部より少ない場合には十分な滑り性
が得られず(比較例8)、二酸化ケイ素の含有量が1.
0重量部より多い場合にはフィルムの透明性が低下した
(比較例9)。
ムは、優れた滑り性および透明性を有する。
Claims (4)
- 【請求項1】(A)ポリアミド 100重量部 およ
び(B)1〜6μmの平均粒径を有し、かつ100〜3
00m2/gの比表面積を有すると共に、450〜90
0℃で熱処理された二酸化ケイ素0.1〜1.0重量部
を配合してなるポリアミドフィルム。 - 【請求項2】食品包装用である請求項1記載のポリアミ
ドフィルム。 - 【請求項3】(A)ポリアミド 100重量部 およ
び(B)1〜6μmの平均粒径を有し、かつ100〜3
00m2/gの比表面積を有すると共に、450〜90
0℃で熱処理された二酸化ケイ素0.1〜1.0重量部
を溶融混合したポリアミド組成物を溶融製膜することを
特徴とするポリアミドフィルムの製造方法。 - 【請求項4】前記二酸化ケイ素の表面シラノール基数
が、5個/100A2 以下である請求項3記載のポリア
ミドフィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25376695A JP3322094B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | ポリアミドフィルムおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25376695A JP3322094B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | ポリアミドフィルムおよびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0995546A JPH0995546A (ja) | 1997-04-08 |
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---|---|---|---|---|
KR101877859B1 (ko) | 2010-12-07 | 2018-07-12 | 미쯔비시 가스 케미칼 컴파니, 인코포레이티드 | 폴리아미드 수지 필름 및 그 제조 방법 |
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1995
- 1995-09-29 JP JP25376695A patent/JP3322094B2/ja not_active Expired - Fee Related
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