JP3320603B2 - 電界放出型冷陰極装置及びその製造方法 - Google Patents

電界放出型冷陰極装置及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体プロセスを利
用した電界放出型冷陰極装置及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路を中心に発達してきた微
細加工技術を用いて微小冷陰極装置を形成する方法の開
発が近年活発に進められている。これまでに、超高周波
数素子、フラットディスプレイ、光源、センサー等への
微小冷陰極装置の応用研究が行われている。そして、そ
の電子源の特徴を生かした、半導体の固体素子の限界を
越えるデバイスの開発への期待が寄せられている。
【0003】その典型的な例としてはC.A.Spindt
により提案された電界放出型冷陰極装置が知られてい
る。この電界放出型冷陰極装置の例を図9に示す。同図
に示すように、この装置は、Si等からなる基板1上に
形成された、Mo等からなるエミッタ2、SiO2 等か
らなる酸化膜3、Mo等からなるゲート電極4等を具備
する。なお、エミッタ2は、先端部ができるだけ鋭くな
るよう、縦断面がほぼ三角形となるように形成されてい
る。
【0004】電界放出型エミッタの原理としてFowler-
Nordheim の理論が用いられている。この理論によれ
ば、放出電流値は、エミッタ材料の仕事関数と電子を放
射する部分の電界強度とによって決まる。
【0005】放出電流を高める方法としては、エミッタ
の先端の曲率半径を小さくして電界強度を高める方法
と、エミッタ材料として親和力の小さい材料を用いるこ
とにより仕事関数を小さくする方法と、が用いられてい
る。
【0006】従来の電界放出型冷陰極装置の基本構造
は、金属或いは半導体を鋭く尖らせた電子放射部(エミ
ッタ)と、エミッタの先端部に強い電界を誘起させるゲ
ートとからなる。この様なエミッタ及びゲートの組合わ
せが、アレイ基板上に多数集積配置される。
【0007】しかしながら、上述した従来の電界放出型
冷陰極装置及びその製造方法においては、以下の重要な
問題点がある。
【0008】従来の電界放出型冷陰極装置では、エミッ
タの形状に依存して電界集中させるため、エミッタ先端
部の成形時におけるナノメートルオーダーサイズの制御
が不可欠となる。しかし、現在の微細加工技術では、エ
ミッタの高さや先端部の形状等にはバラ付きが生じやす
く、エミッタの構造を均一化することが困難である。エ
ミッタ放射電流は極めて構造に対して敏感であるため、
エミッタの寸法にバラツキがあると、アレイの一部しか
動作しない状態が生じる。これは、電界放出電流の低下
等の問題につながる。
【0009】また、エミッタアレイの形状に凹凸が存在
するため、その後にゲート電極を形成する際、エミッタ
先端とゲート電極との間の距離の制御が難しくなる。即
ち、プロセスの再現性及び歩留まりが悪くなる上、LS
Iのプレーナ技術との整合性に欠けることとなる。
【0010】一方、親和力が小さいまたは負になるエミ
ッタ材料として、最近、ダイヤモンドの研究が行われて
いる。ダイヤモンドは親和力が小さい以外に、耐久性と
耐熱性等構造的に安定であることも優れたエミッタ材料
として有望である。この場合、平面型エミッタの形成も
可能であり、エミッタを尖らせるための加工は必ずしも
必要ではないが、以下のような問題点がある。
【0011】現在の成膜技術では、ダイヤモンド薄膜が
P型しか形成できない。従って、P型ダイヤモンドの場
合、電子親和力が負であっても、仕事関数はフェルミレ
ベルから真空準位までの差であるから、この値が約5.
5eV程大きくなる。このため、十分な電界放出電流が
取れない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の電
界放出型冷陰極は、エミッタ形状の再現性や均一性が低
く、ゲート電極等の形成プロセスの制御性が悪いため、
電界放出効率の低下や不均一化、プレーナ技術との整合
性が悪い等の多くの問題をかかえている。
【0013】また、ダイヤモンドエミッタの場合、成膜
技術の限界によりP型しか形成できないため、負の電子
親和力にも係らず、仕事関数は十分な低い値がとれな
い。従って、低電圧駆動の大電流放出は実現できていな
い。
【0014】本発明の目的は、低電圧駆動下でも電界放
出効率の向上及び均一化が可能な電界放出型冷陰極装置
及びその製造方法を提供することである。
【0015】本発明の別の目的は、プレーナプロセスと
の整合性を図ることができる電界放出型冷陰極装置及び
その製造方法を提供することである。
【0016】本発明の更に別の目的は、大面積化が可能
で量産性に富んだ電界放出型冷陰極装置及びその製造方
法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の視点は、
電界放出型冷陰極装置であって、電子親和力の小さい半
導体からなるP型半導体膜と、前記P型半導体層上に配
設された絶縁膜と、前記P型半導体膜と前記絶縁膜と
は、それらの界面に対して交差する端面を有すること
と、前記端面の近傍において前記絶縁膜を介して前記P
型半導体膜と対向するゲート電極と、を具備し、前記ゲ
ート電極と前記P型半導体膜との間に前記ゲート電極が
正となるように電圧を付与することにより、前記ゲート
電極と対向する前記P型半導体膜の表面領域の仕事関数
を低下させ、前記端面に位置する前記表面領域の部分か
ら電子を電界放出させることと、前記端面が数ナノメー
トルの厚さの薄い絶縁膜で被覆されることと、を特徴と
する。
【0018】本発明の第2の視点は電界放出型冷陰極
装置であって、電子親和力の小さい半導体からなるP型
半導体膜と、前記P型半導体層上に配設された絶縁膜
と、前記P型半導体膜と前記絶縁膜とは、それらの界面
に対して交差する端面を有することと、前記端面の近傍
において前記絶縁膜を介して前記P型半導体膜と対向す
るゲート電極と、を具備し、前記ゲート電極と前記P型
半導体膜との間に前記ゲート電極が正となるように電圧
を付与することにより、前記ゲート電極と対向する前記
P型半導体膜の表面領域の仕事関数を低下させ、前記端
面に位置する前記表面領域の部分から電子を電界放出さ
せることと、前記P型半導体膜が基板上に配設され、前
記基板は前記P型半導体膜、前記絶縁膜及び前記ゲート
電極を埋め込む溝を有し、前記端面が複数個、同一平面
上に配置されることと、を特徴とする。
【0019】本発明の第3の視点は、第2の視点に係る
電界放出型冷陰極装置において、前記端面が数ナノメー
トルの厚さの薄い絶縁膜で被覆されることを特徴とす
る。
【0020】本発明の第4の視点は、第2の視点の電界
放出型冷陰極装置の製造方法において、前記基板上に前
記溝を形成する工程と、前記基板上に前記P型半導体
膜、前記絶縁膜、前記ゲート電極の夫々の材料膜を順に
形成する工程と、少なくとも、前記絶縁膜、前記ゲート
電極の夫々の材料膜をエッチングし、前記端面の複数個
を、同一平面上に露出させる工程と、を具備することを
特徴とする。
【0021】本発明においては、凸形エミッタを加工形
成するのではなく、積層技術を用いてダイヤモンド等の
薄膜を含むMOSダイオードを構成し、同薄膜の端面の
表面領域をエミッタとしている。これにより、ナノメー
トルオーダーサイズのエミッタ層を制御よく形成するこ
とができる。
【0022】また、トレンチ型のMOS構造を利用して
プレーナ型エミッタアレイを形成すると、大面積化可能
なトレンチ型MOSダイオードの断面から電子を電界放
出させることができる。
【0023】また、電子親和力の小さいまたは負の半導
体からなるP型半導体に電界を付与し、その表面領域の
仕事関数を大幅に低減しているため、低電圧駆動の高効
率な電界放出特性を得ることができる。
【0024】本発明におけるエミッタ材料としては、ダ
イヤモンド等の親和力の小さいまたは負の半導体、或い
はSiC等の親和力の小さい半導体を用いることができ
る。また、エミッタ材料としては、P型半導体以外にN
型半導体を用いることができる。半導体の成膜技術とし
ては、CVD、MBE等を用いることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態に係る
電界放出型冷陰極装置を製造工程順に示す断面図であ
る。本実施の形態においては、ダイヤモンド薄膜を具備
するトレンチ型MOS構造が利用される。以下、図1を
参照し、この電界放出型冷陰極装置の製造工程を説明す
る。
【0026】先ず、通常の半導体ウェハの標準洗浄によ
り表面処理したN型Si基板11を用意する。なお、S
i基板11はP型としてもよい。次に、フォトリソグラ
フィによりパターニングしたレジストマスクを使用し、
基板11をドライエッチングする。これにより、図1
(a)に示すように、多数の円柱状の凸部12aとこれ
を囲む溝12bとを基板11上に形成する。
【0027】次に、図1(b)に示すように、基板11
全面上、即ち凸部12a及び溝12bの全体上にCVD
を用いて数μm厚さのダイヤモンド薄膜13を成膜す
る。この際、ダイヤモンド薄膜13はP型の導電型を有
することとなる。次に、図1(c)に示すように、ダイ
ヤモンド薄膜13上にSiO2 絶縁膜14を蒸着法によ
り成膜する。そして、図1(d)に示すように、絶縁膜
14上にCVD法によりポリシリコン膜15を形成す
る。
【0028】次に、ドライエッチングを用いてポリシリ
コン膜15及びSiO2 絶縁膜14をエッチングし、ダ
イヤモンド薄膜13が露出したところでエッチングを停
止し、図1(e)に示すように、ゲート絶縁膜16及び
ゲート電極17を形成する。ここで、ダイヤモンド薄膜
13、ゲート絶縁膜16及びゲート電極17の露出端面
20は、同一平面上にあり且つ膜13、16の界面に直
交する。最後に、端面20に対して、真空雰囲気を介し
て対向するように、アノード電極18を配設する。図2
は図1図示の工程により製造された電界放出型冷陰極装
置を示す部分断面斜視図である。
【0029】図1及び図2図示の電界放出型冷陰極装置
においては、ゲート電極17が正となるようにゲート電
極17と基板11との間に電圧が印加されると、ダイヤ
モンド薄膜13とゲート絶縁膜16と界面に沿ったダイ
ヤモンド薄膜13の表面領域の仕事関数が低下する。表
面領域の仕事関数は、ダイヤモンド薄膜13の電子親和
力及び電極17と基板11との間の電圧に依存し、ゼロ
近傍まで低減することができる。また、薄膜13の電子
親和力が負ではなく、小さいが正の場合は、表面領域の
導電型を反転させ、N型とすることができる。従って、
アノード電極18にゲート電極17よりも高い電位が印
加されると、仕事関数が低下したダイヤモンド薄膜13
の表面領域の端面20上の部分から、図1(e)中に矢
印で示すように、電子が放出される。
【0030】図3はダイヤモンド等の負の親和力をもつ
P型半導体のエネギーバンドの概念を示す。同図におい
て、Eoは真空準位を表わし、Efはフェルミレベルを
表わす。また、EcとEvと夫々伝導帯の底と価電帯の
上限とを表わし、Eiは禁止帯の中央を表わす。仕事関
数WはEoからEfまでのエネルギー差を表わす。図3
より、P型半導体の場合、負の親和力をもつにも係ら
ず、仕事関数Wは依然として大きいことがわかる。
【0031】図4は図1(e)に示す構成におけるエネ
ルギーバンドの概念を示す。図4に示すように、このM
OS構造は半導体層31(図1では膜13)、絶縁膜3
2(図1では膜16)及びゲート電極33(図1では電
極17)により構成されている。半導体層31に電界が
かかると、半導体層31と絶縁層32との界面に沿っ
た、半導体層31表面内の厚みが数ナノメートルオーダ
ーの表面領域34の仕事関数が低下する。この時、図4
より、フェルミレベルが伝導帯の底より上に上がり、仕
事関数が大幅に低減されることがわかる。従って、電界
放出に必要な駆動電圧は半導体MOSダイオードの動作
電圧と同レベルのわずか数ボルトとなる。また、アノー
ド電圧も非常に低い電圧で放出電流を収集することがで
きる。
【0032】図5は本発明の別の実施の形態に係る電界
放出型冷陰極装置を示す部分断面斜視図である。
【0033】この冷陰極装置を製造する場合、先ず、N
型或いはP型のSi基板41に、断面がV字形の複数の
溝を平行に形成する。次に、ダイヤモンド薄膜42をC
VDにより全面に成膜する。次に、SiO2 膜を全面に
堆積成膜すると共にエッチングによりパターニングし、
ゲート絶縁膜43を形成する。次に、電極材料膜、例え
ばポリシリコン膜を全面に堆積成膜する共にエッチング
によりパターニングし、ゲート電極44を形成する。こ
こで、ダイヤモンド薄膜42及びゲート絶縁膜43の界
面に交差するように、膜42、43及びゲート電極44
の端面46が露出する。最後に、端面46に対して、真
空雰囲気を介して対向するように、アノード電極45を
配設する。
【0034】図5図示の電界放出型冷陰極装置において
も、ゲート電極44が正となるようにゲート電極44と
基板41との間に電圧が印加されると、ダイヤモンド薄
膜42とゲート絶縁膜43と界面に沿ったダイヤモンド
薄膜42の表面領域の仕事関数が低下する。従って、ア
ノード電極45にゲート電極44よりも高い電位が印加
されると、仕事関数が低下したダイヤモンド薄膜42の
表面領域の端面46上の部分から、図5中に矢印で示す
ように、電子が放出される。
【0035】図6は本発明の更に別の実施の形態に係る
電界放出型冷陰極装置を示す断面図である。
【0036】この冷陰極装置を製造する場合、先ず、N
型或いはP型のSi基板41に、断面がV字形の複数の
溝を平行に形成する。次に、ダイヤモンド薄膜42をC
VDにより全面に成膜する。次に、厚みが数ナノメート
ルの薄いSiO2 絶縁膜53を全面に堆積成膜する。最
後に、絶縁膜53の尾根に対して、真空雰囲気を介して
対向するように引出し電極54を配設する。
【0037】図6図示の電界放出型冷陰極装置において
は、引出し電極54が図5図示の構造のゲート電極44
及びアノード電極45の両者の役割を兼ねる。引出し電
極54が正となるように電極54と基板41との間に電
圧が印加されると、ダイヤモンド薄膜42と絶縁膜53
と界面に沿ったダイヤモンド薄膜42の表面領域の仕事
関数が低下する。そして、Si基板41の尾根に隣接す
るダイヤモンド薄膜42と絶縁膜53との界面の端面5
6から、図6中に矢印で示すように、絶縁膜53を通過
して電子が放出される。また、ダイヤモンド薄膜42上
に薄いSiO2膜53が形成されているため、ダイヤモ
ンドの表面が理想的となり、表面準位を大幅に低減する
ことができる。
【0038】図7は本発明の更に別の実施の形態に係る
電界放出型冷陰極装置を示す断面図である。
【0039】この冷陰極装置を製造する場合、先ず、図
1の(a)〜(e)までと同様な工程を経て図1(e)
に示すような中間構造物を形成する。次に、ポリシリコ
ン膜をエッチングし、ゲート電極67を形成する。この
際、ゲート絶縁膜66となる薄いSiO2 酸化膜をエッ
チングせず、ダイヤモンド薄膜13を覆った状態のまま
に残す。この場合、SiO2 酸化膜66の厚みは数ナノ
メートルの薄いものとする。
【0040】図7図示の電界放出型冷陰極装置において
も、ゲート電極67が正となるようにゲート電極67と
基板11との間に電圧が印加されると共に、アノード電
極68にゲート電極67よりも高い電位が印加される
と、図7中に矢印で示すように、ゲート絶縁膜66を通
過して電子が放出される。ダイヤモンド薄膜13上にS
iO2 膜66が存在しているため、ダイヤモンド薄膜1
3の断面は表面準位のない理想状態となる。従って、よ
り低電圧駆動と高放出効率とが実現できる。
【0041】図8は本発明の更に別の実施の形態に係る
電界放出型冷陰極装置を示す部分断面斜視図である。
【0042】この冷陰極装置を製造する場合、先ず、N
型或いはP型のSi基板71上に、ダイヤモンド薄膜、
SiO2 膜、及び電極材料膜を順に形成する。次に、エ
ッチングにより、これらの膜を順に選択的に除去すると
共に、Si基板71に断面がU字形の複数の溝を平行に
形成する。これにより、Si基板71の凸部上に、ダイ
ヤモンド薄膜72、ゲート絶縁膜73、ゲート電極74
が積層された構造が得られる。最後に、Si基板71の
凸部に対して、真空雰囲気を介して対向するように、ア
ノード電極75を配設する。
【0043】図8図示の電界放出型冷陰極装置において
も、ゲート電極74が正となるようにゲート電極74と
基板71との間に電圧が印加されると共に、アノード電
極75にゲート電極74よりも高い電位が印加される
と、ダイヤモンド薄膜72とゲート絶縁膜73との界面
の端面76上の部分から、図8中に矢印で示すように、
電子が放出される。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、従来に比べて非常に小
さい仕事関数を有するエミッタを具備し、低電圧駆動と
高効率電界放出が可能な電界放出型冷陰極装置を実現で
きる。また、エミッタの凸形状加工なしに、プレーナ型
で量産性に富んだ大面積な電界放出型冷陰極装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電界放出型冷陰極装
置を製造工程順に示す断面図。
【図2】図1図示の工程により製造された電界放出型冷
陰極装置を示す部分断面斜視図。
【図3】負の親和力をもつP型半導体のエネギーバンド
の概念図。
【図4】図1(e)に示す構成におけるエネルギーバン
ドの概念図。
【図5】本発明の別の実施の形態に係る電界放出型冷陰
極装置を示す部分断面斜視図。
【図6】本発明の更に別の実施の形態に係る電界放出型
冷陰極装置を示す断面図。
【図7】本発明の更に別の実施の形態に係る電界放出型
冷陰極装置を示す断面図。
【図8】本発明の更に別の実施の形態に係る電界放出型
冷陰極装置を示す部分断面斜視図。
【図9】従来の電界放出型冷陰極装置を示す断面図。
【符号の説明】
11、41、71…基板、13、42、72…ダイヤモ
ンド薄膜、16、43、66、73…ゲート絶縁膜、1
7、44、67、74…ゲート電極、18、45、6
8、75…アノード電極、20、46、56、76…端
面、53…薄い絶縁膜、54…引出し電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−211245(JP,A) 特開 平7−272618(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/30 H01J 9/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子親和力の小さい半導体からなるP型半
    導体膜と、 前記P型半導体層上に配設された絶縁膜と、前記P型半
    導体膜と前記絶縁膜とは、それらの界面に対して交差す
    る端面を有することと、 前記端面の近傍において前記絶縁膜を介して前記P型半
    導体膜と対向するゲート電極と、 を具備し、前記ゲート電極と前記P型半導体膜との間に
    前記ゲート電極が正となるように電圧を付与することに
    より、前記ゲート電極と対向する前記P型半導体膜の表
    面領域の仕事関数を低下させ、前記端面に位置する前記
    表面領域の部分から電子を電界放出させることと、 前記端面が数ナノメートルの厚さの薄い絶縁膜で被覆さ
    れることと、 を特徴とする電界放出型冷陰極装置。
  2. 【請求項2】電子親和力の小さい半導体からなるP型半
    導体膜と、 前記P型半導体層上に配設された絶縁膜と、前記P型半
    導体膜と前記絶縁膜とは、それらの界面に対して交差す
    る端面を有することと、 前記端面の近傍において前記絶縁膜を介して前記P型半
    導体膜と対向するゲート電極と、 を具備し、前記ゲート電極と前記P型半導体膜との間に
    前記ゲート電極が正となるように電圧を付与することに
    より、前記ゲート電極と対向する前記P型半導体膜の表
    面領域の仕事関数を低下させ、前記端面に位置する前記
    表面領域の部分から電子を電界放出させることと、 前記P型半導体膜が基板上に配設され、前記基板は前記
    P型半導体膜、前記絶縁膜及び前記ゲート電極を埋め込
    む溝を有し、前記端面が複数個、同一平面上に配置され
    ることと、 を特徴とする電界放出型冷陰極装置。
  3. 【請求項3】前記端面が数ナノメートルの厚さの薄い絶
    縁膜で被覆されることを特徴とする請求項2に記載の電
    界放出型冷陰極装置。
  4. 【請求項4】前記基板上に前記溝を形成する工程と、 前記基板上に前記P型半導体膜、前記絶縁膜、前記ゲー
    ト電極の夫々の材料膜を順に形成する工程と、 少なくとも、前記絶縁膜、前記ゲート電極の夫々の材料
    膜をエッチングし、前記端面の複数個を、同一平面上に
    露出させる工程と、 を具備することを特徴とする請求項2に記載の電界放出
    型冷陰極装置の製造方法。
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