JP3320208B2 - 玉ねぎの収穫装置 - Google Patents

玉ねぎの収穫装置

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  • Apparatuses For Bulk Treatment Of Fruits And Vegetables And Apparatuses For Preparing Feeds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圃場に抜き置きした玉
ねぎを収穫する収穫装置に係り、特に走行機体の移動に
伴って取り込んだ玉ねぎの細茎部と細根部を搬送しなが
ら円滑かつ確実に切断し、収穫作業を効率良く行うこと
ができる玉ねぎの収穫装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、店頭、あるいはその他の流通機
構を介して販売される玉ねぎは、食用に供される鱗茎部
のみが商品となるため、収穫した玉ねぎの細茎部と細根
部を手作業で切断して整形を行った後に出荷するように
なっている。しかしながら、上述のような収穫した玉ね
ぎの整形作業では、多くの人手と作業時間を必要とする
うえ、整形した玉ねぎにバラツキが生じ易く、商品とし
ての均一な品質を確保することが困難であり、殊に細茎
部に比して格段に極細で本数が多く、かつ倒伏しがちな
細根部の切断には高度な技術を要し、その切断作業には
多大な作業時間を費やしてしまい、人手の多さと相俟っ
て作業効率を著しく低下させるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
実状に鑑み玉ねぎの収穫、整形における作業性の向上と
品質の確保を追究するその開発過程において創案された
ものであって、その目的とするところは、玉ねぎの収穫
からその整形に至るまでを、一連の作業として走行する
機体上で一括して行うことができ、作業性の向上と商品
としての品質向上を両立させることができる玉ねぎの収
穫装置を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明が採用した第1の技術的手段は、倒立する玉
ねぎの鱗茎を挟持搬送する第1の搬送ベルト機構と、当
該第1の搬送ベルト機構の下方位置で玉ねぎの細茎部を
挟持搬送する第2の搬送ベルト機構を、走行機体の後部
から前部に向けて配設し、細茎部と鱗茎の細根部とを切
断しながら搬送するように構成した玉ねぎの収穫装置で
あって、上記第1の搬送ベルト機構の上方に根切りカッ
ターを水平状に収納してなる根切りユニットを、回動基
端側を機体に架設した揺動リンクの先端に配設し、かつ
前記鱗茎の高さを感知する杆センサを根切りユニットに
設けると共に、上記根切りユニットを揺動リンクに設け
たコイル弾機を介して上下移動自在となし、搬送される
玉ねぎの頂部に杆センサが 当接した際に、その鱗茎の高
さに応じた杆センサの上下揺動感知に連繋して根切りカ
ッターの切断位置を自動変更するように構成したことを
特徴とし、第2の技術的手段として、上記第1の搬送ベ
ルト機構の搬入始端側に、根切りカッターを水平状に収
納してなる根切りユニットを配設すると共に、上記根切
りカッターの切断位置に臨ませて、鱗茎の細根部を起立
する一対の回転ブラシを重合状に対設したことを特徴と
するものである。
【0005】
【作用】したがって本発明によれば、収穫した玉ねぎを
その収穫作業時に走行する機体上で直ちに整形すること
ができと共に、細茎部の切断を円滑かつ確実に行うこと
ができ、もって出荷に至るまでの前作業に要する人手の
省力化と作業時間の短縮を容易に達成することができ
る。
【0006】
【実施例】本発明の構成を、図面に示した一実施例につ
いて詳細に説明する。図において、1は左右に一対のク
ローラ装置2、2を備えた機体であり、該機体1の前部
にはエンジン3が搭載され、その本体上に玉ねぎの収穫
機構4を機体進行方向Aに対して側面視で前高後低状に
斜設すると共に、尾輪5を装備した折畳み可能な作業座
席6を、上記機体1の後部に着脱自在に牽引して収穫装
置7が構成されており、走行する機体1の進行にともな
って作業座席6に着座した作業者Bが圃場に抜き置きし
た玉ねぎを収穫機構4に搬入するようになっている。
【0007】上記収穫機構4は、機体1上に後傾状に立
設したフレーム8a、8b間に、2組の玉ねぎの搬入経
路9、9を側面視で前高後低状に配設し、かつ該搬入経
路9、9にそれぞれ対応する根切りユニット10、10
、後述する揺動リンク47a、47bの各先端に上下
移動自在に軸架してなり、前記エンジン3に連動連結し
たベベルケース11の出力軸12に駆動プーリ13a、
13bおよび14を同軸状に軸支し、各伝動ベルト15
および16を介して、上記搬入経路9、および根切りユ
ニット10、10へ駆動力を伝達するように構成されて
いる。
【0008】上記各搬入経路9、9は、機体1の後部か
ら前部に向けて所定間隔を存して並列され、かつ玉ねぎ
17の鱗茎17aを挟持搬送する二組の第1の搬送ベル
ト機構18、と、当該第1の搬送ベルト機構18、18
の下方位置で玉ねぎ17の細茎部17bを挟持搬送する
二組の第2の搬送ベルト機構19、19とを、それぞれ
クローラ装置2、2の配設位置の側方に偏位して配設さ
れていると共に、上記搬入経路9、9の搬送終端側に
は、図7および図8に示す如く、機体幅方向に樋状に形
成したシューター9aが機体1の一側の高位から低位の
他側に向けて斜設されており、更に該他側から機体1後
方に後傾状に延設されて、鱗茎17aのみに整形された
玉ねぎ17を機外に誘導案内するようになっている。ま
た、上記各搬入経路9、9の下方には、後述する切り
カッター9、9により切断された細茎部17bを機
体幅方向に搬送する排出コンベア機構9bが併設されて
おり、走行する機体1の進行に伴って細茎部17bを機
外側方に排出するように構成されている。
【0009】上記第1の搬送ベルト機構18は、中間部
を側面視で凹状に曲成した支持フレーム20、20の両
端に駆動ローラ21、21と従動ローラ22、22とを
それぞれ下向きに隣接して軸支し、上記各ローラ21、
22間に搬送ベルト23、23を巻回して構成されてい
る。また、第2の搬送ベルト機構19は、フレーム8
a、8b間に架設した傾斜フレーム24の前端に上側駆
動プーリ25aと下側駆動プーリ25bを同軸状に隣接
して軸支し、かつ当該傾斜フレーム24の後端に上側従
動プーリ26aと下側従動プーリ26bをそれぞれ同軸
状に軸支すると共に、上記上側駆動プーリ25aと下側
駆動プーリ25bとの上下間隔を、上側従動プーリ26
aと下側従動プーリ26bとの上下間隔よりも大きく設
定し、各上側プーリ25a、26a間および下側プーリ
25b、26b間に上副ベルト27、下副ベルト28を
それぞれ巻回した際に、下副ベルト28を側面視で上副
ベルト27に対して拡開状となるように第2の搬送ベル
ト機構19が構成されている。更に、上記上側駆動プー
リ25aと下側駆動プーリ25bの上下間の近傍位置に
は、円盤状の茎切りカッター29が第2の搬送ベルト機
構19の搬送方向と並行して回転自在に軸支されてお
り、カッターベルト30およびカッタープーリ31、3
2を介して出力軸12に連動連結されている。
【0010】前記第1の搬送ベルト機構18には、図6
(a)ないし(c)に示す如く、離間平行する各支持フ
レーム20、20の駆動ローラ21、21側に近接し
て、コイル状の付勢弾機33が両支持フレーム20、2
0間に跨設されており、搬送ベルト23、23の間隔を
狭める方向に常時支持フレーム20、20を付勢すると
共に、上記支持フレーム20、20の従動ローラ22、
22側近傍の中間部位には、付勢弾機34、34の一端
を係止する突杆35、35が一体に固着され、かつ上記
コイル弾機34、34の他端を傾斜フレーム24に係着
して、従動ローラ22、22から駆動ローラ21、21
に至る搬送ベルト2、2間に挟持された玉ねぎ17
の鱗茎17aの大小に応じて、支持フレーム20、20
を水平方向に拡開揺動するようになっており、上記第1
の搬送ベルト機構18、18は、当該各機構18、18
毎にそれぞれに独立して作動するものである。
【0011】一方、前記根切りユニット10、10は、
図4に示す如く、中空箱状にそれぞれ形成した筐体3
6、36内に回転軸37、37を該筐体36、36の上
面を貫通して垂設し、伝動ベルト15、15を巻回する
従動プーリ38a、38bを上記回転軸37、37に同
軸状に軸支すると共に、筐体36、36内の回転軸3
7、37の下端には、円盤状の根切りカッター39、3
9が水平に軸支されている。また、上記根切りカッター
39、39の周面の切断位置に臨ませて、鱗茎17aの
細根部17cを起立する一対の回転ブラシ40、40が
所定間隔を存して重合状に軸支されており、入力プーリ
41a、41bおよび入力ベルト41cを介してベベル
ギヤケース42に伝達される回転軸37、37の回転駆
動力を、出力プーリ43と伝動プーリ44との間に巻回
した伝動ベルト44aにより、上記回転ブラシ40、4
0を軸支する支軸45、45の駆動プーリ46a、46
bに伝達し、当該回転ブラシ40、40を時計方向およ
び反時計方向に相互に回転させて、その重合域で玉ねぎ
17の細根部17cを下方から上方に向けて起立するよ
うに構成されている。
【0012】また、上記筐体36、36は、図2に示す
ように、前記フレーム8bの上部に回動基端側を架設し
た揺動リンク47a、47bの各先端に軸架されて上下
移動自在に支持されており、上記根切りユニット10、
10の後面から第1および第2の搬送ベルト機構18、
19の搬入始端側に向けて、鱗茎17aの高さを感知す
る杆センサ48、48が突設されていると共に、上記杆
センサ48、48の基端と筐体36、36の下面カバー
部36a、36aの端縁との間には、根切りカッター3
9、39の切断位置に臨ませて間隙aが形成されてお
り、杆センサ48、48の上下揺動感知に連繋して根切
りユニット10、10を上下動した際に、根切りカッタ
ー39、39の切断位置を自動変更し、かつ上記間隙a
に玉ねぎ17の細根部17cを誘導案内するように構成
されている。
【0013】なお、49、49はフレーム8bの上端部
と下段の揺動リンク47bとの間に装着したコイル弾機
であって、該コイル弾機49、49による揺動リンク4
7bの上動付勢で根切りユニット10、10の自重降下
を相殺し、根切りユニット10、10の上下揺動感度を
向上させるものである。50、50は上副ベルト27、
27を巻回した上側従動プーリ26a、26aの上面を
包覆する供給テーブルであり、該供給テーブル50、5
0は対向する上副ベルト27間および下副ベルト28間
の搬送域を切欠いて二分されており、倒立状態で搬入さ
れる玉ねぎ17を供給テーブル50、50間の上面に載
置して鱗茎17aの搬送位置を規制するものであって、
止め具51、51の調整で上下移動可能となっている。
【0014】叙上の如き構成において、圃場で機体1を
走行させながら玉ねぎ17の収穫作業を行う際には、ま
ず作業座席6に着座した作業者Bが機体1の進行に伴っ
て圃場面に抜き置きされた玉ねぎ17、17…を拾い集
め、ついで細茎部17bを下方に垂下させた倒立状態で
当該玉ねぎ17を各搬入経路9、9の供給テーブル5
0、50にそれぞれ順次載置すればよい。
【0015】この時、載置された玉ねぎ17は、先行す
る第2の搬送ベルト機構19の上副ベルト27、27間
と下副ベルト28、28間にそれぞれ細茎部17bが挟
持されて搬送が開始され、その直後に鱗茎17aが第1
の搬送ベルト機構18の搬送ベルト23、23間に挟持
され機体1の前部に向けて一体に搬送されることにな
る。
【0016】そして、杆センサ48の下縁に玉ねぎ17
の頂部が当接すると、該杆センサ48は鱗茎17aの高
さの大小に応じて上下動し、これに伴って根切りユニッ
ト10全体が揺動リンク47a、47bを介して上下動
すると共に、上記鱗茎17aが回転ブラシ40、40の
回転域、すなわち間隙aに到達した時点で、該回転ブラ
シ40、40の回転で間隙a位置にある細根部17cが
下方から上方に向けて起立され、起立状態の細根部17
cは回転する根切りカッター39で、鱗茎17aの高さ
の大小に拘わらず該鱗茎17aの頂部から所定の長さで
切断されることになる。
【0017】次いで、上記各搬送ベルト機構18、19
による玉ねぎ17の挟持搬送が更に進行すると、第2の
搬送ベルト機構19の上下副ベルト27、28間の間隔
が次第に広がり、当該上下副ベルト27、28との間に
挟持された細茎部17bの緊張状態が増大し、この状態
で茎切りカッター29、29で細茎部17bが切断され
る。ここで、切断された細茎部17bは、搬入経路9、
9の下方に併設された排出コンベア機構9b上に落下
し、機外側方に排出される。
【0018】然る後、上述のように細茎部17bと細根
部17cとの双方を切断して整形された鱗茎17aは、
搬入経路9、9の搬送終端側に設けたシューター9aを
介して機外に連続放出されることになる。したがって、
抜き置きした玉ねぎ17の収穫からその整形に至るまで
を、一連の作業として走行する機体1上で一括して行う
ことができ、作業性の向上と商品としての品質向上を両
立させることができる。
【0019】
【発明の効果】これを要するに本発明は、倒立する玉ね
ぎの鱗茎を挟持搬送する第1の搬送ベルト機構と、当該
第1の搬送ベルト機構の下方位置で玉ねぎの細茎部を挟
持搬送する第2の搬送ベルト機構を、走行機体の後部か
ら前部に向けて配設し、細茎部と鱗茎の細根部とを切断
しながら搬送するように構成した玉ねぎの収穫装置であ
って、上記第1の搬送ベルト機構の上方に根切りカッタ
ーを水平状に収納してなる根切りユニットを、回動基端
側を機体に架設した揺動リンクの先端に配設し、かつ前
記鱗茎の高さを感知する杆センサを根切りユニットに設
けると共に、上記根切りユニットを揺動リンクに設けた
コイル弾機を介して上下移動自在となし、搬送される玉
ねぎの頂部に杆センサが当接した際に、その鱗茎の高さ
に応じた杆センサの上下揺動感知に連繋して根切りカッ
ターの切断位置を自動変更するように構成したから、
鱗茎の高さの大小に拘わらず該鱗茎の頂部から所定の長
さで細根部を切断することができ、バラツキのない均一
な品質で切断作業を効率良く行うことができる。また、
上記根切りカッターの切断位置に臨ませて、鱗茎の細根
部を起立する一対の回転ブラシを重合状に対設したか
ら、極細で本数が多く、かつ倒伏しがちで姿勢変化に
バラツキのある細根部を容易かつ確実に一律な起立姿勢
に保持し得て、当該細根部の切断を確実に行うことがで
きる。もって、玉ねぎの収穫からその整形に至るまで
を、一連の作業として走行する機体上で一括して行うこ
とができ、省力化を促進しつつ、作業性の向上と商品と
しての品質向上を両立させることができる。等、という
極めて有用な新規的効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体側面図である。
【図2】要部の拡大側面図である。
【図3】エンジンから各部への伝動状態を示す作用説明
図である。
【図4】(a)は第1および第2の搬送ベルト機構と根
切りユニットとの動作を示す作用説明図である。(b)
は同上要部の側面図である。
【図5】供給テーブルの要部平面図である。
【図6】(a)は第1の搬送ベルト機構の平面図であ
る。(b)は同上正面図である。(c)は同上側面図で
ある。
【図7】シューターと排出コンベア機構の配置を示す一
部省略平面図である。
【図8】同上一部省略側面図である。
【符号の説明】
1 機体 7 収穫装置 9 搬入経路 10 根切りユニット 17 玉ねぎ 17a 鱗茎 17b 細茎部 17c 細根部 18 第1の搬送ベルト機構 19 第2の搬送ベルト機構 27 上副ベルト 28 下副ベルト 39 根切りカッター 40 回転ブラシ 48 杆センサ49 コイル弾機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−135949(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23N 15/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 倒立する玉ねぎの鱗茎を挟持搬送する第
    1の搬送ベルト機構と、当該第1の搬送ベルト機構の下
    方位置で玉ねぎの細茎部を挟持搬送する第2の搬送ベル
    ト機構を、走行機体の後部から前部に向けて配設し、細
    茎部と鱗茎の細根部とを切断しながら搬送するように構
    成した玉ねぎの収穫装置であって、上記第1の搬送ベル
    ト機構の上方に根切りカッターを水平状に収納してなる
    根切りユニットを、回動基端側を機体に架設した揺動リ
    ンクの先端に配設し、かつ前記鱗茎の高さを感知する杆
    センサを根切りユニットに設けると共に、上記根切りユ
    ニットを揺動リンクに設けたコイル弾機を介して上下移
    動自在となし、搬送される玉ねぎの頂部に杆センサが当
    接した際に、その鱗茎の高さに応じた杆センサの上下揺
    動感知に連繋して根切りカッターの切断位置を自動変更
    するように構成したことを特徴とする玉ねぎの収穫装
    置。
  2. 【請求項2】 倒立する玉ねぎの鱗茎を挟持搬送する第
    1の搬送ベルト機構と、当該第1の搬送ベルト機構の下
    方位置で玉ねぎの細茎部を挟持搬送する第2の搬送ベル
    ト機構を、走行機体の後部から前部に向けて配設し、細
    茎部と鱗茎の細根部とを切断しながら搬送するように構
    成した玉ねぎの収穫装置であって、上記第1の搬送ベル
    ト機構の搬入始端側に、根切りカッターを水平状に収納
    してなる根切りユニットを配設すると共に、上記根切り
    カッターの切断位置に臨ませて、鱗茎の細根部を起立す
    る一対の回転ブラシを重合状に対設したことを特徴とす
    る玉ねぎの収穫装置。
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