JP3318966B2 - アルミニウム製スクロールの製造法 - Google Patents
アルミニウム製スクロールの製造法Info
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Description
ルおよびその製造法に係り、冷媒圧縮機や空調圧縮機な
どに用いられるスクロール型圧縮機用スクロールとして
好ましい特性をもった製品の適切な製造法を提供しよう
とするものである。
縮機などに用いられるスクロール型圧縮機は固定スクロ
ールと対し旋回スクロールが組合わせて採用される。即
ち密閉容器内に形成された圧縮部にはフレームに固定さ
れた固定スクロールに対し旋回スクロールを対向設定
し、該旋回スクロールをクランク軸などを介し電動機に
よって旋回操作するもので、これらの各スクロールには
渦巻型の溝部またはラップが配設されていて相互に嵌合
した状態で前記旋回スクロールの作動が得られることに
より両スクロール間の渦巻型密閉空間を中央部に移動せ
しめつつ縮少し、該密閉空間に閉じこめている冷媒流体
を圧縮して導出するものである。
およびこれに嵌合するラップをもった旋回スクロールを
成形することについては従来から種々の提案がなされて
いる。即ち特開昭54−159712号公報においては
それより以前の丸棒材などから加工することの困難さを
回避するため、第1工程としてスクロール加工部とフラ
ンジ部を備えた予加工品を成形し、次いでスクロール形
状を成形しうる型を有するポンチを押し込み、後方押出
し鍛造によってスクロール部を成形することが提案され
ている。
スクロールの反対形状をもった押型により大きな圧縮力
を与えて所要形状に変形させる冷間鍛造は所要の寸法形
状の得る冷間加工が過度に行われると金属が破壊してし
まうので数段に分け、その間に歪硬化を軽減する中間焼
なまし作業を行うことが提案されている。
金素材をセットした下型に対し、旋回スクロールのフラ
ンジ部を形成する型面を有し、しかも上ポンチを圧下す
る開口をもった上型を組付け、該上型の開口から彫型を
有する上ポンチを圧入してスクロール部とフランジ部と
を同時に成形するという提案がなされている。
ては、図4に示すようにアルミニウム合金による円板状
素材11をその片面における中央部に山形状の突部12
を形成した状態へ予備成形し、斯かる中間過程を経てか
ら目的のラップ部形成用溝部をもった金型による第2次
の圧下成形で目的のスクロール形状を得ることが示さ
れ、その疲労強度が優れているものとされている。
術によるものではそれなりのメリットが認められるとし
てもなお種々の課題を有している。即ち特開昭54−1
59712号、特開昭59−13541号および特開平
1−273892号によるものは、何れにしても多段工
程を必要とし、また加熱処理を伴うなどの不利があっ
て、工程工数が嵩み、コストアップとならざるを得な
い。
クロール部の高さがそれなりに高い製品を得るような場
合において適切な製品を得ることが困難であって、事実
このものは製造法に関するものであるに拘わらず、その
具体的製造に関する実施例が明かにされておらず、その
技術的仔細が明かでない。
従来技術における課題を解決することについて検討を重
ね、特定組成のアルミニウム合金を採用し、またその製
造操作条件を特定することによってスクロール部が充分
な高さを有するようなスクロールであっても適切に製造
することができ、特に簡易且つ経済的な1段成形操作に
よって好ましい製品を的確に得ることに成功したもので
あって、以下の如くである。
以下を含み、更に必要に応じて合金強化元素として、C
u:4.0%以下、 Mg:1.8%以下、 Ni:2.5%以下、
Mn:0.6%以下、Cr:0.5%以下の何れか1種または2
種以上を含有するアルミニウム合金を半連続鋳造法によ
って鋳塊となし、該鋳塊を480〜550℃で2〜24
時間の均質化処理を行った後、350〜450℃で押出
比5以上で押出し、該押出し材を所期スクロールの重量
に即応した寸法に切断した円板状素材の表面に潤滑剤を
塗布してから430〜480℃に加熱し、該円板状素材
を200〜250℃の温度の金型中に装入し、18〜6
6mm/min の速度で1段成形操作により押圧成形加工す
ることを特徴とするアルミニウム製スクロールの製造
法。
7〜13% のSiに0.2%以下のSbを含む合金である。この
ような合金の組織中に存在する共晶珪素は以後の加工方
法と相まって微細均一に存在し、良好な耐磨耗性を示
す。また強度を向上させる場合はCuを4.0%以下、Mgを1.
8%以下、Niを2.5%以下、Mnを0.6%以下、Crを0.5%以下の
一種または二種以上を添加する。
クロールは適宜の方法で製品スクロールとすることがで
きるが好ましい製造法としては鋳塊を均質化処理してか
ら押出し成形し、この押出成形材を所定寸法に切断して
金型内に装入し押圧成形加工するものであって、斯かる
好ましい製造条件の仔細は以下の如くである。
式半連続鋳造法で鋳塊を得、該鋳塊を480℃以上で2
時間以上の均質化熱処理することにより均等状態の熱処
理組織を得しめ、これを350℃以上で押出比5以上で
押出すことにより共晶珪素を微細均質に分散し好ましい
押圧成形用素材を得しめる。均質化加熱温度が550℃
超えでは鋳塊の組織が変化し、またその加熱時間が24
時間を超えることは工業的に不利であり、450℃以上
で押出加工しあるいは押出比5未満の場合には適切な組
織の押圧成形用素材を得難いこととなり、それらの上限
以内で処理することにより適切な素材が得られる。
2mm程度小さい断面のものとすることにより金型内への
装入を適切に図り、押圧成形をも容易として的確なスク
ロール径を有し組織的にも安定した製品を容易に得しめ
る。
材に対し好ましくは5g/m2以上の潤滑剤を塗布する
ことによりその後の押圧成形を容易とする。15g/m
2以上も塗布することは前記効果が飽和し、不経済であ
ると共に取扱いに難点を来す。
形を200〜250℃に保持された金型内で押圧速度1
8〜66mm/minで実施することにより、押圧成形処理を
円滑且つ簡易に行わしめる。素材が押圧成形されると加
工熱を発生し、素材の温度が上昇し渦巻状スクロール部
の成形を容易とする。即ち430〜480℃に加熱され
た素材は押圧成形中に発熱し温度が上昇するが、一方で
素材の熱は200〜250℃に加熱された金型に吸収さ
れ、素材の組織を劣化しない温度に保たれ、円板状素材
から一段工程でスクロールを押圧するものであって、素
材の加熱が480℃以上、金型の温度が250℃以上あ
るいは押圧速度が66mm/min以上となると、素材の温度
が高くなり部分的溶解を生ずるなどして組織を劣化して
好ましくない。また素材の加熱温度、金型の温度、押出
速度が下限値以下では素材の温度を充分高く保つことが
難しく、押圧成形において一段工程でスクロールを成形
し得ない。
で、その合金体組織を劣化させることなく成形操作せし
め、強度的に優れ、安定した品質のスクロールを得しめ
る。
説明すると、以下の如くである。 (実施例1) 表1に示す組成をもったアルミニウム合金を半連続鋳造
法によって208mmφのビレットとした。
化処理し、次いで410℃で89mmφに押出し、この押
出成形材を260gの重量として切断し、このような素
材に対し、アルコールを溶媒とした黒鉛系潤滑剤を8g
/m2の割合で全面に塗布した。
これをトンネル式連続加熱炉に送入して450℃に加熱
した円板状素材となし、一方高周波加熱によって250
℃に加熱保持され、90mmφのスクロールキャビティを
有し、該キャビティに黒鉛系潤滑剤を機械油で薄めた状
態として塗布した金型に前記円板状素材を装入して押圧
成形した。
された旋回スクロールは図1に示す如くで、前記のよう
に90mmφのフランジ1における片面に高さが20mm
で、厚さが3mmの渦巻状スクロール部2が3重状態に形
成され且つフランジ1の他面に軸部3の突設されたもの
であったが該スクロール部の中央部まで全般が正確な高
さおよび厚さのものとして正確に成形されており、その
断面図は別に図3に示す如くである。
型の加熱温度が170℃、押圧成形速度が50mm/min
とされた場合には、その他の条件が上記実施例と全く同
じであってもフランジ1の片面に形成された渦巻状スク
ロール部における、特に中央部における押圧成形が適切
に得られず、部分的欠陥の発生を避け得ないものであっ
た。
温度が270℃、押圧成形速度が40mm/min とされた
場合には、渦巻状スクロール部の強度が正常なものに較
べ40%低下しているものであった。
に対する均熱温度が450℃であり、あるいはその均熱
時間が1.5時間であった場合にはその他の条件が総べて
前記実施例の場合と同じであっても押圧成形して得られ
たスクロール部2などにおける金属組織に粗密のばらつ
きが生じ緻密性が不充分で安定した製品性能を得ないも
のであった。
冷媒圧縮機や空調凝縮機などに用いられるスクロール型
圧縮機用の旋回スクロールの如きとして好ましい製品を
1段成形操作により得しめ比較的簡易で工業的に有利な
製造法を確立し得るものであって、工業的にその効果の
大きい発明というべきである。
についての平面図である。
る。
ついての側面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 wt%で、Si:7〜13%、Sb:0.2%以
下を含み、更に必要に応じて合金強化元素として、Cu:
4.0%以下、 Mg:1.8%以下、 Ni:2.5%以下、 M
n:0.6%以下、Cr:0.5%以下の何れか1種または2
種以上を含有するアルミニウム合金を半連続鋳造法によ
って鋳塊となし、該鋳塊を480〜550℃で2〜24
時間の均質化処理を行った後、350〜450℃で押出
比5以上で押出し、該押出し材を所期スクロールの重量
に即応した寸法に切断した円板状素材の表面に潤滑剤を
塗布してから430〜480℃に加熱し、該円板状素材
を200〜250℃の温度の金型中に装入し、18〜6
6mm/min の速度で1段成形操作により押圧成形加工す
ることを特徴とするアルミニウム製スクロールの製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16166792A JP3318966B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | アルミニウム製スクロールの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16166792A JP3318966B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | アルミニウム製スクロールの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05331604A JPH05331604A (ja) | 1993-12-14 |
JP3318966B2 true JP3318966B2 (ja) | 2002-08-26 |
Family
ID=15739551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16166792A Expired - Lifetime JP3318966B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | アルミニウム製スクロールの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3318966B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4885384B2 (ja) * | 2001-08-22 | 2012-02-29 | 昭和電工株式会社 | 鍛造製品の製造方法 |
JP5118683B2 (ja) * | 2003-10-30 | 2013-01-16 | 昭和電工株式会社 | 鍛造方法 |
JP4683900B2 (ja) * | 2003-10-30 | 2011-05-18 | 昭和電工株式会社 | 鍛造製品の製造方法 |
KR20100018048A (ko) * | 2007-06-29 | 2010-02-16 | 노스이스턴 유니버시티 | 마그네슘을 함유한 고 규소 알루미늄 합금 및 그 제조방법 |
JP5616947B2 (ja) * | 2012-11-28 | 2014-10-29 | 昭和電工株式会社 | アルミニウム合金鍛造製品の製造方法 |
CN104801646B (zh) * | 2015-04-16 | 2017-01-18 | 王子琦 | 涡旋压缩机铝合金动、定盘的制造方法 |
CN107186159B (zh) * | 2017-06-20 | 2019-03-12 | 江苏威鹰机械有限公司 | 涡旋式无油真空泵铝合金静盘制造工艺 |
-
1992
- 1992-05-29 JP JP16166792A patent/JP3318966B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05331604A (ja) | 1993-12-14 |
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