JPWO2002077308A1 - 耐熱耐クリープ性アルミニウム合金およびそのビレットならびにそれらの製造方法 - Google Patents

耐熱耐クリープ性アルミニウム合金およびそのビレットならびにそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金は、シリコンを10質量%以上30質量%以下、鉄およびニッケルの少なくともいずれかを総量で3質量%以上10質量%以下、少なくとも1種の希土類元素を総量で1質量%以上6質量%以下、ジルコニウムを1質量%以上3質量%以下含有し、残部が実質的にアルミニウムからなり、シリコンの平均結晶粒径が2μm以下であり、シリコン以外の化合物の平均粒径が1μm以下であり、アルミニウムのマトリクスの平均結晶粒径が0.2μm以上2μm以下である。これにより、耐熱性および耐クリープ性に優れたアルミニウム合金が得られる。

Description

技術分野
本発明は、耐熱耐クリープ性アルミニウム合金およびそのビレットならびにそれらの製造方法に関し、特に、300℃以上で使用でき、しかも耐クリープ性を要求される部品に好適な耐熱耐クリープ性アルミニウム合金およびそのビレットならびにそれらの製造方法に関するものである。
背景技術
アルミニウム(Al)粉末合金として、耐熱および耐摩耗性を有するものが、特開平11−293374号公報に開示されている。この公報には、シリコン(Si)、チタン(Ti)、鉄(Fe)とニッケル(Ni)の少なくともいずれか、およびマグネシウム(Mg)を必須の添加元素として含有し、かつシリコンの平均結晶粒径とそれ以外の金属間化合物相との平均粒径が所定値以下であるアルミニウム合金が示されている。
また耐熱および耐摩耗性を有し、かつ高温での変形性能に優れたアルミニウム粉末合金を示すものには、特開平8−232034号公報がある。この公報には、シリコン、マンガン(Mn)、鉄、銅(Cu)およびマグネシウムを含有したアルミニウム合金が主に示されている。また、エアーアトマイズ法で得られた急冷凝固粉末を圧粉成形によってプリフォームした後に押出を行ない、さらに熱間スエージ加工を行なうことでアルミニウム合金を製造することが示されている。
しかしながら、上記2つの公報に示されたアルミニウム合金は、耐熱および耐摩耗性には優れるものの、耐クリープ性が要求される部材としての性能を十分に満足しないことが判明した。
発明の開示
本発明の目的は、耐熱性に優れるとともに耐クリープ性にも優れる耐熱耐クリープ性アルミニウム合金およびそのビレットならびにそれらの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的のもと鋭意検討した結果、耐熱性および耐クリープ性の双方が十分な特性を有するアルミニウム合金の組成および組織を見出した。
本発明の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金は、シリコンを10質量%以上30質量%以下、鉄およびニッケルの少なくともいずれかを総量で3質量%以上10質量%以下、少なくとも1種の希土類元素を総量で1質量%以上6質量%以下、ジルコニウム(Zr)を1質量%以上3質量%以下含有し、残部が実質的にアルミニウムからなり、シリコンの平均結晶粒径が2μm以下であり、シリコン以外の化合物の平均粒径が1μm以下であり、アルミニウムのマトリクスの平均結晶粒径が0.2μm以上2μm以下である。
本発明の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金は、シリコン、鉄、ニッケル、希土類元素およびジルコニウムが添加されたアルミニウム合金よりなっており、従来のアルミニウム合金のようにチタンやマグネシウムや銅を含んではいない。マグネシウムや銅を含んでいないため、耐クリープ性を十分に高くすることができる。またチタンは、ジルコニウムと同時に添加すると結晶粒の微細化を妨げるが、本発明ではこのチタンも含んでいないため、結晶粒の微細化が妨げられることもない。
これにより、微細結晶粒を有し、耐熱性および耐クリープ性に優れたアルミニウム合金を得ることができる。
シリコンを10質量%以上30質量%以下としたのは、シリコンは合金中にシリコン結晶として晶出し、耐摩耗性の向上に役立つものであり、10質量%未満だと耐摩耗性の向上は少なく、30質量%を超えると材料が脆性になるからである。
鉄およびニッケルの少なくともいずれかを総量で3質量%以上10質量%以下としたのは次の理由に基づく。鉄はアルミニウム−鉄系の微細金属間化合物をアルミニウムマトリクスに晶出してマトリクスの耐熱性を高める働きをするものである。ニッケルを含有せず鉄を単独で含有する場合、鉄の含有量が3質量%未満だと耐熱性の効果がなく、10質量%を超えると大きな針状の金属間化合物が晶出するようになって材料が脆性になる。
また鉄を単独で添加してもよいが、ニッケルとの複合添加をするとアルミニウム−鉄系金属間化合物がアルミニウム−鉄−ニッケルの3元系金属間化合物になることによってより細かくなる。合計で3質量%未満だと耐熱性向上の効果が少なくなり、10質量%を超えるとアルミニウム合金が脆性になる。
少なくとも1種の希土類元素を総量で1質量%以上6質量%以下としたのは、希土類元素はアルミニウム−遷移金属系金属間化合物を小さくしたり、シリコン結晶を微細にして室温から高温までの引張強さを向上する働きを有する。この希土類元素の含有量が1質量%未満では上記効果が小さく、6質量%を超えると上記効果が飽和してしまう。
ジルコニウムを1質量%以上3質量%以下としたのは、ジルコニウムが耐熱性を向上させるために上記希土類元素との同時添加が有効であり、ジルコニウムの含有量が1質量%未満だと上記効果が小さく、3質量%を超えると上記効果が飽和してしまうからである。
シリコンの平均結晶粒径を2μm以下としたのは、2μmを超えると高速超塑性変形の際にボイドが発生してしまうからである。
シリコン以外の化合物の平均粒径を1μm以下としたのは、1μmを超えると高速超塑性変形が発生しづらくなるからである。
またアルミニウムのマトリクスの平均結晶粒径を0.2μm以上2μm以下としたのは、この粒径範囲内とすることにより450℃以上の温度で応力を加えると結晶粒同士の粒界滑りが生じて超塑性が発現するからである。なお、アルミニウムのマトリクスの平均結晶粒径が0.2μm未満の場合には、超塑性の発現する歪速度が10/秒より高くなり、爆発成形などの極めて経済性に劣る加工法が必要となる。また、アルミニウムのマトリクスの平均結晶粒径が2μmを超えると、超塑性を発現しないか、または発現したとしても歪速度が10−2/秒より低くなり、熱間加工に長い時間を要する。
上記の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金において好ましくは、コバルト(Co)、クロム(Cr)、マンガン、モリブデン(Mo)、タングステン(W)およびバナジウム(V)よりなる群から選ばれる1種以上が総量で0.5質量%以上5質量%以下含有される。
これらの元素は本発明のアルミニウム合金の耐熱性および耐クリープ性を損なうものではないため、必要に応じて添加され得る。
本発明の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金のビレットは、シリコンを10質量%以上30質量%以下、鉄およびニッケルの少なくともいずれかを総量で3質量%以上10質量%以下、少なくとも1種の希土類元素を総量で1質量%以上6質量%以下、ジルコニウムを1質量%以上3質量%以下含有し、かつチタン、マグネシウムおよび銅を含有せず、残部が実質的にアルミニウムを含み、略円柱状を有する。
本発明の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金のビレットによれば、微細結晶粒を有し、耐熱性および耐クリープ性に優れたアルミニウム合金を得ることができる。
上記の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金のビレットにおいて好ましくは、300℃での伸びが1%以上7%以下である。
このような比較的伸びの小さいビレットを粉末鍛造により得ることができる。
上記の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金のビレットにおいて好ましくは、300℃での伸びが7%以上15%以下である。
このような比較的伸びの大きいビレットを押出加工により得ることができる。
本発明の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法は、シリコンを10質量%以上30質量%以下、鉄およびニッケルの少なくともいずれかを総量で3質量%以上10質量%以下、少なくとも1種の希土類元素を総量で1質量%以上6質量%以下、ジルコニウムを1質量%以上3質量%以下含有し、残部が実質的にアルミニウムからなる耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法であって、アルミニウム合金よりなる急冷合金粉末を成形して圧粉成形体とした後に圧粉成形体を熱間塑性加工することによって製品形状とする工程を備え、製品形状とするまでに圧粉成形体が450℃以上の温度に晒される時間が15秒以上30分以内である。
本発明の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法によれば、組成をシリコン、鉄、ニッケル、希土類元素およびジルコニウムが添加されたアルミニウム合金に特定することによって、極端に速い昇温速度でなくても微細組織を維持して固化することができる。これにより、製品形状とするまでに圧粉成形体が450℃以上の温度に15秒以上30分以下晒されても高い耐熱性および耐クリープ性を実現することが可能となる。
なお、450℃以上の温度に晒される時間が15秒未満でも、高い耐熱性および耐クリープ性を実現することはできるが、設備費が高くなる。
上記の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法において好ましくは、圧粉成形体から製品形状に至る間の加圧軸に垂直な断面の平均面積の変化率(加工度)が60%以上の熱間塑性加工で圧粉成形体が固化される。
これにより、複雑な形状の最終製品を容易に製造することができる。
上記の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法において好ましくは、熱間塑性加工は熱間鍛造で固化する工程を含む。
これにより、高い鍛造性をもって最終製品を製造することができる。
上記の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法において好ましくは、圧粉成形体を熱間塑性加工することによって製品形状とする工程は、圧粉成形体に420℃以上550℃以下の温度で第1の加熱処理を施す工程と、第1の加熱処理を施された圧粉成形体に粉末鍛造を施して粉末鍛造体を得る工程と、粉末鍛造体に400℃以上550℃以下の温度で第2の加熱処理を施す工程と、第2の加熱処理を施された粉末鍛造体に形状鍛造を施して製品形状とする工程とをさらに備えている。
これにより、2回の加熱と2回の鍛造により、微細結晶粒を有し、耐熱性および耐クリープ性に優れたアルミニウム合金を得ることができる。
上記の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法において好ましくは、圧粉成形体を熱間塑性加工することによって製品形状とする工程は、圧粉成形体に450℃以上550℃以下の温度で加熱処理を施す工程と、加熱処理を施された圧粉成形体に粉末鍛造を施して粉末鍛造体を得る工程と、粉末鍛造体に形状鍛造を施して製品形状とする工程とをさらに備えている。
これにより、1回の加熱と2回の鍛造により、微細結晶粒を有し、耐熱性および耐クリープ性に優れたアルミニウム合金を得ることができる。
上記の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法において好ましくは、圧粉成形体を熱間塑性加工することによって製品形状とする工程は、圧粉成形体に450℃以上550℃以下の温度で加熱処理を施す工程と、加熱処理を施された圧粉成形体に粉末形状鍛造を施して製品形状とする工程とをさらに備えている。
これにより、1回の加熱と1回の鍛造により、微細結晶粒を有し、耐熱性および耐クリープ性に優れたアルミニウム合金を得ることができる。
上記の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法において好ましくは、圧粉成形体を熱間塑性加工することによって製品形状とする工程は、圧粉成形体に420℃以上550℃以下の温度で第1の加熱処理を施す工程と、第1の加熱処理を施された圧粉成形体に押出を施して押出体を得る工程と、押出体を切断する工程と、切断された押出体に400℃以上550℃以下の温度で第2の加熱処理を施す工程と、第2の加熱処理を施された押出体に形状鍛造を施して製品形状とする工程とをさらに備えている。
これにより、加熱と押出加工により、微細結晶粒を有し、耐熱性および耐クリープ性に優れたアルミニウム合金を得ることができる。
本発明の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金のビレットの製造方法は、シリコンを10質量%以上30質量%以下、鉄およびニッケルの少なくともいずれかを総量で3質量%以上10質量%以下、少なくとも1種の希土類元素を総量で1質量%以上6質量%以下、ジルコニウムを1質量%以上3質量%以下含有し、かつチタン、マグネシウムおよび銅を含有せず、残部が実質的にアルミニウムを含む耐熱耐クリープ性アルミニウム合金のビレットの製造方法であって、アルミニウム合金よりなる急冷合金粉末を成形して圧粉成形体とした後に、圧粉成形体を熱間塑性加工することによってビレットを形成する工程を備え、ビレットを形成するまでに圧粉成形体が450℃以上の温度に晒される時間が10秒以上20分以内である。
本発明の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金のビレットの製造方法によれば、微細結晶粒を有し、耐熱性および耐クリープ性に優れたアルミニウム合金を得ることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
本発明の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金は、シリコンを10質量%以上30質量%以下、鉄およびニッケルの少なくともいずれかを総量で3質量%以上10質量%以下、少なくとも1種の希土類元素(たとえばミッシュメタル(MM))を総量で1質量%以上6質量%以下、ジルコニウムを1質量%以上3質量%以下含有し残部がアルミニウムおよび不可避不純物からなり、実質的に他の添加元素を含まない。またそのアルミニウム合金において、シリコンの平均結晶粒径が2μm以下であり、シリコン以外の化合物の平均粒径が1μm以下であり、アルミニウムのマトリクスの平均結晶粒径が0.2μm以上2μm以下である。
また、上記のアルミニウム合金は、上述した添加元素以外の元素を実質的に含有しないが、耐熱性および耐クリープ性を損なわない範囲で他の元素を含有してもよい。たとえば、他の元素としてコバルト、クロム、マンガン、モリブデン、タングステンおよびバナジウムよりなる群から選ばれる1種以上が総量で0.5質量%以上5質量%以下含有されていてもよい。なお、本実施の形態のアルミニウム合金は、耐クリープ特性や結晶粒微細化に悪影響を与えるチタン、マグネシウムおよび銅を含んでいない。
次に本実施の形態の製造方法について説明する。
本実施の形態の製造方法は、上記の組成を有する耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法である。
このような組成の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法において、まずアルミニウム合金よりなる急冷合金粉末が、たとえばアトマイズ法などにより形成される。この急冷合金粉末が成形されて圧粉成形体とされた後に、この圧粉成形体が熱間塑性加工によって製品形状とされる。
その熱間塑性加工の工程を図1〜図3を用いて説明する。
図1を参照して、急冷合金粉末が成形されることにより、たとえば円柱形状の圧粉成形体1aが形成される。この圧粉成形体1aの相対密度はたとえば80%程度である。
図2を参照して、この圧粉成形体1aが、加熱された後、たとえば熱間鍛造(粉末鍛造)により加圧されることによって、緻密鍛造体(ビレット)1bが形成される。この緻密鍛造体1bの相対密度は100%である。
図3を参照して、この緻密鍛造体1bが、加熱された後、たとえば熱間鍛造(形状鍛造)により加圧されることによって、最終製品形状であるたとえばピストン形状の鍛造体(製品)1cが形成される。
なお、上記において粉末鍛造とは、圧粉成形体1aに吸着した水分を除去し、かつ相対密度を100%にする工程であり、これによりビレットが得られる。また、上記において形状鍛造とは、ビレットを最終製品形状とするための工程である。
このように最終製品形状とするまでのプロセスにおいて、450℃以上の温度に晒される時間は15秒以上30分以内である。
また、圧粉成形体1aから最終製品形状の鍛造体1cに至る間の加工度(加圧軸に垂直な断面の平均面積の変化率)が60%以上の熱間塑性加工(たとえば熱間鍛造)により固化されることが好ましい。
また、熱間塑性加工は、上述したように1回もしくは2回以上の熱間鍛造で固化する工程を含むことが好ましい。
また、熱間塑性加工の他の例として押出加工を含む例を図4A、図4Bおよび図5を用いて説明する。
本方法においては、まず図1に示すように、急冷合金粉末が成形されることにより、たとえば円柱形状の圧粉成形体1aが形成される。この圧粉成形体1aの相対密度はたとえば80%程度である。
図4Aおよび図4Bを参照して、この圧粉成形体1aが、加熱された後、たとえば粉末押出により加工されることによって、押出体1bが形成される。この押出体1bの相対密度は100%である。この押出体1bが切断される。
図5を参照して、押出体1bを切断することによって、ビレット1bが形成される。このビレット1bが、加熱された後、たとえば熱間鍛造(形状鍛造)により加圧されることによって、図3に示すような最終製品形状であるたとえばピストン形状の鍛造体(製品)1cが形成される。
このように粉末鍛造ではなく粉末押出によりビレットを形成した後に、形状鍛造により最終製品形状に加工されてもよい。
次に、これらの製造方法をさらに4つのパターンについて詳細に説明する。
図6を参照して、第1の製造方法では、まず所定の組成を有する急冷合金粉末よりなる原料粉末が準備される。この原料粉末が圧粉成形され(ステップS1)、それにより図1に示すような円柱形状の圧粉成形体1aが形成される。この圧粉成形体1aの相対密度は80%とされる。この圧粉成形体1aが420℃以上550℃以下の温度で加熱される。その際さらに好ましい条件としては460℃以上500℃以下の温度で15秒以上15分以内の間、加熱される(ステップS2)。この加熱された圧粉成形体1aに熱間鍛造(粉末鍛造)が施される(ステップS3)。この粉末鍛造においては、相対密度が100%になるように、かつ圧粉成形体1aの圧縮軸に垂直な断面の面積が変化しないように加工が施される。それにより、図2に示すような緻密鍛造体(ビレット)1bが得られる。このビレット1bが400℃以上550℃以下の温度で加熱される。その際さらに好ましい条件としては400℃以上500℃以下の温度で15秒以上15分以内の間、加熱される(ステップS4)。この加熱されたビレット1bに熱間鍛造(形状鍛造)が施される(ステップS5)。この形状鍛造においては、最終製品形状となるように、かつビレット1bの圧縮軸に垂直な断面の面積が60%以上90%以下の範囲内で変化するように加工が施される。それにより、図3に示すような最終製品形状であるたとえばピストン形状の鍛造体(製品)1cが形成される。
図7を参照して、第2の製造方法では、まず所定の組成を有する急冷合金粉末よりなる原料粉末が準備される。この原料粉末が圧粉成形され(ステップS1)、それにより図1に示すような円柱形状の圧粉成形体1aが形成される。この圧粉成形体1aの相対密度は80%とされる。この圧粉成形体1aが450℃以上550℃以下の温度で加熱される。その際さらに好ましい条件としては460℃以上520℃以下の温度で15秒以上30分以内の間、加熱される(ステップS2)。この加熱された圧粉成形体1aに熱間鍛造(粉末鍛造)が施される(ステップS3)。この粉末鍛造においては、相対密度が100%になるように、かつ圧粉成形体1aの圧縮軸に垂直な断面の面積が変化しないように加工が施される。それにより、図2に示すような緻密鍛造体(ビレット)1bが得られる。このビレット1bに熱間鍛造(形状鍛造)が施される(ステップS5)。この形状鍛造においては、最終製品形状となるように、かつビレット1bの圧縮軸に垂直な断面の面積が60%以上90%以下の範囲内で変化するように加工が施される。それにより、図3に示すような最終製品形状であるたとえばピストン形状の鍛造体(製品)1cが形成される。
図8を参照して、第3の製造方法では、まず所定の組成を有する急冷合金粉末よりなる原料粉末が準備される。この原料粉末が圧粉成形され(ステップS1)、それにより図1に示すような円柱形状の圧粉成形体1aが形成される。この圧粉成形体1aの相対密度は80%とされる。この圧粉成形体1aが450℃以上550℃以下の温度で加熱される。その際さらに好ましい条件としては460℃以上520℃以下の温度で15秒以上30分以内の間、加熱される(ステップS2)。この加熱された圧粉成形体1aに熱間鍛造(粉末形状鍛造)が施される(ステップS3a)。この粉末形状鍛造においては、相対密度が100%になるように、かつ最終製品形状となるように、かつビレット1bの圧縮軸に垂直な断面の面積が60%以上90%以下の範囲内で変化するように加工が施される。それにより、図3に示すような最終製品形状であるたとえばピストン形状の鍛造体(製品)1cが形成される。
図9を参照して、第4の製造方法では、まず所定の組成を有する急冷合金粉末よりなる原料粉末が準備される。この原料粉末が圧粉成形され(ステップS1)、それにより図1に示すような円柱形状の圧粉成形体1aが形成される。この圧粉成形体1aの相対密度は80%とされる。この圧粉成形体1aが420℃以上550℃以下の温度で加熱される。その際さらに好ましい条件としては450℃以上500℃以下の温度で15秒以上15分以内の間、加熱される(ステップS2)。この加熱された圧粉成形体1aに図4A、図4Bに示すように押出加工が施される(ステップS11)。この押出加工においては、相対密度が100%になるように、かつ圧粉成形体1aの圧縮軸に垂直な断面の面積が75%以上90%以下の範囲内で変化するように加工が施される。この後、押出体1bが切断されて(ステップS12)、図5に示すようなビレット1bが得られる。このビレット1bが400℃以上550℃以下の温度で加熱される。その際さらに好ましい条件としては400℃以上500℃以下の温度で15秒以上15分以内の間、加熱される(ステップS4)。この加熱されたビレット1bに熱間鍛造(形状鍛造)が施される(ステップS5)。この形状鍛造においては、最終製品形状となるように、かつビレット1bの圧縮軸に垂直な断面の面積が60%以上90%以下の範囲内で変化するように加工が施される。それにより、図3に示すような最終製品形状であるたとえばピストン形状の鍛造体(製品)1cが形成される。
次に、本実施の形態で得られるビレットについて説明する。
上記の第1〜第4の製造方法のいずれの方法においても、図2または図5に示すような円柱形状のビレット1bが得られる。ここで、円柱形状とは、図10に示すような直径Dに対して厚み(長さ)Tが小さい円盤形状だけでなく、図11に示すような直径Dに対して厚み(長さ)Tが大きい円柱状のものも含まれる。また、完全に円柱形状になっていなくとも、たとえば図12A、12Bに示すように表面および裏面に小さな窪みがあるものや、図13A、13Bに示すように表面および裏面に小さな突起があるものも本願の円柱形状に含まれるものとする。
また、本実施の形態の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金のビレットは、シリコンを10質量%以上30質量%以下、鉄およびニッケルの少なくともいずれかを総量で3質量%以上10質量%以下、少なくとも1種の希土類元素(たとえばミッシュメタル(MM))を総量で1質量%以上6質量%以下、ジルコニウムを1質量%以上3質量%以下含有し、チタン、マグネシウムおよび銅を含有せず、残部がアルミニウムおよび不可避不純物からなる組成を有している。
またそのビレット1bは、耐熱性および耐クリープ性を損なわない範囲で他の元素を含有してもよい。たとえば、他の元素としてコバルト、クロム、マンガン、モリブデン、タングステンおよびバナジウムよりなる群から選ばれる1種以上が総量で0.5質量%以上5質量%以下含有されていてもよい。
また、第1および第2の製造方法で製造された粉末鍛造のビレット1bは、300℃での引張り強さが230MPa以上260MPa以下であり、300℃での伸びが1%以上7%以下であり、室温での硬さがHRB(ロックウェル硬度のBスケール)で77以上92以下である。また、この粉末鍛造のビレット1bの組織におけるSiの粒径は1.0μm以上1.6μm以下であり、Si以外の化合物の粒径は0.5μm以上0.7μm以下であり、Alの粒径は0.3μm以上0.5μm以下である。
また、第4の製造方法で製造された押出切断のビレット1bは、300℃での引張り強さが220MPa以上250MPa以下であり、300℃での伸びが7%以上15%以下であり、室温での硬さがHRB74以上88以下である。また、この押出切断のビレット1bの組織におけるSiの粒径は1.1μm以上1.7μm以下であり、Si以外の化合物の粒径は0.6μm以上0.8μm以下であり、Alの粒径は0.4μm以上0.6μm以下である。
なお、図3に示すような最終形状の製品1cは、300℃での引張り強さが215MPa以上247MPa以下であり、300℃での伸びが9%以上14%以下であり、室温での硬さがHRB72以上88以下である。また、この最終形状の製品1cの組織におけるSiの粒径は1.1μm以上1.7μm以下であり、Si以外の化合物の粒径は0.6μm以上0.8μm以下であり、Alの粒径は0.4μm以上0.6μm以下である。
以下、本発明の実験例について説明する。
表1に示す試料1〜44の組成の急冷合金粉末をエアーアトマイズ法で作製し、その急冷合金粉末を成形してφ80×21mmの圧粉成形体を作製した。この圧粉成形体を、以下の加熱パターンA〜Eと熱間塑性加工a〜eとの各組合せにより最終形状であるピストン形状の鍛造体を作製した。
なお、表1におけるミッシュメタル(MM)としては、ランタン(La)25質量%、セリウム(Ce)50質量%、プラセオジウム(Pr)5質量%、ネオジム(Nd)20質量%の組成のものを用いた。
Figure 2002077308
上記の加熱パターンA〜Eは以下のとおりとした。
450℃から500℃までの加熱時間を、加熱パターンAでは図14に示すように600秒とし、加熱パターンBでは図15に示すように1500秒とし、加熱パターンCでは図16に示すように25秒とし、加熱パターンDでは図17に示すように5秒とし、加熱パターンEでは図18に示すように2000秒とした。
また、各加熱パターンA〜Eにおける20℃から450℃までの加熱速度は、各加熱パターンの450℃から500℃までの加熱速度と同じとした。
熱間塑性加工aでは、図1に示すφ80×21mmの圧粉成形体1aを熱間鍛造により図2に示すφ80×16mmの緻密鍛造体1bとし、さらにこの緻密鍛造体1bを熱間鍛造により図3に示すφ80mmのピストン形状鍛造体1cとした。このピストン形状鍛造体1cにおける加工度を67%とした。
熱間塑性加工bでは、図1に示すφ80×21mmの圧粉成形体1aを熱間鍛造により図3に示すφ80mmのピストン形状鍛造体1cとした。このピストン形状鍛造体1cにおける加工度を67%とした。
熱間塑性加工cでは、図1に示すφ80×21mmの圧粉成形体1aを熱間鍛造により図2に示すφ80×16mmの緻密鍛造体1bとし、さらにその緻密鍛造体1bを熱間鍛造により図3に示すφ80mmのピストン形状鍛造体1cとした。このピストン形状鍛造体1cにおける加工度を75%とした。
熱間塑性加工dでは、図1に示すφ80×21mmの圧粉成形体1aを熱間鍛造により図2に示すφ80×16mmの緻密鍛造体1bとし、さらにこの緻密鍛造体1bを熱間鍛造により図3に示すφ80mmのピストン形状鍛造体1cとした。このピストン形状鍛造体1cにおける加工度を50%とした。
熱間塑性加工eでは、図1に示すφ80×21mmの圧粉成形体1aを熱間鍛造により図3に示すφ80mmのピストン形状鍛造体1cとした。このピストン形状鍛造体1cにおける加工度を50%とした。
このようにして得られた最終形状の鍛造体について300℃での引張強さと、300℃での伸びと、300℃で80MPaの引張を加えたときの最小クリープ速度とを測定した。また、このようにして得られた最終形状の鍛造体について、シリコンの平均結晶粒径と、シリコン以外の化合物の平均粒径と、アルミニウムのマトリクスの平均結晶粒径とを測定した。これらの結果を表2および表3に合わせて示す。
Figure 2002077308
Figure 2002077308
なお、表2および表3における最小クリープ速度とは、図9に示すように一定温度で一定荷重のもと、時間の経過に伴って変化する歪を測定したときのクリープ変形特性曲線における最小傾きのことである。
表2および表3の結果より、本発明例の試料1〜29はいずれも300℃での引張強さが215MPa以上と高く、かつ300℃での伸びが9.6%以上と大きく、かつ300℃で80MPaの引張を加えたときの最小クリープ速度が8.50×10−9以下と低いことが判明した。また本発明例1〜29はいずれも、シリコンの平均結晶粒径が2μm以下であり、シリコン以外の化合物の平均粒径が1μm以下であり、アルミニウムのマトリクスの平均結晶粒径が0.2μm以上2μm以下であることも判明した。
一方、比較例30〜44はいずれも300℃で80MPaの引張を加えたときの最小クリープ速度が8.50×10−9よりも大きくなっていた。また比較例30、33、35、40、43および44については300℃での引張強さが215MPaよりも低くなっており、比較例36〜39および44では300℃での伸びが9.6%よりも小さくなっていた。
以上より、本発明範囲の組成を有するアルミニウム合金においては、300℃での引張強さ、300℃での伸びおよび300℃での80MPaの引張を加えたときの最小クリープ速度のすべてにおいて良好な特性が得られることが判明した。
以上説明したように本発明の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金およびその製造方法によれば、組成および組織を所定のものとしたことにより、良好な耐熱性および耐クリープ性が得られ、それゆえ、高温(特に300℃以上)で使用でき、しかも耐クリープ性を要求されるピストンやエンジン部品として好適なアルミニウム合金およびその製造方法を得ることができる。
今回開示された実施の形態および実験例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
産業上の利用可能性
以上のように本発明は、たとえばピストンのような耐熱耐クリープ性を要求される部材に用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
図1〜図3は、本発明の一実施の形態における耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の1の熱間塑性加工を工程順に示す概略斜視図である。
図4A、図4Bおよび図5は、本発明の一実施の形態における耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の他の熱間塑性加工を工程順に示す概略斜視図である。
図6は、本発明の一実施の形態における耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の第1の製造方法を示す図である。
図7は、本発明の一実施の形態における耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の第2の製造方法を示す図である。
図8は、本発明の一実施の形態における耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の第3の製造方法を示す図である。
図9は、本発明の一実施の形態における耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の第4の製造方法を示す図である。
図10、図11、図12A、図12B、図13Aおよび図13Bは、本発明の一実施の形態における耐熱耐クリープ性アルミニウム合金を製造するためのビレットの形状を説明するための斜視図である。図12Bは図12AのXII−XII線に沿う概略断面図であり、図13Bは図13AのXIII−XIII線に沿う概略断面図である。
図14〜図18の各々は、加熱パターンA〜Eの各々を示す図である。
図19は、クリープ変形特性を示す図である。

Claims (13)

  1. シリコンを10質量%以上30質量%以下、鉄およびニッケルの少なくともいずれかを総量で3質量%以上10質量%以下、少なくとも1種の希土類元素を総量で1質量%以上6質量%以下、ジルコニウムを1質量%以上3質量%以下含有し、残部が実質的にアルミニウムからなり、
    シリコンの平均結晶粒径が2μm以下であり、前記シリコン以外の化合物の平均粒径が1μm以下であり、アルミニウムのマトリクスの平均結晶粒径が0.2μm以上2μm以下である、耐熱耐クリープ性アルミニウム合金。
  2. コバルト、クロム、マンガン、モリブデン、タングステンおよびバナジウムよりなる群から選ばれる1種以上を総量で0.5質量%以上5質量%以下含有することを特徴とする、請求の範囲第1項記載の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金。
  3. シリコンを10質量%以上30質量%以下、鉄およびニッケルの少なくともいずれかを総量で3質量%以上10質量%以下、少なくとも1種の希土類元素を総量で1質量%以上6質量%以下、ジルコニウムを1質量%以上3質量%以下含有し、かつチタン、マグネシウムおよび銅を含有せず、残部が実質的にアルミニウムを含み、
    略円柱状を有することを特徴とする、耐熱耐クリープ性アルミニウム合金のビレット。
  4. 300℃での伸びが1%以上7%以下であることを特徴とする、請求の範囲第3項記載の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金のビレット。
  5. 300℃での伸びが7%以上15%以下であることを特徴とする、請求の範囲第3項記載の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金のビレット。
  6. シリコンを10質量%以上30質量%以下、鉄およびニッケルの少なくともいずれかを総量で3質量%以上10質量%以下、少なくとも1種の希土類元素を総量で1質量%以上6質量%以下、ジルコニウムを1質量%以上3質量%以下含有し、残部が実質的にアルミニウムからなる耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法であって、
    アルミニウム合金よりなる急冷合金粉末を成形して圧粉成形体(1a)とした後に、前記圧粉成形体(1a)を熱間塑性加工することによって製品形状(1c)とする工程を備え、
    前記製品形状(1c)とするまでに前記圧粉成形体(1a)が450℃以上の温度に晒される時間が15秒以上30分以内である、耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法。
  7. 前記圧粉成形体(1a)から前記製品形状(1c)に至る間の加圧軸に垂直な断面の平均面積の変化率が60%以上の熱間塑性加工で固化することを特徴とする、請求の範囲第6項記載の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法。
  8. 前記熱間塑性加工は熱間鍛造で固化する工程を含むことを特徴とする、請求の範囲第6項記載の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法。
  9. 前記圧粉成形体(1a)を前記熱間塑性加工することによって前記製品形状(1c)とする前記工程は、
    前記圧粉成形体(1a)に420℃以上550℃以下の温度で第1の加熱処理を施す工程と、
    前記第1の加熱処理を施された前記圧粉成形体(1a)に粉末鍛造を施して粉末鍛造体(1b)を得る工程と、
    前記粉末鍛造体(1b)に400℃以上550℃以下の温度で第2の加熱処理を施す工程と、
    前記第2の加熱処理を施された前記粉末鍛造体(1b)に形状鍛造を施して前記製品形状(1c)とする工程とを備えた、請求の範囲第6項記載の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法。
  10. 前記圧粉成形体(1a)を前記熱間塑性加工することによって前記製品形状(1c)とする前記工程は、
    前記圧粉成形体(1a)に450℃以上550℃以下の温度で加熱処理を施す工程と、
    前記加熱処理を施された前記圧粉成形体(1a)に粉末鍛造を施して粉末鍛造体(1b)を得る工程と、
    前記粉末鍛造体(1b)に形状鍛造を施して前記製品形状(1c)とする工程とを備えた、請求の範囲第6項記載の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法。
  11. 前記圧粉成形体(1a)を前記熱間塑性加工することによって前記製品形状(1c)とする前記工程は、
    前記圧粉成形体(1a)に450℃以上550℃以下の温度で加熱処理を施す工程と、
    前記加熱処理を施された前記圧粉成形体(1a)に粉末形状鍛造を施して前記製品形状(1c)とする工程とをさらに備えた、請求の範囲第6項記載の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法。
  12. 前記圧粉成形体(1a)を前記熱間塑性加工することによって前記製品形状(1c)とする前記工程は、
    前記圧粉成形体(1a)に420℃以上550℃以下の温度で第1の加熱処理を施す工程と、
    前記第1の加熱処理を施された前記圧粉成形体(1a)に押出を施して押出体(1b)を得る工程と、
    前記押出体(1b)を切断する工程と、
    切断された前記押出体(1b)に400℃以上550℃以下の温度で第2の加熱処理を施す工程と、
    前記第2の加熱処理を施された前記押出体(1b)に形状鍛造を施して前記製品形状(1a)とする工程とを備えた、請求の範囲第6項記載の耐熱耐クリープ性アルミニウム合金の製造方法。
  13. シリコンを10質量%以上30質量%以下、鉄およびニッケルの少なくともいずれかを総量で3質量%以上10質量%以下、少なくとも1種の希土類元素を総量で1質量%以上6質量%以下、ジルコニウムを1質量%以上3質量%以下含有し、かつチタン、マグネシウムおよび銅を含有せず、残部が実質的にアルミニウムを含む耐熱耐クリープ性アルミニウム合金のビレット(1b)の製造方法であって、
    アルミニウム合金よりなる急冷合金粉末を成形して圧粉成形体(1a)とした後に、前記圧粉成形体(1a)を熱間塑性加工することによってビレット(1b)を形成する工程を備え、
    前記ビレット(1b)を形成するまでに前記圧粉成形体(1a)が450℃以上の温度に晒される時間が10秒以上20分以内である、耐熱耐クリープ性アルミニウム合金のビレットの製造方法。
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