JPH0610086A - 耐摩耗性アルミニウム合金及びその加工方法 - Google Patents
耐摩耗性アルミニウム合金及びその加工方法Info
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- JPH0610086A JPH0610086A JP3074678A JP7467891A JPH0610086A JP H0610086 A JPH0610086 A JP H0610086A JP 3074678 A JP3074678 A JP 3074678A JP 7467891 A JP7467891 A JP 7467891A JP H0610086 A JPH0610086 A JP H0610086A
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- Japan
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- aluminum alloy
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- alloy
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/34—Ultra-small engines, e.g. for driving models
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F3/00—Manufacture of workpieces or articles from metallic powder characterised by the manner of compacting or sintering; Apparatus specially adapted therefor ; Presses and furnaces
- B22F3/12—Both compacting and sintering
- B22F3/1208—Containers or coating used therefor
- B22F3/1216—Container composition
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C1/00—Making non-ferrous alloys
- C22C1/04—Making non-ferrous alloys by powder metallurgy
- C22C1/0408—Light metal alloys
- C22C1/0416—Aluminium-based alloys
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C21/00—Alloys based on aluminium
- C22C21/02—Alloys based on aluminium with silicon as the next major constituent
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C45/00—Amorphous alloys
- C22C45/08—Amorphous alloys with aluminium as the major constituent
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C9/00—Alloys based on copper
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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- F02F1/00—Cylinders; Cylinder heads
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- Powder Metallurgy (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 Al−Si合金の耐摩耗性、相手材を摩耗し
ない性質、加工性を改良する。 【構成】 一般式:Ala Sib Mc Xd Ye (ただ
し、MはFe,Co及びNiの一種又は二種以上、Xは
Y,Ce,La及びMm(ミッシュメタル)の一種又は
二種以上、YはMn,Cr,V,Ti,Mo,Zr,
W,Ta,及びHfの一種又は二種以上、a=50〜8
5原子%、b=10〜49原子%、c=0.5〜10原
子%、d=0.5〜10原子%、e=0〜10原子
%、)で示される組成を有し、微細Siが析出した過飽
和面心立方結晶組織を有する合金。
ない性質、加工性を改良する。 【構成】 一般式:Ala Sib Mc Xd Ye (ただ
し、MはFe,Co及びNiの一種又は二種以上、Xは
Y,Ce,La及びMm(ミッシュメタル)の一種又は
二種以上、YはMn,Cr,V,Ti,Mo,Zr,
W,Ta,及びHfの一種又は二種以上、a=50〜8
5原子%、b=10〜49原子%、c=0.5〜10原
子%、d=0.5〜10原子%、e=0〜10原子
%、)で示される組成を有し、微細Siが析出した過飽
和面心立方結晶組織を有する合金。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摺動部材の軽量化に有
効な耐摩耗性アルミニウム合金及びその加工方法に関す
る。
効な耐摩耗性アルミニウム合金及びその加工方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】耐摩耗性アルミニウム合金は、ロータリ
ー式コンプレッサーのベーン材、ローター、内燃機関の
動弁機構、磁気ヘッドのシリンダー、模型のミニエンジ
ンのシリンダー、エンジンのピストン等軽量であること
が重要な摺動部材として使用されている。これらの材料
は摺動相手材として鋳鉄や合金鋼などとの組み合わせで
使用されている。これらの材料は耐摩耗性とともに強
度、耐熱性がすぐれていること、相手材との熱膨張係数
があまり掛け離れていないことが要求されている。現在
アルミニウム合金で耐摩耗性に優れているものとしては
Al−Si合金がよく知られており、その中でもシリコ
ン量が12〜25重量パーセントのものが多く使われて
いる。この材料は多くは鋳造材であり、粗大初晶シリコ
ンによる耐摩耗性を発揮させるために大きさ20μm 以
上の粗大Siを晶出させている。
ー式コンプレッサーのベーン材、ローター、内燃機関の
動弁機構、磁気ヘッドのシリンダー、模型のミニエンジ
ンのシリンダー、エンジンのピストン等軽量であること
が重要な摺動部材として使用されている。これらの材料
は摺動相手材として鋳鉄や合金鋼などとの組み合わせで
使用されている。これらの材料は耐摩耗性とともに強
度、耐熱性がすぐれていること、相手材との熱膨張係数
があまり掛け離れていないことが要求されている。現在
アルミニウム合金で耐摩耗性に優れているものとしては
Al−Si合金がよく知られており、その中でもシリコ
ン量が12〜25重量パーセントのものが多く使われて
いる。この材料は多くは鋳造材であり、粗大初晶シリコ
ンによる耐摩耗性を発揮させるために大きさ20μm 以
上の粗大Siを晶出させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Al−Si鋳造合金は
粗大初晶シリコンによる相手材摩耗の増加や、鋳造材の
ため強度が低いという問題があった。さらに、粗大な初
晶シリコンを分散した鋳造アルミニウム合金は切削加工
・冷間加工・温間加工の何れも困難である。加工性を良
好にするためにシリコン量を減少させると、膨張係数が
大きくなり、相手材が鉄鋼材料の場合そのクリアランス
の取り方にも問題が起こる。
粗大初晶シリコンによる相手材摩耗の増加や、鋳造材の
ため強度が低いという問題があった。さらに、粗大な初
晶シリコンを分散した鋳造アルミニウム合金は切削加工
・冷間加工・温間加工の何れも困難である。加工性を良
好にするためにシリコン量を減少させると、膨張係数が
大きくなり、相手材が鉄鋼材料の場合そのクリアランス
の取り方にも問題が起こる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のアルミニウム合
金は、上記した従来材料の欠点を解消したものであっ
て、一般式:Ala Sib Mc Xd Ye (ただし、Mは
Fe,Co及びNiから選ばれた一種又は二種以上の元
素であり、XはY,Ce,La及びMm(ミッシュメタ
ル)から選ばれた一種又は二種以上の元素であり、Yは
Mn,Cr,V,Ti,Mo,Zr,W,Ta,及びH
fから選ばれた一種又は二種以上からなる元素であり、
a,b,c,d,及びeは、それぞれa=50〜85原
子%、b=10〜49原子%、c=0.5〜10原子
%、d=0.5〜10原子%、e=0〜10原子%、a
+b+c+d+e=100原子%である)で示される組
成を有し、微細Siが析出した過飽和面心立方結晶組織
を有することを特徴とする。
金は、上記した従来材料の欠点を解消したものであっ
て、一般式:Ala Sib Mc Xd Ye (ただし、Mは
Fe,Co及びNiから選ばれた一種又は二種以上の元
素であり、XはY,Ce,La及びMm(ミッシュメタ
ル)から選ばれた一種又は二種以上の元素であり、Yは
Mn,Cr,V,Ti,Mo,Zr,W,Ta,及びH
fから選ばれた一種又は二種以上からなる元素であり、
a,b,c,d,及びeは、それぞれa=50〜85原
子%、b=10〜49原子%、c=0.5〜10原子
%、d=0.5〜10原子%、e=0〜10原子%、a
+b+c+d+e=100原子%である)で示される組
成を有し、微細Siが析出した過飽和面心立方結晶組織
を有することを特徴とする。
【0005】先ず、本発明のアルミニウム合金の組成を
説明する。Alは軽量化という面で50at%未満にな
ることは好ましくないため50at%以上とする。但し
Alの量が85at%を超えると、強度や耐摩耗性が低
下するので好ましくない。
説明する。Alは軽量化という面で50at%未満にな
ることは好ましくないため50at%以上とする。但し
Alの量が85at%を超えると、強度や耐摩耗性が低
下するので好ましくない。
【0006】M(Fe,Co,Niから選ばれた一種又
は二種以上の元素)はアルミニウム中に過飽和に固溶
し、母材を強化する働きをする。その量は10原子%以
上を超えると、脆い金属間化合物が析出し脆化を生じ、
一方その量が0.5原子%未満であると母材の強化が十
分ではない。
は二種以上の元素)はアルミニウム中に過飽和に固溶
し、母材を強化する働きをする。その量は10原子%以
上を超えると、脆い金属間化合物が析出し脆化を生じ、
一方その量が0.5原子%未満であると母材の強化が十
分ではない。
【0007】X(Y,Ce,La,Mm(ミッシュメタ
ル)から選ばれた一種又は二種以上の元素)はMの過飽
和固溶体をアルミニウムが形成する性質を向上させると
ともに、それ自身がアルミニウム中に固溶して耐熱性を
高める。Xの量は0.5原子%未満であるとこれらの効
果が少なく10原子%を超えると合金の脆化を生ずる。
またシリコンは10μm 以下の微細なSi粒子として析
出し合金の耐摩耗性を高める。またシリコンは線膨張係
数を定める作用がある。すなわちシリコン含有量を調節
することによってアルミニウム合金の線膨張係数を調節
することができる。シリコン量は10原子%未満である
と耐摩耗性向上に効果がなく、面心立方結晶以外にFe
−Al化合物結晶の生成傾向が現われ、一方49原子%
を超えると材料の強度を低下させる。
ル)から選ばれた一種又は二種以上の元素)はMの過飽
和固溶体をアルミニウムが形成する性質を向上させると
ともに、それ自身がアルミニウム中に固溶して耐熱性を
高める。Xの量は0.5原子%未満であるとこれらの効
果が少なく10原子%を超えると合金の脆化を生ずる。
またシリコンは10μm 以下の微細なSi粒子として析
出し合金の耐摩耗性を高める。またシリコンは線膨張係
数を定める作用がある。すなわちシリコン含有量を調節
することによってアルミニウム合金の線膨張係数を調節
することができる。シリコン量は10原子%未満である
と耐摩耗性向上に効果がなく、面心立方結晶以外にFe
−Al化合物結晶の生成傾向が現われ、一方49原子%
を超えると材料の強度を低下させる。
【0008】Y(Mn,Cr,V,Ti,Mo,Zr,
W,Ta,Hfから選ばれた一種又は二種以上からなる
元素)は、マトリックスを固溶強化するとともに、高温
まで再結晶を抑制することにより耐熱性を向上させる。
実用アルミニウム合金で添加されているCu及び/又は
Mgを5原子%以下本発明の合金に添加しても、格段の
特性向上はないが、上記特性を何ら妨げるものではな
い。
W,Ta,Hfから選ばれた一種又は二種以上からなる
元素)は、マトリックスを固溶強化するとともに、高温
まで再結晶を抑制することにより耐熱性を向上させる。
実用アルミニウム合金で添加されているCu及び/又は
Mgを5原子%以下本発明の合金に添加しても、格段の
特性向上はないが、上記特性を何ら妨げるものではな
い。
【0009】本発明に係る合金の形態は例えばアトマイ
ズ粉末であり、これは加工性良好な粉末冶金原料であ
り、高密度な粉末冶金製品を作るための原料である。他
の形態は例えば急冷箔帯であり、これは切断して摺動部
材として使用される。さらに他の形態はプレス、押出し
などの加工を加えられた素材であり、これは最終仕上加
工を施して摺動部材として使用される。この場合、本発
明に係る粉末状合金は、上記した組成を有するアルミニ
ウム合金をアトマイズ法で凝固速度104 ℃/sec以
上急冷した粉末を作り、それを300〜400℃の温度
で押出加工やホットプレス加工することにより、摺動部
材の素材に成形される。すなわちシリンダーなど摺動部
品に近い形状の素材に成形を行なうことによって、摺動
部品を量産することができる。押出の具体的方法として
は急冷凝固粉末をアルミニウム製の缶に真空封入したの
ち、350±30℃の温度で10ton/cm2 の加圧
力で押出す。加工材の組織は鋳造時に形成されたAl過
飽和固溶体の中に鋳造時に析出したシリコン粒子が好ま
しくは0.1〜5μm の大きさで均等に分散したもので
ある。又、溶融金属を急冷する片ロール法によっても上
記組織を有する合金を箔帯として製造することができ
る。
ズ粉末であり、これは加工性良好な粉末冶金原料であ
り、高密度な粉末冶金製品を作るための原料である。他
の形態は例えば急冷箔帯であり、これは切断して摺動部
材として使用される。さらに他の形態はプレス、押出し
などの加工を加えられた素材であり、これは最終仕上加
工を施して摺動部材として使用される。この場合、本発
明に係る粉末状合金は、上記した組成を有するアルミニ
ウム合金をアトマイズ法で凝固速度104 ℃/sec以
上急冷した粉末を作り、それを300〜400℃の温度
で押出加工やホットプレス加工することにより、摺動部
材の素材に成形される。すなわちシリンダーなど摺動部
品に近い形状の素材に成形を行なうことによって、摺動
部品を量産することができる。押出の具体的方法として
は急冷凝固粉末をアルミニウム製の缶に真空封入したの
ち、350±30℃の温度で10ton/cm2 の加圧
力で押出す。加工材の組織は鋳造時に形成されたAl過
飽和固溶体の中に鋳造時に析出したシリコン粒子が好ま
しくは0.1〜5μm の大きさで均等に分散したもので
ある。又、溶融金属を急冷する片ロール法によっても上
記組織を有する合金を箔帯として製造することができ
る。
【0010】
【作用】本発明に係る合金においては、アルミニウム材
料の耐摩耗性が主として析出シリコンにより高められ、
シリコンは微細粒子であるためその量が増加しても加工
性がすぐれ、かつ相手材を摩耗させない。また、過飽和
に固溶した元素M,X,Yにより耐熱性と強度が高めら
れており、かつ温間加工してもこれによる組織の粗大化
が非常に少なくなっている。
料の耐摩耗性が主として析出シリコンにより高められ、
シリコンは微細粒子であるためその量が増加しても加工
性がすぐれ、かつ相手材を摩耗させない。また、過飽和
に固溶した元素M,X,Yにより耐熱性と強度が高めら
れており、かつ温間加工してもこれによる組織の粗大化
が非常に少なくなっている。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 実施例1 表1、表2に示す組成の材料を高周波溶解し母合金を作
った。これらの母合金を片ロール装置により急冷凝固箔
帯(厚さ0.02mm、幅1mm)として、それぞれX
線回折にふした結果、表3、表4に示すような組織が得
られ、Si以外の元素を溶質とする過飽和固溶体α−A
lが形成されていることが分かった。このマトリックス
中に0.1〜5μm のシリコン粒子が分散析出してい
た。一方、本発明の組成の幾つかにつき急冷凝固しない
材料を作ったところシリコン粒子の粗大化した15μm
以上のものが分散し、またFeAl3 、Fe2 Al5 な
ど脆い金属間化合物が析出分散した脆い材料となった。
各供試箔帯につき、化合物の析出温度(Tf)及び硬度
(Hv)を測定し、表3、表4に示す結果を得た。硬度
は、荷重25gの微少ビッカース硬度計による測定値
(DPN)であり、化合物の析出温度(Tf)は40K
/minで加熱した走査示差熱曲性と、X線回折結果か
らもとめた。本発明材料は、硬度がHv150〜450
と極めて高硬度な材料であることが分かる。化合物の析
出温度は過飽和固溶体が壊れる温度であり、耐熱性及び
加工温度上限の指標である。
った。これらの母合金を片ロール装置により急冷凝固箔
帯(厚さ0.02mm、幅1mm)として、それぞれX
線回折にふした結果、表3、表4に示すような組織が得
られ、Si以外の元素を溶質とする過飽和固溶体α−A
lが形成されていることが分かった。このマトリックス
中に0.1〜5μm のシリコン粒子が分散析出してい
た。一方、本発明の組成の幾つかにつき急冷凝固しない
材料を作ったところシリコン粒子の粗大化した15μm
以上のものが分散し、またFeAl3 、Fe2 Al5 な
ど脆い金属間化合物が析出分散した脆い材料となった。
各供試箔帯につき、化合物の析出温度(Tf)及び硬度
(Hv)を測定し、表3、表4に示す結果を得た。硬度
は、荷重25gの微少ビッカース硬度計による測定値
(DPN)であり、化合物の析出温度(Tf)は40K
/minで加熱した走査示差熱曲性と、X線回折結果か
らもとめた。本発明材料は、硬度がHv150〜450
と極めて高硬度な材料であることが分かる。化合物の析
出温度は過飽和固溶体が壊れる温度であり、耐熱性及び
加工温度上限の指標である。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】
【表4】
【0016】本発明例2の顕微鏡組織(倍率500倍)
を図4に示す。 実施例2 表1の本発明材No.1、2、3、4、及び比較例1、
2相当の組成を有する合金を高圧ガスアトマイズにより
粉末(平均粒径15μm )とした。その組織が本発明例
の場合FCC+Si、比較例ではFCCであることを、
確認した後銅製コンテナとキャップの中に詰め真空脱気
(1×10-5Torr)したのち620Kの温度でプレ
スにより加圧してビレットを得た。
を図4に示す。 実施例2 表1の本発明材No.1、2、3、4、及び比較例1、
2相当の組成を有する合金を高圧ガスアトマイズにより
粉末(平均粒径15μm )とした。その組織が本発明例
の場合FCC+Si、比較例ではFCCであることを、
確認した後銅製コンテナとキャップの中に詰め真空脱気
(1×10-5Torr)したのち620Kの温度でプレ
スにより加圧してビレットを得た。
【0017】このビレットを、押出機のコンテナ内にセ
ットし、650Kの温度で温間押出しにより、押出比1
0で押出し丸棒を得た。この押出材をX線回折により相
の同定をしたところ急冷凝固時と同様本発明例の場合F
CC+Si、比較例ではFCC組織を維持していた。温
間加工中のSi粒子の成長による大きさの変化やマトリ
ックスの結晶粒成長は当然起こり得るが光学顕微鏡での
観察では認められなかった。上記の押出材を図2の形状
に加工して図3に示すように相手材ロータ(共晶鋳鉄)
と接触させて荷重100kg/mm、速度1m/se
c、潤滑オイル−日石レフオイル(NS−4GS)の条
件で試験した。結果を図1に示す。
ットし、650Kの温度で温間押出しにより、押出比1
0で押出し丸棒を得た。この押出材をX線回折により相
の同定をしたところ急冷凝固時と同様本発明例の場合F
CC+Si、比較例ではFCC組織を維持していた。温
間加工中のSi粒子の成長による大きさの変化やマトリ
ックスの結晶粒成長は当然起こり得るが光学顕微鏡での
観察では認められなかった。上記の押出材を図2の形状
に加工して図3に示すように相手材ロータ(共晶鋳鉄)
と接触させて荷重100kg/mm、速度1m/se
c、潤滑オイル−日石レフオイル(NS−4GS)の条
件で試験した。結果を図1に示す。
【0018】耐摩耗性アルミニウム合金として知られて
いるA390アルミニウム合金の場合相手材を多く摩耗
するが本発明材では、それ自身と相手材双方の摩耗量が
少なく、本発明は相手材と相性がよいことが分かる。
いるA390アルミニウム合金の場合相手材を多く摩耗
するが本発明材では、それ自身と相手材双方の摩耗量が
少なく、本発明は相手材と相性がよいことが分かる。
【0019】
【発明の効果】本発明のアルミニウム合金は、従来の耐
摩耗アルミニウム合金に比べて相手材との相性が良好で
あり、加工性もすぐれているので、従来材の代りに各種
用途に使用できる。
摩耗アルミニウム合金に比べて相手材との相性が良好で
あり、加工性もすぐれているので、従来材の代りに各種
用途に使用できる。
【図1】耐摩耗テスト結果を示すブラフである。
【図2】摩耗試験片の図である。
【図3】摩耗試験方法を示す図である。
【図4】本発明例2の金属組織を示す顕微鏡写真(倍率
500倍)である。
500倍)である。
1 試験片 2 ロータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内無番地 川内住宅 11−806 (72)発明者 喜多 和彦 宮城県仙台市太白区八木山南1丁目9−7 (72)発明者 山口 均 東京都中央区八重洲1丁目9番9号 帝国 ピストンリング株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式:Ala Sib Mc Xd Ye (た
だし、MはFe,Co及びNiから選ばれた一種又は二
種以上の元素であり、XはY,Ce,La及びMm(ミ
ッシュメタル)から選ばれた一種又は二種以上の元素で
あり、YはMn,Cr,V,Ti,Mo,Zr,W,T
a,及びHfから選ばれた一種又は二種以上からなる元
素であり、a,b,c,d,及びeは、それぞれa=5
0〜85原子%、b=10〜49原子%、c=0.5〜
10原子%、d=0.5〜10原子%、e=0〜10原
子%、a+b+c+d+e=100原子%である)で示
される組成を有し、微細Siが析出した過飽和面心立方
結晶組織を有することを特徴とする耐摩耗性アルミニウ
ム合金。 - 【請求項2】5at%以下のCu及びMgの一種又は二
種を含有する請求項1記載の耐摩耗性アルミニウム合
金。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の組成と、請求項1記
載の組織を有するアルミニウム合金を300〜400℃
で温間加工することを特徴とする耐摩耗性アルミニウム
合金の加工方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3074678A JPH0610086A (ja) | 1991-03-14 | 1991-03-14 | 耐摩耗性アルミニウム合金及びその加工方法 |
EP92302155A EP0503951B1 (en) | 1991-03-14 | 1992-03-12 | Wear-resistant aluminium alloy and method for working thereof |
DE69219508T DE69219508T2 (de) | 1991-03-14 | 1992-03-12 | Verschleissfeste Aluminiumlegierung und Verfahren zu ihrer Bearbeitung |
US07/851,932 US5344507A (en) | 1991-03-14 | 1992-03-16 | Wear-resistant aluminum alloy and method for working thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3074678A JPH0610086A (ja) | 1991-03-14 | 1991-03-14 | 耐摩耗性アルミニウム合金及びその加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0610086A true JPH0610086A (ja) | 1994-01-18 |
Family
ID=13554129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3074678A Pending JPH0610086A (ja) | 1991-03-14 | 1991-03-14 | 耐摩耗性アルミニウム合金及びその加工方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5344507A (ja) |
EP (1) | EP0503951B1 (ja) |
JP (1) | JPH0610086A (ja) |
DE (1) | DE69219508T2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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