JP3318695B2 - 複層絶縁電線の絶縁剥離装置 - Google Patents

複層絶縁電線の絶縁剥離装置

Info

Publication number
JP3318695B2
JP3318695B2 JP14873494A JP14873494A JP3318695B2 JP 3318695 B2 JP3318695 B2 JP 3318695B2 JP 14873494 A JP14873494 A JP 14873494A JP 14873494 A JP14873494 A JP 14873494A JP 3318695 B2 JP3318695 B2 JP 3318695B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulated wire
wire
layer
insulation
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14873494A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07336834A (ja
Inventor
茂 藤田
Original Assignee
木嶋無線株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 木嶋無線株式会社 filed Critical 木嶋無線株式会社
Priority to JP14873494A priority Critical patent/JP3318695B2/ja
Publication of JPH07336834A publication Critical patent/JPH07336834A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3318695B2 publication Critical patent/JP3318695B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coil Winding Methods And Apparatuses (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Removal Of Insulation Or Armoring From Wires Or Cables (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、小形トランスなどの
電気巻線部品のコイルとして巻線する複層絶縁電線の絶
縁剥離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電源回路用として使用される簡単な小形
トランスの一例を図11に示す。この小形トランスは、
同形の2つのE形フエライトコア11、12、ボビン1
3、一次コイル14、二次コイル15、16から構成さ
れている。
【0003】電気絶縁材であるボビン13は合成樹脂材
で形成したもので、角筒状の巻線部13aと、この巻線
部13aの上下側に一体形成された鍔13b、13cと
を備えている。そして、下側の鍔13cの両サイド各々
には複数の端子ピン17が等間隔に植設され、また、端
子ピン17の植設部間にはコイル端部の案内溝18が設
けられている。
【0004】さらに、上下の鍔13b、13cの外面に
はフエライトコア11、12のヨ−ク部外に突出させた
平行突片部13d、13eを設けると共に、これら鍔1
3b、13cの内面側にはバリア13f、13gが設け
られている。そして、バリア13f、13gの間には一
次コイル14が巻線され、このコイル14の外周に絶縁
テ−プ19aが巻き回されている。
【0005】また、この絶縁テ−プ19aの外側には二
次コイル15が巻線され、このコイル15の外周に絶縁
テ−プ19bが巻き回され、その外側に二次コイル16
が巻線されている。そして、二次コイル16の外周に絶
縁テ−プ19cが巻き回されている。なお、上記した各
コイル14、15、16はボビン鍔13b、13cの内
面から所定距離だけ離して巻線してコイル間にバリア空
間を形成するようになっている。
【0006】また、これらコイル各々の巻始端部と巻終
端部は鍔13cの案内溝18を通して各々の端子ピン1
7に止着されている。また、フエライトコア11、12
は、ボビン13の上下からそれらの中央脚を巻線部13
a内に挿入するようにして組み付けた後、脚端面が接着
材によって接着されている。
【0007】この小形トランスに備える上記各コイル1
4、15、16を巻線する自動巻線機の一例を図12に
示す。この自動巻線機は、放射状に巻線治具20を有す
る回転テ−ブル21と、巻線治具20に対向させるよう
に設けたフライヤ−22とを備え、フライヤ−22には
テンション装置23を介して線材リ−ル24より巻線々
材25が送られるようになっている。
【0008】上記自動巻線機は、巻線治具20にボビン
13を装着し、回転テ−ブル21を1/4回転づつ間欠
的に回転させながら巻線する。図13上記した回転テ−
ブル21の平面図を示すが、この図において、下側に位
置した巻線治具20にボビン13を装着する。このよう
にセットしたボビン13は、回転テ−ブル21が1/4
回転することによってフライヤ−22に対向した右横位
置に移動する。この回転位置において、フライヤ−22
がボビン13の端子ピン17に巻線々材25をからげた
後、巻線々材25を案内溝18よりボビン13内に引き
入れ、その後、ボビン13の巻線部13aに巻線々材2
5を巻線して一次コイルを形成する。そして、巻線々材
25を案内溝18より引出して予め定めた端子ピン17
にからげる。
【0009】上記の如くしてコイルが巻線された後、回
転テ−ブル21が1/4回転し、フライヤ−位置に新た
に送られたボビン13の巻線に移る。そして、既に巻線
されたボビン13とこれから巻線されるボビン13との
間に引き渡された渡り線部分を切除する。
【0010】このようにして一次コイル14が形成され
た半製品としての巻線部品は、絶縁テ−プの巻付工程に
送られて一次コイル14の外周に絶縁テ−プ19aが巻
き付けられる。そして、絶縁テ−プ19aが巻き付けら
れた半製品は、再び自動巻線機にセットされ、上記と同
様の方法で絶縁テ−プ19aの外側に二次コイル15を
形成する。二次コイル15を形成した後、再び絶縁テ−
プの巻付工程で二次コイル15の外周に絶縁テ−プ19
bを巻き付け、最後に自動巻線機の巻付工程で絶縁テ−
プ19bの外側に二次コイル16を形成し、続いて上記
同様に二次コイル16の外周に絶縁テ−プ19cを巻き
付ける。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記した小形トランス
は、バリア13f、13gによって高電圧側となる一次
コイル14と低電圧側となる二次コイル15、16の間
に充分な沿面距離が形成されるので、安全性が極めて高
く、UL、CSA等の規格を満たす製品となる。
【0012】しかしながら、このようなバリア13f、
13gを設けると、このバリア13f、13gによって
コイルの巻線領域が減少するため、このバリア間に巻線
する一次コイル14の巻線数が制限され、これを解決す
るため一次コイル14を多層巻きすると小形トランスの
外形寸法が大きくなると言う問題がある。
【0013】また、上記した小形トランスは、トランス
の種類によってバリア13f、13gの長さ及び高さが
変わるため、トランスの種類に応じたボビンを用意する
必要があり、この点で量産に不向きであり、生産コスト
も高くなると言う問題があった。
【0014】そこで、一次コイル14と二次コイル1
5、16とを複層絶縁電線を用いて形成することが考え
られる。この複層絶縁電線は芯電線の回りに合成樹脂材
からなる三層の絶縁層が施されているので、一次コイル
14と二次コイル15、16との間が確実に絶縁され、
ボビンにバリアを備えなくとも安全性の高い小形トラン
スとなる。
【0015】しかしながら、複層絶縁電線を使用する場
合は、端子ピンにからげるコイル端部の絶縁を予め剥離
しておかなければならないと言う問題がある。つまり、
従来から使用されているポリウレタン絶縁電線やエナメ
ル絶縁電線は、端子ピンにからげたコイル端部を半田付
けすることによって電線々材の絶縁が溶解してコイル端
部と端子ピンとが電気的に接続するが、複層絶縁電線は
上記した通り絶縁が三層に施されているので半田付けで
は溶解せず、予め剥離しておかなければならない。
【0016】本発明は、上記した実情にかんがみ、複層
絶縁電線を巻線する小形トランス等の電気巻線部品にお
いて、端子ピンにからげる巻線端部分の複層絶縁をきわ
めて容易に剥離することができる絶縁剥離装置を開発す
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明では、小形巻線部品のコイルを合成樹脂
材で被覆した複層絶縁電線で巻線するに当って、端子ピ
ンに止着する芯電線部分の複層絶縁を剥離する絶縁剥離
装置において、芯電線を端子ピンに止着させるに必要と
なる複層絶縁電線の長さを予め定め、その絶縁電線部分
範囲の一方部所と他方部所との各々の位置で加熱し、複
層絶縁のみを輪切り状に溶切する第1の加熱手段と、上
記絶縁電線部分範囲で複層絶縁電線を長手方向に沿って
加熱し、複層絶縁電線側部の複層絶縁のみを細長状に溶
切する第2の加熱手段と、上記絶縁電線部分範囲で溶切
されずに残った複層絶縁を芯電線から引き取って除去す
る引取り手段とから構成したことを特徴とする複層絶縁
電線の絶縁剥離装置を提案する。
【0018】
【作用】芯電線を端子ピンに止着させるに必要となる複
層絶縁電線の長さの範囲で、その範囲の一方部所と他方
部所とが第1の加熱手段によって加熱され、これらの各
部所の複層絶縁が溶解して輪切り状に溶切される。
【0019】また、上記した複層絶縁電線の範囲で、こ
の絶縁電線が長手方向に沿って第2の加熱手段によって
加熱され、この範囲内の複層絶縁電線側部が直線状に溶
解し、複層絶縁のみが細長状に溶切される。
【0020】上記のように溶切された複層絶縁電線は、
溶切されずに残った上記範囲の複層絶縁が引取り手段に
よって芯電線から引き取られ、これによって端子ピンに
からげて止着するに必要な長さの芯電線が形成される。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面に沿って
説明する。図1は本発明の絶縁剥離装置を備えた自動巻
線機の一例を示す簡略図、図2は絶縁剥離装置の要部を
示した簡略図である。なお、この実施例の説明の中で、
従来例と同一部材については同符号を付してその説明を
省略する。
【0022】絶縁剥離装置50は、自動巻線機のフライ
ヤ−22とテンション装置23の間に設けられ、図2に
示す構造となっている。装置枠体51の左右側にはノズ
ル52、53が取付けられ、線材リ−ル24から送られ
る複層絶縁電線54は一方のノズル52から枠体51内
に入り、他方のノズル53から枠体51の外方に引き出
されフライヤ−22に導かれる。
【0023】本実施例で使用する複層絶縁電線54は、
図3に示す如く、導電線としての芯電線54aの外周に
三層の電気絶縁材54b、54c、54dが施された三
層絶縁電線となっている。
【0024】装置枠体51の内方左右には、上記した三
層絶縁電線54の固定機構部55、56が設けられてい
る。この固定機構部55、56は、装置枠体51に備え
た固定台55a、56aと、これら固定台55a、56
aに対向させた可動押え55b、56bとを備え、可動
押え55b、56bは装置枠体51に固定させたエアシ
リンダ55c、56cのシャフトの先端に取付けられて
いる。通常時には可動押え55b、56bが図示するよ
うに後退しており、固定台55a、56aと可動押え5
5b、56bの間を三層絶縁電線54が通過するように
なっている。
【0025】また、絶縁剥離のために三層絶縁電線54
の送りを止めたとき、エアシリンダ55c、56cによ
り可動押え55b、56bを固定台55a、56aに向
かって進出させ、この可動押え55b、56bと固定台
55a、56aとで三層絶縁電線54を挾持して固定す
る。
【0026】上記した固定機構部55、56の間には、
端子ピンに芯電線54aをからげる長さに相当する三層
絶縁電線54の範囲の一方部所A1と他方部所A2にお
いて、この三層絶縁電線54の周囲から絶縁層54b〜
54dを溶切する第1の加熱手段が設けてある。この第
1の加熱手段は、略U字形溝を有する加熱板57a、5
8aと、これら加熱板57a、58aをシャフトに固着
したエアシリンダ57c、58cと、後述する細長加熱
板63cの両端に固着した略U字形溝を有する加熱板5
9a、60aとより構成してある。
【0027】上記各加熱板57a、58a、59a、6
0aはステンレスやチタンなどで形成した略同様の形状
のものであり、図4には加熱板57a、59aについて
拡大して示してある。図示するように、これら加熱板5
7a、59aのU字形溝奥内縁57d、59bは三層絶
縁電線54の芯電線周面に合せた形状となっている。そ
して、これら加熱板57a、59aが三層絶縁電線54
に当接する場合には、図5、図6に示した如く、互いに
接合して芯電線54aまで進出するようになっている。
【0028】2つのエアシリンダ57c、58cは装置
枠体51に所定の間隔で取付けてある。すなわち、エア
シリンダ57c、58cのシャフトに設けた加熱板57
a、59aの間隔で剥離する絶縁層54b〜54dの長
さが決まるため、これらエアシリンダ57c、58cは
端子ピンにからげる芯電線54aの長さに合せた三層絶
縁電線54の範囲に位置決めした間隔で取付けてある。
例えば、2mm〜5mmの三層絶縁電線54の範囲とす
る。
【0029】また、装置枠体51内の三層絶縁電線54
の上方側には第2の加熱手段が設けてある。この第2の
加熱手段は、エアシリンダ63aによって進退動作する
シャフト先端に三層絶縁電線54の長手方向に沿った細
長加熱板63bを設けて構成してある。なお、エアシリ
ンダ63aは装置枠体51に固定してある。
【0030】上記した細長加熱板63bはステンレスや
チタンなどで形成し、その両端には第1の加熱手段の加
熱板59a、60aが固定してあり、この細長加熱板6
3bが加熱板59a、60aの間に渡って配設されてい
る。なお、この細長加熱板63bにはニクロム線等のヒ
−タ−または高周波加熱コイルなどの電熱部材を備えて
加熱するようにしてあり、また、この加熱部材によって
両側の加熱板59a、60aを共に加熱する構成となっ
ている。また、他方の加熱板57a、58aについては
図4に示した電熱部57e、58e(58eは図示省
略)を備え、これにニクロム線などのヒ−タ−または高
周波加熱コイルなどの電熱部材を備えて加熱するように
してある。
【0031】上記した第1、第2の加熱手段はエアシリ
ンダ57c、58c、63aを同時に駆動させることに
より、加熱板57a、58a、59a、60aが三層絶
縁電線54に向かって進出する。加熱板57a、58
a、59a、60aが固定機構部55、56によって固
定された三層絶縁電線54に当接すると、絶縁層54b
〜54dが加熱によって溶解し、加熱板57a、58
a、59a、60aが図5に示すように絶縁層54b〜
54dを溶切して芯電線54aの表面まで喰い込む。加
熱板57a、59a及び58a、60aは図6に示した
如く互いに接合して絶縁層54b〜54dを溶切するの
で、図2上における三層絶縁電線54のA1部所とA2
部所の2ケ所の絶縁層54b〜54dが輪切り状にカッ
トされる。
【0032】また、細長加熱板63bは、上記した加熱
板57a、58a、59a、60aの進出に伴って上記
A1部所とA2部所の間の絶縁層54b〜54dに当接
し、図7、図8に示すA3領域の絶縁層54b〜54d
を溶解する。このようにして絶縁層54b〜54dをA
1部所、A2部所、A3領域において溶切した後、エア
シリンダ57c、58c、63aを後退駆動させて各加
熱板57a、58a、59a、60aと細長加熱板63
bを三層絶縁電線54から引き離す。
【0033】一方、装置枠体51内の三層絶縁電線54
の下方側には、上記した第1、第2の加熱手段で溶切し
た後、三層絶縁電線54のA4領域の絶縁層54b〜5
4dを引き取る引取手段が設けてある。この引取手段
は、図9に拡大して示した如く、支軸66dによって旋
回自在とした挾持機構部66からなり、一方の挾持体6
6aがエアシリンダ67のシャフト68に連結し、他方
の挾持体66bがエアシリンダ69のシャフト70に連
結している。また、挾持体66bには、シャフト70の
進出方向に対して傾斜させた長孔66cを形成し、シャ
フト70の連動ピン70aがこの長孔66cに移動可能
に突入している。
【0034】上記の挾持機構部66は、通常時は三層絶
縁電線54から離れており、また、図9に示すように、
連動ピン70aが長孔66cの先端側に移動し、挾持体
66a、66bの先端側が三層絶縁電線54の線径より
大きく開いている。
【0035】この挾持機構部66によって三層絶縁電線
54のA4領域(絶縁層54b〜54d)を引取る場合
には、エアシリンダ67、69を共に進出駆動させて挾
持体66a、66bを開いた状態で前進させ、図10に
示すようにこれら挾持体66a、66bの先端側で三層
絶縁電線54を挾み込む。
【0036】その後、エアシリンダ69のみを少ない範
囲で後退駆動させると、三層絶縁電線54が挾持体66
a、66bによって強く挾み込まれる。続いて、エアシ
リンダ67、69を共に後退駆動させて挾持体66a、
66bを引き戻すことにより、A4領域の絶縁層54b
〜54dが挾持体66a、66bによって挾持されたま
ま芯電線54aより引き離なされる。
【0037】なお、このように挾持体66a、66bを
引き戻す場合、エアシリンダ67に対してエアシリンダ
69を多少早い速度で後退駆動させることが好ましい。
このように引き取った絶縁層54b〜54dは、挾持体
66a、66bを図9のように開動作させ、これら挾持
体66a、66bの間から落下させる。
【0038】上記した如く構成した絶縁剥離装置50
は、巻線されている場合は、固定機構部、第1、第2の
加熱手段、引取手段が共に後退した位置にあり、線材リ
−ル24から送られる三層絶縁電線54を通過させる。
【0039】また、端子ピンにからげる三層絶縁電線5
4の位置部分が絶縁剥離装置50内を通過する際には、
自動巻線機の巻線動作が一旦停止する。そして、先ず、
固定機構部の55、56のエアシリンダ55c、56c
が進出駆動し、可動押え55b、56bの進出によって
固定台55a、56aとの間で三層絶縁電線54を固定
する。
【0040】その後、第1、第2の加熱手段のエアシリ
ンダ57c、58c、63aが進出駆動し、加熱板57
a、58a、59a、60aと細長加熱板63bが三層
絶縁電線54に当接することにより、A1、A2部所と
A3領域の絶縁層54b〜54dが溶切される。
【0041】次に、第1、第2の加熱手段のエアシリン
ダ57c、58c、63aが後退駆動し、加熱板57
a、58a、59a、60aと細長加熱板63bが三層
絶縁電線54から退離し、続いて、引取手段のエアシリ
ンダ67、69が進出動作し、挾持体66a、66bに
よって三層絶縁電線54を挾み込む。その後、引取手段
のエアシリンダ67、69が後退駆動し、挾持体66
a、66bの引取りによってA4部所の絶縁層54b〜
54dが芯電線54aより取り除かれ、その後、エアシ
リンダ55c、56cを後退駆動させて可動押え55
b、56bによる三層絶縁電線54の固定を解放させ
る。
【0042】なお、挾持体66a、66bの引取りは、
加熱板57a、58a、59a、60aと細長加熱板6
3bを後退させる前、つまり、これら各加熱板が三層絶
縁電線54に当接している間に行なうように構成しても
よい。
【0043】上記のようにして絶縁剥離動作が終わる
と、自動巻線機が再び巻線動作に移り、三層絶縁電線5
4の絶縁剥離部分(A1〜A2)がこの装置50内から
送り出され、この剥離部分が端子ピンにからげられるこ
とになる。なお、自動巻線機の始動、停止や各エアシリ
ンダの動作はシステムコントロ−ラなどを備えた電気的
な手段によって自動制御することができる。
【0044】以上、本発明の一実施例について説明した
が、三層絶縁電線54としては、現在0.56mm〜
1.11mm程度の円形断面のものが存在するので、こ
のような三層絶縁電線54を全て一定のU字形溝を有す
る加熱板57a、58a、59a、60aによって溶切
することが困難な場合がある。したがって、このような
場合には、各加熱板のU字形溝を適当に変形したり、ま
た、各加熱板のU字形溝を三層絶縁電線54の太さに合
せて形成した他の加熱板に交換するように構成する。
【0045】また、第2の加熱手段の細長加熱板63b
については、三層絶縁電線54に当接させながらA1部
所からA2部所まで移動させる他の加熱部材によって置
き換えることができる。つまり、第1の加熱手段によっ
てA1、A2部所を輪切り状に溶切した後に、この他の
加熱手段の加熱部材を三層絶縁電線54に当接させて移
動し、A1、A2部所間の絶縁層(54b〜54d)を
三層絶縁電線54に沿って直線状に溶解させ、その後、
上記同様にして引取手段により絶縁層を芯電線54aよ
り引き取る。
【0046】このように構成する場合は、上記した加熱
部材を移動させるためのエアシリンダを装置枠体51の
側部に設け、また、細長加熱板63bについては支持板
とする。
【0047】さらに、図9、図10に示す挾持機構部6
0の挾持体66a、66bはその先方部分内側、つま
り、絶縁層を挾持する部分に、ワイヤブラシやゴムを設
け、或いは、その挾持部分を凹凸形成することによっ
て、絶縁層を挾持して引き取るときに滑りがなく、引き
取りが一層確実となって有利である。
【0048】
【発明の効果】上記した通り、本発明に係る絶縁剥離装
置は、複層絶縁電線の所定範囲について簡単に絶縁剥離
することができるので、自動巻線機によって巻線する小
形巻線部品のコイル線材として複層絶縁電線を使用する
ことができ、この結果、特にバリアを設けることなく安
全規格を満たすことができる小形巻線部品の量産が容易
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絶縁剥離装置を備えた自動巻線機の一
例を示す簡略図である。
【図2】本発明に係る絶縁剥離装置の一実施例を示す機
構図である。
【図3】三層絶縁電線の断面図である。
【図4】上記絶縁剥離装置に備えた加熱板の拡大正面図
である。
【図5】加熱板の溶切状態を示す図4同様の正面図であ
る。
【図6】加熱板の溶切状態を示す拡大側面図である。
【図7】絶縁層の剥離部分を示した三層絶縁電線の拡大
部分図である。
【図8】上記剥離装置に備えた細長加熱板によって溶切
される状態を示した三層絶縁電線の拡大断面図である。
【図9】上記した絶縁剥離装置に備えた引取機構部を示
し、絶縁層を引取る前の状態を示す図、
【図10】上記引取機構の絶縁層を挾持した状態を示す
図である。
【図11】従来例を示し、小形トランスの拡大断面図で
ある。
【図12】従来における自動巻線機の一例を示す簡略図
である。
【図13】従来の自動巻線機に備えた回転テ−ブルの平
面図である。
【符号の説明】
50 絶縁剥離装置 51 装置枠体 54 複層絶縁電線 54a 芯線 54b 絶縁層 55、56 固定部材 57a、58a、59a、60a 電熱部 63a 電熱部 66 挾持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 1/12 H01F 41/06 H01F 41/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小形巻線部品のコイルを合成樹脂材で被
    覆した複層絶縁電線で巻線するに当って、端子ピンに止
    着する芯電線部分の複層絶縁を剥離する絶縁剥離装置に
    おいて、芯電線を端子ピンに止着させるに必要となる複
    層絶縁電線の長さを予め定め、その絶縁電線部分範囲の
    一方部所と他方部所との各々の位置で加熱し、複層絶縁
    のみを輪切り状に溶切する第1の加熱手段と、上記絶縁
    電線部分範囲で複層絶縁電線を長手方向に沿って加熱
    し、複層絶縁電線側部の複層絶縁のみを細長状に溶切す
    る第2の加熱手段と、上記絶縁電線部分範囲で溶切され
    ずに残った複層絶縁を芯電線から引き取って除去する引
    取り手段とから構成したことを特徴とする複層絶縁電線
    の絶縁剥離装置。
JP14873494A 1994-06-08 1994-06-08 複層絶縁電線の絶縁剥離装置 Expired - Fee Related JP3318695B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14873494A JP3318695B2 (ja) 1994-06-08 1994-06-08 複層絶縁電線の絶縁剥離装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14873494A JP3318695B2 (ja) 1994-06-08 1994-06-08 複層絶縁電線の絶縁剥離装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07336834A JPH07336834A (ja) 1995-12-22
JP3318695B2 true JP3318695B2 (ja) 2002-08-26

Family

ID=15459421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14873494A Expired - Fee Related JP3318695B2 (ja) 1994-06-08 1994-06-08 複層絶縁電線の絶縁剥離装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3318695B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1866109A4 (en) * 2005-03-31 2014-07-02 Tm4 Inc ROLLING MACHINE FOR RECTANGULAR WIRE
JP4733469B2 (ja) * 2005-08-24 2011-07-27 日特エンジニアリング株式会社 巻線装置、及び巻線方法
JP5989696B2 (ja) * 2014-03-17 2016-09-07 中国電力株式会社 電線被覆剥取先端工具
CN104157443B (zh) * 2014-07-23 2016-06-01 杭州奥士玛数控设备有限公司 一种适用于电机线圈自动脱模的装置
JP6324541B2 (ja) * 2014-12-26 2018-05-16 日立オートモティブシステムズ株式会社 コイル成形装置及びコイル成形方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07336834A (ja) 1995-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6233730B2 (ja)
US3958328A (en) Method of making a transformer coil assembly
JP3318695B2 (ja) 複層絶縁電線の絶縁剥離装置
JPS59162742A (ja) 鉄心内に中間絶縁体を配置するための方法及び装置
US4372029A (en) Apparatus for providing an electrical coil with leads
JPH08222464A (ja) 巻線部品の巻線方法
US2941129A (en) Electrical coil
US3060073A (en) Method of making electrical coils
JP7469243B2 (ja) 電気機器の製造方法
US4097987A (en) Method of manufacturing an inductive coil
JPH0919114A (ja) 空芯コイルの製造装置および製造方法
JP3665296B2 (ja) コイル巻線時の端末処理方法
JP3413057B2 (ja) 多重巻コイルの製造方法
JP3070026B2 (ja) コイルリード引出線の固定方法
JP3393222B2 (ja) インダクタンス素子の分割巻線方法及び装置
EP0489987B1 (en) Insulating tape for winding coils
JP3051823B2 (ja) 巻鉄心変圧器及びその製造方法
JPS59123216A (ja) 多重巻きコイルの製造装置
JPH08279311A (ja) フオーマ及び電磁装置
JPH045248B2 (ja)
JPS60243933A (ja) 偏向コイル製造装置
CA1055128A (en) Inductive device with bobbin and method of manufacture
SU1628157A1 (ru) Способ изготовлени обмотанного сердечника шагового двигател
JPH097849A (ja) 変圧器鉄心及びその製造方法
JPH06208931A (ja) テープの切断方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees