JPS6233730B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はボビンと、このボビン上に成端された
コイルを形成する方法とに関する。

ボビンのコイル形成部のまわりと、該コイル形
成部の一端に近接して該ボビンから突出する柱の
まわりとにコイル導線を巻付けるようにした、成
端されたコイルを形成する方法は公知である。

しかしながら、この公知の方法においては、柱
が金属性の端子柱であつて、この端子柱に導線を
固定するためには半田付け工程が必要であつた。

また、端子を導線に押付けるだけで、半田付け
工程を必要とせずに電気接続することも公知であ
る。

しかしながら、通常のコイル巻線機を使用し
て、端子を半田付け工程を必要とせずに導線に電
気接続することが要望された。本発明はかかる要
望に応えるものである。

本発明によれば、ボビン上に成端されたコイル
を形成する方法にして、前記ボビンのコイル形成
部の一端に近接して該ボビンから突出する柱のま
わりと、コイル形成部のまわりとにコイル導線を
巻付けるコイル形成方法であつて、前記ボビンが
該ボビン上の１本の柱に近接して一つの端子受承
腔部を具え、前記コイル形成部上の巻き導線と前
記柱上の巻き導線とに連続する導線を前記端子受
承腔部を横切るように配設し、前記端子受承腔部
に端子を挿入し、前記柱に向つて切断刃を運動さ
せ、もつて前記柱のまわりの導線を切断するとと
もに該導線と前記端子とを電気接続しかつ該導線
と端子とを前記腔部内に固定することを特徴とす
る、成端されたコイルの形成方法が与えられる。

本発明においては、前記柱と前記コイル形成部
との間に前記端子受承腔部が設けられ、なるべく
一動作で導線を切断するとともに、前記腔部に端
子を挿入することにより、端子を前記腔部内に固
定させかつ導線の切断端に電気接続すなわち成端
させることができる。

導線の成端前に、該導線を前記腔部上の正確な
位置に配置しかつ成端後の導線を隠すようにする
ためには、前記腔部の壁に少なくとも１個のスロ
ツトを設けて、導線を該スロツトに通しておくこ
とが好ましいが、かかるスロツトは必須のもので
はない。すなわち、導線を、前記腔部の開口部上
を単に横切るように配置した後に、該腔部に挿入
させた端子と前記導線を係合成端させるとともに
端子を該腔部内に固定することができる。

前記柱は、前記ボビンと一体成形されることが
好ましく、また導線切断工程の間に切断刃で除去
されることが好ましい。

本発明の方法に使用されるボビンは、プラスチ
ツク材料で成形されるとともにコイル形成部を有
するボビンであつて、前記コイル形成部の一端に
近接して少くとも１つの切断可能な導線巻付け用
柱と、該柱に近接して端子受承腔部とを有し、適
当な通常のコイル巻線機を使用して該ボビン上に
成端されたコイルを形成することができる。

次に図面を参照して本発明を実施例について説
明する。

第１―３図に示すボビン１０はプラスチツク材
料で一体的に成形され、管状のコイル形成部１１
と、該コイル形成部の軸線方向両端にある横方向
の保持用フランジ１２，１３とから成る。実質的
に長方形のブロツク１４がフランジ１３の上側に
成形されるとともに横に並んだ１対の上方に開口
を有する端子受承腔部１５，１６を具える。該腔
部の横方向壁を構成するブロツク１７，１８のそ
れぞれ内壁及び外壁は前記腔部と連通する２対の
導線受承スロツト１９，２０を具える。一方のス
ロツト１９は他方のスロツト２０と整列してい
る。１対の切断可能な柱２１，２２が各スロツト
２０の下端に近接する位置において前記ブロツク
の外壁に、コイル形成部から軸線方向に離れる方
向にのびている。前記柱は前記ボビンと一体成形
されることが好ましい。

このボビンとともに用いる端子２３には導線接
続フエルール２５から延びる接触部２４がある。
接触部２４にはばね２６を形成する折り返えされ
たウエブがある。ばね２６にはその１面に絶縁物
貫通用ののこ歯２７があり、両側縁から固定タン
グ２８が突出している。この端子はだいたい米国
特許第4026013号に記載の端子に類似したもので
ある。

本発明の第１実施例においては、コイル導線
は、第１図に矢印で示してあるように、最初に柱
２１のまわりに巻付け、一方の腔部１５を横切る
ように一方の１対のスロツト１９，２０を通つて
コイル形成部１１に巻付け、次に他方の腔部１６
を横切るように他方の１対のスロツト１９，２０
に通し、最後に柱２２に巻付けられる。端子２３
はそれぞれの腔部に挿入され、切断刃３０を柱２
１，２２の方に動かして、できれば柱２１，２２
に巻付けた導線を切断すると同時に柱をも除去す
る。端子を腔部に挿入したとき、のこ歯２７が導
線上の薄いワニス絶縁物を貫通して導線と電気接
続し、タング２８が腔部の壁に食い入つて端子を
確実に腔部に固定する。端子は米国特許第
4099316号のものと類似の機械を用いて腔部に挿
入することができる。

線巻きは適当な通常の巻線機を用いて行なうこ
とができる。

ボビンの第２実施例（第４図）は第５―７図に
示す公知の巻線機とともに用いるように設計した
ものである。この実施例においては、柱３１，３
２はフランジ３５上の長方形ブロツク３４の両端
面からコイル形成部３３の軸線に関して横方向に
延びている。ブロツク３４の頂上の中央部に、コ
イル形成部３３に向つて導線通過用凹部３６が形
成され、２個の導線案内柱３８が凹部３６の横方
向両端においてブロツク３４の頂上から直立して
いる。凹部３６はブロツク３４に形成された端子
受承腔部４０の隣接壁に形成された導線受承スロ
ツト３９と連通している。スロツト３９は腔部４
０の外側の壁につくつたスロツト４１と整列して
いるので、導線はコイル形成部から凹部３６を通
り、柱３８をまわり、次に腔部４０を横切つてス
ロツト３９，４１を通つて柱３１，３２に巻付け
られる。

巻線機には軸４６のまわりに紙面上を180゜回
転できる中央支持体４５がある。コイル支持アー
ム４７が支持体４５の両端から延び、一方はボビ
ン装架ステーシヨン４８にあり、他方は線巻ステ
ーシヨン４９にある。導線案内アーム５１が線巻
ステーシヨンにあつて、その端部に導線をリール
のような供給源からアーム４７に支持されたボビ
ン５８に案内する導線案内装置５２がある。この
型の機械にはまた第５図の後退位置からアーム４
７上のボビンの中心開口の中へ動くことができる
線巻きマンドレル５９がある。該マンドレルは第
６図に示すように、回転して、導線をボビンに巻
付ける。この間、アーム５１は前後に運動し、導
線がコイル形成部に沿つて均等に巻付けられる。

使用に際しては、導線を線巻ステーシヨンにお
ける柱３２に巻く第５図の部品の位置から出発し
て、まずマンドレル５９が第６図に示すようにボ
ビンの開口にはいる。次に、マンドレルが90゜回
転してブロツク３４の上面がアーム５１の端部の
下方にくる。ついでアーム５１は導線が腔部４０
を横切るようにしてスロツト４１，３９内に配置
され、かつ柱３８を巡るように運動する。その
後、マンドレルは比較的高速で回転し、その間ア
ーム５１は運動してコイルをボビン上に巻く。次
にブロツクの上面がアーム５１の下方に位置して
マンドレルが停止し、アーム５１は導線を腔部４
０を横切るようにして他方のスロツト３９，４１
に通す。それからマンドレルは再び90゜回転して
柱３１がアーム５１の下方にくる。アーム５１は
第７図に示すように導線を柱３１に巻付ける。

次に、支持体４５を180゜回転して線巻きされ
ていないボビンを線巻ステーシヨン４９に送ると
ともに線巻きされたボビンを装架ステーシヨン４
８に送る。作業員は線巻きされたボビンの柱３１
に近接した導線を切断してボビンをアーム４７か
らとりはずす。所望なら、上述の端子の挿入およ
び切断操作は、その後の作業ステーシヨンで行な
うことも、装架ステーシヨン４８における装置に
よつて行なうこともできる。

以前は、この型の機械は本発明のプラスチツク
のボビン柱ではなくて金属の端子柱を持つコイル
またはボビンを線巻きするのに用いられていた。
本発明のボビンは巻線機に大巾な変更を施すこと
なく従来のボビンに替わることができる。したが
つて以前に必要であつた半田付け工程は本発明の
端子挿入工程と導線切断工程とで容易に替えるこ
とができる。

第８図の第３実施例のボビン６０においては、
コイル形成部の一端におけるブロツク６１から突
出する柱６２は軸線方向延在部分６３と、互いに
反対方向に面した導線安定化肩部６５，６６を持
つ直立自由端６４とを有する。線巻きおよび成端
操作は、成端中に柱６２を除去する上述の操作と
同様である。

第９図の第４施例のボビン６７はコイル巻線に
タツプ接続ができるように設計されたものであ
る。フランジ６８の両側に２対の端子受承腔部６
９を設ける。これらの腔部にはそれぞれに関連し
た柱７０，７１がある。線巻きおよび成端工程は
上述のものと同様である。

本発明の方法とボビンは米国特許第3979615号
に記載のスロツト板端子とともに用いるのに適し
ている。端子受承腔部の形状は適宜変更すること
ができる。端子受承腔部の形状は適宜変更するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のボビンの第１実施例の斜視
図、第２図は成端および切断工程前にボビンに巻
かれた巻線を示す第１図と同様な斜視図、第３図
は成端および切断工程後の第２図と同様な斜視
図、第４図は成端および切断工程前に巻線を施し
たボビンの第２実施例の一部の斜視図、第５図乃
至第７図は公知の巻線機を用いて第４図のボビン
に導線を巻く工程順の概略図にして、第５図はマ
ンドレルが巻線機から離隔し導線案内アームが静
止した状態における巻線機の側面図、第６図はマ
ンドレルがボビン内に進入し導線案内アームが右
方向に移動してボビンに導線を巻付けた状態を示
す巻線機の側面図、第７図は導線案内アームが左
方向に移動しボビンの柱に線を巻付けた状態を示
す巻線機の側面図、第８図は成端および切断工程
前に巻線を巻付けたボビンの第３実施例の一部の
斜視図、第９図は成端および切断工程前に巻線を
巻付けたボビンの第４実施例の斜視図である。 １０，６０，６７……ボビン、１１，３３……
コイル形成部、１５，１６，４０，６９……端子
受承腔部、２１，２２，３１，３２，６２，７
０，７１……柱、２３……端子、３０……切断
刃。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ボビン上に成端されたコイルを形成する方法
   にして、前記ボビンのコイル形成部の一端に近接
   して該ボビンから突出する柱のまわりと、コイル
   形成部のまわりとにコイル導線を巻付けるコイル
   形成方法であつて、前記ボビンが該ボビン上の１
   本の柱に近接して一つの端子受承腔部を具え、前
   記コイル形成部１１，３３上の巻き導線と前記柱
   上の巻き導線とに連続する導線を前記端子受承腔
   部を横切るように配設し、前記端子受承腔部に端
   子２３を挿入し、前記柱に向つて切断刃３０を運
   動させ、もつて前記柱のまわりの導線を切断する
   とともに該導線と前記端子とを電気接続しかつ該
   導線と端子とを前記腔部内に固定することを特徴
   とする、成端されたコイルの形成方法。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の方法であつて、
   前記ボビンが前記コイル形成部の一端に近接して
   該ボビンから延びた第２の柱に近接して第２の端
   子受承腔部を具え、前記コイル形成部に巻付けた
   後の導線を前記第２の端子受承腔部を横切るとと
   もに前記第２の柱のまわりに巻付け、第２の端子
   ２３を前記第２の端子受承腔部に挿入し、前記第
   ２の柱に向つて前記切断刃３０を運動させ、もつ
   て前記第２の柱のまわりの導線を切断するととも
   に該導線の両端をそれぞれの端子に電気接続しか
   つ該導線と端子とを前記腔部内に固定することを
   特徴とする方法。 ３ 特許請求の範囲第２項記載の方法であつて、
   前記ボビン６７が前記コイル形成部の一端に近接
   して該ボビン６７から延びた第３の柱７０，７１
   に近接して第３の端子受承腔部６９を具え、前記
   第２の柱に巻付けた後かつ切断前の導線を反転さ
   せて前記第２の端子受承腔部を横切るとともに前
   記コイル形成部に再び巻付け、次に前記第３の端
   子受承腔部を横切らせて前記第３の柱のまわりに
   巻付け、前記第３の端子２３を前記第３の端子受
   承腔部に挿入し、前記第３の柱に向つて前記切断
   刃３０を運動させ、もつて前記第３の柱のまわり
   の導線を切断するとともに該導線と前記第３の端
   子とを電気接続しかつ該導線と端子とを前記腔部
   内に固定することを特徴とする方法。 ４ 特許請求の範囲第１項乃至第３項のいずれか
   一つの項に記載の方法であつて、前記柱が前記ボ
   ビンと一体成形されるとともに導線切断段階で除
   去されることを特徴とする方法。 ５ 特許請求の範囲第１項乃至第４項のいずれか
   一つの項に記載の方法であつて、前記端子受承腔
   部の壁が少なくとも１個の導線受承スロツトを有
   することを特徴とする方法。 ６ プラスチツク材料で成形されるとともにコイ
   ル形成部を有するボビンであつて、前記コイル形
   成部１１，３３の一端に近接して少くとも１つの
   切断可能な導線巻付け用柱と、該柱に近接して端
   子受承腔部とを有することを特徴とするボビン。 ７ 特許請求の範囲第６項記載のボビンであつ
   て、前記柱が前記ボビンと一体成形されることを
   特徴とするボビン。 ８ 特許請求の範囲第６項または第７項記載のボ
   ビンであつて、前記端子受承腔部の壁が少なくと
   も１個の導線受承スロツトを有することを特徴と
   するボビン。