JP3316986B2 - 超電導装置用電流リード - Google Patents

超電導装置用電流リード

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JP3316986B2 JP30995493A JP30995493A JP3316986B2 JP 3316986 B2 JP3316986 B2 JP 3316986B2 JP 30995493 A JP30995493 A JP 30995493A JP 30995493 A JP30995493 A JP 30995493A JP 3316986 B2 JP3316986 B2 JP 3316986B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、低温容器の外部に設
置されている電源と内部に収納されている超電導コイル
との間を接続して超電導コイルに電流を供給する超電導
装置用電流リードに関する。
【0002】
【従来の技術】超電導装置の超電導コイルは液体ヘリウ
ムガスなどの極低温冷媒により冷却されて超電導状態が
保持されるので、液体窒素を用いたふく射シールドや多
層断熱層を備えた真空容器内に収納した低温容器に封入
した液体ヘリウムに浸漬した状態で収納される。また、
超電導装置の外部に設けられる超電導コイル励磁用の電
源と超電導コイルとの間を電気的に接続する電流リード
は液体ヘリウムが気化した低温のヘリウムガスにより冷
却され、常温側からの伝導熱及び電流リードで発生する
ジュール熱(合わせて侵入熱と呼ぶ)が低温容器内に侵
入するのを阻止するよう構成される。
【0003】図4は超電導装置とその電流供給装置を簡
略化して示す断面図である。この図において、超電導コ
イル2は真空容器Oの低温容器1内に液体ヘリウムH1
に浸漬した状態で収納され、液体ヘリウム温度(4.2K)
に冷却されることにより超電導状態が保たれる。また、
低温容器1の外側と真空容器Oの間は高真空に保たれ、
この高真空空間内には低温容器1を包囲する形で液体窒
素N1 を封入した液体窒素シールド13や図示しないふく
射シールド、多層断熱層などが設けられ、外部からの熱
侵入を遮断することにより高価な液体ヘリウムH1 の消
費が抑制される構成になっている。液体窒素シールド13
内で気化した窒素ガスN2 は真空容器Oの蓋板を気密に
貫通する窒素ガス配管14から外部に放出される。
【0004】一方、低温容器1に挿入された電流リード
3のリード配管3cは真空容器Oの蓋板に絶縁体8によっ
て絶縁支持され、このリード配管3cの中を通るリード導
体3aが低温側で超電導コイル2に接続され、常温部端子
3bが後述の接続片9、電源側リード11を介して電源50に
接続されている。液体ヘリウムH1 が蒸発して生成した
ヘリウムガスH2 は低温側からリード配管3cの中に入っ
て隙間3dを通ってリード導体3aやリード配管3cを冷却し
て侵入熱を奪いながら上昇し、ガス配管5とこれに管継
手で接続されたガス配管6を通りこれに符号を付さない
フランジで接続された外部配管7から外部に放出される
か、図示しない圧縮機に導かれて再度液体ヘリウムにな
って低温容器1に戻される。
【0005】電流リード3と図4の左側に図示してある
符号を付さないもう1本の電流リードとが電源50ら引き
出された模式的に示す電源側接続リード11とこれと電流
リード3との間を接続する接続片9とに接続されて超電
導コイル2に電流が供給される。図5は従来の接続リー
ド部の平面図、図6は同じく正面図であり、接続片9は
細銅線を編んで製作したフレキシブルリードであり、電
源接続リード11と常温端子3bとにボルト10で取付けら
れている。このような接続片9は高価なので平角銅から
なる電源接続リード11や常温部端子3cに比べて電流密度
を高くして断面積を小さくする場合が多い。したがっ
て、他の部分に比べてジュール損としての発生損失が大
きく温度が高くなる傾向にある。常温端子3bは前述のよ
うにすぐ近くまでヘリウムガスH1 で冷却されるので比
較的温度が低いことから、これに熱が伝わることによっ
て接続片9の温度上昇が抑制されるという現象があるの
で前述のように接続片9の電流密度を上げて断面積を小
さくし安価にすることも許容される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
に低温容器1への熱侵入を低減することは高価な液体ヘ
リウムの消費量を低減する上で重要であるが、接続片9
の断面積を小さくして安価にしたために、接続片9から
電流リード3への熱侵入が大きくなって液体ヘリウムH
1 の消費量が増大して超電導装置の運転費用が増大する
という問題が生ずる。特に10kAを越えるような大電流超
電導装置の場合、接続片9の発生損失も大きくなりこの
問題は更に増大する。更には、接続片9の長さは数十メ
ートルと長くなる場合があり、接続片に発生する電力損
失は無視できない大きなものとなる。
【0007】この発明の目的はこのような問題を解決
し、電流リードの常温端子からの熱侵入を低減して液体
ヘリウムの消費量を小さくし、しかも電力損失を低減し
た超電導装置の電流リードと電源との接続リードとして
の電流供給装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明によれば、真空容器内の低温容器に収納さ
れて液体ヘリウムに浸漬される超電導コイルに外部の電
源から電流を供給する超電導装置用電流リードが、超電
導コイルから引き出される引出リードに接続される第1
の酸化物超電導体、一端が第1の接続片を介して第1の
酸化物超電導体に接続され、他端が常温端子から引き出
された良導電体に第2の接続片を介して接続される第2
の酸化物超電導体、電気的に直列接続された第1の酸化
物超電導体と第2の酸化物超電導体と良導電体とこれら
を接続する第1と第2の接続片とを収納するリード配
管、及び、第2の酸化物超電導体とリード配管との間の
間隙に液体窒素を供給する液体窒素配管からなり、第1
の接続片が低温容器内にあるリード配管の所定の位置に
設けられるとともにリード配管の内部空間を第1の酸化
物超電導体側と第2の酸化物超電導体側とに気密に分割
し、第2の酸化物超電導体と良導電体との接続部が低温
容器外にあるリード配管の所定の位置に設けられ、リー
ド配管の超電導コイル側端部には液体ヘリウムが蒸発し
て生成されたヘリウムガスが出入り自在の開口部が設け
られ、リード配管における第1の接続片の常温側に液体
窒素配管とリード配管の内部空間とを連通する配管口が
設けられるとともにリード配管における常温端子側の端
部に窒素ガス排出配管が設けられてなるものとする。ま
た、液体窒素配管が、反対方向に電流が流れる2本の電
流リードのリード配管に共通の配管を持ち、この共通配
管が真空容器を貫通してなるものとする。また、常温端
子が電源側端子に直接接続されてなるものとする。ま
た、第1の酸化物超電導体がバルク材、第2の酸化物超
電導体が酸化物超電導体製の芯材とこれを覆う銀製の被
覆材との複合材からなるものとする。
【0009】
【作用】この発明の構成において、電流リードを、超電
導コイルから引き出される引出リードに接続される第1
の酸化物超電導体と、第1の接続片、第2の酸化物超電
導体と、第2の接続片と、良導電体と、常温端子とをこ
の順序に直列接続した導体、第1の酸化物超電導体から
良導電体までの導体を収納するリード配管、及び、第2
の酸化物超電導体とリード配管との間の間隙に液体窒素
を供給する液体窒素配管で構成し、第1の接続片でリー
ド配管の内部空間を気密に分割することによって、第1
の酸化物超電導体と第2の酸化物超電導体とは第1の接
続片を境にして別の冷却方式で冷却することが可能にな
る。リード配管の超電導コイル側端部は開いているの
で、この開口部から引出リードをリード配管内部に引き
込むとともに液体ヘリウムが蒸発して生成されたヘリウ
ムガスが出入りできるので第1の酸化物超電導体はヘリ
ウムガスによって冷却される。また、第1の接続片の常
温側に液体窒素配管とリード配管の内部空間とを連通す
る配管口を設け、この配管口からリード配管内に液体窒
素を注入することによって、第1の接続片及び近傍の第
2の酸化物超電導体は液体窒素N1 によって冷却される
とともに、液体窒素は気化して窒素ガスを生成しながら
リード配管内を常温端子側に向かって移動する間に第2
の酸化物超電導体全体を冷却するとともに第2の接続片
と良導電体をも冷却し、リード配管の常温側の端部に設
けられた窒素ガス排出配管を通って外部に排出される。
第1の接続片の位置を真空容器内の所定の位置に設ける
ことによって、第1の接続片とその周辺を外気に直接触
れることのないようにして熱侵入を低減し、第2の接続
片の位置を低温容器外にあるリード配管の所定の位置に
設けて、第2の酸化物超電導体をなるべく電源の接続リ
ードの近くまで引き回す。
【0010】また、液体窒素配管を、反対方向に電流が
流れる2本の電流リードのリード配管に共通の配管を持
ち、この共通配管が真空容器を貫通する構成を採用する
ことによって、液体窒素配管の真空容器を貫通する配管
が1本でよい。また、電流リードの常温端子を電源側端
子に直接接続することによって、損失の発生する接続リ
ードの長さが最小になる。
【0011】また、第1の酸化物超電導体を被覆材のな
いバルク材、第2の酸化物超電導体を酸化物超電導体製
の芯材とこれを覆う銀製の被覆材の複合材で構成するこ
とによって、熱伝導性の高い銀被覆材がないので第1の
酸化物超電導体を伝わる熱侵入は小さく、酸化物超電導
体として通常使用される複合材はその単位長さを長い寸
法のものを入手できることから、これを使用した第2の
酸化物超電導体の接合箇所が減ってその構成が簡素化さ
れる。
【0012】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施例を示す超電導装置とその電流リ
ードを簡略化して示す断面図であり、図4と同じ部材に
ついては共通の符号を付けて詳しい説明を省く。電流リ
ード30は低温容器1の内部と電源50の接続リード11との
間を連結するリード配管301 とこれに収納された第1の
酸化物超電導体302 、第2の酸化物超電導体304 及び良
導電体306 からなっている。
【0013】第1の酸化物超電導体301 は超電導コイル
2から引き出された引き出しリード21にその一端が接続
され他端が第1の接続片303 を介して第2の酸化物超電
導体304 に接続される。第2の酸化物超電導体304 は第
2の接続305 を介して良導電体306 に接続されている。
良導電体306 は電流リードの常温端子3bに接続されてい
て、常温端子3bは電源50の接続リード11に直接接続され
ている。すなわち、図4及び図5に示す接続片9は使用
されていない。
【0014】図1が従来例である図4と大きく異なる点
は、電流リード30のリード配管301は真空容器Oの外部
を更に長く伸び電源50にまで達している点である。した
がって、電流リード30の電流通路となる導体を大きくは
3つに分けた第1の酸化物超電導体302,第2の酸化物超
電導体304 及び良導電体306 を、それぞれ第1、第2の
接続片303,305 を介して直列接続した構成としたもので
ある。
【0015】周知のように一般に酸化物超電導体が超電
導状態を維持するに必要な温度である臨界温度は100Kを
越える温度であり、液体窒素の温度(77K) に比べて充分
高い。これを利用して真空容器Oの外部の電流通路を液
体窒素で冷却することにより超電導状態が維持される酸
化物超電導体を使用することによって長い距離の接続リ
ードに発生する損失を低減するものである。もちろん、
熱侵入の低減も同時に図られる。
【0016】第1の酸化物超電導体302 は液体ヘリウム
1 が蒸発して生成されたヘリウムガスH2 によって直
接的又は間接的に冷却される。すなわち、リード配管30
1 の低温側の端部は図示のように開口していてここから
リード配管301 に引き込まれる超電導コイル2の引出リ
ード21に第1の酸化物超電導体302 が接続される。した
がって、第1の酸化物超電導体302 は引出リード21に熱
伝導によって熱が奪われ、接触している近傍のヘリウム
ガスH2 に熱伝達によって熱が奪われる。液体ヘリウム
1 から生成されたヘリウムガスH2 は4Kに近い極低温
なので第1の酸化物超電導体302 は超電導状態を維持す
るに足る充分の低温に冷却される。
【0017】第1と第2の酸化物超電導体302,304 を
接続する第1の接続片303 の常温側には液体窒素配管31
0 が開口しておりこの開口部からリード配管301 内に液
体窒素N1 が注入される。第1の接続片303 とこれに接
続される第2の酸化物超電導体304 の下部はこの液体窒
素N1 によって冷却されて超電導状態を維持する。液体
窒素N1 は気化して窒素ガスN2 となりリード配管301
内を通り第2の酸化物超電導体304 を冷却しながら常温
側の端部に向かって移動し、第2の接続片305を通過し
て更に良導電体306 も冷却しながら最終的にリード配管
301 の常温側端部に設けられた窒素ガス排出配管307 か
ら排出される。
【0018】第1の接続片303 の位置は低温容器1の内
部であればなるべく常温側に近い方、図では上部に設け
られる。その理由は、液体窒素N1 の温度は液体ヘリウ
ムH1 に比べれば高温であり第1の接続片303 からの熱
侵入をなるべく小さくするためには第1の酸化物超電導
体302 の長さがなるべく長い方が良いからである。第2
の接続片305 の位置はその温度が第2の酸化物超電導体
304 の臨界温度よりも低くなければならない、という条
件から決まる。この条件が満足されると第1と第2の接
続片303,305 の間の第2の酸化物超電導体305 全体が
超電導状態を維持することができる。ただ、余り余裕を
とると良導電体306 の長さが長くなって発生損失が増大
するという点を考慮する必要がある。
【0019】窒素ガスN2 は第2の接続片305 を通過し
て窒素ガス排出配管307 を通って外部に排出されるので
良導電体306 も窒素ガスN2 によって冷却される。前述
の第2の接続片305 が一定の温度以下に冷却されるため
には良導電体306 が窒素ガスN2 によって充分冷却され
る必要があるので、良導電体306 の長さは余り短くする
ことはできない。なお、液体窒素配管310 からの液体窒
素N1 の注入量は適宜大きくすることができるので、第
2の接続片305 の位置が単なる長さ寸法だけから一義的
に決まるものではない。複数の条件が考慮されて構成
的、経済的に最適な構成が採用される。
【0020】前述のように、真空容器Oから電源50まで
の距離は数十メートルに及ぶ場合があるので、例えば図
示のように2本の電流リード30は適宜曲げられて引き回
される。液体窒素配管310 は1本の配管を外部から真空
容器O内に通し中でTの字状に分岐させて2本の電流リ
ード30に連結する構成を図示してある。もちろん、外部
にあるときから2本に分けて独立して液体窒素N1 を供
給する配管構成を採用することもできる。図のように中
で分岐する方式では2本の電流リード30の間で供給する
液体窒素N1 の量の比率を任意に変えることは困難であ
る。一方、独立して配管する構成の場合には液体窒素N
1 の供給量の比率を変えることも可能である。2本の電
流リード30は平行に引き回されるのでこれらの間で長さ
が大きく異なるということはないのが実際であるが、何
らかの理由で2本の電流リード30の長さが異なり第2の
酸化物超電導体304 や良導電体306 の冷却効果に差が生
ずる場合には別々に液体窒素配管を設ける構成を採用す
る方が有利な場合もある。
【0021】図2は図1のA−A断面図である。この図
において、第1の酸化物超電導体302 は2本の棒状の酸
化物超電導体から構成されていて図1には示さない間隔
片308 によってリード配管301 との間の相対位置を確保
してかつ固定してある。間隔片308 の形は正方形状をし
ていてその頂点がリード配管301 の内壁に接触してい
る。ひたがって、リード配管301 と間隔片308 には隙間
があって液体窒素N1 又は窒素ガスN2 が自在に通るこ
とができる。
【0022】図3は図1のB−B断面図である。この図
において、第2の酸化物超電導体304 は2本の酸化物超
電導体からなっており、この酸化物超電導体は芯材3041
とこの芯材3041を被覆する被覆材3042との複合材からな
っている。被覆材3042は銀製なのが普通であり、棒状の
酸化物超電導体として通常使用されのは複合材である。
これに対して図2のように被覆材のない酸化物超電導体
のことはバルク材と呼ばれる。第2の酸化物超電導体30
4に複合材を採用するのは、複合材は長尺のものが使用
できることとクエンチを起こしにくいという特性を持っ
ているという利点があるからである。バルク材の場合
は、1本の酸化物超電導体の長さはせいぜい300 mm程度
が製作上の限度であるの対して複合材ではこれよりもは
るかに長尺のものが製作できる。したがって、長さが数
十メートルに及ぶことのある第2の酸化物超電導体に複
合材を採用することによって、酸化物超電導体の接続部
が少なくて済むという利点がある。一方、第1の酸化物
超電導体の場合、1本のバルク材で充分な程度の長さで
良いとともに、銀製の被覆材を熱伝導によって侵入する
熱侵入をなくすことができる。周知のように銀の熱伝導
率は銅よりも大いことを考慮する必要がある。第1の酸
化物超電導体302は液体窒素N1 の温度にある第1の接
続片303と液体ヘリウムH1 の温度にある引出リード21
とを熱的に連結するので、これに銀製の被覆材を使用し
た酸化物超電導体を使用すると熱侵入が増大するという
問題が生ずる。前述のように第1の酸化物超電導体302
にバルク材を採用することによってこのような問題を回
避することができる。なお、バルク材としての酸化物超
電導体の熱伝導率は銅などの良導体のそれの約100 分の
1である。第1の酸化物超電導体302 は液体ヘリウムH
1 の温度に近い極低温と液体窒素N1 の温度との間を連
結するものなので、臨界温度に対しては充分の余裕があ
って、バルク材がクエンチを起こしやすいという欠点が
実際の問題になることはない。一方、第2の酸化物超電
導体304の場合、第2の接続片305の近くでは酸化物超電
導体の臨界温度近くまで温度上昇した状態で使用される
のでバルク材の使用はできない。
【0023】これらの理由によって第1の酸化物超電導
体302 と第2の酸化物超電導体304とで異なる構成の酸
化物超電導体を使用するのが実用的に適していることに
なる。なお、図2、図3では酸化物超電導体302 、304
を構成する酸化物超電導体の本数を2本としたがこれに
こだわるものではない、また、間隔片308 、309 を正方
形としたがこれにこだわるものではなく、例えば六角形
でもよく円形に穴を開けたものでもよい。いずれにして
も酸化物超電導体302 、304 を固定しかつ流体の通過を
阻止することのない構成であればよい。
【0024】
【発明の効果】この発明は前述のように電流リードを構
成したので、第1の酸化物超電導体を直接的間接的にヘ
リウムガスで冷却し、第2の酸化物超電導体を液体窒素
で冷却することができ、液体窒素はリード配管内の第1
の接続片の常温側に注入され、窒素ガス排出配管から排
出される間に第2の酸化物超電導体、第2の接続片及び
良導電体を冷却する。第2の酸化物超電導体の臨界温度
は約100Kで液体窒素の温度77K に対して充分高いので第
2の酸化物超電導体の長さが長くても全長にわたって超
電導状態を維持するための冷却を行うことができる。そ
の結果、第1の酸化物超電導体の高温側の温度は液体窒
素の温度なので、低温容器への熱侵入は小さくなり、電
源から超電導コイルに至る接続リードの殆どの部分を超
電導体で構成することができるので発生損失を大幅に低
減するという効果が得られる。この効果は接続リードの
長い配置では特に有効となる。
【0025】また、液体窒素配管を、反対方向に電流が
流れる2本の電流リードのリード配管に共通の配管を持
ち、この共通配管を真空容器を貫通し真空容器の中で分
岐して2本の電流リードそれぞれに液体窒素を供給する
構成を採用することによって、液体窒素配管の真空容器
を貫通する配管が1本でよいので構成が簡素になるとい
う効果がえられる。
【0026】また、電流リードの常温端子を電源側端子
に直接接続することによって、損失の発生するリードの
長さを最小にすることができる。また、第1の酸化物超
電導体を被覆材のないバルク材で構成することによっ
て、従来用いられる酸化物超電導体製の芯材とこれを覆
う銀製の被覆材の複合材を使用する場合に比べて熱伝導
率の大きな被覆材を伝わる熱侵入をなくすことができ
る。バルク材はクエンチを起こしやすい欠点があるが、
酸化物超電導体の臨界温度に比べてはるかに低いヘリウ
ムガスで冷却されるのでこの欠点が実際の問題になるこ
とはない。第2の酸化物超電導体には前述の複合材を使
用する。第2の酸化物超電導体は超電導状態を維持する
ための臨界温度に近い高温で使用される部分もあるので
クエンチを起こしにくい複合材の使用が適している。ま
た、複合材はバルク材に比べてはるかに長尺のものが入
手できるので、数十メートルにわたる長い第2の酸化物
超電導体の接合箇所が少ない簡素な構成とすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す超電導装置とその電流
リードの断面図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】図1のB−B断面図
【図4】従来の超電導装置とその電流リードの断面図
【図5】図4の電流リードと電源を接続する接続リード
の平面図
【図6】図5の接続リードの正面図
【符号の説明】
1 低温容器 2 超電導コイル 11 電源側接続リード 50 電源 3、30 電流リード 3b 常温端子 3c、301 リード配管 302 第1の酸化物超電導体 303 第1の接続片 304 第2の酸化物超電導体 305 第2の接続片 306 良導電体 307 窒素ガス排出配管 310 液体窒素配管 N1 液体窒素N12 窒素ガス H1 液体ヘリウム H2 ヘリウムガス
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 6/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内の低温容器に収納されて液体ヘ
    リウムに浸漬される超電導コイルに外部の電源から電流
    を供給する超電導装置用電流リードが、 超電導コイルから引き出される引出リードに接続される
    第1の酸化物超電導体、一端が第1の接続片を介して第
    1の酸化物超電導体に接続され、他端が常温端子から引
    き出された良導電体に第2の接続片を介して接続される
    第2の酸化物超電導体、 電気的に直列接続された第1の酸化物超電導体と第2の
    酸化物超電導体と良導電体とこれらを接続する第1と第
    2の接続片とを収納するリード配管、 及び、第2の酸化物超電導体とリード配管との間の間隙
    に液体窒素を供給する液体窒素配管からなり、 第1の接続片が低温容器内にあるリード配管の所定の位
    置に設けられるとともにリード配管の内部空間を第1の
    酸化物超電導体側と第2の酸化物超電導体側とに気密に
    分割し、 第2の酸化物超電導体と良導電体との接続部が低温容器
    外にあるリード配管の所定の位置に設けられ、 リード配管の超電導コイル側端部には液体ヘリウムが蒸
    発して生成されたヘリウムガスが出入り自在の開口部が
    設けられ、 リード配管における第1の接続片の常温側に液体窒素配
    管とリード配管の内部空間とを連通する配管口が設けら
    れるとともにリード配管における常温端子側の端部に窒
    素ガス排出配管が設けられてなることを特徴とする超電
    導装置用電流リード。
  2. 【請求項2】液体窒素配管が、反対方向に電流が流れる
    2本の電流リードのリード配管に共通の配管を持ち、こ
    の共通配管が真空容器を貫通してなることを特徴とする
    請求項1記載の超電導装置用電流リード。
  3. 【請求項3】常温端子が電源側端子に直接接続されてな
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の超電導装置用
    電流リード。
  4. 【請求項4】第1の酸化物超電導体がバルク材、第2の
    酸化物超電導体が酸化物超電導体製の芯材とこれを覆う
    銀製の被覆材との複合材からなることを特徴とする請求
    項1,2又は3記載の超電導装置用電流リード。
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