JP3316966B2 - 合成樹脂円筒体の製造方法 - Google Patents

合成樹脂円筒体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形原料合成樹脂に、必
要に応じ添加材を添加した所定組成の合成樹脂材料から
合成樹脂円筒体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂円筒体は代表的には押出成形に
より製造される。押出成形による合成樹脂円筒体は所定
長さのスリーブに裁断して、或いは長尺のパイプやチュ
ーブとして、或いはインフレーション法を付加してそれ
らを拡径して様々の分野で用いられているほか、成形さ
れた円筒体をそのまま切り開いて、又はインフレーショ
ン法を併用して膨張させたのち切り開いてシート、フィ
ルムを得るため等にも利用されている。
【0003】所定長さのスリーブとして用いる場合の1
例を挙げると、電子写真装置や静電記録装置における現
像装置において用いられる。即ち、複写機、プリンタ等
の電子写真装置や静電記録装置において、静電潜像担持
体上に形成された静電潜像にトナーを供給して可視化す
る現像装置における現像スリーブとして利用される。さ
らに詳述すると、例えば、図2に示すような現像装置の
現像スリーブ1として用いられる。この現像装置は、駆
動ローラ2に、このローラ外径より若干大きい内径を有
するスリーブ形状の現像スリーブ(トナー搬送担持体)
1を外嵌し、該現像スリーブを静電潜像担持体PCとは
反対側からガイド部材3等で駆動ローラ2に押し当て、
静電潜像担持体PC側にできたたるみ部分11を該担持
体PCに接触させ、駆動ローラ2を回転させることによ
り現像スリーブ1を従動回転させるようにし、さらに、
現像スリーブ1に現像剤規制ブレード4を当接させたも
のである。現像スリーブ1には電源PWにて現像バイア
スが印加される。
【0004】トナーTはブレード4の規制のもとに帯電
し、スリーブ1表面に付着して現像領域へ搬送され、そ
こで像担持体PC上の静電潜像の現像に供される。な
お、この種の現像装置において重要なことの一つは、現
像スリーブ上に適正に帯電した適正な厚さのトナー薄層
を形成して、これを正確に現像領域へ搬送することであ
る。トナー搬送を良好にするため、現像スリーブ表面に
微小な凹凸を形成することが提案されており、また、こ
の微小な凹凸を付ける手法として、現像スリーブを樹脂
製としてセラミック粒子をコーティングあるいは分散含
有させることが特開平1−255873号公報等で提案
されている。また、特開平4−243275号公報は、
内周面に微小凹凸を形成した、電鋳法による電鋳スリー
ブ型内に現像スリーブのもとになる合成樹脂スリーブ素
管を導入し、それを加熱するとともに内側から加圧して
該素管外面を電鋳スリーブ型内面へ膨張密接させること
で該樹脂スリーブ外面に微小凹凸を付けることを教えて
いる。さらに特開平4−291280号公報は合成樹脂
材料にウィスカーを添加し、押出成形加工のみでウィス
カーのスリーブ表面での分散状態により微小凹凸を付け
ることを教えている。
【0005】いずれにしても、このような現像スリーブ
を形成するにあたっては、そのもとになる、押出成形さ
れた合成樹脂円筒体の肉厚が、円筒体各部でできるだけ
均等であることが望ましく、いずれかの部分が厚すぎた
り、薄すぎたりする偏肉スリーブは好ましくない。何故
なら、そのような偏肉スリーブからなる現像スリーブで
は、静電潜像担持体PC上の静電潜像の現像にあたり、
現像スリーブの静電潜像担持体への接触圧や接触面積等
に変動が生じ、その結果、現像濃度むら等の現像不良が
発生するからである。
【0006】また、以上説明した現像スリーブの場合だ
けでなく、広く一般に、押出成形される合成樹脂円筒体
は、できるだけ各部均等な肉厚であることが望まれるこ
とが多い。例えば、合成樹脂円筒体を連続するチュー
ブ、パイプ等として使用する場合においてその肉厚が各
部均等であることが要求される場合、合成樹脂円筒体か
らフィルムやシートを作る場合においてその膜厚が各部
均等であることが要求される場合等である。
【0007】しかし、押出成形により合成樹脂円筒体を
成形する場合、押出成形装置におけるスクリュー押出機
からの微小の樹脂吐出変動(サージング)、ダイ装置内
の樹脂の偏流等により偏肉状態が発生してしまう。ま
た、溶融合成樹脂材料中のいわゆるブラックスポット
(焼け成分)、高分子ゲル成分、添加材の凝集物等によ
り円筒体表面のノイズ(表面状態のムラ、凹状部、凸状
部)が発生する。そのため、押出成形装置において溶融
合成樹脂材料を押出成形ダイ装置のダイ本体とそれに配
置されたマンドレルとの間のダイリップ間隙から押し出
して合成樹脂円筒体を成形するにあたり、成形される合
成樹脂円筒体をできるだけ各部均等な肉厚にしようとす
るときには、前記ダイリップ間隙寸法をダイ円周方向に
おいて調整し、押出成形される円筒体の偏肉を最小限に
抑制するようにしている。そしてこのリップ間隙寸法の
調整は、一般的には、ダイ本体側に設けられたリップ間
隙調整用の数本のダイボルトを回すことで行われる。
【0008】また、ダイリップ間隙寸法の調整にあた
り、特開昭61−139414号公報に開示されている
ように、成形物の肉厚を厚み計で求め、これを目標値と
比較して調整が必要なダイボルトを自動的に選択し、回
転させてダイリップ間隙調整を行うことや、特開昭60
−206616号公報に開示されているように、ダイリ
ップ部分を押すボルトを加熱又は冷却することでリップ
間隙調整を行うこと、特開昭60−210418号公報
に開示されているように、リップ間隙調整機構に圧電素
子を応用すること等を利用することも考えられる。
【0009】また、溶融合成樹脂材料中のブラックスポ
ット等については、これを予め除去することも考えられ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、押出成
形される合成樹脂円筒体の偏肉を防止又は抑制する前記
従来の機構的手段は、いずれもダイ本体とマンドレルと
を同軸、同心円に芯合わせする工夫をするにすぎず、ダ
イ本体とマンドレルが個々に製作され、あとで組み合わ
されることを考えると、かかる芯合わせを完全に行うこ
とは実際上不可能である。
【0011】例えば、前記現像装置の現像スリーブを例
にとると、該現像スリーブの肉厚は通常150μm〜1
60μm程度であるが、偏肉を防止するため、前記ダイ
ボルトを回す手法を採用した場合、肉厚精度は±10%
(±15〜16μm)程度が限界である。前記現像装置
で使用される現像用トナーは、現在平均粒径10μm程
度のものであるが、画像精細度を上げるために小径(例
えば8μm)化されつつあり、そうなると、この程度の
精度では許し難い現像不良が発生する恐れがある。前述
した特開昭61−139414号、特開昭60−206
616号、特開昭60−210418号の各公報が教え
る手段による場合でも、現像スリーブ肉厚均等化の向上
には限界がある。さらに、得られる現像スリーブの径に
制限があり、60mm径程度のものにしか対応できな
い。
【0012】また、溶融合成樹脂材料中のブラックスポ
ット等を予め十分除去することは実際上困難であり、ま
た、そのような作業を加えると高価についてしまう。そ
こで本発明は、合成樹脂円筒体の製造方法であって、従
来より偏肉が抑制され、各部肉厚が精度良く均等化さ
れ、併せて合成樹脂材料に含まれるいわゆるブラックス
ポット(焼け成分)、高分子ゲル成分、添加材の凝集物
等による円筒体表面ノイズが抑制された所望径、肉厚の
合成樹脂円筒体を得ることができる方法を提供すること
を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため、合成樹脂材料から押出成形により第1の円筒
体を成形し、該第1円筒体を所定外径の軸棒に外嵌して
該軸棒周囲に収縮保持させ、該軸棒に保持された円筒体
の少なくとも表面部を溶媒にて柔軟なゲル状態としたの
ち該円筒体を前記軸棒とともに所定内径の円筒形空所を
有する外型の該空所に挿入し、前記軸棒及び外型を両者
間に相対回転速度差が生じるように相対回転させつつ円
筒体肉厚を所定のものとし、その後前記外型から取り出
して固化処理したのち前記軸棒から取り外して目的とす
る円筒体を得ることを特徴とする合成樹脂円筒体の製造
方法を提供する。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】この方法において、前記軸棒及び外型を両
者間に相対回転速度差が生じるように相対回転させるに
あたっては、軸棒及び外型のうちいずれか一方のみを
回転させる、軸棒及び外型の双方を異なる方向に回転
させる、軸棒及び外型の双方を同方向に異なる回転速
度で回転させることと等が考えられる。押出成形により
成形した第1の円筒体の前記軸棒への収縮処理は、代表
例として加熱による熱収縮を挙げることができる。ま
た、収縮させた円筒体のゲル状化処理は該円筒体を良溶
媒に浸漬する、該円筒体に良溶媒をかける等により行え
る。また、軸棒上の円筒体を前記外型との間で均し処理
したあとの固化処理は、該円筒体を貧溶媒の液に浸漬す
る、該円筒体に貧溶媒の液をかける等により行える。
【0020】
【作用】本発明方法によると、1種又は2種以上の原料
合成樹脂に必要に応じ添加材が添加された、或いはさら
に必要に応じ予め適当な段階でブラックスポット、高分
子ゲル成分、添加材の凝集物等がろ過等によりほぼ除去
処理された合成樹脂材料から押出成形により第1の円筒
体が成形される。次にこの円筒体が適当な長さに裁断さ
れ、軸棒に外嵌され、その周囲に収縮処理される。その
あと溶媒にて少なくとも表面部分が柔らかいゲル状とさ
れたのち、別途準備した円筒形状空所を有する外型に挿
入され、該軸棒及び外型が両者間に相対回転速度差が生
じるように相対回転せしめられる。これによって円筒体
の偏肉が均し修正され、円筒体各部の肉厚が精度良く均
等化され、併せて合成樹脂材料に含まれるいわゆるブラ
ックスポット(焼け成分)、高分子ゲル成分、添加材の
凝集物等が円筒体肉厚に均し閉じ込められ、円筒体表面
ノイズが抑制される。
【0021】
【0022】その後軸棒が円筒体とともに外型から取り
外され、円筒体のゲル化した部分が固化処理されたの
ち、該軸棒から目的とする円筒体が取り外される。
【0023】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。図1は本発明による合成樹脂円筒体の製造方法の工
程説明図である。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】先ず、成形に先立って1種又は2種以上の
熱可塑性の原料合成樹脂に必要に応じ添加材を添加し
た、また、必要に応じ適当な段階でブラックスポット等
を粗方、濾過手段等にて除去した合成樹脂材料ペレット
が準備される。
【0031】
【0032】本発明合成樹脂円筒体の製造方法を図2
示す現像装置における現像スリーブ(本例では肉厚(膜
厚)150μm、外形φ25mm、長さ300mm)を
得るためのもとになる円筒体を成形する場合を例にとっ
て説明する。
【0033】まず、成形に先立ち、原料合成樹脂を準備
した。かかる原料合成樹脂としては、現像装置で使用す
るトナーがフェライトを含む二成分トナーのときはポリ
アミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)等の結晶性樹脂、変性ポリフェニレンエーテ
ル(変形PPE)、ポリカーボネート等の非晶質樹脂を
挙げることができる。しかし、トナーがフェライトを含
まない一成分トナーで負帯電するトナーのときは、ポリ
アミド樹脂が好ましく、特に環境変動の少ないポリアミ
ド12が望ましい。ここでは一成分トナー用の現像スリ
ーブを製作するためにポリアミド樹脂を採用した。
【0034】ところで、現像スリーブは、図2の規制ブ
レード4により適度な押圧力で押され、トナー薄層を表
面に帯電付着させ、静電潜像担持体PCに接した状態で
トナーを移していくため、現像を重ねることにより表面
が摩耗していく。そのため、摩耗を軽減する手段とし
て、特開平4−247478号公報は結晶性ポリアミド
樹脂と非晶質ポリアミド樹脂を主体とする混合材料を提
案している。そこで本例でも結晶性ポリアミド樹脂と非
晶質ポリアミド樹脂を主体とする混合材料を採用した。
しかし、結晶性ポリアミド樹脂と非晶質ポリアミド樹脂
を混ぜ合わせるだけでは相溶性が悪く、現像スリーブの
もとになる円筒体の押出成形において溶融粘度の低い結
晶性ポリアミド樹脂が先に溶出し相(Phase)分離を起こ
し、かえって耐摩耗性が必要な表面に耐摩耗性の悪い結
晶性ポリアミド樹脂が顔を出す状態になる。
【0035】そこで、非晶質ポリアミド樹脂として予め
非晶質ポリアミド樹脂と少量の結晶性ポリアミド樹脂を
アミド交換反応によりつなぎ合わせた樹脂(EMR社製
TR55LX)を用い、結晶性ポリアミド樹脂との相
溶性を向上させた。さらに両者を均一混練分散させるた
めに、前記少量の結晶性ポリアミド樹脂をアミド交換反
応によりつなぎ合わせた非晶質ポリアミド樹脂をパウダ
ー状に加工し、結晶性ポリアミド樹脂とともに混練し
た。このとき該非晶質ポリアミド樹脂:結晶性ポリアミ
ド樹脂=7:3の割合で混合し、さらに熱安定剤、酸化
防止剤を添加した。かかる混練は従来の押出成形装置に
おける一般的なスクリュー押出機を利用した。また、該
押出機に通常設けられる網状のスクリーンパックを支持
する多孔付きブレーカプレートの部分で溶融混練された
材料中の、現像スリーブ肉厚(膜厚)からして無視でき
ない大きさのブラックスポット、高分子ゲル成分、添加
材の凝集物等の異物を濾過除去した。
【0036】かくして得た中間材料にカーボンブラック
を添加して両者をミキシングしたのち、図示しない二軸
押出機のホッパに投入し、溶融混練し、溶融後の搬送途
中段階でサイドフィーダにより導電性ウィスカーを投入
し、混練し、分散させ、再びこれらを該押出機の濾過手
段を通してブラックスポット、高分子ゲル成分、添加剤
の凝集物等の異物をほぼ濾過除去しつつ押し出したの
ち、ペレットとした。この場合の濾過手段は分散した導
電性ウィスカーを濾過除去しない範囲のものである。導
電性ウィスカーを樹脂溶融後の途中段階から添加する理
由は、押出機による混練時のウィスカーの折損を防止
し、併せてウィスカーの2次凝集を抑制するためであ
る。
【0037】かくして得られた合成樹脂ペレットは大部
分の凹状、凸状ぶつ成分が除去されている。僅かに残っ
た高分子ゲル成分やブラックスポットが円筒体の押出成
形時に円筒体の表面状態を悪化させることが考えられる
が、これ以上濾過しても高分子ゲル成分が糸状に弾性変
形して通過してしまい、通過後、冷却にともない弾性回
復して何倍もの大きさになってしまう。
【0038】なお、前記熱安定剤や酸化防止剤は、合成
樹脂の熱履歴が増えることによる劣化、分解等が懸念さ
れるのであれば添加しておくことが望ましく、或いはこ
れとともに、又はこのような添加剤添加に代えて、押出
機からの材料押出操作のときに該材料が空気に触れない
ように、又は触れ難いように該操作を不活性ガス雰囲気
中で行うことが考えられる。なお、ブラックスポット等
の除去手段は、前述の押出機に備えられているブレーカ
プレート部分に限定されることはなく、それとともに、
又はそれに代えて他の適当な除去手段、例えばスクリー
ンチェンジャーによる濾過、グレンミルパス方式による
除去を採用してもよい。
【0039】
【0040】
【0041】ここで、前記添加したウィスカーとカーボ
ンブラックについてさらに説明すると、該ウィスカーは
導電性を付与するとともに、これを利用して最終現像ス
リーブ表面のトナー搬送のための微小凹凸を得ようとす
るものである。このように該ウィスカーは導電性を有す
るが、該ウィスカーは押出成形によりその配向が押出方
向に揃ってしまうため、該ウィスカーだけでは最終現像
スリーブに全体的に十分な導電性が得られない。そのた
め、前記の通りカーボンブラックを添加し、導電性の安
定化を図った。
【0042】カーボンブラックは、アセチレンブラッ
ク、ファーネス系のカーボンブラック、そしてケッチェ
ンブラックに大別される。これらについて比較検討した
結果、後記の表1に示すようにアセチレンブラックは樹
脂中への分散性が良く成形円筒体表面状態は良好であっ
たが、導電性を安定化するには添加量が多くなり、その
ため円筒体成形時に押出抵抗が大きくなり生産性が悪
く、且つ、最終製品である現像スリーブが脆くなった。
そのため、現像スリーブの耐摩耗性を向上させる目的で
混合した非晶質ポリアミド樹脂が所定量入らず、非晶質
ポリアミド:結晶性ポリアミド=6:4が限界であっ
た。
【0043】ケッチェンブラックは添加量が少なく済
み、従って円筒体を成形し易く、柔軟な膜質の円筒体が
得られ、前記目的の非晶質ポリアミド樹脂が所定量以上
入ることができ、非晶質ポリアミド:結晶性ポリアミド
=9:1まで可能であったが、樹脂中への分散性が悪
く、成形された円筒体表面に凸ブツが多くなった。ファ
ーネスブラックは中間的性質であった。そこで本例で
は、押出成形ダイ装置において成形円筒体の表面状態を
良好にすることを考えているので、ケッチェンブラック
(ライオン(株)製 ケッチェンブラックEC)を採用
した。添加量は5wt%であった。 表1(押出成形円筒体の表面抵抗106 Ω/□) 項 目 アセチレンBlack ファーネス 系Black ケッチェンBlack 添加量 1 1/5 1/10 円筒体生産性 小 中 大 円筒体表面状態 良 中 悪 円筒体膜質 脆 やや脆 柔軟 なお、成形される円筒体の表面状態が悪く改善が困難な
場合は、ケッチェンブラックと樹脂とのぬれ性を改善す
るために、ケッチェンブラックにアセチレンブラックを
まぶして併用タイプにして使用すると良好な結果が得ら
れる。
【0044】前記ウィスカーは導電性付与のために予め
導電処理をしているが、ウィスカー本体の表面組成によ
りウィスカーの2次凝集度や現像スリーブを構成する樹
脂内に添加可能なウィスカーの量或いは成形される円筒
体の膜質が異なるため検討を行った。その比較検討結果
を表2に示す。検討したウイスカーはいずれもK2 O・
nTiO2 構造のものである。
【0045】 表2 表面にSnO2を被覆し、SbO5を 項 目 表面にカーボンを付けたもの ドーピングしたもの (大塚化学(株)製 BK-200) (大塚化学(株)製 WK200B) 2次凝集度 大 小 添加可能範囲 狭 広 膜質 脆 柔軟 表2より、ウィスカーの導電処理として表面にSnO2
を被覆し、SbO5 をドーピングしたものの方が全ての
項目で優れていた。従ってこのタイプのウィスカーを採
用した。添加量は25wt%であった。
【0046】
【0047】次に、図1を参照して、各部の肉厚が精度
良く均等化され、併せて成形前合成樹脂材料に残留する
ブラックスポット、高分子ゲル成分、添加材の凝集物等
が円筒体肉厚に均し閉じ込められ、表面ノイズが抑制さ
れた合成樹脂円筒体を製作する方法について説明する。
準備した合成樹脂材料ペレット、但し原料合成樹脂につ
いては結晶性ポリアミド12:非晶質ポリアミド樹脂=
3:7に混合したものを採用し、その他の成分は前記ペ
レットと同様にしたものを採用し、先ず図1に示すよう
に、従来の押出成形装置により第1の円筒体70を成形
する。次にこの円筒体70を適当な長さに裁断して軸棒
71に外嵌し、加熱してその周囲に熱収縮した円筒体7
01とし、そのあと良溶媒L1に所定時間、所定温度下
に浸漬して柔らかいゲル状としたのち、別途準備した円
筒形状空所721を有する外型72に挿入し、図示しな
い駆動手段を用いて、軸棒71及び外型72のうちい
ずれか一方のみを回転させる、又は軸棒71及び外型
72の双方を異なる方向に回転させる、又は軸棒71
及び外型72の双方を同方向に異なる回転速度で回転さ
せる。このようにして軸棒71及び外型72間に相対回
転速度差をつけ、これによって円筒体701の各部の肉
厚を精度良く均等化し、併せて合成樹脂材料に残留する
ブラックスポット、高分子ゲル成分、添加材の凝集物等
を円筒体肉厚に均し閉じ込め、表面ノイズを抑制する。
その後軸棒71を円筒体701とともに外型72から取
出し、貧溶媒のシャワーL2をかけて、全体を固化し、
円筒体701を軸棒71から取り外す。
【0048】なお、軸棒71の外径及び外型72の円筒
形空所721の内径は所望肉厚の円筒体を得ることがで
きるものに製作しておく。また、前記良溶媒として、こ
こではジクロルメタン:メタノール=1:1の混合溶媒
又はクロロホルム:メタノール=1:1の混合溶媒を用
いる。かくして得られた円筒体701はそのまま、又は
必要に応じ裁断して、或いはさらに必要に応じその表面
に微小凹凸を形成し、現像スリーブとする。
【0049】
【発明の効果】本発明によると、合成樹脂円筒体の製造
方法であって、従来より偏肉が抑制され、各部肉厚が精
度良く均等化され、併せて合成樹脂材料に含まれるブラ
ックスポット、高分子ゲル成分、添加材の凝集物等によ
る円筒体表面ノイズが抑制された所望径、肉厚の合成樹
脂円筒体を得ることができる方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による合成樹脂円筒体の製造方法の工程
説明図である。
【図2】合成樹脂製現像スリーブを採用した現像装置の
1例の概略断面図である。
【符号の説明】
70 押出成形による第1の円筒体 71 軸棒 701 収縮円筒体 72 外型 721 外型の円筒形空所 L1 溶媒 L2 貧溶媒の固化処理用液体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 47/00 - 47/96 B29D 23/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂材料から押出成形により第1の
    円筒体を成形し、該第1円筒体を所定外径の軸棒に外嵌
    して該軸棒周囲に収縮保持させ、該軸棒に保持された円
    筒体の少なくとも表面部を溶媒にて柔軟なゲル状態とし
    たのち該円筒体を前記軸棒とともに所定内径の円筒形空
    所を有する外型の該空所に挿入し、前記軸棒及び外型を
    両者間に相対回転速度差が生じるように相対回転させつ
    つ円筒体肉厚を所定のものとし、その後前記外型から取
    り出して固化処理したのち前記軸棒から取り外して目的
    とする円筒体を得ることを特徴とする合成樹脂円筒体
    製造方法
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