JP4037765B2 - 熱可塑性材料からなるベルトの製造方法、熱可塑性材料からなるベルトの製造装置、熱可塑性材料からなるベルト - Google Patents

熱可塑性材料からなるベルトの製造方法、熱可塑性材料からなるベルトの製造装置、熱可塑性材料からなるベルト Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性材料からなるベルトの製造方法、熱可塑性材料からなるベルトの製造装置、熱可塑性材料からなるベルトに関し、詳しくは、複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真方式または静電印刷方式にて画像形成を行う画像形成装置等に用いられるシームレスベルトを厚みのバラツキや割れを生じることなく容易に製造するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、種々の分野において、表面に継ぎ目がなく、高平滑な表面を有する弾性ベルトは材料や製法を各種設定することで、様々な用途で需要が高くなってきている。例えば、熱可塑性材料を主体として作製されるベルトは、プリンター、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に使用することができる。
【0003】
これらの用途のベルトとして重要な点は、表面平滑性と厚み均一性である。用途によって要求される表面平滑性と厚み均一性の程度は異なるが、一番要求の厳しい電子写真方式の部材については、特に高精度が要求される。
【0004】
従来、継ぎ目がなく、かつ表面平滑なベルトを製造する方法としては、押出機を用いて筒状に押し出し、加硫、硬化させた後に研磨する方法、遠心成形する方法等の種々の方法が用いられている。
【0005】
例えば、特開平11−344025号では、環状ダイから押出成形されたチューブの円周方向における体積電気抵抗値等に基づき、電気抵抗を調整する部分の温度を環状ダイから冷却固化するめでの間で測温しながらダイの周方向温度を変化させ、周方向の抵抗値のバラツキを制御しているシームレスチューブの製造方法が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−344025号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平11−344025号では、ベルト周方向の抵抗値を制御しているが、ベルト厚みの制御が不十分であるために、表面が平滑でかつ均一な厚みを有するベルトを得ることができないという問題がある。このため用途によっては、所望の役割を果たせないという問題がある
【0008】
表面が平滑なベルトを得るには、原料粉末を溶融成膜してベルト状とする方法も考えられるが、溶融成膜を行う型の温度の制御が困難である上に、型上から成膜されたベルトを取り外すのが非常に困難であるため、均一な厚みを有するベルトを容易に得られないという問題がある。
【0009】
即ち、原料粉末が振りかけられる型に温度ムラがあると、振りかけられた粉末が均一に溶融されず溶融部分にムラができ、膜厚ムラを生じたり、極端な場合、低温部では溶けない部分ができたり、高温部では樹脂の分解が起こったりする。また、加熱された型上に直接熱可塑性材料を溶融成膜させた場合、シームレスベルトとして脱型するのは困難である。
【0010】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、均一な厚みのシームレスなベルトを容易に製造可能とすることを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、金属製の円筒の外周面に金属製のスリーブを外嵌し、
上記円筒の中空部に誘導加熱用コイルを挿入して内側から上記スリーブを加熱すると共に、該円筒の周壁内部に熱媒体を循環させて、該円筒に外嵌する上記スリーブを温度ムラなく加熱し、
上記スリーブの外周面が熱可塑性材料からなる原料粉末の融点以上の温度に加熱された状態で上記円筒を回転させ、
共回転する上記スリーブの外周面上に上記原料粉末を均一に振りかけて所定時間回転させることで上記原料粉末を溶融して均一な厚みの溶融フィルムを上記スリーブの外周面に成膜し、
上記成膜後に上記原料粉末の融点以下まで冷却し、上記溶融フィルムを固化してベルト状成形体とし、
上記ベルト状成形体を上記スリーブと共に上記円筒から取り外した後、上記ベルト状成形体を上記スリーブから取り外してベルトを得ており、該円筒に対する上記スリーブの着脱時に円筒とスリーブとの界面に圧縮空気を吹き込むと共に、該スリーブと上記ベルト状成形体との熱膨張係数の差により上記スリーブから上記ベルト状成形体を抜き取っていることを特徴とする熱可塑性材料からなるベルトの製造方法を提供している。
【0012】
このように円筒から着脱自在とされたスリーブの外周面上に成形されたベルト状成形体とスリーブとを一体的に円筒から取り外した後に、ベルトをスリーブから取り外している。従来のように円筒上に直接ベルト状成形体を成形して、そのまま残存させておくのではなく、スリーブ上に成形してスリーブと一体的にベルト状成形体を取り外しているため、冷却時の収縮による割れを防止することができる。よって、均一な厚みのシームレスなベルトを容易に得ることができる。
【0014】
また、上記のように、円筒の中空部に誘導加熱用コイルを挿入すると共に、円筒の周壁内部に熱媒体を循環させて誘導加熱により加熱しているため、円筒が温度ムラなく加熱される。よって、円筒に外嵌され円筒と共回転するスリーブの外周面の温度も円筒を介して温度ムラなく加熱される。具体的にはスリーブの面内温度のバラツキを±3℃以内とすることができる。よって原料粉末の溶融時に溶融部分のムラがなくなり均一な厚みのベルトを得ることができる。また、誘導加熱用コイルを円筒の中空部内に挿入した状態で誘導加熱を行うため、円筒の各部をムラなく均等に加熱することができる。さらに、原料粉末が溶融することにより奪われる熱も誘導加熱により即座に補われるため、常時温度ムラをなくすことができる。
【0015】
さらに、上記のように、スリーブ外嵌時及びスリーブ取り外し時に、円筒とスリーブの界面に圧縮空気を送り込み、圧縮空気による空気層を設けている具体的には、スリーブを円筒に外嵌する際には、圧縮空気を吹き出す小穴であるエアー吹出口上の位置までスリーブを円筒の外周面に挿入した後、エアー吹出口から圧縮空気を吹き出して空気層を設け、その後、所定位置までスリーブを完全に円筒に外嵌する。円筒から取り外す際は、圧縮空気を送り込み空気層を設けた後に、スリーブを円筒から取り外す。このように、スリーブと円筒の界面に空気層を介在させることでスリーブの着脱性を高めることができる。圧縮空気の空気圧は界面に空気層を形成できる圧力でスリーブの種類等に応じて任意に調整可能である。
【0016】
スリーブ上で原料粉末を溶融成膜させた後、冷却を開始する。温度が原料粉末の融点より下がり溶融フィルムが固化し始め、かつ室温よりも70℃以上高い状態で、円筒からスリーブを取り外すのが好ましい。原料粉末の融点以下で冷却し、室温よりも70℃以上高い状態で取り外すことにより、冷却時の収縮による割れをよりいっそう防止することができる。
【0017】
また、金属製のスリーブとスリーブ上に成形されたベルト状成形体では、互いに熱膨張係数が異なるため、両者を共に円筒から取り外した後、さらに冷却が進行すると、ベルト状成形体とスリーブ界面に歪みが生じ、容易にスリーブとベルト状成形体を分離でき、容易にベルト状成形体を抜き取ることができる。即ち、熱可塑性材料の熱膨張係数は金属の熱膨張係数よりも大きい。このため、金属製の円筒上に直接成膜した場合には、円筒は変形できないため冷却と共にベルト状成形体が円筒を締め付けることになりベルトを抜き取ることができない。しかし、スリーブ上に成膜したベルト状成形体を共に取り外すと、冷却によるベルト状成形体の収縮に応じてスリーブも変形することが可能なため、この変形と歪みとによりベルトが抜けやすくなる。
【0018】
また、本発明は、軸線方向を水平として配置されると共に回転手段により回転される金属製の円筒と、
上記円筒の内部に挿入される誘導加熱用コイルと、
上記円筒の外周面に着脱自在に外嵌される金属製のスリーブと、
上記スリーブの外周面に対して上方から熱可塑性材料からなる原料粉末を振りかけるフィーダーを備えていることを特徴とする熱可塑性材料からなるベルトの製造装置を提供している。
【0019】
上記構成の装置によれば、誘導加熱用コイルにより円筒を容易に加熱できる上に、スリーブが円筒に対して着脱自在とされているため、外周面上に原料粉末が溶融成膜されたスリーブを容易に取り外すことができ、均一な厚みを有するベルトを容易に製造することができる。よって、上述した本発明の熱可塑性材料からなるベルトの製造方法を行うのに好適である。
【0020】
上記円筒の一端は閉鎖壁として伝動軸を介して上記回転手段の駆動軸に連結する一方、該円筒の他端は上記誘導加熱用コイルの挿脱用の開口とし、
上記誘導加熱用コイルを走行手段上に搭載して、上記円筒の上記開口を通して中空部内に挿脱自在とし、上記スリーブの加熱時には上記円筒の中空部に挿入保持すると共に冷却時には上記円筒より引き出す構成とし、
上記円筒の上記開口側先端に圧縮空気導入部を設けると共に、導入された圧縮空気を外周面より引き出す小穴を上記円筒の周壁の先端側外面に形成し、該円筒に対して上記スリーブの着脱時に上記円筒と上記スリーブとの界面に圧縮空気を吹き出させる構成とし、
上記フィーダーは振動台を備えた加振式の振動フィーダーとし、上記原料粉末を吐出する原料吐出口の位置及び原料粉末供給量の調整手段を備え、かつ、
上記スリーブはニッケル電鋳材からなり、厚みは40μm〜150μmとしていることが好ましい。
【0021】
誘導加熱用コイルは可動台等の走行手段上に搭載することで、誘導加熱用コイルを円筒に対して所望の位置に配置することができ、非常に効率良く加熱及び冷却を行うことができる。
【0022】
円筒の先端側の外周面には導入された圧縮空気を引き出す小穴であるエアー吹出口が設けられ、スリーブ外嵌時及びスリーブ取り外し時に、円筒とスリーブとの間にエアー吹出口から圧縮空気を送り込む構成としていることが好ましい。これによりスリーブ外嵌時等にスリーブと円筒の間に容易に空気層を設けることができる。エアー吹出口は、円筒の支持側とは反対側である先端側、即ち、スリーブの外嵌や取り外しを行う側に設けるのが良い。エアー吹出口は、円筒の開口側の先端から10mm〜30mmの範囲に設けられ、その径はφ0.5mm〜φ5.0mmであるのが良く、円筒の周方向に4箇所以上均等に配置するのが良い。
【0023】
フィーダーは、振動台を備えた加振式の振動フィーダーとし、原料粉末を吐出する原料吐出口の位置及び原料粉末供給量を調整自在な構成としていることが好ましい。これにより、スリーブ上の所望の位置に所望の量の原料粉末を振りかけることができる。また、振動フィーダーにより微小な振幅の振動を加振することで原料粉末を均一にふりかけることができる。
【0024】
原料粉末はベルト幅に合わせて吐出口の幅を設定した原料吐出口から加振式の振動フィーダーにより流量を制御してスリーブの外周面上に均一に振りかけられる。このように加熱されたスリーブ上へ原料粉末を振りかける際は、加振式の振動フィーダーを使用し、成形するベルト幅に合わせて原料吐出口の幅を設定する。原料吐出口にはゲートを設け、ゲートの上下でベルト幅方向の吐出量を規定する。加振式の振動フィーダーの振動台は原料吐出口側に0°〜5°の傾斜を持ち、原料粉末振りかけ時に振動台に与えられる振動の振幅は0.5mm〜3.0mm、ゲートの隙間は0.6mm〜1.5mmであることが好ましい。これによりスリーブの外周面上に原料粉末を定量的かつ均一に振りかけることができる。振幅、振動台の傾斜は、各々、原料粉末の粒径等に応じて設定することができる。
【0025】
周方向のベルト厚みの制御は、円筒の回転条件や原料粉末の流動性の制御等により調整することもできるが、幅方向のベルト厚みを調整するためには、幅方向の原料供給量が重要となる。よって、ベルトの幅方向の原料粉末の供給量の調整を可能としている。なお、円筒の中心軸は水平方向とした状態で円筒を周方向に回転するのが良い。
【0026】
フィーダーの原料吐出口は常に円筒上に配置されていても構わないが、円筒を加熱室内に設置し、加熱室内の雰囲気温度を上昇させるような場合には、必要に応じて、フィーダーは移動可能に設置する方が良い。
【0027】
スリーブはニッケル電鋳材からなり、スリーブの厚みは40μm〜150μmであることが好ましい。表面が平滑であり寸法精度が良いと共に、円筒への着脱が容易となるため好ましい。スリーブの材質はその他、銅、金、銀、鉄、コバルト、アルミニウム、チタン、白金、これらの合金、こららの金属の積層構造等の電鋳材等とすることができる。なお、スリーブは繰り返し使用することができる。また、スリーブの表面にはフッ素系等の離型剤等で離型処理をしても良い。
【0028】
上記円筒は加熱室内に配置すると共に、該円筒の周壁には熱媒体循環路を設け、かつ、
上記誘導加熱用コイルは上記円筒の中空部の全長に収容される大きさとすると共に、該誘導加熱用コイルの後端側に上記加熱室の開閉カバーを連結し、該誘導加熱用コイルを上記円筒の中空部に挿入した時に上記加熱室が閉鎖される構成としていることが好ましい。
【0029】
円筒の周壁の内部には、熱媒体が流通されるため、円筒をよりいっそう温度ムラなく均等に加熱することが可能となる。即ち、円筒は誘導加熱される金属製としてコイルの誘導電流により円筒が加熱されると共に、熱媒体により円筒の温度が均一化される。コイルに電流を流し発生した磁力線により鉄等からなる円筒に渦電流を発生させ、この渦電流により円筒を発熱させており、円筒の加熱によりスリーブも加熱される。熱媒体はこのように円筒で発熱した熱を均一化するために円筒内に流通させている。また、誘導加熱用コイルが中空部に挿入された状態で加熱室が閉鎖されるため、効率良く加熱を行うことができる。熱媒体としては、水、パラフィンオイル等のオイルに代表される従来公知の熱媒体を用いることができる。
【0030】
スリーブの内径は円筒の外径よりも0.01mm〜0.30mm小さく設定するのが良い。スリーブ内径が大きすぎるとスリーブと円筒間に隙間ができ寸法精度が悪くなりやすい上に、原料粉末が隙間に入りこみ、溶融固化して円筒とスリーブと接着する恐れがあるためである。スリーブ内径が小さすぎると円筒に外嵌できないためである。また、円筒の先端開口側には、スリーブを外嵌しやすいように漸次縮径させたスロープ部が設けられていることが好ましい。ただし、エアー吹出口よりも先端側でスロープ部は終了しているのが良い。
【0031】
円筒の加熱には誘導加熱だけでなく、補助的に遠赤外線ヒーター、セラミックヒーター、ニクロム線ヒーター等を用いることもでき、より均一な円筒の加熱を行うことができる。特に円筒を加熱室等の密閉空間内に配置し、外気の循環の影響をなくし、雰囲気温度をも調整しようという場合には上記のようなヒーター等による雰囲気温度の調整は重要となる。
【0032】
スリーブ上に溶融成膜された溶融フィルムはブレードにより余分なものを掻き落とすことで、適度な厚みに制御することもできる。また、原料粉末を振りかけるときの円筒の回転数は任意に調整できる。加熱温度は原料粉末の融点よりも5℃〜50℃高い温度が好ましく、加熱時間は1分〜20分、また、円筒の回転数は1rpm〜60rpmが好ましく、原料粉末の種類やベルトの厚み等に応じて適宜設定することができ、
【0033】
スリーブ外周面には必要に応じ、離型剤等を塗布しておいても良い。ただし、この場合、離型効果の高いものを使用すると、スリーブ上に溶融した樹脂のはじきの原因となるため、ベルト状成形体を取り外しやすいが、原料粉末が均一に溶融成膜される範囲で離型剤を塗布するのが良い。
【0034】
熱可塑性材料の粉体を作製するには、所望の熱可塑性材料を冷凍粉砕し、分級する等の従来公知の方法を用いることができる。
【0035】
成形されるベルトの寸法は円筒の径、奥行き等の形状を変え、これに合わせてスリーブの寸法も変えることで任意に設定できる。
【0036】
本発明は、さらに、上述した本発明の熱可塑性材料からなるベルトの製造方法により製造されることを特徴とする熱可塑性材料からなるベルトを提供している。これにより均一な厚みを有するベルトを得ることができ、特に、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置の各種ベルト(中間転写ベルト、転写ベルト、定着ベルト、搬送ベルト、現像ベルト、感光体基体用ベルトを含む導電性ベルト等)に好適に使用される。ベルト厚みは0.05mm〜1mmが好ましい。
【0037】
上記原料粉末として、MI(メルトフローインデックス)が10g/10min(230℃)以上であり、曲げ弾性率が1300MPa以下であり、粒径が80μm〜400μmである熱可塑性材料からなる原料粉末を用いて形成されることが好ましいのは以下の理由による。
【0038】
熱可塑性材料からなる原料粉末は、MI(メルトフローインデックス)が10g/10min(230℃)以上であることが好ましい。MIがこれより小さいと、溶融時に流動せず成膜しにくくなるためである。また、曲げ弾性率は1300MPa以下であることが好ましい。曲げ弾性率がこれより大きいと冷却固化時に割れが生じやすくなるためである。
【0039】
さらに原料粉末の粒径は80μm〜400μmであることが好ましい。これは80μmより小さいと凝集しやすくフィーダーでは送りにくくなるためである。一方、400μmより大きいと得られるベルトの膜厚が目標とする厚みより厚くなりやすいためである。なお、フィーダーの吐出口から均一に流れ出し、スリーブ上に均一に振りかけられるよう、粒度分布や粒子形状を変えることも可能である。
【0040】
熱可塑性材料としては、耐久性、ベルトの駆動性の点からはポリエステル系熱可塑性エラストマーが好ましいが、その他、ベルトの要求性能等に応じて各種熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂を1種又は複数種用いることができる。また、熱可塑性材料には、各種充填剤、導電剤、難燃剤等の添加剤を添加することもできる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図8は本発明の熱可塑性材料からなるベルトの製造装置10を示す。製造装置10は、軸線方向を水平として配置されると共に回転手段であるモーターを備えた駆動軸11により周方向に回転される金属製の円筒12と、円筒12の外周面12aに着脱自在に外嵌される金属製のスリーブ13と、円筒12の上方より熱可塑性材料からなる原料粉末Gを振りかけて供給するフィーダー14と、円筒12内に挿入され円筒12を誘導加熱により加熱する誘導加熱用コイル15と、円筒12及び誘導加熱用コイル15を収容し、円筒12の誘導加熱が行われフィーダー14から供給された原料粉末Gが加熱溶融して成膜される加熱室16とを備えている。
【0042】
円筒12の外周面12a上にスリーブ13を外嵌した状態で誘導加熱を行うことでスリーブ13の外周面13aを均一に加熱しスリーブ13の外周面13a上に原料粉末Gを成膜する構成としている。
【0043】
円筒12の一端は閉鎖壁12Aとして伝動軸26を介して駆動軸11に連結する一方、円筒12の他端は誘導加熱用コイル15の挿脱用の開口12Bとしている。誘導加熱用コイル15は、走行手段である可動台17上に搭載されており加熱室16の内外へ移動が可能であり、円筒12の開口12Bを通して円筒12の中空部12c内に挿脱自在な構成としている。
【0044】
即ち、誘導加熱用コイル15の後端側に加熱室16の開閉カバー27を連結し、誘導加熱用コイル15を円筒12の中空部12cに挿入した時に加熱室16が閉鎖される構成とし、誘導加熱用コイル15は、スリーブ13の加熱時には円筒12の中空部12cに挿入保持すると共に冷却時には円筒より引き出せる構成としている。
【0045】
誘導加熱用コイル15は、その中心軸は水平方向になるようにし円筒12の中空部12cの全長に収容される大きさとされ、誘導加熱用コイル15を円筒12の中空部12c内に挿入した状態で誘導加熱を行う構成としている。
【0046】
また、円筒12の周壁12Cの内部には全周に渡って熱媒体循環路28が設けられ、熱媒体循環路28には熱媒体が流通され、熱媒体が循環し円筒12が温度ムラなく誘導加熱される構成としている。熱媒体循環路28は周壁12Cの閉鎖壁12A側からエアー吹出口19の位置まで設けられている。熱媒体としては水を用いている。
【0047】
図3に示すように、円筒12の外周面12aの先端12b側には圧縮空気導入部20を設けると共に、導入された圧縮空気を外周面12aより引き出す小穴であるエアー吹出口19を周壁12Cの先端側の外周面12aに形成し、円筒12に対してスリーブ13の着脱時に円筒12とスリーブ13との界面に圧縮空気を吹き出させる構成としている。
【0048】
円筒12には、圧縮空気を送り込むホース(図示せず)と連結されるエアー導入口20aが設けられており、エアー導入口20aからの圧縮空気がエアー吹出口19から吹出される。エアー吹出口19はφ2mmとし、円筒12の支持側とは反対側である先端12b側に設けられ、先端12bから20mmの位置に、円筒12の周方向に均等に4箇所設けられている。
【0049】
図4及び図5(A)〜(F)に示すように、フィーダー14は、振動台14aを備えた加振式の振動フィーダーとし、原料粉末Gを吐出する原料吐出口14bの位置及び原料粉末Gの供給量を調整自在な調整手段を備えている。即ち、原料吐出口14bの上方側にはゲート14cを設け、ゲート14cの上下でベルト幅方向の吐出量を設定している。加振式の振動フィーダーの振動台14aは原料吐出口14b側に0°〜5°の傾斜を持たせることが可能としている。
【0050】
また、フィーダー14は移動可能とされ、フィーダー14の原料吐出口14bの位置を自由に設定可能としている。具体的には、調整手段としては、角度調整部14d、上下調整部14e、前後スライド部14fを備え、これにより原料吐出口14bの位置調整が可能である。原料投入口14gから投入された原料粉末Gが電磁フィーダー14hにより振動台14a上で加振され、振動台14aには複数の溝部14iが原料供給方向に向かって漸次形状を変化させながら設けられている。なお、加熱室16には可動フタ18が設けられており、フィーダー14の原料吐出口14bの出し入れに応じて加熱室16の開閉を自在に行うことができる。
【0051】
スリーブ13の内径は円筒12の外径よりも0.15mm小さく設定している。また、円筒12の先端12b側には、スリーブ13を外嵌しやすいように漸次縮径させたスロープ部21が設けられている。エアー吹出口19よりも先端12b側でスロープ部21は終了している。
【0052】
また、円筒12はシャフト22により支持されており、シャフト22及び耐熱高精度ベアリング23を介して駆動軸11の駆動力が伝えられ周方向に回転する構成としている。また、加熱室16内にはブレード24が配置され、スリーブ13上に加熱溶融された溶融物の余分な部分をかきとり、厚みを調整可能な構成とすると共に、加熱室16内の雰囲気温度を調整するための遠赤外線ヒーター25が配置されている。
【0053】
ポリエステル系熱可塑性エラストマーを冷凍粉砕し、ふるいにかけることで粒径80μm〜400μmの原料粉末Gを得る。粉末は成形前に100℃のオーブンで1晩以上乾燥させている。原料粉末GのMI(メルトフローインデックス)は10g/10min(230℃)であり、曲げ弾性率が24MPaであり。融点は154℃である。
【0054】
まず、原料粉末Gを供給する前に、フィーダー14の調整を行っておく。
フィーダー14の原料吐出口14bが下がり気味になるように角度調整部14dを調整する。可動フタ18を開けてフィーダー14の原料吐出口14bが加熱室16内へ挿入できるようにする。原料吐出口14bを加熱室16内に挿入したらフィーダー14の上下調整部14e、前後スライド部14fの調整により円筒12との距離を調整する。原料吐出口14bが円筒12の中心線よりも円筒12の回転方向側にずれるよう調整する。フィーダー14の位置が決まったら原料吐出口14bを一旦加熱室16から引き出す。
【0055】
次に、原料粉末Gの流量調整を行う。具体的には、フィーダー14の原料吐出口14bを加熱室16より外に出した状態で、実際にフィーダー14の材料投入口14gから原料粉末Gをゲート14cに流してみることで調整する。ゲート14cに詰まったり、流れにムラができたりせず、均一な層状に原料粉末Gが流れるように調整する。隙間ゲージを使い、ゲート14cの両端の隙間を合わせ固定する。電磁フィーダー14hの強さを調整し、粉体の送り量を調整しておく。本実施形態では、原料粉末Gの振りかけ時に振動台14aに与えられる振動の振幅は3mm、ゲート14cの隙間は1mmとしている。
【0056】
内径168.5mm、長さ600mm、肉厚100μmのニッケル電鋳材からなるスリーブ13の内周面13a及び外周面13bのごみ、埃、汚れをふき取る。スリーブ13の外周面13bにはフッ素系離型剤を薄く塗布する。溶融した樹脂がはじかない程度に調整して塗布する。なお、円筒の材質は鋼製としている。
【0057】
このように外周面13bを離型処理を施したスリーブ13を、図6に示すように、円筒12の先端12b側の段階的に径が大きくなっているスロープ部21の外周面に沿うようにゆっくりと挿入していき、円筒12の外周面12a上に外嵌する。具体的には、エアー吹出口19が完全に隠れる所までスリーブ13を部分的に円筒12に挿入する。円筒12の外径はスリーブ13の内径よりわずかに大きくなっているがエアー吹出口19付近までは、スリーブ13を容易に挿入可能としている。
【0058】
このように部分的にスリーブ13を円筒12の外周面12a上に挿入した状態のまま、エアー導入口20aに圧縮空気を送り込むためのホース(図示せず)を連結する。圧縮空気の空気圧は0.5MPaとしている。
【0059】
ホースを連結したらエアー吹出口19から圧縮空気を徐々に吹き込み円筒12の外周面12aとスリーブ13の内周面13aとの間に空気層Aを設ける。空気層Aを設けた後、スリーブ13全体を円筒12の外周面12aに挿入し外嵌する。スリーブ13全体を外嵌できたら圧縮空気を止めてホースを外す。
【0060】
フィーダー14の原料吐出口14bは加熱室16から出したままにしておき、可動フタ18を閉める。図7に示すように、さらに可動台17をスライドさせ、誘導加熱用コイル15を開口12B側から円筒12の中空部12c内に挿入し、開閉カバー27により、この状態で加熱室16を締め切る。
【0061】
加熱室16を締め切った後、誘導加熱用コイル15により円筒12を内側から誘導加熱し、円筒12の周壁12Cに設けられた熱媒体循環路28中に循環させる熱媒体により円筒12を加熱し、スリーブ13の外周面13bの温度を原料粉末Gの融点以上の温度である175℃に温度ムラなく加熱する。また、補助的な加熱として遠赤外線ヒーター25を用いて、加熱室16内の雰囲気温度が100℃以上となるようにする。
【0062】
所定温度に達した後、可動フタ18を開け、上述したように調整した位置にフィーダー14を動かし、原料吐出口14bを加熱室16内の所定の位置に配置する。加熱室16の開口部が大きくなりすぎないように可動フタ18の閉め具合を調整する。この状態で駆動軸11を駆動させ、円筒12を回転速度6rpm(10秒/1回転)で周方向に回転させる。
【0063】
このようにスリーブ13の外周面13bが、原料粉末Gの融点以上の温度に加熱された状態で、円筒12及びスリーブ13を周方向に回転させながらスリーブ13の外周面13b上に原料粉末Gを均一に振りかける。具体的には、フィーダー14のスイッチを入れて原料粉末Gをスリーブ13の外周面13b上に被せるように振りかける。原料粉末Gは上述したようにベルト幅に合わせて吐出口の幅を設定した原料吐出口14bから加振式の振動フィーダーにより流量を制御して均一に振りかけられる。原料粉末Gは3回転分振りかけられる。
【0064】
図8(A)に示すように、円筒12及びスリーブ13を共回転させながら原料粉末Gを加熱溶融する。原料粉末Gが溶融したらブレード13により余分な部分を掻き落とす。その後、フィーダー14を加熱室16内から後退させ、回転数を3rpmに落とし、約5分間溶融成膜を行い、スリーブ13の外周面13b上に均一な厚みの溶融フィルムを成膜する。
【0065】
溶融フィルムを成膜した後、誘導加熱用コイル15をOFF、遠赤外線ヒーター25もOFFにし、可動フタ18を開け、加熱室16を開放する。図8(B)に示すように、溶融フィルムFの温度が融点以下となり、溶融フィルムが固化するまで自然冷却してベルト状成形体Bとする。
【0066】
融点より50℃以上下がり、かつ室温よりも70℃以上高い温度になったところで、再度、エアー導入口20aにホースをつなぐ。上記同様に圧縮空気を送り込み、スリーブ13と円筒12の間に空気層を設け、図8(C)に示すように、ベルト状成形体B及びスリーブ13を円筒12から一体的に取り外す。本実施形態では100℃で取り外している。
【0067】
さらに、スリーブ13の外周面13b上のベルト状成形体Bをスリーブ13から取り外す。この時、原料粉末Gである熱可塑性材料とスリーブ13の材質であるニッケルの熱膨張係数が異なるので室温近くまで冷却されたベルト状成形体Bは容易にスリーブ13から抜き取られ取り外される。本実施形態では50℃でベルト成形体を抜き取ってベルトを得ている。
【0068】
取り外されたベルト状成形体Bは一定幅にカットし必要に応じて一定厚みに研磨することで幅400mm、肉厚0.25mmの熱可塑性材料からなるベルトが得られる。
【0069】
このように誘導加熱により円筒12が温度ムラなく加熱されるため円筒12に外嵌されたスリーブ13の外周面13bの温度も円筒12を介して温度ムラなく加熱される。また、フィーダー14により原料粉末の供給量が調整されている。このため原料粉末Gの溶融時に溶融部分のムラがなくなり均一な厚みのベルトを得ることができる。
【0070】
また、円筒12から着脱自在とされたスリーブ13の外周面13b上に成形されたベルト状成形体Bとスリーブ13とを一体的に円筒12から取り外した後に、ベルト状成形体Bをスリーブ13から取り外している。このため、冷却時の収縮による割れを防止することができる。よって、非常に表面精度が良く、均一な厚みのシームレスベルトを容易に製造することができ、画像形成装置の各種ベルト等として好適に用いることができる。
【0071】
上記実施形態以外にも、種々の熱可塑性材料を用いることができ、スリーブの材質、加熱条件、原料供給条件等は適宜設定することができる。
【0072】
以下、本発明の熱可塑性材料からなるベルトの製造方法の実施例について詳述する。下記の表1に示す材料を用い、上記実施形態と同様の方法により、ベルトの製造を行った。また、下記の比較例に示す方法によりベルトの製造を行った。
【0073】
【表1】
Figure 0004037765
【0074】
(実施例1〜6)
各材料からなるベルトを作製した。各実施例の原料粉末の融点と加熱温度を以下に示す。
実施例1:融点154℃、加熱温度169℃
実施例2:融点199℃、加熱温度214℃
実施例3:融点209℃、加熱温度224℃
実施例4:融点219℃、加熱温度234℃
実施例5:融点227℃、加熱温度234℃
実施例6:融点212℃、加熱温度227℃
【0075】
(比較例1、2)
比較例1:Niスリーブを使わず円筒上に直接粉体を振りかけた以外は実施例1と同様とした。
比較例2:誘導加熱及び熱媒体を用いずに円筒の外側から遠赤外線ヒーターのみでスリーブを加熱した。その他は実施例1と同様とした。
【0076】
表1に示すように、実施例1〜6のいずれも、成形状態が非常に良好であり、ベルト厚みにムラがなく、均一な厚みのベルトを容易に製造することができた。一方、比較例1は成膜したベルトを円筒から取り外すことができなかった。比較例2は円筒上の温度ムラにより溶融部分と未溶融部分ができ、成膜することができず、ベルト状成形体を得ることができなかった。
【0077】
また、実施例1と比較例1についてベルト両端で周方向に20mmおきに25点ずつ、合計50点で測定厚みゲージにより厚みを測定した。実施例1は平均251μm、最大265μm、最小235μm、標準偏差8μmと良好であった。比較例1は平均253μm、最大350μm、最小150μmで非常にバラツキが大きかった。
【0078】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明の製造方法によれば、従来のように円筒上に直接ベルト状成形体を成形して、そのまま残存させておくのではなく、スリーブ上に成形してスリーブと一体的にベルト状成形体を取り外しているため、冷却時の収縮による割れを防止することができる。よって、均一な厚みのシームレスなベルトを容易に得ることができる。円筒形状としての精度が良いため、駆動時に歪みの少ないベルトを得ることができる。
【0079】
円筒の中空部内に誘導加熱用コイルを挿入して周壁内に熱媒体を循環させて、誘導加熱により円筒を加熱しているため、該円筒に外嵌されたスリーブの外周面も温度ムラなく加熱することができる。よって原料粉末の溶融時に溶融部分のムラがなくなり均一な厚みのベルトを得ることができる。
【0080】
さらに、原料粉末を溶融成膜することにより成形しているため、押出成形やインジェクション成形をしたときに起こる樹脂等の材料の分子配向が起こらないので、強度等に異方性のないベルトを得ることができる。さらには、導電剤を配合した時に成形方法による電気抵抗のムラを低減することができ、画像形成装置等に使用される導電性ベルトの成形に特に好適である。
【0081】
また、本発明の製造装置は、誘導加熱により円筒及びスリーブを温度ムラなく加熱することができ、スリーブの着脱も容易であるため、熱可塑性材料からなる原料粉末を溶融成膜してベルトを成形するのに最適である。
【0082】
さらに、本発明の熱可塑性材料からなるベルトは、寸法精度が良く、均一な厚みを有する上に、強度や耐久性にも優れており、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置の各種ベルト(中間転写ベルト、転写ベルト、定着ベルト、搬送ベルト、現像ベルト、感光体基体用ベルトを含む導電性ベルト等)として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱可塑性材料からなるベルトの製造装置の平面図である。
【図2】 本発明の熱可塑性材料からなるベルトの製造装置の正面図である。
【図3】 円筒とスリーブの構成を示す図である。
【図4】 フィーダーと加熱室との関係を示す図である。
【図5】 (A)はフィーダーの平面図、(B)はフィーダーの正面図、(C)は図5(B)のA−A線断面図、(D)は図5(B)のB−B線断面図、(E)は図5(B)のC−C線断面図、(F)は図5(B)のD−D線断面図である。
【図6】 スリーブ外嵌時の円筒のエアー吹出口とスリーブの関係を示す図である。
【図7】 誘導加熱時の加熱室内の状況を説明する図である。
【図8】 (A)は原料粉末の溶融成膜の説明図、(B)(C)はベルト状成形体の成形及び取り外し状況の説明図である。
【符号の説明】
A 空気層
B ベルト状成形体
G 原料粉末
10 製造装置
11 駆動軸
12 円筒
12a 外周面
12A 閉鎖壁
12B 開口
12C 周壁
13 スリーブ
13a 内周面
13b 外周面
14 フィーダー
14a 振動台
14b 原料吐出口
14c ゲート
15 誘導加熱用コイル
16 加熱室
17 可動台
18 可動フタ
19 エアー吹出口
20 圧縮空気導入部
20a エアー導入口
21 スロープ部
24 ブレード
25 遠赤外線ヒーター

Claims (5)

  1. 金属製の円筒の外周面に金属製のスリーブを外嵌し、
    上記円筒の中空部に誘導加熱用コイルを挿入して内側から上記スリーブを加熱すると共に、該円筒の周壁内部に熱媒体を循環させて、該円筒に外嵌する上記スリーブを温度ムラなく加熱し、
    上記スリーブの外周面が熱可塑性材料からなる原料粉末の融点以上の温度に加熱された状態で上記円筒を回転させ、
    共回転する上記スリーブの外周面上に上記原料粉末を均一に振りかけて所定時間回転させることで上記原料粉末を溶融して均一な厚みの溶融フィルムを上記スリーブの外周面に成膜し、
    上記成膜後に上記原料粉末の融点以下まで冷却し、上記溶融フィルムを固化してベルト状成形体とし、
    上記ベルト状成形体を上記スリーブと共に上記円筒から取り外した後、上記ベルト状成形体を上記スリーブから取り外してベルトを得ており、該円筒に対する上記スリーブの着脱時に円筒とスリーブとの界面に圧縮空気を吹き込むと共に、該スリーブと上記ベルト状成形体との熱膨張係数の差により上記スリーブから上記ベルト状成形体を抜き取っているいることを特徴とする熱可塑性材料からなるベルトの製造方法。
  2. 軸線方向を水平として配置されると共に回転手段により回転される金属製の円筒と、
    上記円筒の内部に挿入される誘導加熱用コイルと、
    上記円筒の外周面に着脱自在に外嵌される金属製のスリーブと、
    上記スリーブの外周面に対して上方から熱可塑性材料からなる原料粉末を振りかけるフィーダーを備えていることを特徴とする熱可塑性材料からなるベルトの製造装置。
  3. 上記円筒の一端は閉鎖壁として伝動軸を介して上記回転手段の駆動軸に連結する一方、該円筒の他端は上記誘導加熱用コイルの挿脱用の開口とし、
    上記誘導加熱用コイルを走行手段上に搭載して、上記円筒の上記開口を通して中空部内に挿脱自在とし、上記スリーブの加熱時には上記円筒の中空部に挿入保持すると共に冷却時には上記円筒より引き出す構成とし、
    上記円筒の上記開口側先端に圧縮空気導入部を設けると共に、導入された圧縮空気を外周面より引き出す小穴を上記円筒の周壁の先端側外面に形成し、該円筒に対して上記スリーブの着脱時に上記円筒と上記スリーブとの界面に圧縮空気を吹き出させる構成とし、
    上記フィーダーは振動台を備えた加振式の振動フィーダーとし、上記原料粉末を吐出する原料吐出口の位置及び原料粉末供給量の調整手段を備え、かつ
    上記スリーブはニッケル電鋳材からなり、厚みは40μm〜150μmとしている請求項2に記載の熱可塑性材料からなるベルトの製造装置。
  4. 上記円筒は加熱室内に配置すると共に、該円筒の周壁には熱媒体循環路を設け、かつ、
    上記誘導加熱用コイルは上記円筒の中空部の全長に収容される大きさとすると共に、該誘導加熱用コイルの後端側に上記加熱室の開閉カバーを連結し、該誘導加熱用コイルを上記円筒の中空部に挿入した時に上記加熱室が閉鎖される構成としている請求項3に記載の熱可塑性材料からなるベルトの製造装置。
  5. 請求項1に記載の方法により製造されてなり、上記原料粉末として、MI(メルトフローインデックス)が10g/10min(230℃)以上であり、曲げ弾性率が1300MPa以下であり、粒径が80μm〜400μmである熱可塑性材料を用いて形成され、画像形成装置に使用されることを特徴とする熱可塑性材料からなるベルト
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