JP2005049714A - トナー供給ローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー供給ローラの外周面に略V字状の溝を設けて、トナーの搬送機能および掻き取り機能を両立し、該掻き取り時に溝に入り込んたトナーの排出性を向上させて、該トナーの詰まりに起因する各種弊害を回避するトナー供給ローラを提供する。
【解決手段】各種エラストマを材質とし、外周面16aに溝20を備える筒状弾性体16と、該弾性体16の所要位置に挿通される所要長の芯材12とからなるトナー供給ローラにおいて、円弧状の周面に所要の深さおよびパターンの切込を形成した扇状体を、該扇状体の半径部分をなす2つの開放端面14b,14bを接合することで前記筒状弾性体16とし,これに伴って前記切込が開いて、前記外周面16aに略V字状の溝20を形成するようにした。
【選択図】図1

Description

この発明はトナー供給ローラに関し、更に詳細には、複写装置、画像記録装置、プリンタまたはファクシミリ等の画像形成装置の現像装置をなす感光体の如き像担持体表面に、所要のトナー像を形成する際に使用されるトナー供給ローラに関するものである。
一般に複写装置、画像記録装置、プリンタまたはファクシミリ等の画像形成装置は、電子写真感光体や静電記録誘電体等の像担持体上に形成した静電潜像を、現像装置の現像ローラから供給される現像剤としてのトナーにより現像、すなわちトナー像として可視化することが行われている。このような現像装置には、前記トナーを収容するカートリッジと、該トナーを現像ローラに適量供給するトナー供給ローラとが備えられている。
図12に、従来技術に係る電子写真方式による画像形成装置100の一例を概略図で示す。前記画像形成装置100は、トナー供給ローラ10およびカートリッジ10aを備える現像装置102と、静電潜像を保持した画像形成体104との間に現像ローラ106がその外周面を該画像形成体104の表面に近接させた状態で配設され、かつ該画像形成体104に紙等の記録媒体108を介して、転写ローラ110を当接させるように構成されている。そして前記トナー供給ローラ10、現像ローラ106および画像形成体104を回転させることにより、トナーがトナー供給ローラ10により現像ローラ106の表面に供給され、層規制ブレード106aによって均一な薄層に整えられたのち、画像形成体104上の潜像に付着し、該潜像が可視化されるようになっている。また、符号111はクリーニングローラを、符号112は帯電ローラを夫々示している。
一般に前記トナー供給ローラ10等の、所謂トナー搬送をなすローラは、トナー搬送機能とトナー掻き取り機能との両機能が要求される。このような機能が要求されるトナー供給ローラ10は、表面にセルを多数有する発泡体構造とすることで、トナー搬送機能を向上させると共に、該トナー供給ローラ10と現像ローラ106との当接力を高めることで、トナー掻き取り機能を向上させていた。このようなトナー供給ローラ10の好適な例として、下記の[特許文献1]に示す、ポリウレタンフォームまたはシリコーンフォームからなる軟質の弾性ローラが挙げられる。
特開平3−155575号公報
しかしながら、近年更なる高画質化を図るために、電子写真方式の画像形成装置100に用いられるトナーは、その粒径が10μm程度の非常に微小な大きさに設定されるようになっており、またトナーカートリッジ1台当たりの印刷可能枚数も多く設定されるようになっている。その結果、これまでのトナーに比較して、殊に前述した掻き取りが困難になる問題が生じている。トナー掻き取り機能が不足すると、現象領域から回帰してくる現像ローラ106上の未現像トナーを、該現像ローラ106から充分に掻き取りできなくなるため、前記カートリッジ10a内のトナーとの間で充分な攪拌が期待できなくなってしまう。その結果、前記現象ローラ106上には粒径の細かいトナーが選択的に堆積し、その上に供給されるトナーに充分な帯電量を付与できなくなってしまう。このような状況下において100%濃度画像を印刷すると、例えば先端が濃く、終端が薄くなるといった、印刷部先端付近の印刷濃度と終端付近の印刷濃度とに差違が生じてしまう。
また前記トナーは、前記トナー供給ローラ10の使用によって前記カートリッジ内で機械的に攪拌された状態となるが、この攪拌や、該トナー供給ローラ10と現像ローラ106との間の摺擦により、該トナーには多大な機械的ストレスが掛かってしまう。この他に、使用する部材や放電生成物による化学的汚染も、前述した機械的ストレスと複合して起きている。これら現象により、前記トナーに適度な流動性や摩擦帯電性を与えている外添剤のトナー粒子内部への埋没や脱落による劣化や、トナーが更に微粉化する問題もある。なお前記トナーの劣化は、前記現像ローラ106からカートリッジ10aへの、所謂トナー回収時に生じ易いことが経験的に分かっている。
前記トナーが劣化すると、該トナーに対して適切かつ均一な摩擦帯電量が与えられなくなり、印刷される画像が劣化する。そして更に劣化が進むと、トナーの流動性が低下して、前記現像ローラ106の表面や層規制ブレード106aに固着したり、トナー供給ローラ10内に侵入して固着することになる。これらの現象が発生すると、一旦固着したトナーは、次々に接触あるいは侵入してくるトナーを捕捉し、凝集・固着トナー塊が成長していき、すじ状の画像となって印刷品質を著しく劣化させることとなる。
一方、前記トナー搬送機能は、前記トナー供給ローラ10から現像ローラ106へ移行する物理的なトナー量によって評価され、トナーの流動性が高い場合には、該トナー供給ローラ10の表面近傍に存在する凹部構造の容積の和が大きいほど、多くのトナー供給をなし得る。そしてこの量が多過ぎる場合には廃トナーの増加やトナー漏れを起こし易くなり、少な過ぎる場合には画像濃度が低くなることが知られている。そして前記トナー供給ローラ10の近接領域におけるトナー供給量の均一性が高い程、すなわち該トナー供給ローラ10の微小範囲においてトナーが均一に付与されている程、画像(殊にハーフトーン画像)は濃度が全領域に亘って良好なものとなる。しかし前述のトナーの劣化に伴って流動性が低下した場合、あまり微小な凹部構造内から前記現像ローラ106への移動が困難となる。すなわちトナー搬送機能が低下することになる。
そして前記トナー搬送機能を向上させる発泡体構造においては、その表面に開口しているセルに必然的に前記トナーが入り込んでしまう。そしてこのように前記セルに入り込んだトナーは、一般に前記トナー供給ローラ10が現像ローラ106に当接した際の変形や、この変形復元によって該セル内部から押し出されている。しかし実際には、前記セルに入り込んだ多くのトナーは押し出されず、更に前記トナー供給ローラ10の回転進行により、既に入り込んだトナーの上から新たなトナーが更に入り込む事態となってしまう。このようにして前記セルに対するトナーの捕捉が繰り返され、捕捉された該トナーは次第に発泡体内部へと入り込むこととなる。その結果、捕捉されたトナーが発泡体内部に堆積し、凝集・固化してしまうこととなる。このような状態となったトナーは、もはや現像剤として機能しないばかりか、入り込んだトナー供給ローラ10の表面硬度を高くしてしまう。
このような経緯を経て、前記トナー供給ローラ10の表面硬度が高くなった場合、該トナー供給ローラ10と現像ローラ106との間の摺擦の度合いは更に強くなる。このためトナー供給時に掛かる機械的ストレスは、前記トナー供給ローラ10の使用時間に伴って高いものになり、その結果、該トナーの劣化が進むことになる。そして劣化の進んだトナーは、前述の如く、微粉化が進んでいるため、前記セル内により入り込み易く、更に前記トナー供給ローラ10の表面硬度を高くする、といった悪循環が成立する。この悪循環はトナー搬送機能の著しい低下を引き起こし、前記現像ローラ106に対する所定量のトナー供給が不可能とされてしまう。この外、前記トナー供給ローラ10と現像ローラ106との過大な摺擦力により前記トナーの融着が発生する場合もあり、このトナーの融着により該トナー供給ローラ10および/または現像ローラ106にトナー融着カスが付着して、得られる画像が不鮮明となったり、該トナー供給ローラ10の作動が不良となることも考えられる。更にこれらの問題は、前述のトナー粒径の微細化により、更に悪化するものである。
ところで前記トナーの劣化は、摺擦時の機械的ストレスを下げれば抑制されるものであるため、前記トナー供給ローラ10を構成する発泡体を硬度の低い軟質ポリウレタンフォーム等とすることで対応が可能である。しかし前記トナー供給ローラ10の硬度を低下させると、トナー掻き取り機能が低下してしまう。またポリウレタンフォ一ム等の低硬度化を、発泡倍率の増大により達成すると、前記トナー供給ローラ10を構成する発泡体のセル径が大きくなり、トナー搬送機能、殊にトナー搬送の均一性が悪化してしまう、という別の問題が生じ、増大した印刷枚数に対応し得るトナーの掻き取り機能およびトナー搬送機能の維持が困難となってしまう。すなわち、トナー供給ローラ10に要求される各機能をバランスよく充足することは極めて困難である。
この他、前記トナー供給ローラ10の表面硬度の変化による様々な問題を解決する方法として、前記セルがセル膜で閉じられた、所謂独立気泡性の高い発泡体の使用が考えられる。しかしこの場合、前記トナー供給ローラ10の柔軟性が低下して硬くなるため、該トナー供給ローラ10と現像ローラ106とが押圧的に接触する際に充分なニップ幅が確保されなくなり、その結果、前述のトナー搬送機能が充分でなくなる問題が指摘される。
更に、図13に示す如く、トナー供給ローラ120の外周面122に軸方向に沿って複数の切込み124を設けることで、前述したトナー搬送機能とトナー掻き取り機能との両機能を安定的に発現し得るローラも案出されている([特許文献2]参照)。前記トナー供給ローラ120を図12に係る画像形成装置100に組み込んだ場合、そのトナー掻き取り機能は、図14に示す如く、該トナー供給ローラ120が現像ローラ106に押圧された際に前記切込み124の側面126が、所謂「エッジ」として作用することで好適なものとなる(図14(a)参照)。
特開2002−196579号公報
このような構造であると、前述のトナー掻き取り機能は向上する一方で、使用されているトナーまたは機械的ストレスによって劣化した微細なトナーが前記切込み124の中に入り込む。更に前記切込み124は前記トナー供給ローラ120が現像ローラ106に押圧されることでしか開いた状態とならないため、一旦入り込んだトナーは該切込み124の内部から外に排出されることが殆どなくなってしまう(図14(b)参照)。その結果、前記切込み124を有するトナー供給ローラ120の表面硬度は使用に伴って高くなるため、該ローラ120の表面に開口しているセル内に入り込んでいるトナーの排出がより困難となり、更にその表面硬度が高くなる、といった前述と同様の悪循環が発生する。この場合、前記トナー供給ローラ120をなす発泡体のセルは埋まってしまい、その結果、トナー搬送機能の著しい悪化が問題となる。
この他、外周面にローラの軸方向に延びるように設けられた、20〜3000μmの高さと、300〜3000μmのピッチを有する凸条によって、凹凸表面構造が設けられた軟質ポリウレタンフォーム層を有するトナー供給ローラも案出されている([特許文献3]参照)。この発明に係るローラは、凸構造を有する側面が、[特許文献2]のエッジとして作用すると共に、凹部の空間でトナーが流動して掻き取ったトナーと新しいトナーの撹拌が行われ、かつトナー搬送機能が維持される優れた特性を持つ。
特開平11−38749号公報
しかしこのような構造を有するローラはモールド成形で製造されるため、ウレタンフォームの硬度を一定値以下に小さくすることが困難である。このため前述のトナー搬送機能とトナー掻き取り機能を併有する一方で、低硬度を達成できないために発現する高い当接圧により、トナー劣化の抑制が困難となってしまう問題がある。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本発明に係るトナー供給ローラは、各種エラストマを材質とし、外周面に溝を備える筒状弾性体と、該筒状弾性体の所要位置に挿通される所要長の芯材とからなるトナー供給ローラにおいて、
円弧状の周面に所要の深さおよびパターンの切込を形成した扇状体を、該扇状体の半径部分をなす2つの開放端面を接合することで前記筒状弾性体を構成しており、
前記扇状体を筒状弾性体へ変形させるに伴って前記切込が開いて、前記外周面に略V字状の溝が形成されていることを特徴とする。
以上に説明した如く、本発明に係るトナー供給ローラによれば、トナー供給ローラの外周面に略V字状の溝を設けることで、トナー搬送機能およびトナー掻き取り機能を両立すると共に、該トナーの掻き取り時に溝に入り込んでしまうトナーの排出性を向上させて、該トナーの詰まりに起因する各種弊害を効率的に回避し得る。
次に本発明に係るトナー供給ローラにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら製造方法の流れに従って以下説明する。なお、図12を参照して説明した従来技術で既出の同一部材については、同じ符号を付して示し、その詳細説明は省略する。そして本発明に係るトナー供給ローラは、従来技術と同じく現像ローラに当接して回転するように使用されるものとする。
実施例に係るトナー供給ローラ10は、図1に示す如く、所要の芯材12と、この芯材12と同軸的に形成された各種エラストマからなる筒状弾性体16とから構成される。そして前記筒状弾性体16の外周面16aには、複数の略V字状の溝20が等間隔に設けられている。また硬化した各種エラストマの筒状弾性体16は、後述する如く、メカニカルフロス法による発泡体であっても、また化学的発泡法による発泡体であってもよい。そして前記筒状弾性体16をなす発泡体は、その表面にセルが開口していれば、連通気泡構造であっても独立気泡構造の何れであってもよい。前記芯材12の材質としては、引張強度等の一定以上の機械的強度を有する素材で有れば如何なるものでも採用可能であり、例えばアラミド繊維を芯材として、その周囲をABSの如き樹脂で囲繞したものや、この他鉄系金属等も採用可能である。前記筒状弾性体16の材質としては、ウレタン系発泡体またはシリコーン系発泡体等のエラストマが使用される。なお、本発明において扇形状とは、図2に示すように円弧に臨む角度(以下、円弧角度と云う)が180°を越えるようなもの(図2(a)参照)を含む数学的な扇形状を含むと共に、ドーナツ形状の一部を切り取るようにして形成される、所謂C字形状(図2(b)参照)のものも含むものと定義する。また扇状体14(後述[0019])の断面形状における円弧を延長することで形成される円の中心を、該扇状体14の中心と定義する。
前記筒状弾性体16は、後述([0024])する製造工程において、先ず所要角度(本実施例においては270°)の扇状体14として製造される。ここで扇状体とは、その断面形状が扇形状となっている棒状体を指す。そして前記扇状体14の円弧状の周面14aには、所要の深さおよびパターンの切込18が複数設けられている(図9参照)。そして、前記扇状体14における2つの開放端面14b,14bを接合することで、断面形状がドーナツ状となる筒状弾性体16が形成される。この際、前記周面14aに設けられた複数の切込18は、図3に示す如く、前記扇状体14から筒状弾性体16への変形に伴った該周面14aの引き延しのため、該切込18の形成時には接触状態にある対向した2つの切込面18a,18aが離間して開いた形状となる。すなわち前記切込18は、前記筒状弾性体16においては外周面16a側がより開いた略V字状の溝20となる。
このように形成される略V字状の溝20は、前記切込面18aが、所謂エッジとして作用するため良好なトナー掻き取り機能を発現する。その一方で前記溝20は、前記切込面18a,18aが離間することで画成される一定の内部空間18bを備える構造となっているため、前述の掻き取りにより掻き取られたトナーは該内部空間18bに一時的に保持され、前記筒状弾性体16の回転運動等により容易に該内部空間18b外に排出されることになる。すなわち前記内部空間18b内に補足され続けることがないため、前記トナーの凝集・固化に伴って前記トナー供給ローラ10の表面硬度が高くなる事態を回避し得る。
前記内部空間18bについては、前記トナーの充分な排出をなし得る程度に設定する必要があるが、この設定は基本的に、前記周面14aに対する切込18の数と、前記円弧角度との双方によって決定される。そして前記溝20は、前記切込18が開かれることによって形成されるため、前記内部空間18bは前記2つの開放端面14b,14bの離間の具合、すなわち前記円弧角度が小さいほど、該切込18の数が少ないほど大きなものとなる。本実施例において前記円弧角度は270°に設定されているが、これはこれより小さい値であると前記筒状弾性体16が形成された際その外周面16aが無理矢理引き延ばされた形となって、耐久性等に悪影響を及ぼす畏れがあるためであり、通常においては300°程度の設定で充分な内部空間18bの画成が可能である。なお耐久性については、前記筒状弾性体16をなす原料の種類および配合を変化させることによる引張強度の向上によっても回避は可能である。
また前記溝20については、その深さをトナー供給ローラ10における長手方向の両端部近傍と、中央部近傍とで異なるようにすることも可能である。この場合、前記現像ローラ106と直接的に当接する部分と、それ以外の部分とで当接力や摺擦性を変化させることが可能となるため、使用されるシステム等に合致したトナー供給ローラ10の設計が可能となる。
2つの前記開放端面14b,14bを接合するに際しても、この接合部分が前記溝20を形成するようにされている。すなわち前記開放端面14b,14bの周面14aから前記溝20の深さ分だけを接合しない、言い換えると前記扇状体14における中心側の該溝20の深さ以外の部分を接合させることで、該溝20を形成するようになっている(図3参照)。前記開放端面14b,14bの接合については、その全面に亘って実施することも可能であるが、該開放端面14b,14bの接合位置にズレがある場合、図4に示す如く、このズレにより何れか一方の該開放端面14bの一部が予定されるべき外周面16aから突出してしまう畏れがある。このような突出がある場合、従来技術で述べたトナー供給ローラ10と現像ローラ106との摺擦が発生し、その結果、トナー劣化により該トナー供給ローラ10の表面硬度が高くなってしまう。
前記溝20については、その深さが前記外周面16aから0.5〜5mmの寸法に設定されている。この深さが0.5mm未満であると、トナーの効率的な掻き取りをなす前記切込面18aが充分に形成されなくなり、その結果、充分なトナー掻き取り機能が得られなくなってしまう。また5mmを越えると、前記現像ローラ等に対する押圧力が低下して、充分なトナー掻き取り機能が得られなくなってしまう。また前記外周面16aにおけるパターンは、本実施例においては前記筒状弾性体16の軸線方向に沿うよう設定される。しかし殊にこの形状に限定されるものではなく、例えば前記筒状弾性体16に対してスパイラル状に設定することも可能である。
(製造方法の一例)
以下に本実施例に係るトナー供給ローラを製造する方法を、その製造装置の一例と共に以下説明する。前記トナー供給ローラ10は、図5に示す如く、チューブ状外被形成工程S1、エラストマ充填工程S2、加熱工程S3、切込形成工程S4、引張り工程S5、切断工程S6、筒状弾性体形成工程S7、芯材挿入工程S8および最終工程S9から基本的に構成される。そして本実施例に係るトナー供給ローラ10は、図6〜図10に示される製造装置35および図11に示す付属機構Gよって好適に製造される。ここで図6は前記製造装置35の全体的な構成を示す概略図である。図6において、符号Aは熱可塑性樹脂およびエラストマの供給機構、符号Bはエラストマの加熱領域、符号Cは扇状体の周面に切込を形成する切込形成機構、符号Dは扇状体の引張り機構、符号Eはチューブ状外被の巻取り機構、符号Fは扇状体の定尺切断機構を示している。また図7は、図6の熱可塑性樹脂およびエラストマの供給機構Aを示し、図8は、図6のエラストマの加熱領域Bを示し、図9は、図6の切込形成機構Cを示し、図10は、図6の扇状体の引張り機構Dおよびチューブ状外被の巻取り機構Eを示している。なお本製造方法においては、前記エラストマとして熱硬化性樹脂が採用されている。
(チューブ状外被形成工程S1およびエラストマ充填工程S2をなす樹脂供給機構Aについて)
前記チューブ状外被形成工程S1およびエラストマ充填工程S2は、 図6の全体略図において上流側に位置する樹脂供給機構Aでなされる。具体的には、熱可塑性樹脂30が扇形状のチューブ状外被32として連続成形されると共に、このチューブ状外被32内に流動状態にあるエラストマ(発泡性の樹脂)34が充填供給される工程である。図7は、熱可塑性樹脂30を供給して扇形状のチューブ状外被32に成形すると共に、流動状態にあるエラストマ34を該チューブ状外被32の内部に供給する樹脂供給機構Aの概略断面図である。すなわち樹脂供給機構Aは、可塑化された熱可塑性樹脂30を扇形状のチューブ状外被32として連続押出しするクロスヘッドダイ36と、筒状のチューブ状外被32の外部輪郭形状を規制しつつ該チューブ状外被32を冷却固化させるサイジングスリーブ38と、前記チューブ状外被32の内部にエラストマ34を充填供給する供給管39とから基本的に構成される。前記熱可塑性樹脂30はペレット等としてホッパ36aに貯留され、電熱ヒータ等が配置されたスクリュー36bを同軸的に備えたシリンダ36cで溶融・可塑化状態とされ、クロスヘッド37を介して連通接続された前記クロスヘッドダイ36に供給される。そして前記クロスヘッドダイ36から水平方向へ最終的に得るべき扇状体の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状を有する扇形状となるよう押出される。前記熱可塑性樹脂30は、扇形状のチューブ状外被32を形成するが、その材質としては適宜の熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン等が好適に使用される。
前記クロスヘッドダイ36の下流側、すなわち図7の右方には、該クロスヘッドダイ36の扇形状となっている開口部から押出された熱可塑性樹脂30を扇形状のチューブ状外被32となすべく収束させて外部輪郭形状を規制し、扇形状に成形されたチューブ状外被32の冷却固化を行なうサイジングスリーブ38が水平に配設されている。そして前記サイジングスリーブ38の中央には、前記熱可塑性樹脂30が押し出される方向に貫通する所要の大きさの扇形孔38a(すなわちスリーブ内面)をなし、冷却水の循環供給や、負圧保持がなされるチャンバーとして機能するジャケット38bが画成されている。このサイジングスリーブ38は、前記扇形孔38aを整列させて複数個(図示例では3基)が配設され、その一列をなす各扇形孔38aの内周面はチューブ状外被32の外部輪郭形状を規制している。ここで第1列目および第3列目の各サイジングスリーブ38のジャケット38bは、図示しない水等の冷却媒体供給部から冷却媒体の循環供給がなされて冷却機能を発現し、中間に位置する第2列目のジャケット38bには、扇形孔38aに連通しかつ図示しない負圧源に接続されている細孔38cが所要間隔で周方向に穿設されて、扇形状をなす熱可塑性樹脂30(冷却固化後はチューブ状外被32となるので、以下、チューブ状外被32と云う)を吸引して該扇形孔38a内面に密着させ得る。
また前記クロスヘッドダイ36内には、流動状態にあるエラストマ34を前記チューブ状外被32の内部に充填供給する供給管39が配設されている。すなわち前記供給管39は、流動状態にあるエラストマ34を貯留した供給タンク39aに一端部が接続されると共に、その他端部を前記クロスヘッドダイ36を貫通して前記チューブ状外被32の内側に臨ませるよう配設されている。そして前記供給管39を介してチューブ状外被32の内部に供給されたエラストマ34は、該チューブ状外被32の内側においてサイジングスリーブ38における扇形孔38aの内周面により規制されつつ、該外被32の押出方向に充満される。そして図6に示す時点では、チューブ状外被32内部に供給されたエラストマ34は未だ流動状態を保持しているので、該エラストマ34を図8に示す加熱領域Bに通過させて、その熱硬化を進行させる。なお、後述の如くエラストマ34は熱硬化させられるので、本明細書では、チューブ状外被32により被覆されたエラストマ34の熱硬化した断面形状が扇形となっている棒状体部分を扇状体14と称する。またエラストマ34は、例えばウレタンを公知のメカニカルフロス法に供して得た樹脂発泡体であるが、先にも述べた如く、化学的発泡法により得た樹脂発泡体であってもよい。
(加熱工程S3をなす加熱領域Bについて)
前記加熱工程S3は、扇形状をなす前記チューブ状外被32内に供給され、未だ流動状態を保持しているエラストマ34を該チューブ状外被32と共に下流側に給送しつつ加熱領域Bにおいて加熱・硬化する工程である。この加熱領域Bにおける加熱手段としては、誘導加熱原理や誘電加熱原理その他輻射加熱原理が各単体で、または適宜の組合わせとして用いられる。図8は、前記扇形状のチューブ状外被32の内側に充填された流動性を有するエラストマ34を加熱硬化させる加熱領域Bを示している。すなわち加熱領域Bは、図6に示すように、前記サイジングスリーブ38の下流側に押し出されたチューブ状外被32がスムーズに導入されるよう水平に配置した加熱装置40から基本的に構成され、この加熱装置40により流動状態にあり、熱硬化性の前記エラストマ34を加熱硬化させ、該エラストマ34を棒状発泡体の扇状体14とするようになっている。前記加熱装置40は、前記チューブ状外被32の内側に充填供給された流動性を有するエラストマ34を、該チューブ状外被32と共に下流側へ給送する途次において加熱硬化させるものであるから、そのような目的に適うものであれば、加熱原理としては、例えば誘導加熱、誘電加熱、輻射加熱等の各種方法が採用可能である。すなわち図8は、一例として、誘導加熱装置42と誘電加熱装置44とをその順序で直列に配設した状態を示す概略断面図であって、個々の装置の詳細は以下に説明される通りである。なお、これら各種の加熱原理による装置は、所要に応じて単独使用としても、複数基の使用としても、また配列順序を逆にするようにしてもよい。
図8において符号46は、加熱硬化後のエラストマ34を引続き熱エネルギーの損失の少ない環境を通過させて、その硬化を更に緩徐に進行させるための養生装置を示している。この養生装置46は、例えば塩化ビニル等を材質とするパイプ46aの外側に充分な断熱被覆46bを施した断熱領域を構成するものである。すなわち、上流側に設けた前記加熱装置42,44を通過して硬化した直後のエラストマ34に関して、該エラストマ34からの急激な熱逃失を養生装置46により防止することで、前記扇状体14における気泡の分散状態を均一かつ安定化させ、これによりトナー供給ローラ10とした際に均質な物性を発現し得ることができる。図示例の養生装置46では、充分な断熱処理を施した構成としたが、このように厳密に施した断熱構造に加えて、所要の電熱ヒータ等の積極加熱手段を設けるようにしてもよい。
(切込形成工程S4をなす切込形成機構Cについて)
前記切込形成工程S4は、前記加熱領域Bを経た扇状体14の周面14aに対して、該扇状体14を被覆したチューブ状外被32を介して所要の深さおよびパターンを有する切込18を形成する工程であり、図9は本工程S4を実施する切込形成機構Cを示す概略斜視図である。すなわち切込形成機構Cは、前記チューブ状外被32と共に下流側へ給送される扇状体14に対して、前記切込18を設ける位置に対応して設置されたカッター等の切開手段48からなり、該切開手段48は制御下(制御装置および可動機構等は図示せず)に前記扇状体14の周面14aに接触、更に該扇状体14の内部にまで至るよう刺通するよう構成され、所要深さを有する切込18を形成し得る。ここで前記扇状体14は、常に下流側に移送されているので、前記切開手段48が周面14aに接触または所要深さ刺通するだけで途次切込18が形成される。また前記切開手段48を、前記扇状体14の移送速度に同調させつつ、周面14aに沿って移動させれば所要のパターンを有する前記切込18を形成することも可能である。なお、製造者やユーザーの希望するところに従い、後述する引張り工程S5以降に実施される各工程S6〜S8の実施後に本工程S4を行なうようにしてもよい。
(引張り工程S5をなす引張り機構Dについて)
前記引張り工程S5は、切込形成機構Cの下流側に設けられた引張り機構Dにより、硬化したエラストマからなる扇状体14を、該扇状体14を被覆するチューブ状外被32と共に引張って下流へ連続的に移送する工程である。本引張り工程S5は、1つの工程として記載されているが、前記製造装置35における各機器の設置位置に対応しただけであり、本本引張り工程S5によりなされる前記扇状体14およびチューブ状外被32の移送は、全工程に対して並行的に実施されている。そして図10は、前記加熱領域Bおよび切込形成機構Cを経た扇状体14と、該扇状体14を被覆したチューブ状外被32を引張って下流側へ移送する引張り機構Dを示す概略斜視図である。すなわち引張り機構Dは、長尺の扇状体14における給送軌跡を挟んで対向する一対のベルトコンベヤ52,52からなり、各ベルトコンベヤ52は、所要間隔だけ長手方向に離間させたプーリ54,54に巻掛けられている。対向し合う両ベルトコンベヤ52,52の間隙寸法は、給送すべき扇状体14の対応部分の断面寸法より僅かに小さい程度に設定され、各コンベヤ52における少なくとも1つのプーリ54を回転駆動することで、該扇状体14を両側から押圧した状態下に下流側へ強制的に引張り移送し得るものである。従って図示例に係る引張り機構Dは、所謂サンドイッチコンベヤを基本としており、この機構Dによって、最上流側に位置する前記樹脂供給機構Aにおけるチューブ状外被32の下流側への給送、加熱領域Bおよび切込形成機構Cにおける扇状体14の下流側への給送が達成されている。
そして引張り工程S5の後段において、前記チューブ状外被32は前記引張り機構Dの下流側に設置された巻取り機構Eにより、前記扇状体14から長手方向に剥ぎ取って巻取られ、中味たる硬化後のエラストマの扇状体14を露出されるようになっている。図10には、前記引張り機構Dの下流側においてチューブ状外被32の巻取りを行なうチューブ状外被の巻取り機構Eが設けられている。この巻取り機構Eは、引張り機構Dにより下流側へ引張り移送される扇状体14から、チューブ状外被32を長手方向に剥ぎ取ってリール等の巻取体56に巻取るもので、これにより前記扇状体14はその周面14aが全面的に露出される。
(切断工程S6をなす定尺切断機構Fについて)
前記切断工程S6は、前記チューブ状外被32が剥ぎ取られて周面14aを露出させた扇状体14を、定尺切断機構Fにおいて所定長に切断する工程である。なお、製造者やユーザーの希望するところに従い、前記チューブ状外被32を剥ぎ取った扇状体14に対し、先に後述([0035])する筒状弾性体形成工程S7および/または芯材挿入工程S8を実施した後に本切断工程S6を行なうようにしてもよい。図6には、前記サンドイッチコンベヤからなる移送装置50の下流側に切断装置60が配設されている。すなわち切断装置60は上下一対のカッタ62,62からなり、両カッタ62,62はオリジナルポジションとなる切断待機位置で相互に大きく離間待機しているが、前記扇状体14が下流側へ給送されるのに同期して、相互に近接しつつ下流側へ所要距離だけ移動して該扇状体14を切断し、次いで相互に離間した後、上流側へ所要距離だけ移動して切断待機位置に復帰する所謂ブロックモーションを行なうようになっている。この切断装置60によって、前記チューブ状外被32が剥ぎ取られ、かつその周面14aに切込18が形成された扇状体14の定尺切断がなされる。
(筒状弾性体形成工程S7および芯材挿入工程S8を実施する付属機構Gについて)
前記筒状弾性体形成工程S7は、前記製造装置35により製造された扇状体14における2つの開放端面14b,14bを所定の接着剤等の使用により接合して略円柱形とすると共に、前記周面14aに形成された切込18を開くことで溝20を形成し、更に略円柱形とされた硬化したエラストマ34の中心軸部分に後述する芯材挿入工程S8で挿入される芯材12の挿入を許容する通孔15を形成した筒状弾性体16を製造する工程である。また前記芯材挿入工程S8は、前記筒状弾性体16の通孔15に最終製品たるトナー供給ローラ10の軸心となる芯材12を挿入する工程である。前記各工程S7およびS8は、前記製造装置35の下流側に位置する付属機構Gによって実施される。
前記付属機構Gは、図11に示す如く、土台となる載置台72と、該載置台72上に前記扇状体14における2つ開放端面14b,14bを効率的に接合し得るよう、例えば該2つの開放端面14b,14bにより画成されている略V字状の開口部が下方を指向するように載置し、該扇状体14をその両側方向から押圧することで該2つの開放端面14b,14bを接合する押圧装置74と、この接合により得られた略円柱形となっている硬化したエラストマ34の中心軸部分に前記芯材12の挿通を許容し得る通孔15を穿設する図示しない穿設部材と、穿設された該通孔15に対して中心軸線を整列させつつ芯材12を挿入する図示しない芯材供給装置とからなる。そして前記2つの開放端面14b,14bの接合に当たっては、該開放端面14bにおいて接合させずに前記溝20をなす部分以外には接着剤等の付与がなされる。この2つの開放端面14b,14bの接合については、殊に接着剤の使用に限定されず、該2つ開放端面14b,14bの接合を確実になし得る、例えば熱溶着等の方法でも採用可能である。また前記芯材12についても、前記通孔15への挿入に先立ち該芯材12の外周面に対して、接着を強固になし得るための接着剤が塗布されるようになっている。そして前記扇状体14は、前記2つの開放端面14b,14bの接合(図11(a)参照)および通孔15(図11(b)参照)の穿設により筒状弾性体16とされ、更に芯材12の挿入することでトナー供給ローラ10が完成する。
ここまでの各工程S1〜S8を経ることで得られるトナー供給ローラ10は、最終的に表面形状を整える研磨加工および検査を行なう最終工程S9が実施されることで最終製品とされる。
本実施例においては、前記通孔15を備えない扇状体14を連続的に製造する方法を説明しているが、前記チューブ状外被32の内部に前記エラストマ34と共に、該チューブ状外被32の扇形状をなす断面形状と略一致した断面形状を有する心出し部材を着脱自在に外挿したダミーシャフトを、前記筒状弾性体16の中心軸線となるべき位置に整列させて供給し、前記筒状弾性体形成工程S7において該ダミーシャフトを抜脱することで通孔15を形成する方法も採用可能である。また本実施例においては、前記トナー供給ローラ10を略連続的に製造し得る1つの製造方法を挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば得るべき筒状弾性体16とし得る扇状体14の外部輪郭形状と合致する内部輪郭形状を有する成形型を使用することにより、該扇状体14をバッチ式で製造する方法等も採用可能である。
この他、本発明に係るトナー供給ローラは、各種エラストマを主原料として形成される発泡体であるため、例えば原料たる該エラストマ中に予め導電性物質を混合するようにすれば、導電性を付加した付加価値型のトナー供給ローラを製造し得る。このように、エラストマ内に均質に分散し得る第3成分による機能化は容易である。また、製造されたトナー供給ローラの表面に別途液状の導電性物質を付与すること等の従来公知の技術の採用によっても、導電性の付加は容易である。
(実験例)
次に溝が形成された本発明に係るトナー供給ローラおよび溝がないトナー供給ローラを夫々、図12に示す画像形成装置100に組み込み、設定印刷枚数の間要求される画像品質が実現されるような、トナー劣化の抑制、トナー搬送機能およびトナー掻き取り機能を目視で観察した。これらの評価には耐久印刷パターンを所定枚数印刷する毎に評価画像を印刷し、その画像品質の変化を比較観察することで行なう。なお、印刷に現れた画像から各要求特性を独立して評価することは困難であるが、本実験例においてはトナー供給ローラのパラメータを系統的に変化させて得られる画像の挙動から評価するようにしている。
(トナー供給ローラの製造について)
本実験例で使用した実施例および各比較例に係るトナー供給ローラは、以下に記載の方法により夫々4本製造した。
・実施例:その円弧角度が270°となる扇状体(半径7mm)を製造し得る注入成形用型に、熱硬化性ポリウレタンフォーム配合原料を注入し、汎用の加熱炉にて温度120℃、時間30分の条件で加熱を実施し、更に温度120℃、時間30分の条件で二次キュアを実施して扇状体を製造した。そして前記扇状体の全長に亘り、軸方向に平行に深さ1.5mmの切込を、該扇状体の周面に15°刻みで18本形成した。そして90°の角度で開いた状態となっている2つの開放端面同士を、扇状体製造に使用した配合物を接着剤として接合させた。そしてその中心軸部分にφ5mmの芯材を挿入し得る通孔を穿設し、φ5mmの芯材を挿入した後、内径φ14mmのアルミニウム製パイプに挿入して温度120℃、時間30分の条件で加熱して一体化させた。
・比較例1:エーテル系ポリウレタンスラブフォーム(密度50kg/m3;セル数50/25.4mm;株式会社イノアックコーポレーション製)の直方体ブロックの略中心部分にφ4mmの芯材を挿入し得る通孔を穿設して所定長さに切断し、該通孔に対してホットメルト接着剤を外周面に塗布した芯材を挿入し、更に該芯材を加熱し冷却して接着した後、切削加工を実施してφ14mmの比較例1に係るローラとした。
・比較例2:比較例1で得たローラの軸心に沿った全長に亘って、芯材に平行であり、深さが2mmの切込み、該切込同士の間隔が1.5mmとなるように形成して、φ14mmの比較例2に係るローラとした。
・比較例3:市販プリンタに使用されている特開平11−38749号公報([特許文献3])開示のローラ(外径φ14mm、凸条高さ500μm、ピッチ1500μm、幅800μm)をそのまま比較例3に係るローラとした。
(評価の具体的方法)
実施例および比較例1〜3に係るトナー供給ローラを、市販プリンタの現像装置に組み付け、トナー濃度が5%となる程度の文字列を10000枚まで出力した。その間、初期(20枚程度印刷後)および1,000枚印刷する毎に100%濃度の黒べた印刷の評価画像と、50%%濃度のハーフトーン画像とを夫々2枚ずつ連続して出力し、マクベス濃度計(商品名 RD−918;サカタインクス製)で画像濃度測定を実施し、その夫々4本製造したローラの平均を算出した。測定した条件等は、(1)100%濃度画像と、50%濃度画像との濃度差、(2)たてすじ(◎:なし、○:僅かにあり、△:ややあり、×:顕著にある)、(3)100%濃度画像の先端20mm位置の画像濃度と、終端から20mm位置の画像濃度との濃度差(夫々の画像濃度含む)、および(4)50%濃度ハーフトーンにおける出力の鮮明度(官能評価)の4つである。なおここで、(1)および(2)はトナー劣化の度合いの評価指標として、(3)はトナー掻き取り機能の評価指標として、(4)はトナー搬送機能の評価指標として夫々使用されている。殊に(4)の官能評価については、前述のマクベス濃度計が平均5mm四方の範囲におけるの画像濃度の平均値として出力するものであり、ハーフトーン等の評価には不適であると考え、○:良好、△:薄い濃度差、所謂もやもやが少しある、△△:薄い濃度差、所謂もやもやがある、△△△:薄い濃度差、所謂もやもやがかなりある、×:濃い濃度差がある、の五段階で評価した。また、表1および表3については、各印刷枚数毎の濃度の中の最大値と最小値との差、すなわち発現された濃度の存在幅を補足的に附記した。
(結果)
画像不良についての結果を、以下の表1〜4に示す。この表から、略V字状の溝を有する本発明に係るトナー供給ローラは、トナー劣化の抑制、トナー搬送機能およびトナー掻き取り機能が何れも従来技術に係るローラよりも良好な結果を示し、夫々が高い水準を達成していることが確認された。
Figure 2005049714
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この発明は、前述した従来技術に内在している課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、トナー供給ローラの外周面に略V字状の溝を設けることで、トナー搬送機能およびトナー掻き取り機能を両立すると共に、該トナーの掻き取り時に溝に入り込んでしまうトナーの排出性を向上させて、該トナーの詰まりに起因する各種弊害を効率的に回避し得るトナー供給ローラを提供することができる。
本発明の好適な実施例に係るトナー供給ローラを示す概略斜視図である。 本発明に係る扇状体の定義を示す概略図である。 扇状体から筒状弾性体への変形に伴った周面の引き延しによる切込からの溝の形成および2つの開放端面の接合による溝の形成を示す状態図である。 2つの開放端面を接合する際に、その接合位置がずれて何れか一方の開放端面が、予定されるべき外周面から突出した状態を示す状態図である。 実施例に係るトナー供給ローラを好適に製造し得る製造工程の一例を示すフローチャート図である。 実施例に係るトナー供給ローラを好適に製造し得る製造装置の全体的な構成を示す概略図である。 熱可塑状態にある熱可塑性樹脂および流動状態にあるエラストマを供給する機構の概略断面図である。 一例として、誘導加熱装置と誘電加熱装置とを直列に配設した状態を示す概略断面図である。 加熱装置を経た扇状体の周面に所要深さおよびパターンの切込を形成する切込形成機構の概略斜視図である。 加熱装置を経た扇状体を引張って下流側へ移送する引張り機構の概略斜視図である。 切断されて所定長さとされた扇状体を、付属機構により筒状弾性体に加工する様子を示す状態図である。 トナー供給ローラを使用する画像形成装置の内部構造を示す概略図である。 従来技術に係るトナー供給ローラの構造を示す概略図である。 図13で示すトナー供給ローラを、図12で示す画像形成装置に組み込んで使用した際の様子を示す状態図である。
符号の説明
12 芯材
14 扇状体
14a 周面
14b 開放端面
16 筒状弾性体
16a 外周面
18 切込
20 溝
34 エラストマ

Claims (6)

  1. 各種エラストマ(34)を材質とし、外周面(16a)に溝(20)を備える筒状弾性体(16)と、該筒状弾性体(16)の所要位置に挿通される所要長の芯材(12)とからなるトナー供給ローラにおいて、
    円弧状の周面(14a)に所要の深さおよびパターンの切込(18)を形成した扇状体(14)を、該扇状体(14)の半径部分をなす2つの開放端面(14b,14b)を接合することで前記筒状弾性体(16)を構成しており、
    前記扇状体(14)を筒状弾性体(16)へ変形させるに伴って前記切込(18)が開いて、前記外周面(16a)に略V字状の溝(20)が形成されている
    ことを特徴とするトナー供給ローラ。
  2. 前記開放端面(14b,14b)の接合は、前記芯材(12)側の所要部分だけに実施することで、前記外周面(16a)側が開かれた略V字状の溝(20)が形成されるようにした請求項1記載のトナー供給ローラ。
  3. 前記溝(20)の深さは、前記外周面(16a)から0.5〜5mmの寸法に設定される請求項1または2記載のトナー供給ローラ。
  4. 前記溝(20)のパターンは、軸線方向に沿うよう設定される請求項1〜3の何れかに記載のトナー供給ローラ。
  5. 前記溝(20)のパターンは、前記筒状弾性体(16)に対してスパライル状に設定される請求項1〜3の何れかに記載のトナー供給ローラ。
  6. 前記扇状体(14)の前記2つの開放端面(14b,14b)の交差または該2つの開放端面(14b,14b)を延出させた際に形成される交差における前記周面(14a)を臨む側の角度は、270°以上、好適には300°以上に設定される請求項1〜4の何れかに記載のトナー供給ローラ。
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