JP2002296896A - トナー供給ロールの製法およびそれにより得られたトナー供給ロール - Google Patents

トナー供給ロールの製法およびそれにより得られたトナー供給ロール

Info

Publication number
JP2002296896A
JP2002296896A JP2001100552A JP2001100552A JP2002296896A JP 2002296896 A JP2002296896 A JP 2002296896A JP 2001100552 A JP2001100552 A JP 2001100552A JP 2001100552 A JP2001100552 A JP 2001100552A JP 2002296896 A JP2002296896 A JP 2002296896A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
toner supply
heat
supply roll
toner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001100552A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3738700B2 (ja
Inventor
Akitoshi Nozawa
明敏 野沢
Yoshihiro Takeyama
可大 竹山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2001100552A priority Critical patent/JP3738700B2/ja
Publication of JP2002296896A publication Critical patent/JP2002296896A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3738700B2 publication Critical patent/JP3738700B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】トナーの掻き取りおよび供給性能に優れたトナ
ー供給ロールを、容易にかつ効率よく製造することがで
きるトナー供給ロールの製法およびそれにより得られた
トナー供給ロールを提供する。 【解決手段】断熱性基板7上に複数の熱線6を軸方向を
揃えて一定ピッチで並べて固定した治具Aを準備し、こ
の治具A上に、表面弾性体層付きロール基体5を、上記
熱線6と軸方向を揃えた状態で転動させ、上記ロール基
体5表面の弾性体層51に上記熱線6の熱により一定ピ
ッチで複数の溶融凹溝を形成することによってトナー供
給ロールを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機,プリンタ
ー,ファクシミリ等の画像形成装置の現像装置に用いら
れるトナー供給ロールの製法およびそれにより得られた
トナー供給ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機,プリンター,ファクシ
ミリ等の画像形成装置では、感光ドラム24(図6参
照)の表面に原稿像を静電潜像として形成し、この静電
潜像にトナー13(図6参照)を付着させてトナー像を
形成し、このトナー像を複写紙上に転写定着することに
より、複写を行っている。この場合におけるトナー像の
形成は、図6に示すように、トナー供給ロール11がト
ナーボックス12から現像ロール17にトナー13を供
給し、このトナー13を上記静電潜像に付着させること
により行われている。なお、この現像ロール17上に形
成されるトナー層の厚みは層形成ブレード18により規
制されるようになっている。そして、現像ロール17の
表面に余ったトナーは、トナー供給ロール11により掻
き取られ、トナーボックス12に戻されたのち、トナー
ボックス内のアジテータ(攪拌機)14により攪拌され
るようになっている。なお、上記トナー供給ロール1
1,現像ロール17,トナーボックス12,およびアジ
テータ14は、トナーカートリッジ10を構成してい
る。
【0003】このような構造の画像形成装置に内蔵され
ているトナー供給ロール11は、通常、芯金(軸体)1
5の外周面にウレタンフォーム(スポンジ)層16を形
成してなるものが用いられている。しかしながら、最近
では、粉砕トナーに比べて粒子が均一で転写効率の高い
重合法で製造された重合トナーが使用されるようになっ
てきており、この重合トナーは、現像ロール17表面に
最密充填的に付着することから、特に、その掻き取り性
が悪くなり、残存トナーに起因するゴースト画像を生じ
る等の問題を生じやすい。そこで、上記掻き取り性等を
向上させる目的で、上記芯金15外周のウレタンフォー
ム層16外周面に、軸方向に延びた複数の条溝が周方向
に一定のピッチで形成されているものが提案され、好適
に用いられている。すなわち、上記複数の条溝によっ
て、トナーの掻き取りおよび供給が安定して行われるよ
うになるためである。
【0004】このようなトナー供給ロールの製法として
は、例えば、予め芯金の周りに必要以上の厚みでウレタ
ンフォームからなる層を形成したものを作製しておき、
この層の全体を熱線によって溶融しながら、ロール外周
面が所定の凹凸条溝となるよう切り抜くことによりロー
ルを作製する方法(特開平5−61350号)が提案さ
れている。また、他の製法として、ロール成形用金型の
内周面に所定の溝形状を設けておき、この金型内に芯金
をセットし、上記芯金と金型内周面との間の空隙におい
てウレタンフォーム成形を行い、金型内周面の溝形状を
転写させたウレタンフォーム層を芯金外周面に形成する
方法(特開平11−38749号)を、本出願人は既に
提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱線で
切り抜く上記方法では、ロール外径の加工精度を保持し
難く、加工に手間がかかるといった問題がある。また、
この方法では、ロール外周面の全面が、熱線による溶融
で切り抜かれるため、ロール表面の空隙度〔空隙度は、
ウレタンフォーム層内に存在する個々のセル(気泡)の
うち、ロール表面に対し開口するセルの存在率に依存す
る〕が低下し、その結果、トナーの掻き取りおよび供給
性能が低下するため、場合によっては画像不具合が発生
するという問題がある。さらに、ロール表面には、加熱
溶融によって生じた分解生成物も残るため、この溶融面
にトナーが付着し、長期使用時に正常なトナー帯電性能
が得られなくなるといった問題も生じる。
【0006】また、内周面に所定の溝形状を設けたロー
ル成形用金型を用いる前記他の方法では、得られるロー
ルには特に問題はみられないのであるが、上記金型の製
作に、通常、1ヶ月以上の期間を要するため、ロール外
径の微調整が必要な際に迅速に対応できない。しかも、
上記金型の製作にはコストがかかるという問題がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、トナーの掻き取りおよび供給性能に優れたトナ
ー供給ロールを、容易にかつ効率よく製造することがで
きるトナー供給ロールの製法およびそれにより得られた
トナー供給ロールの提供をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、表面弾性体層付きロール基体表面に、
軸方向を揃えた状態で熱線を押し当てて、上記ロール基
体表面の弾性体層に上記熱線の熱により一定ピッチで複
数の溶融凹溝を形成するトナー供給ロールの製法を第1
の要旨とし、上記製法によって得られるトナー供給ロー
ルであって、その弾性体層表面に対し、軸方向に延びた
複数の溶融凹溝が周方向に一定ピッチで形成されている
トナー供給ロールを第2の要旨とする。
【0009】すなわち、本発明のトナー供給ロールの製
法によれば、複数の熱線を備えた治具を用い、表面弾性
体層付きロール基体を、その治具上を転動させるか、あ
るいは治具内に挿入し、溶融凹溝を設けるために、加工
が極めて簡単になり、かつ寸法の微調整も容易になる。
また、本発明の製法によれば、得られるトナー供給ロー
ルの外周面における溶融個所が、一定ピッチの凹溝の個
所だけで済み、互いに隣接する凹溝と凹溝で挟まれた個
所(実機に組み込んだ際に現像ロールと接触する凸条部
分)では、加熱溶融がなされていないため、材質に基づ
く開口セルが潰れずそのまま露呈し、空隙度の大きい面
となり、トナー掻き取り性等に優れるようになる。ま
た、加熱溶融による分解生成物の付着もない。したがっ
て、本発明の製法によって得られるトナー供給ロール
は、トナーの掻き取りおよび供給性能が安定化し、帯電
性能が長期にわたって保たれるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0011】図1は、本発明の製法によって得られるト
ナー供給ロールの一実施の形態を示している。図に示す
ように、トナー供給ロール1は、軸体2の外周面に弾性
体層3が一体形成されており、上記弾性体層3の表面に
は、軸体2方向に延びた複数の溶融凹溝4が一定のピッ
チで周方向に形成されている。そして、互いに隣接する
溶融凹溝4と溶融凹溝4で挟まれた個所の表面部分は、
溶融されていないため、弾性体層3の生地が現われ、弾
性体層3の材質(例えばウレタンフォーム)に基づく多
数の開口セルが分布している。
【0012】上記軸体2は特に制限するものではなく、
例えば、金属製の中実体からなる芯金や、内部を中空に
くり抜いた金属製の円筒体等が用いられる。そして、そ
の材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄にメッ
キを施したもの等があげられる。
【0013】上記弾性体層3の形成材料としては、特に
限定されるものではなく、例えば、アクリルゴム,シリ
コンゴム,エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPD
M)等からなるゴムフォームや、軟質ポリウレタンフォ
ーム等があげられる。なかでも、エーテル系、エステル
系およびオレフィン系の軟質ポリウレタンフォームが、
より好ましく用いられる。
【0014】上記トナー供給ロール1は、例えば、以下
の方法(第1〜第3の製法)によって作製される。
【0015】すなわち、第1の製法では、まず、上記溶
融凹溝4を形成する前の、表面弾性体層付きロール基体
を作製する。上記ロール基体は、例えば、スラブ発泡も
しくは型発泡のフォーム素材を切り出し、それに軸体2
を通した後、表面を研磨してロール形状の弾性体層3を
形成することにより得られる。このようにして形成され
た弾性体層3内に存在する個々のセルのセル径は100
〜500μmの範囲に設定されていることが、トナー供
給ロールとしての性能発揮の観点から好ましい。また、
上記弾性体層3の硬度は、1mm圧縮(50mm幅)時
で350g以下に設定されていることが、効果の点で好
ましい。
【0016】つぎに、図2に示すように、複数の熱線6
を軸方向を揃えて一定ピッチで並べ断熱性基板7に固定
した治具Aを準備する。上記熱線6としては、ニクロム
線等があげられる。そして、上記熱線6の固定の態様と
しては、図示のように断熱性基板7上に直接固定する場
合であってもよく、また、上記断熱性基板7の表面に絶
縁紙等(図示せず)を設け、その絶縁紙等の上に固定し
てもよい。なお、上記のように、複数本の熱線6を一定
ピッチで並列させて用いるのに代えて、長尺の熱線を蛇
行状に折り曲げ、所定の範囲内において、複数の熱線が
一定ピッチで配列しているような状態となるようにした
ものを用いてもよい。そして、上記複数の熱線6の上
に、上述のようにして得られた表面弾性体層付きロール
基体5を、上記熱線6と軸方向を揃えた状態にして転動
させ(矢印方向)、上記ロール基体5の弾性体層51表
面に、上記熱線6の熱により一定ピッチで溶融凹溝を形
成する。このようにして、目的とするトナー供給ロール
が得られる。この方法では、ロール基体を転動させるだ
けで、溶融凹溝が、所定ピッチや深さで形成されている
ため、作業が極めて簡単となる。また、熱線の太さや配
設ピッチを変えることにより、寸法等の微調整を簡単に
行うことができる。
【0017】このようにして得られたトナー供給ロール
には、先の図1に示すように、弾性体層3の表面におい
て、軸体2方向に延びた複数の溶融凹溝4が一定のピッ
チで周方向に形成されている。したがって、この製法に
よって得られるトナー供給ロール1の外周面では、熱線
による溶融個所が、一定ピッチの溶融凹溝4の個所のみ
であり、互いに隣接する溶融凹溝4と溶融凹溝4で挟ま
れた個所(凸条)では、弾性体層自身の材質に基づく開
口セルが形成されている。上記弾性体層3に対して、研
磨や切削等による機械加工が施されている場合には、ト
ナー供給ロール1の寸法精度が向上するとともに、開口
セルの分布密度も向上するようになる。また、この面
(凸条)には、加熱溶融による分解生成物の付着もな
い。したがって、上記トナー供給ロール1は、実機に組
み込んだ際に現像ロールと接触する個所(凸条)におけ
る性能が損なわれることがないため、安定した帯電性能
が長期にわたって保たれるようになる。そして、上記ト
ナー供給ロール1は、特に、非磁性一成分カラートナー
と、表面にコーティング層をもつ弾性現像ロールとを用
いた現像システムにおいて有好である。
【0018】上記トナー供給ロール1外周面における溶
融凹溝4の幅W1 、凸条の幅W2 および溶融凹溝4の深
さ(凸条の高さ)Dは、上記製法における熱線6の太さ
や配列ピッチ等を適宜変更することにより、容易に調整
できる。そして、上記熱線6の太さは1.0mm以下、
好適には0.3〜1.0mmであり、上記熱線6のピッ
チは2.0mm以下、好適には0.5〜1.5mmであ
る。すなわち、上記熱線6の太さが1.0mmより太い
と、得られるトナー供給ロール1外周面における溶融凹
溝4の幅W1 が大きくなってしまい、トナー供給むらが
画像に現われやすくなる。また、上記熱線6のピッチが
2.0mmより長いと、得られるトナー供給ロール1の
トナー掻き取り性が不均一となり、濃度むらを生じやす
くなる。そして、得られるトナー供給ロール1外周面に
おける溶融凹溝4の幅W1 は0.3〜1.5mmの範囲
に調整することが好ましく、前記凸条の幅W2 との比率
(W1 /W2 )は、W1 /W2 =3/1〜1/3の範囲
に調整することが好ましい。また、溶融凹溝4の深さ
(凸条の高さ)Dは0.2〜1.5mmの範囲に調整す
ることが好ましい。このような寸法範囲は、以下の第
2,第3の製法およびそれによって得られるトナー供給
ロールでも同様である。
【0019】つぎに、トナー供給ロールの第2の製法に
ついて説明する。
【0020】すなわち、第2の製法では、図4(a)に
示すような、複数の熱線6を管体8の内周面に同軸的に
かつ一定ピッチに固定した治具Bを準備する。そして、
この管体8の内部に、管体8の内径と略同寸の外径であ
る表面弾性体層付きロール基体5を圧挿する。ここで、
上記ロール基体5は、先に述べた第1の製法と同様にし
て得られたものである。また、上記管体8の内径は、上
記ロール基体5の外径と同じか若干小さめにするのが好
ましく、上記管体8の内径を小さくするほど、得られる
トナー供給ロールの溶融凹溝を深く形成することができ
る。そして、上記管体8の内部に上記ロール基体5を圧
挿した状態で、上記熱線6を加熱し、上記ロール基体5
の弾性体層51表面に、上記熱線6の熱により一定ピッ
チで溶融凹溝を形成する〔図4(b)〕。この場合、図
3に示すように、治具Bを起立させた状態で圧挿し、熱
線6を加熱することにより、溶融滓が治具Bから円滑に
溶出する。ついで、冷却後、トナー供給ロールを治具B
から引き抜く。この方法によれば、前記第1の製法の効
果(作業の容易化,寸法の微調整)に加えて、管体8内
にロール基体5を圧挿後に熱線を加熱するため、火傷等
の問題が生じず、作業性が良いという効果を奏する。
【0021】このようにして得られたトナー供給ロール
は、前記第1の製法で得られたトナー供給ロールと同様
の作用効果を奏するほか、表層に熱線6の断面形状と近
似した断面形状の溶融凹溝が形成され、凹溝の上端開口
縁がエッジ状になることから、トナー掻き取り性が一層
向上するようになる。このようにして、目的とするトナ
ー供給ロールが得られる。
【0022】さらに、トナー供給ロールの第3の製法に
ついて説明する。
【0023】すなわち、第3の製法では、図5に示すよ
うな、長尺の熱線6’を略リング状絶縁具9のリング
9’に一定ピッチで巻き付け固定した治具Cを準備す
る。ここで、略リング状とは、リング状あるいは短いパ
イプ状のことをいう。そして、上記熱線6’を加熱し、
その状態で上記リング9’内に、リング9’の内径と略
同寸の外径である表面弾性体層付きロール基体5を所定
の速度で圧挿し、リング9’を通過させる。ここで、上
記ロール基体5は、先に述べた第1の製法と同様にして
得られたものである。また、上記リング9’の内径は、
上記ロール基体5の外径と同じか若干小さめにするのが
好ましく、上記リング9’の内径を小さくするほど、得
られるトナー供給ロールの溶融凹溝を深く形成すること
ができる。さらに、上記圧挿は、上記ロール基体5を固
定した状態にして、上記リング9’を動かすことにより
行うようにしてもよい。そして、上記圧挿により、上記
ロール基体5の弾性体層51表面には、上記熱線6’の
熱によって一定ピッチの溶融凹溝が形成される。この方
法によれば、第1の製法の効果に加えて、溶融滓が上記
ロール基体5の圧挿通過時に、生成溶融凹溝の端部(圧
挿方向と反対側の端部)から流下し除去される。したが
って、溶融滓の残存付着による前記弊害は全く生じない
という効果を奏する。このようにして、目的とするトナ
ー供給ロールが得られる。このトナー供給ロールは、前
記第2の製法で得られたトナー供給ロールと同様の作用
効果を奏する。
【0024】本発明のトナー供給ロールの製法では、特
殊な金型を用いていないため、低コストであり、しか
も、本発明によれば、トナー供給ロールの外周面全域に
対し、極めて短時間に、効率良くかつ再現性良く、溶融
凹溝を形成することができる。なお、本発明のトナー供
給ロールの製法は、上記溶融凹溝が熱線の押し当てによ
り形成されており、互いに隣接する溶融凹溝で挟まれた
個所(凸条)が加熱溶融されないようにするのであれ
ば、上記第1〜第3の製法に限定されるものでない。
【0025】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0026】
【実施例1】〔ロール基体の作製〕まず、円筒状金型を
準備し、この金型内に芯金(直径5mm、SUS304
製)をセットした後、上記金型内周面と芯金との間の空
隙にポリウレタン原料を注入し、これを発泡硬化させた
後、脱型して、芯金の外周面に軟質ポリウレタンスポン
ジ層(硬度:180g、セル径:350μm)を形成し
た。ついで、この軟質ポリウレタンスポンジ層を形成し
た芯金を回転させながら研磨加工し、外径が16mmと
なるよう調整した、表面弾性体層付きロール基体を得
た。
【0027】〔トナー供給ロールの作製(溶融凹溝の形
成)〕ニクロム線を巻き付けたリング状絶縁治具(直径
0.3mmニクロム線を内径15.5mmのリングに所
定のピッチで巻き付けたもの)を準備した。ついで、上
記ニクロム線を発熱させた状態で、上記のようにして得
られた表面弾性体層付きロール基体を、リング内に一定
の速度(約10mm/秒)で圧挿通過させ、上記ロール
基体の外周面全域に対し周方向に等間隔で溶融凹溝を形
成して、目的とするトナー供給ロールを得た。
【0028】
【実施例2】ニクロム線を巻き付けたリング状絶縁治具
(直径0.5mmニクロム線を内径15.5mmのリン
グに所定のピッチで巻き付けたもの)を準備し、これを
用いたこと以外は、実施例1と同様にしてトナー供給ロ
ールを作製した。
【0029】
【実施例3】ニクロム線を巻き付けたリング状絶縁治具
(直径1.0mmニクロム線を内径15.5mmのリン
グに所定のピッチで巻き付けたもの)を準備し、これを
用いたこと以外は、実施例1と同様にしてトナー供給ロ
ールを作製した。
【0030】
【比較例1】実施例1と同様にして作製した表面弾性体
層付きロール基体に対し、何も加工を施さず、そのまま
トナー供給ロールとした。
【0031】
【比較例2】実施例1で作製したような軟質ポリウレタ
ンスポンジ層を形成した芯金(研磨加工前)を用意し、
発熱させたニクロム線で上記軟質ポリウレタンスポンジ
層の全周をカットしていき、ロール外周の断面がノコギ
リ刃形状の凹凸(深さ1mm、ピッチ1.5mm)であ
るトナー供給ロール(外径16mm)を作製した。
【0032】このようにして得られた実施例および比較
例のトナー供給ロールを用いて、下記の基準に従い、各
特性について比較評価を行った。これらの結果を、得ら
れたトナー供給ロールにおける溶融凹溝の幅、溶融凹溝
の深さおよび凸条の幅と併せて、後記の表1に示した。
【0033】〔ゴースト〕得られたトナー供給ロールを
レーザービームプリンターに組み込み、5000枚プリ
ント後の画像において比較評価した。そして、ゴースト
のない画像が得られた場合を○、画像にゴーストが現れ
た場合を△として評価した。
【0034】〔濃度むら〕得られたトナー供給ロールを
レーザービームプリンターに組み込み、非磁性一成分カ
ラートナーを使用して、低温低湿(15℃×10%)条
件下において3日間放置した後、5%印字で5000枚
プリントし、初期画像と5000枚プリント後(耐久
後)の画像を、各種濃度およびパターンの画像において
比較評価した。なお、評価基準は、以下のように設定し
た。 ○:濃度むらがなく、均一な画像が得られた。 △:濃度むらが多少みられるものの、画質低下のない画
像が得られた。 ×:濃度むらが発生した。
【0035】
【表1】
【0036】上記表1の結果から、実施例により得られ
たトナー供給ロールを使用した場合では、いずれも、ゴ
ーストおよび濃度むらがみられず、しかも長期にわたっ
て高画質が得られている。これに対して、比較例により
得られたトナー供給ロールを使用した場合では、ゴース
トや、長期使用後の画像不具合が発生している。
【0037】他方、前述の第1の製法および第2の製法
に従って、上記実施例1と同様のニクロム線を用い、同
様のピッチで装着して、それぞれ治具Bおよび治具Cを
作製し、これを用いて、実施例1で用いたのと同じロー
ル基体を、同様の速度で移動させ、それぞれ目的とする
トナー供給ロールを作製した。これらのものに対し、上
述の比較評価を行ったところ、上記実施例により得られ
たトナー供給ロールと同様に、ゴーストおよび濃度むら
がみられず、しかも長期にわたって高画質が得られるよ
うになることがわかった。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明のトナー供給ロー
ルの製法によれば、加工が極めて簡単になり、かつ寸法
の微調整も容易になる。また、得られるトナー供給ロー
ルの外周面における溶融個所が、一定ピッチの凹溝の個
所だけで済み、互いに隣接する凹溝と凹溝で挟まれた個
所(実機に組み込んだ際に現像ロールと接触する凸条部
分)では、加熱溶融がなされていないため、材質に基づ
く開口セルが潰れずそのまま露呈し、空隙度の大きい面
となり、トナー掻き取り性等に優れるようになる。ま
た、加熱溶融による分解生成物の付着もない。したがっ
て、本発明の製法によって得られるトナー供給ロール
は、トナーの掻き取りおよび供給性能が安定化し、帯電
性能が長期にわたって保たれるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法により得られるトナー供給ロール
を示す斜視図である。
【図2】本発明のトナー供給ロールの製法の一例を示す
説明図である。
【図3】本発明のトナー供給ロールの製法の他の例を示
す説明図である。
【図4】上記製法における管体の断面図であり、(a)
は表面弾性体層付きロール基体を圧挿する前の断面図で
あり、(b)は上記ロール基体を圧挿した後の断面図で
ある。
【図5】本発明のトナー供給ロールの製法のさらに他の
例を示す説明図である。
【図6】画像形成装置の現像部を示す説明図である。
【符号の説明】
5 表面弾性体層付きロール基体 51 弾性体層 6 熱線 7 断熱性基板 A 治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H077 AB03 AB12 AC04 AD06 AD13 FA01 FA16 FA22 3J103 AA02 AA13 AA21 AA32 AA64 BA41 EA02 FA15 GA02 GA57 GA58 GA60 HA03 HA12 HA48 HA53 4F209 AA31 AG03 AG05 AH04 AK09 PA01 PB01 PC01 PC05 PG05 PN03 PN20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面弾性体層付きロール基体表面に、軸
    方向を揃えた状態で熱線を押し当てて、上記ロール基体
    表面の弾性体層に上記熱線の熱により一定ピッチで複数
    の溶融凹溝を形成することを特徴とするトナー供給ロー
    ルの製法。
  2. 【請求項2】 複数の熱線を軸方向を揃えて一定ピッチ
    で並べて固定した治具を準備し、この治具上に、表面弾
    性体層付きロール基体を、上記熱線と軸方向を揃えた状
    態で転動させ、上記ロール基体表面の弾性体層に上記熱
    線の熱により一定ピッチで複数の溶融凹溝を形成する請
    求項1記載のトナー供給ロールの製法。
  3. 【請求項3】 複数の熱線を管体の内周面に同軸的にか
    つ一定ピッチで固定した治具を準備し、この治具の管体
    の内部に、管体の内径と略同寸の外径の表面弾性体層付
    きロール基体を、軸方向を揃えて圧挿し、その状態で上
    記熱線を加熱し、上記ロール基体表面の弾性体層に上記
    熱線の熱により一定ピッチで複数の溶融凹溝を形成する
    請求項1記載のトナー供給ロールの製法。
  4. 【請求項4】 長尺の熱線を略リング状絶縁具のリング
    に一定ピッチで巻き付け固定した治具を準備し、この治
    具の熱線を加熱した状態で上記リング内に、リングの内
    径と略同寸の外径である表面弾性体層付きロール基体を
    軸方向を揃えて圧挿し、上記ロール基体表面の弾性体層
    に上記熱線の熱により一定ピッチで複数の溶融凹溝を形
    成する請求項1記載のトナー供給ロールの製法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のト
    ナー供給ロールの製法によって得られるトナー供給ロー
    ルであって、その弾性体層表面に対し、軸方向に延びた
    複数の溶融凹溝が周方向に一定ピッチで形成されている
    ことを特徴とするトナー供給ロール。
JP2001100552A 2001-03-30 2001-03-30 トナー供給ロールの製法 Expired - Fee Related JP3738700B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001100552A JP3738700B2 (ja) 2001-03-30 2001-03-30 トナー供給ロールの製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001100552A JP3738700B2 (ja) 2001-03-30 2001-03-30 トナー供給ロールの製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002296896A true JP2002296896A (ja) 2002-10-09
JP3738700B2 JP3738700B2 (ja) 2006-01-25

Family

ID=18953987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001100552A Expired - Fee Related JP3738700B2 (ja) 2001-03-30 2001-03-30 トナー供給ロールの製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3738700B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011107653A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Kyocera Mita Corp クリーニングローラ及びこれを備えたクリーニング装置並びに画像形成装置
WO2013180070A1 (ja) * 2012-05-29 2013-12-05 株式会社ブリヂストン トナー供給ローラの製造方法およびトナー供給ローラ
JP2018173497A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 株式会社イノアックコーポレーション トナー供給ローラとその製造方法
JP2019179096A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 株式会社イノアックコーポレーション ポリウレタンフォームローラとその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011107653A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Kyocera Mita Corp クリーニングローラ及びこれを備えたクリーニング装置並びに画像形成装置
WO2013180070A1 (ja) * 2012-05-29 2013-12-05 株式会社ブリヂストン トナー供給ローラの製造方法およびトナー供給ローラ
CN104380213A (zh) * 2012-05-29 2015-02-25 株式会社普利司通 调色剂供给辊的制造方法及调色剂供给辊
US9645523B2 (en) 2012-05-29 2017-05-09 Bridgestone Corporation Method for manufacturing toner supply roller
CN104380213B (zh) * 2012-05-29 2019-08-06 株式会社普利司通 调色剂供给辊的制造方法及调色剂供给辊
JP2018173497A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 株式会社イノアックコーポレーション トナー供給ローラとその製造方法
JP7025846B2 (ja) 2017-03-31 2022-02-25 株式会社イノアックコーポレーション トナー供給ローラとその製造方法
JP2019179096A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 株式会社イノアックコーポレーション ポリウレタンフォームローラとその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3738700B2 (ja) 2006-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6064463A (en) Developing apparatus using one-component toner
JP3107924B2 (ja) トナー担持体及びその製造方法
JP3736102B2 (ja) ウレタンスポンジロール及びその製造方法
US7965965B2 (en) Development device and image forming apparatus
JP2002296896A (ja) トナー供給ロールの製法およびそれにより得られたトナー供給ロール
JP3986476B2 (ja) 現像装置
JPH09297512A (ja) ローラ及びその製造方法
JP2008102445A (ja) 現像ローラの製造方法、現像ローラ、現像装置および画像形成装置
JP3438863B2 (ja) 潤滑剤供給ロール及びその製造方法
JP2002039162A (ja) ウレタンスポンジロールの製造方法
JP3167216B2 (ja) トナー担持体の製造方法
JP2008102446A (ja) 現像ローラの製造方法、現像ローラ、現像装置および画像形成装置
JPH1195541A (ja) 現像剤搬送ローラ及びその製造方法
JP2004317882A (ja) トナー供給ローラ
JPH1152709A (ja) トナー搬送ローラ
JP4078624B2 (ja) 潤滑剤供給ロールの製造方法
JPH11282247A (ja) 導電性弾性ロール
JP2003184862A (ja) 弾性ローラおよびその製造方法ならびに該弾性ローラを有する電子写真用プロセスカートリッジ
JP2001215804A (ja) 磁気現像ロールおよびその製造方法
JPH10198157A (ja) 電子写真用現像器
JP5047647B2 (ja) 導電性部材の製造方法
JPH09329939A (ja) 帯電ロールの製造方法
JP5580697B2 (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP2006154339A (ja) 導電性部材および帯電ローラおよびこの帯電ローラを有するプロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP2018173497A (ja) トナー供給ローラとその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050829

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051011

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051024

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3738700

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091111

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101111

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111111

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111111

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121111

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131111

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees