JP3316750B2 - 電子部品の製造方法 - Google Patents
電子部品の製造方法Info
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Description
ンサのような電子部品の外表面にメッキ膜を形成して外
部電極を形成する電子部品の製造方法に関し、特に、導
電性メディアを電子部品と共にバレル中に投入するバレ
ルメッキ法を用いた電子部品の製造方法に関する。
子部品では、実装に際しての半田付け性を高めること等
を目的として、外部電極表面が半田付け性に優れたメッ
キ膜により構成されている。このようなメッキ膜の形成
に際しては、従来、バレルメッキ法が多用されている。
図で示すような六角筒状のバレル51を用いて行うメッ
キ法である。すなわち、バレル51内に、メッキすべき
外部電極を有する電子部品(図示せず)と、真球状の導
電性メディア52とを多数投入し、バレル51を図示の
矢印Aで示すようにその軸方向回りに回転させつつ電気
メッキを施す。真球状の導電性メディア52は、外部電
極に電圧を印加する電極として機能するだけでなく、バ
レル51内で電子部品を攪拌する機能を有する。すなわ
ち、バレル51が回転されるので、電気メッキ中、導電
性メディア52と電子部品とが攪拌されることになり、
それによって複数の電子部品の外部電極に均一な膜厚の
メッキ膜を形成することができるとされている。
導電性メディアを用いているのは、導電性メディア52
の形状及び寸法のばらつきを小さくした方が、バレル5
1内に投入された多数の電子部品の外部電極におけるメ
ッキ膜の厚みのばらつきが小さくなると考えられていた
ためである。
の導電性メディア52を用いた場合、バレル51をA方
向に回転させると、バレル51の内壁面で導電性メディ
ア52が滑り、導電性メディア52及び電子部品の攪拌
を十分に行い得ないという問題があった。すなわち、図
3(b)に示すように、バレル51をA方向に回転させ
ると、バレル51の側面51a上に位置している多数の
導電性メディア51及び電子部品(図示せず)は、側面
51aが上方に移動するにつれ、下方に移動しようとす
る。
あるため、次に回転されてくる側面51bに移動する際
に、導電性メディア52及び電子部品が攪拌されること
なく、矢印Bで示すように、側面51a上を滑り、図示
の状態のまま次の側面51b側に移動しがちであった。
従って、導電性メディア52及び電子部品が十分に攪拌
され難かった。
た場合、導電性メディア52の径が大きくなると、電子
部品と導電性メディア52との接触が十分に行われない
ことがあった。すなわち、図4に示すように、導電性メ
ディア52の径がさほど大きくない場合には、隣接する
導電性メディア52間の隙間がさほど大きくならないた
め、電子部品53の外部電極が導電性メディア52に確
実に接触される。ところが、図5に示すように、導電性
メディア52の径が大き過ぎると、隣接する導電性メデ
ィア52間の隙間Cが大きくなり、該隙間C中に位置し
ている電子部品53の外部電極と導電性メディア52と
の接触確率が低くなりがちであった。
きさに応じて、適当な径の導電性メディア52を用意し
なければならなかった。よって、従来のバレルメッキ法
を用いた電子部品の製造方法では、バレル51の側面5
1a上における滑りにより、並びに導電性メディア52
に対して電子部品の大きさが小さ過ぎること等により、
形成されるメッキ膜の厚みにばらつきが生じがちであっ
た。そのため、半田付け性がばらつき、半田付け不良な
どが生じがちであった。
を解消し、電子部品の外部電極を構成するメッキ膜の厚
みのばらつきを低減することができ、しかも、様々な大
きさの電子部品に対して厚みばらつきの少ないメッキ膜
を形成することを可能とするメッキ工程を備えた電子部
品の製造方法を提供することにある。
表面に外部電極を構成する電子部品の製造方法におい
て、前記外部電極のメッキ膜の形成に際し、バレル中に
複数の電子部品と、真球ではなく、突出部を有する異形
の導電性メディアを含む導電性メディアとを投入し、バ
レルメッキすることを特徴とする。
ましくは、上記異形の導電性メディアとして、その外形
の最大寸法と最小寸法との比が1.1〜3.0の範囲と
されているものが用いられる。
ディアと、真球状導電性メディアとを併用してもよい。
挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。
の一実施例に係る電子部品の製造方法を説明する。本実
施例では、六角筒状のバレル1が用いられる。バレル1
内に、導電性メディア2,3が多数投入されている。導
電性メディア2は、真球ではない異形の形状を有し、導
電性メディア3は真球の形状を有する。すなわち、本実
施例では、真球ではない異形の導電性メディア2と、真
球の導電性メディア3とが併用されている。この場合、
異形の導電性メディア2の使用割合については、真球の
導電性メディア3に対し、10〜100重量%の割合で
用いることが望ましい。異形の導電性メディア2の使用
割合が10重量%未満の場合には、異形の導電性メディ
アを用いた効果が十分に得られないことがあり、従来技
術と同様に、メッキ膜の厚みのばらつきが生じ易くなる
ことがある。
については、従来の導電性メディアと同様に、適宜の導
電性材料からなるものを用いることができる。すなわ
ち、鉄、クロム、カーボンなどからなるものを用いるこ
とができる。
の外形の最大寸法と最小寸法とが異なるもの、すなわち
真球以外の形状のものを広く含むものとするが、好まし
くは、最大寸法と最小寸法との比が1.1〜3.0、よ
り好ましくは、1.1〜2.0の範囲のものが用いられ
る。比1.1未満では真球に近くなるため、真球と同様
な不具合を生じる。比3.0を超えた場合は、バレル穴
にメディアが狭まり、メディアへの攪拌に支障をきたす
ことがある。
(a),(b)を参照して説明する。図2(a)は、真
球状の導電性メディア3を示す正面図あり、真球である
ため、その中心を通る直線に沿った外形寸法はどの方向
においても等しい。
性メディア2は、真球の一部を突出させて突出部2aを
形成した形状を有する。突出部2aに沿う方向の外形寸
法が、最大寸法Xとなり、真球状部分の径が最小寸法Y
となる。
ディア2,3と共に、バレル1内に多数の電子部品4が
投入される。電子部品4としては、外表面に導電ペース
トの塗布・焼付けにより電極膜が形成されているものが
用意される。もっとも、本発明において用意される電子
部品としては、導電ペーストの塗布・焼付け以外の他の
方法で電極膜が形成されているものであってもよい。予
め形成されている電極膜上に、バレル1内においてバレ
ルメッキによりメッキ膜が形成され、外部電極が完成さ
れ、それによって最終的な電子部品が得られる。
すなわち軸方向回りに回転させつつ、電圧を印加し、電
子部品4の電極膜4a,4b(図1(b)参照)にメッ
キ膜が形成される。この場合、バレル1の回転に伴っ
て、側面1a上に載置されている導電性メディア2,3
及び電子部品4は、次に、回転されてくる側面1b側に
移動される。従来例では、バレル51の回転に伴って、
側面51a上に載置されていた導電性メディア52及び
電子部品53がそのまま側面51a上を滑り落ち、次の
側面51b側に移動していた。
性メディア2が併用されているので、異形の導電性メデ
ィア2が側面1a上で滑り難く、例えば突出部2aが引
っ掛かることにより回転され易くされている。従って、
側面1aが矢印A方向に移動した場合、異形の導電性メ
ディア2、導電性メディア3及び電子部品4が側面1a
上を単に滑り落ちず、これらが絡まって攪拌されつつ側
面1b上に落下することになる。従って、バレル1内に
おいて、導電性メディア2,3と、電子部品4とが確実
に攪拌される。
線Zで示す部分を拡大して示すように、隣り合う導電性
メディア間の隙間が小さくなる。すなわち、異形の導電
性メディア2の突出部2aが隣り合う導電性メディア
2,3の隙間に入り込むことがあるため、隣り合う導電
性メディア間の隙間が小さくなり、それによって電子部
品4と導電性メディア2,3との接触確率が高められ
る。
ィア2,3と電子部品4とが攪拌される効果と、隣接
する導電性メディア間の隙間において電子部品が導電性
メディアと確実に接触される効果とにより、電子部品4
の電極膜上に均一な厚みのメッキ膜を形成することがで
きる。
については外表面に電極膜及び電極膜上にメッキ膜を形
成することにより外部電極が形成される電子部品である
限り特に限定されず、例えば、積層コンデンサ、単板型
セラミックコンデンサ、圧電セラミック部品などの様々
なセラミック電子部品、あるいはセラミック以外の電子
部品素体の外表面に電極膜及びメッキ膜を形成して外部
電極を形成してなる電子部品などの製造に本発明を適用
することができる。
形の導電性メディア2として、図2(b)に示した突出
部2aを有する導電性メディア2を用意した。用意した
導電性メディア2の最大寸法Xは1.0〜1.5mmで
あり、最小寸法Yは0.8〜1.2mmである。
径1mmの導電性メディアを用意した。上記異形の導電
性メディア2と真球の導電性メディア3とを下記の表1
に示す種々の割合で混合し、試料番号1〜11の導電性
メディアを用意した。
×0.8mmの寸法の積層セラミックコンデンサを用意
した。この積層セラミックコンデンサでは、セラミック
焼結体の両端面を覆うように予めAgペーストの塗布・
焼付けにより電極膜が形成されている。
上記積層セラミックコンデンサと、試料番号1〜11の
何れかの導電性メディア1000gとを投入し、バレル
1の回転速度を1rpmとし、20Aの電流を流してN
iメッキ膜を形成し、引き続き15Aの電流を通じ、S
nメッキ膜を形成した。
常、5〜20rpm程度とされるが、本実験例では、導
電性メディアの滑りを加速させるために、1rpmとし
た。また、メッキ浴については、Niメッキに際しては
ワット浴を、Snメッキに際してはカルボン酸系Sn浴
を用いた。
電性メディアを用い、Niメッキ膜及びSnメッキ膜を
順次形成した。各試料番号の導電性メディアを用いた場
合のメッキ膜の厚みの平均値及びばらつきCVを下記の
表1に示す。
キ膜の厚みの平均値X)×100で表される値である。
は、真球の導電性メディアのみを用いたため、Niメッ
キ膜の厚みが平均で1.2μm、Snメッキ膜の厚みが
2.1μmと薄く、かつメッキ膜の厚みのばらつきCV
についても、Niメッキ膜では24%、Snメッキ膜で
は18%と非常に高かった。
の側面において滑り、導電性メディアと積層セラミック
コンデンサが十分に攪拌されなかったためと考えられ
る。他方、試料番号2〜11の導電性メディアを用いた
場合には、Niメッキ膜及びSnメッキ膜の厚みを厚く
することができるだけでなく、メッキ膜の厚みのばらつ
きCVが著しく小さくなっていることがわかる。これ
は、異形の導電性メディアを用いることにより、導電性
メディアと積層セラミックコンデンサの攪拌が十分に行
われたためと考えられる。
し、真球の導電性メディアとして、直径1mm及び直径
2mmの2種類の導電性メディアを用意し、第2の実験
を行った。ここでは、真球の導電性メディアと異形の導
電性メディアの混合割合については、試料番号1〜11
と同様にして、試料番号21〜31の各導電性メディア
を用意した。もっとも、下記の表3に示すように、試料
番号21〜31では、真球として、直径1mmまたは直
径2mmの導電性メディアを用いた。すなわち、試料番
号11を例にとると、直径1mmの真球の導電性メディ
アを用いた場合と、直径2mmの真球の導電性メディア
を用いた場合の2つの条件でメッキを行った。その他の
点については、第1の実験例と同様にし、電子部品の外
表面にNiメッキ膜及びSnメッキ膜を形成した。結果
を下記の表2に示す。
は、真球の導電性メディアのみを用いている。直径が1
mmの真球の導電性メディアを用いている場合、試料番
号21において形成されたNiメッキ膜及びSnメッキ
膜の厚みは、試料番号22〜31の導電性メディアを用
いて形成されたNiメッキ膜及びSnメッキ膜に比べ
て、厚みが薄く、かつばらつきCVも大きかった。もっ
とも、第1の実験例の場合に比べて、厚みの差は小さく
なっている。これは、バレル回転速度が10rpmとさ
れたためである。
性メディアの直径を1mmから2mmに変更した場合、
Niメッキ膜及びSnメッキ膜の厚みが著しく薄くな
り、かつばらつき(CV)もかなり大きくなることがわ
かる。これは、真球の導電性メディアの直径が大きくな
り、真球の導電性メディア間の隙間が大きくなって、上
記寸法の積層セラミックコンデンサの外部電極と導電性
メディアとの接触確率が低下したためと考えられる。
アを用いた場合には、Niメッキ膜及びSnメッキ膜の
膜厚の低下具合やばらつき(CV)が若干ばらつくもの
の、試料番号21の場合に比べて、メッキ膜の厚みが大
幅に高められ、かつ厚みばらつきが大幅に低減している
ことがわかる。また、異形の導電性メディアの混合割合
が高くなるにつれて、メッキ膜の厚みが厚くなり、かつ
ばらつき(CV)が小さくなることがわかる。これは、
異形の導電性メディアの存在により、隣接する導電性メ
ディア間の隙間が小さくなり、積層セラミックコンデン
サと導電性メディアとの接触確率が高められるためと考
えられる。
球の導電性メディアの径を2mmに変更した場合でも、
メッキ膜の厚みがさほど低下せず、ばらつきCVもさほ
ど高くならないことがわかる。
レルメッキに際し、バレル中に複数の電子部品と、真球
ではない異形の導電性メディアを含む導電性メディアと
を投入する。従って、メッキに際してバレルが回転され
るが、バレル内側面上において異形の導電性メディアが
滑動し難いため、電子部品と導電性メディアとが確実に
攪拌される。加えて、隣接する導電性メディア間の隙間
が小さくなるため、導電性メディアと電子部品の電極膜
との接触確率が確実に高められる。
極膜上にバレルメッキ法によりメッキ膜を確実に形成す
ることができるとともに、ロット内におけるメッキ膜の
厚みばらつきを著しく低減することができる。従って、
例えばプリント回路基板上に半田付けにより実装される
場合、半田付け不良などが生じ難い、信頼性に優れた電
子部品を提供することが可能となる。
アの最大寸法と最小寸法との比が1.1〜3.0の範囲
とされている場合には、上記異形の導電性メディアを用
いたことによる電子部品と導電性メディアとの攪拌効果
がより確実に高められるともに、隣接する導電性メディ
ア間の隙間が小さくなり電子部品と導電性メディアとが
接触する確率がより効果的に高められる。
ディアのみを用いてもよいが、異形の導電性メディアと
真球状導電性メディアとを併用してもよく、その場合に
おいても、異形の導電性メディアの存在により、メッキ
膜の厚みばらつきを効果的に低減することができる。
電子部品の製造方法においてバレルメッキを行う工程を
説明するための図であり、(a)はバレル内の状態を示
す横断面、(b)は(a)の一点鎖線で示す円Zで囲ま
れた部分を拡大して示す図。
(b)は異形の導電性メディアを示す正面図。
品の製造方法におけるバレルメッキ工程の問題点を説明
するための各模式的横断面図。
電子部品との接触状態を説明するための模式的正面図。
キに際しての導電性メディアと電子部品との接触状態の
問題点を説明するための模式的正面図。
Claims (3)
- 【請求項1】 電子部品の外表面に外部電極を形成する
電子部品の製造方法において、 前記外部電極のメッキ膜の形成に際し、バレル中に複数
の電子部品と、真球ではなく、突出部を有する異形の導
電性メディアを含む導電性メディアとを投入し、バレル
メッキすることを特徴とする、電子部品の製造方法。 - 【請求項2】 前記異形の導電性メディアの外形の最大
寸法と最小寸法との比が1.1〜3.0の範囲とされて
いる、請求項1に記載の電子部品の製造方法。 - 【請求項3】 前記異形の導電性メディアと、真球状導
電性メディアとを併用することを特徴とする、請求項1
に記載の電子部品の製造方法。
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