JP3315045B2 - 同時充填中空成形機による成形品の製造方法及び金型 - Google Patents

同時充填中空成形機による成形品の製造方法及び金型

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JP3315045B2 JP34806896A JP34806896A JP3315045B2 JP 3315045 B2 JP3315045 B2 JP 3315045B2 JP 34806896 A JP34806896 A JP 34806896A JP 34806896 A JP34806896 A JP 34806896A JP 3315045 B2 JP3315045 B2 JP 3315045B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同時充填中空成形
機による成形品の製造方法及び金型に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】 先に本出願人は特願平7-277705号によ
って、次のような構成および作用を有する同時充填中空
成形機を提案した。
【0003】図5は、同時充填中空成形機の全体構成図
である。同図において、押出機21の先端にはダイであ
るクロスヘッド22が設けられ、このクロスヘッド22
の直下には、クロスヘッド22から吐出されるパリソン
23を切断するパリソン切断装置24が設けられてい
る。前記クロスヘッド22に並列して液体充填ノズル2
5を有する充填ノズル昇降装置26が架台27上に設け
られている。前記クロスヘッドダイ22と液体充填ノズ
ル25の下方には、そのパリソン受取位置Aと充填位置
B間を型移送装置28によって往復動し、金型1を開閉
する型締装置30が設けられている。
【0004】前記型締装置30の側部(図中右側)に
は、前記型締装置30の往復動によって充填位置Bと成
形品排出位置C間を往復動するバリ取り装置31が取り
付けられている。また、前記充填位置Bにおける金型1
の上面に近接して、成形品クランプ装置11がブラケッ
ト12を介して前記架台27などに固定して設けられて
いる。
【0005】図6は、前記成形品クランプ装置11の全
体構成図である。同図において、成形品クランプ装置1
1は、充填位置Bにおける金型1の上面に近接して設け
られている。すなわち、成形品クランプ装置11は、架
台27から充填位置Bにおける金型1の上方に向けて突
設されているブラケット12と、このブラケット12の
下部に、液体充填ノズル25を中心として対向して設け
られている一対のエアーシリンダ13と、そのピントン
ロッドの先端に取り付けられているクランプ金具14
と、このクランプ金具14をエアーシリンダ13を介し
て開閉作動するエアー電磁弁15aを有するエアー配管
15とから構成されている。
【0006】また、前記型締装置30の型取付板29に
取り付けられている金型1は、金型本体16と、その上
部に摺動自在に設けられている圧着シール金型17と、
その上部に設けられているパリソン吸引板18とから構
成されている。このパリソン吸引板18は、液体充填ノ
ズル25をパリソン23の上部から挿入するためにパリ
ソン23の上部を吸引して拡張するものである。なお、
本出願人は、特願平7-151677号によって、上述した金型
を提案している。
【0007】次に、上述した同時充填中空成形機の動作
を図5及び図6を参照して説明する。
【0008】図5に示すように、金型1が閉じてパリソ
ン23が金型1内に保持されると、パリソン23の上部
がパリソン切断装置24によって切断される。
【0009】次に、金型1が充填位置Bに移動し、パリ
ソン23の上部がパリソン吸引板18に真空吸引される
と共に、金型1内のパリソン23がキャビティ面に真空
吸引され、冷却されて所定形状の樹脂容器が成形され
る。続いて、樹脂容器の上方より液体充填ノズル25が
挿入され、容器内に液体が充填される。
【0010】次に、図6(a)に示すように、液体充填
ノズル25が上方に引き上げられると、圧着シール金型
17が閉じて、樹脂容器の端部が融着シールされる。続
いて、図6(b)に示すように、金型1の上方に設けら
れているクランプ装置11の一対のクランプ金具14が
エアーシリンダ13によって、互いに近接するように移
動して上部のバリEが保持される。続いて、金型1が開
かれて図7に示すようなバリ付き成形品Dが取り出され
る。
【0011】次に、クランプ金具14に保持されている
バリ付き成形品Dの外周位置に、バリ取り装置31がき
てバリ付き成形品Dが保持されると、両クランプ金具1
4が後退する。次に、バリ取り装置31が成形品排出位
置Cに移動して、バリ付き成形品Dの周囲のバリEが押
し切られる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の同時充填中空成
形機は、以上のように構成されているため、次ぎのよう
な問題点が存在していた。
【0013】すなわち、成形品、特に多連包の充填成形
品の場合は、その内部に液体が充填されているので、成
形品の重量が重くなる。そのため、成形品の上部バリを
クランプ金具で保持した後、金型を開いて成形品を金型
から取り出し、バリ取り装置へ受け渡す際に、上部バリ
の冷却が不十分であると、上部バリが成形品の自重によ
り伸びることがある。上部バリが伸びると、後工程のバ
リ取り装置によるバリ取りの際に、成形品がパンチング
刃で傷つけられ不良品となる。
【0014】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたものであり、成形品の上部バリをクラン
プ金具で保持した後、金型を開いて成形品を金型から取
り出してバリ取り装置へ受け渡しする際に生ずる上部バ
リの伸びを防止して、不良品の発生を防止することがで
きる同時充填中空成形機による成形品の製造方法および
金型を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述した課
題を次のようにして解決した。すなわち、本発明による
同時充填中空成形機に使用する金型は、金型本体と、こ
の金型本体の上部に摺動自在に設けられ圧着シール部と
その上部の冷却ブロックとからなる圧着シール金型と、
パリソンの上部を吸引して拡張するパリソン吸引板とか
ら構成されている。前記圧着シール金型の冷却ブロック
の前面には、パリソンの上部を真空吸引する真空引き穴
が設けられ、この真空引き穴は、スライドパイプを介し
てパリソン吸引板の真空引き穴と連通され、前記圧着シ
ール金型の内部には冷却水穴が設けられている。
【0016】上記金型で成形する際は、圧着シール金型
を冷却して、この圧着シール金型の冷却ブロックとパリ
ソン吸引板の真空引き穴によってパリソンの上部を真空
吸引すると共に、金型内のパリソンをキャビティ面に真
空吸引し、成形された樹脂容器内に液体を充填した後、
圧着シール金型を閉じてパリソン上部を冷却ブロックと
圧着シール部で、上部バリを途切れることなく冷却す
る。
【0017】本発明を上述した構成とすることにより、
クランプ金具で上部バリを保持して成形品をバリ取り装
置へ受け渡しする際、上部バリは圧着シール金型で冷却
されているので伸びることがない。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明による同時充填中空成形機
による成形品の製造方法は、金型内に保持されたパリソ
ンを、冷却された金型本体内で真空吸引して拡張し、パ
リソン内に充填液を充填した後、圧着シール金型を閉じ
て、得られる上部バリを圧着シール金型の圧着シール部
とその上部の冷却ブロックによって冷却し、該上部バリ
をクランプ金具で保持してバリ付き成形品をバリ取り装
置へ受け渡すことを特徴とする。
【0019】本発明による同時充填中空成形機による成
形品の製造装置は、金型内に保持されたパリソンを、真
空吸引して拡張し、パリソン内に充填液を充填した後、
パリソンの上部をシールしてバリ付き成形品を成形し、
得られる上部バリをクランプ金具で保持してバリ付き成
形品をバリ取り装置へ受け渡す同時充填中空成形機に使
用される金型であって、前記金型は、金型本体と、該金
型本体の上部に摺動自在に設けられ圧着シール部とその
上部の冷却ブロックとからなる圧着シール金型と、圧着
シール金型の上部を押圧するパリソン吸引板とから構成
され、前記圧着シール金型の冷却ブロックの前面には、
パリソンの上部を真空吸引する真空引き穴が設けられ、
該真空引き穴は、スライドパイプを介してパリソン吸引
板の真空引き穴と連通され、前記圧着シール金型の内部
には冷却水穴が設けられていることを特徴とする。前記
圧着シール部と冷却ブロックは分割されていてもよい。
【0020】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明
する。
【0021】なお、本発明による金型が適用される同時
充填成形機および成形品クランプ装置は、従来の技術の
欄で述べたものと同様なのでその説明を省略する。
【0022】図1は金型の型開直前の状態を示す縦断面
図であり、図2は金型の充填直前の状態を示す縦断面図
であり、図3は図2の右半上面図である。
【0023】図2および図3に示すように、金型1は、
型取付板29に取り付けられている両金型本体2と、こ
の金型本体2の上部に摺動自在に設けられている両圧着
シール金型3と、型取付板29の上部に取り付けられ圧
着シール金型3の上面を押圧するパリソン吸引板4とか
ら構成されている。
【0024】前記金型本体2は、通気部材としての多孔
質材、例えばステンレスの焼結金属あるいはセラミック
で製作され、両金型本体2の対向面には、キャビティ5
が形成されている。前記金型本体2には、キャビティ5
を包囲して、キャビティ5からエアーを真空吸引するた
めの吸引ジャケットまたは吸引孔などのエアー吸引通路
が形成され、吸引装置としての真空ポンプに接続されて
いる。
【0025】前記圧着シール金型3は、圧着シール部3
Aとその上部の冷却ブロック3Bとから構成されてい
る。前記冷却ブロック3Bの前面には、パリソン23の
上部を拡張するための真空引き穴3cが複数形成され、
前記圧着シール部3Aの前面には、成形品の端部を形成
する複数のキャビティ3bが形成されている。前記真空
引き穴3cは、マニホールド3dを介して中央部に形成
された吸引口3eと連通されている。なお、この吸引口
3eは、冷却ブロック3Bの背面にそれぞれ設けられた
スライドパイプ3fと連通されている。また、前記圧着
シール金型3の内部、特に真空引き穴3cとキャビティ
3bに対応する位置には水冷用穴3gがあけられてい
る。
【0026】前記パリソン吸引板4の前面の長手方向に
は、端部がR形状とされた前部溝4aが形成されてい
る。この前部溝4aの中央部の長手方向には、前部溝4
aよりも短い後部溝4bが形成され、この後部溝4bに
前記圧着シール金型3の冷却ブロック3Bが前後動可能
に嵌め合わされている。前部溝4aの表面には、真空引
き穴4cが複数あけられ、この穴4cはパリソン吸引板
4の両側部に設けられている吸引口4dと連通されい
る。前記パリソン吸引板4の後部溝4bの中央部には、
前記圧着シール金型3の冷却ブロック3Bに設けたスラ
イドパイプ3fと対応した位置に真空引き穴4eが形成
され、この穴4eに、前記スライドパイプ3fが前後動
可能に真空シールを4g介して嵌合されている。前記真
空引き穴4eは、側部に形成された吸引口4fと連通さ
れている。
【0027】前記パリソン吸引板4の前部溝4aの底面
と圧着シール金型3の前面は、通常は、同一面上にあ
る。また、パリソン吸引板4の上部表面と、圧着シール
金型3の上部表面は、同一表面上にある。なお、パリソ
ン吸引板4と圧着シール型3の圧着シール部3Aの長手
方向の寸法は同一とされている。
【0028】次に、上述した金型を用いた同時充填中空
成形機による成形品の製造方法について説明する。
【0029】図5に示すように、金型1が閉じてパリソ
ン23が金型1内に保持されると、パリソン23の上部
がパリソン切断装置24によって切断される。
【0030】次に、図2および図3に示すように金型1
が充填位置Bに移動して、パリソン23の上部がパリソ
ン吸引板4に真空吸引されると共に、金型1内のパリソ
ン23がキャビティ面5aに真空吸引され、冷却されて
所定形状の樹脂容器が成形される。続いて、樹脂容器の
上方より液体充填ノズル25が挿入され、容器内に液体
が充填される。
【0031】次に、図1に示すように充填ノズル25が
上方に引き上げられると共に、冷却された圧着シール金
型3が閉じて、樹脂容器の端部が融着シールされると共
に、上バリE1が冷却される。なお、圧着シール金型3
は、図示しない油圧シリンダなどのシリンダで前後動さ
れる。圧着シール金型3が前後動しても、圧着シール金
型3の吸引口3eとパリソン吸引板4の真空引き穴4e
は、前記スライドパイプ3fによって連通している。
【0032】このようにして、図4に示すように、クラ
ンプ金具14による冷却部E1a、圧着シール金型3の冷
却ブロック3Bによる冷却部E1b、圧着シール部3Aに
よる冷却部E1cが途切れることなく形成された上バリE
1を有する多連包の充填成形品Dが成形される。次に、
金型1の上方に設けられているクランプ装置11の一対
のクランプ金具14が互いに近接するように移動し上バ
リE1が保持されると、圧着シール金型3と金型1が開
かれて成形品Dが取り出される。
【0033】次に、クランプ金具14に保持されている
成形品Dの外周位置に、バリ取り装置31がきてバリ付
き成形品Dが保持されると、両クランプ金具14が開か
れる。次に、バリ取り装置31が成形品排出位置Cに移
動して、成形品Dの周囲のバリEが押し切られ、成形品
DとバリEが落下して機外に搬送される。
【0034】上述した実施例においては、圧着シール金
型3Aと冷却ブロック3Bは一体としているが、別体と
してもよい。このようにすると、バリEの厚さに合わせ
て圧着シール金型3Aと冷却ブロック3Bを前後に調整
することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ため、次ぎのような効果を得ることができる。すなわ
ち、同時充填中空成形機で製造されたバリ付き成形品の
上部バリを金型の圧着シール金型で冷却し、その上部バ
リをクランプ金具で保持して成形品をバリ取り装置へ受
け渡すので、上部バリの伸びが防止され、バリ取り装置
におけるバリ取りの際のパンチング刃による成形品の損
傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による金型の型開直前の状態を示す縦断
面図である。
【図2】本発明による金型の充填直前の状態を示す縦断
面図である。
【図3】図2の右半上面図である。
【図4】6連包のバリ付き成形品Dの外形図であり、図
4(a)は正面図、図4(b)は側面図である。
【図5】同時充填中空成形機の全体構成図である。
【図6】成形品クランプ装置の全体構成図である。図6
(a)は金型内の成形品の上部がクランプされていない
状態、図6(b)は成形品の上部がクランプされ、型開
された状態を示す図である。
【図7】従来の3連包のバリ付き成形品Dの外形図であ
り、図7(a)は正面図、図7(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 金型 2 金型本体 3 圧着シール金型 3A 圧着シール部 3B 冷却ブロック 3f スライドパイプ 3g 冷却水穴 4 パリソン吸引板 4a 前部溝 4b 後部溝 5 キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 49/00 - 49/80 B29C 33/44 - 33/54

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型本体(2)と、該金型本体(2)の
    上部に摺動自在に設けられ、圧着シール部(3A)とそ
    の上部に設けられた冷却ブロック(3B)とからなる圧
    着シール金型(3)と、前記パリソン(23)の上部を
    吸引して拡張するパリソン吸引板(4)とから構成さ
    れ、前記圧着シール金型(3)の冷却ブロック(3B)
    の前面には、パリソン(23)の上部を真空吸引する真
    空引き穴(3c)が設けられ、該真空引き穴(3c)
    は、スライドパイプ(3f)を介してパリソン吸引板
    (4)の真空引き穴(4e)と連通され、前記圧着シー
    ル金型(3)の内部には前記圧着シール部(3A)と前
    記冷却ブロック(3B)とを冷却する冷却水が通る冷却
    水穴(3g)が設けられている金型(1)内に保持され
    たパリソン(23)を、冷却された金型本体(2)内で
    真空吸引して拡張し、パリソン(23)内に充填液を充
    填した後、圧着シール金型(3)を閉じて、得られる上
    部バリ(E1)を圧着シール金型(3)の前記圧着シー
    ル部(3A)と前記冷却ブロック(3B)とによって冷
    却し、該上部バリ(E1)をクランプ金具(14)で保
    持してバリ付き成形品(D)をバリ取り装置(31)へ
    受け渡すことを特徴とする同時充填中空成形機による成
    形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 金型(1)内に保持されたパリソン(2
    3)を、真空吸引して拡張し、パリソン(23)内に充
    填液を充填した後、パリソン(23)の上部をシールし
    てバリ付き成形品(D)を成形し、得られる上部バリ
    (E1)をクランプ金具(14)で保持してバリ付き成
    形品(D)をバリ取り装置(31)へ受け渡す同時充填
    中空成形機に使用される金型(1)であって、 前記金型(1)は、金型本体(2)と、該金型本体
    (2)の上部に摺動自在に設けられ、圧着シール部(3
    A)とその上部の冷却ブロック(3B)とからなる圧着
    シール金型(3)と、前記パリソン(23)の上部を吸
    引して拡張するパリソン吸引板(4)とから構成され、 前記圧着シール金型(3)の冷却ブロック(3B)の前
    面には、パリソン(23)の上部を真空吸引する真空引
    き穴(3c)が設けられ、該真空引き穴(3c)は、ス
    ライドパイプ(3f)を介してパリソン吸引板(4)の
    真空引き穴(4e)と連通され、前記圧着シール金型
    (3)の内部には冷却水穴(3g)が設けられているこ
    とを特徴とする同時充填中空成形機に使用される金型。
  3. 【請求項3】 前記圧着シール部(3A)と前記冷却ブ
    ロック(3B)とが互いに別体として構成されている
    とを特徴とする請求項2記載の同時充填中空成形機に使
    用される金型。
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