JP3314422B2 - 電子顕微鏡用試料ホルダ - Google Patents
電子顕微鏡用試料ホルダInfo
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Description
ダに係わり、特に、加熱及び冷却されても試料の変動量
が極めて小さい電子顕微鏡用試料ホルダに関する。
種々の測定(たとえば、特性X線による元素分析)を行
う場合、試料を室温に保つ以外に、試料の汚染を防いだ
り、相変化を起こさせたりするために、加熱や冷却状態
で観察,測定することが一般的に行われている。
熱による膨張又は収縮により、試料位置が変化し、精密
な観察,測定が難しくなる。このため、従来の試料ホル
ダとしては、以下のようなものがある。
料で形成し、これらの熱膨張の方向を逆にして、全体と
して熱膨張分をキャンセルするような構造とするもの
(USP3,896,314号公報,USP4,703,181号公報)である。
この場合、温度が変化すると、それぞれの材料は熱膨張
係数と長さに比例した分だけ膨張,収縮するが、試料位
置は変化しないため、精密な観察,測定がおこなえると
している。
による熱膨張分をセンサにより検出し、それに相当する
分だけ試料台を微動させ、最終的に試料位置を一定に保
ち、精密な観察,測定を行うとするもの(特開平1−197
952号公報)である。
広い範囲に渡る均一な温度分布を仮定しており、熱伝導
についての検討がなされていない。実際には、試料ホル
ダの温度分布は種々の型で変化しており、これが試料位
置を一定に保つための誤差の原因となっている。従来の
第二の例では、試料位置のづれそのものを検出している
わけでなく、これが試料位置を一定に保てない原因とな
っている。
特に試料ホルダ軸と直角方向の傾斜軸の回りの精密な回
転については何ら考慮がされていない。
料ホルダにおいて、平行移動と回転駆動とを伴う試料位
置を一定に保つことが難しいという問題点があった。
いて、試料位置を高精度に制御する(0.02〜0.10
nm/sec)ことを可能とさせ、最終的には、電子顕微
鏡による高精度の観察,測定を実現することを目的とし
ている。
料ホルダは、外枠内に試料台を設置したものであって、
前記試料台を形成する材料の熱伝導率を前記外枠を形成
する材料の熱伝導率よりも大きくすることを特徴とし
た。
が、5.0×10-7〜1.2×10-5/Kであることが好
ましい。また、前記試料台をチタン又はステンレスで、
前記外枠をサイアロン,コージェライト又はチタンで形
成することが好ましい。
は、外枠内と、外枠内に設置される試料台と、試料台を
傾斜させる傾斜用軸とを有するものであって、試料台を
形成する材料の熱伝導率が外枠を形成する材料の熱伝導
率よりも大きく、傾斜用軸を形成する材料の熱膨張係数
が5.0×10-7〜1.2×10-5であることを特徴とす
る。
は、試料台上に配置した試料を平面移動及び回転駆動さ
せるものであって、試料台の角度を制御するロッドと試
料台とが、ねじれ面で接触していることを特徴とする。
は、試料台と、試料台の角度を制御するロッド及び抑え
バネとを有するものであって、試料台が、試料を乗せる
台とヒータとの2層構造を有し、ロッド及び抑えバネ
が、ヒータの電力供給線の役割を兼用することを特徴と
する。こうして、電力供給線を減らすことにより、傾斜
角度を高精度に制御することができる。
との積層構造であることが好ましい。
は、試料ホルダが、高温部及び低温部から構成され、高
温部側が断熱材料で、低温部側が低熱膨張材料で形成さ
れる継手構造を有することを特徴とする。
は、試料台を有するものであって、試料台の内側を形成
する材料の熱伝導率が、試料台の外側を形成する材料の
熱伝導率よりも大きいことを特徴とする。
は、外枠内に試料台を設置し、試料台を加熱して使用す
るものであって、試料ホルダの使用時には、試料台と外
枠との温度勾配が急峻であることを特徴とする。
は、試料位置が変動するものであって、試料位置の変動
量が0.02〜0.10nm/secであることを特徴とす
る。
微鏡用試料ホルダを搭載した電子顕微鏡がある。
は、試料を試料台に載せて試料に電子ビームを照射し、
試料の状態を観測するためのものであって、試料台上の
試料を所定の温度に加熱するための加熱ヒータを試料台
の下側に設け、試料台の角度を制御するためのロッドと
試料台を支持する抑えバネとを設け、ロッドが、ロッド
と試料台との接触面を上下方向に一定となる形状を有
し、ロッドと抑えバネとを介して加熱ヒータに電力を供
給することを特徴とする。
電子ビームを発生する電子銃と、電子ビームを所定の量
で、所定の範囲に照射するための光学系と、電子ビーム
を照射して、観測するための試料を載せる試料ホルダ
と、試料ホルダの試料の状態を観測するための光学系及
び操作装置とを有する透過型のものであって、試料ホル
ダは、外枠内に試料台を設置した構造を有し、試料台を
形成する材料の熱伝導率を外枠を形成する材料の熱伝導
率よりも大きくし、かつ、試料台は、下部にヒータを備
え、ヒータは、試料台を保持する抑えバネと試料ホルダ
の傾斜を調整するロッドとから電力が供給される構成を
有することを特徴とする。
ダは、試料ホルダと軸受ロッドとを有するものであっ
て、軸受ロッドを形成する材料の熱伝導率が、試料ホル
ダの本体を形成する材料の熱伝導率よりも小さいことを
特徴とする。
20W/mKであることが好ましい。
ダは、試料を支持する試料ホルダと試料の位置を微動制
御する軸受ロッドとを有するものであって、試料ホルダ
が燐青銅からなり、軸受ロッドがSUS304からなることを
特徴とする。
ダは、試料を加熱するヒータを試料を支持する試料台の
下側に形成してなるものであって、ヒータが、高抵抗金
属を板状の絶縁体の上に蒸着又は焼結した板状ヒータで
あることを特徴とする。
ダは、試料を加熱し、絶縁体上に形成されたヒータを有
するものであって、ヒータは、板状の絶縁体に形成され
る溝の中に高抵抗金属を埋め込んだ構造、又は板状の絶
縁体で高抵抗金属を挟み込んだ構造を有する板状ヒータ
であることを特徴とする。
ダは、熱電対が試料台に接触する構造を有するものであ
って、熱電対が、弾性力のあるリード部の先端に設置さ
れていることを特徴とする。
微鏡用試料ホルダを搭載した電子顕微鏡がある。
位置を高い精度で制御する必要がある。更に、様々な測
定,観測においては試料を動かす必要もある。本発明の
電子顕微鏡用試料ホルダはこうした動きも高精度で行う
ことも可能である。平面移動に関しては、X−Y平面内
の移動であり、回転駆動に関しては、X−Y軸に関する
回転であり、±15°程度の角度で制御される。つま
り、本発明の電子顕微鏡用試料ホルダは、試料を二軸の
回りに回転することが可能な加熱二軸傾斜試料ホルダで
ある。
過型電子顕微鏡に関するものであり、電子ビームを直径
1nmの領域まで絞ることが可能なものに適用できる。
こうした電子顕微鏡は、微小領域の種々の分析ができ、
特に、本発明では、試料位置のドリフト量を0.1nm
以下とすることができる。本発明は、従来技術の問題点
を解消し、高精度に制御したいという要求を満たすもの
である。
料台部分を熱良導体で構成し、試料台の外枠を断熱体で
構成したものである。また、試料台と試料台傾斜用ロッ
ドとをねじれ面で接触させる構造としたものである。さ
らに、試料台傾斜用ロッドに加熱用電力供給線を兼用さ
せたものである。
成し、試料ホルダをTEM側から支持し、試料ホルダを
微動させるための軸受ロッドを試料ホルダを構成する材
料よりも熱伝導率が低い材料で構成したものである。ま
た、試料温度の測定のため弾性力で試料台に接触する熱
電対を取り付けたものである。
ため、温度分布が均一になる。また、外枠部分は断熱材
料を用いているため、試料台部分に比べ、温度上昇が抑
えられている。従って、試料台部分で温度ドリフトが生
じても、外枠(ホルダ部分)の温度ドリフトはきわめて
小さい。こうしたことから、試料部の水平位置、及び試
料台の傾斜角に与える影響もきわめて小さく、電子顕微
鏡による精密な観察,測定が可能となる。
じれ面で接触させることによって、熱膨張によりロッド
の長さが変化する方向と接触面とが常に平行に保たれて
いる。このため、熱膨張によりロッドの長さが変化して
も、傾斜角は常に一定に保たれる。
ドと抑え用バネを通して行う構成としたため、傾斜台と
外枠とはロッド,バネ,サファイアピボットのみで接触
させることができる。このため、試料台から外枠への熱
伝導を極力抑えて、外枠の熱ドリフトを最小限にでき
る。
動装置の軸受ロッドを試料ホルダの材料より熱伝導率が
低い材料で構成したときの作用について説明する。試料
ホルダは、軸受ロッドでTEM本体に支えられており、
軸受ロッドの熱膨張はそのまま試料位置の変動となる。
ダは横方向に移動できるため、試料位置の変動にはほと
んど影響しない。試料ホルダの熱伝導率は、試料ホルダ
及び軸受ロッド全体の熱平衡到達時間を決めており、熱
平衡到達後は軸受ロッドの微小な温度変動が、試料位置
のドリフト量を決めている。
合、試料ホルダは短時間で熱平衡状態に到達する。従っ
て、軸受ロッドの温度も短時間で熱平衡状態に到達す
る。
合、試料ホルダとの接触部からの温度勾配が急峻になり
軸受ロッドの温度は全体に下がる。従って、温度変動量
の絶対値が小さくなり、位置のドリフトを低減できる。
いて説明する。従来は、試料台に直接配線を接続して電
力を供給し、熱電対の熱起電力を測定していたが、本発
明の場合では、配線が邪魔になることがなく、高精度な
傾斜が実現できるようになった。また、配線を使用した
試料ホルダは、傾斜を原因とする金属疲労により配線の
断線を生ずるが、本発明では、試料ホルダの寿命が長く
なり、従来からの寿命が短いという問題も解消した。
る。
たときの試料駆動部の全体構成を示す断面図である。試
料ホルダ8を電子顕微鏡の鏡体13内に挿入すると、連
結棒(軸受ロッド)9を介して微動装置と接触して止ま
る。微動装置は、微動軸10,テコ11,ネジ棒12な
どから構成されている。図1のように試料ホルダ8の試
料台部分の外枠5に電子線14が通過して試料の形状等
を計測するシステムとなっている。
平面図を図2に示す。
は試料台の傾斜を調整するロッド、4は試料台を外枠5
から支持するピボット、6は試料台の上下変動を抑える
ための抑えバネ、7は試料台とロッドとの接触面であ
る。
(SiC)製である。シリコンカーバイドは、熱伝導率が
大きく(62.9W/MK)、試料の温度分布は均一にな
る。
り、熱伝導率はシリコンカーバイドに比べ約1/30と
小さく(1.7W/MK)、試料台1から外枠5への熱伝
導は低く抑えられる。その結果、試料2を200℃に加
熱する場合、試料2の温度ドリフトは約±1℃である
が、外枠5自体の温度は約110℃までの上昇に留ま
り、温度ドリフトは約±0.02℃以下に抑えられる。
このため、熱膨張による水平方向の位置の変動はほとん
ど無視できる。
導体で、試料台1の外枠5を断熱体で構成したときにつ
いて説明する。
5と同じ材料(アルミナ)を用いた場合の試料ホルダの
温度分布を示したものである。
め、試料の温度分布に不均一が生じている。アルミナは
外枠としては熱伝導率が大きすぎるため、外枠5全体が
高温に加熱されており、従って、試料部と同程度の温度
ドリフトが生じる。この温度ドリフトは試料部の水平位
置、及び試料台1の傾斜角に影響を与え、電子顕微鏡に
よる精密な観察,測定を難しくしていた。
ホルダの温度分布を示したものである。
ーバイドSiC又はチタン)を用いているため、温度分
布は均一になっている。外枠5の部分は断熱材料(コー
ジェライト又はサイアロン)を用いているため、試料台
1の部分に比べ、温度上昇が抑えられている。従って、
試料台1の部分で温度ドリフトが生じても、外枠(ホル
ダ部分)の温度ドリフトはきわめて小さい。従って、試
料部の水平位置、及び試料台の傾斜角に与える影響もき
わめて小さく、電子顕微鏡による精密な観察,測定が可
能となった。表1に従来例と本発明の実施例における熱
伝導率を示す。
れ面で接触させたときについて説明する。図2は試料台
部分の平面図であったが、図4はロッドとの接触面を斜
めから見たときの概略斜視図である。
るが、D,E点は上がり、C,F点は下がっている。全
体として、CEFD面はねじれ面(くら型)である。ロ
ッドが上下駆動して、傾斜軸の回りに傾斜台を回転させ
る際、ロッドは、同時に、このねじれ面上を左右に動
く。傾斜台が水平のとき、ロッドはA−B上にあり、熱
膨張でロッドの長さが変化しても、この長さの変化方向
と接触面は平行であるため、傾斜角は変化しない(図5
(b))。ロッドは上下して、傾斜角を±15°以内の
制御できる。ロッドが上り、かつ左に動いた場合(図5
(a))、ロッドはC´−D´上にあり、ロッドが下り、
かつ右に動いた場合(図5(c))、ロッドはE´−F´
上にある。
合以外は、熱膨張によるロッドの長さ変化が傾斜角の変
化となって現れてしまうが、本発明では、接触面がねじ
れ面であるため、熱膨張によりロッドの長さが変化する
方向と接触面とが常に平行に保たれている。このため、
熱膨張によりロッドの長さが変化しても、傾斜角は常に
一定に保たれる。
mm動くことにより、上下に±15°の傾斜が可能であ
る。ロッドは上下に±1mm動く際、同時に、左右に±
1.4mm動く。C−D線,E−F線は上下に±15°傾
いている。
て述べる。
50を配線し(ロッド部を導電性物質で形成し、外側を
絶縁物質で被覆し、試料台と接触する先端部分を絶縁物
質で被覆しないで試料台に通電する構成でもよい)、バ
ネの一端まで給電線51を配線する(バネの端部に限ら
ずバネ支持部材まで配線し通電する構成でも良い)構造
とし、試料台1に設けたヒータに給電する構造である。
ドとバネに外枠5の外側から配線することも可能であ
る。
1.15Aである。温度制御は、電圧−時間制御方式に
よって行われる。傾斜台と外枠は、ロッド,バネ,サフ
ァイアピボットのみで接触しているため、熱伝導を極力
抑えることができる。
台を金属板15とセラミックヒータ16との積層構造と
したものであり、図6の構成とすることにより均一な温
度分布が実現できる。セラミックヒータは板状のヒータ
を使用した。
だ透過型電子顕微鏡の全体構成図である。図7のように
電子ビームを発生する電子銃18と、ガンバルブ19,
収束レンズ部21と前記収束レンズ用絞り20とが、試
料ホルダ部22の上側に配置され、試料ホルダ部22の
下側には対物レンズ部31,制限視野用絞り30,結像
レンズ部23,観察室29,カメラ室27等が配置され
ている。この他、ルーペ25やモニタ装置33にて試料
の状態を観察し、試料移動用つまみ24を操作して試料
観察位置を調整したり、左右に設置された操作盤26,
28やコントローラ32によって試料位置の調整や撮影
等を行なうことができるものである。
を用いて実際に試料を観測した。試料として多結晶シリ
コン材料を用い、イオンミリング法により薄片化した。
試料を電子顕微鏡内に挿入した後、試料台ヒータに供給
する電流を徐々に増加していき、試料を200℃まで加
熱する。電子の加速電圧は200kV、10〜100万
倍の倍率で観察した。図1に示すねじ棒12を回転する
ことにより、微動軸10を動かして水平面の一方向(X
軸)の観測位置を決める。水平面の他の方向(Y軸)の
観測位置は、図1の試料ホルダ近傍のねじ棒を回転さ
せ、X方向と同様にして位置を決める。多結晶シリコン
は、種々の傾斜角で格子像が明確に現れる。試料を20
0℃に加熱し、電子ビームを2nmに絞り、各領域から
得られる特性X線を分析した。その結果、不純物原子で
あるリン(P)が結晶粒界に偏析している様子が観測さ
れた。
顕微鏡に挿入すると、微動装置の軸受ロッド10と接触
して止まる。微動装置は、微動軸10,テコ11,ねじ
棒12,軸受ロッド9などから構成されている。試料ホ
ルダ8を本実施例では燐青銅製とした。燐青銅は熱伝導
率が大きく(62.9W/mK)、試料の温度分布は均一
になる。
り、熱伝導率は小さい(15.1W/mK)。
であっても、従来の材料に比較して本発明を適用したと
きは、試料のドリフトは3時間後に±0.1nmsec以下
になった。以上の結果をまとめて、本実施例と従来例と
を比較して表2に示す。
導率を示したが、このときの従来例と本実施例における
ドリフト量の時間変化を図8に示す。図8中、(a)は
従来例1を示し、従来例1では試料ホルダに低熱伝導材
料を用いているため、いつまでも試料ホルダが熱平衡状
態に到達しない。図8中、(b)は従来例2を示し、従
来例2ではホルダに高熱伝導材料を用いているため、短
時間で熱平衡に到達するが、軸受ロッドも高熱伝導材料
を用いているため温度が高く、ドリフトが大である。図
8中、(c)は本実施例を示し、本実施例では試料ホル
ダに高熱伝導材料、軸受ロッドに低熱伝導材料を用いて
いるため、短時間で熱平衡に達し、かつ、熱平衡後のド
リフトは小さいことがわかった。
は1.5 時間後に±0.1nm/sec以下になった。ま
た、本実施例における傾斜台ヒータ用の電力供給線につ
いて図9によって説明する。一つは弾性力で接触するリ
ード部98及び傾斜軸96を通して電力を供給する構造
である。電流はリード部98から試料台91のヒータへ
流れ込み、傾斜軸96を通して外に流れ出る構造である
(図9(a))。
力を供給する構造である。電流はロッド93から試料台
91のヒータへ流れこみ、ばね95を通して外に流れ出
る構造である(図9(b))。ヒータへの印加電圧は
2.0V、電流は0.25Aである。温度制御は、電流−
時間制御方式によっている。この構造のときは図10に
示すように導電性のばねの先端に熱電対99を付け、試
料台の温度を測定することができる。試料台を金属板と
薄膜ヒータとの積層構造とすることができ、均一な温度
分布が実現できる。
金層,セラミックヒータ,金属の三層構造である。
4はピボット、97は外枠をそれぞれ示す。
いた実際の観察,測定について述べる。試料として原子
力材料のSUS316L を用い、TEMポールを用いて薄片化
した。試料を電子顕微鏡内に挿入した後、試料台ヒータ
に供給する電流を徐々に増加していき、試料を200℃
まで加熱する。電子の加速電圧は200kV、10〜1
00万倍の倍率で観察した。ねじ棒を回転することによ
り、微動軸を動かして水平面の一方向(x軸)の観察位
置を決める。水平面の他の方向(y軸)の観察位置は、
試料ホルダ近傍のねじ棒を回転させ、同様にして決め
る。そのようにして格子像を撮影した。
を断熱材料,低温部側を低熱膨張材料で形成し、継手構
造とするものがある。これは、試料ホルダの温度を試料
温度より下げるのに役立たった。
加熱型試料ホルダにおいて、試料位置と傾斜角度とを高
精度に制御することが可能となり、試料位置のドリフト
量を0.1nm/sec以下に抑えることができ、最終的に
は、電子顕微鏡による高精度の観察と測定が実現でき
る。
駆動部の全体構成を示す断面図。
成図。
…外枠、6…抑えバネ、7…接触面、8…試料ホルダ、
9…連結棒、10…微動軸、11…テコ、12…ネジ
棒、13…鏡体、14…電子線通路、15…金属板、1
6…セラミックヒータ。
Claims (10)
- 【請求項1】外枠内に試料台を設置した電子顕微鏡用試
料ホルダであって、前記試料台を形成する材料の熱伝導
率を前記外枠を形成する材料の熱伝導率よりも大きくし
たことを特徴とする電子顕微鏡用試料ホルダ。 - 【請求項2】前記外枠を形成する材料の熱膨張係数が、
5.0×10-7〜1.2×10-5/Kであることを特徴と
する請求項1記載の電子顕微鏡用試料ホルダ。 - 【請求項3】前記試料台をチタン又はステンレスで、前
記外枠をサイアロン,コージェライト又はチタンで形成
したことを特徴とする請求項1記載の電子顕微鏡用試料
ホルダ。 - 【請求項4】外枠と、前記外枠内に設置される試料台
と、前記試料台を傾斜させる傾斜用軸とを有する電子顕
微鏡用試料ホルダであって、前記試料台を形成する材料
の熱伝導率が前記外枠を形成する材料の熱伝導率よりも
大きく、前記傾斜用軸を形成する材料の熱膨張係数が
5.0×10-7〜1.2×10-5/Kであることを特徴と
する電子顕微鏡用試料ホルダ。 - 【請求項5】外枠と、前記外枠内に設置され前記外枠と
異なる熱伝導率を有する試料台と、前記試料台の角度を
制御するロッドとを有する電子顕微鏡用試料ホルダであ
って、前記ロッドが接触する前記試料台の表面がねじれ
面を有することを特徴とする電子顕微鏡用試料ホルダ。 - 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電
子顕微鏡用試料ホルダにおいて、前記電子顕微鏡用試料
ホルダは、前記外枠と、前記外枠内に設置される試料台
と、前記試料台の角度を制御するロッドと、前記試料台
の上下変動を抑える抑えバネとを有し、前記試料台は、
試料を乗せる台とヒータとからなる積層構造であり、前
記ロッド及び前記抑えバネが、前記ヒータへの電力供給
線であることを特徴と する電子顕微鏡用試料ホルダ。 - 【請求項7】請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電
子顕微鏡用試料ホルダにおいて、前記試料ホルダの高温
部側は断熱材料で、前記高温部側より低い温度の低温部
側は低熱膨張材料で形成される継手構造を有することを
特徴とする電子顕微鏡用試料ホルダ。 - 【請求項8】請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電
子顕微鏡用試料ホルダにおいて、前記試料ホルダは試料
を支持する試料台の下側にヒータを有し、前記ヒータは
高抵抗金属を板状の絶縁体の上に蒸着又は焼結した形成
したものであることを特徴とする電子顕微鏡用試料ホル
ダ。 - 【請求項9】試料ホルダを電子顕微鏡の鏡体内に挿入し
たときに、試料ホルダが軸受ロッドを介して微動装置と
接触して止まるように構成されている電子顕微鏡であっ
て、前記軸受ロッドを形成する材料の熱伝導率が、前記
試料ホルダの本体を形成する材料の熱伝導率よりも小さ
いことを特徴とする電子顕微鏡。 - 【請求項10】請求項1〜8のいずれか1つに記載の電
子顕微鏡用試料ホルダを搭載した電子顕微鏡。
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