JP3312589B2 - 接着強度、耐食性及び耐ブロッキング性に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

接着強度、耐食性及び耐ブロッキング性に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、打ち抜き、剪断、
プレス加工等の加工後に加圧・加熱(加熱圧着)により
接着して用いられる接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にモーター、トランス等の電気機器
に利用される鉄芯は、渦電流損を低減するために表面に
絶縁皮膜が形成された電磁鋼板を、所定形状に打ち抜き
または剪断加工した後、積層し、次いで溶接、カシメま
たは接着剤により固着することにより製造されている。
【0003】しかし、溶接やカシメによる固着方法で
は、絶縁皮膜が破壊されて鉄芯が電気的に短絡すること
により渦電流損の増加を招いたり、機械的または熱的ひ
ずみにより磁気特性の劣化が生じやすいという欠点があ
る。また、接着剤による固着方法では、打ち抜きまたは
剪断加工した鋼板に一枚毎に接着剤を塗布する必要があ
り、この作業に多大の時間と労力を要し、作業効率が劣
るという問題がある。
【0004】このような従来技術に対して、加圧・加熱
(加熱圧着)によって接着作用が得られる接着型絶縁皮
膜を予め電磁鋼板の表面に形成することで、上記接着剤
の塗布工程を省略できるようにした接着鉄芯用電磁鋼板
が知られており、従来、これに関して以下のような技術
が提案されている。 (1) 特許第2574698号公報には、ガラス転移点が
60℃以上の熱可塑性アクリル樹脂エマルジョン
(A)、エポキシ樹脂エマルジョン(B)、アミン系エ
ポキシ樹脂硬化剤及び特定の成膜助剤を主成分とし、成
分(A)と成分(B)の樹脂固形分重量比が(A)/
(B)=70/30〜95/5である水系接着型絶縁被
覆組成物を鋼板表面に塗布し、乾燥させた接着鉄芯用電
磁鋼板が示されている。
【0005】(2) 特開平7−268307号公報には、
ガラス転移点が80℃以上の熱可塑性樹脂エマルジョ
ン、エポキシ樹脂エマルジョン及び水性フェノール樹脂
からなる高温接着強度に優れた水系熱接着型被覆組成物
が示されている。 (3) 特許第2529053号公報には、モノマー中に窒
素原子及び硫黄原子を含有しないアクリル系樹脂エマル
ジョンとエポキシ樹脂エマルジョン、及びエポキシ樹脂
と反応する酸無水物系エポキシ硬化剤あるいはメチロー
ル基含有初期縮合物を主成分とする混合液を鋼板面に塗
布し乾燥させることを特徴とする、塗布乾燥時やアルミ
ダイキャスト時に臭気の少ない接着用表面被覆電磁鋼板
の製造方法が示されている。
【0006】(4) 特許第2613725号公報には、鋼
板表面に予め潜在性硬化剤を配合したアクリル変性エポ
キシ樹脂エマルジョン(エポキシ樹脂に潜在性硬化剤を
配合した後、アクリル樹脂と反応させてエポキシ樹脂と
潜在性硬化剤の周囲を被覆した後、エマルジョン化した
もの)を主成分とする混合液を塗布し、不完全状態に焼
き付けることを特徴とする、塗料安定性に優れ、塗布乾
燥時の臭気の少ない接着用表面被覆電磁鋼板の製造方法
が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
技術により得られる接着鉄芯用表面被覆電磁鋼板には、
以下のような問題がある。上記(1)の接着鉄芯用電磁鋼
板は皮膜中のベース樹脂の70%以上が熱可塑性樹脂か
らなるため、常温での接着強度はある程度得られるもの
の、高温環境下では熱可塑性樹脂の軟化が生じ、十分な
レベルの接着強度が得られない。
【0008】上記(2)の水系熱接着型被覆組成物により
得られる接着型絶縁皮膜は、10μm(乾燥膜厚)程度
の比較的厚い膜厚の場合には十分な接着強度が得られる
が、5〜6μm(乾燥膜厚)若しくはそれ以下の比較的
薄い膜厚の場合には、十分な接着強度が得られない。
【0009】上記(3)の製造方法により得られる表面被
覆電磁鋼板は、塗布乾燥時やアルミダイキャスト時にお
ける臭気の発生は改善されるものの、高温環境下におけ
る十分なレベルの接着強度が得られない。上記(4)の表
面被覆電磁鋼板は、常温での接着強度及び長期保存後の
接着強度には優れるが、高温環境下での接着強度には劣
っている。
【0010】したがって本発明の目的は、このような従
来技術の課題を解決し、鉄芯材料として加熱圧着された
後に、常温はもとより150℃程度の高温環境下でも十
分な接着強度を有し、さらに接着鉄芯用電磁鋼板として
の耐ブロッキング性及び耐食性にも優れた接着鉄芯用電
磁鋼板の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、接着鉄芯
用電磁鋼板の皮膜構成及びその製造条件と常温及び高温
環境下での接着強度、耐食性、耐ブロッキング性等との
関係について鋭意検討を重ね、その結果、以下のような
知見を得た。
【0012】1) 塗料組成物を構成するベース樹脂の主
成分として水系エポキシ系樹脂を使用することにより、
常温及び高温環境下での良好な接着強度を得ることがで
きるが、特に、塗料組成物中でのベース樹脂の形態が接
着鉄芯用電磁鋼板の性能に大きな影響を及ぼし、塗料組
成物中でのエポキシ系樹脂の平均粒子径を0.05〜2
μmとすることにより、特に優れた接着強度と良好な耐
食性及び耐ブロッキング性が得られることが判った。
【0013】2) 硬化剤としては、高温環境下での優れ
た接着強度を得るという観点からレゾール型フェノール
樹脂が好適であるが、このレゾール型フェノール樹脂中
の未反応フェノール化合物及びモノメチロール化フェノ
ール化合物の含有量が接着強度及び耐食性に極めて大き
な影響を及ぼし、これらの含有量が10重量%を上回る
と上記性能を劣化させることが判った。また、上記成分
を可能な限り低減させるための方法について検討を行っ
た結果、塩基性触媒の存在下でビスフェノール化合物と
ホルムアルデヒドとを特定の割合で且つ特定の反応条件
下で反応させることにより、レゾール型フェノール樹脂
全成分中にジメチロール化体以上のメチロール化体成分
が90重量%以上、好ましくは95重量%以上含有する
組成物が得られることが判った。さらに、このようなレ
ゾール型フェノール樹脂と潜在性硬化剤を複合添加する
ことにより、高温環境下での接着強度がより一層向上す
ることも判った。
【0014】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は以下の通りである。 [1] 樹脂成分として、平均粒子径が0.05〜2μmの
エポキシ系樹脂100重量部(固形分)に対して、全成
分中にジメチロール化体以上のメチロール化体成分を9
0重量%以上含有するレゾール型フェノール樹脂を含む
硬化剤が1〜40重量部(固形分)の割合で配合された
水系塗料組成物を、電磁鋼板の少なくとも片面に乾燥膜
厚で1.0〜12μmになるように塗布し、到達板温で
100〜300℃になるように焼き付けることを特徴と
する接着強度、耐食性及び耐ブロッキング性に優れた接
着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
【0015】[2] 樹脂成分として、平均粒子径が0.0
5〜2μmのエポキシ系樹脂100重量部(固形分)に
対して、下記[i]に示すレゾール型フェノール樹脂を
含む硬化剤が1〜40重量部(固形分)の割合で配合さ
れた水系塗料組成物を、電磁鋼板の少なくとも片面に乾
燥膜厚で1.0〜12μmになるように塗布し、到達板
温で100〜300℃になるように焼き付けることを特
徴とする接着強度、耐食性及び耐ブロッキング性に優れ
た接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。 [i]ビスフェノール化合物1モルとホルムアルデヒド
4〜10モルを、または、ビスフェノール化合物1モル
に対して無置換1価フェノール、p−置換1価フェノー
ル、o−置換1価フェノールの中から選ばれる1種以上
の1価フェノールを合計で0.5モル以下の割合で混合
したフェノール類1モルとホルムアルデヒド4〜10モ
ルを、塩基性触媒の存在下、反応温度50〜65℃、反
応系内のpH8.0〜9.0で反応させて得られ、全成
分中にジメチロール化体以上のメチロール化体成分を9
0重量%以上含有するレゾール型フェノール樹脂
【0016】[3] 上記[2]の製造方法において、塗料組
成物中のレゾール型フェノール樹脂が、塩基性触媒とし
てアルカリ金属水酸化物を用いて製造されたフェノール
樹脂であることを特徴とする接着強度、耐食性及び耐ブ
ロッキング性に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。 [4] 上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法において、硬化
剤がレゾール型フェノール樹脂と潜在性硬化剤とからな
り、固形分の割合でレゾール型フェノール樹脂100重
量部に対する潜在性硬化剤の配合量が2〜200重量部
であることを特徴とする接着強度、耐食性及び耐ブロッ
キング性に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細をその限定理
由とともに説明する。本発明法による製造の対象は、加
圧・加熱(加熱圧着)することにより接着作用が得られ
る絶縁皮膜(接着型絶縁皮膜)を有する接着鉄芯用電磁
鋼板である。本発明において接着型絶縁皮膜を形成すべ
き基板となる鋼板は、モーターやトランス等の電気機器
に利用される鉄芯用の電磁鋼板である。このような電磁
鋼板としては、無方向性電磁鋼板または方向性電磁鋼板
が一般的であるが、これ以外にも軟鋼板、ステンレス鋼
板、その他の特殊鋼板等でもよく、基板となる鋼板は限
定されない。本発明の効果はこれらいずれの鋼板を基板
とした場合でも得ることができる。
【0018】また、基板となる電磁鋼板は、その表面に
予め亜鉛系めっきまたは他の金属めっき皮膜、化成処理
皮膜、無機系または無機−有機系の絶縁皮膜等の表面処
理の1種または2種以上を施したものでもよく、本発明
において電磁鋼板の表面とは、これら表面処理皮膜を有
する場合にはその最上層皮膜の表面をいうものとする。
【0019】本発明の製造方法では、上記の電磁鋼板の
表面に水系ベース樹脂と硬化剤を主成分とする水系塗料
組成物を塗布し、焼き付けることにより皮膜を形成する
が、前記水系ベース樹脂としては平均粒子径が0.05
〜2μmのエポキシ系樹脂を用いる。先ず、本発明者ら
が水系塗料組成物のベース樹脂となる各種水系樹脂と接
着強度との関係について検討した結果、水系塗料組成物
のベース樹脂としてはエポキシ系樹脂が最適であること
が判った。
【0020】後述する実施例の塗料組成物No.39、
No.40を用いた比較例に示されるように、水系塗料
組成物のベース樹脂としてアクリル樹脂やウレタン樹脂
を用いた場合には、常温での接着強度は得られるもの
の、高温環境下における十分な接着強度は得られない。
これは、アクリル樹脂は熱可塑性樹脂であるため高温で
皮膜の軟化が生じ、このために高温接着強度が劣ったも
のとなり、また、ウレタン樹脂は高温になるとウレタン
結合が解離しやすくなり、このため十分な高温接着強度
が得られなくなるからであると考えられる。
【0021】これに対して、エポキシ系樹脂及びその硬
化剤からなる皮膜は、常温および高温環境下ともに優れ
た接着強度を示す。これは、エポキシ系樹脂と硬化剤が
鉄芯製造時の加熱圧着により3次元架橋構造を形成し、
この架橋構造により高温環境下でも皮膜の軟化が生じに
くく、これによって優れた高温接着強度が得られるから
であると考えられる。
【0022】また、エポキシ系樹脂としては平均粒子径
が0.05〜2μmのものを使用する必要があり、これ
によって初めて接着強度、耐ブロッキング性および耐食
性のいずれにも優れた皮膜を得ることができる。すなわ
ち、塗料組成物中のエポキシ系樹脂粒子の平均粒子径が
2μmを超えても、また0.05μm未満でも、接着強
度、耐ブロッキング性及び耐食性の全てを満足させる皮
膜は得られない。また、これら特性をバランスよく得る
という観点からエポキシ系樹脂粒子のより好ましい平均
粒子径は0.05〜1μmであり、さらに平均粒子径を
0.1〜0.5μmとすることにより特に優れた接着強
度、耐ブロッキング性及び耐食性が得られる。
【0023】本発明で使用するエポキシ系樹脂は、常温
で液体または固体状であってモノマー中に2つ以上のエ
ポキシ基を有するエポキシ樹脂(例えば、ビスフェノー
ルA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、
ナフタレン型、フェノールノボラック型、オルソクレゾ
ールノボラック型、グリシジルエステル型、脂環型のエ
ポキシ樹脂)等を主体とするものである。
【0024】また、水系エポキシ樹脂の形態としては、
乳化剤の存在下で強制乳化を行って得られるエマルジョ
ン型エポキシ樹脂、多塩基酸とエポキシ樹脂を反応させ
た後、カルボキシル基の少なくとも一部を中和すること
により水性化した水溶解型エポキシ樹脂、アクリル樹脂
の保護コロイドを利用する水分散型エポキシ樹脂がある
が、本発明ではいずれの水系エポキシ樹脂も使用するこ
とができ、エポキシ系樹脂の平均粒子径が上記の範囲内
にある限り、これらの形態に拘りなく本発明の効果を得
ることができる。但し、特に厳しい耐食性が要求される
場合には、乳化剤を使用しない水分散型エポキシ系樹脂
を使用することが最も好ましい。
【0025】硬化剤としては、全成分中にジメチロール
化体以上のメチロール化体成分を90重量%以上含有す
るレゾール型フェノール樹脂を含むものを使用する。レ
ゾール型フェノール樹脂全成分中に含まれるジメチロー
ル化体以上のメチロール化体成分が90重量%未満で
は、本発明が目的とする優れた接着強度及び耐食性が得
られない。また、特に優れた性能を得るためには、全成
分中にジメチロール化体以上のメチロール化体成分を9
5重量%以上含有するレゾール型フェノール樹脂を使用
することが好ましい。
【0026】このようなレゾール型フェノール樹脂は、
ビスフェノール化合物1モルとホルムアルデヒド4〜1
0モルを、または、ビスフェノール化合物1モルに対し
て無置換1価フェノール、p−置換1価フェノール、o
−置換1価フェノールの中から選ばれる1種以上の1価
フェノールを合計で0.5モル以下の割合で混合したフ
ェノール類1モルとホルムアルデヒド4〜10モルを、
塩基性触媒の存在下、反応温度50〜60℃、反応系内
のpH8.0〜9.0で反応させることにより得ること
ができる。
【0027】上記レゾール型フェノール樹脂の製造に用
いられるフェノール化合物としては、例えば、ビスフェ
ノールA[すなわち、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン]、ビスフェノールF[すなわち、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン]、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,1−イソブタン等を挙げるこ
とができる。これらのうちビスフェノールAおよびビス
フェノールFが特に好適である。
【0028】上記フェノール化合物は単独で用いる場合
と、さらに次に挙げる他のフェノール類と併用して用い
る場合とがある。この併用して用いられる他のフェノー
ル類としては、石炭酸等の1価フェノール;p−クレゾ
ール、o−クレゾール、p−t−ブチルフェノール、p
−エチルフェノール、p−t−アミルフェノール、p−
ノニルフェノール、p−フェニルフェノール、p−シク
ロヘキシルフェノール等のオルトあるいはパラ置換1価
フェノール等が挙げられる。これらフェノール類は1種
または2種以上を混合して用いてもよい。
【0029】ビスフェノール化合物に対して上記の1価
フェノール類を混合して用いる場合の1価フェノール類
の混合割合としては、ビスフェノール化合物1モルに対
して合計で0.5モル以下、好ましくは0.15モル〜
0.3モル程度とするのがよい。ビスフェノール化合物
1モルに対する上記1価フェノール類の混合割合が0.
5モルを超えると、得られるフェノール樹脂成分中に未
反応体やモノメチロール化体が多く残り、これを硬化剤
として使用した場合、皮膜の接着性及び耐食性が著しく
損なわれる。
【0030】レゾール型フェノール樹脂は、上記のフェ
ノール化合物とホルムアルデヒドとを公知の塩基性触媒
の存在下で反応させることによって得ることができる。
この塩基性触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、
水酸化カルシウム等のアルカリ金属水酸化物類;リン酸
三ナトリウム等の塩基性塩類;トリエチルアミン等のア
ミン類等を用いることができるが、この中でもアルカリ
金属水酸化物類が特に好ましい。
【0031】本発明で使用するような、全成分中にジメ
チロール化体以上のメチロール化体成分を90重量%以
上含有するレゾール型フェノール樹脂を製造するために
は、フェノール化合物に対するホルムアルデヒドの配合
量と反応系のpHおよび温度が極めて重要である。すな
わち、ホルムアルデヒドの配合量は、フェノール化合物
1モル当たり4〜10モル、好ましくは6〜8モルの範
囲であって、且つフェノール化合物の理論官能基水素原
子に対してより過剰のホルムアルデヒドを使用すること
が必要である。
【0032】前記フェノール化合物1モルに対するホル
ムアルデヒドの配合量が4モル未満では、得られるレゾ
ール型フェノール樹脂成分中のジメチロール化体以上の
メチロール化体成分が少なく、目的とする皮膜性能を得
ることができない。一方、ホルムアルデヒドの配合量が
10モルを超えると未反応のホルムアルデヒドが過剰と
なるため、安全衛生上や臭気等の面で大きな問題を生じ
る。
【0033】また、反応系のpHはホルムアルデヒドが
フェノール化合物の官能性水素原子と反応するのに極め
て重要な因子である。レゾール型フェノール樹脂を製造
するには反応系のpHをアルカリ性側にする必要があ
り、本発明においてはpH8.0〜9.0、好ましくは
pH8.3〜8.8の範囲が適当である。反応系がpH
8.0未満では自己縮合反応が優先し、一方、pH9.
0を超えると反応系のアルカリ濃度が高くなるため反応
後に水洗洗浄する工数が増加し、生産性や廃液処理に多
大な問題が生じることになる。
【0034】さらに、反応温度は自己縮合反応を抑制す
るために50〜65℃、好ましくは55℃〜60℃とい
う比較的低温とすることが必要である。反応温度が50
℃未満ではメチロール化の反応時間が非常に長くなり、
生産性に大きな影響を与える。なお、以上のようにして
製造されるレゾール型フェノール樹脂は、それ自体公知
の手段により精製される。
【0035】硬化剤中におけるレゾール型フェノール樹
脂の割合は固形分割合で30重量%以上とすることが好
ましい。したがって、硬化剤中にはレゾール型フェノー
ル樹脂以外の硬化剤が一部含まれていてもよく、例え
ば、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリ
アミン、ポリアミドポリアミン、変性ポリアミン等のよ
うなポリアミン系硬化剤、一官能性酸無水物(無水フタ
ル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ
無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水
メチルナジック酸、無水クロレンディック酸等)、2官
能性酸無水物(無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(アン
ヒドロトリメート)、メチルシクロヘキセンテトラカル
ボン酸無水物等)、遊離酸酸無水物(無水トリメリット
酸、ポリアゼライン酸無水物等)等のような酸無水物系
硬化剤、ノボラック型フェノール樹脂、ユリア樹脂、メ
ラミン樹脂等のようなメチロール基含有初期縮合物、潜
在性硬化剤等が含まれていてもよい。
【0036】水系塗料組成物中での硬化剤の配合量は、
固形分の割合でエポキシ系樹脂100重量部に対して1
〜40重量部、好ましくは3〜25重量部とする。硬化
剤の配合量が1重量部未満では加熱圧着時に十分な硬化
が行われず、接着強度及び耐食性が劣る。一方、硬化剤
の配合量が40重量部を超えると塗料組成物が増粘した
り、造膜性が悪くなり、このため耐食性、接着強度が劣
る。
【0037】また、硬化剤として、上述したレゾール型
フェノール樹脂と潜在性硬化剤を特定の割合で複合添加
することにより、皮膜の接着強度はさらに向上する。す
なわち、硬化剤として上記レゾール型フェノール樹脂と
潜在性硬化剤を複合添加し、潜在性硬化剤の配合量を固
形分の割合でフェノール樹脂100重量部に対して2〜
200重量部、特に好ましくは3〜100重量部とする
ことにより、接着強度はさらに向上する。
【0038】上記レゾール型フェノール樹脂と潜在性硬
化剤を複合添加した場合の潜在性硬化剤の配合量の適正
範囲を調べるため、板厚0.5mmの電磁鋼板の表面に
エポキシ系樹脂(表1に記載のベース樹脂No.4):
100重量部(固形分)、レゾール型フェノール樹脂
(表2に記載のフェノール樹脂No.1):5重量部
(固形分)とし、レゾール型フェノール樹脂100重量
部(固形分)に対する潜在性硬化剤(日本エヌエヌシー
(株)製の“エポルジョンHA50”)の配合量(固形
分)を変えた水系塗料組成物を乾燥膜厚が5μmになる
ように塗布し、到達板温200℃で焼き付けることによ
り接着鉄芯用電磁鋼板を作成し、潜在性硬化剤の配合量
が高温接着強度(この高温接着強度は後述する実施例に
記載の評価法により評価した)に及ぼす影響を調べた。
【0039】その結果を図1に示す。同図によれば、レ
ゾールフェノール樹脂100重量部に対する潜在性硬化
剤の配合量が2重量部未満でも、また200重量部を超
えても、レゾール型フェノール樹脂と潜在性硬化剤の複
合添加による顕著な高温接着強度は得られていない。ま
た、特にフェノール樹脂100重量部に対する潜在性硬
化剤の配合量が3〜100重量部の範囲において最も優
れた高温接着強度が得られている。
【0040】本発明で使用する潜在性硬化剤としては、
ジシアンジアミド、メラミン、有機酸ジヒドラジド、ア
ミンイミド、ケチミン、第3アミン塩、イミダゾール
塩、3フッ化ホウ素アミン塩、マイクロカプセル型硬化
剤(硬化剤をカゼインなどで形成したマイクロカプセル
中に封入し、加熱・加圧によりマイクロカプセルを破
り、樹脂と硬化反応するもの)、モレキュラーシーブ型
硬化剤(吸着性化合物の表面に硬化剤を吸着させたもの
で、加熱により吸着分子を放出し、樹脂と硬化反応する
もの)等が挙げられる。
【0041】本発明で用いる塗料組成物は、上述した水
系のエポキシ系樹脂とエポキシ樹脂硬化剤を主成分とす
るものであるが、塗料組成物中にエポキシ系樹脂以外
に、一部他のベース樹脂成分が含まれることは妨げず、
例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
シリーコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のような合成樹脂、ナイロン、ポリスル
ファイド、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ポリビニ
ルホルマールのようなエラストマー等が、塗料組成物の
樹脂成分中の割合(固形分の割合)で35重量%以下含
まれてもよい。また樹脂成分以外に、シリカやアルミナ
等の酸化物微粒子、導電性物質、難溶性クロム酸塩等の
防錆添加剤、着色顔料(例えば、縮合多環系有機顔料、
フタロシアニン系有機顔料等)、着色染料(例えば、ア
ゾ系染料、アゾ系金属錯塩染料等)、成膜助剤、分散性
向上剤、消泡剤等の1種以上を配合することも可能であ
る。
【0042】本発明の製造法では、上記塗料組成物を電
磁鋼板の表面に塗布し、焼き付けることにより積層接着
用皮膜を形成するが、その皮膜厚は乾燥膜厚で1.0〜
12μmとする。皮膜厚が1.0μm未満では接着強度
が不十分であり、一方、皮膜厚が12μmを超えると接
着強度が飽和するだけでなく、占積率が低下するので好
ましくない。このような接着強度と占積率の観点からよ
り好ましい皮膜厚は3μm〜10μm、さらに好ましく
は5〜8μmである。塗料組成物を鋼板面に塗布する方
法は任意である。通常はロールコーター法により塗布す
るが、浸漬法やスプレー法により塗布した後に、エアー
ナイフ法やロール絞り法により塗布量を調整することも
可能である。
【0043】また、塗料組成物を塗布した後の焼付処理
は、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉等を用いて行
なうことができる。焼付温度は、到達板温で100〜3
00℃とする。到達板温が100℃未満では鉄芯製造の
ために加熱圧着する前の皮膜の硬化が不十分であるた
め、耐食性、耐ブロッキング性が劣る。一方、到達板温
が300℃を超えると加熱圧着前の皮膜の硬化が進みす
ぎ、加熱圧着時に皮膜が十分な軟化溶融を生じなくなる
ため皮膜どうしの界面が溶け合わず、その結果、接着強
度は劣ったものとなる。このような観点からより好まし
い焼付温度は130〜230℃であり、これにより特に
優れた接着強度、耐食性、耐ブロッキング性を得ること
ができる。
【0044】焼付処理時の昇温速度は特に限定されない
が、2〜80℃/sec程度が好ましい。昇温速度が2
℃/sec未満では鋼板の製造効率が悪いため好ましく
なく、一方、80℃/secを超えると塗膜にワキが生
じる恐れがあり、塗膜外観が劣化しやすい。
【0045】
【実施例】板厚0.5mmの電磁鋼板に塗料組成物をロ
ールコーターにより塗布した後、焼付処理して接着鉄芯
用電磁鋼板を製造し、得られた接着鉄芯用電磁鋼板の接
着強度、耐ブロッキング性、耐食性を評価した。塗料組
成物に使用したベース樹脂の組成を表1に、同じく硬化
剤であるフェノール樹脂の組成を表2に、塗料組成物の
組成を表3〜表5に、接着鉄芯用電磁鋼板の製造条件
(焼付温度および乾燥膜厚)と性能評価の結果を表6〜
表9に示す。以下に塗料組成物の調整法と接着鉄芯用電
磁鋼板の各性能評価の方法を示す。
【0046】[塗料組成物の調整]表1に示すベース樹
脂(エポキシ系樹脂)と表2に示す硬化剤(フェノール
樹脂)および潜在性硬化剤を用い、これらを混合・撹拌
して表3〜表5に示すNo.1〜No.38の塗料組成
物を得た。これら塗料組成物中の不揮発分の割合は全て
20wt%とした。
【0047】また、表5に示すNo.39のアクリル樹
脂エマルジョンとNo.40のウレタン樹脂エマルジョ
ンは、下記により得られたものである。 (a) アクリル樹脂エマルジョン:メチルメタクリレート
90重量部、スチレン15重量部、アクリル酸10重量
部、エチルアクリレート10重量部からなるモノマー混
合物を水中で常法により乳化重合し、アクリル樹脂エマ
ルジョンを作成した。 (b) ウレタン樹脂エマルジョン:旭電化工業(株)製の
“アデカボンダイターHUX−240”を用いた。
【0048】また、表2に示すレゾール型フェノール樹
脂No.1〜No.8の合成法を以下に示す。なお、表
2にはフェノール樹脂の合成に使用したフェノール類及
びホルムアルデヒドの配合量と、得られたフェノール樹
脂のHPLC分析による分析値を示してある。
【0049】(a) フェノール樹脂No.1:ビスフェノ
ールA1モルに37%ホルマリン7モル(CH2O換
算)を加え、触媒として水酸化ナトリウム0.02モル
を添加し、60℃にて10時間反応させた。この間、p
Hを8.5で一定に保つためさらに水酸化ナトリウム
0.05モルを10時間かけて添加した。反応後、リン
酸水溶液を中和剤として樹脂を洗浄し、ナトリウムイオ
ンが10ppm以下になるまで洗浄を繰り返した。さら
に、n−ブタノールで共沸脱水し、系内水分が0.5%
以下になるように水分を除去し、目的とするレゾール型
フェノール樹脂(固形分80重量%)を得た。このフェ
ノール樹脂のジメチロール化体以上のメチロール化体成
分の含有量は98.3%である。
【0050】(b) フェノール樹脂No.2〜No.4:
フェノール類の種類と配合を変えた以外は上記フェノー
ル樹脂No.1の合成法と同様の条件で反応を行い、レ
ゾール型フェノール樹脂(固形分80重量%)を得た。
これらのフェノール樹脂のジメチロール化体以上のメチ
ロール化体成分の含有量は、フェノール樹脂No.2:
96.4%、フェノール樹脂No.3:94.3%、フ
ェノール樹脂No.4:96.0%である。
【0051】(c) フェノール樹脂No.5:ビスフェノ
ールA1モルに37%ホルマリン7モル(CH2O換
算)を加えて50℃に加熱し、触媒として水酸化ナトリ
ウム0.04モルを添加し、100℃にて1時間反応さ
せた。反応終了後、上記フェノール樹脂No.1の場合
と同様の方法を経てレゾール型フェノール樹脂(固形分
80重量%)を得た。このフェノール樹脂のジメチロー
ル化体以上のメチロール化体成分の含有量は88.3%
である。
【0052】(d) フェノール樹脂No.6〜No.8:
フェノール類の種類と配合を変えた以外は上記フェノー
ル樹脂No.5の合成法と同様の条件で反応を行い、レ
ゾール型フェノール樹脂(固形分80重量%)を得た。
これらのフェノール樹脂のジメチロール化体以上のメチ
ロール化体成分の含有量は、フェノール樹脂No.6:
77.3%、フェノール樹脂No.7:89.8%、フ
ェノール樹脂No.8:88.8%である。
【0053】[接着鉄芯用電磁鋼板の性能評価] (a) 常温接着強度 25mm×50mmのサイズに切断した接着鉄芯用電磁
鋼板を、重ね合わせ部が25mm×12.5mmになる
ように皮膜形成面どうしを重ね合わせ、圧力10kgf
/cm2で加圧した状態で図2に示す昇温パターンで加
熱圧着した。これを常温雰囲気下で引張り試験機により
引張り、破壊するまでの最大荷重を測定し、この最大荷
重を剪断面積(接着面積)で割った引張り剪断強度で接
着強度を評価した。評価基準を下記に示す。 ◎ :160kgf/cm2以上 ○+:140kgf/cm2以上、160kgf/cm2
未満 ○ :120kgf/cm2以上、140kgf/cm2
未満 △ :100kgf/cm2以上、120kgf/cm2
未満 × :100kgf/cm2未満
【0054】(b) 高温接着強度 前記(a)による常温接着強度の評価試験と同様の方法で
作成、加熱圧着したサンプルを150℃雰囲気下で引張
り試験機により引張り、破壊するまでの最大荷重を測定
し、この最大荷重を剪断面積(接着面積)で割った引張
り剪断強度で接着強度を評価した。評価基準を下記に示
す。 ◎ :80kgf/cm2以上 ○+:60kgf/cm2以上、80kgf/cm2未満 ○ :40kgf/cm2以上、60kgf/cm2未満 △ :20kgf/cm2以上、40kgf/cm2未満 × :20kgf/cm2未満
【0055】(c) 耐ブロッキング性 20mm×20mmのサイズに切断した接着鉄芯用電磁
鋼板の皮膜形成面どうしを重ね合わせ、加圧力250k
gf/cm2で加圧し、50℃雰囲気下で24時間放置
した後のブロッキングの有無を調べた。評価基準を下記
に示す。 ○:ブロッキング無し ×:ブロッキング有り
【0056】(d) 耐食性 塩水噴霧試験を行い、24時間後の赤錆発生面積率によ
り評価した。評価基準を下記に示す。 ◎:赤錆発生面積率10%未満 ○:赤錆発生面積率10%以上、25%未満 △:赤錆発生面積率25%以上、50%未満 ×:赤錆発生面積率50%以上
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】
【表9】
【0066】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、モー
ターやトランスの使用環境(常温〜高温)下でも安定し
た接着強度が得られ、しかも耐ブロッキング性、耐食性
にも優れた接着型絶縁皮膜を有する接着鉄芯用電磁鋼板
を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗料組成物中の硬化剤としてレゾール型フェノ
ール樹脂と潜在性硬化剤を複合添加した場合において、
レゾール型フェノール樹脂100重量部に対する潜在性
硬化剤の配合量が高温接着強度に及ぼす影響を示すグラ
【図2】実施例で行なった接着鉄芯用電磁鋼板の加熱圧
着の昇温パターンを示す図面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−24779(JP,A) 特開 平11−162723(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/00 - 22/86 B05D 7/14 H01F 1/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成分として、平均粒子径が0.05
    〜2μmのエポキシ系樹脂100重量部(固形分)に対
    して、全成分中にジメチロール化体以上のメチロール化
    体成分を90重量%以上含有するレゾール型フェノール
    樹脂を含む硬化剤が1〜40重量部(固形分)の割合で
    配合された水系塗料組成物を、電磁鋼板の少なくとも片
    面に乾燥膜厚で1.0〜12μmになるように塗布し、
    到達板温で100〜300℃になるように焼き付けるこ
    とを特徴とする接着強度、耐食性及び耐ブロッキング性
    に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 樹脂成分として、平均粒子径が0.05
    〜2μmのエポキシ系樹脂100重量部(固形分)に対
    して、下記[i]に示すレゾール型フェノール樹脂を含
    む硬化剤が1〜40重量部(固形分)の割合で配合され
    た水系塗料組成物を、電磁鋼板の少なくとも片面に乾燥
    膜厚で1.0〜12μmになるように塗布し、到達板温
    で100〜300℃になるように焼き付けることを特徴
    とする接着強度、耐食性及び耐ブロッキング性に優れた
    接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。 [i]ビスフェノール化合物1モルとホルムアルデヒド
    4〜10モルを、または、ビスフェノール化合物1モル
    に対して無置換1価フェノール、p−置換1価フェノー
    ル、o−置換1価フェノールの中から選ばれる1種以上
    の1価フェノールを合計で0.5モル以下の割合で混合
    したフェノール類1モルとホルムアルデヒド4〜10モ
    ルを、塩基性触媒の存在下、反応温度50〜65℃、反
    応系内のpH8.0〜9.0で反応させて得られ、全成
    分中にジメチロール化体以上のメチロール化体成分を9
    0重量%以上含有するレゾール型フェノール樹脂
  3. 【請求項3】 塗料組成物中のレゾール型フェノール樹
    脂が、塩基性触媒としてアルカリ金属水酸化物を用いて
    製造されたフェノール樹脂であることを特徴とする請求
    項2に記載の接着強度、耐食性及び耐ブロッキング性に
    優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 硬化剤がレゾール型フェノール樹脂と潜
    在性硬化剤とからなり、固形分の割合でレゾール型フェ
    ノール樹脂100重量部に対する潜在性硬化剤の配合量
    が2〜200重量部であることを特徴とする請求項1、
    2または3に記載の接着強度、耐食性及び耐ブロッキン
    グ性に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
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