JP3312324B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JP3312324B2
JP3312324B2 JP09478594A JP9478594A JP3312324B2 JP 3312324 B2 JP3312324 B2 JP 3312324B2 JP 09478594 A JP09478594 A JP 09478594A JP 9478594 A JP9478594 A JP 9478594A JP 3312324 B2 JP3312324 B2 JP 3312324B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高周波を用いて食品
等を加熱する高周波加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】焦電型赤外線センサを利用した従来のこ
の種の装置に、特開平5−39929号公報記載の高周
波加熱装置がある。特開平5−39929号公報記載の
装置が、図17に示されている。図17において、1は
加熱室、2は食品、3はターンテーブル、6はモータ、
7は高周波発振器である。13は放射赤外線検出器、1
4はチョッパ、15はチョッパ回転用モータ、16は開
口部、17はシャッタで、これらによって食品表面温度
検出手段18が構成されている。19は天井面、20は
マイコン、21は表面温度検出回路である。
【0003】この構成において、食品2から放射される
赤外線は加熱室1の天井面19の開口部16からチョッ
パ14によってチョッピングされると共に、放射赤外線
検出器13に入力される。そして、放射赤外線検出器1
3はチョッパ14の温度と食品2の温度との差に応じた
電圧を出力する。すなわち、チョッパ14の近傍にはチ
ョッパ温度検出手段(図示せず)が設けられており、放
射赤外線検出器13の出力する差電圧のアナログ信号を
このチョッパ温度検出手段の出力に基づいて補正して表
面温度検出回路21へ送るようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構成の高周
波加熱装置の食品表面温度検出手段18によれば、食品
2の正確な温度を検出できるという利点がある。しかし
ながら、チョッパ機構14とこのチョッパ付近にチョッ
パ温度検知手段も設られているので、コストがかかり機
構も複雑になる。また、上方から食品2の温度を直接測
定するため、加熱室1の天井面19に放射赤外線検出器
13を設置しなければならず、食品2から出る蒸気や
煙、或いは飛び散った油や煮汁が放射赤外線検出器13
にかかって汚れ易い。また、オーブン機能やグリル機能
と組み合わせた高周波加熱装置においては、加熱室2の
天井面19と下壁にヒータが取り付けられるために、放
射赤外線検出器13への断熱手段の設置が困難で構造が
一層複雑になってコストが高くなる等の問題点があっ
た。
【0005】本発明は上記課題に鑑みなされたもので、
第一の目的は、構造が簡単で設置場所を高周波加熱装置
の加熱室の上壁に限定せずにチョッパ機構の無い焦電型
赤外線センサを用いて、加熱物または解凍物の表面温度
変化を検出する表面温度変化検出手段を備えた高周波加
熱装置を得ることである。
【0006】本発明の第二の目的は、食品から出る蒸気
や煙、また食品から飛びはねる油や汁といったものが直
接センサにかからず汚れない焦電型赤外線センサを用い
て、加熱物または解凍物の表面温度変化を検出する表面
温度変化検出手段を備えた高周波加熱装置を得ることで
ある。
【0007】本発明の第三の目的は、簡単な構成で高周
波加熱装置の加熱室内に入れられる食品の大まかな温度
を測定することができる、焦電型赤外線センサを用いた
温度検出手段を備えた高周波加熱装置を得ることであ
る。
【0008】本発明の第四の目的は、簡単な構成で食品
の沸騰を検知できる、焦電型赤外線センサを用いた温度
検出手段を備えた高周波加熱装置を得ることである。
【0009】本発明の第五の目的は、簡単な構成で食品
の解凍終了を検知できる、焦電型赤外線センサを用いた
温度検出手段を備えた高周波加熱装置を得ることであ
る。
【0010】本発明の第六の目的は、簡単な構成で食品
の沸騰または解凍終了の検知の精度を高めることができ
る、焦電型赤外線センサを用いた温度検出手段を備えた
高周波加熱装置を得ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、開閉扉を有
し被放射体が出し入れされる加熱室と、加熱室内に放射
する高周波電力を発振させる高周波発振手段と、高周波
発振手段を駆動する駆動手段と、高周波電力が照射され
る被放射体を回転する回転手段と、開閉扉に設けられ開
閉扉の閉鎖時に赤外線検知領域の境界面を回転手段の中
心軸付近に設定して回転手段に搭載された被放射体から
放射される赤外線を検出する赤外線検出手段と、赤外線
検出手段の検出結果に基づいて駆動手段を制御する制御
手段とを備え、開閉扉の解放時に開閉扉の前を通過する
被放射体から放射される赤外線を赤外線検出手段により
検出する高周波加熱装置を構成したものである。
【0012】また、上記において、赤外線検出手段を開
閉扉における内側ガラスのくり抜き部に嵌め込まれた赤
外線透過ガラスの外側に配置した高周波加熱装置を構成
したものである。
【0013】
【0014】
【0015】
【作用】食品はターンテーブルに搭載されて、モータで
ターンテーブルと一体に回転する。一方、マグネトロン
から発せられた高周波は導波管を通じて加熱室内に放射
され、回転する食品が均一に加熱される。高周波加熱さ
れた食品は赤外線を周囲に投射し、赤外線検知エリア内
の投射赤外線が検出窓を通して焦電型赤外線センサによ
り検出される。焦電型赤外線センサの検出信号は増幅器
を介して制御装置に入力され、時系列の検出信号に基づ
いてマグネトロン4が制御される。
【0016】焦電型赤外線センサは、検知エリア内の赤
外線受光量に変化があった場合に微分型の信号が出力さ
れる。焦電型赤外線センサへの赤外線量が増加すれば正
の信号が出力され、減少すれば負の信号が出力される。
赤外線検知エリアの1辺をターンテーブルの中心軸面に
設定すると、ターンテーブルを回転させることにより、
焦電型赤外線センサから見たときの検知エリア内の食品
の面積が回転周期と同期して変化する。このため、焦電
型赤外線センサの入射赤外線量も、周期的に変化する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の好適な各実施例を図面に基づ
いて説明する。 実施例1. 図1はこの発明実施例1の構成説明図、図2は図1の平
面説明図である。図1と図2において、1は食品、2は
ターンテーブル、3はモータである。モータ3が駆動さ
れると、食品1を載せたターンテーブル2が中心軸2a
を中心に回転する。4はマグネトロン、5は導波管、6
はマイコンを含む電子回路で構成された制御装置、7は
加熱室である。8は赤外線センサ、9は加熱室7の側壁
面に設けられた検出窓、10は増幅器である。赤外線セ
ンサ8には熱センサと量子センサがあるが、ここでは焦
電型の赤外線センサが用いられる。
【0018】11は赤外線検知エリア、Lは赤外線検知
エリア11の領域の内外を区画する境界面である。赤外
線検知エリア11は、焦電型赤外線センサ8を焦点とし
て破線で示すような境界ラインLで包囲された立体角α
で構成されている。そして、境界ラインLの位置が、タ
ーンテーブル2のほぼ中心軸2a 上に一致するように設
定されている。この結果、焦電型赤外線センサ8は検出
窓9を通して、立体角αで表された赤外線検知エリア1
1内の赤外線を受光するようになっている。12は高周
波加熱装置である。
【0019】このような構成の本発明実施例の動作を、
次に説明する。食品1はターンテーブル2に搭載され
て、モータ3でターンテーブル2と一体に回転する。一
方、マグネトロン4から発せられた高周波は導波管5を
通じて加熱室7内に放射され、回転する食品1が均一に
加熱される。高周波加熱された食品1は食品の温度に応
じた赤外線を周囲に投射し、赤外線検知エリア11内の
投射赤外線が検出窓9を通して焦電型赤外線センサ8に
より検出される。焦電型赤外線センサ8の検出信号は増
幅器10を介して制御装置6に入力され、時系列の検出
信号に基づいてマグネトロン4は制御される。
【0020】一般に、焦電型赤外線センサは、検知エリ
ア11内の赤外線受光量に変化があった場合に微分型の
信号が出力される。焦電型赤外線センサ8への赤外線量
が増加すれば正の信号が出力され、減少すれば負の信号
が出力される。図2に示すように、赤外線検知エリア1
1の境界面Lがターンテーブル2の中心軸2a 上に設定
されているので、ターンテーブル2を回転させることに
より、焦電型赤外線センサ8から見たときの立体角αを
形成する検知エリア11内の食品1の面積が回転周期と
同期して変化する。このため、焦電型赤外線センサ8の
入射赤外線量も、周期的に変化する。
【0021】食品1が加熱されて温度が上昇すると、温
度の上昇に対応して焦電型赤外線センサ8の入射赤外線
量も増加する。したがって、実際に焦電型赤外線センサ
8の検出信号は、周期的な変化をしながら増加する。こ
のとき得られる信号波形が、図3に示されている。図3
の横軸は時間tで、縦軸は焦電型赤外線センサ8の出力
である。
【0022】なお、円錘形、円柱形、球形等で水平断面
が円形の食品1が、ターンテーブル2の中心軸2a と同
心に配置された場合は焦電型赤外線センサ8の検知面積
の変化がない。したがって、焦電型赤外線センサ8の入
射赤外線量に、変化が生じないことになる。しかしなが
ら、上記のような水平断面が中心軸上2a で完全な円形
で、しかもターンテーブル2上に正確に同軸的に配置す
ることは事実上不可能である。仮に可能であったとして
も、確かに加熱の初期には信号変化はないが、高周波加
熱の場合は完全に均一に高周波を加熱室7内に分布させ
ることは困難であるため、放射された高周波電力の加熱
室7内の分布が不均一になり、食品1に加熱むらが生じ
る。したがって、焦電型赤外線センサ8の入射赤外線量
に、変化が発生することになる。
【0023】実施例1によれば、焦電型赤外線センサ8
はチョッパ機構がなく独立型に構成されその上温度検知
手段もないので、従来装置に比較して構造が極めて簡単
になる。また、焦電型赤外線センサ8を加熱室7の横壁
面に取付けているため、食品1から出る蒸気や飛び汁が
直接焦電型赤外線センサ8に付着することが少なく、ま
た、オーブンやグリル用のヒータからも離れるため断熱
し易くなり、誤動作が少なくなり長寿命になる。
【0024】実施例2 図4はこの発明の実施例2の構成説明図、図5は図4の
平面説明図である。図4,5の実施例2においては、焦
電型赤外線センサ8が加熱室7の天井面に設けられてい
る。そして、焦電型赤外線センサ8の配置位置が、ター
ンテーブル2のほぼ中心軸2a の軸心2b から側壁寄り
の斜め方向に設けられている。また、この実施例2にお
いても検知エリア11の境界面Lがほぼ中心軸2a 上に
設定されている。実施例2の構成によれば、焦電型赤外
線センサ8がターンテーブル2の真上から外れているの
で、食品1から出る飛び汁等の付着の影響を減少させる
ことができる。
【0025】実施例3 図6と図7は、この発明の実施例3の構成説明図と平面
説明図である。図6,7にも、検知エリア11の境界面
Lの位置がターンテーブル2のほぼ中心軸2a 上に一致
させた場合が示されている。ただし、図6,7では焦電
型赤外線センサ8が、加熱室7の側壁の天井面寄りの隅
に配置されている。よって、実施例2と3の場合におい
ても、図3に示されたような周期的に変化しながら増加
する信号波形が焦電型赤外線センサ8によって検出され
る。
【0026】実施例4. 図8はこの発明の実施例4の構成説明図である。図8に
おいて、20は高周波加熱装置12の扉、21は内側ガ
ラス、22はマイクロ波漏洩防止用のパンチングメタ
ル、23は赤外線透過ガラス、24は外側ガラスであ
る。焦電型赤外線センサ8等のその他の部材や扉20の
閉めたときの境界面Lの中心軸2a 上の設定も、実施例
1と同じ構成になっている。特に、実施例では焦電型
赤外線センサ8が、扉20の内部に設けられている。扉
20は内側からガラス21,パンチングメタル22,外
側のガラス24の順に配置され、内側ガラス21の一部
がくり抜かれて赤外線透過ガラス23が嵌め込まれてい
る。そして、くり抜き部を検出窓9として、パンチング
メタル22の外側に焦電型赤外線センサ8が取り付けら
れている。
【0027】上記のように実施例4では、焦電型赤外線
センサ8が扉20の赤外線透過ガラス23を通した内部
に取り付けられている。このため、食品1から出る蒸気
や飛び汁が直接焦電型赤外線センサ8に飛び散ることが
殆どなくなり、オーブン調理やグリル調理で使用される
上壁に取り付けられたヒータ(図示しない)からも離れ
るために断熱構造に構成し易くなり、上述の各実施例よ
りも誤動作がなくなり、更に長寿命になる。
【0028】実施例5. 図9はこの発明の実施例5の構成を示す斜視説明図で、
図9では高周波加熱装置12の扉20が開かれた状態が
示されている。図9において、30はスチロールトレイ
である。焦電型赤外線センサ8は第4実施例と同様な構
成で扉20に取り付けられ、破線で示す境界面Lに囲ま
れた赤外線検知エリア11内の赤外線を受光するように
なっている。そして、図示のように扉20が開かれて、
食品1がスチロールトレイ30に載せられて加熱室7内
のターンテーブル2の上に載置される。このとき、焦電
型赤外線センサ8は扉20の前を通過する食品1を検知
して周囲温度(室温)と食品1との温度差に応じた信号
を発生し、図1に示された増幅器10を経て制御装置6
に入力され、時系列でのこの信号に基づいてマグネトロ
ン4が制御される。
【0029】図10(A)は、加熱室7内に冷蔵庫の冷
凍室から出した直後の−18℃の食品1が入れられたと
きの焦電型赤外線センサ8の出力波形を示す。また、
(B)は−5℃の食品1が入れられた場合の出力波形
で、(C)は40℃の食品1が入れられたときの出力波
形である。(A)では室温に比べてかなり冷たい食品1
が入れられた場合であり、マイナスの大きな信号が最初
に表れる特徴がある。(B)は室温よりは低いが冷凍室
から出してしばらく時間が経過した場合や冷凍が不適切
な食品1の場合で、負の比較的小さな信号が最初に出力
される。図の(C)では室温よりも高い温度の食品1が
入れらたので、正の信号が最初に表れる特徴がある。
【0030】例えば、高周波加熱装置12で解凍を行う
場合、(A)の場合は通常通りの制御で解凍を行うが、
(B)の場合は、例えば解凍時間を短めに補正する、高
周波の出力を弱めの制御に変更する等を行うことによ
り、解凍のし過ぎを防ぐことができ、解凍の仕上がりを
向上させることができる。また、例えば高周波加熱装置
12で温め調理を行う場合、(C)の場合は通常通りの
制御で温めを行うが、(A)の場合は最初は解凍制御用
のプログラムで加熱し、後に温め制御用のプログラムに
切り換え、仕上がり具合を向上させることができる。こ
れは、冷凍されている食品1を一気に温めてしまうと加
熱むらが生じやすいためである。
【0031】実施例6.図11はこの発明の実施例6の
構成説明図で、容器内に食品1が入れられて温め調理を
行う場合が図示されている。図12は実際に温め加熱を
行った時の焦電型赤外線センサ8からの出力波形の変化
のグラフである。横軸は時間、縦軸はセンサ出力であ
る。ターンテーブル2の回転と同期した信号の変化、並
びに加熱が進むにつれて信号が大きくなっていく様子が
よくわかる。食品1が十分温まって沸騰が始まると焦電
型赤外線センサ8からの信号が激しく乱れる様子がわか
る。これは食品1から吹き出す蒸気によるものである。
特徴的な信号変化であるため、この検知は簡単で信号の
乱れを検知した時点で温め調理の終了とすることができ
る。
【0032】具体的な検知方法としては、ターンテーブ
ル1の回転周期ごとにピーク値の数或いは正から負また
は負から正への信号変化の数をカウントしていき、その
数が大きく増えた時点で温め終了とする方法がある。
【0033】実施例7.図13はこの発明の実施例7の
構成説明図である。一般に、食品1が解凍により温まる
と、その温度は定常状態では加熱室7内の温度に近づい
ていくため、食品1と加熱室7との温度差が小さくなっ
ていき、実際に焦電型赤外線センサ8から得られる信号
は周期的な変化をしながら減少していくものとなる。
【0034】図14は実際に解凍加熱を行った時の焦電
型赤外線センサ8からの出力波形の変化のグラフであ
る。横軸は時間、縦軸はセンサ出力である。ターンテー
ブル2の回転と同期した信号の変化、並びに加熱が進む
に連れて信号が小さくなっていく様子がよくわかる。食
品1が解凍終了付近の−3℃程度になると、食品1の細
胞内での氷結部分の大部分が溶けだす状態となるため、
高周波加熱により供給される熱が潜熱として消費される
割合が大きくなり、そのため食品1の温度上昇が一時的
に鈍る。その結果、この解凍終了付近の−3℃近辺では
時系列での変化が殆どなくなりこの時点を検出すること
により解凍終了点を検知することができるようになる。
【0035】具体的な検知方法としては、ターンテーブ
ル2の回転周期ごとに最大ピーク値を検出していき、そ
の変化率を見ていく方法、1周目の最大ピーク値を検出
し以降はそれと同期した信号を追っていく方法、周期ご
とに全部あるいは一部を積分し、その積分値の変化を追
っていく方法等がある。
【0036】実施例8.図15はこの発明の実施例8の
構成説明図である。図15において、60はサーミスタ
である。サーミスタ60は加熱室7の側壁に、加熱室7
の温度を測定する。実施例8においても、焦電型赤外線
センサ8の検知エリア11の境界面Lがターンテーブル
2の中心軸2a 上に配置されていることは、前述の各実
施例と同様である。前記の実施例7で述べたように、食
品1が解凍により温まると、その温度は定常状態では加
熱室7内の温度に近づいていくため、食品1と加熱室7
との温度差が小さくなっていき、実際に焦電型赤外線セ
ンサ8から得られる信号は周期的な変化をしながら減少
していくものとなる。
【0037】しかし、例えばヒータを使用するオーブン
調理やグリル調理、また温め調理の後では、加熱室7内
の温度は室温に比べてかなり高く、グリル調理後では3
00℃近くまで上がっていることもある。通常の解凍で
は加熱室7内の温度の変化は食品1の温度変化に比べて
小さいため、−3℃付近の解凍終了点近くでは焦電型赤
外線センサ8の出力変化がなくなる現象が見られるが、
加熱室7内の温度変化が大きいときはこの現象は弱くな
る。
【0038】図16は実際にオーブン調理後に解凍加熱
を行った時の焦電型赤外線センサ8からの出力波形の変
化のグラフである。横軸は時間、縦軸はセンサ出力であ
る。ターンテーブル2の回転と同期した信号の変化、並
びに加熱が進むにつれて信号が小さくなっていく様子が
よくわかる。食品1が解凍終了付近の−3℃程度になる
と、食品1の細胞内での氷結部分の大部分が溶けだす状
態となるため、高周波加熱により供給される熱が潜熱と
して消費される割合が大きくなり、そのため食品1の温
度上昇が一時的に鈍る。
【0039】しかし、オーブン使用直後であるため加熱
室7の温度は依然下がり続けており、その結果温度変化
は緩くはなるがなくならず、温度変化がほとんどなくな
る点で解凍終了とする方法では解凍終了点を超えてしま
い、失敗してしまう。そこで、加熱室7の温度を補正手
段として検知し、加熱室7が高温の場合は安全のため、
温度変化が緩くなったところで解凍終了とする。その結
果、オーブン調理やグリル調理、温め調理後でも、使用
者に加熱室7がさめるまで待たせることなく、解凍調理
を行うことができる。
【0040】また、通常の沸騰検知時では、加熱室7内
の温度よりも食品1の温度の方が先に上昇し蒸気が発生
し、その温度差と蒸気の非周期性を利用して沸騰検知を
行っている。しかし、加熱室7が初め高温で高周波加熱
調理中にだんだんさめてくるような状況で、ちょうど蒸
気と加熱室7内の温度が100℃付近でほぼ同温となっ
てしまう場合、温度差がないため信号が検出できない場
合が生じる可能性がある。こうしたことを防ぐため、加
熱室7内の温度が100℃付近になった場合は焦電型赤
外線センサ8の感度を上げて対処する。
【0041】また、逆に加熱室7の温度が100℃にな
り、さらにこれまで出ていた信号が検出できなくなった
のなら、食品1と加熱室7の温度差がなくなったと考え
られるため、食品1のあるいは食品1からの蒸気の温度
が100℃近くまで上昇したと判断し、温め終了とする
手法も有効である。
【0042】
【発明の効果】この発明は、開閉扉を有し被放射体が出
し入れされる加熱室と、加熱室内に放射する高周波電力
を発振させる高周波発振手段と、高周波発振手段を駆動
する駆動手段と、高周波電力が照射される被放射体を回
転する回転手段と、開閉扉に設けられ開閉扉の閉鎖時に
赤外線検知領域の境界面を回転手段の中心軸付近に設定
して回転手段に搭載された被放射体から放射される赤外
線を検出する赤外線検出手段と、赤外線検出手段の検出
結果に基づいて駆動手段を制御する制御手段とを備え、
開閉扉の解放時に開閉扉の前を通過する被放射体から放
射される赤外線を赤外線検出手段により検出する高周波
加熱装置を構成した。
【0043】この結果、チョッパ機構のない焦電型赤外
線センサを高周波加熱装置の扉の外側に備え、扉を開け
て食品を入れる際にセンサの検知エリアを通過させる仕
組みになっているため、加熱室内に入れた食品が冷たい
ものかそうでないか、あるいは温かいものかそうでない
かを自動的に見分けることができる。また、簡単な機構
で食品の沸騰や解凍終了の検知を行うこともできる。さ
らに、オーブンやグリル調理用のヒータ加熱源の配置
に、殆ど無関係に構成することができる。
【0044】また、上記において、赤外線検出手段を開
閉扉における内側ガラスのくり抜き部に嵌め込まれた赤
外線透過ガラスの外側に配置した高周波加熱装置を構成
した。
【0045】この結果、赤外線検出手段が赤外線透過ガ
ラスを介して加熱室から隔離されているので、食品から
でる蒸気や飛び汁が直接赤外線検出手段に付着すること
が完全に防止される。また、オーブン調理やグリル調理
で使用されるヒータからも離れるため断熱構造に構成し
易くなり、誤動作も少なくなり長期間の使用に耐える高
周波調理器が実現できる。
【0046】よって、本発明によれば、チョッパ機構を
用いず構造が簡単で、設置場所を加熱室の上壁に取り付
けなくとも良く、汚れに強く、またヒータからも離れる
ため断熱もし易くなりコストが低減でき、長寿命となる
表面温度変化検出が可能な温度センサを搭載した高周波
加熱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1の構成説明図である。
【図2】 図1の平面説明図である。
【図3】 図1の焦電型赤外線センサの出力波形図であ
る。
【図4】 この発明の実施例2の構成説明図である。
【図5】 図4の平面説明図である。
【図6】 この発明の実施例3の構成説明図である。
【図7】 図6の平面説明図である。
【図8】 この発明の実施例4の構成説明図である。
【図9】 この発明の実施例5の構成説明図である。
【図10】 図9の焦電型赤外線センサの出力波形図で
ある。
【図11】 この発明の実施例6の構成説明図である。
【図12】 図11の焦電型赤外線センサの出力波形図
である。
【図13】 この発明の実施例7の構成説明図である。
【図14】 図13の焦電型赤外線センサの出力波形図
である。
【図15】 この発明の実施例8の構成説明図である。
【図16】 図15の焦電型赤外線センサの出力波形図
である。
【図17】 従来の高周波加熱装置の構成説明図であ
る。
【符号の説明】
1 食品、2 ターンテーブル、3 モータ、4 マグ
ネトロン、7 加熱室、8 焦電型赤外線センサ、11
検知エリア、23 赤外線透過ガラス、60サーミス
タ、α 立体角、L 境界ライン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−17535(JP,A) 実開 昭57−21903(JP,U) 実開 昭60−170613(JP,U) 実開 昭55−114861(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24C 7/02 521 F24C 7/02 330

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉扉を有し被放射体が出し入れされる
    加熱室と、 該加熱室内に放射する高周波電力を発振させる高周波発
    振手段と、 該高周波発振手段を駆動する駆動手段と、 前記高周波電力が照射される被放射体を回転する回転手
    段と、前記開閉扉に設けられ該開閉扉の閉鎖時に赤外線検知領
    域の境界面を回転手段の中心軸付近に設定して該回転手
    段に搭載された 被放射体から放射される赤外線を検出す
    る赤外線検出手段と、 該赤外線検出手段の検出結果に基づいて前記駆動手段を
    制御する制御手段とを備え、前記開閉扉の解放時に該開閉扉の前を通過する被放射体
    から放射される赤外線を前記赤外線検出手段により検出
    する ことを特徴とする高周波加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記赤外線検出手段を開閉扉における内
    側ガラスのくり抜き部に嵌め込まれた赤外線透過ガラス
    の外側に配置したことを特徴とする高周波加熱装置。
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