JP3310382B2 - 果実混和酒の製造法 - Google Patents

果実混和酒の製造法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、香味、品質に優れた果
実混和酒の製造法および該製造法で用いられるアルコー
ル飲料またはアルコールの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に果実混和酒は、焼酎、ジン、ブラ
ンデー、ウイスキー、ラム酒、ワインなどのアルコール
飲料またはアルコールに糖類を加え、梅などの果実を浸
漬して、アルコールと糖分の浸透作用で果実の成分を浸
出させて得られる(以下、浸漬法という)。また、たと
えば焼酎などのアルコール飲料またはアルコールをベー
スとして製造した果実混和酒に他のアルコール飲料(た
とえばブランデー)やアルコールを混合して果実混和酒
を製造する方法(以下、ブレンド法という)も知られて
いる。
【0003】蒸留して造られるアルコール飲料(以下、
蒸留酒という)のうちブランデー、ウイスキー、ラム酒
などは、その蒸留過程において、総ステンレス製など材
質に銅を含まない蒸留機を用いると香り、味両面におい
て品質的に劣るため、通常、銅製または銅を材質の一部
とする蒸留機が用いられている。グレープアルコールな
どのアルコールも銅製または銅を材質の一部とする蒸留
機を用いて製造されることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ブレンド法において
は、用いられるアルコール飲料双方の風味とも中途半端
で不充分になりがちである。また、浸漬法においては、
銅製または銅を材質の一部とする蒸留機によって蒸留し
た蒸留酒を用いた場合、蒸留機の材質である銅がアルコ
ール飲料またはアルコール中に溶出されることより、果
実からの成分抽出が不十分となり、果実の香味に富む果
実混和酒を製造することができない。本発明の目的は、
果実混和酒のベースとなるアルコール飲料またはアルコ
ール中の銅を除去または低減させることにより、銅によ
って抽出が影響される果実成分を有する果実を材料とし
た果実混和酒を、果実成分を豊富に有し香味よくつくる
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、銅と結
合または吸着できる物質で処理し、銅を除去または低減
させたアルコール飲料またはアルコール(エタノール)
を用いることを特徴とする果実混和酒の製造法および該
製造法で用いられるアルコール飲料またはアルコールの
製造法を提供することができる。ここで、果実混和酒と
は、果実を原料として醸造したアルコール飲料でかつ非
発酵性のものをいう。
【0006】以下に本発明を詳細に説明する。前述した
ように、果実混和酒は、一般に果実と糖類にアルコール
飲料またはアルコールを加えて混ぜ合わせることにより
得られる。また、ある種のアルコール飲料またはアルコ
ールを用いて製造された果実混和酒に他種のアルコール
飲料またはアルコールを混合する場合もある。本発明に
おいて、銅と結合または吸着できる物質で処理すると
は、アルコール飲料またはアルコールを銅と結合または
吸着できる物質に接触させることを意味する。
【0007】処理されるアルコール飲料としては、ブラ
ンデー、ウイスキー、ラム酒などがあげられる。ブラン
デーは、ブドウに限らずリンゴ、梅、アンズ、キウイ、
カキなどの果実を原料として製造されたものでもよい。
また、さらに他の醸造用アルコールと混合して得られた
ものでもよい。銅と結合または吸着できる物質として
は、アルコール飲料またはアルコール中の銅と結合また
は吸着でき、銅を除去または低減させることができるも
のであればよい。たとえば、陽イオン交換樹脂があげら
れる。
【0008】陽イオン交換樹脂としては、アンバーライ
トIR-120B (オルガノ社製)、ダイヤイオンSK1A、SK1
B、SK110 、SK112 (以上三菱化成社製) 、ダウエック
ス50W(ダウ・ケミカル社製) などの、エタノールによっ
て樹脂が損なわれないものであればいずれも用いること
ができる。陽イオン交換樹脂のイオン型については、水
素イオン型、ナトリウムイオン型、カリウムイオン型な
ど様々な陽イオン型を用いることができる。
【0009】陽イオン交換処理を行う際のアルコール飲
料またはアルコールのエタノール濃度については、濃度
に関係なくいずれの濃度を用いることができるが、極度
の高濃度条件下では、交換樹脂によっては材質の劣化が
認められること、最適な浸漬液の組成を考慮するとあま
りエタノール濃度を下げられないことなどの理由から、
アルコール飲料またはアルコールのエタノール濃度は35
〜66容量%であることが望ましい。また、陽イオン交換
処理の方法は、カラム法、バッチ法いずれの方法も用い
ることができる。
【0010】陽イオン交換処理の際の処理条件について
は、カラム法の場合は、流速(L/hr)/樹脂の容量(L)
の比(S/V)が5000以下の条件であればいずれも銅の除去
または有意な低減効果が認められるが、S/V 30〜200 が
望ましい。バッチ法、カラム法の場合ともに銅イオン交
換効果のあらわれる処理量(L)/樹脂の容量(L) の比の上
限はアルコール飲料またはアルコール中の陽イオンの
量、イオン交換樹脂の種類によって異なる (交換容量が
異なるので) が、たとえば、60mg/L の銅を含むアルコ
ール飲料またはアルコールを処理すると仮定して、アン
バーライトIR-120B の場合の上限は約1000である。
【0011】処理温度はとくに限定はないが、交換効
果、品質の両面から、望ましくは4〜25℃である。アル
コール飲料またはアルコールの銅含量は処理により4mg/
L 未満におとすことが望ましいが、生成する果実混和酒
の品質を考慮すると1mg/L未満にすることがより望まし
い。このようにして得られる銅を除去または低減させた
アルコール飲料またはアルコール、好ましくは銅含量4m
g/L以下のアルコール飲料またはアルコールを用いるこ
とにより、果実の香味に富んだ品質のよい果実混和酒を
製造することができる。果実混和酒の製造は、本願発明
で得られる銅を除去または低減させたアルコール飲料ま
たはアルコールを用いる以外は、通常公知の方法でおこ
なわれる。また、このようにして得られる果実混和酒
に、さらに、同種もしくは異種の、銅が除去または低減
された果実混和酒、他のアルコール飲料またはアルコー
ルもしくは、通常公知の方法(たとえば、前記浸漬法)で
製造された果実混和酒、他のアルコール飲料またはアル
コールを混合してもよい。
【0012】果実混和酒の原料となる果実は、いずれで
もよく、とくに銅によってその成分抽出が影響される果
皮や果実成分を有する果実が好ましく、たとえば梅、ア
ンズなどがあげられる。以下に本発明の実施例を示す。
【0013】
【実施例】実施例1 甲州種ブドウを原料として醸造したワインを銅製の単式
蒸留機で2回蒸留して得られたブランデー原酒をアルコ
ール分59.5v/v%に脱イオン水で和水してブランデーを製
造した。このブランデー100Lを、室温下 (約23℃) で、
予めカラムにつめた後 (樹脂の容量200mL)、0.5M食塩水
1000mLで平衡化し、脱イオン水1000mLで洗浄した陽イオ
ン交換樹脂アンバーライトIR-120B(オルガノ社製) のカ
ラムに15L/hr (250mL/min 、S/V75) の流速で通した。
樹脂通過前後の銅含量は、それぞれ、38.0mg/Lおよび0.
03mg/Lであり、樹脂処理により銅含量の顕著な低下が認
められたブランデーが得られた〔以下、得られたブラン
デーをブランデー(A)という。〕。処理前のブランデ
ー、ブランデー(A)ならびにブランデー(A)に硫酸
銅を銅換算で0.5mg/L 、0.8mg/L 、1mg/L 、2mg/L 、3m
g/L 、4mg/L 、5mg/L 、10mg/Lとなるように、それぞれ
添加したブランデーを用いて第1表に示す組成の浸漬液
を調製し、青梅の漬け込みを行った。各々、浸漬液5L当
たり3375g の青梅を浸漬した。浸漬は室温 (18〜25℃)
において90日間行った。浸漬後得られた梅酒の官能評価
を行った結果を第2表に示した。なお、官能評価は熟練
した7名のパネラーを用いて行った。ブランデー中の銅
含量が4mg/L以上の場合には、得られた梅酒が梅の風味
に乏しかった。銅含量が4mg/L未満になると、得られた
梅酒の品質は明確に向上したが、より優れた品質の梅酒
を製造するためには、銅含量を1mg/L 未満にすること
がより好ましいことが判明した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】実施例2 銅製の単式蒸留機で蒸留して得られたブランデー原酒を
アルコール分40v/v%になるように脱イオン水で和水した
もの50L と醸造用アルコールをアルコール分40v/v%にな
るように脱イオン水で和水したもの50L を混合してブラ
ンデーを製造した。このブランデー100Lに、予め5L の
1M塩酸で平衡化し、脱イオン水7L で洗浄した陽イオン
交換樹脂ダイヤイオンSK1A (三菱化成社製)900g を加
え、15℃において30分間かくはんを行った。その後デカ
ンテーションによってブランデーを分取し、ろ過を行っ
てブランデーを得た〔以下、得られたブランデーをブラ
ンデー(B)という。〕。処理前のブランデーおよびブ
ランデー(B)中の銅含量は、それぞれ 6.2mg/Lおよび
0.78mg/L であり、処理によって明確かつ充分な銅含量
の低下が認められた。処理前のブランデーおよびブラン
デー(B)を用いて第3表のような浸漬液を調製し、浸
漬液50L 当たり33kgの小梅の実を浸漬した。浸漬は20℃
において80日間行った。得られた梅酒の官能評価を行っ
た結果を第4表に示した。処理前のブランデーを用いた
ものに比して、ブランデー(B)を用いた梅酒は、梅の
風味に富み、品質的に明確に優れていた。
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
【発明の効果】本発明の方法によれば果実の香味に富
み、かつ品質の優れた果実混和酒を製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 伏見 邦彦 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12G 1/00 - 3/14 C12H 1/00 - 1/22 JICST/JAFIC(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 果実と糖類にアルコール飲料またはアル
    コールを加えて混ぜ合わせる過程を有する果実混和酒の
    製造法、またはある種のアルコール飲料またはアルコー
    ルを用いて製造された果実混和酒に他種のアルコール飲
    料またはアルコールを混合する過程を有する果実混和酒
    の製造法において、銅と結合または吸着できる物質で処
    理し、銅を除去または低減させたアルコール飲料または
    アルコールを用いることを特徴とする果実混和酒の製造
    法。
  2. 【請求項2】 銅と結合または吸着できる物質が、陽イ
    オン交換樹脂である請求項1記載の果実混和酒の製造
    法。
  3. 【請求項3】 アルコール飲料またはアルコール中の銅
    含量が4mg/L未満である請求項1記載の果実混和酒の
    製造法。
  4. 【請求項4】 銅と結合または吸着できる物質でアルコ
    ール飲料またはアルコールを処理し、銅を除去または低
    減させることを特徴とする果実混和酒の製造に用いるた
    めのアルコール飲料またはアルコールの製造法。
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