JP3056453B2 - 梅ブランデーの製造方法 - Google Patents
梅ブランデーの製造方法Info
- Publication number
- JP3056453B2 JP3056453B2 JP26010297A JP26010297A JP3056453B2 JP 3056453 B2 JP3056453 B2 JP 3056453B2 JP 26010297 A JP26010297 A JP 26010297A JP 26010297 A JP26010297 A JP 26010297A JP 3056453 B2 JP3056453 B2 JP 3056453B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plum
- alcohol
- pickled
- brandy
- distillate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Landscapes
- Preparation Of Fruits And Vegetables (AREA)
- Alcoholic Beverages (AREA)
- Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、果実を原料とす
る蒸留酒の製造方法に関し、詳しくは梅ブランデーの製
造方法に関する。
る蒸留酒の製造方法に関し、詳しくは梅ブランデーの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、梅酒は、梅果実を砂糖を混ぜた
焼酎または飲料用アルコールに浸漬して、浸透作用によ
りそのエキス成分をアルコール中に浸出させたものであ
る。
焼酎または飲料用アルコールに浸漬して、浸透作用によ
りそのエキス成分をアルコール中に浸出させたものであ
る。
【0003】また、ブランデーは、果実酒を蒸留したも
のであり、一般的にはブドウ酒を蒸留して樽に貯蔵して
熟成させたものであるが、ブドウ以外の原料からなる果
実酒(リンゴ、プラム、チェリーなど)を蒸留したブラ
ンデーも知られている。
のであり、一般的にはブドウ酒を蒸留して樽に貯蔵して
熟成させたものであるが、ブドウ以外の原料からなる果
実酒(リンゴ、プラム、チェリーなど)を蒸留したブラ
ンデーも知られている。
【0004】ところで、本願の出願人は、先に特開平8
−70810号公報に梅エキスの製造方法について開示
し、その方法により良質の梅エキスを製造した。
−70810号公報に梅エキスの製造方法について開示
し、その方法により良質の梅エキスを製造した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記梅エキス
の製造方法では、漬け梅を熱水に浸漬する工程でアルコ
ール含有成分が揮発し、この成分が無駄になっていた。
の製造方法では、漬け梅を熱水に浸漬する工程でアルコ
ール含有成分が揮発し、この成分が無駄になっていた。
【0006】また、従来の果実酒を蒸留するブランデー
の製造方法は、原料の果実を熱水に浸漬する工程はな
く、これでは副産物として揮発アルコールは発生しない
から、そのような揮発アルコール分を利用して良質のブ
ランデーが製造できるという考えは予想外であったと考
えられる。
の製造方法は、原料の果実を熱水に浸漬する工程はな
く、これでは副産物として揮発アルコールは発生しない
から、そのような揮発アルコール分を利用して良質のブ
ランデーが製造できるという考えは予想外であったと考
えられる。
【0007】そこで、この発明の課題は上記した問題点
を解決して、梅果実を原料として良質のブランデーを製
造することを可能とし、しかも、梅酒を製造した際の副
産物である漬梅の利用価値、または梅エキスの製造工程
で揮発するアルコール含有成分の有効利用を図ることで
ある。
を解決して、梅果実を原料として良質のブランデーを製
造することを可能とし、しかも、梅酒を製造した際の副
産物である漬梅の利用価値、または梅エキスの製造工程
で揮発するアルコール含有成分の有効利用を図ることで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、梅果実をエチルアルコールお
よび糖類を含有する液に浸漬し、生成した梅酒から漬梅
を分取し、この漬梅を熱水に浸漬して蒸発したアルコー
ル含有の粗留液を回収し、この粗留液を蒸留し、得られ
た留液を熟成させる梅ブランデーの製造方法としたので
ある。上記製造方法において、熱水の温度は95〜10
0℃であることが好ましい。
め、この発明においては、梅果実をエチルアルコールお
よび糖類を含有する液に浸漬し、生成した梅酒から漬梅
を分取し、この漬梅を熱水に浸漬して蒸発したアルコー
ル含有の粗留液を回収し、この粗留液を蒸留し、得られ
た留液を熟成させる梅ブランデーの製造方法としたので
ある。上記製造方法において、熱水の温度は95〜10
0℃であることが好ましい。
【0009】この発明の梅ブランデーの製造方法では、
漬梅を熱水に浸漬した際に、エチルアルコール含有の揮
発成分が蒸発する。蒸発したアルコール含有の粗留液に
は、漬梅を加熱したことによって良質の梅酒の香気成分
が多く含まれ、その他のブランデーの品質を高める微量
成分も含まれている。
漬梅を熱水に浸漬した際に、エチルアルコール含有の揮
発成分が蒸発する。蒸発したアルコール含有の粗留液に
は、漬梅を加熱したことによって良質の梅酒の香気成分
が多く含まれ、その他のブランデーの品質を高める微量
成分も含まれている。
【0010】このようにして漬梅から蒸発したアルコー
ル含有の粗留液を蒸留し、留液を熟成させて梅ブランデ
ーを製造することにより、従来例に見ない良質の梅ブラ
ンデーを製造することができる。
ル含有の粗留液を蒸留し、留液を熟成させて梅ブランデ
ーを製造することにより、従来例に見ない良質の梅ブラ
ンデーを製造することができる。
【0011】言い換えれば、この発明では、梅酒を製造
した際の副産物である漬梅の新たな用途を創出し、梅エ
キスの製造工程で漬梅から蒸発するアルコール含有成分
を有効に利用できる。
した際の副産物である漬梅の新たな用途を創出し、梅エ
キスの製造工程で漬梅から蒸発するアルコール含有成分
を有効に利用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明に用いる梅果実は、梅酒
製造用原料として、一般に使用される青梅などの梅の果
実であり、植物種としての梅の種類を特に限定したもの
ではない。
製造用原料として、一般に使用される青梅などの梅の果
実であり、植物種としての梅の種類を特に限定したもの
ではない。
【0013】この発明に用いるエチルアルコールと糖類
を含有する液としては、エチルアルコールを25〜35
容量%程度含有する水溶液に食用の糖類を添加したもの
であればよく、エチルアルコールの濃度、糖類の種類、
その配合割合は嗜好により、適宜に増減するので限定さ
れるものではない。なお、アルコール濃度の高いほう
が、抽出効率のよいのは勿論である。
を含有する液としては、エチルアルコールを25〜35
容量%程度含有する水溶液に食用の糖類を添加したもの
であればよく、エチルアルコールの濃度、糖類の種類、
その配合割合は嗜好により、適宜に増減するので限定さ
れるものではない。なお、アルコール濃度の高いほう
が、抽出効率のよいのは勿論である。
【0014】一応の目安としては、水洗した梅の果実1
kgに対してアルコール度35%の焼酎1.8リットル
と精製糖である砂糖(氷砂糖)を0.6〜1kg添加し
て、常温で3〜6箇月浸漬すればよい。
kgに対してアルコール度35%の焼酎1.8リットル
と精製糖である砂糖(氷砂糖)を0.6〜1kg添加し
て、常温で3〜6箇月浸漬すればよい。
【0015】このようにして生成した梅酒を、網や布な
どのフィルタを通過させて固形分の漬梅を分取し、得ら
れた漬梅を熱水に浸漬する。
どのフィルタを通過させて固形分の漬梅を分取し、得ら
れた漬梅を熱水に浸漬する。
【0016】浸漬時の条件として熱水の温度および圧力
は、特にこれらを限定するものではなく、浸漬後の熱水
にペクチンなど糖分が溶出するように、温度、圧力およ
び時間の条件は適宜に調節すればよい。例えば、加熱条
件としては、重量比で漬梅:水=1:1.5の割合で水
に漬梅を漬け、電気、ガス、蒸気などで95〜100℃
の熱水で常圧で60〜90分間煮沸することを目安にす
る。この場合、圧力釜で100℃以上で煮沸してもよ
く、減圧状態で95℃未満で沸騰状態にして加熱するこ
ともできる。
は、特にこれらを限定するものではなく、浸漬後の熱水
にペクチンなど糖分が溶出するように、温度、圧力およ
び時間の条件は適宜に調節すればよい。例えば、加熱条
件としては、重量比で漬梅:水=1:1.5の割合で水
に漬梅を漬け、電気、ガス、蒸気などで95〜100℃
の熱水で常圧で60〜90分間煮沸することを目安にす
る。この場合、圧力釜で100℃以上で煮沸してもよ
く、減圧状態で95℃未満で沸騰状態にして加熱するこ
ともできる。
【0017】漬梅を浸漬した後の熱水の組成の一例とし
ては、アルコール度(%)1.6〜3.0、ショ糖度
(ブリックス度)10〜19、全酸度(N/10のNa
OHによる中和量)8〜12ミリリットルである。
ては、アルコール度(%)1.6〜3.0、ショ糖度
(ブリックス度)10〜19、全酸度(N/10のNa
OHによる中和量)8〜12ミリリットルである。
【0018】そして、漬梅を熱水に浸漬して蒸発したア
ルコール含有の粗留液を回収するには、良く知られた単
式の蒸留装置を用いることが好ましい。
ルコール含有の粗留液を回収するには、良く知られた単
式の蒸留装置を用いることが好ましい。
【0019】さらに、得られた粗留液のアルコール度
(重量%)は、25〜45であり、より好ましいアルコ
ール度は30〜40である。
(重量%)は、25〜45であり、より好ましいアルコ
ール度は30〜40である。
【0020】蒸留の条件は、上記の装置を用いて蒸気に
よる間接加熱を行ない、蒸留機の温度条件を95〜10
0℃として約1時間加熱し、次に90〜95℃で1時間
加熱して合計2回の再留を行なうことにより、アルコー
ル度50〜80、好ましくは70度程度のブランデーが
得られる。
よる間接加熱を行ない、蒸留機の温度条件を95〜10
0℃として約1時間加熱し、次に90〜95℃で1時間
加熱して合計2回の再留を行なうことにより、アルコー
ル度50〜80、好ましくは70度程度のブランデーが
得られる。
【0021】なお、再留では少量の初留分をカットし
て、中留分のアルコールが70〜75度になるように採
取し、後留分は初留分と合わせて次の粗留液に加えるこ
とが好ましい。
て、中留分のアルコールが70〜75度になるように採
取し、後留分は初留分と合わせて次の粗留液に加えるこ
とが好ましい。
【0022】得られた留液を熟成させるには、ナラ、カ
シ、ホワイトオークなど木材からなる樽に収容し、新樽
は好ましくはブランデーで洗って使用して、ウイスキー
と同様に5年ほど貯蔵して一応の製品を得る。良品を得
るには10年〜数10年の熟成が必要である。
シ、ホワイトオークなど木材からなる樽に収容し、新樽
は好ましくはブランデーで洗って使用して、ウイスキー
と同様に5年ほど貯蔵して一応の製品を得る。良品を得
るには10年〜数10年の熟成が必要である。
【0023】
【実施例】水洗した青梅1.0kgに対してアルコール
度35%の焼酎1.8リットルと精製糖である砂糖を
1.0kg添加して、そのまま6箇月浸漬して、梅酒液
および漬梅を製造した。
度35%の焼酎1.8リットルと精製糖である砂糖を
1.0kg添加して、そのまま6箇月浸漬して、梅酒液
および漬梅を製造した。
【0024】製造した梅酒液から漬梅350kgを分取
し、この漬梅を釜に収容して500リットルの水に浸漬
し、常圧で加熱水蒸気により加熱し、液が95℃に達し
てから1時間煮沸した。その後、単式蒸留装置によって
回収した粗留液の組成を分析したところ、アルコール度
(%)35、全酸度(N/10のNaOHによる中和
量)0.1ミリリットルのものが得られた。
し、この漬梅を釜に収容して500リットルの水に浸漬
し、常圧で加熱水蒸気により加熱し、液が95℃に達し
てから1時間煮沸した。その後、単式蒸留装置によって
回収した粗留液の組成を分析したところ、アルコール度
(%)35、全酸度(N/10のNaOHによる中和
量)0.1ミリリットルのものが得られた。
【0025】次に、この粗留液を単式蒸留装置を用いて
蒸留し、得られた留液をそのままで使用するか、樫樽に
数年間貯蔵して熟成させたところ、梅酒の香気成分の入
った他に類を見ない素晴らしい良質の梅ブランデーが製
造された。
蒸留し、得られた留液をそのままで使用するか、樫樽に
数年間貯蔵して熟成させたところ、梅酒の香気成分の入
った他に類を見ない素晴らしい良質の梅ブランデーが製
造された。
【0026】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、梅酒
から採取した漬梅を熱水に浸漬し、蒸発したアルコール
含有の粗留液を蒸留し、香気成分他の微量成分およびア
ルコール含有の粗留液を蒸留し、留液を熟成させて梅ブ
ランデーを製造することにより、梅酒を製造した際の副
産物である漬梅の新たな用途が創出され、梅エキスの製
造工程で揮発するアルコール含有成分を有効利用して、
品質良好な梅ブランデーを製造することができるという
利点がある。
から採取した漬梅を熱水に浸漬し、蒸発したアルコール
含有の粗留液を蒸留し、香気成分他の微量成分およびア
ルコール含有の粗留液を蒸留し、留液を熟成させて梅ブ
ランデーを製造することにより、梅酒を製造した際の副
産物である漬梅の新たな用途が創出され、梅エキスの製
造工程で揮発するアルコール含有成分を有効利用して、
品質良好な梅ブランデーを製造することができるという
利点がある。
Claims (1)
- 【請求項1】 梅果実をエチルアルコールおよび糖類を
含有する液に浸漬し、生成した梅酒から漬梅を分取し、
この漬梅を熱水に浸漬して蒸発したアルコール含有の粗
留液を回収し、この粗留液を蒸留し、得られた留液を熟
成させることからなる梅ブランデーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26010297A JP3056453B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 梅ブランデーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26010297A JP3056453B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 梅ブランデーの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1189552A JPH1189552A (ja) | 1999-04-06 |
JP3056453B2 true JP3056453B2 (ja) | 2000-06-26 |
Family
ID=17343327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26010297A Expired - Lifetime JP3056453B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 梅ブランデーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3056453B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4585458B2 (ja) * | 2006-01-25 | 2010-11-24 | サントリーホールディングス株式会社 | 香味及び呈味の改善された梅酒及びその製造方法 |
-
1997
- 1997-09-25 JP JP26010297A patent/JP3056453B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1189552A (ja) | 1999-04-06 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140414 Year of fee payment: 14 |
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R250 | Receipt of annual fees |
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