JP3309619B2 - ポリプロピレンフィルム - Google Patents
ポリプロピレンフィルムInfo
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Description
ムに関するものである。特に、加工時のシワの発生を抑
制でき、アルミニウム、亜鉛等を蒸着するためのポリプ
ロピレンフィルムに関するものである。
材料、包装材料用フィルムとして広く用いれられている
が、その優れた電気特性(高耐電圧、低誘電損失)を活
かしてコンデンサ用途にも使用されている。一般的に、
コンデンサ用ポリプロピレンフィルムは、フィルム表面
に接着剤塗布、低融点ポリマ積層、あるいはコロナ放電
処理して、フィルム表面の接着性を改善した後、アルミ
ニウム、亜鉛等の金属を蒸着して使用されている。この
ように、ポリプロピレンフィルムは、フィルムコンデン
サの代表的な素材の一つであるが、近ごろの電子部品の
軽薄短小化に伴い、年々薄膜化してきており、最近では
10μm以下の厚さのフィルムが要求されてきている。
このように薄いポリプロピレンフィルムは、蒸着加工に
おける巻取り時にシワが発生するという問題がある。フ
ィルムにシワが入った場合、その部分に水分の混じった
空気が保持されるなどして、使用時の劣化の原因となり
うる。また、シワの入ったフィルムをロール状に巻いた
時、巻姿が不良となり、その後の工程において使用しづ
らくなる場合がある。
の蒸着加工時のシワ抑制方法として、高いアイソタクテ
ィック・インデックス(以下IIという。)のポリプロ
ピレンを用いたフィルムが特公平6−42441号公報
に開示されている。
ィルムに用いられている高IIポリプロピレンは、通常
製膜条件において延伸時に破れが生じたり、ボイドが発
生して電気特性に悪影響を与えるなど、生産性、フィル
ム特性に問題がある。
んとするものであり、蒸着加工時のシワを抑制できる薄
いポリプロピレンフィルムを提供することにある。
れる特性を有することを特徴とするポリプロピレンフィ
ルムである。
の赤外吸収スペクトルのそれぞれ2920cm−1 、2
960cm−1 における吸光度を示す。
は、主としてポリプロピレンを二軸延伸して得られるフ
ィルムのことである。
の高いものが、良好な機械特性、耐熱性を得る上で好ま
しい。IIは、ポリプロピレンをn−ヘプタンで抽出し
たときの抽出後のサンプル重量を初期重量で割った値で
あり、百分率で表示する。
は、95〜99%であることが好ましく、さらに好まし
くは96〜99%である。IIが95%未満であると、
ポリプロピレンフィルムの機械特性、耐熱性が低下し、
一方IIが99%を超えると製膜性がそれ以下のものよ
りも劣る場合がある。
は、100ppm以下であることが好ましく、さらに好
ましくは50ppm以下であり、より好ましくは30p
pm以下である。ポリプロピレンの灰分が100ppm
を超えると、ポリプロピレンフィルムの電気特性が悪化
する場合がある。
に使用するポリマは、上記ポリプロピレン以外にも、本
発明の目的を損なわない範囲内で他のポリオレフィン系
ポリマを配合することができる。例えば、ポリエチレ
ン、ポリブテン等をブレンドしたり、エチレン、ブテン
等をブロックあるいはランダム共重合したものを挙げる
ことができる。
の赤外吸収スペクトルの2960cm−1 における吸光
度A2960と2920cm−1 における吸光度A2920の比
A29 20/A2960は、1.00以下であり、さらに好まし
くは0.95以下であり、より好ましくは0.90以下
である。A2920/A2960が1.00を超えると、ポリプ
ロピレンフィルムを蒸着加工する時にシワが入り、フィ
ルムロールの荷姿が悪化し、その後の工程において使用
できなくなる場合がある。
の製造方法を以下に説明するが、必ずしもこれに限定さ
れるものではない。
に供給し、加熱溶融し、濾過フィルターを通した後、2
20〜320℃の温度でスリット状口金から溶融押出
し、冷却固化せしめ、未延伸フィルムを作る。
軸配向せしめる。延伸方法としては逐次二軸延伸方法、
または同時二軸延伸方法を用いることができる。逐次延
伸方法としては、まず未延伸フィルムを90〜140℃
の温度に加熱し、長手方法に4〜7倍延伸した後、冷却
し、ついでテンター式延伸機に導き、100〜170℃
の温度に加熱し、幅方向に8〜12倍に延伸した後、1
00〜170℃の温度で弛緩熱処理する。その後、蒸着
を施す面に蒸着金属の接着性を良くするために、空気
中、窒素中、炭酸ガス中あるいは混合気体中でコロナ放
電処理を行いワインダーで巻取る。
ピレンフィルムは、さらに30〜100℃の雰囲気下で
熱処理する事により、はじめて本発明に挙げる特徴を有
するようになるのである。この時の熱処理温度は、さら
に好ましくは35〜90℃であり、より好ましくは40
〜80℃である。熱処理温度が30℃未満では、シワの
改善効果がほとんど得られず、一方100℃を超えると
熱収縮などが大きくなる場合がある。また、熱処理時間
は2〜50時間が好ましい。ここで、熱処理時の雰囲気
としては、空気、水蒸気、水、その他ポリプロピレンに
不活性な溶媒が挙げられるが、特に空気中の処理が作業
性、処理コスト的にも好ましい。
の厚みは、10μm以下が好ましく、さらに好ましくは
8μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。
ポリプロピレンフィルムの厚みが10μmを超えるもの
は、それ自体に十分な自己支持性があるため、特に本発
明の技術を用いる必要はない。本発明の技術は、10μ
m以下のフィルムに対して効果があり、特に5μm以下
のフィルムに対して効果が著しい。
の長手方向の熱収縮率は、120℃、15分の処理時間
で、5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは
4%以下であり、より好ましくは3%以下である。長手
方向の熱収縮率が5%を超えると、フィルムをロール状
に巻き取った後の熱処理において、巻き締まりが起き、
平面性が悪化する場合がある。
の蒸着加工時のシワ等による合否判定は、幅100m
m、長さ5000mの蒸着を終えたフィルムリール30
本中の不良リール数から判断した。
は、不良リール数が4本以下であり、高い蒸着加工収率
を得ることができる。
のようにして測定した。
(II) 試料を60℃以下の温度でn−ヘプタンで2時間抽出し
て添加物を除き130℃で2時間真空乾燥する。これか
ら重量W(mg)の試料をとり、ソクスレー抽出器を用
いてn−ヘプタンで12時間抽出する。次に、この試料
をとりだしアセトンで十分洗浄し、130℃で6時間乾
燥した後、試料の重量W′(mg)を測定し、次式で求
めた。
フィルムを、白金坩堝に入れ、まずガスバーナ ーで十分に燃やした後、750〜800℃の電気炉で、
約1時間処理して完全灰化し、得られた灰の重量W′
(g)を測定し、下式から求めた。
を判定した。
示す ×:フィルム破れが起き、製膜性不良である
型ダイヤルゲージにて測定した。
トル装置にセットし、室温(23℃)でのスペクトルを
とり、該スペクトルチャートから2920cm−1 、2
960cm−1 の吸収の吸光度を読み取り計算した。
(L0 )として200mmの位置にマークを入れる。こ
のサンプルの下端に3gの荷重をかけ、120℃のオー
ブン中で15分間熱処理し、この後サンプルにマークし
た長さ(L1 )を測定し、次式により熱収縮率を求め
た。
長さ方向に5000m長さに分割し、30リールを作
成、合否判定し、不良リール数から次のように判定し
た。
る。
(株)製“ノーブレン”)を260℃の押出機に供給
し、スリットを施したTダイより押出し、80℃のドラ
ムでシート状に冷却固化した。該シートを120℃の温
度に予熱した後、135℃の温度で長手方向に5.0倍
延伸し、ただちに室温に冷却した。次に該縦延伸フィル
ムをテンターに導き、170℃の温度に予熱し、引き続
き160℃の温度で幅方向に9.0倍延伸し、さらに1
60℃の温度で熱処理を施した。次に、フィルムの片面
にコロナ放電処理を施し、ワインダーで巻き取った。こ
の時のフィルム厚みは4.0μm、灰分は15ppmで
あった。
25000mにスリットした後、保温室にて空気中、5
0℃で48時間熱処理した。
ィルムは、A2920/A2960が0.81であり、蒸着加工
時のシワによる不良リールがゼロであり、良好な蒸着加
工性を示した。
を変更したフィルムを得た。
ものであり、得られたポリプロピレンフィルムは、蒸着
加工時の不良リール数が少なく加工性良好であった。
ず、A2920/A2960が1.10と本発明の範囲外であ
り、得られたポリプロピレンフィルムは蒸着加工時のシ
ワによる不良リール数が多く、蒸着加工性不良であっ
た。比較例2は、熱処理時間が短く、A2920/A2960が
1.05と本発明の範囲外であり、得られたポリプロピ
レンフィルムは蒸着加工時のシワによる不良リール数が
多く、蒸着加工性不良であった。比較例3は、熱処理温
度が低く、A2920/A2960が1.10と本発明の範囲外
であり、得られたポリプロピレンフィルムは蒸着加工時
のシワによる不良リール数が多く、蒸着加工性不良であ
った。比較例4は、熱処理温度が高く、A29 20/A2960
が1.10と本発明の範囲外であり、得られたポリプロ
ピレンフィルムは蒸着加工時のシワによる不良リール数
が多く、蒸着加工性不良であった。比較例5は、IIが
小さく本発明の範囲外であり、熱収縮率が大きく、熱処
理時に巻き締まりを起こしてフィルムの表面性が悪化
し、十分な蒸着評価ができなかった。比較例6は、II
が大きく本発明の範囲外であり、製膜時にフィルム破れ
が多発し、満足にサンプルが得られなかった。
述したように赤外吸収スペクトルの2960cm−1 に
おける吸光度A2960と2920cm−1 における吸光度
A2920の比A2920/A2960を1.00以下に規定したも
のであり、蒸着加工時のシワによる不良を抑制したもの
である。
コンデンサ用途に好適に用いることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記式で表される特性を有することを特
徴とするポリプロピレンフィルム。 A2920/A2960≦1.00 ただし、A2920、A2960は、該ポリプロピレンフィルム
の赤外吸収スペクトルのそれぞれ2920cm−1 、2
960cm−1 における吸光度を示す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP564995A JP3309619B2 (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | ポリプロピレンフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP564995A JP3309619B2 (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | ポリプロピレンフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08193135A JPH08193135A (ja) | 1996-07-30 |
JP3309619B2 true JP3309619B2 (ja) | 2002-07-29 |
Family
ID=11616985
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP564995A Expired - Lifetime JP3309619B2 (ja) | 1995-01-18 | 1995-01-18 | ポリプロピレンフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3309619B2 (ja) |
-
1995
- 1995-01-18 JP JP564995A patent/JP3309619B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08193135A (ja) | 1996-07-30 |
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