JPH0642441B2 - コンデンサー - Google Patents
コンデンサーInfo
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- JPH0642441B2 JPH0642441B2 JP28306788A JP28306788A JPH0642441B2 JP H0642441 B2 JPH0642441 B2 JP H0642441B2 JP 28306788 A JP28306788 A JP 28306788A JP 28306788 A JP28306788 A JP 28306788A JP H0642441 B2 JPH0642441 B2 JP H0642441B2
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- polypropylene
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、誘電体として二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルムを用いたコンデンサーに関するものである。
ルムを用いたコンデンサーに関するものである。
誘電体層にポリプロピレンフィルムを用いたコンデンサ
ーは、誘電正接が小さく絶縁耐力等の電気特性に優れて
いることから常用されている。
ーは、誘電正接が小さく絶縁耐力等の電気特性に優れて
いることから常用されている。
しかしながら、かかる従来のポリプロピレンフィルムは
蒸着加工時に熱を受ける為、厚みの薄いポリプロピレン
フィルムは加工時の皺が混入しやすく加工ロスが多い。
又必ずしも高絶縁性でなくポリプロピレン固有の優れた
電気特性を十分享受するものではなかった。例えば特公
昭62−14564号公報の様にアイソタクチックペン
タッド分率が高く、沸騰n−ヘプタンでの含有物が小さ
いものがあるが、絶縁耐圧は必ずしも満足するものでは
ない。特開昭61−110906号公報は結晶性の高い
フィルムであるが蒸着加工性を満足するものではなく、
絶縁耐圧においても必ずしも十分ではない。
蒸着加工時に熱を受ける為、厚みの薄いポリプロピレン
フィルムは加工時の皺が混入しやすく加工ロスが多い。
又必ずしも高絶縁性でなくポリプロピレン固有の優れた
電気特性を十分享受するものではなかった。例えば特公
昭62−14564号公報の様にアイソタクチックペン
タッド分率が高く、沸騰n−ヘプタンでの含有物が小さ
いものがあるが、絶縁耐圧は必ずしも満足するものでは
ない。特開昭61−110906号公報は結晶性の高い
フィルムであるが蒸着加工性を満足するものではなく、
絶縁耐圧においても必ずしも十分ではない。
本発明は、かかる課題に鑑みて、蒸着加工性に優れ、破
壊電圧が高く、寿命の優れたコンデンサーを提供せんと
するものである。
壊電圧が高く、寿命の優れたコンデンサーを提供せんと
するものである。
本発明は、誘電体の少なくとも一面に金属蒸着層を備え
たコンデンサーにおいて、誘電体として、アイソタクチ
ック度98.0%以上、結晶サイズが13.5nm以
下、融解ピーク温度が165°C以上、135℃のn−
ヘプタンで抽出した成分の結晶化ピーク温度が85℃以
上、面配向度12.0×10-3以上の二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムを用いたことを特徴とする。
たコンデンサーにおいて、誘電体として、アイソタクチ
ック度98.0%以上、結晶サイズが13.5nm以
下、融解ピーク温度が165°C以上、135℃のn−
ヘプタンで抽出した成分の結晶化ピーク温度が85℃以
上、面配向度12.0×10-3以上の二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムを用いたことを特徴とする。
本発明において、アイソタクチック度(以下「I.I」
と略記する)とは135℃のn−ヘプタン12時間抽出
後の残渣の重量百分率をいい、本発明に使用するポリプ
ロピレンフィルムのI.Iは98%以上であり、好まし
くは98.5%以上である。
と略記する)とは135℃のn−ヘプタン12時間抽出
後の残渣の重量百分率をいい、本発明に使用するポリプ
ロピレンフィルムのI.Iは98%以上であり、好まし
くは98.5%以上である。
通常のモンテ系触媒であれば、重合温度を低くすること
が立体規則性を高く保つ方法であり、また活性度の高い
触媒系を用いると、立体規則性の高いポリプロピレンを
容易に作ることができる。一例をあげると、特公昭43
−21741号公報に記載されている三塩化チタン、ビ
スジエチルアルミニウム硫酸および三塩化リンを、モル
比で2:1:0.1の割合で用いて常法によって重合し
たポリプロピレンは、極めて高い立体規則性を示す。
が立体規則性を高く保つ方法であり、また活性度の高い
触媒系を用いると、立体規則性の高いポリプロピレンを
容易に作ることができる。一例をあげると、特公昭43
−21741号公報に記載されている三塩化チタン、ビ
スジエチルアルミニウム硫酸および三塩化リンを、モル
比で2:1:0.1の割合で用いて常法によって重合し
たポリプロピレンは、極めて高い立体規則性を示す。
この様にして、融解ピーク温度が165℃以上で、I.
Iが98%以上、好ましくは98.5%以上の結晶性の
高いポリプロピレンは重合温度や触媒の選択によって作
ることができる。
Iが98%以上、好ましくは98.5%以上の結晶性の
高いポリプロピレンは重合温度や触媒の選択によって作
ることができる。
I.Iが98.0%未満であれば、フィルム内の非晶部
の割合が高くなり、絶縁耐力の低下ばかりでなく、結晶
性を低下せしめ、蒸着加工時の熱変形により皺の混入に
よる加工ロスが増える傾向にある。なお、I.Iの上限
は特に限定するものではないが、通常99.6%程度で
ある。
の割合が高くなり、絶縁耐力の低下ばかりでなく、結晶
性を低下せしめ、蒸着加工時の熱変形により皺の混入に
よる加工ロスが増える傾向にある。なお、I.Iの上限
は特に限定するものではないが、通常99.6%程度で
ある。
本発明に使用するポリプロピレンフィルムのX線広角散
乱での結晶サイズは13,5nm以下であり、好ましく
は13.0nm以下である。13.5nmを越えると、
フィルム内の非晶部のセグメント密度の低下や分子鎖長
さが短くなり、ライフ寿命、すなわち一定課電電圧にお
ける絶縁耐圧の低下につながり寿命が短くなる。結晶サ
イズの下限は特に限定されないが、通常、11.0nm
程度である。
乱での結晶サイズは13,5nm以下であり、好ましく
は13.0nm以下である。13.5nmを越えると、
フィルム内の非晶部のセグメント密度の低下や分子鎖長
さが短くなり、ライフ寿命、すなわち一定課電電圧にお
ける絶縁耐圧の低下につながり寿命が短くなる。結晶サ
イズの下限は特に限定されないが、通常、11.0nm
程度である。
本発明において、融解ピーク温度(以下「Tm」と略記
する)とは、示差走査熱量計(DSC)における融解の
温度をいい、本発明に使用するポリプロピレンフィルム
のTmは165℃以上であり、好ましくは167℃以上
である。165℃未満であれば結晶性の低下により熱変
形による皺の発生や金属表面の欠点発生につながる。T
mの上限は特に限定されないが、通常、172℃程度で
ある。
する)とは、示差走査熱量計(DSC)における融解の
温度をいい、本発明に使用するポリプロピレンフィルム
のTmは165℃以上であり、好ましくは167℃以上
である。165℃未満であれば結晶性の低下により熱変
形による皺の発生や金属表面の欠点発生につながる。T
mの上限は特に限定されないが、通常、172℃程度で
ある。
本発明に使用するポリプロピレンフィルムの135℃の
n−ヘプタン抽出成分の結晶化ピーク温度(以下「Tm
c」と略記する)は、85℃以上であり、好ましくは8
8℃以上である。Tmcの上限は特に限定されないが、
通常、95℃である。
n−ヘプタン抽出成分の結晶化ピーク温度(以下「Tm
c」と略記する)は、85℃以上であり、好ましくは8
8℃以上である。Tmcの上限は特に限定されないが、
通常、95℃である。
該フィルムを構成するポリプロピレンは、必ずしもポリ
プロピレンホモポリマーからなる必要はなく、本発明の
目的、効果を損なわない範囲で、少量、好ましくは5重
量%以下のポリエチレンやポリ4メチルペンテン1など
の他種ポリオレフィンが混合されてもよい。Tmcが低
くなると絶縁耐力の低下が著しい。
プロピレンホモポリマーからなる必要はなく、本発明の
目的、効果を損なわない範囲で、少量、好ましくは5重
量%以下のポリエチレンやポリ4メチルペンテン1など
の他種ポリオレフィンが混合されてもよい。Tmcが低
くなると絶縁耐力の低下が著しい。
本発明に使用するポリプロピレンフィルムの面配向度は
12.0×10-3以上であり、好ましくは14×10-3
以上である。面配向度が12.0×10-3未満であれ
ば、ヤング率の低下すなわちフィルムの腰が弱く、蒸着
加工時に高温下での抗張力が低下し、フィルムが熱変形
しやすく、この結果として巻取り時に長さ方向に対して
直角の横方向に皺が混入しやすい欠点となる。面配向度
の上限は特に限定されないが、通常、16.0×10-3
程度である。
12.0×10-3以上であり、好ましくは14×10-3
以上である。面配向度が12.0×10-3未満であれ
ば、ヤング率の低下すなわちフィルムの腰が弱く、蒸着
加工時に高温下での抗張力が低下し、フィルムが熱変形
しやすく、この結果として巻取り時に長さ方向に対して
直角の横方向に皺が混入しやすい欠点となる。面配向度
の上限は特に限定されないが、通常、16.0×10-3
程度である。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面粗さは
特に限定されるものではないが、粗さ(Ra)は0.1
μm以下であるのが望ましく、粗さが小さいほど本発明
の効果はより顕著となる。すなわち、粗さが小さい程微
細な結晶が密に存在し、結晶性が高く、フィルムの剛性
も大きく、蒸着時の熱変形を抑制し、皺の発生を大幅に
軽減することができる。
特に限定されるものではないが、粗さ(Ra)は0.1
μm以下であるのが望ましく、粗さが小さいほど本発明
の効果はより顕著となる。すなわち、粗さが小さい程微
細な結晶が密に存在し、結晶性が高く、フィルムの剛性
も大きく、蒸着時の熱変形を抑制し、皺の発生を大幅に
軽減することができる。
特にフィルム厚みが2〜12μm位の非常に薄いフィル
ムにおいてその効果はより顕著である。
ムにおいてその効果はより顕著である。
フィルムの構成は単膜に限定されるものではなく、複合
されているものでもよい。
されているものでもよい。
金属蒸着フィルムを用いたコンデンサーにおいては、適
用される蒸着の金属としては、アルミニウム(Al)、
亜鉛(Zn)等、又はそれらの合金が例示できるが、こ
れらに限定されず公知の金属であればいずれであっても
よい。
用される蒸着の金属としては、アルミニウム(Al)、
亜鉛(Zn)等、又はそれらの合金が例示できるが、こ
れらに限定されず公知の金属であればいずれであっても
よい。
次に、本発明のコンデンサーの製造法の一例について説
明する。但し、本発明は以下の方法に限定されるもので
はない。
明する。但し、本発明は以下の方法に限定されるもので
はない。
超高活性化触媒を用いて無溶媒の液化プロピレン中で重
合、後処理によって得られたI.Iが98.5〜99.
5%なるポリプロピレン樹脂を230〜285℃に加熱
された押出機に供給し、スリット状の口金から吐出し、
表面温度20〜95℃のチルロールに接触させて冷却固
化し、厚み350〜800μm相当の未延伸フィルムを
得る。
合、後処理によって得られたI.Iが98.5〜99.
5%なるポリプロピレン樹脂を230〜285℃に加熱
された押出機に供給し、スリット状の口金から吐出し、
表面温度20〜95℃のチルロールに接触させて冷却固
化し、厚み350〜800μm相当の未延伸フィルムを
得る。
面配向度を高めるにはフィルムを高結晶化させる程好ま
しい値となることからチルロールでの冷却は徐冷が好ま
しい。但し、この場合、β晶生成によりフィルム表面が
粗面化する傾向にあるため、注意する必要がある。
しい値となることからチルロールでの冷却は徐冷が好ま
しい。但し、この場合、β晶生成によりフィルム表面が
粗面化する傾向にあるため、注意する必要がある。
二軸延伸フィルムとする場合、上記未延伸フィルムを1
25〜155℃の温度で加熱した後、長さ方向に4.0
〜5.8倍延伸する。
25〜155℃の温度で加熱した後、長さ方向に4.0
〜5.8倍延伸する。
なお、面配向度を高めるには低い温度で高倍率延伸する
程好ましいが厚み斑を助長することから加熱温度は14
0〜152℃が好ましく、延伸倍率は4.8〜5.5倍
が好ましい。
程好ましいが厚み斑を助長することから加熱温度は14
0〜152℃が好ましく、延伸倍率は4.8〜5.5倍
が好ましい。
さらにより好ましくは140〜152℃で4.75〜
5.0倍延伸後、145〜154℃の温度で1.05〜
1.1倍の再延伸を行うことである。
5.0倍延伸後、145〜154℃の温度で1.05〜
1.1倍の再延伸を行うことである。
135℃のn−ヘプタンで抽出した成分のTmcは原料
にも依存するが、Tmcを高めるには、溶融ポリマーを
冷却する際、徐冷が好ましい。長さ方向の延伸条件にも
依存し、前述のとおり再延伸を行なうことが好ましい。
にも依存するが、Tmcを高めるには、溶融ポリマーを
冷却する際、徐冷が好ましい。長さ方向の延伸条件にも
依存し、前述のとおり再延伸を行なうことが好ましい。
次いで、該フィルムをテンター式延伸装置に送り込み、
直角方向(横方向)に7〜12倍延伸する。この時の延
伸温度は140〜165℃である。延伸後140〜16
3℃の温度で10%以下の弛緩をしながら熱処理をす
る。Tmを高めるには高温での熱処理が好ましいが、結
晶サイズが大きくなることから145〜155℃の温度
が好ましい。
直角方向(横方向)に7〜12倍延伸する。この時の延
伸温度は140〜165℃である。延伸後140〜16
3℃の温度で10%以下の弛緩をしながら熱処理をす
る。Tmを高めるには高温での熱処理が好ましいが、結
晶サイズが大きくなることから145〜155℃の温度
が好ましい。
次いで、必要に応じてフィルム表面の片面もしくは両面
に必要に応じて表面活性化処理(コロナ放電処理など公
知の放電処理のいずれでもよい)を行ない巻取る。以上
の様にして形成されたフィルムに、真空中でAl、Zn
等の金属を膜抵抗2〜6Ω/□になる様に蒸着して電極
とし、これを2枚重ねて巻回し、必要容量のコンデンサ
ー素子とする。
に必要に応じて表面活性化処理(コロナ放電処理など公
知の放電処理のいずれでもよい)を行ない巻取る。以上
の様にして形成されたフィルムに、真空中でAl、Zn
等の金属を膜抵抗2〜6Ω/□になる様に蒸着して電極
とし、これを2枚重ねて巻回し、必要容量のコンデンサ
ー素子とする。
なお、誘電体は、上記フィルムだけでもよいが、他のフ
ィルムや紙との積層体としてもよい。本発明のコンデン
サーは、乾式、油含浸式のいずれであってもよい。
ィルムや紙との積層体としてもよい。本発明のコンデン
サーは、乾式、油含浸式のいずれであってもよい。
なお、この発明の特性値は、次の測定法により測定する
ものである。
ものである。
(1)アイソタチック度(I.I) A.フィルムから重畳W(g)の試料をとり、円筒濾紙
にこれを入れる。
にこれを入れる。
B.抽出器に試料の入った円筒濾紙とn−ヘプタン80
mlを入れ、135℃で12時間抽出を行なう。
mlを入れ、135℃で12時間抽出を行なう。
C.抽出終了後円筒濾紙を取り外し真空乾燥器で5時間
乾燥後の試料の重量を測定し、その値をW′(g)とす
る。
乾燥後の試料の重量を測定し、その値をW′(g)とす
る。
D.次式によりI.I(%)を求める。
I.I(%)=(W′/W)×100 (2)結晶サイズ 広角X線回析法(反射法)で、印加電圧35kV、15
mA、Scan Speed 1°/min、Time
Const 2sec、FS8000cps、スリッ
ト系、DS SS 1°、RS 0.3mm、フィルター
はニッケルを用い、上記条件で測定後、次式で求め、
(110)面の測定値をフィルムの結晶サイズ(nm)
と定義した。
mA、Scan Speed 1°/min、Time
Const 2sec、FS8000cps、スリッ
ト系、DS SS 1°、RS 0.3mm、フィルター
はニッケルを用い、上記条件で測定後、次式で求め、
(110)面の測定値をフィルムの結晶サイズ(nm)
と定義した。
結晶サイズ=K・λ/(β・cosθ) K:シエラー常数、ここではK=1とした。
λ:0.15418 β:半価幅 θ:ピーク角度 (3)融解ピーク温度(Tm) PERKIN ELMER社製DSC−II型の走査型示
差熱量計を用いて、次の測定条件にて得られた溶融時の
ピーク温度を融解ピーク温度(Tm)と定義した。
差熱量計を用いて、次の測定条件にて得られた溶融時の
ピーク温度を融解ピーク温度(Tm)と定義した。
試料量:5mg 範囲:5mcal/sec 昇温速度:20℃/分 感度:10mV (4)抽出成分の結晶化ピーク温度(Tmc) I.Iの測定で得られた抽出物を蒸発乾固させた後、前
記の走査型示差熱量計にて降温冷却時のピーク温度を結
晶化ピーク温度(Tmc)と定義した。
記の走査型示差熱量計にて降温冷却時のピーク温度を結
晶化ピーク温度(Tmc)と定義した。
試料量:5mg 範囲:5mcal/sec 昇温速度:20℃/分 感度:10mV 溶融温度,保持時間:280℃,5分 (5)面配向度 アッベ屈折計を用いて、フィルムの両面をサリチル酸メ
チルでマウントを行ない、長さ方向、横方向、厚さ方向
の屈折率を測定し、次式にて求めた。
チルでマウントを行ない、長さ方向、横方向、厚さ方向
の屈折率を測定し、次式にて求めた。
面配向度=(ηx+ηy)/2−ηz ここでηx:長さ方向の屈折率 ηy:横方向の屈折率 ηz:厚さ方向の屈折率 (6)蒸着加工ロス率 幅530mm、長さ20000mで厚み8μmのフィルム
を3×10-4Torrの真空下でAl金属を膜抵抗2.
5Ω/□を300m/分でマージン3mmを含む幅100
mmとして蒸着加工を行なう。蒸着後100mm幅に裁断し
ながら350m/分の速度で巻取り、折れジワ混入によ
る製品のロス率(%)を、次式にて求めた。ここでは検
査対象蒸着製品本数は500本とした。
を3×10-4Torrの真空下でAl金属を膜抵抗2.
5Ω/□を300m/分でマージン3mmを含む幅100
mmとして蒸着加工を行なう。蒸着後100mm幅に裁断し
ながら350m/分の速度で巻取り、折れジワ混入によ
る製品のロス率(%)を、次式にて求めた。ここでは検
査対象蒸着製品本数は500本とした。
(7)絶縁破壊電圧 厚み8μmで膜抵抗2.5Ω/□のAl蒸着された幅1
00mm(マージン幅3mmを含む)のフィルムを用いて素
子巻機で10μFの容量のコンデンサー素子を作製し、
メタリコンを行って端部を融着させる。115℃で5時
間熱処理後端子付けてコンデンサーとする。
00mm(マージン幅3mmを含む)のフィルムを用いて素
子巻機で10μFの容量のコンデンサー素子を作製し、
メタリコンを行って端部を融着させる。115℃で5時
間熱処理後端子付けてコンデンサーとする。
このコンデンサーを交流で600Vから1分間課電を行
ない50Vずつ課電圧を昇圧しその破壊電圧を求めた。
破壊電圧はコンデンサー20個の平均値である。
ない50Vずつ課電圧を昇圧しその破壊電圧を求めた。
破壊電圧はコンデンサー20個の平均値である。
(8)シートV−t破壊率(%) 厚み8μmのフィルムを150mm×150mmのサイズで
サンプリングを行ない、春日電機(株)製AC耐圧試験
機15kVの耐圧装置を用いて陽極に50mmφの黄銅製
電極、陰極に8μmのAl箔を3mm厚のシリコーンゴム
に3枚重巻として、陽極と陰極の間にフィルムをおき、
交流で1kV課電する。課電後から破壊するまでの時間
を求め、60秒以下で破壊する割合を次式にて求めた。
但し、測定総数は50本とした。
サンプリングを行ない、春日電機(株)製AC耐圧試験
機15kVの耐圧装置を用いて陽極に50mmφの黄銅製
電極、陰極に8μmのAl箔を3mm厚のシリコーンゴム
に3枚重巻として、陽極と陰極の間にフィルムをおき、
交流で1kV課電する。課電後から破壊するまでの時間
を求め、60秒以下で破壊する割合を次式にて求めた。
但し、測定総数は50本とした。
〔実施例〕 以下、実施例に基づいて、この発明の実施態様を説明す
る。
る。
実施例1 I.Iが99.3%なるポリプロピレン樹脂を250℃
に加熱された押出機に供給し、スリット状の口金から吐
出し、85℃のチルロールに接触させて冷却固化し、4
40μmの未延伸シートを得た。このシートを145℃
の温度で長さ方向に4.75倍延伸を行なった後、さら
に150℃の温度で1.1倍の延伸を行なった後、直角
方向に160℃の温度で10.5倍延伸後、145℃の
温度で5.0%弛緩しつつ熱処理し、8μmのフィルム
を作った。このフィルムの片面に10W・min/m2
のコロナ放電処理を施した。このフィルムを530mm幅
にスリット後3×10-4Torrの真空下で2.5Ω/
□の膜抵抗でAlの金属をコロナ放電処理面へ蒸着し
た。
に加熱された押出機に供給し、スリット状の口金から吐
出し、85℃のチルロールに接触させて冷却固化し、4
40μmの未延伸シートを得た。このシートを145℃
の温度で長さ方向に4.75倍延伸を行なった後、さら
に150℃の温度で1.1倍の延伸を行なった後、直角
方向に160℃の温度で10.5倍延伸後、145℃の
温度で5.0%弛緩しつつ熱処理し、8μmのフィルム
を作った。このフィルムの片面に10W・min/m2
のコロナ放電処理を施した。このフィルムを530mm幅
にスリット後3×10-4Torrの真空下で2.5Ω/
□の膜抵抗でAlの金属をコロナ放電処理面へ蒸着し
た。
マージン幅3mmを含んだフィルム幅100mm幅にスリッ
ト後素子巻機にかけて10μFのコンデンサー素子を作
り常法によってメタリコン115℃で5時間熱処理後リ
ード線の取付けを行なった。このコンデンサーを用いて
交流で600Vから1分間課電を行ない破壊にいたるま
で50Vずつ段階をえて昇圧を行なった。その結果は第
1表に示した通りであって、I.Iが98%以上で結晶
サイズが13.5nm以下、Tmが165℃以上、抽出
成分のTmcが85℃以上、面配向度12.0×10-3
以上のものは、すなわち実施例1のコンデンサーは、後
述の比較例1〜4に比べ明らかに耐電圧の向上している
ことがわかる。
ト後素子巻機にかけて10μFのコンデンサー素子を作
り常法によってメタリコン115℃で5時間熱処理後リ
ード線の取付けを行なった。このコンデンサーを用いて
交流で600Vから1分間課電を行ない破壊にいたるま
で50Vずつ段階をえて昇圧を行なった。その結果は第
1表に示した通りであって、I.Iが98%以上で結晶
サイズが13.5nm以下、Tmが165℃以上、抽出
成分のTmcが85℃以上、面配向度12.0×10-3
以上のものは、すなわち実施例1のコンデンサーは、後
述の比較例1〜4に比べ明らかに耐電圧の向上している
ことがわかる。
一方、蒸着加工ロス率についても製品中での皺の発生も
なく加工ロスの向上していることが明らかである。
なく加工ロスの向上していることが明らかである。
実施例2 I.Iが98.3%なるポリプロピレン樹脂を用いて他
は実施例1と同様の条件で行った。
は実施例1と同様の条件で行った。
第1表に示す通り、実施例1と同じく絶縁耐圧、蒸着の
加工性の優れていることがわかる。
加工性の優れていることがわかる。
比較例1 I.Iが97.5%なるポリプロピレン樹脂を用いて、
チルロール温度は88℃以外は実施例1と同じ条件で未
延伸シートを得た。このシートを150℃の温度で長さ
方向に5.0倍延伸を行った後、直角方向に158℃の
温度で10.0倍延伸後、150℃の温度で5.0%弛
緩しつつ熱処理をし、8μmのフィルムを得た。以後は
実施例1と同様である。第1表の結果で明らかな様に得
られたフィルムは結晶性が低く、結晶サイズが大きくな
り、面配向度が小さく、絶縁耐圧は劣り、蒸着時での熱
変形が大きくなり、皺混入によるロス率が大きくなる。
チルロール温度は88℃以外は実施例1と同じ条件で未
延伸シートを得た。このシートを150℃の温度で長さ
方向に5.0倍延伸を行った後、直角方向に158℃の
温度で10.0倍延伸後、150℃の温度で5.0%弛
緩しつつ熱処理をし、8μmのフィルムを得た。以後は
実施例1と同様である。第1表の結果で明らかな様に得
られたフィルムは結晶性が低く、結晶サイズが大きくな
り、面配向度が小さく、絶縁耐圧は劣り、蒸着時での熱
変形が大きくなり、皺混入によるロス率が大きくなる。
比較例2 I.I97.5%なるポリプロピレン樹脂を用いて、他
は実施例1と同様の条件で行った。
は実施例1と同様の条件で行った。
面配向度が大きくなり、皺混入によるロス率は改良傾向
であるが絶縁耐圧は不十分である。
であるが絶縁耐圧は不十分である。
比較例3 I.Iが98.3%なるポリプロピレン樹脂を用いて、
他は比較例1と同様の条件で行った。
他は比較例1と同様の条件で行った。
I.Iアップの効果により絶縁耐圧は良化傾向であるが
結晶サイズが大きく、一定課電圧下でのライフ特性はま
だ不十分である。
結晶サイズが大きく、一定課電圧下でのライフ特性はま
だ不十分である。
比較例4 I.Iが99.3%なるポリプロピレン樹脂を用いて比
較例1と同様の条件で行った。
較例1と同様の条件で行った。
面配向度が小さく、皺混入によるロス率が大きい。
〔発明の効果〕 この発明のコンデンサーは上述した様に、I.Iが98
%以上、結晶サイズが13.5nm以下、Tmが165
℃以上、抽出成分のTmcが85℃以上、面配向度12
×10-3以上の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを誘電
体層としたので従来品に比べて破壊電圧が向上し、か
つ、蒸着加工ロスが小さくなっている。
%以上、結晶サイズが13.5nm以下、Tmが165
℃以上、抽出成分のTmcが85℃以上、面配向度12
×10-3以上の二軸延伸ポリプロピレンフィルムを誘電
体層としたので従来品に比べて破壊電圧が向上し、か
つ、蒸着加工ロスが小さくなっている。
そのため促進テストでの寿命性で約20%の向上が期待
され、耐電圧を大幅に高めることができる。
され、耐電圧を大幅に高めることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】誘電体の少なくとも一面に金属蒸着層を備
えたコンデンサーにおいて、誘電体として、アイソタク
チック度98.0%以上、結晶サイズが13.5nm以
下、融解ピーク温度が165℃以上、135℃のn−ヘ
プタンで抽出した成分の結晶化ピーク温度が85℃以
上、面配向度12.0×10-3以上の二軸延伸ポリプロ
ピリンフィルムを用いたことを特徴とするコンデンサ
ー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28306788A JPH0642441B2 (ja) | 1988-11-09 | 1988-11-09 | コンデンサー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28306788A JPH0642441B2 (ja) | 1988-11-09 | 1988-11-09 | コンデンサー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02129905A JPH02129905A (ja) | 1990-05-18 |
JPH0642441B2 true JPH0642441B2 (ja) | 1994-06-01 |
Family
ID=17660777
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28306788A Expired - Fee Related JPH0642441B2 (ja) | 1988-11-09 | 1988-11-09 | コンデンサー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0642441B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014055283A (ja) * | 2012-06-29 | 2014-03-27 | Toyobo Co Ltd | 延伸ポリプロピレンフィルム |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ATE385036T1 (de) * | 1998-10-28 | 2008-02-15 | Treofan Germany Gmbh & Co Kg | Biaxial orientierte elektroisolierfolie mit verbessertem schrumpf bei erhöhten temperaturen |
JP5929838B2 (ja) * | 2013-05-30 | 2016-06-08 | 王子ホールディングス株式会社 | コンデンサー用二軸延伸ポリプロピレンフィルム |
JP6874373B2 (ja) | 2015-05-12 | 2021-05-19 | 東レ株式会社 | ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルムおよびフィルムコンデンサ並びにそれらの製造方法 |
WO2020171163A1 (ja) | 2019-02-21 | 2020-08-27 | 東レ株式会社 | ポリプロピレンフィルムおよびこれを用いた金属膜積層フィルム、フィルムコンデンサ |
-
1988
- 1988-11-09 JP JP28306788A patent/JPH0642441B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014055283A (ja) * | 2012-06-29 | 2014-03-27 | Toyobo Co Ltd | 延伸ポリプロピレンフィルム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02129905A (ja) | 1990-05-18 |
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