JP3309545B2 - 車両用空調制御装置 - Google Patents

車両用空調制御装置

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JP3309545B2
JP3309545B2 JP03662294A JP3662294A JP3309545B2 JP 3309545 B2 JP3309545 B2 JP 3309545B2 JP 03662294 A JP03662294 A JP 03662294A JP 3662294 A JP3662294 A JP 3662294A JP 3309545 B2 JP3309545 B2 JP 3309545B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用空調制御装置に
係り、特に、車両室内の快適性の向上を図る場合に好適
な車両用空調制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用空調装置の制御系は、図8
に示す如く、各種演算部及び各種制御部を備えた空調コ
ントローラ50と、空調コントローラ50の入力値読込
部51へ入力インターフェイス52を介して接続された
各種センサ,各種スイッチと、空調コントローラ50の
各種制御部へ駆動出力インターフェイス53を介して接
続された各種アクチュエータ,コンプレッサリレー,フ
ァンモータとから構成されている。日射量センサ54は
車両外部の日射量を検出し、車内温度センサとしての内
気温センサ55は内気温度(車室内温度)を検出し、外
気温センサ56は外気温度を検出し、エバポレータ温セ
ンサ57はエバポレータ温度を検出し、水温センサ58
はヒータコア温度を検出し、吹出温センサ62はデフ吹
出口/ベント吹出口/ヒート吹出口の温度を検出するも
のであり、各センサの検出信号は空調コントローラ50
の入力値読込部51へ入力される。
【0003】また、エアミックスダンパセンサ59はエ
アミックスダンパの開閉状態を検出し、吹出口ダンパセ
ンサ60はデフ吹出口/ベント吹出口/ヒート吹出口の
各ダンパの開閉状態を検出し、内外気ダンパセンサ61
は内気/外気切換用ダンパの開閉状態を検出するもので
あり、各センサの検出信号は空調コントローラ50の入
力値読込部51へ入力される。設定温スイッチ63は車
両室内温度を設定し、吹出口選択スイッチ64はデフ/
ベント/ヒート吹出口のうち何れの吹出口から調和風を
吹出させるかを選択し、内外気導入スイッチ65は内気
又は外気導入口から内気又は外気の導入を設定し、ファ
ン風量スイッチ66はファンの風量を設定するものであ
り、各スイッチの操作信号は空調コントローラ50の入
力値読込部51へ入力される。
【0004】空調コントローラ50の目標エアミックス
ダンパ位置演算部67は、エアミックスダンパの目標位
置を設定し、エアミックスダンパ駆動制御部68は、目
標エアミックスダンパ位置演算部67の指令に基づきエ
アミックスダンパアクチュエータ69を駆動制御する。
目標吹出口演算部70は、調和風を吹出させる目標吹出
口を設定し、吹出口ダンパ駆動制御部71は、目標吹出
口演算部70の指令に基づき吹出口ダンパアクチュエー
タ72を駆動制御する。
【0005】内外気導入口演算部73は、内気又は外気
の導入口を設定し、内外気ダンパ駆動制御部74は、内
外気導入口演算部73の指令に基づき内外気ダンパアク
チュエータ75を駆動制御する。コンプレッサオン/オ
フ切換用エバポレータ温演算部76は、エバポレータ温
度を設定し、コンプレッサオン/オフ制御部77は、コ
ンプレッサオン/オフ切換用エバポレータ温演算部76
の指令に基づきコンプレッサリレー78を駆動制御す
る。目標風量値演算部79は、目標風量値を演算し、フ
ァン駆動制御部80は、目標風量値演算部79の指令に
基づきファンモータ81を駆動制御する。
【0006】ところで、従来の車両用空調装置では、上
述した各種制御のうち風量制御については次のような制
御を行っていた。即ち、図9は目標吹出温度(或いは内
気温偏差)の大小に応じて基本風量値を演算するための
基本風量演算マップを示し、図10は日射量の大小に応
じて風量値を補正するための日射補正風量演算マップを
示しており、風量値は、基本風量値に日射補正風量値を
加算した値として演算される。
【0007】前述した目標吹出温度は、 目標吹出温度=Ka×設定温度−Kb×内気温度−Kc×外気温度 −Kd×日射量+Ke (但し、Ka〜Keは定数) なる式で演算することができ、Ka=Kbとすれば、 目標吹出温度=Ka(設定温度−内気温度)−Kc×外気温度 −Kd×日射量+Ke となる(「設定温度−内気温度」は「内気温偏差」に相
当する)。また、内気温偏差は、 内気温偏差=車両室内目標温度−内気温度 なる式で演算することができる。この場合、車両室内目
標温度は、設定温度と同じ値としてもよく、或いは外気
温度及び日射量に基づき設定温度に補正した値としても
よい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の車両用空調装置による風量制御においては、下
記の問題があった。即ち、図9の基本風量演算マップは
便宜上簡易化して表わしているが、実際には、目標吹出
温度(或いは内気温偏差)の係数である内気温度は微小
温度(例えば1[度C])きざみとしており,基本風量
も1段階きざみとしているため、内気温センサの設置場
所における周囲温度の変動やノイズ等の外乱の影響で,
内気温度が短時間周期及び長時間周期を問わず例えば1
〜2[度C]程度変動した場合、風量も変動するという
問題があった。
【0009】図11(a)及び図11(b)は車両室内
の冷房時における内気温センサの検出値と風量値との相
関を示すものであり、図11(a)の階段状の領域Ra
は内気温センサの検出値が過渡状態にある領域を示し、
図11(a)の直線状の領域Rbは内気温センサの検出
値が安定状態にある領域を示し、図11(b)の階段状
の領域Rcは風量が過渡状態にある領域を示し、図11
(b)の直線状の領域Rdは風量が安定状態にある領域
を示している。図11(b)に示す一定値Hは風量が安
定状態に移行したか否かの判定基準となるレベルであ
る。
【0010】即ち、過渡状態において内気温センサの検
出値の減少に伴い車両室内への吹出し風量が変動する現
象は、車両乗員に不快感や違和感をもたらすことは無い
が、安定状態において内気温センサの設置場所における
周囲温度の変動やノイズ等の外乱の影響で内気温センサ
の検出値の変動(図11(a)(b)における時刻ta
〜tb,時刻tc〜td)に伴い車両室内への吹出し風
量が変動する現象は、車両乗員に不快感や違和感をもた
らすため、車両室内の快適性の面で問題があった。
【0011】
【発明の目的】本発明は、上記従来例の有する不都合を
改善し、特に、車両室内の空調環境が安定状態に移行し
てから外乱による内気温センサの検出値の変動が原因で
目標風量が変化した場合は,目標風量値に補正を加える
ことにより、車両室内における快適性の向上を図った車
両用空調制御装置を提供することを、その目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、車
内温度センサと設定温スイッチと日射量センサの出力に
基づいて目標風量値を演算する目標風量値演算部と、こ
の目標風量値演算部で演算される目標風量値に基づいて
ファンを駆動制御し車内への吹き出し風量を目標風量に
設定制御するファン駆動制御部とを備えた車両用空調制
御装置において、目標風量値演算部とファン駆動制御部
との間に、風量値補正演算部を装備すると共に、この風
量値補正演算部が、車両室内の空調環境が過渡状態から
安定状態に移行しているか否かを判定する空調状態判定
機能と、この空調状態判定機能によって車両室内の空調
環境が安定状態に移行していると判定された状況下にお
いて目標風量値演算部から出力される目標風量値の変化
の有無を検出する風量変動検出機能と、該風量変動検出
機能によって目標風量値の変化が検出された場合に限
り、設定温スイッチの設定変更の有無と日射量センサの
出力の変動の有無に基いて、設定温スイッチの設定変更
および日射量センサの出力変動が共にない場合には車内
温度センサの検出動作に外乱に伴って生じる検出異常が
あるものと判定する一方、設定温スイッチの設定変更も
しくは日射量センサの出力変動の少なくとも一方がある
場合には車内温度センサの検出動作に異常がないものと
判定する車内温度センサ判定機能と、この車内温度セン
サ判定機能により車内温度センサの動作が異常と判定さ
れた場合に作動し前記変化した目標風量値を出力せずに
変化前の目標風量値を継続してファン駆動制御部に対し
て出力する風量補正値出力機能とを備えていることを特
徴とした構成を有する。これによって前述した目的を達
成しようとするものである
【0013】また、請求項2の本発明は、前述した構成
要素のうち空調状態判定機能の構成を技術的に限定し、
前記目標風量値が予め決められた一定値以下の値となっ
ているか否かにより空調環境が安定状態に移行している
か否かを判定するように構成したものである。
【0014】また、請求項3の本発明は、風量値補正演
算部のうち特に風量補正値出力機能における風量補正値
出力の態様を技術的に限定し、この風量値補正演算部
が、一定時間継続して車内温度センサの動作を異常と判
定した場合に、前記目標風量値演算部から出力される目
標風量値を減量補正して出力するように構成したもので
ある。
【0015】
【作用】請求項1の本発明においては、目標風量値演算
部が、車内温度センサと設定温スイッチと日射量センサ
の出力に基づいて目標風量値を演算する。風量値補正演
算部は、空調状態判定機能によって車両室内の空調環境
が過渡状態から安定状態に移行しているか否かを判定
し、空調環境が安定状態に移行していると判定された状
況下においては、更に、風量変動検出機能によって目標
風量値演算部から出力される目標風量値の変化の有無が
検出されるそして、風量変動検出機能により目標風量
値の変化が検出された場合には、車内温度センサ判定機
能により、車内温度センサの検出動作に外乱に起因する
検出異常があるか否かが判定される。この判定は、設定
温スイッチの設定変更の有無と日射量センサの出力の変
動の有無を判定基準として行われるものであり、具体的
には、設定温スイッチの設定変更および日射量センサの
出力変動が共にない場合には異常あり、また、設定温ス
イッチの設定変更もしくは日射量センサの出力変動の少
なくとも一方がある場合には異常なしと判定される。そ
して、車内温度センサ判定機能により車内温度センサの
動作に異常があると判定された場合には、更に、風量補
正値出力機能が作動し、変化した目標風量値に代えて、
変化前の目標風量値を継続してファン駆動制御部に対し
て出力する。これにより、内気温センサの設置場所にお
ける周囲温度の変動やノイズ等の外乱に起因した車内温
度センサの検出動作の異常による目標風量値の変動が取
り除かれ、車内への吹き出し風量の変動を最小限に抑制
することが可能となるため、従来のように吹き出し風量
の変動が車両乗員に対して不快感や違和感をもたらす不
具合を解消することができ、この結果、車両室内におけ
る快適性の向上を図ることができる
【0016】請求項2の本発明においては、空調状態判
定機能により、目標風量値演算部によって演算された目
標風量値の値が予め決められた一定値以下の値となって
いるか否かに基いて空調環境が安定状態に移行している
かどうかが判定される。
【0017】請求項3の本発明によれば、一定時間継続
して車内温度センサの動作を異常と判定した場合に、目
標風量値演算部から出力される目標風量値が減量補正し
て出力される。これにより、車内温度センサの動作異常
に基づく風量制御を的確に行うことができるため、車内
への吹き出し風量の変動を最小限に抑制することが可能
となり、車両室内における快適性の向上を図ることがで
きる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を適用してなる実施例を図面に
基づいて説明する。
【0019】先ず、本実施例における車両用空調装置を
装備した車両の要部の構成を図2及び図3に基づき説明
すると、車両1のインストルメントパネル2には、車両
用空調装置のコントロールユニット3が装備されてお
り、コントロールユニット3の操作部には、内気温度
(車両室内温度)を設定する設定温スイッチ4が配設さ
れ、コントロールユニット3の内部には、後述する演算
部や制御部等(図1参照)が配設されている。また、ラ
ジエタグリル5の付近には、外気温度を検出する外気温
センサ6が装備され、車両内部の所定箇所には、内気温
度を検出する車内温度センサとしての内気温センサ7及
び日射量を検出する日射量センサ8が装備されている。
【0020】他方、車両内部に装備された空調ダクト9
には、内気導入口10及び外気導入口11が配設される
と共に、内気導入口10及び外気導入口11には、内気
/外気切換用ダンパ12が装備されており、内気導入口
10及び外気導入口11を開閉するようになっている。
内気導入口10及び外気導入口11の下流側には、ファ
ンモータ13により駆動されるファン14が配設されて
おり、内気導入口10から導入された内気または外気導
入口11から導入された外気をエバポレータ15側へ圧
送するようになっている。
【0021】また、ファン14の下流側には、エバポレ
ータ15が配設されており、コンプレッサ16から供給
される冷媒をファン14から供給される空気と熱交換さ
せて気化するようになっている。エバポレータ15の近
傍には、エバポレータ温センサ17が配設されており、
エバポレータ温度を検出するようになっている。エバポ
レータ15の下流側には、エアミックスダンパ18及び
ヒータ19が装備されており、エバポレータ15から供
給された空気をエアミックスダンパ18により分割する
と共に、空気の一部をヒータ19により加熱するように
なっている。
【0022】更に、エアミックスダンパ18の下流側に
は、デフ吹出口20,ベント吹出口21,ヒート吹出口
22が各々配設されている。デフ吹出口20には、デフ
吹出口ダンパ23が装備されており、デフ吹出口20を
開閉するようになっている。ベント吹出口21には、ベ
ント吹出口ダンパ24が装備されており、ベント吹出口
21を開閉するようになっている。ヒート吹出口22に
は、ヒート吹出口ダンパ25が装備されており、ヒート
吹出口22を開閉するようになっている。また、デフ吹
出口20,ベント吹出口21,ヒート吹出口22の近傍
には、吹出温センサ26が配設されており、調和風の吹
出温度を検出するようになっている。
【0023】前述した内気/外気切換用ダンパ12,エ
アミックスダンパ18,デフ吹出口ダンパ23,ベント
吹出口ダンパ24,ヒート吹出口ダンパ25は、所定の
駆動機構(図示略)により開閉駆動されるようになって
いる。
【0024】次に、本実施例における車両用空調装置の
風量制御系の構成を図1に基づき説明すると、風量制御
系は、目標風量値演算部30と、風量値補正演算部31
と、ファン駆動制御部32と、ファン駆動制御部32に
より駆動制御されるファンモータ13と、ファンモータ
13により駆動されるファン14と、車両乗員による設
定温スイッチ4の操作に基づき設定された車両室内の設
定温度を目標風量値演算部30及び風量値補正演算部3
1へ出力する設定温スイッチ4と、検出した外気温度を
風量値補正演算部31へ出力する外気温センサ6と、検
出した内気温度を目標風量値演算部30及び風量値補正
演算部31へ出力する内気温センサ7と、検出した日射
量を目標風量値演算部30及び風量値補正演算部31へ
出力する日射量センサ8とを備える構成となっている。
【0025】ここで、目標風量値演算部30は、設定温
スイッチ4,外気温センサ6,内気温センサ7,日射量
センサ8の出力に基づき目標風量値を演算するようにな
っている。
【0026】また、風量値補正演算部31は、目標風量
値演算部30から出力される目標風量値の変化を監視す
ると共に,車両室内の空調環境が過渡状態から安定状態
に移行しているか否かを判定する空調状態判定機能と、
この空調状態判定機能によって車両室内の空調環境が安
定状態に移行していると判定された状況下において目標
風量値演算部30から出力される目標風量値の変化の有
無を検出する風量変動検出機能と、該風量変動検出機能
によって目標風量値の変化が検出された場合に限り、設
定温スイッチ4の設定変更の有無と日射量センサ8の出
力の変動の有無に基いて車内温度センサの検出動作に外
乱に伴って生じる検出異常の有無を判定する車内温度セ
ンサ判定機能と、内気温センサ7の動作が異常と判定さ
れた場合に作動し前記変化した目標風量値を出力せずに
変化前の目標風量値を継続してファン駆動制御部32に
対して出力する風量補正値出力機能とを備えている。
【0027】また、風量値補正演算部31は、一定時間
継続して内気温センサ7の動作を異常と判定した場合,
目標風量値演算部30から出力される目標風量値を減量
補正して出力する風量遅延出力機能を備えている。更
に、風量値補正演算部31の車内温度センサ判定機能
は、内気温センサ7の出力が日射量センサ8の出力ある
いは設定温スイッチ4の出力など風量制御にかかる他の
情報の変化に対応した変化でない場合に作動して,内気
温センサ7の動作を異常と判定することを特徴としてい
る。
【0028】これを詳述すると、目標風量値演算部30
は、車両乗員による設定温スイッチ4の操作に基づき設
定された車両室内の設定温度と,外気温センサ6により
検出された外気温度と,車内温度センサとしての内気温
センサ7により検出された内気温度(車両室内温度)
と,日射量センサ8により検出された日射量とに基づき
目標風量値を演算するようになっている。即ち、基本風
量値に日射補正風量値を加算した値を目標風量値とする
ようになっている。
【0029】また、目標風量値演算部30は、現在の風
量値が一定値α(後述の図4(b)参照)以下か否かを
判定し、現在の風量値が一定値α以下の場合は、車両室
内の空調環境が過渡状態から安定状態に移行したと判断
する機能、つまり、空調状態判定機能を備える。一定値
αは、ファン14による吹出風量能力に基づき算定され
た所定の値に設定されている。
【0030】更に、目標風量値演算部30は、現在の風
量値が一定値α以下の場合(車両室内の空調環境が安定
状態に移行した場合)は、目標風量が増加しているか否
かを判定し、目標風量が増加している場合は、目標風量
増加が内気温センサ7の検出値の変動に起因しているか
否かを判定するようになっている。
【0031】風量値補正演算部31は、車両室内の空調
環境が安定状態に移行してから目標風量が増加した場合
に,目標風量の増加が内気温センサ7の検出値の変動に
起因している時は、目標風量値演算部30により演算さ
れた目標風量値と,設定温スイッチ4により設定された
車両室内の設定温度と,内気温センサ7により検出され
た内気温度(車両室内温度)と,日射量センサ8により
検出された日射量とに基づき,目標風量値を補正した値
に相当する目標風量補正値を演算するようになってい
る。この場合、目標風量補正値は、内気温センサ7の検
出値の変動が原因で増加する前の目標風量値に相当す
る。
【0032】この場合、風量値補正演算部31は、車両
室内の暖房時には,目標風量値から所定値βを減量して
目標風量補正値を演算し、車両室内の冷房時には,目標
風量値から所定値βを減量して目標風量補正値を演算す
るようになっている。ここで、所定値βは暖房時と冷房
時とでは異なる値に設定されており、暖房時においては
所定値βはファン14による吹出風量能力の例えば5
[%]程度に設定され、冷房時においては所定値βはフ
ァン14による吹出風量能力の例えば10[%]程度に
設定されている。
【0033】ここで、図4(a)及び図4(b)は車両
室内の冷房時における内気温センサ7の検出値と風量値
との相関を示すものであり、図4(a)の階段状の領域
R1は内気温センサ7の検出値が過渡状態にある領域を
示し、図4(a)の直線状の領域R2は内気温センサ7
の検出値が安定状態にある領域を示し、図4(b)の階
段状の領域R3は風量が過渡状態にある領域を示し、図
4(b)の直線状の領域R4は風量が安定状態にある領
域を示している。図4(b)に示す予め設定してある一
定値αは風量が安定状態に移行したか否かの判定基準と
なるレベルである。
【0034】また、風量値補正演算部31は、車両室内
の空調環境が過渡状態にある場合は、目標風量値演算部
30で演算された目標風量値に対応した制御信号をファ
ン駆動制御部32へ出力するようになっている。ファン
駆動制御部32は、風量値補正演算部31からの制御信
号に基づきファンモータ13を駆動制御することによ
り、ファン14から該当吹出口へ供給する風量を制御す
るようになっている。これにより、該当吹出口から吹出
される実際の風量が、目標風量に設定制御されるように
なっている。
【0035】他方、風量値補正演算部31は、車両室内
の空調環境が安定状態にある場合で,且つ目標風量の増
加が内気温センサ7の検出値の変動に起因している場合
は、当該風量値補正演算部31で演算した目標風量補正
値に対応した制御信号をファン駆動制御部32へ出力す
るようになっている。ファン駆動制御部32は、風量値
補正演算部31からの制御信号に基づきファンモータ1
3を駆動制御することにより、ファン14から該当吹出
口へ供給する風量を制御するようになっている。これに
より、該当吹出口から吹出される実際の風量が、目標風
量を補正した風量に設定制御されるようになっている。
【0036】ここで、風量値補正演算部31は、車両室
内の空調環境が安定状態に移行してから目標風量が増加
した場合で,目標風量の増加が内気温センサ7の検出値
の変動に起因している場合は、内気温センサ7の検出値
の変動時点から一定時間t(例えば内気温センサ7の検
出値のサンプリング時間の数倍程度に相当する8〜10
[秒]程度の時間)経過した後に,目標風量値から所定
値βを減量した目標風量補正値をファン駆動制御部32
へ出力するようになっている。ここで、遅延させる一定
時間tは前記数値に限定されるものではなく、また、遅
延させる一定時間tや無駄時間を設けなくともよい。
【0037】この場合、風量値補正演算部31が,内気
温センサ7の検出値の変動時点から一定時間経過後に目
標風量補正値をファン駆動制御部32へ出力する理由
は、風量補正制御を行う際に,内気温センサ7の設置場
所における周囲温度の変動や,内気温センサ7の検出値
に混入するノイズ等の影響を回避するためである。
【0038】次に、上記の如く構成した本実施例の作用
を図5乃至図7に基づいて説明する。
【0039】空調状態判定機能実現手段としての目標風
量値演算部30は、図5の風量制御において、現在の風
量値が一定値α(図4(b)参照)以下か否かを判定し
(ステップSA1)、現在の風量値が一定値α以下の場
合は、車両室内の空調環境が過渡状態から安定状態に移
行したと判断する。次に、風量変動検出機能実現手段と
しての目標風量値演算部30は、現在の風量値が一定値
α以下の場合,即ち車両室内の空調環境が過渡状態から
安定状態に移行した場合は、目標風量が増加しているか
否かを判定し(ステップSA2)、目標風量が増加して
いる場合は、目標風量の増加が内気温センサ7の検出値
の変動に起因しているか否かを判定する(ステップSA
3)。
【0040】この場合、前述した目標風量値は、 目標風量値=K1×(設定温度−内気温度)+K2×日射量 なる式で演算されるものとしている。(設定温度−内気
温度)は内気温偏差を示している。
【0041】ここで、図6は、図5のステップSA3
(目標風量値の増加が内気温センサ7の検出値の変動に
起因しているか否かの判定)の詳細である。即ち、車内
温度センサ判定機能実現手段としての目標風量値演算部
30は、日射量の変化による目標風量値の補正に伴い目
標風量が増加しているか否かを判定し(ステップSA
3’)、また、車両室内の設定温度に変化が無いか否か
を判定し(ステップSA3’’)、ステップSA3’で
否定の場合またはステップSA3’’で肯定の場合は、
目標風量の増加が内気温センサ7の検出値の変動に起因
している(車内温度センサとしての内気温センサ7の検
出動作に異常がある)と判定し、ステップSA3’で肯
定の場合またはステップSA3’’で否定の場合は、目
標風量の増加が内気温センサ7の検出値の変動に起因し
ていない(車内温度センサとしての内気温センサ7の検
出動作に異常がない)と判定する。
【0042】再度図5において、目標風量値演算部30
が、目標風量の増加が内気温センサ7の検出値の変動に
起因していると判定した場合は、風量値補正演算部31
により図7の風量補正制御が実行される(ステップSA
4)。この後、目標風量値演算部30は、風量値補正演
算部31により図7の風量補正制御が終了した後は(ス
テップSA4の終了後,又はステップSA6の否定)、
通常の風量制御を実行する(ステップSA5)。
【0043】風量遅延出力機能実現手段および風量補正
値出力機能実現手段としての風量値補正演算部31は、
目標風量値演算部30により,車両室内の空調環境が安
定状態に移行してから目標風量が増加した場合で且つ目
標風量の増加が内気温センサ7の検出値の変動に起因し
ている(車内温度センサとしての内気温センサ7の検出
動作に異常がある)と判定された場合は、図7の風量補
正制御において、内気温センサ7の検出値の変動時点か
ら一定時間t経過した後に,目標風量値から所定値βだ
け減量した目標風量補正値をファン駆動制御部32へ出
力する(ステップSB1,ステップSB2)。
【0044】風量値補正演算部31は、目標風量補正値
と目標風量値とが等しくなっていない場合には(ステッ
プSB3の否定)、目標風量補正値に基づきファン駆動
制御部32を駆動制御して風量制御を行う一方(ステッ
プSB4)、目標風量補正値と目標風量値とが等しくな
った場合には(ステップSB3の肯定)、風量補正制御
を終了し(ステップSB5)、目標風量値に基づきファ
ン駆動制御部32を駆動制御して通常の風量制御を行う
(ステップSB6)。
【0045】上述したように、本実施例によれば、車両
室内の空調環境が安定状態に移行してから内気温センサ
7の検出値の変動が原因で目標風量が変化した場合に目
標風量補正値に基づき風量制御を行うため、該当する吹
出口から車両室内への吹出し風量の変動を最小限に抑制
することが可能となり、この結果、従来のように車両室
内の空調環境が安定状態に移行している時の吹出し風量
の変動が車両乗員に不快感や違和感をもたらす不具合を
解消することができ、これにより、車両室内における快
適性の向上を図ることができる。
【0046】また、本実施例によれば、風量値補正演算
部31が,一定時間継続して内気温センサ7の動作を異
常と判定した場合に目標風量値演算部30から出力され
る目標風量値を減量補正してファン駆動制御部32へ出
力するため、内気温センサ7の動作異常に基づく風量制
御を的確に行うことができる。
【0047】更に、本実施例によれば、内気温センサ7
の検出値の変動が日射量や設定温度の変化に対応した変
化でない場合に内気温センサ7の動作に異常があると判
断するため、内気温センサ7の動作異常判断をリアルタ
イムで且つ容易に行うことができる。
【0048】ここで、本実施例では、目標風量値演算部
30が、内気温センサ7の出力に基づいて風量制御用の
安定した目標風量値を演算するようにしてもよい。ま
た、風量値補正演算部31が、内気温センサ7の動作が
異常と判定された場合に作動し前記安定した目標風量値
の時と同一の風量を出力するようにファン駆動制御部3
2に対して所定の目標風量補正値を出力する風量補正値
出力機能を備えるようにしてもよい。また、風量値補正
演算部31が、一定時間経過後に前記風量補正値出力機
能を作動させる補正値遅延出力機能を備えるようにして
もよい。
【0049】また、本実施例では、図5のステップSA
1で,目標風量値が一定値α以下の場合に車両室内の空
調環境が過渡状態から安定状態に移行したと判定した
が、これに限定されるものではなく、車両室内の設定温
度と内気温度との差の絶対値(内気温偏差)が一定値以
下の場合に車両室内の空調環境が過渡状態から安定状態
に移行したと判定してもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明は、車両室内の空調環境が過渡状
態から安定状態に移行した状況下において目標風量値の
変化の有無を検出し、目標風量値に変化があった場合に
は、設定温スイッチの設定変更の有無と日射量センサの
出力の変動の有無とに基いて、目標風量値の変化が車内
温度センサに作用する外乱によるものであるのか、ある
いは、風量制御条件の変化によるものであるのかを判定
し、目標風量値の変化が車内温度センサに作用する外乱
によるものである場合には、外乱の影響によって変化す
る前の目標風量値を継続してファン駆動制御部に出力す
るようにしたので、車内温度センサの設置場所における
周囲温度の変動やノイズ等の外乱に起因した車内温度セ
ンサの検出値の変動によって車両室内への吹出し風量が
変動する現象が防止され、車内への吹き出し風量の変動
を最小限に抑制することが可能となり、この結果、従来
のように吹き出し風量の変動が車両乗員に対して不快感
や違和感をもたらす不具合を解消することができるた
め、車両室内における快適性の向上を図ることができ
る、という効果を奏する。
【0051】更に、一定時間継続して車内温度センサの
動作を異常と判定した場合,目標風量値演算部から出力
される目標風量値を減量補正して出力する風量遅延出力
機能を備えているため、車内温度センサの動作異常に基
づく風量制御を的確に行うことができ、これにより、車
内への吹き出し風量の変動を最小限に抑制することが可
能となり、車両室内における快適性の向上を図ることが
できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した本実施例における車両用空調
装置の風量制御系の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例における車両用空調装置を装備した車
両の概略図である。
【図3】本実施例における車両用空調装置の空調ダクト
の構成を示す説明図である。
【図4】本実施例における車両室内の冷房時の内気温セ
ンサの検出値と風量値との相関を示し、図4(a)は内
気温センサの検出値を示す線図、図4(b)は風量値の
線図である。
【図5】本実施例における風量制御の流れ図である。
【図6】図5に示すステップSA3の詳細を示す流れ図
である。
【図7】本実施例における風量補正制御の流れ図であ
る。
【図8】従来例における車両用空調装置の制御系の構成
を示すブロック図である。
【図9】基本風量演算マップを示す線図である。
【図10】日射補正風量演算マップの線図である。
【図11】従来例における車両室内の冷房時の内気温セ
ンサの検出値と風量値との相関を示し、図11(a)は
内気温センサの検出値を示す線図、図11(b)は風量
値の線図である。
【符号の説明】
4 設定温スイッチ 6 外気温センサ 7 車内温度センサとしての内気温センサ 8 日射量センサ 14 ファン 30 目標風量値演算部 31 風量値補正演算部 32 ファン駆動制御部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車内温度センサと設定温スイッチと日射
    量センサの出力に基づいて目標風量値を演算する目標風
    量値演算部と、この目標風量値演算部で演算される目標
    風量値に基づいてファンを駆動制御し車内への吹き出し
    風量を目標風量に設定制御するファン駆動制御部とを備
    えた車両用空調制御装置において、 前記目標風量値演算部と前記ファン駆動制御部との間
    に、風量値補正演算部を装備すると共に、 この風量値補正演算部が、車両室内の空調環境が過渡状
    態から安定状態に移行しているか否かを判定する空調状
    態判定機能と、 この空調状態判定機能によって車両室内の空調環境が安
    定状態に移行していると判定された状況下において前記
    目標風量値演算部から出力される目標風量値の変化の有
    無を検出する風量変動検出機能と、 該風量変動検出機能によって目標風量値の変化が検出さ
    れた場合に限り、前記設定温スイッチの設定変更の有無
    と前記日射量センサの出力の変動の有無に基いて、前記
    設定温スイッチの設定変更および前記日射量センサの出
    力変動が共にない場合には前記車内温度センサの検出動
    作に外乱に伴って生じる検出異常があるものと判定する
    一方、前記設定温スイッチの設定変更もしくは前記日射
    量センサの出力変動の少なくとも一方がある場合には前
    記車内温度センサの検出動作に異常がないものと判定す
    る車内温度センサ判定機能と、 この車内温度センサ判定機能により前記車内温度センサ
    の動作が異常と判定された場合に作動し前記変化した目
    標風量値を出力せずに変化前の目標風量値を継続して前
    記ファン駆動制御部に対して出力する風量補正値出力機
    能とを備えていることを特徴とした車両用空調制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記空調状態判定機能は、前記目標風量
    値が予め決められた一定値以下の値となっている場合に
    前記空調環境が安定状態に移行していると判定するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項1記載の車両
    用空調制御装置。
  3. 【請求項3】 前記風量値補正演算部は、一定時間継続
    して前記車内温度センサの動作を異常と判定した場合,
    前記目標風量値演算部から出力される目標風量値を減量
    補正して出力する風量遅延出力機能を備えていることを
    特徴とした請求項1または請求項2記載の車両用空調制
    御装置。
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