JP3308707B2 - インクジェット記録媒体のインク受理層形成用組成物及びインクジェット記録媒体 - Google Patents

インクジェット記録媒体のインク受理層形成用組成物及びインクジェット記録媒体

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JP3308707B2
JP3308707B2 JP11356394A JP11356394A JP3308707B2 JP 3308707 B2 JP3308707 B2 JP 3308707B2 JP 11356394 A JP11356394 A JP 11356394A JP 11356394 A JP11356394 A JP 11356394A JP 3308707 B2 JP3308707 B2 JP 3308707B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録媒
体のインク受理層を印刷によって形成することのできる
インク受理層形成用組成物、及び該インク受理層形成用
組成物によるインク受理層を有するインクジェット記録
媒体に関するものであり、柄状のインク受理層や多色に
色分けされているインク受理層を形成し得るインク受理
層形成用組成物、及び該インク受理層形成用組成物によ
って形成したインク受理層を有するインクジェット記録
媒体を提供する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録が付されるインクジ
ェット記録媒体には、インクの吸液性能を有する充填材
とバインダーとを含有するコーティング剤を、支持体に
含浸させたり、あるいは支持体の上にブレードコート、
バーコート、ロールコート等の方法でコーティングする
等により、支持体の表面にインク受理層を形成したもの
が利用されている。
【0003】このインク受理層の形成に使用されるコー
ティング剤は、粒子径0.05μm以下の無定形シリカ
や、特開昭61−141584号公報に記載されている
平均粒子径が2.5〜3.5μm、10μm以上の粒子
径の粒度分布が0.5%以下、0.9μm以下の粒子径
の粒度分布が10%以下、孔径60〜130Åの細孔が
全細孔の20%以上である無定形シリカ等による充填材
と、PVA、澱粉類、水溶性セルロース誘導体等の水性
高分子からなるバインダーとを含有している。
【0004】ところで、インクジェット記録が付される
インクジェット記録媒体には、インクジェット記録媒体
の用途が拡大するに従って、形成される記録画像の鮮映
性と共にインクジェット記録媒体自体の意匠性が要求さ
れるようになってきた。
【0005】しかるに、従来のインク受理層形成用のコ
ーティング剤は、支持体に対して含浸あるいはコーティ
ングによって適用されて、支持体の上の全面に略均一に
インク受理層が形成されるものであり、例えば柄状のイ
ンク受理層にしたり、あるいは多色に色分けしたインク
受理層にしたりするために、印刷手段を利用するインク
受理層の形成を行なうことができない。
【0006】柄状のインク受理層や多色に色分けしたイ
ンク受理層を形成するためには、例えばグラビア印刷機
やフレキソ印刷機による形成方法が考えられる。そし
て、これらの印刷手段に利用されるインク受理層形成用
組成物としては、粘度30.0秒(RGS# 3、20
℃)以下であることが望ましく、しかも固形分濃度が2
0.0重量%以上でないと、十分な厚さを有するインク
受理層を形成し得ないという問題を有している。
【0007】なお、RGS# 3は低粘度測定用の器具、
RGS# 4は高粘度測定用の器具で、RGS# 3での3
0秒はRGS# 4での約15秒に相当する。
【0008】すなわち、従来のインクジェット記録媒体
のインク受理層を形成するためのコーティング剤には、
インク受理層に形成される記録画像の鮮映性を確保する
関係から、ある程度以下の粒径の小さな無定形シリカか
らなる充填材を使用する必要がある。そして、充填材と
して使用するこの無定形シリカの粒径が小さくなるに従
って、該無定形シリカとバインダーとを含有するインク
受理層形成用組成物の粘度が上昇することから、グラビ
ア印刷機やフレキソ印刷機でのインク受理層の形成を行
なうことができないのが実情である。
【0009】なお、インク受理層形成用の組成物中の無
定形シリカの含有量を少なくしたり、あるいはインク受
理層形成用の組成物自体の固形分濃度を下げる等によ
り、グラビア印刷機やフレキソ印刷機でのインク受理層
の形成を行ない得る塗布適性を有する粘度の組成物にす
ることができるが、かかるインク受理層形成用の組成物
によって形成されるインク受理層は、インク受理層中の
無定形シリカの含有量が不十分になり、品質の高い記録
画像を得ることができなくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は前記した
現状に鑑み、特定の非造膜性のポリアクリル酸エステル
エマルジョンと特定の無定形シリカとを充填材として併
用したインク受理層形成用組成物にすることにより、グ
ラビア印刷機やフレキソ印刷機でのインク受理層の形成
を行ない得る塗布適性と、十分な厚さのインク受理層を
形成し得る固形分濃度とを有し、しかも該インク受理層
形成用組成物によって得られたインク受理層は、インク
ジェット記録での記録画像の鮮映性の低下がない等のこ
とを確認し、本発明を完成するに至った。
【0011】したがって本発明の目的は、所望の柄状の
模様が現出されているインク受理層や所望の多色に色分
けされているインク受理層を形成し得る、すなわちグラ
ビア印刷機やフレキソ印刷機によってインク受理層を形
成し得るインク受理層形成用組成物、及び該インク受理
層形成用組成物によるインク受理層を有するインクジェ
ット記録媒体を提供することにある。
【0012】なお、インクジェット記録に利用するジェ
ットインクには溶剤型と水系型の2種類があり、溶剤型
のジェットインクによる記録は、表面に溶剤型やエマル
ジョン型の一般の印刷インキによる印刷を付してあるイ
ンクジェット記録媒体に対しても、ジェットインクの乾
燥が速く、またインクジェット記録媒体の表面の印刷部
とジェットインクとの接着力も強固であるが、インクジ
ェット記録装置のノズルに目詰まりが発生する。
【0013】また、水系型のジェットインクによる記録
は、表面に溶剤型やエマルジョン型の一般の印刷インキ
による印刷を付したインクジェット記録媒体に対して
は、ジェットインクの乾燥が遅く、記録画像を形成する
インクの弾き、字体の横縞模様の発生、色濃度の減少、
色の白化現象等があり、得られる記録画像の外観が悪
く、美粧性に欠けるインクジェット記録物になる。
【0014】したがって、通常のインク受理層を有する
インクジェット記録媒体の表面に一般の印刷インキによ
る印刷を付すことによって意匠性を高めたインクジェッ
ト記録媒体に対しては、溶剤型及び水系型のいずれのジ
ェットインクによる記録を行なっても、良好なインクジ
ェット記録を行なうことができない。
【0015】これに対して、本発明のインクジェット記
録媒体によれば、インク受理層が例えば木目等の諸種の
柄印刷に形成されているものであっても、その表面にさ
らに水系型のジェットインクによるインクジェット記録
を行なうことにより、外観が良く、美粧性に優れたイン
クジェット記録物を、インクジェット記録装置のノズル
に目詰まりを発生することなく得ることができる。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下に記載
する構成による本発明のインクジェット記録媒体のイン
ク受理層形成用組成物及びインクジェット記録媒体によ
って解決される。すなわち本第1の発明は、インクジェ
ット記録媒体のインク受理層を印刷によって形成するた
めのインク受理層形成用組成物であって、平均粒子径が
0.05〜0.50μm、0.03〜1.0μmの粒子
径の粒度分布が90%以上、酸価が5〜100mgKO
H/g、ガラス転移温度(Tg)が40〜130℃の非
造膜性のポリアクリル酸エステルエマルジョンと、平均
粒子径が3.5〜10.0μm、1.5〜20.0μm
の粒子径の粒度分布が90%以上、吸油量が100〜2
50ml/100gで、130〜180Åの細孔径を有
する無定形シリカとを、充填材として含有しているイン
クジェット記録媒体のインク受理層形成用組成物であ
る。
【0017】本第2の発明は、前記本第1の発明におい
て、非造膜性のポリアクリル酸エステルエマルジョンと
無定形シリカとの混合比(固形分重量比)が1:10〜
1:1の範囲内にあるインクジェット記録媒体のインク
受理層形成用組成物である。
【0018】本第3の発明は、インクジェット記録媒体
のインク受理層を形成するためのインク受理層形成用組
成物であって、平均粒子径が0.05〜0.50μm、
0.03〜1.0μmの粒子径の粒度分布が90%以
上、酸価が5〜100mgKOH/g、ガラス転移温度
(Tg)が40〜130℃の非造膜性のポリアクリル酸
エステルエマルジョンと、平均粒子径が3.5〜10.
0μm、1.5〜20.0μmの粒子径の粒度分布が9
0%以上、吸油量が100〜250ml/100gで、
130〜180Åの細孔径を有する無定形シリカとを充
填材として含有しており、更に、平均粒子径が0.05
〜1.0μm、0.03〜1.5μmの粒子径の粒度分
布が90%以上、吸油量が10〜50ml/100gの
無機系、アゾ系あるいは多環式の着色顔料を含有してい
るインクジェット記録媒体のインク受理層形成用組成物
である。
【0019】本第4の発明は、前記本第3の発明におい
て、充填材と着色顔料との混合比(固形分重量比)が1
0.0:0.5〜10.0:5.0の範囲内にあるイン
クジェット記録媒体のインク受理層形成用組成物であ
る。
【0020】本第5の発明は、支持体の上に、前記本第
1の発明〜第4の発明のうちのいずれかのインク受理層
形成用組成物によるインク受理層を形成したインクジェ
ット記録媒体である。
【0021】本第6の発明は、前記本第5の発明におい
て、インク受理層における充填材の含有量が2.0〜2
0.0g(固形分)/m2 の範囲内にあるインクジェッ
ト記録媒体である。
【0022】本第7の発明は、支持体の上の全面に形成
した第1のインク受理層と、該第1のインク受理層の上
に柄状に形成した第2のインク受理層とを有しており、
該第2のインク受理層を、前記本第3の発明又は第4の
発明のインク受理層形成用組成物によって形成したイン
クジェット記録媒体である。
【0023】本第8の発明は、支持体の上の全面に形成
した第1のインク受理層と、該第1のインク受理層の上
に柄状に形成した第2のインク受理層とを有しており、
第1のインク受理層を、充填材と、平均粒子径が0.0
5〜1.0μm、0.03〜1.5μmの粒子径の粒度
分布が90%以上、吸油量が10〜50ml/100g
の無機系、アゾ系あるいは多環式の着色顔料とを含有す
るインク受理層形成用組成物によって形成し、第2のイ
ンク受理層を、前記本第3の発明又は第4の発明のイン
ク受理層形成用組成物によって形成したインクジェット
記録媒体である。
【0024】前記構成による本発明のインク受理層形成
用組成物において、充填材や顔料の平均粒子径は、コー
ルターカウンターTA−II型(COULTER ELE
CTRONICS INC 製)により測定した数値で
あり、無定形シリカや顔料の吸油量は、JIS K 5
101−19により測定した数値であり、また無定形シ
リカの細孔径は窒素吸脱着法によって測定した数値であ
る。
【0025】本発明のインク受理層形成用組成物は、P
VA、澱粉類、水溶性セルロース誘導体、エチレンオキ
サイド変性体、プロピレンオキサイド変性体、スチレン
−マレイン酸共重合体、アクリル酸エステル重合体、ス
チレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等から
なるバインダーを含有し、通常は充填材が10重量%以
上の水系のインク受理層形成用組成物として調整され
る。
【0026】インク受理層形成用組成物中における充填
材の混合比率が低くなると、得られるインク受理層のイ
ンクの吸液性が低くなり、鮮映性のある記録画像が得ら
れなくなる。また、インク受理層形成用組成物中におけ
る充填材の混合比率が多くなると、インク受理層におけ
るインクの吸液性は高くなるものの、形成される記録画
像がにじみ易くなり、また得られる記録画像の耐摩耗性
が低下する。
【0027】このため、インク受理層形成用組成物にお
ける充填材とバインダーとの混合比率(固形成分比)
は、10:1〜1:1であることが好ましく、5:1〜
1:1であることがより好ましい。
【0028】充填材として使用する非造膜性のポリアク
リル酸エステルエマルジョンの平均粒子径が0.05μ
m未満になると、充填材とバインダーとを含有する水系
のインク受理層形成用組成物の粘度が高くなり、グラビ
ア印刷機やフレキソ印刷機でのインク受理層の形成を行
なうことができなくなる。また、この非造膜性のポリア
クリル酸エステルエマルジョンの平均粒子径が0.50
μmを超えると、ポリアクリル酸エステルエマルジョン
が無定形シリカの吸液性を阻害するため、インク受理層
に形成される記録画像の濃度が低下するようになる。
【0029】さらに、0.03μm未満の微細粒子径の
ポリアクリル酸エステルエマルジョンや、1.0μmを
超える粗大粒子径のポリアクリル酸エステルエマルジョ
ンは、先に記載した理由により、これらの合計が10%
未満の粒度分布になっていることが必要である。
【0030】また、ガラス転移温度(Tg)が40℃未
満のポリアクリル酸エステルエマルジョンは、造膜性を
有しており、充填材としての作用がなく、また、ガラス
転移温度(Tg)が130℃を超えるポリアクリル酸エ
ステルエマルジョンでは、エマルジョン粒子の作成が困
難である。
【0031】酸価が5mgKOH/g未満のポリアクリ
ル酸エステルエマルジョンを使用すると、インク受理層
の接触角が高くなり、インク受理層の吸液性が低下す
る。また、酸価が100mgKOH/gを超えるポリア
クリル酸エステルエマルジョンを使用すると、インク受
理層の耐水性が低下するため、インク受理層がインクジ
ェット記録の際のジェットインクにより冒され、記録画
像が白化するようになる。
【0032】充填材として使用する無定形シリカの平均
粒子径が3.5μm未満になると、充填材とバインダー
とを含有する水系のインク受理層形成用組成物の粘度が
高くなり、グラビア印刷機やフレキソ印刷機でのインク
受理層の形成を行なうことができなくなる。また、この
無定形シリカの平均粒子径が10.0μmを超えると、
形成されるインク受理層の表面が荒れるため、鮮映性の
ある記録画像が得られなくなる。
【0033】さらに、1.5μm未満の微細粒子径の無
定形シリカや、20.0μmを超える粗大粒子径の無定
形シリカは、先に記載した理由により、これらの合計が
10%未満の粒度分布になっていることが必要である。
【0034】特に20.0μmを超える粗大粒子径の無
定形シリカは、グラビア印刷によるインク受理層の形成
の際にグラビア版のカップに入り難く、また、支持体の
上への転写によるインク受理層の形成も困難になる。
【0035】さらに、充填材として使用する無定形シリ
カが130Å未満の細孔径を有するものになると、吸液
性が著しく低下するようになり、インク受理層に形成さ
れる記録画像の色濃度が低下する。
【0036】充填材として使用する無定形シリカが大き
な細孔径を有している方が吸液性が高くなるため、ジェ
ットインクの吸液時間が短くなり、鮮明な記録画像が形
成されるインク受理層になるが、この場合には充填材と
バインダーとを含有する水系のインク受理層形成用組成
物の粘度が著しく高くなり、グラビア印刷機やフレキソ
印刷機でのインク受理層の形成を行なうことができなく
なる。これらのことから、充填材として使用する無定形
シリカは、130〜180Åの細孔径を有するものであ
ることが必要である。
【0037】さらにまた、充填材として使用する無定形
シリカの吸油量が100ml/100g未満になると、
得られるインク受理層の吸液性が悪くなり、また250
ml/100gを超えると、インク受理層の吸液性は良
好であるが、充填材とバインダーとを含有する水系のイ
ンク受理層形成用組成物の粘度が高くなり、グラビア印
刷機やフレキソ印刷機でのインク受理層の形成を行なう
ことができなくなる。
【0038】非造膜性のポリアクリル酸エステルエマル
ジョンと無定形シリカとを充填材とするインク受理層形
成用組成物、すなわち、これらの充填材とバインダーと
を含有する水系のインク受理層形成用組成物において、
非造膜性のポリアクリル酸エステルエマルジョンは無定
形シリカの周辺部に存在し、分散剤として作用するた
め、インク受理層形成用組成物の粘度を低下させる作用
を果たす。
【0039】この非造膜性のポリアクリル酸エステルエ
マルジョンは、バインダーの造膜性能を阻害してインク
受理層にミクロのピンホールを形成する機能を果たし、
これによりインク受理層の接触角が低下し、インク受理
層におけるインクの受理特性が向上する。
【0040】また、無定形シリカは、インク受理層にお
いて受理したジェットインクを素早く吸収し、定着させ
る作用を果たす。
【0041】したがって、非造膜性のポリアクリル酸エ
ステルエマルジョンと無定形シリカとを充填材とするイ
ンク受理層形成用組成物において、無定形シリカの配合
率を高くすると、得られるインク受理層の吸液性が良好
になるが、充填材とバインダーとを含有する水系のイン
ク受理層形成用組成物の粘度が高くなり、グラビア印刷
機やフレキソ印刷機でのインク受理層の形成を行なうこ
とができなくなる。
【0042】非造膜性のポリアクリル酸エステルエマル
ジョンの配合率を高くすると、得られるインク受理層の
吸液性が低下してくるが、充填材とバインダーとを含有
する水系のインク受理層形成用組成物の粘度が著しく低
下し、グラビア印刷機やフレキソ印刷機でのインク受理
層の形成を行なうことのできる粘度が得られるようにな
る。
【0043】しかして、非造膜性のポリアクリル酸エス
テルエマルジョンと無定形シリカとの混合比(固形分重
量比)を1:10〜1:1にすることにより、形成され
るインク受理層の吸液性が十分であり、かつ、グラビア
印刷機やフレキソ印刷機でインク受理層を形成すること
のできる粘度のインク受理層形成用組成物になる。
【0044】着色剤によって着色しているインク受理層
を形成するためには、平均粒子径が0.05〜1.0μ
m、0.03〜1.5μmの粒子径の粒度分布が90%
以上、吸油量が10〜50ml/100gの無機系、ア
ゾ系あるいは多環式の着色顔料を含有するインク受理層
形成用組成物にすることが、以下の理由により必要であ
る。
【0045】すなわち、着色剤として使用する着色顔料
の平均粒子径が0.05μm未満になると、着色剤を含
有するインク受理層形成用組成物の粘度が高くなりすぎ
るために、印刷手段によるインク受理層の形成に適した
粘度が得られなくなる。また平均粒子径が1.0μmを
超えるようになると、印刷手段によって形成されるイン
ク受理層における柄の色濃度が低くなるために良好な意
匠性が得られなくなり、しかもインク受理層に形成され
るジェットインクによる記録画像に色斑が発生するよう
になる。
【0046】またこの着色顔料の0.03〜1.5μm
の粒子径の粒度分布が90%未満になると、インク受理
層における前記した傾向がさらに著しくなる。
【0047】さらに、この着色顔料の吸油量が10ml
/100g未満になると、インク受理層の吸液性が不十
分になり、50ml/100gを超えると、インク受理
層形成用組成物の粘度が高くなりすぎるために、印刷手
段によるインク受理層の形成に適した粘度が得られなく
なる。
【0048】さらにまた、無機系、アゾ系あるいは多環
式の着色顔料以外の着色剤、例えば金属錯塩染料及びそ
の誘導体等の着色剤を使用すると、ジェットインクによ
る記録画像の形成に際に、インク受理層における着色剤
がジェットインクによって溶出し、記録画像にニジミや
変色が発生することから、鮮映性に優れた記録画像が得
られなくなる。
【0049】これらのことから、着色剤として、平均粒
子径が0.05〜1.0μm、0.03〜1.5μmの
粒子径の粒度分布が90%以上、吸油量が10〜50m
l/100gの無機系、アゾ系あるいは多環式の着色顔
料を使用することにより、ジェットインクの吸液性に優
れ、しかも意匠性に優れた色濃度に着色されたインク受
理層を、印刷手段によって形成し得る粘度の組成物にす
ることができる。
【0050】充填材と共に使用するバインダーは、イン
クジェット記録媒体におけるインク受理層に必要とされ
る耐摩耗性、滑り性、耐熱性等の一般物性を得るため
に、数種のものの組み合わせであってもよい。また通常
のOPニスを使用することもできる。
【0051】
【実施例】以下、本発明のインクジェット記録媒体のイ
ンク受理層形成用組成物及びインクジェット記録媒体の
具体的な構成を、実施例に基づいて説明する。
【0052】実施例1 平均粒子径が0.15μm、0.03〜1.0μmの粒
子径の粒度分布が93%、酸価が50mgKOH/g、
ガラス転移温度(Tg)が65℃の非造膜性のポリアク
リル酸エステルエマルジョンと、平均粒子径が8.5μ
m、1.5〜20.0μmの粒子径の粒度分布が95
%、吸油量が187ml/100gで、173Åの細孔
径を有する無定形シリカとを、1:5(固形分重量比)
の割合で使用した充填材100重量部(固形分)に対
し、バインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合体5
0重量部(固形分)を添加、混合することにより、固形
分濃度35重量%、粘度30.4(秒/RGS# 3、2
0℃)の組成物(a)を得た。
【0053】この組成物(a)100重量部に対し、ク
リーム色の無機系顔料「バイフェロックスAC507
5:平均粒子径0.5μm、0.03〜1.5μmの粒
子径の粒度分布95%、吸油量30ml/100g」3
重量部を添加、混合し、固形分36.8重量%、粘度3
3.8(秒/RGS# 3、20℃)の組成物(1)を得
た。
【0054】また、組成物(a)100重量部に対し、
茶色の無機系顔料「トダカラーKN−O:平均粒子径
0.13μm、0.03〜1.5μmの粒子径の粒度分
布98%、吸油量16ml/100g」1重量部を添
加、混合し、固形分35.6重量%、粘度32.0(秒
/RGS# 3、20℃)の組成物(2)を得た。
【0055】次いで、坪量310g/m2 、ステキヒト
サイズ400秒、コブサイズ20g/m2 ・分、耐油度
480秒の表面非塗工の白ボール「万英製紙:万雷」か
らなる支持体の表面に、先の組成物(1)を粘度28
(秒/RGS# 3、20℃)に調整したインク受理層形
成用組成物によるインクを利用するグラビア印刷にて、
5.0g(固形分)/m2 のベタ印刷を行なった。
【0056】続いてこのベタ印刷の上に、先の組成物
(2)を粘度24(秒/RGS# 3、20℃)に調整し
たインク受理層形成用組成物によるインクを利用するグ
ラビア印刷にて、0.5(固形分)g/m2 の木目柄を
形成することにより、クリーム色の地に茶色の木目柄が
現出されているインク受理層を有するインクジェット記
録媒体を得た。
【0057】このインクジェット記録媒体は、所定の記
録画像をインクジェット記録によって得ることができ、
インク受理層の表面には木目柄が現出しており、樒用紙
に適した特性を備えていた。
【0058】実施例2 実施例1で利用した組成物(a)「固形分濃度35重量
%、粘度17.2(秒/RGS# 4、20℃)」100
重量部に対し、黄色のアゾ系顔料「クロモフタールイエ
ロー6G:平均粒子径0.2μm、0.03〜1.5μ
mの粒子径の粒度分布96%、吸油量40ml/100
g」4重量部を添加、混合し、固形分37.5重量%、
粘度22.0(秒/RGS# 4、20℃)の組成物
(3)を得た。
【0059】また、組成物(a)「固形分濃度35重量
%、粘度17.2(秒/RGS# 4、20℃)」100
重量部に対し、茶色のアゾ系顔料「クロモフタールブラ
ウン5R:平均粒子径0.5μm、0.03〜1.5μ
mの粒子径の粒度分布95%、吸油量44ml/100
g」1重量部を添加、混合し、固形分35.6重量%、
粘度18.3(秒/RGS# 4、20℃)の組成物
(4)を得た。
【0060】次いで、実施例1で使用した白ボール「万
英製紙:万雷」と同一の支持体の表面に、先の組成物
(3)を粘度17(秒/RGS# 4、20℃)に調整し
たインク受理層形成用組成物によるインクを利用するフ
レキソ印刷にて、5.0g(固形分)/m2 のベタ印刷
を行なった。
【0061】続いてこのベタ印刷の上に、先の組成物
(4)を粘度13(秒/RGS# 4、20℃)に調整し
たインク受理層形成用組成物によるインクを利用するフ
レキソ印刷にて、0.5(固形分)g/m2 の木目柄を
形成することにより、黄色の地に茶色の木目柄が現出さ
れているインク受理層を有するインクジェット記録媒体
を得た。
【0062】このインクジェット記録媒体は、所定の記
録画像をインクジェット記録によって得ることができ、
インク受理層の表面には木目柄が現出しており、樒用紙
に適した特性を備えていた。
【0063】実施例3 平均粒子径が0.10μm、0.03〜1.0μmの粒
子径の粒度分布が94%、酸価が30mgKOH/g、
ガラス転移温度(Tg)が95℃の非造膜性のポリアク
リル酸エステルエマルジョンと、平均粒子径が5.5μ
m、1.5〜20.0μmの粒子径の粒度分布が93
%、吸油量が200ml/100gで、170Åの細孔
径を有する無定形シリカとを、1:3(固形分重量比)
の割合で使用した充填材100重量部(固形分)に対
し、バインダーとしてスチレン−アクリル酸エステル共
重合体100重量部(固形分)を添加、混合することに
より、固形分濃度35.2重量%、粘度32.5(秒/
RGS# 3、20℃)の組成物(b)を得た。
【0064】この組成物(b)100重量部に対し、ク
リーム色の無機系顔料「マピコLL−XLO:平均粒子
径0.4μm、0.03〜1.5μmの粒子径の粒度分
布99%、吸油量29ml/100g」2重量部を添
加、混合し、固形分36.4重量%、粘度36.0(秒
/RGS# 3、20℃)の組成物(5)を得た。
【0065】また、組成物(b)100重量部に対し、
オレンジ色の多環式顔料「クロモフタールオレンジ2
G:平均粒子径0.2μm、0.03〜1.5μmの粒
子径の粒度分布98%、吸油量46ml/100g」2
重量部を添加、混合し、固形分36.4重量%、粘度3
8.0(秒/RGS# 3、20℃)の組成物(6)を得
た。
【0066】次いで、坪量60g/m2 、ステキヒトサ
イズ15秒、コブサイズ15g/m2 ・分、耐油度58
秒の表面非塗工の晒ボックス「大興製紙:晒クラフト」
からなる支持体の表面に、先の組成物(5)を粘度28
(秒/RGS# 3、20℃)に調整したインク受理層形
成用組成物によるインクを利用するグラビア印刷にて、
5.0g(固形分)/m2 のベタ印刷を行なった。
【0067】続いてこのベタ印刷の上に、先の組成物
(6)を粘度24(秒/RGS# 3、20℃)に調整し
たインク受理層形成用組成物によるインクを利用するグ
ラビア印刷にて、0.5(固形分)g/m2 の木目柄を
形成することにより、クリーム色の地にオレンジ色の木
目柄が現出されているインク受理層を有するインクジェ
ット記録媒体を得た。
【0068】このインクジェット記録媒体は、所定の記
録画像をインクジェット記録によって得ることができ、
菓子箱に貼付するラベル用紙等の用途に適する特性を有
していた。
【0069】実施例4 平均粒子径が0.25μm、0.03〜1.0μmの粒
子径の粒度分布が92%、酸価が25mgKOH/g、
ガラス転移温度(Tg)が80℃の非造膜性のポリアク
リル酸エステルエマルジョンと、平均粒子径が9.0μ
m、1.5〜20.0μmの粒子径の粒度分布が91
%、吸油量が135ml/100gで、135Åの細孔
径を有する無定形シリカとを、1:8(固形分重量比)
の割合で使用した充填材100重量部(固形分)に対
し、バインダーとしてアクリル酸エステル重合体60重
量部(固形分)を添加、混合することにより、固形分濃
度36.0重量%、粘度29.8(秒/RGS# 3、2
0℃)の組成物(c)を得た。
【0070】この組成物(c)100重量部に対し、ク
リーム色の無機系顔料「マピコT−10:平均粒子径
0.6μm、0.03〜1.5μmの粒子径の粒度分布
95%、吸油量26ml/100g」3重量部を添加、
混合し、固形分37.8重量%、粘度33.2(秒/R
GS# 3、20℃)の組成物(7)を得た。
【0071】また、組成物(c)100重量部に対し、
茶色の無機系顔料「マピコB405:平均粒子径0.5
μm、0.03〜1.5μmの粒子径の粒度分布97
%、吸油量25ml/100g」2重量部を添加、混合
し、固形分37.2重量%、粘度31.5(秒/RGS
# 3、20℃)の組成物(8)を得た。
【0072】次いで、坪量160g/m2 、ステキヒト
サイズ104秒、コブサイズ25g/m2 ・分、耐油度
45秒の表面非塗工のFL用紙白「新富士製紙:晒クラ
フト紙」からなる支持体の表面に、先の組成物(7)を
粘度28(秒/RGS# 3、20℃)に調整したインク
受理層形成用組成物によるインクを利用するグラビア印
刷にて、5.0g(固形分)/m2 のベタ印刷を行なっ
た。
【0073】続いてこのベタ印刷の上に、先の組成物
(8)を粘度24(秒/RGS# 3、20℃)に調整し
たインク受理層形成用組成物によるインクを利用するグ
ラビア印刷にて、0.5(固形分)g/m2 の木目柄を
形成することにより、クリーム色の地に茶色の木目柄が
現出されているインク受理層を有するインクジェット記
録媒体を得た。
【0074】このインクジェット記録媒体は、所定の記
録画像をインクジェット記録によって得ることができ、
菓子箱に貼付するラベル用紙等の用途に適する特性を有
していた。
【0075】実施例5 市販の坪量60g/m2 のインクジェット記録用紙のイ
ンク受理層の表面に、実施例4で利用した組成物(8)
を粘度24(秒/RGS# 3、20℃)に調整したイン
ク受理層形成用組成物によるインクを利用するグラビア
印刷にて、0.5(固形分)g/m2 の木目柄を形成す
ることにより、白色の地に茶色の木目柄が現出されてい
るインク受理層を有するインクジェット記録媒体を得
た。
【0076】比較例1 市販の坪量60g/m2 のインクジェット記録用紙のイ
ンク受理層の表面に、毛筆墨汁受理層の形成に使用され
るアクリル酸エステル重合体をバインダーとする市販の
水性クリームインク「東洋インキ:アクアLOXクリー
ム」を利用するグラビア印刷にて、5.0g(固形分)
/m2 のベタ印刷を行なった。
【0077】続いてこのベタ印刷の上に、市販の水系茶
色インク「東洋インキ:アクアLOX茶」を利用するグ
ラビア印刷にて、0.5(固形分)g/m2 の木目柄を
形成することにより、クリーム色の地に茶色の木目柄が
現出されているインク受理層を有する比較のためのイン
クジェット記録媒体を得た。
【0078】比較例2 平均粒子径が0.15μm、0.03〜1.0μmの粒
子径の粒度分布が93%、酸価が50mgKOH/g、
ガラス転移温度(Tg)が35℃の造膜性を有するポリ
アクリル酸エステルエマルジョンと、平均粒子径が8.
5μm、1.5〜20.0μmの粒子径の粒度分布が9
5%、吸油量が187ml/100gで、173Åの細
孔径を有する無定形シリカとを、1:1(固形分重量
比)の割合で使用した充填材100重量部(固形分)に
対し、バインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合体
120重量部(固形分)を添加、混合することにより、
固形分濃度35.0重量%、粘度30.4(秒/RGS
# 3、20℃)の組成物(d)を得た。
【0079】この組成物(d)100重量部に対し、ク
リーム色の無機系顔料「バイフェロックスAC507
5」3重量部を添加、混合し、固形分36.8重量%、
粘度33.8(秒/RGS# 3、20℃)の組成物
(9)を得た。
【0080】また、組成物(d)100重量部に対し、
茶色の無機系顔料「トダカラーKN−O」1重量部を添
加、混合し、固形分35.6重量%、粘度32.0(秒
/RGS# 3、20℃)の組成物(10)を得た。
【0081】次いで、坪量310g/m2 、ステキヒト
サイズ110秒、コブサイズ6g/m2 ・分、耐油度1
000秒以上の表面塗工の白ボール「本州製紙:UFコ
ート」からなる支持体の表面に、先の組成(9)を粘度
28(秒/RGS# 3、20℃)に調整したインク受理
層形成用組成物によるインクを利用するグラビア印刷に
て、5.0g(固形分)/m2 のベタ印刷を行なった。
【0082】続いてこのベタ印刷の上に、先の組成物
(10)を粘度24(秒/RGS# 3、20℃)に調整
したインク受理層形成用組成物によるインクを利用する
グラビア印刷にて、0.5(固形分)g/m2 の木目柄
を形成することにより、クリーム色の地に茶色の木目柄
が現出されているインク受理層を有する比較のためのイ
ンクジェット記録媒体を得た。
【0083】比較例3 平均粒子径が0.15μm、0.03〜1.0μmの粒
子径の粒度分布が93%、酸価が50mgKOH/g、
ガラス転移温度(Tg)が65℃の非造膜性のポリアク
リル酸エステルエマルジョンと、平均粒子径が2.2μ
m、1.5〜20.0μmの粒子径の粒度分布が95
%、吸油量が270ml/100gで、210Åの細孔
径を有する無定形シリカとを、1:5(固形分重量比)
の割合で使用した充填材100重量部(固形分)に対
し、バインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合体1
20重量部(固形分)を添加、混合することにより、固
形分濃度30.0重量%、粘度72.8(秒/RGS#
3、20℃)の組成物(e)を得た。
【0084】この組成物(e)100重量部に対し、ク
リーム色の無機系顔料「バイフェロックスAC507
5」3重量部を添加、混合し、固形分32.0重量%、
粘度77.1(秒/RGS# 3、20℃)の組成物(1
1)を得た。
【0085】また、組成物(e)100重量部に対し、
茶色の無機系顔料「トダカラーKN−O」1重量部を添
加、混合し、固形分30.7重量%、粘度75.0(秒
/RGS# 3、20℃)の組成物(12)を得た。
【0086】次いで、坪量310g/m2 、ステキヒト
サイズ400秒、コブサイズ20g/m2 ・分、耐油度
480秒の表面非塗工の白ボール「万英製紙:万雷」か
らなる支持体の表面に、先の組成物(11)を粘度29
(秒/RGS# 3、20℃)に調整したインク受理層形
成用組成物によるインクを利用するグラビア印刷にて、
1.8g(固形分)/m2 のベタ印刷を行なった。
【0087】続いてこのベタ印刷の上に、先の組成物
(12)を粘度24(秒/RGS# 3、20℃)に調整
したインク受理層形成用組成物によるインクを利用する
グラビア印刷にて、0.2(固形分)g/m2 の木目柄
を形成することにより、クリーム色の地に茶色の木目柄
が現出されているインク受理層を有する比較のためのイ
ンクジェット記録媒体を得た。
【0088】比較例4 平均粒子径が0.6μm、0.03〜1.0μmの粒子
径の粒度分布が85%、酸価が4mgKOH/g、ガラ
ス転移温度(Tg)が98℃の非造膜性のポリアクリル
酸エステルエマルジョンと、平均粒子径が5.5μm、
1.5〜20.0μmの粒子径の粒度分布が93%、吸
油量が200ml/100gで、170Åの細孔径を有
する無定形シリカとを、1:3(固形分重量比)の割合
で使用した充填材100重量部(固形分)に対し、バイ
ンダーとしてスチレン−アクリル酸エステル共重合体1
50重量部(固形分)を添加、混合することにより、固
形分濃度33.5重量%、粘度35.0(秒/RGS#
3、20℃)の組成物(f)を得た。
【0089】この組成物(f)100重量部に対し、ク
リーム色の無機系顔料「マピコLL−XLO」2重量部
を添加、混合し、固形分34.8重量%、粘度36.2
(秒/RGS# 3、20℃)の組成物(13)を得た。
【0090】また、組成物(f)100重量部に対し、
オレンジ色の多環式顔料「クロモフタールオレンジ2
G」2重量部を添加、混合し、固形分34.8重量%、
粘度37.9(秒/RGS# 3、20℃)の組成物(1
4)を得た。
【0091】次いで、坪量310g/m2 、ステキヒト
サイズ400秒、コブサイズ20g/m2 ・分、耐油度
480秒の表面非塗工の白ボール「万英製紙:万雷」か
らなる支持体の表面に、先の組成物(13)を粘度29
(秒/RGS# 3、20℃)に調整したインク受理層形
成用組成物によるインクを利用するグラビア印刷にて、
5.0g(固形分)/m2 のベタ印刷を行なった。
【0092】続いてこのベタ印刷の上に、先の組成物
(14)を粘度24(秒/RGS# 3、20℃)に調整
したインク受理層形成用組成物によるインクを利用する
グラビア印刷にて、0.5(固形分)g/m2 の木目柄
を形成することにより、クリーム色の地にオレンジ色の
木目柄が現出されているインク受理層を有する比較のた
めのインクジェット記録媒体を得た。
【0093】「実験」 実施例1〜実施例5及び比較例1〜比較例4の各インク
ジェット記録媒体に、水系型のジェットインク「大日本
インキ:SZA1002(墨色)、SZA2002(青
色)、SZA3002(赤色)、SZA5002(黄
色)」とインクジェットプリンター「島津製作所:物品
用カラープリンター」とを使用してインクジェット記録
を行ない、得られた記録画像を評価した。結果を[表
1]に示す。
【0094】また、各インクジェット記録媒体における
ジェットインクの受理時間を試験した。結果を[表1]
に併記する。なお、ジェットインクの受理時間は、5c
m×5cmに裁断した濾紙「東洋濾紙No2 」をイン
クジェット記録媒体の記録面に強く押し付け、インクが
濾紙に付着しなくなるまでの時間によって表示した。
【0095】
【表1】
【0096】なお、比較例3においては、組成物
(e)、組成物(11)及び組成物(12)は、いずれ
も、グラビア印刷機を利用するインク受理層形成用組成
物としての好適な粘度である30(秒/RGS# 3、2
0℃)以下よりも高粘度を有しており、また、組成物
(11)及び組成物(12)を粘度調整したインク受理
層形成用組成物によるインクは、固形分がそれぞれ1
8.8重量%と18.0重量%であって、インク受理層
に必要な十分な厚さが得られる固形分濃度20.0重量
%に満たないため、クリーム色及び茶色の両者のインク
受理層にピンホールや乾燥不良による色斑が発生し、イ
ンク受理層の地色(クリーム色及び茶色)に擦れ傷が発
生した。
【0097】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録媒体のイン
ク受理層形成用組成物は、グラビア印刷機やフレキソ印
刷機でのインク受理層の形成を行ない得る塗布適性と、
十分な厚さのインク受理層を形成し得る固形分濃度とを
有し、インクジェット記録での記録画像の鮮映性の低下
のないインク受理層を形成し得る。
【0098】したがって、本発明のインク受理層形成用
組成物を利用することにより、柄状の模様が現出されて
いるインク受理層や多色に色分けされているインク受理
層を有するインクジェット記録媒体にすることができ、
インクジェット記録媒体の用途に対応した高意匠特性を
具備させることができる。
【0099】また、本発明のインクジェット記録媒体
は、用途に応じた適切な柄模様を有するインク受理層の
上にインクジェット記録を行ない得るもので、水系型の
ジェットインクによるインクジェット記録を行なうこと
により、外観が良好で、美粧性に優れ、しかも品質の高
い記録画像のインクジェット記録物を、インクジェット
記録装置のノズルに目詰まりを発生するようなことな
く、円滑な操作によって得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−201286(JP,A) 特開 昭62−278081(JP,A) 特開 平5−338348(JP,A) 特開 昭63−28689(JP,A) 特開 昭62−268682(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録媒体のインク受理
    層を印刷によって形成するためのインク受理層形成用組
    成物であって、平均粒子径が0.05〜0.50μm、
    0.03〜1.0μmの粒子径の粒度分布が90%以
    上、酸価が5〜100mgKOH/g、ガラス転移温度
    (Tg)が40〜130℃の非造膜性のポリアクリル酸
    エステルエマルジョンと、平均粒子径が3.5〜10.
    0μm、1.5〜20.0μmの粒子径の粒度分布が9
    0%以上、吸油量が100〜250ml/100gで、
    130〜180Åの細孔径を有する無定形シリカとを、
    充填材として含有していることを特徴とするインクジェ
    ット記録媒体インク受理層形成用組成物。
  2. 【請求項2】 非造膜性のポリアクリル酸エステルエマ
    ルジョンと無定形シリカとの混合比(固形分重量比)が
    1:10〜1:1であることを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェット記録媒体インク受理層形成用組成
    物。
  3. 【請求項3】 インクジェット記録媒体のインク受理層
    を形成するためのインク受理層形成用組成物であって、
    平均粒子径が0.05〜0.50μm、0.03〜1.
    0μmの粒子径の粒度分布が90%以上、酸価が5〜1
    00mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)が40〜
    130℃の非造膜性のポリアクリル酸エステルエマルジ
    ョンと、平均粒子径が3.5〜10.0μm、1.5〜
    20.0μmの粒子径の粒度分布が90%以上、吸油量
    が100〜250ml/100gで、130〜180Å
    の細孔径を有する無定形シリカとを充填材として含有し
    ており、更に、平均粒子径が0.05〜1.0μm、
    0.03〜1.5μmの粒子径の粒度分布が90%以
    上、吸油量が10〜50ml/100gの無機系、アゾ
    系あるいは多環式の着色顔料を含有していることを特徴
    とするインクジェット記録媒体インク受理層形成用組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のインクジェット記録媒
    インク受理層形成用組成物において、充填材と着色
    顔料との混合比(固形分重量比)が10.0:0.5〜
    10.0:5.0であることを特徴とするインクジェッ
    ト記録媒体インク受理層形成用組成物。
  5. 【請求項5】 支持体の上に、請求項1〜請求項4のう
    ちのいずれかの1項に記載のインク受理層形成用組成物
    によるインク受理層を形成したことを特徴とするインク
    ジェット記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のインクジェット記録媒
    体において、インク受理層における充填材の含有量が
    2.0〜20.0g(固形分)/m2 であることを特徴
    とするインクジェット記録媒体。
  7. 【請求項7】 支持体の上の全面に形成した第1のイン
    ク受理層と、該第1のインク受理層の上に柄状に形成し
    た第2のインク受理層とを有しており、該第2のインク
    受理層を、請求項3又は請求項4に記載のインク受理層
    形成用組成物によって形成したことを特徴とするインク
    ジェット記録媒体。
  8. 【請求項8】 支持体の上の全面に形成した第1のイン
    ク受理層と、該第1のインク受理層の上に柄状に形成し
    た第2のインク受理層とを有しており、第1のインク受
    理層を、充填材と、平均粒子径が0.05〜1.0μ
    m、0.03〜1.5μmの粒子径の粒度分布が90%
    以上、吸油量が10〜50ml/100gの無機系、ア
    ゾ系あるいは多環式の着色顔料とを含有するインク受理
    層形成用組成物によって形成し、第2のインク受理層
    を、請求項3又は請求項4に記載のインク受理層形成用
    組成物によって形成したことを特徴とするインクジェッ
    ト記録媒体。
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