JP3306900B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP3306900B2
JP3306900B2 JP08213792A JP8213792A JP3306900B2 JP 3306900 B2 JP3306900 B2 JP 3306900B2 JP 08213792 A JP08213792 A JP 08213792A JP 8213792 A JP8213792 A JP 8213792A JP 3306900 B2 JP3306900 B2 JP 3306900B2
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料タンク内で発生する
蒸発燃料を内燃機関(エンジン)の吸気側に吸入させて
燃焼させるための内燃機関の空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来、燃料タンク内で発生する蒸発燃料を
キャニスタに蓄え、このキャニスタに蓄えられた蒸発燃
料を空気と共に内燃機関の吸気側に放出するさせて燃焼
させるものにおいて、キャニスタパージ量を一定値だけ
変化させ、その時の空燃比フィードバック値の変化量に
より、キャニスタより内燃機関の吸気側に吸入される蒸
発燃料の濃度を検出するものがある(例えば、特開平2
−130240号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来のものでは、キャニスタパージ量を一定値だけ変化さ
せて蒸発燃料濃度を検出するものであるので、キャニス
タへの蒸発燃料の吸着量が多い場合に、濃度検出を行う
と、内燃機関に供給される燃料と空気との混合気の空燃
比が大きく変動し、内燃機関のアイドル安定性の悪化お
よび排気エミッションの悪化を招くという問題がある。
【0004】そこで本発明は、キャニスタへの蒸発燃料
の吸着量が多い場合にも、蒸発燃料濃度検出中における
空燃比の変動を抑え、アイドル安定性や排気エミッショ
ンが悪化するのを防止することを目的とするものであ
る。
【0005】
【問題点を解決するための手段】そのため本発明は、燃
料タンクに発生する蒸発燃料をキャニスタに蓄え、この
キャニスタに蓄えられた蒸発燃料を空気と共に放出通路
を介して内燃機関の吸気側に放出するようにした内燃機
関の空燃比制御装置であって、前記内燃機関の空燃比を
検出する空燃比検出手段と、この空燃比検出手段により
検出された空燃比に応じて内燃機関に供給される混合気
の空燃比をフィードバック制御する空燃比フィードバッ
ク手段と、前記キャニスタより前記放出通路を介して前
記内燃機関の吸気側に放出される蒸発燃料を含む空気の
パージ率を変化させる流量制御弁と、前記蒸発燃料の濃
度を検出する時に前記空燃比検出手段により検出される
空燃比が所定量変化するまで前記流量制御弁によりパー
ジ率を徐々に変化させる濃度検出用パージ率制御手段
と、このパージ率制御手段によりパージ率を変化させる
前と後との空燃比及びパージ率により蒸発燃料の濃度を
検出する濃度検出手段とを備える内燃機関の空燃比制御
装置を提供するものである。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【作用】これより、蒸発燃料の濃度を検出する時に空燃
比検出手段により検出される空燃比が所定量変化するま
で濃度検出用パージ率制御手段によりパージ率を徐々に
変化させ、このパージ率を変化させる前と後との空燃比
及びパージ率により濃度検出手段によって蒸発燃料の濃
度を検出する。
【0010】
【0011】
【0012】
【実施例】以下、この発明を具体化した実施例を図面に
基づいて説明する。図1に示すように、車両には多気筒
エンジン1が搭載され、このエンジン1には吸気管2と
排気管3とが接続されている。吸気管2の内端部には電
磁式のインジェクタ4が設けられるとともに、その上流
側にはスロットル弁5が設けられている。さらに、排気
管3には空燃比検出手段としての酸素センサ6が設けら
れ、同センサ6は排気ガス中の酸素濃度に応じた電圧信
号を出力する。
【0013】前記インジェクタ4に燃料を供給する燃料
供給系統は、燃料タンク7、燃料ポンプ8、燃料フィル
タ9及び調圧弁10を有している。そして、燃料タンク
7内の燃料(ガソリン)が燃料ポンプ8にて燃料フィル
タ9を介して各インジェクタ4へ圧送されるとともに、
調圧弁10にて各インジェクタ4に供給される燃料が所
定圧力に調整される。
【0014】燃料タンク7の上部から延びるパージ管1
1は吸気管2のサージタンク12と連通され、そのパー
ジ管11の途中には、燃料タンクに発生する蒸発燃料を
吸着する吸着材としての活性炭を収納したキャニスタ1
3が配設されている。又、キャニスタ13には外気を導
入するための大気開放孔14が設けられている。パージ
管11はキャニスタ13よりもサージタンク12側を放
出通路15とし、この放出通路15の途中に可変流量電
磁弁16(以下、パージソレノイド弁という)が設けら
れている。このパージソレノイド弁16は、スプリング
(図示略)により常に弁体17がシート部18を閉じる
方向に付勢されているが、コイル19を励磁することに
より弁体17がシート部18を開くようになっている。
従って、パージソレノイド弁16のコイル19の消磁に
より放出通路15が閉じ、コイル19の励磁により放出
通路15が開くようになっている。このパージソレノイ
ド弁16はパルス幅変調に基づくデューティ比制御によ
り後述するCPU21によって開度調節される。
【0015】従って、このパージソレノイド弁16にC
PU21から制御信号を供給し、キャニスタ13がエン
ジン1の吸気管2に連通されるようにしてやれば、大気
中から新しい空気Qaが導入され、これがキャニスタ1
3内を換気してエンジン1の吸気管2からシリンダ内に
送り込まれ、キャニスタパージが行われ、キャニスタ1
3の吸着機能の回復が得られることになるのである。そ
して、このときの新気Qaの導入量Qp(l/min
は、CPU21からパージソレノイド弁13に供給され
るパルス信号のデューティを変えることにより調節され
る。図2は、このときのパージ量の特性図で、吸気管内
の負圧が一定の場合でのパージソレノイド弁13のデュ
ーティとパージ量との関係を示しており、この図から、
パージソレノイドを0%から増加させてゆくにつれて、
ほぼ直接的にパージ量、すなわちキャニスタ13を介し
てエンジン1に吸い込まれる空気の量が増加してゆくこ
とが判る。
【0016】CPU21はスロットル弁5の開度を検出
するスロットルセンサ5aからのスロットル開度信号
と、エンジン1の回転数を検出する回転数センサ(図示
略)からのエンジン回転数信号と、スロットル弁5を通
過した吸入空気の圧力を検出する吸気圧センサ5bから
の吸気圧信号と、エンジン冷却水の温度を検出する水温
センサ5cからの冷却水温信号と、吸入空気温度を検出
する吸気温センサ(図示略)からの吸気温信号とを入力
する。
【0017】又、CPU21は前記酸素センサ6からの
信号(電圧信号)を入力し、混合気のリッチ・リーン判
定を行う。そして、CPU21はリッチからリーンに反
転した場合及びリーンからリッチに反転した場合は燃料
噴射量を増減すべく、フィードバック補正係数を階段状
に変化(スキップ)させるとともに、リッチ又はリーン
のときにはフィードバック補正係数を徐々に増減させる
ようになっている。尚、このフィードバック制御はエン
ジン冷却水温が低いとき、及び高負荷・高回転走行時に
は行わない。又、CPU21はエンジン回転数と吸気圧
により基本噴射時間を求め、基本噴射時間に対しフィー
ドバック補正係数等による補正を行って最終噴射時間を
求め、前記インジェクタ4による所定の噴射タイミング
での燃料噴射を行わせる。
【0018】ROM34は、エンジン全体の動作を制御
するためのプログラムやマップを格納している。RAM
35は各種のデータ、例えば前記スロットル弁5の開
度、エンジン回転数等の検出データ等を一時的に記憶す
る。そして、CPU21はROM34内のプログラムに
基づいてエンジンの動作を制御する。
【0019】図3は、全開パージ率マップを示したもの
で、エンジン回転数Neと負荷(今回は吸気管圧力、そ
の他に吸入空気量やスロットル開度でもよい)により決
定される。このマップは、吸気管2を通してエンジン1
に流入する全空気量に対するパージソレノイド弁16の
デューティ100%時に放出路15を通して流れる空気
量の比を示しており、ROM34内に記憶されている。
【0020】本システムは、空燃比フィードバック(F
AF)制御、パージ率制御、初回蒸発燃料(エバポ)濃
度検出、継続エバポ濃度検出、燃料噴射量制御、空燃比
学習制御およびパージソレノイド弁制御を操作して行わ
れる。まず、第1に、未知のエバポ濃度レベルを検出す
るため、初回エバポ濃度(単位パージ率当たりのFAF
変化量)検出を行う。第2に検出したエバポ濃度と現状
のパージ率とにより、燃料噴射量を操作する。第3に、
所定時間ごと、かつ運転状態が安定している時に、更新
エバポ濃度検出を行い、エバポ濃度を更新させ、上記と
同様、燃料噴射量を操作する。そして、燃料噴射量を操
作した結果のFAF値の挙動により、空燃比学習制御を
行う。
【0021】以下、実施例の動作について、各制御毎に
説明する。 空燃比フィードバック制御 空燃比フィードバック制御を図4に従って説明する。こ
の空燃比フィードバック制御は約4ms毎にCPU21
のベースルーチンで実行されるものである。
【0022】第1にステップS40でフィードバック
(F/B)制御可能か判断する。このF/B条件として
は、主に以下示す条件をすべて満足した場合である。
(1)始動時でない。(2)燃料カット中でない。
(3)冷却水温(THW)≧40℃。(3)TAU>T
AUmin 。(4)酸素センサ活性状態である。
【0023】条件成立ならば、ステップS41へ進んで
濃度検出直後か判断し、濃度検出直後でなければステッ
プS42へ進んで酸素センサ出力と所定判定レベルとを
比較し、それぞれ遅れ時間(H・Imsec)を持って空燃
比フラグXOXRを操作する。例えば、XOXR=1の
ときリッチ、XOXR=0のときリーンとする。次にス
テップS43へ進んでこのXOXRに基づき、FAFの
値を操作する。すなわち、XOXRが変化(0→1),
(1→0)した時、FAFの値を所定量スキップさせ、
XOXRが1または0を継続中は、FAF値の積分制御
を行う。そして、次のステップS44へ進んでFAF値
の上下限チェックをした後、ステップS45へ進んで決
定したFAF値を基にしてスキップ毎、又は所定時間毎
になまし(平滑化)処理を行い、なまし値FAFAVを
求める。なお、ステップS40においてF/B制御が成
立しない時およびステップS41において濃度検出終了
直後であるとき(後述する濃度検出中フラグが1から0
になった直後のとき)はステップS46へ進んでFAF
の値を1.0とする。
【0024】パージ率制御 パージ率制御のメインルーチンを図5に示す。このルー
チンも約4ms毎にCPU21のベースルーチンで実行さ
れるものである。
【0025】ステップS501で空燃比F/B中か否か
を図4のステップS40と同様な条件で判断すると共
に、ステップS502で冷却水温が50℃以上か否かを
判断し、空燃比F/B中で水温が所定値50℃以上の
時、パージ率制御を実行させるためステップS503で
パージ停止フラグXIPGRを0にする。次のステップ
S504で燃料カット中か否かを判断し燃料カット中の
時、ステップS505へ進んで燃料カット時パージ率
(PGR)制御を行う。また、ステップ504で燃料カ
ット中でないと判断した時、ステップS506へ進んで
キャニスタからのエバポ濃度を1度も検出していないか
初回濃度検出フラグXFFGPGにより判断する。1度
も検出していない時(初回)、ステップS507へ進ん
で初回濃度検出用PGR制御を行う。初回濃度検出後、
ステップS508へ進んでカウンタCPGKANを作動
させ、このカウンタの係数値により次のステップS50
9で所定時間(例えば60sec )経過したか判断し、こ
の所定時間毎にステップS510へ進んで濃度検出を行
い、エバポ濃度(FGPG)を更新していく。それ以外
の時は、ステップS511へ進んで通常パージ率制御を
行う。なお、ステップS501,S502でパージ率条
件が成立していない時、ステップS512へ進んでパー
ジ率を0とした後、ステップS513へ進んで、パージ
停止フラグXIPGRを1とする。
【0026】図5のステップS511における通常パー
ジ率制御サブルーチンを図6に示す。まず、ステップS
601でFAF値(または、FAFなまし値)が1.0
基準に対して3領域(,,)の内どの領域にある
か検出する。ここで、図7の(a)で示すごとく領域
は1.0±F%以内、領域は1.0±F%以上離れ±
G%(ただし、F<G)以内にいる時、領域は1.0
±G%以上にいる時を示す。
【0027】領域ならステップS602へ進んでパー
ジ率(PGR)を所定値D%ずつ増加させる。領域の
時はステップS603へ進んでPGRの増減なし。領域
の時はステップS604へ進んでPGRを所定値E%
ずつ減少させる。ここで、所定値D,Eは図7の(b)
で示すごとくエバポ濃度(FGPG)に応じて変化させ
るのが好ましい。そして、次のステップS605でPG
Rの上下限チェックを行う。ここで、上限値は、図7の
(c)で示すパージ開始時間、図7の(d)で示す水
温、図7の(e)で示す運転条件(全開パージ率マッ
プ)等の各種条件の内1番小さい値とする。
【0028】図5のステップS505における燃料カッ
ト時PGR制御サブルーチンを図8に示す。まず、ステ
ップS801でエンジン1にキャニスタ13からのエバ
ポが入らないようにPGRを0とする。次に、ステップ
S802へ進んで濃度検出中ならば、検出をキャンセル
するために濃度検出中の、各フラグをリセットする(例
えば:XPGIDL,XPGRUN,XPGNO1,X
PGNO2=0)。
【0029】図5のステップS507における初期濃度
検出用PGR制御サブルーチンを図9に示す。この制御
はアイドルと走行時とに分けて制御する。アイドル時
は、ステップS901でアイドルフラグXIDLが1、
ステップS902で、車速SPDが0km/h、ステッ
プS903で、FAF値が3回以上スキップしたと判断
したら、ステップS904へ進んでアイドル時濃度検出
中フラグXPGIDLを1とする。また、XPGIDL
はXIDLが0又はSPDが0km/hより大きくなっ
たらステップS905へ進んで濃度検出を中止するよう
XPGIDLを0にリセットする。走行時は、ステップ
S901からステップS906へと進み、ここでXPG
IDLが1でないため、ステップS907へと進み、走
行時濃度検出中フラグXPGRUNが1であるとさらに
ステップS908へ進んで学習領域が同じでFAF値が
3回以上スキップし、かつ加減速中でない時(例えば、
エンジン1の吸気管圧力の変化DLPM<19.5mm
Hg)なら、さらにステップS909へ進んで走行時濃
度検出中フラグXPGRUNを1とする。また、ステッ
プS907でXPGPUNが1でないとき、ステップS
910へ進んで、加減速中でなく(例えばDLPM<1
9.5mmHg)、かつ同じエンジン運転領域でFAF
値が3回以上スキップしたら、ステップS911へ進ん
でそのときのエンジン運転領域を記憶した後、さらにス
テップS909へ進んで走行時濃度検出中フラグXPG
RUNを1とする。また、ステップS908で領域・D
LPMが所定値をはずれたらステップS912へ進んで
XPGRUNを0とし、濃度検出中フラグをキャンセル
させる。
【0030】XPGIDLが1またはXPGRUNが1
となった後のパージ率の操作の行い方は、第1にステッ
プS913でパージ率を変化させる前のFAF値(又は
なまし値):FAFB を決定したと判断したら(このF
AFB の決定は後述する図13において説明する)、次
のステップS914でFAFB を基準に所定値A%(例
えば15%)減少させた値を求めると共に、この値に対
し所定値±α%(例えば2%)の不感帯を設ける。これ
により図10で示すごとく3つの領域,,が決定
される。そして、ステップS915でFAF値(又はな
まし値)がどの領域にあるか判別し、領域ならば、ス
テップS916へ進んでパージ率PGRを所定値B%ず
つ増加させ、領域ならば、ステップS917へ進んで
PGRの増減なし。領域ならば、ステップS918へ
進んでPGRを所定値C%ずつ減少させる。最後にステ
ップS819へ進んでPGRの上下限をチェックして、
PGRを0%(下限)〜20%(上限)の範囲に制限す
る。
【0031】図5のステップS510における濃度更新
用PGR制御サブルーチンを図11に示す。この制御も
アイドル時と走行時とに分けて制御する。濃度検出中フ
ラグ(XPGNO1,XPGNO2)を操作する条件
は、初回濃度検出ルーチンと同様にパージ率の操作の行
い方は、アイドル時、ステップS1101でXIDLが
1、ステップS1102でSPDが0km/h、ステッ
プS1103でFAF値が3回以上スキップと判断した
ら、ステップS1104、S1105へ進み、さらにX
PGNO1が1となった時のFAF値(又はなまし値)
とその所定変化量F%(例えば10%)の値とがFAF
値の上下限値にかからないことを確認し、この所定変化
量F%をエバポ濃度(FGPG)で除算し、この除算し
た値にXPGNO1が1となった時のPGRを加算する
ことにより、ステップS1106でPGRを決定する。
最後にステップS1107へ進んでPGRの上下限チェ
ックを行う。
【0032】走行時は、アイドル時同様、ステップS1
108〜S1116を介しステップS1117で、所定
変化量G%(例えば7%)をエバポ濃度(FGPG)で
除算し、この除算した値をXPGNO2が1となった時
のPGRからひき算する。最後にステップS1118へ
進んでPGRの上下限チェックを行う。ここで、アイド
ル時はたし算を行い、走行時はひき算を行うのは、アイ
ドル時はパージソレノイド弁の開度が小さく、走行時は
開度が大きくなっているためである。
【0033】エバポ濃度検出 CPU21のベースルーチンで約4ms毎に実行されるエ
バポ濃度検出のメインルーチンを図12に示す。このル
ーチンは初回濃度検出と、濃度更新に分けて制御するよ
うになっている。即ち、ステップS121でXFFGP
Gが1であり、ステップS122でXPGIDLが1ま
たはXPGRUNが1のときステップS123へ進んで
エバポの初回濃度検出を行い、ステップS121でXF
FGPGが1でなく、ステップS124でXPGNO1
が1またはXPGNO2が1のときステップS125へ
進んでエバポの濃度更新を行う。
【0034】図12のステップS123の初回濃度検出
サブルーチンを図13に示す。まず、ステップS131
で前回濃度検出中フラグが0であったかを判断し、前回
濃度検出中フラグが0であったとするとパージ率制御の
濃度検出中フラグ(XPGIDL,XPGRUN,XP
GNO1,XPGNO2)が今回1になったことになる
ため、ステップS132へ進んで、その時のPGR,F
AF値(又はなまし値)をPGRB 、FAFB として記
憶する。次のステップS133でFAF値(又はなまし
値)がパージ率制御で説明した不感帯に入り、FAF値
が3回以上スキップしたならば、ステップS134へ進
んでその時のPGR・FAF値(又はなまし値)をPG
C ,FAFC として記憶する。そして、次のステップ
S135でFAFB とFAFC との差ΔFAFをPGR
B とPGRC の差ΔPGRで除算してエバポ濃度FGP
Gを求める。この濃度検出が終了したら、ステップS1
36,S137,S138でフラグ、カウンタ処理を行
う(例えば、XFFGPGを1、CPGKANを0とす
る)。また、ステップS133で否のときステップS1
39へ進んで、PGRが上限となってからFAF値が3
回以上スキップしたならば、エバポ濃度が薄いためパー
ジ量を増してもFAF値が不感帯まで増加しないと判断
してステップS134に進み、前述と同様にしてエバポ
濃度FGPGを求める。また、ステップS139で否の
ときはエバポ濃度FGPGを求めることなくリターンす
る。
【0035】図12のステップS125の濃度更新サブ
ルーチンを図14に示す。この濃度更新サブルーチンは
図13の初回濃度検出サブルーチンのステップS13
1,S132,S134〜S138と同様なステップS
141,S142,S144〜S148を有すると共
に、図13のステップS133におけるFAF値の不感
帯の判別をなくしてFAF値3回以上スキップしたか否
かを判別するのみのステップS143とし、さらに、ス
テップS139を省略したものである。これにより、検
出エバポの濃度更新は、濃度更新のために、PGRをΔ
PGRだけ更新してからFAF値が3回スキップした時
点で実行される。
【0036】燃料噴射量制御 CPU21のベースルーチンで約4ms毎に実行される燃
料噴射量制御を図15に示す。
【0037】第1にステップS151でROM34にマ
ップとして、格納されているデータに基づき、エンジン
回転数と負荷(例えば、吸気管内圧力)により基本燃料
噴射量(TP)を求め、次のステップS152で各種基
本補正(冷却水温、始動後、吸気温等)を行う。第2に
ステップS153でエバポ濃度検出中(XPGIDL,
XPGRUN,XPGNO1,XPGNO2=1)なら
ば、ステップS154へ進んで各フラグが1になった時
のパージ補正係数FPG(PGRにFGPGを乗算して
求めた値)に固定する。それ以外はステップS155へ
進んでPGR変化に合わせて、
【0038】
【数1】FPG=(FGPG−1)×PGR によりFPGを求める。最後にステップS156でFA
F,FPG,各エンジン運転領域毎に持つ空燃比学習値
(KGj)を、
【0039】
【数2】1+(FAF−1)+(KGj−1)+FPG の演算により補正係数として求めて、燃料噴射量に反映
させる。
【0040】パージソレノイド弁制御 CPU21により100ms毎の時間割込みにより実行さ
れるパージソレノイド弁制御ルーチンを図16に示す。
ステップS161でXIPGRが1またはステップS1
62でフューエルカット中であるならば、ステップS1
63へ進んでパージソレノイド弁16のDutyを0と
する。それ以外ならば、ステップS164へ進んで、パ
ージソレノイド弁16の駆動周期を100msとすると、
【0041】
【数3】 Duty=(PGR/PGRfo)×(100ms−PV )×PPa+PV の演算式でパージソレノイド弁16のDutyを求め
る。ここで、PGRは図6,図9,図11で求められた
パージ率、PGRfoはパージソレノイド弁16が全開時
における各運転状態でのパージ率(図3参照)、PV
バッテリ電圧の変動に対する電圧補正値、PPaは大気圧
の変動に対する大気圧補正値である。
【0042】空燃比学習制御 空燃比学習制御ルーチンを図17に示す。空燃比フィー
ドバック中、冷却水温THWが80℃以上、始動後増量
が0、暖機増量が0、現在の運転領域に入ってFAF値
から5回以上スキップした、バッテリ電圧が11.5V
以上の基本条件をすべて満了したことをステップS17
02で判断し、かつエバポ濃度検出中フラグXPGID
L,XPGRUN,XPGUO1,XPGN2のすべて
が1以外ならば、それをステップS1701で判断して
学習制御を行う。学習制御はステップS1703でFA
FAVの値を読み込んだ後、ステップS1705でのア
イドルか否かの判断結果によりアイドル時KG0 (ステ
ップS1708)と走行時(ステップS1710)に分
けて行われ、走行時は負荷(例えば吸気管内圧力)によ
り所定数(例えば7つ)の領域KG1〜KG7 に分かれ
て行われる。また、ステップS1706,S1709で
所定エンジン回転数以内にある時(アイドル時は600
〜1000rpm 、走行時は1000〜3200rpm )の
み、学習値を更新するようになっている。さらにアイド
ル時はステップS1707により吸気管圧力PMが17
3mmHg以上のときに学習値が更新される。各領域の
学習値KG0 〜KG7 の更新方法は、FAFのなまし値
と1.0との差が所定値(例えば2%)より大きい時、
その領域の学習値KG0 〜KG7 を所定値(K%,L
%)ずつ増減することによりなされる。(ステップS1
711〜S1714)。最後に、KGjの上下限チェッ
クを行う(ステップS1715)。ここで、KGjの上
限値は例えば1.2に、下限値は0.8に設定され、ま
たこの上下限値はエンジン運転領域毎に設定することも
できる。
【0043】図18は図4のステップS44のサブルー
チンを示すもので、まず、ステップS181でFAFの
基本上下限値を設定する(例えば、上限値1.2、下限
値0.8に設定)。次に、ステップS182へ進んで、
エバポ濃度検出中フラグのいずれかが1であるなら、ス
テップS183へ進んで、FAFの下限値を基本下限値
より小さな値(例えば、0.6)に設定した後リターン
する。また、ステップS182でエバポ濃度検出中フラ
グの全てが1以外ならばステップS184へ進んでエバ
ポ濃度検出中フラグの全てが0になってから所定時間
(例えば、3秒)以上経過したかを判断し、所定時間経
過していないときにはステップS183へ進み、所定時
間経過しているときにはそのままリターンする。これに
よって、エバポ濃度検出中及びその終了から所定時間経
過するまではFAFの下限値が基本値より小さな値に設
定されることにより、濃度検出または更新時にFAFの
値が下限値に張りついて、エバポ濃度の検出や更新が不
可能になるのを防止する。
【0044】以上説明した実施例のタイムチャートを図
19に示す。(a)は検出エバポ濃度値FGPGを示
し、(b)は燃料減量補正係数FPGを示し、(c)は
パージ率PGRを示し、(d)の実線はFAF値を示
し、一点鎖線はFAFの下限値を示す。
【0045】他の実施例A 上述した実施例では濃度更新中の燃料減量補正係数FP
Gをその直前の値に固定するようにしたが、図20のタ
イムチャートに示すように、濃度更新中の燃料減量補正
係数FPGを、すでに検出されている蒸発燃料濃度分と
濃度更新時のパージ率とに応じて変化させることによ
り、濃度更新時のFAF値の変動をより小さくすること
ができる。この実施例においては、上述した図1〜図1
8に示す実施例に対し、図15の燃料制御を図21のも
のに、図14の濃度更新サブルーチンを図22のものに
入れ換えたものである。ここで、図21においては図1
5に対してステップS153、S154を省略したもの
であり、図22は図14のものに対し、更新ステップS
145としてエバポ濃度変化量を、前回のFGPG値に
反映させるようにしたものである。
【0046】他の実施例B 上述した各実施例おいては、スロットル弁5下流の吸入
空気の圧力を吸気圧センサ5bにより検出して、エンジ
ン回転数と吸気管圧力とにより基本燃料噴射量を演算す
るものに本発明を適用したが、スロットル弁5上流の吸
入空気量を検出する吸入空気量センサを用いて、エンジ
ン回転数と吸入空気量とにより基本燃料噴射量を演算す
るものにも本発明を適用することができる。このように
スロットル弁5上流の吸入空気量を検出する場合には、
スロットル弁5下流に放出路15を介して導入されるエ
バポガスを含むバイパス空気の流量を吸入空気量として
検出することができないため、基本燃料噴射量はバイパ
ス空気の流量を除外して決定される。したがって、バイ
パス空気中のエバポガスの濃度が低い場合には、パージ
率を上げれば上げる程、内燃機関の燃焼室に吸入される
混合気の空燃比が大きくなって、それに伴ってパージ率
を上げれば上げる程小さくなるべきFAF値が逆に大き
くなり、エバポガスの初回濃度を検出することが不可能
になる。そこで、この実施例においては、図23に示す
ように、FAFの判定領域として図10のものに対し、
パージ率を変化させる前のFAFB より大きな領域を
付加し、この領域では初回濃度の検出を禁止する。そ
のため、この実施例においては、上述した図1〜図18
に示す実施例に対し、図9の初期濃度検出用パージ制御
サブルーチンを図24のものに、図12のエバポ濃度検
出を図25のものに、図16のパージソレノイド弁制御
を図26のものに入れ換えたものである。
【0047】ここで、図24においては図9のものに対
し、領域確認ステップS915としてFAFB より大き
な領域を付加し、さらに、この領域と判断したとき
にはステップS920へ進んで、パージ率を0とした
後、ステップS921へ進んで領域4フラグXRYU4
を1にした後リターンするようにしたものである。ま
た、図25においては図12のものに対し、ステップS
121の前に、領域4確認ステップS126を挿入し、
このステップS126で領域4フラグXRYU4が1で
ないと判断したときには、ステップS121に進んで以
後図12と同じ動作をし、ステップS126で領域4フ
ラグXRYU4が1であると判断したときには、ステッ
プS127に進んでエバポ濃度を1.0に設定した後リ
ターンするようにしたものである。さらに、図26にお
いては図16のものに対し、ステップS161の前に領
域4確認ステップS165を挿入し、このステップS1
65で領域4フラグXRYU4が1でないと判断したと
きには、ステップS161に進んで以後図16と同じ動
作をし、ステップS165で領域4フラグXRYU4が
1であると判断したときには、ステップS163に進む
ようにしたものである。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように本発明においては、空
燃比や蒸発燃料の濃度を考慮して蒸発燃料濃度検出また
は更新中のパージ率や燃料量を制御するから、キャニス
タへの蒸発燃料の吸着量が多い場合にも、蒸発燃料濃度
検出中または更新中における空燃比の変動を抑え、アイ
ドル安定性や排気エミッションが悪化するのを防止する
ことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】上記実施例におけるパージソレノイド弁の特性
図である。
【図3】上記実施例における全開パージ率マップであ
る。
【図4】上記実施例における空燃比フィードバック制御
のフローチャートである。
【図5】上記実施例におけるパージ率制御のフローチャ
ートである。
【図6】上記実施例における通常パージ率制御サブルー
チンのフローチャートである。
【図7】(a)〜(e)は上記実施例における通常パー
ジ率制御サブルーチンに用いられる各種特性図である。
【図8】上記実施例における燃料カット時パージ率制御
サブルーチンのフローチャートである。
【図9】上記実施例における初期濃度検出用パージ率制
御サブルーチンのフローチャートである。
【図10】上記実施例における初期濃度検出用パージ率
制御サブルーチンに用いられる領域判定特性図である。
【図11】上記実施例における濃度更新用パージ率制御
サブルーチンのフローチャートである。
【図12】上記実施例におけるエバポ濃度検出のフロー
チャートである。
【図13】上記実施例における初回濃度検出サブルーチ
ンのフローチャートである。
【図14】上記実施例における濃度更新サブルーチンの
フローチャートである。
【図15】上記実施例における燃料噴射量制御のフロー
チャートである。
【図16】上記実施例におけるパージソレノイド弁制御
のフローチャートである。
【図17】上記実施例における空燃比学習制御のフロー
チャートである。
【図18】上記実施例における空燃比フィードバック制
御上下限チェックサブルーチンのフローチャートであ
る。
【図19】上記実施例における各部波形を示すタイムチ
ャートである。
【図20】本発明装置の他の実施例Aにおける各部波形
を示すタイムチャートである。
【図21】上記他の実施例Aにおける燃料噴射量制御の
フローチャートである。
【図22】上記他の実施例Aにおける濃度更新サブルー
チンのフローチャートである。
【図23】本発明装置の他の実施例Bにおける初期濃度
検出用パージ率制御サブルーチンに用いられる領域判定
特性図である。
【図24】上記他の実施例Bにおける初期濃度検出用パ
ージ率制御サブルーチンのフローチャートである。
【図25】上記他の実施例Bにおけるエバポ濃度検出の
フローチャートである。
【図26】上記他の実施例Bにおけるパージソレノイド
弁制御のフローチャートである。
【符号の説明】
1 多気筒エンジン 2 吸気管 5 スロットル弁 5a スロットルセンサ 5b 吸気圧センサ 6 酸素センサ 7 燃料タンク 13 キャニスタ 15 放出通路 16 パージソレノイド弁 21 CPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−130240(JP,A) 特開 昭63−255559(JP,A) 特開 昭62−131962(JP,A) 特開 昭64−3258(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 29/00 - 29/06 F02D 41/00 - 45/00 F02M 25/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクに発生する蒸発燃料をキャニ
    スタに蓄え、このキャニスタに蓄えられた蒸発燃料を空
    気と共に放出通路を介して内燃機関の吸気側に放出する
    ようにした内燃機関の空燃比制御装置であって、 前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段と、 この空燃比検出手段により検出された空燃比に応じて内
    燃機関に供給される混合気の空燃比をフィードバック制
    御する空燃比フィードバック手段と、 前記キャニスタより前記放出通路を介して前記内燃機関
    の吸気側に放出される蒸発燃料を含む空気のパージ率を
    変化させる流量制御弁と、 前記蒸発燃料の濃度を検出する時に前記空燃比検出手段
    により検出される空燃比が所定量変化するまで前記流量
    制御弁によりパージ率を所定値ずつ変化させる濃度検出
    用パージ率制御手段と、 このパージ率制御手段によりパージ率を変化させる前と
    後との空燃比及びパージ率により蒸発燃料の濃度を検出
    する濃度検出手段とを備えることを特徴とする内燃機関
    の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 前記パージ率制御手段は、前記蒸発燃料
    の初回の濃度を検出する時に前記空燃比検出手段により
    検出される空燃比が所定量変化するまで前記流量制御弁
    によりパージ率を徐々に変化させる初回濃度検出用パー
    ジ率制御手段と、前記蒸発燃料の濃度を更新する時に、
    すでに検出されている蒸発燃料濃度分に応じて前記流量
    制御弁によりパージ率を変化させる濃度更新用パージ率
    制御手段とから成り、 前記濃度検出手段は、前記パージ率制御手段によりパー
    ジ率を変化させる前と後との空燃比及びパージ率により
    蒸発燃料の初回濃度を検出する初回濃度検出手段と、前
    記パージ率制御手段によりパージ率を変化させる前と後
    との空燃比及びパージ率により蒸発燃料の濃度を更新す
    る濃度更新手段とから成ることを特徴とする請求項1に
    記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】 前記濃度検出手段により濃度検出のため
    に用いられる前記空燃比は前記空燃比フィードバック手
    段の空燃比フィードバック値である請求項1又は請求項
    2のうちいずれか一つに記載の内燃機関の空燃比制御装
    置。
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