JP3305405B2 - 棒状微粒子導電性酸化チタンおよびその製造方法 - Google Patents

棒状微粒子導電性酸化チタンおよびその製造方法

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JP3305405B2
JP3305405B2 JP09084393A JP9084393A JP3305405B2 JP 3305405 B2 JP3305405 B2 JP 3305405B2 JP 09084393 A JP09084393 A JP 09084393A JP 9084393 A JP9084393 A JP 9084393A JP 3305405 B2 JP3305405 B2 JP 3305405B2
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oxide
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、その表面にアンチモン
含有酸化錫からなる導電層を有する棒状微粒子導電性酸
化チタンおよびその製造方法に関する。棒状微粒子導電
性酸化チタンは、プラスチックス、塗料、ゴム、繊維な
どの導電性付与剤あるいは帯電防止剤として、更には電
子写真複写紙、静電記録紙などの記録材料の支持体用導
電性付与剤として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】酸化チタン系チタン化合物表面上にSn
2 系導電材を被覆してなる白色系電子伝導タイプの導
電性付与剤としては、球状酸化チタン粉末あるいは球
状微粒子酸化チタン粉末の粒子表面に酸化錫或は酸化錫
と酸化アンチモンからなる導電層を被覆した球状導電性
酸化チタン粉末(特開昭61−141616号など)、
粒子表面に酸化錫或は酸化錫と酸化アンチモンからな
る導電層を被覆した繊維状チタン酸カリウムを主成分と
する白色導電性物質(特公昭61−26933号)、
長さ1〜10μmの高品位針状二酸化チタンの粒子表面
に酸化錫あるいは酸化錫と酸化アンチモンから成る導電
層を被覆した針状導電性酸化チタン(特開昭63−23
3016号)などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】導電性付与剤は、その
形状が球状であるよりは針状(繊維状を含む)あるいは
棒状である方が、またそれ自身の粉体抵抗値が小さい
程、即ち導電性が高い程、樹脂、ゴムなどの媒体への配
合割合を少なくしても所望の導電性の樹脂製品、ゴム製
品などが得られる。前記の球状導電性酸化チタン粉末
は、それ自体の粉体抵抗は1〜10Ωcmと、非常に優
れた導電性を示すものであるが、球状粉末であるため
に、このものを樹脂、ゴムなどの媒体に配合して所定の
導電性を付与するためには、媒体に対して一般にかなり
多くの量の粉末を配合する必要がある。このために導電
性樹脂、導電性ゴムなどの製品の強度低下を来たし、ま
た経済的でないといった問題をかかえている。また、
の白色導電性物質は形状の点では問題ないものの、粉体
抵抗値が高く、かつ分散時に折れやすいという欠点を有
している。さらにの針状導電性酸化チタンは、の
問題点が解決されたものであり、媒体に少量添加しただ
けで非常に優れた導電性を示すものであるが、形状が針
状である上、長さが長いため、塗料等の導電性組成物と
するため媒体に添加した場合、組成物の塗膜の表面平滑
性の点で問題がある。また磁気記録媒体の帯電防止用と
しても、高記録密度化と相まって導電性付与効果ととも
に、透明性や磁性層の表面平滑性に一層優れたものが求
められている。いずれにしても未だ解決を要する問題点
が少なくない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決するべく種々検討を進めた結果、特定形状の特
定の粒子径範囲の微粒子酸化チタンの粒子表面に、アン
チモン含有酸化錫からなる導電層を有する導電性酸化チ
タンが、種々の樹脂媒体において、導電性を損なうこと
なく、可視光線透過性および表面平滑性がともに極めて
優れたものになり、それによって導電性付与剤として最
適化が図られ、適用範囲の大幅な拡大を図り得ることの
知見を得、本発明を完成した。即ち本願の発明は、長さ
が0.1〜0.6μm、軸比が3以上である棒状微粒子
酸化チタンの表面にアンチモン含有酸化錫からなる導電
層を有することを特徴とする棒状微粒子導電性酸化チタ
ンであり、このものは例えば含水酸化チタン水性懸濁液
をアルカリで処理し、次いで塩酸中で加熱熟成して棒状
微粒子酸化チタンを生成させ、しかる後このものに対し
て、もしくはこのものを焼成したものに対して、水溶性
錫化合物および水溶性アンチモン化合物を添加処理し
て、酸化チタン粒子表面に錫の含水酸化物とアンチモン
の含水酸化物を被着した後、焼成することにより得られ
る。
【0005】本発明において、棒状微粒子導電性酸化チ
タンは微粒子酸化チタン基体物質の表面にアンチモン含
有酸化錫からなる導電層を有するものである。ここで棒
状とはいわゆる棒状のもののほか、紡錘状、米粒状、柱
状、その他類似形状のものやさらにそれらの粒子が絡み
合ったものも包含する。本発明の棒状微粒子導電性酸化
チタンは、長さ0.1〜0.6μm、長さ対直径の比
(軸比)が3以上の棒状微粒子酸化チタンを基体物質と
し、その表面にアンチモン含有酸化錫からなる導電層を
有するものである。ここでいう棒状微粒子導電性酸化チ
タンの長さは、電子顕微鏡写真から体面積平均径を算出
して求めた。
【0006】基体物質である棒状微粒子酸化チタンは、
無水物換算で不純物含有量が3重量%以下の、即ちTi
2 純度97%以上望ましくは98%以上の高品位のも
のであり、特に不純物としてナトリウム、カリウム、亜
鉛、アルミニウムなどの原子価3以下の金属の化合物の
含有量が酸化物換算量で0.2重量%以下望ましくは
0.1重量%以下であることが重要である。原子価3以
下の金属の化合物含有量が前記範囲より多すぎると、連
続した均一な導電層の被膜が形成されるものの、所望の
導電性の棒状微粒子導電性酸化チタンが得られ難くな
る。
【0007】基体物質表面に形成される導電層は、酸化
錫の中にアンチモンが固溶した構造をとり、導電層中の
酸化錫の量は、基体物質に対しSnO2 として10〜1
50重量%望ましくは30〜100重量%である。この
範囲より少なすぎると連続した導電層の形成が困難とな
り、所望の導電性が得られない。また多すぎても量の増
加に応じた導電性向上が期待できないので経済的でな
い。導電層中の酸化アンチモンの量は、酸化錫(SnO
2 )に対し、Sb2 3 として5〜40重量%望ましく
は10〜30重量%である。この範囲より少なすぎると
所望の導電性が得られ難くなり、また多すぎても導電性
が低下したり、酸化アンチモンによる着色が強くなった
りするので望ましくない。
【0008】本発明の棒状微粒子導電性酸化チタンは、
含水酸化チタン水性懸濁液をアルカリで処理し、次いで
塩酸中で加熱熟成して棒状微粒子酸化チタンを生成さ
せ、しかる後このものに対して、もしくはこのものを焼
成したものに対して、水溶性錫化合物および水溶性アン
チモン化合物を添加処理して、酸化チタン粒子表面に錫
の含水酸化物とアンチモンの含水酸化物を被着した後、
焼成し、アンチモン含有酸化錫からなる導電層を被着す
ることによって製造される。
【0009】基体物質は、例えば以下のようにして製造
する。最初、含水酸化チタン水性懸濁液にアルカリを添
加し、次に90〜100℃の温度に加熱後、必要に応じ
てpHを中性に調整して固液分離し、固形物を水洗す
る。水洗した固形物を水中に懸濁させ、その中に塩酸を
添加し、その後、80〜100℃好ましくは90〜10
0℃の温度で加熱熟成して、基体物質の水性懸濁液を得
る。また基体物質のチタン源である含水酸化チタンとし
ては、例えば硫酸チタニル溶液や四塩化チタン溶液の加
水分解や中和加水分解によって得られるものが挙げられ
る。具体的には、例えば、四塩化チタン水溶液を室温に
保持しながら水酸化ナトリウム水溶液で中和してコロイ
ド状の非晶質水酸化チタンを析出させ、このコロイド状
水酸化チタンを加熱熟成して得られるルチル型の微小チ
タニアゾルを使用することができる。前記アルカリ処理
に用いられるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、炭
酸ナトリウムなどが挙げられるが、水酸化ナトリウム水
溶液を使用するのが好ましい。
【0010】前記のようにして得られた基体物質の水性
懸濁液は、そのまま導電処理してもよいし、固液分離
後、水洗し、400〜800℃で焼成し、焼成物を再び
水性懸濁液としてから導電処理してもよい。なお、導電
処理前に、水性懸濁液の分散性を向上させるために湿式
粉砕を行ってもよい。いずれの方法で製造しても比表面
積20〜50m2 /gの棒状導電性酸化チタンが得られ
るが、焼成工程を入れることにより、若干長い粒子を得
たり、後の導電処理においてアンチモン含有酸化錫の処
理量の低減に有利なものを得たりすることができる。
【0011】導電処理を施す水性懸濁液中に、水溶性錫
化合物および水溶性アンチモン化合物を添加し、中和し
て酸化チタン粒子表面に錫の含水酸化物とアンチモンの
含水酸化物とを被着する。錫とアンチモンの化合物とし
てそれぞれ塩化錫および塩化アンチモンの塩酸水溶液を
用いる場合は、添加後アルカリ水溶液を加えて中和する
ことにより、酸化錫と酸化アンチモンの水和物を被着さ
せる。この場合、該懸濁液のpHを2〜7に保持するよ
うに、該塩酸水溶液と同時にアルカリ水溶液を加えて中
和して酸化錫と酸化アンチモンの水和物を被着させるの
がよい。
【0012】塩化錫および塩化アンチモンのアルコール
溶液あるいはアセトン溶液を用いる場合は、該懸濁液を
予め40℃以上望ましくは70〜90℃で加熱してお
き、この中に該アルコール溶液あるいはアセトン溶液を
加えて加水分解させることにより酸化錫と酸化アンチモ
ンの水和物を被着させることができる。該懸濁液中の棒
状微粒子酸化チタンの濃度は20〜300g/リットル
望ましくは20〜200g/リットルが適当である。
【0013】塩化錫および塩化アンチモンは、棒状微粒
子酸化チタンに対し酸化錫をSnO 2 として10〜15
0重量%望ましくは30〜100重量%の割合で被着す
るのが良く、塩化アンチモンは、SnO2 に対し酸化ア
ンチモンをSb2 3 として5〜40重量%望ましくは
10〜30重量%の割合で被着するのが良い。中和剤と
して使用するアルカリ水溶液のアルカリとしては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩やアン
モニアなどを使用することができる。
【0014】前記のようにして酸化錫および酸化アンチ
モンの水和物が被着された棒状微粒子酸化チタンを含む
水性懸濁液を濾過、洗浄し、得られたケーキを必要に応
じて乾燥し、しかる後300〜800℃望ましくは40
0〜600℃の温度で焼成してアンチモンを含有した酸
化錫からなる導電層とした後、通常の粉砕処理を施して
棒状微粒子導電性酸化チタンとする。焼成時間は焼成温
度によって異なるが、普通30分〜10時間望ましくは
1〜3時間が適当である。
【0015】本発明の棒状微粒子導電性酸化チタンは、
プラスチック、ゴム、繊維などに導電性付与材として配
合し、導電性プラスチック、導電性塗料、磁性塗料、導
電性ゴム、導電性繊維などの導電性組成物として利用す
ることができる。
【0016】導電性プラスチックとして利用する場合に
は、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカー
ボネート、ナイロン、EVA樹脂、ポリアセタール樹
脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、シリコ
ーン樹脂、フッ素樹脂などの合成樹脂に配合される。
【0017】導電性塗料や磁性塗料として利用する場合
には、ポリビニルアルコール樹脂、塩ビ−酢ビ樹脂、ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド
樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合
体、アクリル−スチレン共重合体、繊維素樹脂、フェノ
ール樹脂、アミノ樹脂などに配合され、水または溶媒中
で分散される。該塗料を紙や高分子フィルムなどの絶縁
性基体に塗布することにより、該基体上に軽くて密着性
に優れた導電性塗膜を形成させて静電記録紙、電子写真
複写紙、静電防止塗膜や、磁性粉を配合してなる帯電防
止性の良好な磁気記録媒体などとすることができる。
【0018】導電性ゴムとして利用する場合には、シリ
コーンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ブタジエン−アクリ
ロニトリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエタンポリ
マー、エチレン−プロピレンゴム、フッ素ゴム、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、アクリ
ルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴ
ム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒ
ドリンゴムなど従来から知られているものに配合され
る。
【0019】また、導電性繊維として利用する場合に
は、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィ
ン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリエーテル樹脂などの可錘
性の繊維に配合される。
【0020】このようにして得られた導電性組成物は、
従来の球状の導電性粉末を配合した導電性組成物に比べ
て、樹脂バインダーに対しより少ない配合量で高い導電
性が得られ、経済的に有利である。このように少ない配
合量でよいことから、バインダーの強度低下を起こすこ
となく利用することができる。また高濃度の導電性塗料
としたときは、薄い塗膜にしても所望の導電性が得られ
る。特に、本発明の棒状微粒子導電性酸化チタンは、そ
の表面にアンチモン含有酸化錫からなる導電層を有する
繊維状チタン酸カリウムに比べて、強度が大きく、樹脂
媒体への配合、分散の際の負荷によっても折れ難い。ま
た、長さ1〜10μmの高品位針状二酸化チタンの表面
にアンチモン含有酸化錫からなる導電層を被覆した針状
導電性酸化チタンに比べて、粒子の長さが短く、針状物
と粒状物の特性も兼ね備えた棒状粒子であるため、樹脂
媒体により容易に配合、分散させることができる。従っ
て、導電層の剥離が発生しないので導電性低下の少ない
安定した導電性をもち、表面平滑性に優れかつ透明性の
良好な導電性組成物が得られる。
【0021】
【実施例】
実施例1 (1):四塩化チタン水溶液の加水分解により得られた
含水酸化チタンを、TiO2 換算100g/リットルの
濃度の水性懸濁液とした。この水性懸濁液2リットルに
48%水酸化ナトリウム水溶液1400gを攪拌しなが
ら添加し、95℃で120分加熱後、濾過し、十分に洗
浄を行った。洗浄ケーキを水でレパルプし、TiO2
算100g/リットルの水性懸濁液とし、この水性懸濁
液1.5リットルを、還流器付フラスコに入れ、35%
塩酸400gを攪拌しながら添加した後、95℃で12
0分間加熱熟成し、ルチル型結晶の長軸0.20μm、
軸比5.0の棒状微粒子酸化チタンを含む水性懸濁液を
得た。
【0022】(2):前記(1)で得られた棒状微粒子
酸化チタンを含む水性懸濁液を全量90℃に加熱した後
この中に、塩化錫(SnCl4 ・5H2 O)150gお
よび塩化アンチモン(SbCl3 )25gを6N−塩酸
水溶液200mlに溶解した溶液と10%の水酸化ナト
リウム水溶液とを該懸濁液のpHを2〜3に維持するよ
うに60分間にわたって並行添加して、棒状微粒子酸化
チタン粒子表面に酸化錫および酸化アンチモンの水和物
を被着した。なおこのときの懸濁液の最終pHは3であ
った。次に被着された棒状微粒子酸化チタン水性懸濁液
を濾過し、濾液の比抵抗が50μSになるまで洗浄して
被着された棒状微粒子酸化チタンのケーキを回収した。
回収された棒状微粒子酸化チタンのケーキを120℃で
一昼夜乾燥した後、電気炉で500℃にて1時間焼成し
てTiO2 重量基準でSnO2 として41.5%、Sb
2 3 として11.4%から成るアンチモン含有酸化錫
の導電層で被着された長軸0.22μm、軸比5.0の
棒状微粒子導電性酸化チタン粉末(試料A)を得た。粉
体抵抗を測定すると7.0Ωcmであった。
【0023】尚、粉体抵抗は、試料粉末を100Kg/
cm2 の圧力で成形して円柱状の圧粉体(直径18m
m、厚さ3mm)とし、その直流抵抗を測定して、下記
の式によって粉体抵抗〔Ωcm〕を求めた。
【0024】
【化1】
【0025】実施例2 (1):実施例1で得られた棒状微粒子酸化チタンを含
む水性懸濁液を濾過し、十分に洗浄した後、電気炉で5
00℃にて1時間焼成し、長軸0.27μm、軸比5.
5の棒状微粒子酸化チタン粉末を得た。
【0026】(2):前記(1)で得られた棒状微粒子
酸化チタン粉末を水に懸濁させて、TiO2 換算100
g/リットルの水性懸濁液とし、この水性懸濁液1.5
リットルを、湿式粉砕した後、実施例1と同様の方法
で、酸化錫および酸化アンチモンの水和物を被着した棒
状微粒子酸化チタンケーキを得た。このケーキを120
℃で一昼夜乾燥した後、電気炉で500℃にて、1時間
焼成してTiO2 重量基準で、SnO2 として42.0
%、Sb2 3 として11.5%から成るアンチモン含
有酸化錫の導電層で被着された長軸0.28μm、軸比
5.3の棒状微粒子導電性酸化チタン粉末(試料B)を
得た。粉体抵抗を測定すると6.5Ωcmであった。
【0027】
【比較例】
比較例1 (1):四塩化チタンの中和加水分解により得られた含
水酸化チタンを電気炉にて600℃で2時間焼成し、ハ
ンマーミル(湿式粉砕機)で粉砕して平均粒径0.05
μmのルチル型結晶球状微粒子酸化チタン粉末を得た。
この粉末を水に分散させてTiO2 換算100g/リッ
トルの水性懸濁液を得た。
【0028】(2):前記(1)の水性懸濁液1.5リ
ットルを、実施例1(2)と同様の方法でTiO2 重量
基準でSnO2 として49.3%、Sb2 3 として1
2.5%から成るアンチモン含有酸化錫の導電層で被着
された平均粒径0.05μmの微粒子導電性酸化チタン
粉末(試料C)を得た。粉体抵抗を測定すると18Ωc
mであった。
【0029】比較例2 (1):微粒子含水二酸化チタンをTiO2 として4重
量部、塩化ナトリウム4重量部およびリン酸ナトリウム
(Na2 HPO4 ・2H2 O)1重量部を均一に混合し
てルツボに入れ、電気炉にて825℃で3時間焼成し
た。その後焼成物をアルカリ、酸処理し、不純物を除去
した後、TiO2 濃度100g/リットルの水性懸濁液
を得た。
【0030】(2):前記(1)で得られた水性懸濁液
1リットルを70℃に加熱した後、この中へ塩化錫(S
nCl4 ・5H2 O)46.5gおよび塩化アンチモン
(SbCl3 )6.7gを6N−塩酸水溶液300ml
に溶解した溶液と10%の水酸化ナトリウム水溶液とを
該水性懸濁液のpHを2〜3に維持するように60分間
にわたって並行添加して、針状酸化チタン粒子上に酸化
錫および酸化アンチモンの水和物から成る被覆層を形成
させた。なおこのときの懸濁液の最終pHは3であっ
た。次に被覆された針状酸化チタン粉末を濾過し、濾液
の比抵抗が50μSになるまで洗浄して得られたケーキ
を120℃で一昼夜乾燥した後、電気炉で600℃にて
1時間焼成してSnO2 として16.0%、Sb2 3
として3.5%から成る導電層で被着された長軸1.7
μm、軸比13.0の針状導電性酸化チタン粉末(試料
D)を得た。粉体抵抗を測定すると7.0Ωcmであっ
た。
【0031】
【試験例】
(1)前記の実施例、比較例で得られた粉末(試料A〜
D)各20gを、アクリル樹脂(アクリディック A−
165−45;固形分45重量%、大日本インキ化学工
業製)30.6g、トルエン/ブタノール(1/1)混
合溶液16.4g、ガラスビーズ50gをガラス瓶に入
れてペイントシェーカーにて30分間振とう、分散して
ミルベースを作成した。
【0032】(2)各ミルベースにそれぞれの顔料濃度
が、20%、30%、40%になるように上記アクリル
樹脂、トルエン/ブタノール混合溶液を添加して、塗料
を調製した。この塗料をアート紙、ガラス板およびペッ
トフィルムに乾燥膜厚がそれぞれ37μm、37μmお
よび25μmになるように塗布し、40時間自然乾燥し
て試験片を作成した。アート紙試験片は、デジタルオー
ムメーター(R−506型、川口電気製作所製)で電気
抵抗を測定し、下記の式から表面抵抗率を算出した。
又、ガラス板試験片は、グロスメーター(村上色彩技術
研究所製)で60°−60°塗膜光沢を測定した。さら
に顔料濃度20%のペットフィルム試験片は、分光光度
計(島津製作所製UV−240)にて550nmにおけ
る透過率を測定した。以上の結果を表1および表2に示
した。
【0033】
【化2】
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明は、含水酸化チタン水性懸濁液を
アルカリで処理し、次いで塩酸中で加熱熟成して得られ
る棒状微粒子酸化チタンもしくはそのものを焼成したも
のの粒子表面に、アンチモン含有酸化錫からなる導電層
を被着して成る棒状微粒子導電性酸化チタンであり、本
発明の棒状微粒子導電性酸化チタンは、微粒子であるこ
とにより透明性に優れ、チタン酸カリウム等の針状物の
ように簡単に折れることがない上、このものを導電性付
与剤として、導電性組成物を調製した場合、微粒子の棒
状形状であることにより低添加濃度で高い導電性を示
し、透明性および表面平滑性の優れたものが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01B 1/08 H01B 1/08 (72)発明者 服部 雅一 三重県四日市市石原町1番地 石原産業 株式会社 四日市事業所内 審査官 藤本 保 (56)参考文献 特開 昭63−233016(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16 C09C 1/36 H01B 1/08 C01G 23/00 C01G 30/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長さが0.1〜0.6μm、軸比が3以上
    である棒状微粒子酸化チタンの表面にアンチモン含有酸
    化錫からなる導電層を有し、導電層中の酸化錫の量は酸
    化チタンに対しSnO 2 として30〜100重量%であ
    り、アンチモンの量は酸化錫に対しSb 2 3 として10
    〜30重量%であることを特徴とする棒状微粒子導電性
    酸化チタン。
  2. 【請求項2】含水酸化チタン水性懸濁液をアルカリで処
    理し、次いで塩酸中で加熱熟成して棒状微粒子酸化チタ
    ンを生成し、しかる後水溶性錫化合物および水溶性アン
    チモン化合物を添加処理して、該酸化チタン粒子表面に
    錫の含水酸化物とアンチモンの含水酸化物を被着した
    後、該被着処理酸化チタンを回収し、焼成することを特
    徴とする棒状微粒子導電性酸化チタンの製造方法。
  3. 【請求項3】含水酸化チタン水性懸濁液をアルカリで処
    理し、次いで塩酸中で加熱熟成後棒状微粒子酸化チタン
    を回収し、しかる後得られた棒状微粒子酸化チタンを焼
    成した後水性懸濁液とし、次いで水溶性錫化合物および
    水溶性アンチモン化合物を添加処理して該酸化チタン粒
    子表面に錫の含水酸化物とアンチモンの含水酸化物を被
    着した後、該被着処理酸化チタンを回収し、焼成するこ
    とを特徴とする棒状微粒子導電性酸化チタンの製造方
    法。
  4. 【請求項4】樹脂100重量部、請求項1記載の棒状微
    粒子導電性酸化チタン10〜150重量部を含有して成
    る導電性組成物。
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