JP3303728B2 - 乗用農作業機 - Google Patents

乗用農作業機

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JP3303728B2
JP3303728B2 JP16107797A JP16107797A JP3303728B2 JP 3303728 B2 JP3303728 B2 JP 3303728B2 JP 16107797 A JP16107797 A JP 16107797A JP 16107797 A JP16107797 A JP 16107797A JP 3303728 B2 JP3303728 B2 JP 3303728B2
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正文 佐伯
裕之 新山
野村  勝
英之 草本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本件発明は、乗用型の走行車体に
田植え用等の作業機を装着した乗用農作業機に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、フロア部を備えて走行車体上を覆
うカバ−体と、ステアリングホイ−ルの下方を覆うステ
アリングポストカバ−を走行車体に取り付けた乗用農作
業機において、前記カバ−体を一体構成としたものがあ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものは、走
行車体の伝動系や操作系の点検や調整等の作業を行なう
場合、走行車体上を覆うカバ−体が一体で大型であるた
め、その大型のカバ−体全体を取り外してから前記の点
検や調整等の作業を行うことになるため、その作業が迅
速に始めにくく、しかも、取り外したカバ−体の置場に
広い場所を必要とするので、作業を行う場所に制限を受
けるとの課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本件発明は、上記課題を
解決するために、フロア部41及び該フロア部41から
隆起するフロントカバ−部42を備えて走行車体2上を
覆うカバ−体40と、ステアリングホイ−ル13bの下
方を覆うステアリングポストカバ−47をフロントカバ
−部42の上方で走行車体2に取り付けた乗用農作業機
において、前記カバ−体40を前部カバ−体40aと後
部カバ−体40bとにフロントカバ−部42を通る分割
部で前後分割構成し、前記ステアリングポストカバ−4
7を前部分47aと後部分47bとに前後分割構成し、
カバ−体40の前部カバ−体40aと後部カバ−体40
bとの分割部がステアリングポストカバ−47の前部分
47aと後部分47bとの分割部基部位置より機体後方
側となるよう設け、且つ、カバ−体40の前部カバ−体
40aとステアリングポストカバ−47の前部分47a
とは独立して着脱可能に設けたことを特徴とする乗用農
作業機とした。
【0005】
【発明の作用及び効果】本件発明は、上記のように構成
したものであるから、走行車体2上を覆うカバ−体全体
を取り外すことなく、前後分割構成されて小さくなった
前部カバ−体40aと、前後分割構成されて小さくなっ
たステアリングポストカバ−47の前部分47aとを取
り外すと、機体前方側に立って機体前部の操作系と伝動
系の点検・調整を広範囲にわたって一挙に行える。しか
も、カバ−体40は、フロア部41から隆起して強度の
あるフロントカバ−部42を通る分割部で前後分割され
る構成となっているから、分割部での撓みが発生しにく
くて前部カバ−体40aと後部カバ−体40bとが確実
に合致しやすく、小型軽量化を図りつつカバ−体40全
体の強度向上を図ることができ、また、前記フロントカ
バ−部42の上方にステアリングポストカバ−47を取
り付けているので、ステアリングポストカバ−47の支
持も安定し、該カバ−47の小型軽量化を図ることがで
きる。従って、カバ−体40及びステアリングポストカ
バ−47の小型軽量化を図ることがで き、取り外す前部
カバ−体40aと前部分47aが比較的小さく構成され
るので、それらの着脱が容易に行えて前記点検・調整作
業が迅速に行え、更に、取り外した後のカバ−体40
a,前部分47aの置場に広い場所を要しないので、作
業を行う場所に制限を受けにくくなり、従って、前記点
検・調整作業が能率良く行えるようになる。
【0006】しかも、機体前部の低位側にあってカバ−
体40の前部カバ−体40aにより上方が覆われている
部分は、機体前部の高位側にあってステアリングポスト
カバ−47の前部分47aが覆う部分に比して機体前方
側部分より機体上方側部分を広く開放しないと前記点検
・調整作業が行いにくいが、カバ−体40の前部カバ−
体40aと後部カバ−体40bとの分割部がステアリン
グポストカバ−47の前部分47aと後部分47bとの
分割部基部位置より機体後方側となるよう設けているか
ら、カバ−体40の前部カバ−体40aにより覆われて
いる部分の機体上方側を広範囲に開放できて、機体前部
の低位側の前記点検・調整作業が行いやすい。なおか
つ、カバ−体40の前部カバ−体40aとステアリング
ポストカバ−47の前部分47aとは独立して着脱可能
に設けたから、前部カバ−体40aにより覆われている
部分のみの点検・調整作業やステアリングポストカバ−
47の前部分47aで覆われている部分のみの点検・調
整作業を行うとき、必要部分のみカバーを取り外すだけ
で良く作業性が良い。また、特に、ステアリングポスト
カバ−47の前部分47aで覆われている部分のみの点
検・調整作業を行うとき、カバ−体40の前部カバ−体
40aを装着したままで行えるから、取り外した部品や
工具等をその前部カバ−体40a上に置けるから作業性
が一層良いものとなる。
【0007】
【実施例】第1図乃至第6図は本発明の一実施例をあら
わすもので、走行車体2の後部に田植え用の作業機3を
装着して乗用田植機1として使用する状態をあらわして
いる。
【0008】走行車体2は、機体の前部にミッションケ
−ス5とこれに一体のデフケ−ス9を配し、該デフケ−
スの両側面部から左右のフロントアクスルケ−ス10,
10が外方に突設され、その端部に前輪支持ケ−ス1
1,11が変向可能に垂設され、該前輪支持ケ−スの下
端部に左右の前輪12,12がそれぞれ軸支されてい
る。ミッションケ−ス5の前部にはステアリングケ−ス
13が設けられており、それから上向きにステアリング
シャフト13aが突設され、その上端部にステアリング
ホイ−ル13bが取り付けられている。
【0009】また、デフケ−ス9の背面部には後方に延
出する主フレ−ム7の前端部が固着連結されており、該
主フレ−ムの後端部にリヤケ−ス14が設けられてい
る。該リヤケ−スの左右両端部にチェンケ−ス15,1
5が後向きに取り付けられ、その後端部に左右の後輪1
6,16がそれぞれ軸支されている。リヤケ−ス14は
側面視で前輪12と後輪16のほぼ中間に位置し、該リ
ヤケ−スにエンジンベ−ス19が水平に取り付けられ、
その上にエンジン20が設置されている。
【0010】エンジンの出力軸22は前方に突設され、
その延長軸23がミッションケ−ス5の上方を通って前
方に設けられている。第3図および第4図に示す如く、
この延長軸23の下方には、ミッションケ−ス5から前
方に突設したミッション入力軸24および該入力軸とほ
ぼ同一高さのカウンタ軸25が設けられており、延長軸
23の回転動力がカウンタ軸25を介してミッション入
力軸24にベルト伝動される。即ち、このベルト式伝動
装置Aは、延長軸のプ−リ23aとカウンタ軸のブ−リ
25aとの間には1本のベルト27が張架され、カウン
タ軸のプ−リ25aとミッション入力軸のプ−リ24a
との間には2本のベルト28,29が張架されている。
カウンタ軸25からミッション入力軸24への伝動機構
は副変速とクラッチを有するベルト伝動機構として構成
されており、テンションプ−リ30でベルト28或はベ
ルト29の何れかを緊張させて低速又は高速伝動を行う
クラッチ入りの状態と、両方のベルト28,29をとも
に弛ませて伝動を遮断するクラッチ切りの状態とに切り
替えられるようになっている。
【0011】ミッション入力軸24からミッションケ−
ス5に入力された動力は走行系出力と作業系出力として
取り出される。走行系出力はデフケ−ス9で前輪駆動出
力と後輪駆動出力に分けられ、前輪駆動出力はフロント
アクスルケ−ス10、前輪支持ケ−ス11内の伝動手段
を介して前輪12に伝えられ、また、後輪駆動出力は後
輪伝動軸32を介してリヤケ−ス14に伝えられ、該リ
ヤケ−スおよびチェンケ−ス15内の伝動手段を介して
後輪16に伝えられる。一方、作業系出力は、作業機に
伝動するための第一の伝動軸33を経由して機体の後端
部に動力が伝えられ、ここから第二の伝動軸34を介し
て後記作業機3に動力が伝えられる。
【0012】以上のように構成されたシャシの上方に、
乗車時のフロア部41を備えたカバ−体40が被せられ
る。このカバ−体40は、平坦に形成されたフロア部4
1と、該フロアから隆起し機体前端部の上部を覆う台状
のフロントカバ−部42と、エンジン20等を覆うエン
ジンカバ−部43とからなり、また、前輪12と後輪1
6の間隔部に位置するフロア部41の左右両側部に、該
フロアよりも一段低い乗降用のステップ44,44が形
成されている。フロントカバ−部42の後部からステア
リングシャフト13aを内包するステアリングポスト4
6が上向きに突出され、その周囲にステアリングポスト
カバ−47が設けられている。ステアリングポスト46
の上部には各種操作レバ−やメ−タ類が取り付けられた
操作パネル48とヘッドライト49が設けられており、
ステアリングポストカバ−47内をケ−ブル類が通って
いる。また、エンジンカバ−部43の上には、前記ステ
アリングホイ−ル13bや操作パネル48に対向して操
縦席50が設置されている。更に、ボディ前端部の下側
には、ベルト式伝動装置Aの前面部および下面部を覆う
ベルトカバ−51が設けられている。なお、エンジンカ
バ−部43の後部には、後記リンク装置60が配置され
るために切欠部43aが形成されているとともに、フロ
ア部41の後部41c,41cは後輪16,16の前側
上方を覆うように傾斜状に形成されている。
【0013】このカバ−体40は、分離面X−Xに沿っ
て前後の部分に分割されている。この分離面X−Xは、
ステアリングポストカバ−47の下端部前後中心を通り
フロントカバ−部42を前後に分割する面と、前輪軸の
直上部を通りフロア部41の左右両側部を前後に分割す
る面と、両者を結ぶ前後方向の面とで構成されている。
従って、カバ−体40は、分離面X−Xを挟んで前部カ
バ−体40aと後部カバ−体40bに分割構成され、ま
たこれに伴いフロア部41も、前側の前部フロア部41
aと後側の後部フロア部41bとに分割構成される。前
部カバ−体40aは、平面視概略凹字形で、固定用のボ
ルト等を抜いた状態で前方に移動させることにより、機
体から取り外すことができる。前部カバ−体40aを機
体から取り外すと、ミッションケ−ス5の側面部が完全
に露出した状態となるとともに、ステアリングケ−ス1
3およびベルト式伝動装置Aの上部が開放されるので、
これらの点検、調整を容易に行なうことができるように
なる。なお、ベルトカバ−51も前部カバ−体40aと
一体に着脱できるようにしておいてもよい。
【0014】また、ステアリングポストカバ−47も前
後中心近傍で前部分47aと後部分47bとに分割され
ている。後部分47bが後部ボディ40bに固定して設
けられているのに対し、前部分47aは後部分47bに
着脱自在に取り付けられている。その取付け部の構造
は、第6図に示すように、後部分47bの縁部に沿って
複数のボルト受53,…が設けられているとともに、該
ボルト受に対応させて前部分47aの縁部にU字形の切
欠部54,…が形成されており、両部分の縁同士を重ね
合わせた状態でボルト55をボルト受53に締着するこ
とにより両者が一体化される。したがって、ボルト5
5,…を緩めると、前部分47aを前方に引き抜いて取
り外すことができ、内部に収められているケ−ブル類の
点検を容易に行なうことができる。なお、操作パネル4
8およびヘッドライト49は後部分47b側に取り付け
られているため、前部分47aを取り外してもこれらは
そのままである。
【0015】走行車体2の後部には、作業機3を支持す
るとともに適宜昇降させるリンク装置60が設けられて
いる。このリンク装置60は、機体に固定されている支
持枠61に上リンク62と下リンク63が回動自在に支
持され、これら上下リンクの後端部に作業機を装着する
連結枠65が取り付けられている。連結枠65の下端部
には、作業機3を回動自在に支持するロ−リング軸66
が突設されている。リヤケ−ス14の背面部と上リンク
のリンクベ−ス62aとの間に設けられた油圧シリンダ
67を伸縮させることにより、連結枠65がほぼ一定姿
勢に保持されたままで上下動させられ、これに装着した
作業機3が昇降させられる。
【0016】作業機3は田植え用の作業機であって、伝
動軸34を介して走行車体2側から伝動される伝動ケ−
ス70と、該伝動ケ−スの上方に前側が上位となるよう
に傾斜して設けられている苗載台71と、先端部に苗を
挟持する植付爪72aが設けられ所定の軌跡を描きなが
ら上下動しつつ苗載台71上の苗を一株づつ取り出して
圃場に植え付けてゆく植付杆72とを備え、前記伝動ケ
−ス70の下側には、作業機3の機体を水田面上に支持
するセンタ−フロ−ト75と左右一対のフロ−ト76,
76が上下に回動自在に枢着されている。センタ−フロ
−ト75の前部には上下動検出用のロッド77が取り付
けられており、フロ−トが上動すると前記油圧シリンダ
67を伸長させて作業機3を持ち上げ、逆にフロ−トが
下動すると油圧シリンダ67を収縮させて作業機3を下
降させるようになっている。
【0017】以上説明したように、この乗用田植機は、
走行車体2上を覆うカバ−体全体を取り外すことなく、
前後分割構成されて小さくなった前部カバ−体40a
と、前後分割構成されて小さくなったステアリングポス
トカバ−47の前部分47aとを取り外すと、機体前方
側に立って機体前部の操作系と伝動系の点検・調整を広
範囲にわたって一挙に行え、しかも、取り外す前部カバ
−体40aと前部分47aが比較的小さく構成されるの
で、それらの着脱が容易に行えて前記点検・調整作業が
迅速に行え、更に、取り外した後のカバ−体40a,前
部分47aの置場に広い場所を要しないので、作業を行
う場所に制限を受けにくくなり、従って、前記点検・調
整作業が能率良く行えるようになる。
【0018】しかも、機体前部の低位側にあってカバ−
体40の前部カバ−体40aにより上方が覆われている
部分は、機体前部の高位側にあってステアリングポスト
カバ−47の前部分47aが覆う部分に比して機体前方
側部分より機体上方側部分を広く開放しないと前記点検
・調整作業が行いにくいが、カバ−体40の前部カバ−
体40aと後部カバ−体40bとの分割部がステアリン
グポストカバ−47の前部分47aと後部分47bとの
分割部基部位置より機体後方側となるよう設けているか
ら、カバ−体40の前部カバ−体40aにより覆われて
いる部分の機体上方側を広範囲に開放できて、機体前部
の低位側の前記点検・調整作業が行いやすい。なおか
つ、カバ−体40の前部カバ−体40aとステアリング
ポストカバ−47の前部分47aとは独立して着脱可能
に設けたから、前部カバ−体40aにより覆われている
部分のみの点検・調整作業やステアリングポストカバ−
47の前部分47aで覆われている部分のみの点検・調
整作業を行うとき、必要部分のみカバーを取り外すだけ
で良く作業性が良い。また、特に、ステアリングポスト
カバ−47の前部分47aで覆われている部分のみの点
検・調整作業を行うとき、カバ−体40の前部カバ−体
40aを装着したままで行えるから、取り外した部品や
工具等をその前部カバ−体40a上に置けるから作業性
が一層良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用田植機を示す側面図。
【図2】乗用田植機の機体構成を示す平面図。
【図3】ベルト式伝動装置を示す正面図。
【図4】ベルト式伝動装置を示す側面図。
【図5】カバ−体を示す平面図。
【図6】ステアリングポストカバ−の着脱構成を示す側
面図。
【符号の説明】
A:ベルト式伝動装置 2:走行車体 5:ミッションケ−ス 12:前輪 13b:ステアリングホイ−ル 16:後輪 40:カバ−体 41:フロア部 40a:前部カバ−体 40b:後部カバ−体42:フロントカバ−部 47:ステアリングポストカバ− 47a:ステアリングポストカバ−の前部分 47b:ステアリングポストカバ−の後部分 48:操作パネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−112911(JP,A) 特開 昭62−215306(JP,A) 特開 昭60−107463(JP,A) 実開 平1−79914(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 11/02 311 B62D 25/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロア部41及び該フロア部41から隆
    起するフロントカバ−部42を備えて走行車体2上を覆
    うカバ−体40と、ステアリングホイ−ル13bの下方
    を覆うステアリングポストカバ−47をフロントカバ−
    部42の上方で走行車体2に取り付けた乗用農作業機に
    おいて、前記カバ−体40を前部カバ−体40aと後部
    カバ−体40bとにフロントカバ−部42を通る分割部
    前後分割構成し、前記ステアリングポストカバ−47
    を前部分47aと後部分47bとに前後分割構成し、カ
    バ−体40の前部カバ−体40aと後部カバ−体40b
    との分割部がステアリングポストカバ−47の前部分4
    7aと後部分47bとの分割部基部位置より機体後方側
    となるよう設け、且つ、カバ−体40の前部カバ−体4
    0aとステアリングポストカバ−47の前部分47aと
    は独立して着脱可能に設けたことを特徴とする乗用農作
    業機。
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