JP3302893B2 - 粉体塗料用添加剤および粉体塗料組成物 - Google Patents

粉体塗料用添加剤および粉体塗料組成物

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JP3302893B2 JP30585296A JP30585296A JP3302893B2 JP 3302893 B2 JP3302893 B2 JP 3302893B2 JP 30585296 A JP30585296 A JP 30585296A JP 30585296 A JP30585296 A JP 30585296A JP 3302893 B2 JP3302893 B2 JP 3302893B2
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秀樹 小林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粉体塗料用添加剤お
よび粉体塗料組成物に関し、詳しくは粉体塗料に優れた
撥水性および撥油性を付与し得る粉体塗料用添加剤およ
びこれを添加配合してなる粉体塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は環境面の点で優れており、ま
た省人化が期待できることから開発が進んでいる。この
ような粉体塗料として、例えば、エポキシ系粉体塗料,
ポリエステル系粉体塗料,アクリル系粉体塗料などが商
品化されており、さらにこれらの粉体塗料に、ポリジメ
チルシロキサンやメチルフェニルポリシロキサンを配合
したポリエステル系粉体塗料用樹脂組成物(特開昭54
−96536号公報参照)や、エポキシ樹脂粉体塗料用
組成物(特開平1−152169号公報報参照)が提案
されている。しかしこれらの組成物は塗面平滑性,耐湿
性,熱衝撃性に優れているものの、撥水性や撥油性が十
分でないという欠点があった。一方、撥水性および撥油
性に優れた皮膜を形成する方法として、例えば、基材表
面にオルガノトリアルコキシシランの加水分解縮合物か
らなる保護層を形成した後、次いでこの保護層に気体状
のパーフルオロアルキル基含有オルガノシランを接触反
応させる方法が知られている(特公平7−45586号
公報参照)。しかしこの方法は表面加工工程が2段階に
なるために、作業が煩雑であるという問題点があった。
また、基材表面にフッ化炭素基含有トリクロロシランを
化学吸着させる方法も提案されているが(特開平5−1
93056号公報報参照)、この工程は塗料を塗工した
後に行うものであるため作業が煩雑であるという問題点
があった。このため、塗工するだけで優れた撥水性,撥
油性を良好に発現する粉体塗料が切望されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解消すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、粉体塗料に優れた撥水性および
撥油性を付与し得る粉体塗料用添加剤およびこれを添加
配合してなる粉体塗料組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ケイ素原子に
結合した式:F(CF2a−R1−(式中、R1はアル
キレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、
aは4以上の整数である。)で表される基とフェニル基
を有する、軟化点50℃以上のフルオロシリコーンを主
剤とする粉体塗料用添加剤、および該粉体塗料用添加剤
を0.01重量%〜50重量%含有することを特徴とす
る粉体塗料組成物に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】最初に、本発明の粉体塗料用添加
剤について説明する。本発明添加剤の主剤であるフルオ
ロシリコーンは、ケイ素原子に結合した式:F(C
2a−R1−で表される基を有するオルガノポリシロ
キサンである。式中、R1はアルキレン基またはアルキ
レンオキシアルキレン基である。アルキレン基として
は、例えば、エチレン基,メチルエチレン基,エチルエ
チレン基,プロピルエチレン基,ブチルエチレン基,プ
ロピレン基,ブチレン基,1−メチルプロピレン基,ペ
ンチレン基,ヘキシレン基,ヘプチレン基,オクチレン
基,ノニレン基,デシレン基が挙げられる。アルキレン
オキシアルキレン基としては、例えば、エチレンオキシ
エチレン基,エチレンオキシプロピレン基,エチレンオ
キシブチレン基,プロピレンオキシエチレン基,プロピ
レンオキシプロピレン基,プロピレンオキシブチレン
基,ブチレンオキシエチレン基,ブチレンオキシプロピ
レン基が挙げられる。aは4以上の整数であり、好まし
くは4〜12の整数であり、4,6,8が例示される。
またこのフルオロシリコーンは軟化点が50℃以上であ
り、室温では固体である。このため粉砕等の方法を用い
て微粒化することができ、これにより粉体塗料に容易に
混合することができる。さらにこのフルオロシリコーン
は、フッ素化有機基を含有しない各種粉体塗料に対する
相溶性を高め、かつ、塗膜の均一な撥水性,撥油性の発
現のために、少なくとも1個のケイ素原子に結合したフ
ェニル基を有する。
【0006】このようなフルオロシリコーンとしては、
一般式: {F(CF2a−R1−R2 bSiO(3-b)/2n(R3 cSiO(4-c)/2m −(O1/2X)y で表される化合物が好ましい。上式中、R1およびaは
前記と同様である。R2は同一もしくは異なるアルキル
基またはアリール基であり、アルキル基としては、例え
ば、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペン
チル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,ノニル
基,デシル基,ヘキサデシル基,オクタデシル基が挙げ
られる。アリール基としては、例えば、フェニル基,ト
リル基,キシリル基が挙げられる。R3は置換もしくは
非置換の一価炭化水素基であり、非置換の一価炭化水素
基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル
基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル
基,ノニル基,デシル基,ヘキサデシル基,オクタデシ
ル基等のアルキル基;フェニル基,トリル基,キシリル
基等のアリール基;ビニル基,アリル基,5−ヘキセニ
ル基等のアルケニル基が挙げられ、置換の一価炭化水素
基としては、3−グリシドキシプロピル基,2−(3,
4−エポキシシクロヘキシルエチル)基,3−(3,4
−エポキシシクロヘキシルプロピル)基,3,4−エポ
キシシクロヘキシル基などのエポキシ基含有有機基;3
−アミノプロピル基,3−(2−アミノエチル)アミノ
プロピル基などのアミノ基含有有機基;3−ヒドロキシ
プロピル基,アクリロキシプロピル基,メタクリロキシ
プロピル基,3−メルカプトプロピル基,3−イソシア
ネートプロピル基等が例示される。但し、R3の内少な
くとも1個はフェニル基であることが必要である。Xは
水素原子または炭素原子数1〜5の一価炭化水素基であ
り、炭素原子数1〜5の一価炭化水素基としては、メチ
ル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基が
例示される。bは0〜2の整数であり、cは0〜3の整
数である。mおよびnは0を越える数であり、m/nは
0〜200の範囲であるのが好ましい。yは0以上の数
である。このフルオロシリコーンの構造としては、直鎖
状,分岐鎖を有する直鎖状,網状,3次元状が挙げられ
るが、分子内に少なくとも1個の式:F(CF2a−R
1−SiO3/2(式中、R1およびaは前記と同じであ
る。)で表されるシロキサン単位を有するのが好まし
い。
【0007】本発明の添加剤に使用されるフルオロシリ
コーンとしては、下記平均単位式で表される化合物が例
示される。下式中、Meはメチル基を表し、Phはフェ
ニル基を表す。 {PhSiO3/27{F(CF2)424SiO3/25 {Ph2SiO2/29(PhSiO3/210{F(CF2)424SiO3/21 {PhMeSiO2/22{F(CF2)424SiO3/212 {PhSiO3/27{F(CF2)424SiO3/25(O1/2H)1 (SiO4/20.35{PhSiO3/27{F(CF2)424SiO3/24 {F(CF2)424SiO3/28{Ph2SiO2/28 {F(CF2)424SiO3/22{Ph2SiO2/29(O1/2Me)1 {PhSiO3/25{F(CF2)424OC24SiO3/22 {F(CF2)824(CH3)SiO}3{Ph2SiO}10 {Me2SiO}8{PhSiO3/24{F(CF2)824SiO3/21 {PhSiO3/29{F(CF2)424SiO3/22 {Me3SiO1/212{SiO4/21{PhSiO3/29{F(CF2)4− C24SiO3/23 {PhMe2SiO1/21{SiO4/23{F(CF2)424SiO3/22 {Ph2SiO}9{F(CF2)424SiO3/23 {F(CF2)824(CH3)SiO}2{Ph2SiO}8{PhSiO3/23 {Me3SiO1/27{SiO4/21{Ph2SiO}10{F(CF2)8− C24SiO3/24 {Me3SiO1/27{SiO4/21{Ph2SiO}8{F(CF2)8− C24MeSiO}4 {PhSiO3/210{F(CF2)824SiO3/23 {Ph2SiO2/210{F(CF2)824SiO3/22 {Ph2SiO2/25{PhSiO3/25{F(CF2)824SiO3/23 {F(CF2)824SiO3/23{Ph2SiO2/27(NH236− SiO3/23 {F(CF2)424SiO3/23{Ph2SiO2/27(NH236− SiO3/24(O1/2Me)3
【化1】
【化2】 {F(CF2)424SiO3/22{PhSiO3/23{Ph2SiO2/27− {HO(CH23SiO3/23
【0008】このフルオロシリコーンは、例えば、一般
式:F(CF2a−R1−R2 bSiZ3-b(式中、R1
2,aおよびbは前記と同じであり、Zは塩素,臭素
のようなハロゲン原子またはメトキシ基,エトキシ基,
プロポキシ基,ブトキシ基のようなアルコキシ基であ
る。)で表されるフルオロオルガノシランと、一般式:
3 cSiZ(4-c)(式中、R3,Zおよびcは前記と同じ
である。)で表されるオルガノシランとを、有機溶剤と
水溶液の存在下で共加水分解した後、縮合反応させるこ
とにより製造できる。共加水分解する方法としては、例
えば上記一般式で表されるシランの混合物を有機溶剤に
溶解し、次いでこの溶液を水溶液中に撹拌しながら滴下
する方法、またこの有機溶剤溶液を攪拌しながらその中
に水溶液を滴下する方法が挙げられる。このとき使用さ
れる有機溶剤は、上記シランおよび生成するフルオロシ
リコ−ンを溶解するものが好ましく、ジエチルエ−テ
ル,テトラヒドロフラン等のエ−テル類;アセトン,メ
チルイソブチルケトン等のケトン類;α,α,α−トリフ
ルオロトルエン,ヘキサフルオロキシレン等のフッ素系
溶媒;ヘキサメチルジシロキサン,ヘキサメチルシクロ
トリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン
等の揮発性シリコーン系溶媒が例示される。有機溶剤中
の上記シランの濃度は、通常、生成するフルオロシリコ
ーンの濃度が10〜80重量%となるような範囲である
のが好ましい。また、水溶液としては、必要に応じて硫
酸,硝酸,塩酸等の酸の水溶液が用いられる。これらの
中でも塩酸の水溶液が好ましく、この場合の塩化水素の
濃度は5重量%以上であることが必要である。滴下時お
よび滴下後の温度は0〜120℃の範囲が好ましい。こ
のようにして得られたフルオロシリコーンの溶液は、必
要に応じて有機溶媒あるいは水を加えて静置することに
より水層を分離することができる。水層分離後はフルオ
ロシリコーンを含む有機溶剤層が中性になるまで水洗
し、さらに脱水するのが好ましい。脱水は水分離管を用
いて有機溶剤の共沸下で行えばよい。このとき使用され
る有機溶剤としては、水に対する溶解性の低いものが好
ましい。このようにして得られるフルオロシリコ−ンは
若干の残存シラノ−ル基やアルコキシ基を含んでおり、
その含有量は、通常、0.01〜10重量%の範囲であ
り、好ましくは0.05〜5重量%の範囲である。
【0009】次に本発明の粉体塗料組成物について説明
する。本発明の粉体塗料組成物は、前記した本発明の粉
体塗料用添加剤を含有することを特徴とする。その含有
量は0.01重量%〜50重量%の範囲であるが、好ま
しくは0.1重量%〜20重量%の範囲内である。これ
は0.01重量%未満であると撥水性および撥油性の向
上効果が不十分であり、50重量%を越えると塗膜の基
材に対する接着性が低下するためである。このような本
発明の粉体塗料組成物は、通常の粉体塗料成分、例え
ば、各種の塗料用熱硬化性もしくは熱可塑性レジンビヒ
クルや顔料を主成分とする。熱硬化性レジンとしては、
エポキシレジン,エポキシ/ノボラック(低温硬化型)
レジン,アクリルレジン,ポリエステルレジン,アクリ
ル/ポリエステルレジン,エポキシ/ポリエステルブレ
ンドレジン,ポリエステル変性シリコーンレジン,アク
リル変性シリコーンレジン,エポキシ変性シリコーンレ
ジン,フェノールレジン等が挙げられ、熱可塑性レジン
としては、ナイロン,PVC,ポリプロピレン,ポリエ
チレン等が挙げられる。これらの中でも耐久性の面か
ら、熱硬化性レジンビヒクルが好適である。
【0010】このような本発明の粉体塗料組成物として
は、(A)エポキシレジン,ポリエステルレジンおよび
アクリルレジンからなる群から選択される塗料用レジン
ビヒクル99.99重量%〜50重量%および(B)前
記した本発明添加剤0.01重量%〜50重量%からな
る組成物が好ましい。 (A)成分のエポキシレジンは多官能であればどのよう
なものでもよく、例えば、グリシジルエーテル類,グリ
シジルエステル類,グリシジルアミン類,線状脂肪族エ
ポキシド類,脂環式エポキシド類,ヒダントイン型エポ
キシ類等が挙げられる。ポリエステルレジンとしては、
飽和及び不飽和ポリエステル樹脂が挙げられる。アクリ
ルレジンとしては、不飽和エステルと不飽和カルボン酸
のコポリマー,エポキシ系コポリマー,グリシジルエス
テル系コポリマー等が挙げられる。また、アクリル/ポ
リエステルレジン,エポキシ/ポリエステルブレンドレ
ジンのような共重合体も使用できる。
【0011】本発明の粉体塗料組成物には、必要に応じ
て従来から使用されているシリコーン系添加剤,硬化
剤,その他レベリング剤等を添加配合することができ
る。塗料用レジンビヒクルの硬化剤としては、例えば脂
肪族モノカルボン酸塩,ビスアズラクトン,脂肪族ジカ
ルボン酸エステル,アミノプラスト,アミノトリアジン
誘導体,リチウム塩/4級アンモニウム化合物,テトラ
キスメトキシメチルグリコルリル等が挙げられる。塗料
用レジンビヒクルとしてエポキシレジンを使用した場合
には、硬化剤として各種芳香族アミン,イミダゾール,
ジシアンジアミド,ジヒドラジド系化合物,酸無水物が
例示される。さらに硬化促進剤を併用してもよい。
【0012】さらに本発明組成物に、各種基材に対する
密着性を向上させるためにシランカップリング剤を添加
したり、硬化性を向上させるために硬化促進剤を添加し
たりすることは、本発明の目的を損なわない限り差し支
えない。使用されるシランカップリング剤としては、例
えば、下記式で表される化合物が挙げられる。 H2NCH2CH2Si(OC253 NH2CH2CH2NH(CH23Si(OCH33
【化3】 CH2=CHSi(OCH33 CH2=CHSi(OC253
【化4】 CH2=CHSi(OOCCH33 HS(CH23Si(OCH33
【化5】 このシランカップリング剤は単独または2種類以上混合
して用いることができ、その添加量は本発明組成物に対
して0.01〜10重量%の範囲であるのが好ましい。
これらの他にも、本発明組成物には必要に応じて、各種
顔料,染料,光吸収剤,蛍光塗料,感光剤,発色剤等の
添加剤などを添加することができる。
【0013】本発明組成物は、塗料用レジンビヒクル、
本発明の添加剤およびその他の粉体塗料用原料成分とを
均一に混合することにより容易に製造することができ
る。この混合は、室温もしくは加熱条件下で、通常の混
練機を用いて行われる。混練機としては、例えば、ニー
ダーミキサー,2軸混練機,ブラベンダー,ロスミキサ
ー,2本ロールが使用される。混合後に粉砕、分級され
るが、このとき必要に応じて、微粉末シリカ流動化剤等
の粉末状添加剤やその他の添加剤を加えてもよい。この
場合、室温もしくは加熱条件下で、通常のヘンシェルミ
キサー,スーパーミキサー,デンタルミキサー,V型ブ
レンダー,ダブルコーンミキサー,ナウタミキサー等の
ミキサーを用いて混合すればよい。
【0014】本発明組成物により基材を処理する方法と
しては、通常の粉体塗料の処理方法、例えば、流動浸漬
法,静電ベッド法,静電スプレー法,カスケード法が挙
げられる。特に、摩擦荷電式粉体静電ガンを使用する方
法が簡便である。このような方法により本発明組成物を
基材表面に均一に塗布した後、適当な加熱温度条件下、
例えば100〜250℃の加熱温度で30秒〜60分間
加熱することにより、塗膜を形成させることができる。
【0015】本発明組成物が適用される基材としては、
例えば、各種ガラス,セラミックス,金属,合成樹脂等
が挙げられる。使用される基材は、予めその表面が有機
溶剤や洗剤等により洗浄されているのが好ましい。本発
明組成物を塗布した塗装品としては、電子レンジ部品,
給湯器,ストーブ,厨房機器,冷蔵庫などの家庭電気製
品;重電機器;自転車や自動車の部品;農機具などの金
属製品;門扉,フェンスなどの建築資材;交通標識,ガ
ードレールなどの道路資材等が挙げられる。
【0016】以上のような本発明組成物は、各種基材表
面に優れた撥水性および撥油性を示す表面張力の低い塗
膜を形成する。さらにこの塗膜は防汚性,離型性,耐熱
性,耐候性,耐薬品性に優れるので、これらの特性が要
求される各種用途に使用することができる。このような
本発明組成物は、水滴,雪,氷,油剤,熱可塑性粉体,
樹脂微粉末に対する付着防止剤;防汚コ−ティング剤;
剥離あるいは離型用コ−ティング剤として好適に使用さ
れる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。
実施例中、塗膜の撥水性は水に対する接触角を測定する
ことにより評価し、撥油性はヨウ化メチレン,ヘキサデ
カンに対する接触角を測定することにより評価した。
尚、接触角は次の方法に従って測定した。温度20℃の
条件下で塗膜上の5箇所にマイクロシリンジを用いて
水,ヨウ化メチレンおよびヘキサデカンを滴下した。そ
れらの接触角を接触角計[協和界面科学株式会社製]を
用いて測定し、これらの平均値を皮膜の接触角とした。
【0018】
【合成例1】フラスコに、水25g,イソプロピルアル
コール20gおよび1,3−ビス(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン75gの混合液を投入し、これを攪拌しな
がらこの中に、式:C81724SiCl3で表される
ヘキサデカフルオロデシルトリクロロシラン25g,ジ
フェニルジクロロシラン105g,1,3−ビス(トリ
フルオロメチル)ベンゼン75gおよびトルエン55g
の混合液を滴下した。滴下終了後、2.5時間混合し
た。次いでこれを静置して水層を分離し、得られた有機
溶剤層を純水,10重量%の重曹水,純水の順で繰り返
し洗浄した。洗浄後、加熱により有機溶剤を除去して、
式: {C81724SiO3/2n{(C652SiO}m(O1/2H)y (式中、nは平均2であり、mは平均18であり、yは
平均1である。) で示されるフルオロシリコーン90gを得た。このフル
オロシリコーンは白色固体であり、その軟化点は75℃
であった。
【0019】
【合成例2】フラスコに、水28g,メタノール100
g,1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン75
g,テトラブチルチタネート0.8g,3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン24g,式:C492
4−Si(OCH33で表されるノナフルオロヘキシ
ルトリメトキシシラン74g,ジフェニルジメトキシシ
ラン73gおよびフェニルトリメトキシシラン59gを
投入し、これらを65℃で10時間攪拌した。次いで8
0℃に加熱して減圧下で揮発成分をストリッピングによ
り除去して、式: {C4924SiO3/2n{QSiO3/2m{(C652SiO2/2y− {C65SiO3/2z (式中、nは平均2であり、mは平均1であり、yは平
均3であり、zは平均3であり、Qは3−グリシドキシ
プロピル基を表す。) で示されるフルオロシリコーン150gを得た。このフ
ルオロシリコーンは白色固体であり、その軟化点は75
℃であった。
【0020】
【実施例1】熱硬化性ポリエステル樹脂系粉体塗料[ト
ウペ(株)製;商品名、トアパウダー#4000]10
0部に、合成例1で得られたフルオロシリコーンを微粉
砕した粉末1.5部を加えて2分間混合して粉体塗料組
成物を調製した。得られた粉体塗料組成物を鉄板にスプ
レーし、次いでこれを200℃で20分間加熱して、鉄
板上に塗膜を形成させた。この塗膜の接触角を測定し
て、その結果を表1に示した。
【0021】
【実施例2】グリシジルアクリル樹脂系粉体塗料[神東
塗料(株)製;商品名イノバックスA]100部に、合
成例2で得られたフルオロシリコーンを微粉砕した粉末
1部を加えて2分間混合して粉体塗料組成物を調製し
た。得られた粉体塗料組成物を鉄板にスプレーし、次い
でこれを180℃で20分間加熱して、鉄板上に塗膜を
形成させた。この塗膜の接触角を測定して、その結果を
表1に示した。
【0022】
【比較例1】実施例1において、合成例1で得られたフ
ルオロシリコーン粉末を添加配合しなかった以外は実施
例1と同様にして粉体塗料組成物を調製した。得られた
粉体塗料組成物の接触角を実施例1と同様にして測定
し、その結果を表1に示した。
【0023】
【比較例2】実施例2において、合成例2で得られたフ
ルオロシリコーン粉末を添加配合しなかった以外は実施
例2と同様にして粉体塗料組成物を調製した。得られた
粉体塗料組成物の接触角を実施例2と同様にして測定
し、その結果を表1に示した。
【0024】
【比較例3】フラスコに、水25g,イソプロピルアル
コール20gおよびトルエン75gの混合液を投入し、
これを攪拌しながらこの中に、フェニルトリクロロシラ
ン100g,ジメチルジクロロシラン6.5およびトル
エン55gの混合液を滴下した。滴下終了後、2.5時
間混合した。次いでこれを静置して水層を分離し、得ら
れた有機溶剤層を純水,10重量%の重曹水,純水の順
で繰り返し洗浄した。洗浄後、加熱により有機溶剤を除
去して、式: {C65SiO3/2n{(CH32SiO}m (式中、n:mは平均9:1である。) で示されるフェニルシリコーン樹脂64.8gを得た。
次いで実施例1で使用した熱硬化性ポリエステル樹脂系
粉体塗料100部に、このフェニルシリコーン樹脂1部
を加えて混合して粉体塗料組成物を調製した。得られた
粉体塗料組成物の接触角を実施例1と同様にして測定
し、その結果を表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明の粉体塗料用添加剤は、ケイ素原
子に結合した、式:F(CF 2 a −R 1 −(式中、R 1
アルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であ
り、aは4以上の整数である。)で表される基とフェニ
ル基を有する、軟化点が50℃以上のフルオロシリコー
ンを主剤とするものであり、各種粉体塗料に優れた撥水
性および撥油性を付与することができる。また該添加剤
を含有してなる本発明の粉体塗料組成物は、各種基材表
面に撥水性および撥油性に優れた塗膜を形成することが
できるという特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−47030(JP,A) 特開 平5−186738(JP,A) 特開 平8−60030(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/03 C09D 183/00 - 183/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素原子に結合した式:F(C
    2a−R1−(式中、R1はアルキレン基またはアルキ
    レンオキシアルキレン基であり、aは4以上の整数であ
    る。)で表される基とフェニル基を有する、軟化点50
    ℃以上のフルオロシリコーンを主剤とする粉体塗料用添
    加剤。
  2. 【請求項2】 フルオロシリコーンが、一般式: {F(CF2a−R1−R2 bSiO(3-b)/2n(R3 cSiO(4-c)/2m(O1/2X )y (式中、R1はアルキレン基またはアルキレンオキシア
    ルキレン基であり、R2は同一もしくは異なるアルキル
    基またはアリール基であり、R3は置換もしくは非置換
    の一価炭化水素基であり、R3の内少なくとも1個はフ
    ェニル基である。Xは水素原子または炭素原子数1〜5
    の一価炭化水素基であり、aは4以上の整数であり、b
    は0〜2の整数であり、cは0〜3の整数であり、mお
    よびnは0を越える数であり、yは0以上の数であ
    る。)で表されることを特徴とする請求項1記載の粉体
    塗料用添加剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の粉体塗料用添加剤を0.
    01重量%〜50重量%含有することを特徴とする粉体
    塗料組成物。
  4. 【請求項4】 (A)エポキシレジン,ポリエステルレ
    ジンおよびアクリルレジンからなる群から選択される塗
    料用レジンビヒクル 99.99重量%〜50重量% および (B)ケイ素原子に結合した式:F(CF2a−R1−(式中、R1はアルキレ ン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、aは4以上の整数である。) で表される基とフェニル基を有する、軟化点50℃以上のフルオロシリコーン 0.01重量%〜50重量% からなる請求項3記載の粉体塗料組成物。
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