JP4009837B2 - シリコーンコーティング剤、その製造方法及び硬化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に低温で硬化度が高く、緻密で柔軟性のある硬化物を得ることのできるシリコーンコーティング剤、その製造方法及びそれを硬化させてなる硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から、脱アルコール、脱オキシム、脱酢酸、脱アセトン、脱アミド硬化型の硬化機構を利用した組成物は、タックフリー(指触により粘着しなくなる)状態に至るまでの時間(指触乾燥時間)が短い、作業性に優れている、溶液状態で塗布した場合のレベリング性に優れる等の利点を有するために、湿気硬化型のシリコーンゴムやシリコーンレジン等に汎用されている。このような硬化性シリコーン組成物の指触乾燥時間をさらに短くするために、触媒として錫の有機酸塩等やアミン化合物等を使用することが知られている。
【0003】
しかしながら、硬化を完全に進行させて耐溶剤性に優れた緻密な硬化皮膜を形成させたい場合には、上記触媒を添加しても、200℃以上で30分以上の高温条件で硬化させる必要があるので、作業性及び生産性に劣る上、基材の劣化を引き起こすという欠点があった。
【0004】
この場合、アミノシランを増量することである程度硬化性も改良されるものの、皮膜が白化したり、硬化条件により、低沸点のアミノシランが揮発してしまい、硬化性やアミノ基に求めるガスバリアー性能や帯電特性を安定させることが難しく、このため従来より低温の条件下で硬化でき、耐溶剤性に優れた緻密で柔軟性のある硬化皮膜を形成させることのできるシリコーンコーティング剤が望まれていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、従来より低温の条件下で硬化でき、耐溶剤性に優れた緻密で柔軟性のある硬化皮膜を形成させることのできるシリコーンコーティング剤、その製造方法及びそれを硬化させてなる硬化物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達したもので、本発明は、下記シリコーンコーティング剤を提供する。
(A)下記平均組成式(1)
R1 aSi(OR2)b(OH)cO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜12の有機基、R2は同一又は異種の炭素数1〜6のアルキル基を示し、a、b及びcは、0.8≦a≦1.8、bは0≦b≦0.2、cは0.03≦c≦0.3、0.85≦a+b+c≦2.0を満たす正数である。)
で表されるオルガノポリシロキサン 100重量部
(B)下記一般式(2)
R3 dSiR4 (4-d) (2)
(式中、R3は同一又は異種の炭素数1〜6の有機基、R4はOCH3、OC2H5、ONC(CH3)C2H5、OCOCH3、又はOC(=CH2)CH3であり、R4は同一であっても異なっていてもよく、dは0、1又は2である。)
で表される架橋性シラン 3〜80重量部
(C)下記平均式(3)
【化3】
(式中、R5、R6は同一又は異種のアミノ基を含有する有機基、R7、R8は同一又は異種のアミノ基を含有しない有機基であり、Xは水素原子、CH3、C2H5、NC(CH3)C2H5、COCH3、又はC(=CH2)CH3であり、Xは同一であっても異なっていてもよく、e、f、g及びhは、5≦e≦50、0≦f≦5、0≦g≦5、0≦h≦5、e>f+g+hを満たす整数である。)
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン 2〜50重量部
の混合物又は上記(A)〜(C)成分の反応物を含有することを特徴とするシリコーンコーティング剤。
【0007】
また、本発明は、上記(A)成分と(B)成分とを反応させた後に、(C)成分を反応させることを特徴とするシリコーンコーティング剤の製造方法、及び上記シリコーンコーティング剤の硬化物を提供する。
【0008】
即ち、本発明者は、上記(C)成分の2官能性のアミノアルコキシシランを主成分とする加水分解物を混合もしくは反応させることで、低温の条件下で耐溶剤性に優れた緻密で柔軟性のある硬化性皮膜を形成させることができるということ、特に、ベースオルガノポリシロキサンとアミノ基含有ポリシロキサンが反応しているものは、アミノ基の効果によって親水性が高くなっており、空気中の水分を取り込みやすくより加水分解反応が進行しやすいものであることを見出したものである。
【0009】
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。
本発明の(A)成分は、下記平均組成式(1)
R1 aSi(OR2)b(OH)cO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜12の有機基、R2は同一又は異種の炭素数1〜6のアルキル基を示し、a、b及びcは、0.8≦a≦1.8、bは0≦b≦0.2、cは0.03≦c≦0.3、0.85≦a+b+c≦2.0を満たす正数である。)
で表されるオルガノポリシロキサンである。
【0010】
R1は同一又は異種の炭素数1〜12、特に1〜6の有機基であり、このようなR1としては、アルキル基、アリール基及びこれらの水素原子の少なくとも一部をハロゲン原子で置換した基等の非置換又は置換1価炭化水素基が挙げられる。R1の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基等が挙げられる。
【0011】
R2は同一又は異種の炭素数1〜6のアルキル基であり、R2の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
【0012】
a、b及びcは、0.8≦a≦1.8、bは0≦b≦0.2、cは0.03≦c≦0.3を満たす正数であり、好ましくは0.95≦a≦1.4、0≦b≦0.15、0.05≦c≦0.25である。また、a+b+cは、0.85≦a+b+c≦2.0、特に1.0≦a+b+c≦1.6である。R1の数aが0.8未満であると、硬化させた場合の皮膜の硬度が高くなる一方、脆さが生じ柔軟性が低下し、一方1.8を超えると皮膜の硬度が低下する。bはアルコキシシランを原料とした際に未反応のまま残存するアルコキシ基の数であり、bがこの範囲内であれば通常アルコキシ基の含有量は8重量%以下である。cは硬化する際の架橋ポイントの数を示し、cが0.03未満では十分な硬度の皮膜は得られず、0.3を超えると皮膜に脆さが生じる。cがこの範囲であれば、通常シラノール基の含有量は、0.2〜8重量%である。
【0013】
上記平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサンは、アルコキシシラン又はクロロシランを、例えば、酸又はアルカリ或いは縮合触媒の存在下で加水分解することによって得ることができる。また、オルガノポリシロキサンはアルコキシシランとこれらの部分加水分解物を併用しても得ることができる。
【0014】
上記のアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等を挙げることができる。
【0015】
クロロシランの具体例としては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン等が挙げられる。
【0016】
本発明の(B)成分は、下記一般式(2)
R3 dSiR4 (4-d) (2)
(式中、R3は同一又は異種の炭素数1〜6の有機基、R4はOCH3、OC2H5、ONC(CH3)C2H5、OCOCH3、又はOC(=CH2)CH3であり、R4は同一であっても異なっていてもよく、dは0、1又は2である。)
で表される架橋性シランである。
【0017】
R3は同一又は異種の炭素数1〜6の有機基である。このような有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基及びこれらの水素原子の少なくとも一部をハロゲン原子で置換した基等の非置換又は置換1価炭化水素基が挙げられる。R3の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基等が挙げられる。
【0018】
R4はOCH3、OC2H5、ONC(CH3)C2H5、OCOCH3、又はOC(=CH2)CH3である。R4は同一であっても異なっていてもよく、dは0、1又は2、好ましくは0又は1、特に好ましくは1である。
【0019】
上記一般式(2)で表される架橋性シランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチル−トリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニル−トリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、フェニル−トリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ジメチル−ジ(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチル−トリス(アセトキシ)シラン、ビニル−トリス(アセトキシ)シラン、フェニル−トリス(アセトキシ)シラン、メチル−トリス(プロペノキシ)シラン、ビニル−トリス(プロペノキシ)シラン、フェニル−トリス(プロペノキシ)シラン等を挙げることができる。(B)成分はこれらの架橋性シランを1種単独で又は2種以上を用いてもよい。
【0020】
これらのうち、より好ましい例としては、メチルトリメトキシシラン、メチル−トリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニル−トリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチル−トリス(アセトキシ)シラン、ビニル−トリス(アセトキシ)シラン、ビニル−トリス(プロペノキシ)シランである。
【0021】
このような架橋性シランは、(A)成分のオルガノポリシロキサン中のシラノール基と硬化時に反応する化合物であるが、混合して塗布する前に反応させておいてもよい。
【0022】
(B)成分の架橋性シランの配合量は、(A)成分100重量部に対して3〜80重量部であるが、特に15〜50重量部であることが好ましい。3重量部未満であると(A)成分の架橋を進行させてしまい、保存安定性が悪くなる。また、80重量部を超えると最終的に反応しない(B)成分が多くなり、硬化性が低下し、塗布によって得られる皮膜が脆くなる。この配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン中に残存するシラノール基1モルに対して、(B)成分が0.3〜3モルとなる量であるが、特に0.5〜1.5モルとなる量であることが好ましい。
【0023】
(A)成分と(B)成分が反応した場合には、下記平均組成式(5)
【化4】
(式中、R1、R2、R3、R4、a、b、c及びdは上記と同じ。)
で表される化合物となる。また、このような化合物は、アルコキシシランと(B)成分の架橋性シランとを共加水分解させても得ることができる。
【0024】
本発明の(C)成分は、下記平均式(3)
【化5】
(式中、R5、R6は同一又は異種のアミノ基を含有する有機基、R7、R8は同一又は異種のアミノ基を含有しない有機基であり、Xは水素原子、CH3、C2H5、NC(CH3)C2H5、COCH3、又はC(=CH2)CH3であり、Xは同一であっても異なっていてもよく、e、f、g及びhは、5≦e≦50、0≦f≦5、0≦g≦5、0≦h≦5、e>f+g+hを満たす整数である。)
で表されるアミノ基含有ポリシロキサンである。
【0025】
R5、R6は同一又は異種のアミノ基を含有する有機基であり、このようなR5、R6としては、C3H6NHC2H4NH2、C3H6NHC2H4NHC2H4NH2、C3H6NH2、C3H6NHC6H5等が挙げられ、特にC3H6NHC2H4NH2、C3H6NH2が好ましい。
【0026】
R7、R8は同一又は異種のアミノ基を含有しない有機基であり、このようなR7、R8としては、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基及びこれらの水素原子の少なくとも一部をハロゲン原子で置換した基等の非置換又は置換1価炭化水素基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基等が好ましい。
【0027】
Xは水素原子、CH3、C2H5、NC(CH3)C2H5、COCH3、又はC(=CH2)CH3であり、Xは同一であっても異なっていてもよい。
【0028】
e、f、g及びhは、5≦e≦50、0≦f≦5、0≦g≦5、0≦h≦5、e>f+g+hを満たす整数である。好ましくは8≦e≦30、0≦f≦3、0≦g≦3、0≦h≦3である。eが5未満であると、硬化させた場合の皮膜の硬度や柔軟性が低下し、50を超えると(A)、(B)成分との混合又は反応が困難である。fが5を超えると硬化させた場合の皮膜が脆くなる。gが5を超えると硬化させた場合の皮膜の硬度が低くなる。hが5を超えると硬化させた場合に皮膜が脆くなる。
【0029】
上記一般式(3)で表されるアミノ基含有ポリシロキサンとしては、Xが水素原子であるものが好ましく、特に下記一般式(4)で表されるアミノ基含有ポリシロキサンが好ましい。
【化6】
(式中、R9はC3H6NHC2H4NH2又はC3H6NH2であり、R9は同一であっても異なっていてもよく、eは上記と同じである。)
【0030】
また、式(4)で表されるアミノ基含有ポリシロキサンと(B)成分を反応させたものであってもよい。
【0031】
上記一般式(3)で表されるアミノ基含有ポリシロキサンの製法の一例としては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、又はN−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等と必要に応じて、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン等に水を添加して加水分解することが挙げられる。また、これら加水分解して得られたアミノ基含有ポリシロキサンと、あらかじめ(B)成分で挙げられた架橋性シランを反応させたものも挙げられる。
【0032】
(C)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して2〜50重量部、好ましくは3〜40重量部である。(C)成分の配合量が2重量部未満だと、硬化皮膜とした場合に十分な硬化が得られず、50重量部を超えると、硬化させた場合の皮膜の硬度が低くなる。
【0033】
本発明のシリコーンコーティング剤には、上記(A)、(B)及び(C)成分の他に溶剤、接着性改良剤の他公知の物性調整剤、保存安定性改良剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0034】
上記溶剤としては、シリコーン樹脂を溶解することができるものであって、(B)成分と反応するおそれがあるアルコール等の水酸基を有さないものであることが好ましい。好ましい溶剤としては、ヘキサン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤、四塩化炭素等のハロゲン系炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、及びこれらを併用した溶剤等が挙げられる。また、工業用ガソリン、リグロイン等及びこれらと前記溶剤とを混合した溶剤も使用することができる。
【0035】
接着性改良剤としては、シランカップリング剤を使用することが好ましい。その具体例としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0036】
本発明のシリコーンコーティング剤は、上記(A)、(B)及び(C)成分を、混合又は反応することで得られるが、(A)成分と(C)成分の相溶性がない場合は分離してしまい、また保存安定性も良くないことから、(A)成分と(B)成分を反応させた方が好ましい。反応させる場合に、(A)成分に(C)成分を混合すると、(C)成分のアミノ基が(A)成分のシラノールの縮合触媒として作用し、ゲル化してしまうことがあるので、(A)成分と(B)成分の反応物に(C)成分を反応させることが好ましい。
【0037】
具体的な方法としては、(A)成分と(B)成分とを、(A)成分中のシラノール基1モルに対して(B)成分を好ましくは0.8〜1.2モル、特に好ましくは0.9〜1.1モルで反応させた後、(C)成分を反応させる。ここで、(B)成分の添加量が0.8モル未満だと、(A)成分の架橋が進行し、高分子化し、さらにはゲル化する場合もある。一方1.2モルを超えると、未反応の(B)成分が多くなり、(C)成分が(B)成分と反応してしまい、(A)成分と(B)成分の反応物と反応しないために、分離してしまう場合がある。更に安定性の点から、(A)成分と(B)成分を反応させた後に、(C)成分を反応させ、その後に(B)成分を混合させることが好ましい。
【0038】
本発明のシリコーンコーティング剤は、例えば本発明のシリコーンコーティング剤を塗布した皮膜を相対湿度20%以上の雰囲気下で30分程度風乾燥した後、50〜250℃程度で加熱して硬化させることができ、硬化物を得ることができる。なお、硬化温度は50〜200℃でも十分硬化可能である。本発明のシリコーンコーティング剤及びそれを硬化させてなる硬化物は、金属やフィルム等の保護コーティングとして有効である。特に、金属の防錆コーティング、フィルムのガスバリアー膜、フェライト等の微細粒子のコーティング等に有効である。特に、本発明のシリコーンコーティング剤は、アミノ基含有ポリシロキサンを含有しているので、硬化物は正帯電性の帯電付与性能を有しており、電気・電子部品等のコーティング剤、特に、キャリアコーティング剤として有効である。
【0039】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において部は重量部を示す。
【0040】
[実施例1]
撹拌装置、リービッヒ冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1リットルのフラスコに、平均組成式CH3Si(OCH3)2OSi(OCH3)2CH3で表される化合物26.6g、(CH3)2Si(OCH3)2で表されるジメチルジメトキシシラン5.0g及びトルエン32.2gを仕込み、撹拌しながらメタンスルホン酸0.9gを添加した。次いで、水5.2gを1時間かけて滴下し、30℃で12時間熟成した後、重炭酸ナトリウムで中和した。副生したアルコールを留去し、水洗し、脱水及びろ過をして、下記平均組成式
(CH3)1.15Si(OCH3)0.05(OH)0.1O1.35
(メトキシ量4.4重量%、シラノール量1.2重量%)
で表されるオルガノポリシロキサンを得た。
得られたオルガノポリシロキサンをトルエン中に不揮発分が40重量%となるように添加し、25℃における粘度が5.0mm2/sのオルガノポリシロキサン溶液(I)を得た。得られたオルガノポリシロキサン溶液(I)100部に対して、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン12部(シラノール1モルに対して1.41モルとなる量)、下記式
【化7】
で表される化合物とメチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シランの反応物である下記式
【化8】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン2部を混合して、溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が2.2mm2/sの本発明のシリコーンコーティング剤(1)を得た。
【0041】
ミガキ軟鋼板上に、得られたシリコーンコーティング剤(1)を流し塗りによって塗布し、30分間風乾した。得られた塗布鋼板を用い、150℃で30分間硬化させた試料を作製し、下記評価方法によって、鉛筆硬度試験、屈曲性試験、耐衝撃性試験及びキシレンラビング試験を行って硬化皮膜物性及び保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
【0042】
硬化皮膜物性の測定
(1)鉛筆硬度
JIS K 5400 鉛筆引っかき値、手かき法に準じて行った。
(2)耐屈曲性試験
JIS K 5400 耐屈曲性に準じて心棒の直径2mmで行い、下記評価基準で評価した。
○:異常なし
×:ワレあり
(3)耐衝撃性試験
JIS K 5400 耐衝撃性、デュポン式に準じて行い、下記評価基準で評価した。
○:異常なし
×:ワレあり
(4)キシレンラビングテスト
キシレンを含浸させた1cm×1cmの大きさの脱脂綿で、塗膜の表面を、その表面の外観の変化が目視によって確認されるまで擦り、その時のラビングの往復回数により、下記評価基準で評価した。
○:100回往復で異常なし
×:50回往復までに皮膜消失
(5)保存安定性
密栓された容器に試料を入れ、40℃で保持して1ヶ月後の状態を観察し下記評価基準で評価した。
○:異常なし
×:分離又は増粘あり
【0043】
[実施例2]
実施例1で得られたオルガノポリシロキサン溶液(I)100部に対して、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン12部(シラノール1モルに対して1.41モルとなる量)、下記式
【化9】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン2部を混合して、溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が3.0mm2/sの本発明のシリコーンコーティング剤(2)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0044】
[実施例3]
実施例1で得られたオルガノポリシロキサン溶液(I)100部に対して、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン9部(シラノール1モルに対して1.06モルとなる量)を混合し、80℃で2時間熟成した。さらに、下記式
【化10】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン4部を混合して、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が6.0mm2/sの本発明のシリコーンコーティング剤(3)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0045】
[実施例4]
実施例1で得られたオルガノポリシロキサン溶液(I)100部に対して、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン8部(シラノール1モルに対して0.94モルとなる量)を混合し、80℃で2時間熟成した。さらに、下記式
【化11】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン8部を混合して、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が11.5mm2/sの本発明のシリコーンコーティング剤(4)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
[実施例5]
実施例1で得られたオルガノポリシロキサン溶液(I)100部に対して、メチルトリメトキシシラン4.1部(シラノール1モルに対して1.07モルとなる量)、触媒としてテトライソプロピルチタン0.1部を混合し、80℃で2時間熟成した。さらに、下記式
【化12】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン8部を混合して、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が5.8mm2/sの本発明のシリコーンコーティング剤(5)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0047】
[実施例6]
実施例1で得られたオルガノポリシロキサン溶液(I)100部に対して、フェニルトリス(アセトキシ)シラン8.5部(シラノール1モルに対して1.07モルとなる量)を混合し、80℃で2時間熟成した。さらに、下記式
【化13】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン8部を混合して、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が6.2mm2/sの本発明のシリコーンコーティング剤(6)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0048】
[実施例7]
実施例1で得られたオルガノポリシロキサン溶液(I)100部に対して、ビニルトリス(プロペノキシ)シラン6.8部(シラノール1モルに対して1.07モルとなる量)、触媒として1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン0.02部を混合し、80℃で2時間熟成した。さらに、下記式
【化14】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン16部を混合して、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が9.2mm2/sの本発明のシリコーンコーティング剤(7)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0049】
[実施例8]
実施例1中のジメチルジメトキシシラン5.0gをC6H5Si(OCH3)3で表されるフェニルトリメトキシシラン5.5g、CF3C2H4Si(OCH3)3で表されるトリフルオロプロピルトリメトキシシラン3.0gに変えた以外は実施例1と同様に行い、下記平均組成式
【化15】
(メトキシ量4.1重量%、シラノール量3.4重量%)
で表されるオルガノポリシロキサンを得た。得られたオルガノポリシロキサンをトルエン中に不揮発分が40重量%となるように添加し、25℃における粘度が5.0mm2/sのオルガノポリシロキサン溶液(II)を得た。得られたオルガノポリシロキサン溶液(II)100部に対して、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン24部(シラノール1モルに対して1.0モルとなる量)を混合し、80℃で2時間熟成した。さらに、下記式
【化16】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン4部を混合して、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が5.1mm2/sの本発明のシリコーンコーティング剤(8)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0050】
[比較例1]
実施例1で得られたオルガノポリシロキサン溶液(I)100部に対して、下記式
【化17】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン20部を混合して、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が14.8mm2/sのシリコーンコーティング剤(9)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0051】
[比較例2]
実施例1で得られたオルガノポリシロキサン溶液(I)100部に対して、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン9部(シラノール1モルに対して1.06モルとなる量)を混合し、80℃で2時間熟成した。さらに、下記式
【化18】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン80部を混合して、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が55.0mm2/sのシリコーンコーティング剤(10)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0052】
[比較例3]
実施例1で得られたオルガノポリシロキサン溶液(I)100部に対して、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン9部(シラノール1モルに対して1.06モルとなる量)を混合し、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が3.8mm2/sのシリコーンコーティング剤(11)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0053】
[比較例4]
実施例1で得られたオルガノポリシロキサン溶液(I)100部に対して、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン100部(シラノール1モルに対して11.8モルとなる量)を混合し、80℃で2時間熟成した。さらに、下記式
【化19】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン4部を混合して、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が2.0mm2/sのシリコーンコーティング剤(12)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0054】
[比較例5]
実施例1で得られたオルガノポリシロキサン溶液(I)100部に対して、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン9部(シラノール1モルに対して1.06モルとなる量)を混合し、80℃で2時間熟成した。冷却後にNH2C3H6Si(OC2H5)3を4部混合し、さらに溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が2.9mm2/sのシリコーンコーティング剤(13)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0055】
[比較例6]
撹拌装置、リービッヒ冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1リットルのフラスコに、平均組成式(CH3)2Si(OH)0.04O0.98(シラノール量0.9重量%)で表されるオルガノポリシロキサンをトルエン中に不揮発分が40重量%となるように添加し、25℃における粘度が2.0mm2/sのオルガノポリシロキサン溶液(III)を得た。得られたオルガノポリシロキサン溶液(III)100部に対して、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン6.4部(シラノール1モルに対して1.0モルとなる量)を混合し、80℃で2時間熟成した。さらに、下記式
【化20】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン4部を混合して、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が5.1mm2/sのシリコーンコーティング剤(14)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0056】
[比較例7]
撹拌装置、リービッヒ冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1リットルのフラスコに、平均組成式CH3Si(OCH3)2OSi(OCH3)2CH3で表される化合物22.6g、Si(OCH3)4で表されるテトラメトキシシラン13.0g及びトルエン52.4gを仕込み、撹拌しながらメタンスルホン酸0.9gを添加した。次いで、水6.7gを1時間かけて滴下し、30℃で12時間熟成した後、重炭酸ナトリウムで中和した。副生したアルコールを留去し、水洗し、脱水及びろ過をして、下記平均組成式
(CH3)0.7Si(OCH3)0.08(OH)0.15O1.536
(メトキシ量3.6重量%、シラノール量3.7重量%)
で表されるオルガノポリシロキサンを得た。
得られたオルガノポリシロキサンをトルエン中に不揮発分が40重量%となるように添加し、25℃における粘度が6.0mm2/sのオルガノポリシロキサン溶液(IV)を得た。得られたオルガノポリシロキサン溶液(IV)100部に対して、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン26.2部(シラノール1モルに対して1.0モルとなる量)を混合し、80℃で2時間熟成した。更に下記式
【化21】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン4部を混合して、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が5.5mm2/sのシリコーンコーティング剤(15)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0057】
[比較例8]
実施例1中の水5.2gを4.0gに減量して、実施例1と同様に行ない、下記平均組成式
(CH3)1.15Si(OCH3)0.35(OH)0.01O1.245
(メトキシ量14.2重量%、シラノール量0.2重量%)
で表されるオルガノポリシロキサンを得た。
得られたオルガノポリシロキサンをトルエン中に不揮発分が40重量%となるように添加し、25℃における粘度が3.6mm2/sのオルガノポリシロキサン溶液(V)を得た。得られたオルガノポリシロキサン溶液(V)100部に対して、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン1.4部(シラノール1モルに対して1.0モルとなる量)を混合し、80℃で2時間熟成した。更に下記式
【化22】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン4部を混合して、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が6.0mm2/sのシリコーンコーティング剤(16)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0058】
[比較例9]
実施例1中の水5.2gを24.9gに増量して、実施例1と同様に行ない、下記平均組成式
(CH3)1.15Si(OH)0.35O1.25
(シラノール量8.4重量%)
で表されるオルガノポリシロキサンを得た。
得られたオルガノポリシロキサンをトルエン中に不揮発分が40重量%となるように添加し、25℃における粘度が6.2mm2/sのオルガノポリシロキサン溶液(VI)を得た。得られたオルガノポリシロキサン溶液(VI)100部に対して、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン59.4部(シラノール1モルに対して1.0モルとなる量)を混合し、80℃で2時間熟成した。更に下記式
【化23】
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン4部を混合して、80℃で2時間熟成した。冷却後に溶剤揮発油を不揮発分が25重量%となるように添加した後混合し、25℃における粘度が9.2mm2/sのシリコーンコーティング剤(17)を得て、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0059】
[実施例9]
シリコーンコーティング剤(2)をフィルムにコートして、ガスバリアー性能を見たところ、ガスバリアー性能が確認された。
【0060】
[比較例10]
シリコーンコーティング剤(13)をフィルムにコートして、ガスバリアー性能を見たところ、ガスバリアー性能が確認できなかった。
【0061】
[実施例10]
シリコーンコーティング剤(2)をフェライト粉にコートして、負帯電性物質と混合してブローオフ帯電量測定装置にて帯電量を測定したところ、帯電していることが確認された。
【0062】
[比較例11]
シリコーンコーティング剤(13)をフェライト粉にコートして、負帯電性物質と混合して帯電性を見たところ、ほとんど帯電しなかった。
【0063】
ガスバリアー性及び帯電性の評価方法を下記に示す。
ガスバリアー性
20℃,65±5%RHの室内で、膜厚1.2mmのフリーフィルムを作製し、7日間養生した後、φ18mmに打ち抜いた供試体を用いて科研式酸素透過計を用いて酸素透過量を測定し、酸素ガス透過量が5.0×10-2mg/cm2・day未満の場合を酸素透過性あり、5.0×10-2mg/cm2・day以上の場合を酸素透過性なしとした。
帯電性
フェライト粉にシリコーンコーティング剤をスプレーコーティング(1重量%)して、150℃/30分乾燥させてキャリアを作製し、キャリア20g、負帯電性トナー1gをポリビン中に30分混合して、ブローオフ帯電量測定装置を用いて帯電量を測定し、帯電量が10μC/g以上の場合を帯電量あり、10μC/g未満の場合を帯電量なしとした。
【表1】
【0064】
【発明の効果】
本発明の加熱硬化性シリコーンコーティング剤は、従来の組成物に比べて低温で耐溶剤性に優れた緻密で柔軟性のある硬化物となるので、作業性、生産性に優れる上、基材の劣化を引き起こすこともない。
Claims (8)
- (A)下記平均組成式(1)
R1 aSi(OR2)b(OH)cO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜12の有機基、R2は同一又は異種の炭素数1〜6のアルキル基を示し、a、b及びcは、0.8≦a≦1.8、bは0≦b≦0.2、cは0.03≦c≦0.3、0.85≦a+b+c≦2.0を満たす正数である。)
で表されるオルガノポリシロキサン 100重量部
(B)下記一般式(2)
R3 dSiR4 (4-d) (2)
(式中、R3は同一又は異種の炭素数1〜6の有機基、R4はOCH3、OC2H5、ONC(CH3)C2H5、OCOCH3、又はOC(=CH2)CH3であり、R4は同一であっても異なっていてもよく、dは0、1又は2である。)
で表される架橋性シラン 3〜80重量部
(C)下記平均式(3)
で表されるアミノ基含有ポリシロキサン 2〜50重量部
の混合物又は上記(A)〜(C)成分の反応物を含有することを特徴とするシリコーンコーティング剤。 - (C)成分が上記一般式(3)中のXが水素原子で表されるアミノ基含有ポリシロキサンであることを特徴とする請求項1記載のシリコーンコーティング剤。
- キャリアコート用コーティング剤である請求項1〜3のいずれか1項記載のシリコーンコーティング剤。
- (A)成分と(B)成分とを反応させた後に、(C)成分を反応させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーンコーティング剤の製造方法。
- (A)成分と(B)成分とを、(A)成分中のシラノール基1モルに対して(B)成分0.8〜1.2モルで反応させた後に、(C)成分を反応させることを特徴とする請求項5記載のシリコーンコーティング剤の製造方法。
- (A)成分と(B)成分とを、(A)成分中のシラノール基1モルに対して0.9〜1.1モルで反応させた後、(C)成分を反応させ、さらに(B)成分を混合する請求項5記載のシリコーンコーティング剤の製造方法。
- 金属又はフィルム上に設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーンコーティング剤を硬化させてなる硬化物。
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