JP3302731B2 - 画像拡大方法 - Google Patents

画像拡大方法

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JP3302731B2
JP3302731B2 JP23929492A JP23929492A JP3302731B2 JP 3302731 B2 JP3302731 B2 JP 3302731B2 JP 23929492 A JP23929492 A JP 23929492A JP 23929492 A JP23929492 A JP 23929492A JP 3302731 B2 JP3302731 B2 JP 3302731B2
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  • Controls And Circuits For Display Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像拡大方法、特に鮮
明な高画質の拡大画像を得ることができる画像拡大方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】画像データベースや、高精細カラー印刷
等の分野では種々の高品質な画像処理機能が求められて
いるが、その1つに画像拡大がある。この画像拡大は、
画像処理システムの1機能としての重要性の他に、解像
度の異なるメディア(例えば、HDTV(高解像度テレ
ビ)、NTSC方式のテレビ、電子スティルカメラ、医
用画像システム、印刷用画像システム等)を結ぶために
必要な解像度変換としても利用できる極めて重要な機能
である。
【0003】従来の画像拡大方法としては、単純に画素
を補間する補間方法が採用されてきた。代表的な補間方
法としては、ニアレストネイバー(nearest neighbo
r)、バイリニア(bilinear)、キュービックコンボリ
ューション(cubic convolution)が知られている。こ
れら補間法は、サンプリング定理に基づいたsinc関数
{sinc(x )=sin (x )/x }による補間を基本概念
とした方法であり、演算上の負荷を軽減するためにsinc
関数を近似した補間関数を原画像のサンプル点に対して
畳み込むことによって、原画像のサンプル点の間を補間
し、画素数を増やすものである。
【0004】上記ニアレストネイバーは補間関数として
矩形関数を用い、最も近いサンプルの値を補間値とする
方法であり、バイリニアは補間関数としてトライアング
ル関数を用い、1次元の場合であれば近傍の2点から線
形内挿される値を補間値とする方法であり、キュービッ
クコンボリューションは補間関数として3次元関数を用
い、1次元の場合であれば近傍の4点から内挿される値
を補間値とする方法である。
【0005】上記各補間法による拡大の考え方は、拡大
対象である原画像が観測される(スキャニングによりサ
ンプリングされる)前の理想的な原画像がNyquist周波
数の半分以下の周波数(低周波成分)のみで構成されて
いる場合には正しい。しかし、一般に理想的な原画像は
無限に高い周波数成分までもっているが、サンプリング
された観測画像に折り返し歪み(aliasing:モアレやビ
ートのような現象)が発生することを防ぐために、ロー
パスフィルタ(LPF)をかけて必要以上の高周波成分
を取り除いており、そのため、拡大対象の原画像はサン
プリングされた時点で既に画像の鮮明さや細部の表現に
関与している空間的高周波成分が失われている。
【0006】このように、観測(サンプリング)時に取
り除かれた高周波成分は原画像には不要であるが、高精
細な拡大画像を作成するためには不可欠な要素である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記補
間法によっては、サンプリング時に失われた空間的高周
波成分を復元することはできないため、上記原画像を補
間によって拡大した場合には、本来必要である空間的高
周波成分が欠如していることになる。それ故、ニアレス
トネイバーの場合は高周波の洩れが多いために歪みを起
こし易く、その歪みがモザイクやエッジ部のジャギーと
して現われ、バイリニアの場合は通過帯域の周波数特性
が抑制されるためにLPF的な作用を受けてスムージン
グされた画像になり、更に、キュービックコンボリュー
ションの場合は、高域を強調する周波数特性であるため
に上記2つの方法に比べて鮮鋭に見えることがあるが、
ノイズ成分も強調されることになる。
【0008】従って、前記従来の補間方法によって原画
像を拡大する場合には、上記の如くボケやスムージング
又はエッジのがたつきといった画質の劣化や、細部の表
現が不十分な画像をもたらしてしまうという問題があ
る。即ち、補間という操作は、データ量を増やすだけで
情報量までは増やさないため、補間による拡大画像はそ
のサイズは拡大されても画像が示している内容は拡大前
の画像と同じであり、細かくて見えなかった部分が判別
できるようになるわけではない。
【0009】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
く成されたもので、サンプリング時に失われた空間的高
周波成分を復元し、画像のディテール情報やエッジ情報
を推定し、復元することにより拡大画像の高画質化を図
ることができる画像拡大方法を提供することを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、サンプリング
した原画像に対応す画像信号に基づいて画像を拡大
する画像拡大方法において、原画像信号を直交変換して
通過周波数帯域に帯域制限された原周波数情報Gとする
とともに、前記原画像信号gを空間的に領域制限して第
1画像信号f 1 とし、該第1画像信号f 1 を直交変換して
第1周波数情報F1とした後、該第1周波数F1の前記通
過周波数帯域に対応する範囲を、前記原周波数情報Gに
置き換えて第1置換周波数情報G1とし、該第1置換周
波数情報G1を逆直交変換して第1置換画像信号g 1
し、該第1置換画像信号g 1 に対して、前記原画像信号
gと同一の領域制限を適用して第2画像信号f 2 とする
とともに、該第2画像信号f 2 を更に直交変換して第2周
波数情報F2とする如く、画像信号を直交変換によって
正変換と逆変換を繰り返すことにより、サンプリング時
に失われた空間的高周波成分を復元することにより、前
記課題を達成したものである。
【0011】本発明は、又、前記画像拡大方法におい
て、直交変換として離散的コサイン変換を用いることに
より、同様に前記課題を達成したものである。本発明
は、更に、前記画像拡大方法において、N×N画素の原
画像をm倍に拡大する際、原画像の周囲に画素レベル既
知の拡張領域を付加してnN×nN画素の画像とし、該
画像に対応する画像信号を直交変換して原周波数情報G
とし、該原周波数情報Gについて倍率に応じた高周波帯
域まで周波数帯域を拡張し、該原周波数情報Gの帯域以
外の高周波成分の初期値を0に設定してnmN×nmN
画素分のサイズに拡張した後、それを逆直交変換して拡
張画像とし、該拡張画像に対応する画像信号を、前記原
画像信号gとするとともに、拡張画像の中心部のmN×
mN画素分αの外側の拡張領域を、前記既知の画素レベ
ルに修正した画像とすることにより、該画像に対応する
画像信号を、空間的に領域制限された前記第1画像信号
1 とし、同様に直交変換によって正変換と逆変換を繰
り返すことにより、m倍に拡大された画像信号について
サンプリング時に失われた空間的高周波成分を復元する
ことにより、同様に前記課題を達成したものである。
【0012】
【作用】まず、本発明の原理を説明する。本発明におい
ては、原画像のサンプリング時に周波数帯域制限された
結果失われた原信号を復元する操作を行うが、このよう
な操作は超解像(super −resolution)問題又は帯域拡
張(bandwidth extrapolation )問題と呼ばれている。
【0013】物理的に実現可能ないかなる観測系でも、
ある周波数以上の高周波数成分を観測することはできな
い。例えば、撮像系では入射開口の大きさが限られてい
るため、撮像系自体がLPF的な作用をして伝播するこ
とができた周波数成分の多くが失われることになり、解
像力が低下する。この解像力は撮像系の伝達帯域(通過
周波数帯域)幅−これは絞りサイズやレンズ等によって
変わる−に依存するため、解像力の向上は、撮像系を通
して得られる原画像に対応する原画像信号から撮像系を
通る前の原信号を求めるという帯域の拡張(超解像問
題)によってのみ本質的に可能となる。
【0014】今、1変数関数に対して超解像問題を数学
的に定式化すれば、次のようになる。実空間領域におけ
る原信号をf(x)とし、この原信号f(x)の周波数成分
をカットオフ周波数u0以下の低周波数帯域に帯域制限し
た、即ち実際に撮像系を通った原画像信号をg(x)と
し、帯域制限を行う過程をAで表わすと、次の(1)式
となる。この過程Aは、原信号を撮像系を通すことによ
り実質的にLPFをかけたことに相当する。
【0015】g (x )=Af (x ) …(1)
【0016】上記両信号f (x )、g (x )のフーリエ
(Fourier)変換を、対応する大文字で表わしF(u
)、G(u )とし、更に、周波数領域における窓関数
W(u )を次の(2)式及び(3)式で定義する。この
窓関数W(u )を作用させることは、理想的なLPFを
かけることに相当する。上記(1)式を周波数領域で表
現すると、下記(4)式となる。
【0017】 W(u )=1 (|u |≦ u0 ) …(2) W(u )=0 (|u |> u0 ) …(3) G(u )=W(u )F(u ) …(4)
【0018】超解像とは、実空間領域では上記(1)式
に帯域制限された原画像信号g(x)から原信号f(x)を
求めることであり、これを周波数領域で考えれば、上記
(4)式のG(u)からF(u)を求めることである。し
かしながら、原信号f(x)に対する制限が何もなけれ
ば、F(u)の一部であるG(u)から残りの部分を知る
ことはできない。そこで、原信号f(x)に対して、物体
が限られた大きさであり、f(x)はある領域内、例えば
−x0〜+x0の間にしか存在せず、この領域の外では0に
なるような空間的領域制限を加えたときに原理的に無限
定の解像力が得られるとする仮定を適用することによ
り、超解像問題を解くことが可能となる。
【0019】本発明では、上記超解像問題を解く方法、
即ち帯域拡張方法としてゲルヒベルグ−パポリス(Ger
chberg−Papoulis )の反復法を採用する。以下、この
ゲルヒベルグ−パポリスの反復方法を図1を用いて説明
する。なお、以下の説明では、ゲルヒベルグ−パポリス
の反復法をG・P反復法と略記することもある。
【0020】図1で左側の(A)、(C)、(E)、
(G)は周波数領域に、右側の(B)、(D)、
(F)、(H)は実空間領域に対応しており、同図
(B)は原信号f(x)であり、空間|x|≦x0に領域制
限されている(物体が一定の大きさに限定されているこ
とに対応する)。図1(A)は、上記原信号f(x)
ーリエ変換して得られる周波数情報F(u)であり、こ
のF(u)は原信号f(x)が領域制限されているので無
限に高い周波数成分まで含むことになる。
【0021】図1(C)は、上記F(u)の区間|u|≦
u0の部分G(u)だけが帯域制限されて観測されること
を表わしている。即ち、前記(2)式及び(3)式のよ
うな窓関数を用いた前記(4)式が成立している。G
(u)を原周波数情報とし、これを逆フーリエ変換した
ものが図1(D)の原画像信号g(x)である。そして、
超解像問題を解くことは、上記G(u)あるいはg(x)
から、F(u)あるいはf(x)を求めることに相当す
る。
【0022】G・P反復法の第1段階は、以下のように
なる。原周波数情報G(u)は、|u|≦u0に帯域制限さ
れているので、g(x)は無限に広がってしまう。しか
し、原信号f(x)は区間|x|≦x0に領域制限されてい
ることが分かっているので、原画像信号g(x)に対して
も同じ領域制限を行う。即ち、g(x)の区間|x|≦x0
の部分だけ取り出して第1画像信号f1(x)とする。こ
のf1(x)を次の(5)式及び(6)式で表わされる実
空間領域における窓関数w(x)を使った式で表わすと、
下記(7)式となる。これが図1(F)に示したf
1(x)である。
【0023】 w (x )=1 (|x |≦ x0 ) …(5) w (x )=0 (|x |> x0 ) …(6) f1 (x )=w (x )g (x ) …(7)
【0024】上記f1(x)をフーリエ変換すれば、図1
(E)の第1周波数情報F1(u)になる。f1(x)が領
域制限されているのでF1(u)は無限に広がっている。
ところが、区間|u|≦u0に対しては、正しい値G(u)
=F(u)は既に分かっているので、F1(u)の中の|u
|≦u0の部分をG(u)で置き換える。このようにして
できた波形が図1(G)の第1置換周波数情報G1(u)
である。この関係を式で表わすと次の(8)〜(10)
式となる。そして、上記G1(u)を逆フーリエ変換した
ものが図1(H)の第1置換画像信号g1(x)である。
【0025】 G1 (u )=G(u )+(1−W(u ))F1 (u ) …(8) G1 (u )=G(u ) (|u |≦ u0 ) …(9) G1 (u )=F1 (u ) (|u |> u0 ) …(10)
【0026】以上の説明で、図1の(C)、(D)から
(G)、(H)までがG・P反復法の第1段階である。
その後、図1(H)のg1(x)から区間|x|≦x0の部分
だけ取り出して図1(F)の第1画像信号f1(x)に相
当する第2画像信号f2(x)(図示せず)を求め、このf
2(x)をフーリエ変換して同図(E)に相当する第2周
波数情報F2(u)(図示せず)を算出するという同様の
操作を無限回繰り返すことにより、原信号を完全に復元
することができる。
【0027】本発明においては、以上詳述した如く、超
解像法を、サンプリング時に失われた情報を復元する
(空間的高周波数成分を拡張する)基本原理とし、その
中でも2つの拘束条件(通過周波数帯域の周波数情報が
正しいこと、画像信号の広がりが限られている(領域制
限されている)こと)を用いて、反復演算により漸近的
に情報を復元していくゲルヒベルグ−パポリスの反復法
を周波数帯域拡張の基本原理として適用することによ
り、従来は全く考慮されていなかった考え方、即ち失わ
れた情報(サンプリング時に失われた空間的高周波成
分)を復元し、画像のディテール情報、エッジ情報を推
定し、復元することにより、拡大画像の高画質化を図る
ことができる。
【0028】本発明においては、又、ゲルヒベルグ−パ
ポリスの反復法で採用する直交変換として離散的コサイ
ン変換(discrete cosine transform :DCT)を用い
る場合には、演算上の負荷を軽減させると共に、高速ア
ルゴリズムを適用できるようにすることができるため、
高速演算を行うことができる。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0030】図2は、本発明に係る第1実施例である画
像拡大方法において実行される処理の流れを模式的に示
した説明図であり、図3は、図2の処理の流れを示した
フローチャートである。
【0031】本実施例は、モノクロ画像を、G・P反復
法にDCTを適用して拡大する場合であり、図4に示す
基本構成からなる装置を用い、原画像格納部10から原
画像を拡大処理部12に読み込み、該拡大処理部12で
以下に詳述する処理を行って拡大画像を作成し、その拡
大画像を拡大画像格納部14に格納する操作を行う。
【0032】上記原画像格納部10としては、例えば磁
気ディスクを、又拡大処理部12としてはエンジニアリ
ングワークステーション(EWS)を、拡大画像格納部
14としては同じく磁気ディスクを挙げることができ
る。又、拡大処理部12で作成した拡大画像は、ディス
プレイやプリンタ等の出力装置に出力される構成とする
こともできる。
【0033】前記図2、図3に示した一連の処理は、上
記拡大処理部12において実行される。以下、この処理
のプロセスを詳細に説明する。なお、図2においては左
側が画像領域を、右側がDCT領域をそれぞれ表わして
いる。
【0034】今、図2(A)に示すようなN×N画素の
原画像をm 倍に拡大してm N×m N画素の画像を作るこ
とを想定する。なお、図2に付した括弧付きの番号は、
図3のフローチャートにおけるステップ番号に対応して
いる。
【0035】まず、ステップ1でG・P反復法により演
算を反復する回数と拡大率とを設定し、次いで、上記図
2(A)に示した拡大対象の原画像を読み込む(ステッ
プ2)。次に、画像の空間的な広がりを限定(空間的に
領域制限)するために、N×N画素の原画像の周りにグ
レイレベル(gray level)をl(エルの小文字)とした
画像を付加し、図2(B)に示したnN×nN画素の画像
に拡張する(ステップ3)。ここで、グレイレベルl
は、実数であればどのような値を用いてもよく、lを0
に設定したときには、DCT演算の負荷を減らすことが
できる。又、nは1より大きな実数であって、nNが整数
になる値であればよい。更に、nmNが2の巾乗(累乗)
になるようにnを設定すると、DCTの高速演算アルゴ
リズムを用いることができる。
【0036】上記図2(B)の画像を2次元DCTによ
り、同図(C)に示した周波数成分aに変換する(ステ
ップ4)。この周波数成分aがDCT領域における既知
情報であり、帯域制限された空間的低周波成分に相当す
る。この周波数成分aは、原周波数情報Gに相当し、
復演算中に使用するため、メモリ上に保存する(ステッ
プ5)。
【0037】次いで、上記周波数成分aについて、図2
(D)に示すように、拡大率に応じた高周波帯まで周波
域を拡張する(ステップ6)。このとき、高周波成
分の初期値を0とし、拡張されたサイズがnmN×nmN画
素分になるようにする。この図2(D)のように、周波
数拡張されたDCTシーケンス(sequence)を2次元逆
DCT(IDCT)し、画像領域に戻して拡張画像とす
(ステップ7)。このとき得られる画像はnmN×nmN
画素の画像であり、その中心部のmN×mN画素分αが拡
大画像である。
【0038】次いで、現在の反復数を更新し(ステップ
8)、上記ステップ7で得られた図2(E)の画像中心
部のmN×mN画素分αの外側に拡張された×印を付した
領域は、上記IDCTによりレベルが不明となっている
が、この領域では既にそのレベルが図2(B)の画像か
らlであることが分かっているので、その画素レベルを
正しい値、即ちlに修正し、同図(F)の状態にする
(ステップ9)。この操作が空間的領域制限である。
ち、この画像に対応する画像信号が、第1画像信号f 1
に相当する。
【0039】更に、拡張領域を修正した上記図2(F)
の画像をDCTすることにより、同図(G)に示す第1
周波数情報F1に相当する周波数成分bを得る(ステップ
10)。この周波数成分bでは、低周波側は既知情報と
して前記図2(C)に示した周波数成分aであることが
分かっているので、その低周波成分を該周波数成分aで
置き換えて同図(H)に示したDCTシーケンスとし
(ステップ11)、周波数成分a及びbからなる該DCT
シーケンスを更にIDCTして、同図(I)の画像とす
る(ステップ12)。こうして得られた図2(I)の画
像の中心部分βが拡大画像であり、この画像は前記同図
(E)の拡大画像αより更に解像度が向上している。
【0040】その後、現在の反復数が設定された反復数
に達しているか否かを判定し、noの場合には、ステップ
8に戻って上述したステップ8〜12の操作を繰り返
し、yes の場合にはステップ14で拡大画像を出力し、
格納部への書き込みや、ディスプレイ上への表示等を行
い、全操作を終了する。
【0041】以上詳述した如く、本実施例によれば、画
像を直交変換によって正変換と逆変換を繰り返す過程の
中で、通過周波数帯域の情報が正しく、且つ画像の広が
りが限られているという2つの拘束条件を用いて、反復
演算により漸近的に情報を復元していくG・P反復法を
周波数帯域拡張の基本原理として適用することにより、
失われた空間的高周波成分を復元することができるの
で、高画質の拡大画像を作成することができる。
【0042】又、通常のG・P反復法では、フーリエ変
換を使用しているが、本実施例で実際に処理される画像
が非負の整数で表現されていることを考慮して、フーリ
エ変換の代りに離散的コサイン変換(DCT)を用いる
ことにより、記憶容量や演算量の点で負荷を低減するこ
とを可能とした。
【0043】なお、前述したG・P反復法の反復回数と
しては適切な回数を設定するが、通常10回以下で十分
である。
【0044】次に、本実施例で採用した2次元DCT
と、その逆変換であるIDCTについて説明する。離散
関数i (x ,y )、0≦u ,v ≦N−1のN×N点の2
次元DCTは、以下の(11)、(12)式で定義され
る。
【0045】I(u ,v )=DCT{i (x ,y )} 0≦u ,v ≦N−1 …(11)
【0046】
【数1】
【0047】ここで、0≦u ,v ≦N−1である。
【0048】又、c (u )は次の(13)式、(14)
式で定義される。なお、c (v )も上記c (u )と同様
に定義される。これら関数c (u )、c (v )は、逆変
換でも使用される。
【0049】 c (u )=1/√2 (u =0) …(13) c (u )=1 (u =1,2,・・・,N−1) …(14)
【0050】2次元DCTの逆変換IDCTは、次の
(15)式、(16)式で定義される。
【0051】 i (x ,y )=IDCT{I(u ,v )} 0≦x ,y ≦N−1 …(15)
【0052】
【数2】
【0053】ここで、0≦x ,y ≦N−1である。
【0054】本実施例においては、DCTを上記定義の
まま用いることもできるが、前述した如く、前記図2に
示した画素数nmNを2の巾乗とする場合に、DCTには
高速演算アルゴリズムが存在するので、この高速演算ア
ルゴリズムのDCTを実際に演算で用いることが好まし
い。
【0055】本実施例の画像拡大方法により、原画像を
2倍又は4倍に拡大した場合の拡大画像の誤差を表1に
示した。表中ebi は自然画像を、res は解像度チャート
をそれぞれ原画像として用いた場合に対応している。な
お、拡大誤差(パーセントエラー)は、原信号の平均値
に対して誤差が何%であるかを示したものに相当する。
又、比較のために、前述した従来法のニアレストネイバ
ー(NN)、バイリニア(BL)、キュービックコンボ
リューション(CB)の各補間法の場合の結果をも併記
した。
【0056】
【表1】
【0057】又、各拡大率において、上記従来法のうち
で最も誤差が小さい場合を100%としたときの本実施
例による拡大法の誤差の減少度を表2に示した。
【0058】
【表2】
【0059】上記表1、表2からも明らかなように、本
実施例によれば、従来の補間法による画像拡大と比較す
ると、空間的高周波成分を復元することができるため、
極めて高精度の拡大画像を作成することができる。実際
に作成した拡大画像は、(1)鮮鋭感が向上する、
(2)ジャギーのないエッジが再現される、(3)テク
スチャの再現性が良い、(4)ハイライトの抜けが良
い、(5)高拡大率に強い、等の特徴を有していた。
【0060】図5は、本発明に係る第2実施例に適用さ
れる装置構成の概略を示すブロック図である。
【0061】本実施例は、カラー画像を拡大する場合の
例で、この場合は原画像格納部10からR(赤)、G
(緑)、B(青)の各信号について、拡大処理部12で
それぞれ前記第1実施例の場合と同様のG・P反復法を
実行することにより拡大画像を作成することができるよ
うにしたものである。
【0062】本実施例によれば、カラー画像について
も、各色成分をそれぞれモノクロ画像とみなして前記第
1実施例と同様の処理を行うことができるので従来の補
間法に比べて極めて高画質の拡大画像を作成することが
可能となる。
【0063】図6は、本発明に係る第3実施例に適用さ
れる装置の基本構成を示したブロック図である。
【0064】本実施例は、印刷用カラー画像を拡大する
場合の例で、原画像格納部10からC(シアン)、M
(マゼンタ)、Y(イエロー)及びK(ブラック)の各
色の原信号に対して、拡大処理部12で前記第1実施例
の場合と同様のG・P反復法を実行することにより、拡
大画像が作成されるようになっている。
【0065】本実施例によれば、前記第2実施例と同様
に各色成分について前記第1実施例と同様に処理するこ
とができるので、同様に極めて高画質の拡大された印刷
用カラー画像を作成することができる。
【0066】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に示したものに限られるもの
でなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
る。
【0067】例えば、G・P反復法にて採用する直交変
換としてはDCTを用いる場合についてのみ説明した
が、これに限られるものでなく、拡大した画像と原画像
との間にエネルギーのマッチングが取れるような直交変
換であれば、フーリエ変換等の他の直交変換をも採用す
ることができる。
【0068】又、色空間が、RGB及びCMYKの場合
について説明したが、特定の色空間に限定されるもので
なく、いかなる色空間に対しても適用することができ
る。
【0069】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、原
画像をサンプリングした際に失われた空間的高周波成分
を復元することができるので、極めて高画質の拡大画像
を作成することができる。
【0070】従って、ある画像原稿をデータベースにす
る場合に、その登録された画像のサイズが使用するサイ
ズと違っている場合であっても容易に同一の画質からな
る拡大画像を作成することができるので、画像データベ
ースシステムの機能を拡大することができる。
【0071】又、例えば、テレビ画像を印刷する場合に
は、画像のサイズが違うためにそのままでは1辺が4cm
ぐらいの大きさの印刷画像しか得られないが、本発明に
よれば、高精度の画像拡大が可能であるため、実用的
な、例えば20cm×20cmの印刷画像サイズまで容易に
拡大することができる。その結果、テレビ、プリンタ等
の複数のメディアを統合化することが可能となる。従っ
て、本発明をマルチメディア統合化のための解像度変換
技術として利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を示す説明図
【図2】本発明に係る第1実施例の処理の工程を模式的
に示す説明図
【図3】上記実施例の処理の流れを示すフローチャート
【図4】上記実施例に適用される装置の基本構成を示す
ブロック図
【図5】本発明に係る第2実施例に適用される装置の基
本構成を示すブロック図
【図6】本発明に係る第3実施例に適用される装置の基
本構成を示すブロック図
【符号の簡単な説明】10…原画像格納部 12…拡大処理部 14…拡大画像格納部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/38 - 1/393 G06T 3/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンプリングした原画像に対応す画像
    信号に基づいて画像を拡大する画像拡大方法において、原画像信号を直交変換して通過周波数帯域に帯域制限さ
    れた原周波数情報Gとするとともに、 前記原画像信号gを空間的に領域制限して第1画像信号
    1 とし、該第1画像信号f 1 を直交変換して第1周波数
    情報F1とした後、該第1周波数F1の前記通過周波数帯
    域に対応する範囲を、前記原周波数情報Gに置き換えて
    第1置換周波数情報G1とし、 該第1置換周波数情報G1を逆直交変換して第1置換画
    像信号g 1 とし、該第1置換画像信号g 1 に対して、前記
    原画像信号gと同一の領域制限を適用して第2画像信号
    2 とするとともに、該第2画像信号f 2 を更に直交変換
    して第2周波数情報F2とする如く、 画像信号を直交変換によって正変換と逆変換を繰り返す
    ことにより、サンプリング時に失われた空間的高周波成
    分を復元することを特徴とする画像拡大方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 直交変換として離散的コサイン変換を用いることを特徴
    とする画像拡大方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1において、 N×N画素の原画像をm倍に拡大する際、原画像の周囲
    に画素レベル既知の拡張領域を付加してnN×nN画素
    の画像とし、該画像に対応する画像信号を直交変換して
    原周波数情報Gとし、該原周波数情報Gについて倍率に
    応じた高周波帯域まで周波数帯域を拡張し、該原周波数
    情報Gの帯域以外の高周波成分の初期値を0に設定して
    nmN×nmN画素分のサイズに拡張した後、それを逆
    直交変換して拡張画像とし、該拡張画像に対応する画像
    信号を、前記原画像信号gとするとともに、拡張画像の
    中心部のmN×mN画素分αの外側の拡張領域を、前記
    既知の画素レベルに修正した画像とすることにより、該
    画像に対応する画像信号を 、空間的に領域制限された前
    記第1画像信号f 1 とし、同様に直交変換によって正変
    換と逆変換を繰り返すことにより、m倍に拡大された画
    像信号についてサンプリング時に失われた空間的高周波
    成分を復元することを特徴とする画像拡大方法。
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