JP2002300384A - 画像復元装置、画像復元方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

画像復元装置、画像復元方法、プログラム及び記録媒体

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JP2002300384A
JP2002300384A JP2001098149A JP2001098149A JP2002300384A JP 2002300384 A JP2002300384 A JP 2002300384A JP 2001098149 A JP2001098149 A JP 2001098149A JP 2001098149 A JP2001098149 A JP 2001098149A JP 2002300384 A JP2002300384 A JP 2002300384A
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deteriorated
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Hironori Sumitomo
博則 墨友
Mutsuhiro Yamanaka
睦裕 山中
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Minolta Co Ltd
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    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
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    • GPHYSICS
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    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
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    • GPHYSICS
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    • G06T2207/20Special algorithmic details
    • G06T2207/20172Image enhancement details
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非対称型劣化フィルタによる劣化を受けた撮
像画像について、復元処理を短時間で高精度に行いうる
画像復元装置及び画像復元方法を提供する。 【解決手段】 非対称型劣化フィルタによる劣化を受け
た撮像画像を補正し、補正された撮像画像が修正されて
更新画像となされ、この更新画像が撮影時の劣化関数を
用いて劣化され、劣化された修正画像と撮像画像との残
差が算出される。そして、算出した残差が所定の閾値を
下回るまで、前記修正画像を新たな処理対象画像とし
て、画像修正更新、画像劣化、残差算出が繰り返され、
残差が所定の閾値を下回っているときは、対応する更新
画像を復元画像とする。つまり、非対称型劣化フィルタ
による劣化を受けた撮像画像について、画像移動を補正
したものを初期画像として用いているから、画像修正更
新、画像劣化、残差算出の繰り返しが少なくて済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、デジタルカメラ
等で撮像した画像に生じた画像劣化の情報すなわち劣化
関数を取得した上で、劣化を受けた撮像画像から反復法
による劣化前画像(復元画像)を推定する画像復元装
置、画像復元方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルカメラ等で撮像された画像に対
し、画像の劣化を復元する種々の技術が提案されてい
る。
【0003】このような画像復元方法の一つとして、反
復計算を利用した反復法によるものが知られている。こ
の復元方法は、画像の修正更新と劣化関数による劣化と
を繰り返すとともに、劣化後の画像と撮像画像とを比較
し、その残差が所定の閾値を下回れば、対応する更新画
像を劣化前の復元画像と推定するものである。この画像
復元処理の原理は、例えば文献「M.Elad and A.Feuer;S
uper-Resolution of An Image Sequence-Adaptive Filt
ering Approach;Technion-Israel Instituteof Techno
logy, 4 April 1997」に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、非対称
型劣化フィルタによる劣化を受けた撮像画像について、
上述のような反復計算を利用した復元処理を行った場
合、画像復元の精度が悪く、多くの反復回数が必要とな
り、復元処理に時間を要するという問題があった。
【0005】この発明は、このような技術的背景に鑑み
てなされたものであって、非対称型劣化フィルタによる
劣化を受けた撮像画像について、その復元処理を短時間
で高精度に行うことができる画像復元装置及び画像復元
方法を提供し、さらにはこのような画像復元方法をコン
ピュータに実行させるプログラム及び該プログラムを記
録した記録媒体を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、非対称型劣
化フィルタによる劣化を受けている撮像画像の画像移動
を補正する補正手段と、補正された撮像画像を初期画像
として、画像を修正し更新する更新手段と、更新された
画像を撮影時の劣化関数を用いて劣化させる劣化手段
と、劣化された更新画像と撮像画像との残差を算出する
残差算出手段と、算出した残差が所定の閾値を下回って
いるか否かを判定し、下回っていなければ、前記更新画
像を新たな処理対象画像として、更新手段による画像の
修正更新、劣化手段による劣化、残差算出手段による残
差の算出の各処理を、残差が所定の閾値を下回るまで繰
り返させる制御手段と、を備えたことを特徴とする画像
復元装置によって解決される。
【0007】さらには、非対称型劣化フィルタによる劣
化を受けた撮像画像について、画像移動を補正するステ
ップと、補正された撮像画像を初期画像として、画像を
修正し更新するステップと、更新された画像を撮影時の
劣化関数を用いて劣化させるステップと、劣化された更
新画像と撮像画像との残差を算出するステップと、算出
した残差が所定の閾値を下回っているか否かを判定し、
下回っていなければ、前記更新画像を新たな処理対象画
像として、画像修正更新ステップ、画像劣化ステップ、
残差算出ステップを、残差が所定の閾値を下回るまで繰
り返すステップと、を備えたことを特徴とする画像復元
方法によっても解決される。
【0008】これらの画像処理装置及び画像処理方法で
は、非対称型劣化フィルタによる劣化を受けた撮像画像
を補正し、補正された撮像画像に修正が加えられて更新
され、更新された画像が撮影時の劣化関数を用いて劣化
され、劣化された更新画像と撮像画像との残差が算出さ
れる。そして、算出した残差が所定の閾値を下回るま
で、前記更新画像を新たな処理対象画像として、画像修
正更新、画像劣化、残差算出が繰り返され、残差が所定
の閾値を下回っているときは、対応する更新画像を復元
画像とする。
【0009】この処理において、非対称型劣化フィルタ
による劣化を受けた撮像画像に対して画像移動を補正し
たものを、初期画像として修正更新、劣化、残差算出の
最初の対象とするから、画像修正更新、画像劣化、残差
算出の繰り返し回数、つまり、反復計算回数の回数が少
なくて済み、復元精度も向上する。
【0010】また、前記課題は、非対称型劣化フィルタ
による劣化を受けた撮像画像について、画像移動を補正
するステップと、補正された撮像画像を初期画像とし
て、画像を修正し更新するステップと、更新された画像
を撮影時の劣化関数を用いて劣化させるステップと、劣
化された更新画像と撮像画像との残差を算出するステッ
プと、算出した残差が所定の閾値を下回っているか否か
を判定し、下回っていなければ、前記更新画像を新たな
処理対象画像として、画像更新ステップ、画像劣化ステ
ップ、残差算出ステップを、残差が所定の閾値を下回る
まで繰り返すステップと、をコンピュータに実行させる
ためのプログラム、あるいはこのプログラムを記録した
コンピュータ読み取り可能な記録媒体によっても解決さ
れる。
【0011】これらのプログラムや記録媒体では、コン
ピュータに、前述した、非対称型劣化フィルタによる劣
化を受けた撮像画像の補正処理、画像修正更新処理、更
新された画像の劣化処理、劣化された更新画像と撮像画
像との残差算出処理、算出した残差が所定の閾値を下回
っているか否かを判定し、残差が所定の閾値を下回るま
で前記各処理を繰り返させる処理を、コンピュータに実
行させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、この発明の一実施形態を説
明する。
【0013】図1及び図2は、この発明の一実施形態に
係る画像復元装置を、デジタルカメラに適用した場合の
実施形態を示すものである。
【0014】図1はデジタルカメラの外観斜視図であ
り、図2は同デジタルカメラの背面図である。
【0015】図1、図2において、デジタルカメラ10
の前面には、撮影レンズ12、ファインダ窓15および
測距窓101などが設けられており、デジタルカメラ1
0の内部には、上記撮影レンズ12による光学像を受光
して光電変換する撮像素子の一例としてのCCD13が
配設されている。そして、撮影レンズ12、CCD13
を含んで撮像手段が構成されている。
【0016】さらに、デジタルカメラ10の上面には、
レリーズ(シャッター)ボタン14、撮影モード設定キ
ー18および液晶パネル19などが設けられている。デ
ジタルカメラ10の側面には、メモリカード等の記録メ
ディア16を挿脱可能な挿入口17が設けられている。
【0017】撮影モード設定キー18は、液晶パネル1
9の表示内容を見ながら、絞り優先、シャッタースピー
ド優先などの露光条件の設定、マクロ撮影の切替え、さ
らには、ズームの設定などを行う際に用いられる。
【0018】また、デジタルカメラ10の背面には、図
2に示すように、ライブビュー表示用の液晶モニタ10
3および画像処理設定キー102などが設けられてい
る。画像処理設定キー102では液晶モニタ103と併
せて、画像復元処理の必要性の判断ができるようになっ
ている。本デジタルカメラ10は、通常のデジタルカメ
ラと同様に、CCD13で撮像した画像を普通に記録メ
ディア16に記録することができる。これ以外に、画像
復元処理機能を有している。この機能は、取得した劣化
関数からデジタルカメラ10が自動で機能をさせるよう
になっている。もちろん、画像復元処理前に画像処理設
定キー102でデジタルカメラ10がユーザに画像復元
処理の必要性を判断させるようにしても構わない。
【0019】図3はデジタルカメラ10のブロック図
で、細矢印は制御データの、太矢印は画像データのそれ
ぞれ流れを示している。
【0020】40はCPUであり、シャッターボタン1
4が押された際の撮影条件、画像処理設定キー102の
設定状態などを記憶するとともに、露光条件などを液晶
パネル19に表示させる。さらに、CPU40は、測距
部44からの測距結果に基づいて撮影レンズ駆動部46
を介して適当な被写体に合焦するように撮影レンズ12
を駆動する一方、絞り駆動部47を介して絞り48を制
御する。
【0021】また、CCD13からのアナログ画像信号
は、A/Dコンバータ41でデジタル画像データに変換
され、画像メモリ(RAM)42に一時記憶され、記憶
された画像データは、CPU40の制御により液晶モニ
タ103に表示される。
【0022】50は、撮像した画像を復元処理する画像
復元部であり、復元の必要がある場合にRAM42に記
憶されている画像を復元する。詳細は後述する。
【0023】CPU40は、復元処理を行わないとき
は、RAM42から読み出された画像データを記録メデ
ィア16に記憶させ、復元処理を行うときは画像復元部
で復元された画像を記録メディア16に記憶させる。
【0024】前記画像復元部50は、図4に示すよう
に、画像補正部50aと、画像更新部50bと、画像劣
化部50cと、残差算出部50dを備えている。
【0025】前記画像補正部50aは、撮像画像が非対
称型劣化フィルタによる劣化を受けている場合には、撮
影画像に画像移動補正を行うとともに、必要に応じてエ
ッジ強調フィルタリング処理を行って初期画像とする。
また、撮像画像が対称型劣化フィルタによる劣化を受け
ている場合には、撮影画像をそのままあるいは必要に応
じてエッジ強調フィルタリング処理を行って初期画像と
する。
【0026】前記画像更新部50bは、撮像時の劣化関
数から前記初期画像に修正を加えて更新画像敏とし、あ
るいは後述するように反復処理を繰り返す場合には、修
正した画像をさらに修正して更新画像とする。
【0027】画像劣化部50cは、画像更新部50bで
更新された画像を撮像時の劣化関数を用いて劣化させ、
前記残差算出部50dは、劣化された画像と撮像画像と
の残差を算出する。
【0028】前記CPU40は、算出した残差が所定の
閾値を下回っているか否かを判定し、下回っていなけれ
ば更新後の画像を新たな処理対象として画像更新部50
bに入力し、画像更新部50bによる画像の修正更新、
画像劣化部50cによる画像の劣化、残差算出部50d
による残差の算出の各処理を、残差が所定の閾値を下回
るまで繰り返させる。そして、残差が所定の閾値を下回
ったときに、対応する更新画像を復元画像として記憶メ
ディア16に記憶させる。
【0029】デジタルカメラ10による撮影及び復元処
理は次のようにして行われる。すなわち、まず、ユーザ
は撮影モード設定キー18で、絞り優先、シャッタース
ピード優先等の選択を行う。カメラの設定が終わるとユ
ーザーは被写体を確認してレリーズボタン14を押す。
すると、測距部44で被写体距離を測定する。続いて、
測距結果に基づいて、撮影レンズ駆動部46を通して適
当な被写体に合焦させるように撮影レンズ12を駆動
し、次いで、絞り駆動部47を通して絞り48を適当な
値に設定する。そして、CCD13を積分し、画像デー
タを読み出す。読み出された画像データは、パイプライ
ン方式で、A/Dコンバータ41でデジタルデータに変
換され、RAM42に―時記憶される。
【0030】続いて、画像復元部50でRAM42に記
憶された採取画像を用いて画像復元処理を行う。
【0031】復元処理の内容を図5のフローチャートに
示す。以下の説明及び図面では、ステップを#で示す。
【0032】画像復元部50はまず、#11で、RAM
42に記憶された撮像画像(以下、採取画像ともいう)
から画像復元処理に必要な初期画像を作成する。この初
期画像作成方法については詳しく後述する。
【0033】初期画像作成後、#12で、初期画像X0
(i,j)をRAM42に―時記憶しておく。
【0034】次に、#13で、RAM42に―時記憶さ
れた初期画像X0(i,j)、撮影時に得られた劣化関数
H、採取画像Y(i,j)から、画像更新部50bで画
像修正を行い、初期画像X0(i,j)を更新して新し
い画像(更新画像という)X1(i,j)を作成する。
【0035】続いて、#14で、更新画像X1(i,
j)を撮影時に得られた劣化関数Hを用いて劣化させ、
採取画像Y(i,j)との差(残差D1)を算出する。
これを式で表すと次のようになる。
【0036】
【数1】
【0037】そして、#15で、CPU40は、算出し
た残差D1について以下の関係が成り立つかを判定する
(収束判定)。
【0038】
【数2】
【0039】上記数2の判定が成り立たなければ(#1
5の収束判定がNO)、#12に戻ってRAM42に―
時記憶されていた初期画像X0(i,j)を削除して、
更新画像X1(i,j)をRAM42に―時記憶する。
【0040】#13で、RAM42に―時記憶された更
新画像X1(i,j)、撮影時に得られた劣化関数H、採
取画像Y(i,j)から画像修正を行い、更新画像X1
(i,j)を更新して新たな更新画像X2(i,j)を
作成する。
【0041】続いて、#14で、X2(i,j)、劣化
関数H、採取画像Y(i,j)から残差D2を算出し、
算出された残差D2において#15の収束判定を行う。
【0042】#15の収束判定でNOならば、収束判定
でYESとなるまで#12に戻って同様の手順を操り返
す。
【0043】#15の収束判定でYESならば、#16
で、RAM42に記憶されている更新画像Xn-1(i,
j)を復元画像としてメディア16に記録する。
【0044】次に、図5の#11に示した初期画像の作
成処理について、図6を用いて詳しく述べる。
【0045】撮影時に得られた劣化関数は二次元フィル
タの形で表現することができる(以下、劣化フィルタと
呼ぶ)。例えばガウシアンのような点像分布関数の場
合、劣化フィルタは図6(1−1)のようになる。ま
た、横方向の手ぶれの場合、劣化フィルタは図6(2−
1)で表され、また、単板ベイヤー撮像系で用いられる
光学ローパスフィルタの場合は図6(3−1)の形で表
すことができる。
【0046】図7(a)はシャープエッジを表す画像で
あり、図7(b)は図7(a)の輝度分布を表したもの
である。図6(1−1)(2−1)(3−1)に示した
3種類の劣化フィルタを図7(b)に作用させたときの
輝度分布の様子は図7(1−2)、図7(2−2)、図
7(3−2)のように表される。
【0047】図6(1−1)のように劣化フィルタが対
称な形をしている対称型劣化フィルタの場合、図7(1
−2)のように劣化前の画像のシャープエッジ部分を挟
んで両側に劣化の影響を受けていることが分かる。つま
り、図6(1−1)のような対称型劣化フィルタによる
劣化では画像の移動が生じない。
【0048】それに対して図6(2−1)、図6(3−
1)のように劣化フィルタが非対称な形をしている非対
称型劣化フィルタの場合、図7(2−2)のように劣化
前の画像のシャープエッジ部分の左側だけ劣化の影響を
受けていたり、図7(3−2)のように劣化前の画像の
シャープエッジ部分の右側だけ劣化の影響を受けている
ことが分かる。これは図6(2−1)や図6(3−1)
のような非対称型劣化フィルタによる劣化では、わずか
であるが画像の移動が生じるためである。
【0049】そのことを考慮して対称型劣化フィルタと
非対称型劣化フイルタの各々について初期画像の作成方
法を説明する。
【0050】対称型劣化フィルタによる劣化を受けた採
取画像から初期画像を作成する場合は、画像の移動を考
慮する必要がないので、単に採取画像にエッジ強調フィ
ルタリングを行うことによって初期画像を作成しても良
いし、或いは、何の処理も行うことなく採取画像をその
まま初期画像としても構わない。
【0051】非対称型劣化フィルタによる劣化を受けた
採取画像から初期画像を作成する場合は、画像の移動が
生じているので、画像補正部50aでまず画像移動補正
を行う。画像移動補正方法は、例えば図6(2−1)の
劣化フィルタの場合、図7(2−2)のとの間に劣
化前のシャープエッジ部分があることが望ましいので、
図7(2−3)にあるように画像を右方向に1画素ずつ
移動させることによって画像移動補正がなされる。
【0052】また、図6(3−1)の劣化フィルタの場
合、図7(3−2)のの上に劣化前のシャープエッジ
部分があることが望ましいので、画像を左方向に0.5
画素ずつ移動させることによって画像移動補正が成され
る。ただし、画像を0.5画素移動させることは物理的
には不可能であるので、代わりに隣接画素の平均を取る
ことによって画像移動補正を行う。この例では、図7
(3−2)のとの平均をに、との平均を
に、以下同様にして計算を行って、図7(3−3)が得
られる。これによって如何なる非対称型劣化フィルタに
よる劣化を受けた採取画像であっても画像移動補正をし
た画像が得られる。
【0053】画像移動補正終了後は、対称型劣化フィル
タのときと同様に、採取画像にエッジ強調フィルタリン
グを行うことによって初期画像を作成しても良いし、或
いは、その後の処理は行わずに画像移動補正後の画像を
初期画像としても構わない。
【0054】次に非対称型劣化フィルタによる劣化を受
けた採取画像から初期画像を作成する場合、画像移動補
正を行う場合と行わない場合における画像復元処理の相
違について図8を用いて説明する。
【0055】図8(A)は画像移動補正を行わない場合
の、図8(B)は画像移動補正を行う場合の簡略図であ
る。図8(A)の、図8(B)のは撮像したい画像
で、画像中央部に物体が存在する。撮像時に非対称な劣
化を受けた場合、図8(A)の、図8(B)ののよ
うに画像中央部の物体はわずかであるが移動する。
【0056】画像移動補正を行わない場合、初期画像に
そのまま採取画像を用いるので、前述の「数1」に示し
た残差計算時のH・Xn(i,j)部分は図8(A)の
のように、さらにずれてしまう。即ち、図8(A)の
(Y(i,j))と図8(A)の(H・Xn(i,
j))との差をとれば、物体のずれにより第1回目の反
復時における残差が大きくなるので、所望の収束判定を
満たすための演算時間がかかり、より高精度な復元画像
を作成することが困難である。
【0057】逆に画像移動補正を行う場合、図8(B)
ののように画像移動補正を行って初期画像を作成する
ので、「数1」の残差計算のH・Xn(i,j)部分は
図8(B)ののように、図8の(B)のに対するず
れが抑制される。即ち、図8(B)の (Y(i,
j))と図8(B)の(H・Xn(i,j))との差
をとれば、物体のずれがないので第1回目の処理におけ
る残差が小さくなる。これによって所望の収束判定を満
たすための演算時間が短縮され、かつ高精度の復元画像
を作成することが可能になる。
【0058】なお、以上の説明では、画像の復元をデジ
タルカメラ10で行うものとして説明したが、デジタル
カメラ等で撮像した画像を、コンピュータ等の外部機器
により復元しても良い。この場合、図5のプログラムが
ネットワークや記録媒体を介してコンピュータに読み込
まれ、コンピュータ上で実行される。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る画
像復元装置及び画像復元方法によれば、非対称型劣化フ
ィルタによる劣化を受けた撮像画像について、画像移動
を補正したものを初期画像として用いるから、画像修正
更新、画像劣化、残差算出の各処理の反復繰り返し回数
が少なくて済み、短時間で復元処理を行うことができる
とともに、復元精度を向上することができる。
【0060】また、この発明に係るプログラム及び記録
媒体によれば、前記復元処理をコンピュータに実行させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる画像復元装置が
適用されたデジタルカメラを示す外観斜視図である。
【図2】同じくデジタルカメラを示す背面図である。
【図3】同じくデジタルカメラの電気的構成を示すブロ
ック図である。
【図4】同じく画像復元部の機能的構成を示すブロック
図である。
【図5】画像復元処理のフローチャートである。
【図6】劣化フィルタを例示的に示した図である。
【図7】シャープエッジに図6の劣化フィルタを作用さ
せたときの画素の状態を示す図である。
【図8】画像移動補正を行う場合と行わない場合の相違
を説明するための図である。
【符号の説明】
10・・・・・・デジタルカメラ(画像復元装置) 50・・・・・・画像復元部 50a・・・・・画像補正部 50b・・・・・画像更新部 50c・・・・・画像劣化部 50d・・・・・残差算出部 40・・・・・・CPU(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 BA02 CA08 CA12 CA16 CB08 CB12 CB16 CC01 CE06 CH08 5C077 LL01 PP05 PP46 PP47 PQ12 PQ20 SS06 TT09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非対称型劣化フィルタによる劣化を受け
    ている撮像画像の画像移動を補正する補正手段と、 補正された撮像画像を初期画像として、画像を修正し更
    新する更新手段と、 更新された画像を撮影時の劣化関数を用いて劣化させる
    劣化手段と、 劣化された更新画像と撮像画像との残差を算出する残差
    算出手段と、 算出した残差が所定の閾値を下回っているか否かを判定
    し、下回っていなければ、前記更新画像を新たな処理対
    象画像として、更新手段による画像更新、劣化手段によ
    る劣化、残差算出手段による残差の算出の各処理を、残
    差が所定の閾値を下回るまで繰り返させる制御手段と、 を備えたことを特徴とする画像復元装置。
  2. 【請求項2】 非対称型劣化フィルタによる劣化を受け
    た撮像画像について、画像移動を補正するステップと、 補正された撮像画像を初期画像として、画像を修正し更
    新するステップと、 更新された画像を撮影時の劣化関数を用いて劣化させる
    ステップと、 劣化された更新画像と撮像画像との残差を算出するステ
    ップと、 算出した残差が所定の閾値を下回っているか否かを判定
    し、下回っていなければ、前記更新画像を新たな処理対
    象画像として、画像更新ステップ、画像劣化ステップ、
    残差算出ステップを、残差が所定の閾値を下回るまで繰
    り返すステップと、 を備えたことを特徴とする画像復元方法。
  3. 【請求項3】 非対称型劣化フィルタによる劣化を受け
    た撮像画像について、画像移動を補正するステップと、 補正された撮像画像を初期画像として、画像を修正し更
    新するステップと、 更新された画像を撮影時の劣化関数を用いて劣化させる
    ステップと、 劣化された更新画像と撮像画像との残差を算出するステ
    ップと、 算出した残差が所定の閾値を下回っているか否かを判定
    し、下回っていなければ、前記更新画像を新たな処理対
    象画像として、画像更新ステップ、画像劣化ステップ、
    残差算出ステップを、残差が所定の閾値を下回るまで繰
    り返すステップと、 をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のプログラムを記録した
    コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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