JP3750164B2 - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鮮明な画像を得ることのできる画像処理方法および画像処理装置、さらには、画像の拡大縮小処理を行う場合において鮮明な拡大・縮小画像を得ることができ、また、データ圧縮処理を行う場合においても、鮮明な画像を得ることを可能とした画像処理処理方法および画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像データベース、高精細画像印刷等の分野において、高品質な画像処理技術が求められており、その画像処理技術として、画像の鮮明化処理がある。
【0003】
従来、画像の鮮明化処理方法としては、おもにエッジ強調フィルタ、アンシャープマスクにより処理が行われていた。図19はエッジ強調フィルタの一例を示すもので、同図(a)は、エッジが水平方向、垂直方向および45度方向に存在する場合のエッジ強調が可能なフィルタであり、同図(b)はエッジが水平方向、垂直方向に存在する場合のエッジ強調が可能なフィルタである。たとえば、図20に示すように、各画素G0,G1,・・・,G8の画素値(この場合、輝度)がc0,c1,・・・,c8である画像データがあって、この画像データを図19(a)のようなフィルタを用いて、画素G0のエッジ強調処理を行うと、当該画素G0におけるエッジ強調後の画素値C0は〔1〕式のようになる。
【0004】
【数1】
Figure 0003750164
【0005】
また、アンシャープマスクも処理対象とする画素および周りの画素を用いて鮮明化するものでる。
【0006】
同様に拡大・縮小した画像においても同様に鮮明な画像が求められている。従来、拡大・縮小した画像の鮮明化は、補間する画像に近いサンプル画素の距離比を用いて補間値を決定する線形補間法や、最も近いサンプルの値を補間値とするニアレストネイバ法(nearest neighbor method)、FFT(高速フーリエ変換)やDCT(ディスクリートコサイン変換)などの直交変換を用いて、実空間の画像データ(人間の見たままの画像データ)を、周波数空間の画像データに変換したのちに拡大する方法(特開平2−76472、特開平5−167920)等による画像の拡大・縮小処理を行った後に、上記エッジ強調フィルタ、アンシャープマスクによる画像の鮮明化を行うという2段階の処理により行っていた。
【0007】
さらに、たとえばJPEG(Joint Photographic Expert Group)など、直交変換を用いた画像の圧縮・展開処理においては、高周波データを落とすため、圧縮・展開前の画像と比べると、ぼやけた画像となるため、展開後の画像に対して、前記エッジ強調フィルタ、アンシャープマスクによる画像の鮮明化を行うという2段階の処理を行うことにより対処していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したエッジ強調フィルタやアンシャープマスクによる鮮明化は、図19に示すフィルタ例に見られるように局所的な情報に基づき鮮明化処理が行われるため、エッジ部分において色が白く抜ける現象である偽輪郭が生じるという問題がある。また、偽輪郭が生じるのを防止するためには、例えば図19中の係数値を変えることにより可能であるが、このために試行錯誤が必要とされるという問題もある。
【0009】
さらに、拡大・縮小画像に対する鮮明化処理においては、一度拡大・縮小処理をした後に、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクにより鮮明化を行うという2段階の処理を行わなければならないという問題がある。
【0010】
またJPEG等の直交変換を用いた画像の圧縮・展開処理において、展開後の画像に対して、エッジ強調フィルタ、アンシャープマスクによる画像の鮮明化を行うという2段階の処理を行わなければならないという問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、前記従来の問題を解決すべくなされたもので、偽輪郭が生じず、かつ偽輪郭が生じないようにするための試行錯誤を必要としないで、鮮明な画像を得ることのできる画像処理方法および画像処理装置を提供することを目的とする。また、拡大・縮小画像、あるいはJPEG等の直交変換を用いた圧縮展開画像の鮮明化において、拡大・縮小処理の後に、あるいは圧縮・展開処理後に鮮明化処理を行うという2段階の処理を踏まずに、1度の処理過程で拡大・縮小、あるいは圧縮・展開と鮮明化処理が可能な画像処理方法および画像処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理方法は、画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を鮮明化処理する画像鮮明化工程を有する画像処理方法において、前記画像鮮明化工程は、直交変換工程、周波数データ変更工程、逆直交変換工程を有し、前記画像入力手段により入力された画像データを前記直交変換工程により直交変換し、前記原画像を周波数領域に変換したのち、前記周波数データ変更工程により、前記直交変換工程で直交変換された周波数領域の周波数データの平均値を求め、周波数データと前記平均値の差に対して予め準備されている定数を掛けることにより周波数データの変更を行い、その変更後の周波数データを前記逆直交変換工程により逆直交変換して、前記原画像の鮮明化を行うようにしている。
【0013】
このように、原画像を周波数領域に変換するためにN×Nのブロックを単位として原画像の直交変換を行い、直交変換された周波数領域の周波数データの変更を行い、変更された周波数領域の周波数データの逆直交変換を行い、原画像を鮮明化するようにしているので、N×Nというある程度広い範囲を参照するため、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクによる鮮明化のように局所的な情報に基づく鮮明化処理のために生じるエッジ部分において色が白く抜ける現象である偽輪郭が生じるという問題が生じない。また、固定の定数で自然に鮮明化が行えるので、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクによる鮮明化を行う際の偽輪郭が生じるのを防止するための係数値を変えるという試行錯誤が必要とされることがない効果を有する。
また、このように、平均値を用いることにより周波数データの分布を考慮した変更が可能となり、より鮮明な画像となる。
【0017】
また、本発明の画像処理方法は、画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を鮮明化処理する画像鮮明化工程を有する画像処理方法において、前記画像鮮明化工程は、直交変換工程、周波数データ変更工程、逆直交変換工程を有し、前記画像入力手段により入力された画像データを前記直交変換工程により直交変換し、前記原画像を周波数領域に変換したのち、前記周波数データ変更工程により、前記直交変換工程で直交変換された周波数領域の周波数データの平均値を求め、処理する周波数データと前記平均値の差に対して周期ごとに予め準備されている値を掛けることにより周波数データの変更を行い、その変更後の周波数データを前記逆直交変換工程により逆直交変換して、前記原画像の鮮明化を行うようにしている。
このように、原画像を周波数領域に変換するためにN×Nのブロックを単位として原画像の直交変換を行い、直交変換された周波数領域の周波数データの変更を行い、変更された周波数領域の周波数データの逆直交変換を行い、原画像を鮮明化するようにしているので、N×Nというある程度広い範囲を参照するため、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクによる鮮明化のように局所的な情報に基づく鮮明化処理のために生じるエッジ部分において色が白く抜ける現象である偽輪郭が生じるという問題が生じない。また、固定の定数で自然に鮮明化が行えるので、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクによる鮮明化を行う際の偽輪郭が生じるのを防止するための係数値を変えるという試行錯誤が必要とされることがない効果を有する。
また、このように、平均値を用いることにより周波数データの分布を考慮した変更が可能となり、かつ、高周波ほど予め準備している値を大きくしているため、高周波部分における周波数データの変更を大きくでき、ピントずれ等によりややぼやけた画像における高周波情報の復元が可能となるので、さらに鮮明な画像を得ることができるようになる。
【0018】
そして、前記周波数データ変更工程は、直流成分である周波数データを変更の対象としないようにする。これにより、変更後の周波数データを逆直交変換し画像領域に戻しても処理した画像の輝度変化が生じることなく画像の鮮明化が可能である。
【0019】
また、本発明の画像処理方法は、画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を所定の倍率に拡大・縮小し、鮮明化処理する画像拡大鮮明化工程を有する画像処理方法において、前記画像拡大鮮明化工程は、直交変換工程、領域拡張工程、周波数データ変更工程、逆直交変換工程を有し、前記画像入力手段により入力された画像データを前記直交変換工程により直交変換し、前記原画像を周波数領域に変換したのち、前記領域拡張工程により拡大率に応じた周波数領域を用意し、その周波数領域の拡大・縮小を行い、前記周波数データ変更工程により、前記領域拡張工程で作成された周波数領域の周波数データの平均値を求め、周波数データと前記平均値の差に対して予め準備されている定数を掛けることにより周波数データの変更を行い、前記逆直交変換工程により前記変更後の周波数データの逆直交変換を行い、前記原画像を拡大・縮小するとともに鮮明化を行うようにしている。
【0020】
このように、原画像を周波数領域に変換するために直交変換工程により原画像の直交変換を行い、拡大率に応じた周波数領域を用意し周波数領域における拡大・縮小を行い、作成された周波数領域の周波数データの変更を行い、変更後の周波数領域の周波数データの逆直交変換を行なって、原画像を拡大・縮小するとともに鮮明化された画像を得るようにしているので、従来の拡大・縮小画像に対する鮮明化処理のように一度拡大・縮小処理をした後に、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクにより鮮明化を行うという2段階の処理を行わなければならないという問題が解決でき、1度の処理で拡大・縮小および鮮明化処理が可能となる。
また、このように、平均値を用いることにより周波数データの分布を考慮した変更が可能となり、より鮮明な拡大・縮小画像となる。
【0024】
また、本発明の画像処理方法は、画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を所定の倍率に拡大・縮小し、鮮明化処理する画像拡大鮮明化工程を有する画像処理方法において、前記画像拡大鮮明化工程は、直交変換工程、領域拡張工程、周波数データ変更工程、逆直交変換工程を有し、前記画像入力手段により入力された画像データを前記直交変換工程により直交変換し、前記原画像を周波数領域に変換したのち、前記領域拡張工程により拡大率に応じた周波数領域を用意し、その周波数領域の拡大・縮小を行い、前記周波数データ変更工程により、前記領域拡張工程で作成された周波数領域の周波数データの平均値を求め、処理する周波数データと前記平均値の差に対して周期ごとに予め準備されている値を掛けることにより周波数データの変更を行い、前記逆直交変換工程により前記変更後の周波数データの逆直交変換を行い、前記原画像を拡大・縮小するとともに鮮明化を行うようにしている。
このように、原画像を周波数領域に変換するために直交変換工程により原画像の直交変換を行い、拡大率に応じた周波数領域を用意し周波数領域における拡大・縮小を行い、作成された周波数領域の周波数データの変更を行い、変更後の周波数領域の周波数データの逆直交変換を行なって、原画像を拡大・縮小するとともに鮮明化された画像を得るようにしているので、従来の拡大・縮小画像に対する鮮明化処理のように一度拡大・縮小処理をした後に、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクにより鮮明化を行うという2段階の処理を行わなければならないという問題が解決でき、1度の処理で拡大・縮小および鮮明化処理が可能となる。
また、このように、平均値を用いることにより周波数データの分布を考慮した変更が可能となり、かつ、高周波ほど予め準備している値を大きくしているため、高周波部分における周波数データの変更を大きくでき、ピントずれ等によりややぼやけた画像における高周波情報の復元が可能となるので、さらに鮮明な拡大・縮小画像を得ることができるようになる。
【0025】
そして、前記周波数データ変更工程は、直流成分である周波数データを変更の対象としないようにする。これにより、変更後の周波数データを逆直交変換し画像領域に戻しても処理した画像の輝度変化が生じることなく画像の鮮明化が可能である。
【0026】
また、本発明の画像処理方法は、画像入力手段により入力された画像データを直交変換を用いて圧縮・展開し、鮮明化処理する圧縮展開画像鮮明化工程を有する画像処理方法において、前記圧縮展開画像鮮明化工程は、画像データを直交変換後に圧縮処理を行う圧縮処理工程と、圧縮データを展開処理後に逆直交変換行う展開処理工程を有し、さらに、前記圧縮・展開処理工程のいずれか一方に周波数データの変更を行う周波数データ変更工程を加えて成り、前記画像入力手段により入力された画像データを直交変換し、前記原画像を周波数領域に変換したのち、前記周波数データ変更工程により、前記周波数領域の周波数データの平均値を求め、周波数データと前記平均値の差に対して予め準備されている定数を掛けることにより周波数データの変更を行い、その変更後の周波数データを前記逆直交変換工程により逆直交変換して、前記原画像を圧縮・展開するとともに鮮明化を行うことを特徴とする。
【0027】
このように、直交変換を用いた圧縮・展開処理において、直交変換後の周波数領域における周波数データの変更を行い、変更後の周波数領域の周波数データを展開処理して逆直交変換を行なうことで、画像データの圧縮・展開処理をおこなうとともに、鮮明化された画像を得るようにしているので、従来の圧縮・展開画像に対する鮮明化処理のように一度圧縮・展開処理をした後に、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクにより鮮明化を行うという2段階の処理を行わなければならないという問題が解決でき、1度の処理で圧縮・展開および鮮明化処理が可能となる。
また、このように、平均値を用いることにより周波数データの分布を考慮した変更が可能となり、より鮮明な画像となる。
【0031】
また、本発明の画像処理方法は、画像入力手段により入力された画像データを直交変換を用いて圧縮・展開し、鮮明化処理する圧縮展開画像鮮明化工程を有する画像処理方法において、前記圧縮展開画像鮮明化工程は、画像データを直交変換後に圧縮処理を行う圧縮処理工程と、圧縮データを展開処理後に逆直交変換行う展開処理工程を有し、さらに、前記圧縮・展開処理工程のいずれか一方に周波数データの変更を行う周波数データ変更工程を加えて成り、前記画像入力手段により入力された画像データを直交変換し、前記原画像を周波数領域に変換したのち、前記周波数データ変更工程により、前記周波数領域の周波数データの平均値を求め、処理する周波数データと前記平均値の差に対して周期ごとに予め準備されている値を掛けることにより周波数データの変更を行い、その変更後の周波数データを前記逆直交変換工程により逆直交変換して、前記原画像を圧縮・展開するとともに鮮明化を行うことを特徴とする。
このように、直交変換を用いた圧縮・展開処理において、直交変換後の周波数領域における周波数データの変更を行い、変更後の周波数領域の周波数データを展開処理して逆直交変換を行なうことで、画像データの圧縮・展開処理をおこなうとともに、鮮明化された画像を得るようにしているので、従来の圧縮・展開画像に対する鮮明化処理のように一度圧縮・展開処理をした後に、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクにより鮮明化を行うという2段階の処理を行わなければならないという問題が解決でき、1度の処理で圧縮・展開および鮮明化処理が可能となる。
また、このように、平均値を用いることにより周波数データの分布を考慮した変更が可能となり、かつ、高周波ほど予め準備している値を大きくしているため、高周波部分における周波数データの変更を大きくでき、ピントずれ等によりややぼやけた画像における高周波情報の復元が可能となるので、さらに鮮明な画像を得ることができるようになる。
【0032】
また、前記周波数データ変更工程は、展開処理工程にて行い、展開処理を行うために掛ける係数を考慮した値を掛けることによって周波数データの変更を行うようにする。このように、展開処理工程において周波数データの変更処理を行うので、画像の圧縮率の低下を生じることなく、また、展開処理を周波数データ変更処理に含めて2つの処理を同時に行うようにしたので、処理速度の低下を招くことがなくなる。
【0033】
また、前記周波数データ変更工程は、直流成分である周波数データに対しては、その周波数データの変更処理の対象としないようにする。これにより、変更後の周波数データを逆直交変換し画像領域に戻しても処理した画像の輝度変化が生じることなく画像の鮮明化が可能である。
【0034】
また、本発明の画像処理装置は、画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を鮮明化処理する画像鮮明化工程を有する画像処理装置において、前記画像鮮明化手段は、前記原画像を周波数領域に変換するために原画像の直交変換を行なう直交変換手段と、前記前記直交変換手段で直交変換された周波数領域の周波数データを、前記周波数領域における周波数データの特性を考慮して変更する周波数データ変更手段と、前記周波数データ変更手段により変更された周波数領域における周波数データの逆直交変換を行なう逆直交変換手段とを有し、前記周波数データ変更手段は、前記直交変換手段で直交変換された周波数領域における周波数データの平均値を求め、前記周波数データと前記求められた平均値の差に対して予め準備されている定数を掛けることにより前記周波数データの変更を行うことを特徴とする。なお、本発明の画像処理装置における作用効果については、前記画像処理方法において説明したので省略する。
【0038】
また、本発明の画像処理装置は、画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を鮮明化処理する画像鮮明化工程を有する画像処理装置において、前記画像鮮明化手段は、前記原画像を周波数領域に変換するために原画像の直交変換を行なう直交変換手段と、前記前記直交変換手段で直交変換された周波数領域の周波数データを、前記周波数領域における周波数データの特性を考慮して変更する周波数データ変更手段と、前記周波数データ変更手段により変更された周波数領域における周波数データの逆直交変換を行なう逆直交変換手段とを有し、前記周波数データ変更手段は、前記直交変換手段で直交変換された周波数領域における周波数データの平均値を求め、処理対象の周波数データと前記平均値の差に対して、前記処理対象の周波数データの周期ごとに予め準備されている値を掛けることにより前記周波数データの変更を行うことを特徴とする。なお、本発明の画像処理装置における作用効果については、前記画像処理方法において説明したので省略する。
【0039】
そして、前記周波数データ変更手段は、直流成分である周波数データに対しては、その周波数データの変更処理の対象としないようにする。
【0040】
また、本発明の画像処理装置は、画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を所定の倍率に拡大・縮小し、鮮明化処理する画像拡大鮮明化手段を有する画像処理装置において、前記画像拡大鮮明化手段は、前記原画像を周波数領域に変換するために原画像の直交変換を行なう直交変換手段と、拡大率に応じた周波数領域を用し、周波数領域における領域の拡大・縮小を行う領域拡張手段と、前記領域拡張手段により作成された周波数領域における周波数データを、前記周波数領域における周波数データの特性を考慮して変更する周波数データ変更手段と、前記変更後の周波数領域における周波数データの逆直交変換を行なう逆直交変換手段とを有し、前記周波数データ変更手段は、前記領域拡張手段で作成された周波数領域における周波数データの平均値を求め、前記周波数データと前記求められた平均値の差に対して予め準備されている定数を掛けることにより周波数データの変更を行うことを特徴とする。
【0044】
また、本発明の画像処理装置は、画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を所定の倍率に拡大・縮小し、鮮明化処理する画像拡大鮮明化手段を有する画像処理装置において、前記画像拡大鮮明化手段は、前記原画像を周波数領域に変換するために原画像の直交変換を行なう直交変換手段と、拡大率に応じた周波数領域を用し、周波数領域における領域の拡大・縮小を行う領域拡張手段と、前記領域拡張手段により作成された周波数領域における周波数データを、前記周波数領域における周波数データの特性を考慮して変更する周波数データ変更手段と、前記変更後の周波数領域における周波数データの逆直交変換を行なう逆直交変換手段とを有し、前記周波数データ変更手段は、前記領域拡張手段で作成された周波数領域の周波数データの平均値を求め、処理対象の周波数データと前記平均値の差に対して、前記処理対象の周波数データの周期ごとに予め準備されている値を掛けることにより周波数データの変更を行うことを特徴とする。
【0045】
そして、前記周波数データ変更手段は、直流成分である周波数データに対しては、その周波数データの変更処理の対象としないようにする。
【0046】
また、本発明の画像処理装置は、画像入力手段により入力された画像を直交変換を用いて圧縮・展開し、鮮明化処理する圧縮展開画像鮮明化手段を有する画像処理装置において、前記圧縮展開画像鮮明化手段は、直交変換手段により直交変換された周波数領域における周波数データを用いて圧縮処理を行う圧縮処理手段と、前記圧縮処理手段により圧縮された圧縮データを展開処理後に逆直交変換行う展開処理手段とを有し、前記直交変換後の周波数データを前記周波数領域における周波数データの特性を考慮して変更する周波数データ変更手段を、前記圧縮・展開処理手段のいずれか一方に設け、前記周波数データ変更手段は、前記周波数領域の周波数データの平均値を求め、周波数データと前記平均値の差に対して予め準備されている定数を掛けることにより周波数データの変更を行うことを特徴とする。
【0050】
また、本発明の画像処理装置は、画像入力手段により入力された画像を直交変換を用いて圧縮・展開し、鮮明化処理する圧縮展開画像鮮明化手段を有する画像処理装置において、前記圧縮展開画像鮮明化手段は、直交変換手段により直交変換された周波数領域における周波数データを用いて圧縮処理を行う圧縮処理手段と、前記圧縮処理手段により圧縮された圧縮データを展開処理後に逆直交変換行う展開処理手段とを有し、前記直交変換後の周波数データを前記周波数領域における周波数データの特性を考慮して変更する周波数データ変更手段を、前記圧縮・展開処理手段のいずれか一方に設け、前記周波数データ変更手段は、前記周波数領域の周波数データの平均値を求め、処理する周波数データと前記平均値の差に対して周期ごとに予め準備されている値を掛けることにより周波数データの変更を行うことを特徴とする。
このように、平均値を用いることにより周波数データの分布を考慮した変更が可能である。
また、前記周波数データ変更手段は、展開処理手段に設け、展開処理を行うために掛ける係数を考慮した値を掛けることによって周波数データの変更を行うようにする。
【0051】
また、前記周波数データ変更手段は、直流成分である周波数データに対しては、その周波数データの変更処理の対象としないようにする。
【0052】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0053】
図1は、第1の実施の形態を説明するブロック図である。10は画像処理装置1内に設けられた画像鮮明化部であり、処理対象となる実空間の画像の領域(以下、実領域という)を周波数空間の画像の領域(以下、周波数領域という)へ変換するために、直交変換を行う直交変換部11、周波数領域に変換された周波数データの変更を行うことにより画像の鮮明化を行う周波数データ変更部12、周波数データ変更部12で変更された周波数領域の周波数データを実領域に変換する逆直交変換部13、およびこれら各処理部を接続するためのバス14より構成される。また、15は処理対象となる原画像の入力を行うための画像入力装置15であり、光学的な画像入力を行う場合は光学的画像入力装置(たとえばスキャナ)や通信による入力装置、あるいは画像デ−タを蓄える記憶装置などである。
【0054】
また、前記各処理部は、ハードロジックにより構成されるものであっても、さらにCPUを付加することによりソフト的な処理により実現されるものであってもよい。
【0055】
次に画像鮮明化部10全体の概略的な処理の流れについて説明する。図2はそのフローチャートである。
【0056】
まず、図3(a)のように原画像101をある大きさ、例えばN×N画素の大きさに分割したものを1つのブロック(ブロックB1,B2,・・・)とし、そのN×N画素(以下では「N×N」のように記載し、「画素」を省略する)のブロックを1つの単位として、直交変換部11により実領域から周波数領域へ変換を行うために直交変換を行う(ステップs1)。
【0057】
そして、周波数データ変更部12により周波数領域の周波数データに変更を加えることにより周波数領域における画像の鮮明化処理を行う(ステップs2)。
【0058】
次に、逆直交変換部13により周波数データ変更部12で変更された周波数領域の周波数データを実領域へ逆直交変換を行い、1つのブロックの処理が終了する(ステップs3)。この処理によりN×Nの部分画像が鮮明化されることになる。
【0059】
そして、分割された全ブロックの処理が終了しているか否かの判断を行い、全ブロックの処理が終了していなければ、次のブロックの処理を行ない、全ブロックの処理が終了していれば、処理を終了する(ステップs4)。
【0060】
ここで、ブロックサイズが問題となるが、これは任意であり、縦横の大きさが違っていてもよく、また画像全体を1つのブロックとしてもよい。ただし、処理時間はブロックサイズが小さいほど早くなるため、処理速度と処理精度との関係から一般には4画素〜16画素程度のブロックサイズで処理を行うのが都合がよい。
【0061】
なお、画像をブロックに分割することにより拡大画像においてブロックの境界部分に歪みが生じる場合があるが、図3(b)のように、隣合うブロックの一部分が重なるようなブロックの分割を行い、逆直交変換後の画像において重なりのある部分については、画素単位での画素値(たとえば輝度値)の平均を求めることによりブロック歪みの低減を図ることができる。
【0062】
すなわち、図3(a)において、それぞれ隣接するブロックB1,B2,B3,B4を例にとると、これらのブロックB1,B2,B3,B4を同図(b)に示すように、それぞれの1部が重なり合うようにブロック分割する。そして、たとえば、ブロックB1とB2との重なり部分w1に存在する画素については、逆直交変換後の実領域におけるブロックB1での画素値とブロックB2での画素値との平均を各画素単位で求め、その平均値を当該画素の画素値とする。また、ブロックB1,B2,B3,B4がすべて重なった部分w2に存在する画素については、逆直交変換後の実領域におけるブロックB1〜B4での画素値の平均を各画素単位で求め、その平均値を当該画素の画素値とする。
【0063】
次に、前述した各処理部について説明する。まず、直交変換部11について説明する。直交変換部11は実領域から周波数領域へ変換を行うために直交変換を行う。直交変換の方法としては高速フーリエ変換(FFT)、ディスクリート・コサイン変換(DCT)、アダマール(Hadamard)変換、画像の傾斜成分を効率良く表現するために考案されたスラント(Slant )変換、変換の行列要素として+1,0,−1を含み、アダマール変換とほぼ同様の効果が得られるハール(Haar)変換等がある。変換方法の一例として、M×Nのブロックサイズに対するディスクリート・コサイン変換を下記〔2〕式に、アダマール変換を下記〔3〕式に示す。なお、〔3〕式にはブロックサイズがN=4の場合の変換ベクトルの例も合わせて示してある。
【0064】
【数2】
Figure 0003750164
【0065】
【数3】
Figure 0003750164
【0066】
なお直交変換方法はどれを用いてもよい。
【0067】
次に周波数データ変更部12について述べる。周波数データ変更部12は、周波数領域の周波数データに変更を加えることにより周波数領域における画像の鮮明化のための処理を行う。
【0068】
まず、直交変換部11により変換された周波数領域の周波数データ(変換係数値)について図4を用いて説明する。ここで、周波数領域のブロックサイズはN×Nであるものとする。なお、以下では特に示す場合を除くほか、処理するブロックサイズはN×Nであるものとする。
【0069】
図4において、周波数領域の左上に低周波数のデータが、そして右下に向かうほど高周波数のデータが存在するものとする。またx1軸方向に向かって周波数が0からN−1まで変化するものとし、y1軸方向に向かっても同様に周波数が0からN−1まで変化するものとする。なお、以下では、x1軸方向の周波数がnで、y1軸方向の周波数がmにおけるの周波数データを「周波数データ(n,m)」と示し、単に「周波数データ」とした場合には、断わりがない限り周波数領域のすべての周波数データ(0≦n≦N−1、0≦m≦N−1)を示すこととする。また図4のC1に示す周波数データ(0,0)は、特に「直流成分」と呼ぶものとする。
【0070】
さらに、周波数データ(i,0)(0≦i≦N−1)のN個の周波数データ群を周波数データH0と呼び、周波数データ(i,1)(0≦i≦N−1)のN個の周波数データ群を周波数データH1と呼ぶ。同様にしてH0からHn-1までx1軸方向における周波数データ群があるものとする。同様に垂直方向についても、周波数データ(0,j)(0≦j≦N−1)のN個の周波数データ群を周波数データV0と呼び、周波数データ(1,j)(0≦j≦N−1)のN個の周波数データ群を周波数データV1と呼ぶ。同様にしてV0からVn-1までy1軸方向における周波数データ群があるものとする。
【0071】
始めに、周波数領域における鮮明化についての概要を図5を用いて説明する。図5は、図4における周波数データH0を示したものである。なお、ここではN=8であるものとする。図において横軸は周波数を、縦軸は周波数データH0のそれぞれの係数の値を示す。図中、実線で示すd1は、ピントずれ等によりややぼやけた画像の直交変換後の周波数データH0を示すもので、点線で示すd2は、同一の画像においてピントのあった鮮明な画像の直交変換後の周波数データH0を示すものである。図から分かるように、鮮明な画像の方が各周波数において絶対値が大きいことがわかる。図5では周波数データH0のみを示しているが、周波数領域の周波数データ全体に同様な傾向が見られる。そこで、周波数領域における画像の鮮明化は、周波数データの絶対値を大きくするように変更することで実現する。具体的な方法は、以下のようにして行う。
【0072】
周波数データ変更部12を実現する第1の方法は、周波数データを予め準備されている定数α1倍することにより実現する。この方法は演算が簡単で高速な処理を実現できるという利点がある。なおここでは、直流成分は処理の対処としないものとする。なぜならば、直流成分はN×Nのブロックにおける輝度を代表する値であり、変更すると逆直交変換部13における変換後の実画像の輝度情報が大きく変わってしまうからである。処理は、変更前の周波数データ(n,m)をa(n,m)、予め準備されている定数α1変更後の周波数データ(n,m)をA(n,m)とすると、式〔4〕のようになる。
【0073】
【数4】
Figure 0003750164
【0074】
なお、定数α1の値は、1.0から2.0の範囲での設定でよく、実験によると1.4前後の数値において、不自然なことなく鮮明化ができることが分かった。
【0075】
周波数データ変更部12を実現する第1の方法による周波数データの変更例を図6に示す。図6は図5の処理対象となるややぼやけた画像の直交変換後の周波数データH0であるd1に第1の方法による周波数データの変更を行った後の周波数データH0であるd3を示したものである。この処理により、例えば変更前の周波数データa(4,0)は変更後にはA(4,0)(=a(4,0)×α1)に、a(6,0)はA(6,0)(=a(6,0)×α1)に変更される。
【0076】
この方法は、処理ブロックがN×Nであることからある程度広い範囲を参照するため、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクによる鮮明化のように局所的な情報に基づく鮮明化処理のために生じるエッジ部分において色が白く抜ける現象である偽輪郭が生じるという問題が生じない。また、固定の定数で自然に鮮明化が行えるので、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクによる鮮明化を行う際の偽輪郭が生じるのを防止するための係数値を変えるという試行錯誤が必要とされることがない効果を有する。
【0077】
周波数データ変更部12を実現する第1の方法においては、周波数データの値が0を中心として、周波数データの変更処理を行っていた。しかし、周波数データの分布は、0が中心となるとは限らず、周波数データの分布を考慮した変更とならない。そのため逆直交変換後における画像は十分に鮮明な画像とはならない。そこで、以下では周波数データの分布を考慮した周波数データの変更を行うことにより、より鮮明な画像が得られるような周波数データ変更部12を実現する第2の方法について説明する。
【0078】
周波数データ変更部12を実現する第2の方法とは、周波数データの分布を平均値を用いることにより周波数データの分布の考慮を行う。すなわち、平均値を中心として周波数データに予め準備されている定数α2を掛けることにより周波数データの変更を行う。
【0079】
具体例を図7、図8を用いて説明する。図7は、図5に示すややぼやけた画像の直交変換後の周波数データH0であるd1を第2の方法で処理した周波数データH0であるd4を示したものであり、図8は処理の流れを示すフローチャートである。
【0080】
まず、周波数データの分布を考慮すべく周波数データの平均値bを求める(ステップs11)。なお、平均値を求める際は直流成分を除いた周波数データを用いて行う。なぜならば、直流成分は処理対象とせず、一般に他の周波数データとの絶対値が大きく違うからである。
【0081】
次に、直流成分を除いた周波数データaから平均値bを引いた値に対して予め準備されている定数α2を掛け、それに平均値bを加えることにより、新たな周波数データAを求める(ステップs12)。例えば、図7を例にすると、周波数データa(4,0)は、この変更により
A(4,0)=b+(a(4,0)−b)×α2 ・・・ 〔5〕
〔5〕式のようになり、周波数データa(6,0)は、この変更により
A(3,0)=b+(a(6,0)−b)×α2 ・・・ 〔6〕
〔6〕式のようになる。
【0082】
なお、平均値を求め、周波数データの変更を行う単位としては、直流成分を除く周波数領域の全周波数データを単位とする。
【0083】
また、別な処理単位としては図5に示す周波数データ群であるH0からHn-1、V0からVn-1を単位としてもよい。この場合、H0からHn-1の処理を行ない、続いてV0からVn-1の処理を行う。なぜならば、処理対象とする画像のサンプリングは直角に行われているため、水平あるいは垂直の周波数データ群間での関係が強いからである。なお、この場合も直流成分は処理の対象とせず、平均値bの算出においても除かれる。
【0084】
なお、周波数領域の全周波数データを単位とする処理を行う場合の定数α2の値は、1.0から2.0の範囲での設定でよく、実験によると1.4前後の数値において、不自然なことなく鮮明化ができることが分かった。また、周波数データ群であるH0からHn-1、V0からVn-1を単位する処理においては、周波数領域の全周波数データを単位とする処理を行う場合の定数α2の平方根をとった値を用いる。なぜならば、横方向、縦方向で2度の処理が行われるためである。すなわち、図4において周波数データa(1,0)に注目すると、H0での処理、およびV1で処理が行われ、2回変更が行われる。
【0085】
このように周波数データ変更部12を実現する第2の方法を用いることにより、周波数データの分布を考慮した変更が可能となり、周波数データの分布を考慮しない第1の方法に比べ、逆直交変換後における画像は、より鮮明な画像となる。
【0086】
ピントずれ等によりややぼやけた画像は、どのような部分においてぼけるかというと、画像のエッジ部分が特にぼける。すなわち、画像における物と物との境が不明瞭になる。ところで、画像のエッジ部分とは、高周波に該当する部分である。よって、図5からも分かるように、ピントずれ等によりややぼやけた画像の直交変換後の周波数データH0を示すd1と、点線で示す同一の画像においてピントのあった鮮明な画像の直交変換後の周波数データH0を示すd2とを比較すると、周波数データ値の差は特に周波数が大きな部分において生じている。そこで、周波数データを実現する第3の方法として、周波数による違いを考慮した周波数データの変更方法を以下に説明する。
【0087】
図9は、周波数による違いを考慮すべく、変換のために値α3を周波数毎に変えた場合の値α3を示した図である。すなわち、図5に示すようにぼけた画像と鮮明な画像とでは高周波において差が大きくなることから、高周波部分における値α3を大きくすることにより、高周波部分における周波数データの変更を大きくする。
【0088】
なお、値α3は、〔7〕式のように定義することができる。
【0089】
【数5】
Figure 0003750164
【0090】
ここで、nは周波数を表し、βは予め定められた定数を表す。また、βは〔8〕式のように定義する。
【0091】
【数6】
Figure 0003750164
【0092】
βの値をこのように定義することで、α3は1から2の間で変化し、高周波ほど大きな値をとることになる。なお、〔7〕式〔8〕式は、値α3の一例でありこれに限定されるものではない。
【0093】
周波数データ変更部12を実現する第3の方法による周波数データの変更例を図10に示す。図10は図5の処理対象となるややぼやけた画像の直交変換後の周波数データH0であるd1に周波数データ変更部12を実現する第3の方法による周波数データの変更を行った後の周波数データH0であるd5を示したものである。この処理により、例えば変更前の周波数データa(4,0)は変更後にはA(4,0)(=a(4,0)×α3(4))に、a(6,0)はA(6,0)(=a(6,0)×α3(6))に変更される。
【0094】
なお、直交変換部11により変換された周波数領域の周波数データ全体に対する処理においては、周波数データ(n,m)をa(n,m)、予め準備されている値α3(k)を用いた変更後の周波数データ(n,m)をA(n,m)とすると、式〔9〕のようになる。ここで、max(n,m)はn、mのうち大きい方の値を選択する関数である。
【0095】
【数7】
Figure 0003750164
【0096】
なお、〔7〕式に定義する値α3を用いる場合、直流成分におけるα3(0,0)の値は1であるので、周波数データ変更部12を実現する第1あるいは第2の方法のように処理対象外とする必要はない。ただし、直流成分におけるα3(0,0)の値が1以外の場合は処理対象とする。これは変換後の画像の輝度変化が大きく変化しないようにするためである。
【0097】
周波数データ変換部12を実現する第3の方法は周波数データの変更のための値α3を高周波部分において大きくしているので、高周波部分における周波数データの変更を大きくしている。そのため、ピントずれ等によりややぼやけた画像における高周波情報を多くすることができ、より鮮明な画像を得ることができるようになる。
【0098】
周波数データ変更部12を実現する第3の方法は、ピントのずれ等によりややぼけた画像等の特性を考慮して高周波部分における周波数データの変更を大きくできるような値α3を予め準備しているので、鮮明な画像を得ることが可能となる。しかし、周波数データ変更部12を実現する第3の方法においては、周波数データの値が0を中心として、周波数データの変更処理を行っているが、周波数データの分布は、必ずしも0が中心となるとは限らず、周波数データの分布を考慮した変更とは言えない。そのため、逆直交変換後における画像は十分に鮮明な画像とはならない。そこで、ピントのずれ等によりややぼけた画像等の特性を考慮するとともに、周波数データの分布を考慮した周波数データの変更を行うことにより、より鮮明な画像が得られるような周波数データ変更部12を実現する第4の方法について以下に説明する。
【0099】
周波数データ変更部12を実現する第4の方法とは、周波数データの分布を平均値を用いることにより周波数データの分布の考慮を行う。すなわち、平均値を中心として周波数データに予め準備されている値α4を掛けることにより周波数データの変更を行う。なお、値α4は〔7〕式に示した値α3を使うものとする。
【0100】
具体例を図11、図12を用いて説明する。図11は、図5に示すややぼやけた画像の直交変換後の周波数データH0であるd1を周波数データ変更部12を実現する第4の方法で処理した周波数データH0であるd6を示したものであり、図12は処理の流れを示すフローチャートである。
【0101】
まず、周波数データの分布を考慮すべく周波数データの平均値bをもとめる(ステップs21)。なお、平均値を求める際は直流成分を除いた周波数データを用いて行う。直流成分は処理対象としないからである。
【0102】
次に、直流成分を除いた処理対象とする周波数データa(n,m)から平均値bを引いた値に対して予め準備されている値α4(max(n,m))を掛け、それに平均値bを加えることにより、新たな周波数データA(n,m)を求める(ステップs22)。例えば、図11を例にすると、周波数データa(4,0)はこの変更により、
A(4,0)=b+(a(4,0)−b)×α4(max(4,0)) ・・・ 〔10〕
〔10〕式のようになり、周波数データa(6,0)はこの変更により、
A(6,0)=b+(a(6,0)−b)×α4(max(6,0)) ・・・ 〔11〕
〔11〕式のようになる。
【0103】
なお、上記例では、平均値を求め周波数データの変更を行う単位として、直流成分を除く周波数領域の全周波数データを単位としている。
【0104】
別な処理単位として、図5に示す周波数データ群であるH0からHn-1、V0からVn-1を単位としてもよい。この場合、H0からHn-1の処理を行った後に、続いてV0からVn-1の処理を行う様にする。なぜならば、処理対象とする画像のサンプリングは直角に行われているため、水平あるいは垂直の周波数データ群間での関係が強いからである。なお、この場合も直流成分は処理の対象としない。
【0105】
また、周波数データ群であるH0からHn-1、V0からVn-1を単位する処理においては、周波数領域の全周波数データを単位とする処理を行う場合の値α4の平方根をとった値をとして用いる。なぜならば、横方向、縦方向で2度の処理が行われるためである。
【0106】
このように周波数データ変更部12を実現する第4の方法を用いることにより、ピントのずれ等によりややぼけた画像等の特性を考慮するとともに、周波数データの分布を考慮した周波数データの変更を行える。そのため、より鮮明な画像が得られるようになる。また、図5のピントの合った鮮明な画像の周波数データH0であるd2と図11に示した処理後のd6を比較するとより近い値に変更されていることが分かる。
【0107】
次に、逆直交変換部13について説明する。逆直交変換部13は周波数データ変更部12にて処理された周波数領域を実領域へと逆変換を行う処理をする。逆直交変換方法は、直交変換部11での直交変換方法と同じ種類の変換方法を用いて行なう。すなわち、直交変換部11でDCT変換を用いた場合は逆DCT変換、直交変換部11でアダマール変換を用いた場合は逆アダマール変換とする。一例として、M×Nのブロックサイズの逆DCT変換式を〔12〕式に示す。なお、アダマール変換の場合は、周波数領域への変換も実領域への変換も〔3〕式により実現できる。すなわち、アダマール変換は正変換、逆変換とも同じ方法により実現できる。
【0108】
【数8】
Figure 0003750164
【0109】
なお、周波数データ変更部12の処理により、逆直交変換後の実領域におけるデータ値が本来表せるデータ範囲を越える場合がある。例えば、実領域におけるデータ値(この場合「輝度値」等がこれに相当する)が0から255までの範囲をとるものとすると、逆直交変換後のデータ値が、−10や260等になる場合がある。その場合は、0以下のデータ値であれば0に、255以上のデータ値であれば、255に修正する処理を逆直交変換部13は行うものとする。
【0110】
第1の実施の形態における画像処理方法および画像処理装置は、N×Nという範囲を参照した鮮明化処理を行うため、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクによる鮮明化のように局所的な情報に基づく鮮明化処理のために生じるエッジ部分において色が白く抜ける現象である偽輪郭が生じるという問題が生じず、かつ固定の定数で自然に鮮明化が行えるので、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクによる鮮明化を行う際の偽輪郭が生じるのを防止するための係数値を変えるという試行錯誤が必要とされることがないという効果を有する。
【0111】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は画像の拡大・縮小を行うと共に画像の鮮明化を同時に行なうことを可能とした画像処理方法および装置に関する。
【0112】
図13は、第2の実施の形態の構成を説明するブロック図である。20は画像処理装置2内に設けられた画像拡大鮮明化部である。画像拡大処理部20は画像の拡大・縮小とも可能であるが、ここでは単に「画像拡大鮮明化部」とする。画像拡大鮮明化部20は処理対象となる実空間の画像の領域を周波数空間の領域へ変換するために、直交変換を行う直交変換部11、拡大・縮小率に合わせた周波数領域を準備する領域拡張部21、周波数領域に変換された周波数データの変更を行うことにより画像の鮮明化を行う周波数データ変更部12、周波数データ変更部12で変更された周波数領域の周波数データを実領域に変換を行う逆直交変換部13、およびこれら各処理部を接続するためのバス14より構成される。また、15は処理対象となる原画像の入力を行うための画像入力装置15であり、光学的な画像入力を行う場合は光学的画像入力装置(たとえばスキャナ)や通信による入力装置、あるいは画像デ−タを蓄える記憶装置などである。なお、第1の実施の形態において説明した図1に示す画像処理装置1と同一の構成部分は同一の番号を用いている。
【0113】
また、前記各処理部は、ハードロジックにより構成されるものであっても、さらにCPUを付加することによりソフト的な処理により実現されるものであってもよい。
【0114】
次に画像拡大鮮明化部20全体の概略的な処理の流れについて説明する。図14はそのフローチャートである。
【0115】
まず、図3(a)のように原画像101をある大きさ、例えばN×N画素の大きさに分割したものを1つのブロック(ブロックB1,B2,・・・)とし、そのN×N画素のブロックを1つの単位として、直交変換部11により実領域から周波数領域へ変換を行うために直交変換を行う(ステップs31)。
【0116】
次に拡大率γに合わせて、周波数領域の周波数領域の準備を行うとともに、周波数領域における画像の拡大処理を行う(ステップs32)。
【0117】
そして、周波数データ変換部12により周波数領域の周波数データに変更を加えることにより周波数領域における画像の鮮明化処理を行う(ステップs33)。
【0118】
次に、逆直交変換部13により周波数データ変更部12で変更された周波数領域の周波数データを数領域を実領域へ逆直交変換を行い、1つのブロックの処理が終了する(ステップs34)。この処理により(γ×N)×(γ×N)の拡大・縮小画像が得られると共に画像の鮮明化がされることになる。
【0119】
そして、分割された全ブロックの処理が終了しているか否かの判断を行い、全ブロックの処理が終了していなければ、次のブロックの処理を行ない、全ブロックの処理が終了していれば、処理を終了する(ステップs35)。
【0120】
ここで、ブロックサイズが問題となるが、これは任意であり、縦横の大きさが違っていてもよく、また画像全体を1つのブロックとしてもよい。ただし、処理時間はブロックサイズが小さいほど早くなるため、処理速度と処理精度との関係から一般には4画素〜16画素程度のブロックサイズで処理を行うのが都合がよい。
【0121】
なお、画像をブロックに分割することにより拡大画像においてブロックの境界部分に歪みが生じる場合があるが、図3(b)のように、隣合うブロックの一部分が重なるようなブロックの分割を行い、逆直交変換後の画像において重なりのある部分については、画素単位での画素値(たとえば濃度値)の平均を求めることによりブロック歪みの低減を図ることができることは、第1の実施の形態で説明した通りである。
【0122】
次に、前記した各処理部について図15を用いて説明する。まず、直交変換部11は第1の実施の形態で説明した内容と同じであるのでここでは省略する。なお、直交変換部11によりN×Nの実領域の画像図15(a)が、N×Nの周波数領域の周波数データ図15(b)に変換される。
【0123】
次に領域拡張部21により拡大率γに応じた周波数領域の準備を行う。準備する周波数領域の大きさは(γ×N)×(γ×N)である。なお、拡大処理の場合はγは1以上となり、N×Nより大きな領域が準備されることとなり、縮小処理の場合はγは1以下となり、N×Nより小さな領域が準備されることとなる。
【0124】
さらに領域拡張部21は、このように準備された領域に、直交変換部11により変換された周波数領域を図15(c)に示すように直流成分を一致させてコピーを行う。なお、拡大処理においては、コピーされない領域ができるが、この部分は図15(c)に示すように「ゼロ」を埋める。また、縮小処理においては、直交変換部11により変換された周波数領域の全ての部分がコピーされないこととなるが、この部分はコピーを行わず破棄する。
【0125】
なお、領域拡張部21は、拡大処理においてコピーされない領域に「ゼロ」を埋める代わりに特開平6−54172に示すような高周波成分の復元処理を行うものであってもよい。
【0126】
そして周波数データ変更部12により周波数領域における鮮明化処理を行うべく周波数データの変更を行う。なお、周波数データ変更部12の処理内容は処理する周波数領域の大きさがN×Nではなく(γ×N)×(γ×N)である点に相違があるだけで実施例1で説明した内容と同様であり、周波数データ変更部12を実現する第1から第4のいずれの方法を用いてもよい。なお、周波数データ変更部12におけるそれぞれの処理内容については第1の実施の形態にて詳細に説明したので、ここではその説明は省略する。
【0127】
最後に、逆直交変換部13により周波数データ変更部12により変更された周波数領域を実画像領域に戻すべく逆直交変換を行う。なお、逆直交変換部13の処理内容は処理する周波数領域の大きさがN×Nではなく(γ×N)×(γ×N)である点、直交変換部11と変換する領域の大きさが異なることによる全エネルギーに相違があるだけで、第1の実施の形態で説明した内容と同様でありここではその処理内容の説明を省略する。
【0128】
以上第2の実施の形態で説明した画像処理方法および画像処理装置を用いることにより、従来の拡大・縮小画像に対する鮮明化処理のように一度拡大・縮小処理をした後に、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクにより鮮明化を行うという2段階の処理を行わなければならないという問題が解決でき、一度の処理で拡大・縮小および鮮明化処理が可能となる。
【0129】
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態を説明する。この第3の実施の形態は、直交変換を用いた画像の圧縮・展開方法において、圧縮・展開処理とともに、鮮明化処理を同時に行なうものである。なお、この第3の実施の形態では、直交変換を用いた画像の圧縮・展開の例として、入力されたカラー画像を前記したJPEGを用いて圧縮・展開する例について説明する。
【0130】
まず、直交変換を用いた圧縮・展開の一例であるJPEGの処理について図16のフローチャートを参照しながら簡単に説明する。図16(a)は圧縮の流れ、同図(b)は展開の流れを示している。
【0131】
JPEGにおいては、8×8(画素)のブロックを処理単位とする。これは、JPEGに用いられる直交変換はディスクリート・コサイン変換(DCT)であり、このDCTにおいては、8×8(画素)単位で直交変換処理(および逆直交変換処理)を行うためである。
【0132】
以下、図16(a)により、圧縮処理について説明する。まず、色変換処理(ステップs41)を行う。この色変換処理は、ある色空間、例えばRGB色空間を輝度(Y)・彩度(U,V)の色空間であるYUV色空間に変換する。これは、人間の視覚特性を考慮したもので、人間は輝度(Y)の変換には敏感であるが、彩度(U,V)にはあまり敏感でないため、この色空間に変換し、彩度情報を落とす、つまり、彩度情報を間引いて情報量を減らすことにより、画像データの圧縮率を高めるためである。
【0133】
この色変換処理を行ったのち、直交変換処理を行う(ステップs42)。この直交変換処理は、DCTが用いられ、8×8(画素)を処理単位として直交変換を行う。この直交変換処理は、前記したように、実空間の画像データを周波数空間の画像データに変換する処理である。このように周波数空間の画像データに変換されることにより、次のステップs43の量子化処理において、高周波成分のデータ量を落としやすくすることができる。なお、高周波成分のデータ量を落とすのは、画像データの高周波成分は低周波成分に比べてデータ量を多少間引いても画像の劣化が目立ちにくいためである。この直交変換以下の処理はY,U,Vそれぞれ独立に行われる。
【0134】
前記量子化処理(ステップs43)は、情報量を落とす処理として、周波数空間に変換された8×8(画素)のブロックに対して、そのブロック内の各要素ごとに定められたある値で割ることにより量子化を行う。なお、高周波成分ほど大きな値で量子化される。この量子化処理を行ったのち、符号化処理を行う(ステップs44)。
【0135】
符号か処理は、量子化された8×8(画素)で構成されるブロックを、相関が高いと考えられる1次元配列に変換し符号化処理を行う。符号化方式はDC成分がDPCM(Differential PCM)、AC成分がランレングス・ハフマン符号化により行われる。そして、すべてのブロックが終了したか否かを判断して(ステップs45)、すべてのブロック処理が終了すると処理を終える。
【0136】
以上が圧縮処理であり、次に、図16(b)によって展開処理(圧縮された画像データを展開する処理)について説明する。
【0137】
図16(b)において、復号化処理(ステップs51)は、圧縮データの復号化を行い、復号化された1次元の配列を8×8(画素)のブロックにする。次に、逆量子化処理(ステップs52)を行い、前記量子化処理で割った値を掛けることにより逆量子化を行う。そして、逆直交変換処理(ステップs53)により、IDCT(Inverse DCT)を用いて、逆直交変換を行たのち、色変換処理(ステップs54)により、YUV色空間を必要とする色空間、例えばRGB色空間に変換する。そして、全ブロック終了か否かを判断して(ステップs55)、すべてのブロック処理が終了すると処理を終える。
【0138】
以上が直交変換を用いたJPEGの処理の概略である。このような直交変換を用いた圧縮・展開処理においては、高周波成分のデータを量子化処理により落とすために、展開後の画像は一般にぼやけたものとなる。そこで、周波数空間に変換された周波数領域において、前記第1、第2の実施の形態で説明したように、周波数データの変更を行うことにより、画像のぼやけを解消し、画像の鮮明化を図る。
【0139】
これを実現するための実施の形態を本発明の第3の実施の形態として以下に説明する。
【0140】
図17は第3の実施の形態の構成を説明するブロック図である。なお、ここでは、直交変換を用いた画像の圧縮・展開の例として、JPEGを用いた例について説明する。
【0141】
図17において、30は画像処理装置3内に設けられた圧縮展開画像鮮明化部である。この圧縮展開画像鮮明化部30は、大きく分けると、圧縮処理部31と展開処理部32によって構成される。圧縮処理部31は、色変換部311、量子化部312、符号化部313、さらに、図1、図2に示した直交変換部11などにより構成されている。一方、展開処理部32は、復号化部321、逆量子化部322、色変換部323、さらに、図1、図2に示した周波数データ変更部12、逆直交変換部13などから構成されている。その他、図1、図2と同様、各処理部を接続するためのバス14、画像入力装置15が設けられ、これら図1、図2と同一符号が付されたものは、図1、図2で示したものと同様の機能を有するものである。なお、この場合、JPEG処理であるので、直交変換部11はDCTであり、逆直交変換部はIDCT(Inverse DCT)である。
【0142】
なお、前記各処理部は、ハードロジックにより構成されるものであっても、さらにCPUを付加することによりソフト的な処理により実現されるものであってもよい。
【0143】
このような構成において、画像のぼやけを解消するための処理の流れを図18により説明する。図18は画像の展開処理において画像の鮮明化処理を施した例を示している。図18が図16(b)と異なるのは、逆量子化処理後に、「周波数データの変更」を行っている点にある。つまり、図18において、復号化処理(ステップs61)によって、圧縮データの復号化を行い、復号化された1次元の配列を8×8(画素)のブロックにする。次に、逆量子化処理(ステップs62)を行い、前記量子化処理で割った値を掛けることにより逆量子化を行う。そして、周波数データの変更処理(ステップs63)を行ったのち、逆直交変換処理(ステップs64)により、IDCT(Inverse DCT)を用いて逆直交変換を行い、その後、色変換処理(ステップs65)により、YUV色空間を必要とする色空間に変換する。そして、全ブロック終了か否かを判断して(ステップs66)、すべてのブロック処理が終了すると処理を終える。
【0144】
このように、逆量子化処理(ステップs62)の後に、周波数データ変更処理(ステップs63)を行うことにより、画像のぼやけを解消し、鮮明な画像とすることができる。なお、周波数データの変更処理は、第1の実施の形態で説明した第1の方法から第4の方法と同様の方法により行われる。したがって、ここでは、これらの周波数データの変更処理については説明を省略する。
【0145】
ところで、逆量子化処理は、ある係数を掛ける処理であり、周波数データの変更処理もある係数を掛ける処理である。そこで、逆量子化処理において周波数データの変更処理をも考慮した係数を掛けることで、逆量子化処理と周波数データの変更処理を同時に行うことができる。
【0146】
すなわち、あらかじめ逆量子化において掛ける係数K1(K1は8画素×8画素で構成されるブロックの各要素によって決まる値)と周波数データの変更処理において掛ける係数K2(K2は前記第1の実施の形態で説明したα1,α2,α3,α4のいずれかに相当する値であって、8画素×8画素で構成されるブロックの各要素に共通の場合もあるが、各要素によって異なる場合もある)をそれぞれ掛け合わせた係数K3(K3(i,j)=K1(i,j)×K2(i,j)、0≦i,j≦7)をあらかじめ用意し、これを新たに逆量子化における係数とすることにより、逆量子化処理を周波数データの変更処理に含めることが可能となる。また、係数K3をあらかじめ準備できる場合には、処理速度の低下を招くことがない。たとえば、前記第1の実施の形態にて説明した第1の方法のように、予め準備したα1を周波数データに掛け算(〔1〕式参照)して周波数データの変更処理を行う場合には、前記係数K3は予め準備しておくことができる。これに対して、第2の方法のように、周波数データの平均値を求めてこの平均値を中心として周波数データに定数α2を掛け算するというような処理を行う場合は、平均値を求めるという処理が必要であるため、前記係数K3を予め準備しておくということはできない。
【0147】
なお、前記周波数データの変更処理は、以上の説明では、展開処理側にて行う場合を説明したが、図16(a)における圧縮処理において、直交変換の後、量子化処理の前に周波数データ変更処理を行うことも考えられるが、前記周波数データ変更処理は、高周波成分を増やすことになるので、圧縮率の低下を招くことになる。また、図16において、同図(a)の量子化における係数と、同図(b)の逆量子化における係数を変えることによっても、周波数データの変更が実現できる。このようにすれば、展開処理側で周波数データの変更を行う場合と同様の効果を有して圧縮処理側での周波数データの変更が可能となる。
【0148】
以上説明したように、この第3の実施の形態によれば、画像の展開処理とともに、周波数データの変更処理を行うので、画像の圧縮率の低下を生じることなく、画像のぼやけを解消し、鮮明な画像を得ることができる。また、逆量子化処理を周波数データの変更処理に含めることも可能であり、これにより、処理速度の低下を招くことがない。
【0149】
なお、前記した例では、直交変換を用いた圧縮・展開の例としてJPEGについて説明したが、これに限らず、直交変換を用いる他の圧縮・展開にも用いることができるのは言うまでもない。また、JPEGは静止画像に対する圧縮方式であるが、直交変換を用いた動画に対する圧縮・展開、例えばMPEG(Moving Picture Expert Group)においても応用可能である。
【0150】
また、以上説明した本発明の処理を行うプログラムはフロッピィディスクなどの記憶媒体に記憶させておくことが可能であり、本発明は、その処理プログラムが記憶された記憶媒体をも含むものである。
【0151】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、原画像を周波数領域に変換するために予め大きさが決められた処理ブロックに対して原画像の直交変換を行い、直交変換された周波数領域の周波数データを周波数領域での特性を考慮して予め用意された定数を用いて周波数データの変更を行い、変更された周波数領域の周波数データの逆直交変換を行い原画像を鮮明化するようにしているので、従来の鮮明化処理であるエッジ強調フィルタやアンシャープマスクによる局所的な情報に基づく処理において生じるエッジ部分において色が白く抜ける現象である偽輪郭が生じるという問題が生じることがない。また、従来例における偽輪郭が生じるのを防止するための係数値を変えるという試行錯誤も必要とない。
【0152】
また、本発明は原画像を予め大きさが決められた処理ブロックに対して原画像の直交変換を行い、拡大率に応じた周波数領域を用意し周波数領域における拡大・縮小を行い、作成された周波数領域の周波数データを周波数領域での特性を考慮して予め用意された定数を用いて周波数データの変更を行い、変更後の周波数領域の周波数データの逆直交変換を行い、原画像を拡大・縮小するとともに鮮明化するようにしているので、拡大・縮小処理をした後に、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクにより鮮明化を行うという2段階の処理を行うことなく、一度の処理過程で拡大・縮小および鮮明化処理が可能となる。
【0153】
さらに、本発明は、直交変換を用いた圧縮・展開処理において、直交変換後の周波数領域における周波数データの変更を行い、変更後の周波数領域の周波数データを展開処理して逆直交変換を行なうことで、画像データの圧縮・展開処理をおこなうとともに、鮮明化された画像を得るようにしているので、従来の圧縮・展開画像に対する鮮明化処理のように一度圧縮・展開処理をした後に、エッジ強調フィルタやアンシャープマスクにより鮮明化を行うという2段階の処理を行わなければならないという問題が解決でき、一度の処理で圧縮・展開および鮮明化処理が可能となる。また、前記周波数データ変更を、展開処理工程にて行い、展開処理を行うために掛ける係数を考慮した値を掛けることによって周波数データの変更を行うようにすれば、画像の圧縮率の低下を生じることなく、また、展開処理を周波数データ変更処理に含めて2つの処理を同時に行うことができることから、処理速度の低下を招くことがなくなり、圧縮・展開処理における画像の鮮明化処理全体を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を説明するブロック図。
【図2】第1の実施の形態の全体的な処理を説明するフローチャート。
【図3】原画像をブロックに分割する例を説明する図。
【図4】周波数領域を説明するための図。
【図5】周波数領域における鮮明化処理の概念を説明するための図。
【図6】第1の方法による鮮明化処理を説明するための図。
【図7】第2の方法による鮮明化処理を説明するための図。
【図8】第2の方法による鮮明化処理を説明するフローチャート。
【図9】第3の方法による鮮明化処理における値α3を示した図。
【図10】第3の方法による鮮明化処理を説明するための図。
【図11】第4の方法による鮮明化処理を説明するための図。
【図12】第4の方法による鮮明化処理を説明するフローチャート。
【図13】本発明の第2の実施の形態の構成を説明するブロック図。
【図14】第2の実施の形態の全体的な処理を説明するフローチャート。
【図15】第2の実施の形態の処理内容を説明するための図。
【図16】本発明の第3の実施の形態を説明するためにJPEGによる一般的な圧縮・展開の全体的な処理を説明するフローチャート。
【図17】本発明の第3の実施の形態の構成を説明するブロック図。
【図18】第3の実施の形態の処理の一例を説明するフローチャート。
【図19】エッジ強調処理に用いられるフィルタ例を示す図。
【図20】図19に示すフィルタを用いてエッジ強調処理を行おうとする画像データ例を示す図。
【符号の説明】
1,2,3・・・画像処理装置
10・・・画像鮮明化部
11・・・直交変換部
12・・・周波数データ変更部
13・・・逆直交変換部
20・・・画像拡大鮮明化部
21・・・領域拡張部
30・・・圧縮展開画像鮮明化部
31・・・圧縮処理部
32・・・展開処理部
311・・・色変換部
312・・・量子化部
313・・・符号化部
321・・・復号化部
322・・・逆量子化部
323・・・色変換部

Claims (20)

  1. 画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を鮮明化処理する画像鮮明化工程を有する画像処理方法において、
    前記画像鮮明化工程は、直交変換工程、周波数データ変更工程、逆直交変換工程を有し、前記画像入力手段により入力された画像データを前記直交変換工程により直交変換し、前記原画像を周波数領域に変換したのち、前記周波数データ変更工程により、前記直交変換工程で直交変換された周波数領域における周波数データの平均値を求め、前記周波数データと前記求められた平均値の差に対して予め準備されている定数を掛けることにより前記周波数データの変更を行い、その変更後の周波数データを前記逆直交変換工程により逆直交変換して、前記原画像の鮮明化を行うことを特徴とする画像処理方法。
  2. 画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を鮮明化処理する画像鮮明化工程を有する画像処理方法において、
    前記画像鮮明化工程は、直交変換工程、周波数データ変更工程、逆直交変換工程を有し、前記画像入力手段により入力された画像データを前記直交変換工程により直交変換し、前記原画像を周波数領域に変換したのち、前記周波数データ変更工程により、前記直交変換工程で直交変換された周波数領域における周波数データの平均値を求め、処理対象の周波数データと前記平均値の差に対して、前記処理対象の周波数データの周期ごとに予め準備されている値を掛けることにより周波数データの変更を行い、その変更後の周波数データを前記逆直交変換工程により逆直交変換して、前記原画像の鮮明化を行うことを特徴とする画像処理方法。
  3. 前記周波数データ変更工程は、直流成分である周波数データに対しては、その周波数データの変更処理の対象としないことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理方法。
  4. 画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を所定の倍率に拡大・縮小し、鮮明化処理する画像拡大鮮明化工程を有する画像処理方法において、
    前記画像拡大鮮明化工程は、直交変換工程、領域拡張工程、周波数データ変更工程、逆直交変換工程を有し、前記画像入力手段により入力された画像データを前記直交変換工程により直交変換し、前記原画像を周波数領域に変換したのち、前記領域拡張工程により拡大率に応じた周波数領域を用意し、その周波数領域の拡大・縮小を行い、前記周波数データ変更工程により、前記領域拡張工程で作成された周波数領域における周波数データの平均値を求め、前記周波数データと前記求められた平均値の差に対して予め準備されている定数を掛けることにより周波数データの変更を行い、前記逆直交変換工程により前記変更後の周波数データの逆直交変換を行い、前記原画像を拡大・縮小するとともに鮮明化を行うことを特徴とする画像処理方法。
  5. 画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を所定の倍率に拡大・縮小し、鮮明化処理する画像拡大鮮明化工程を有する画像処理方法において、
    前記画像拡大鮮明化工程は、直交変換工程、領域拡張工程、周波数データ変更工程、逆直交変換工程を有し、前記画像入力手段により入力された画像データを前記直交変換工程により直交変換し、前記原画像を周波数領域に変換したのち、前記領域拡張工程により拡大率に応じた周波数領域を用意し、その周波数領域の拡大・縮小を行い、前記周波数データ変更工程により、前記領域拡張工程で作成された周波数領域の周波数データの平均値を求め、処理対象の周波数データと前記平均値の差に対して、前記処理対象の周波数データの周期ごとに予め準備されている値を掛けることにより周波数データの変更を行い、前記逆直交変換工程により前記変更後の周波数データの逆直交変換を行い、前記原画像を拡大・縮小するとともに鮮明化を行うことを特徴とする画像処理方法。
  6. 前記周波数データ変更工程は、直流成分である周波数データに対しては、その周波数データの変更処理の対象としないことを特徴とする請求項4または5に記載の画像処理方法。
  7. 画像入力手段により入力された画像データを直交変換を用いて圧縮・展開し、鮮明化処理する圧縮展開画像鮮明化工程を有する画像処理方法において、
    前記圧縮展開画像鮮明化工程は、画像データを直交変換後に圧縮処理を行う圧縮処理工程と、圧縮データを展開処理後に逆直交変換行う展開処理工程の少なくともいずれか一方の工程を有し、さらに、前記圧縮・展開処理工程のいずれか一方に周波数データの変更を行う周波数データ変更工程を加えて成り、前記画像入力手段により入力された画像データを直交変換し、前記原画像を周波数領域に変換したのち、前記周波数データ変更工程により、前記周波数領域における周波数データの平均値を求め、前記周波数データと前記求められた平均値の差に対して予め準備されている定数を掛けることにより周波数データの変更を行い、その変更後の周波数データを前記逆直交変換工程により逆直交変換して、前記原画像を圧縮・展開するとともに鮮明化を行うことを特徴とする画像処理方法。
  8. 画像入力手段により入力された画像データを直交変換を用いて圧縮・展開し、鮮明化処理する圧縮展開画像鮮明化工程を有する画像処理方法において、
    前記圧縮展開画像鮮明化工程は、画像データを直交変換後に圧縮処理を行う圧縮処理工程と、圧縮データを展開処理後に逆直交変換行う展開処理工程の少なくともいずれか一方の工程を有し、さらに、前記圧縮・展開処理工程のいずれか一方に周波数データの変更を行う周波数データ変更工程を加えて成り、前記画像入力手段により入力された画像データを直交変換し、前記原画像を周波数領域に変換したのち、前記周波数データ変更工程により、前記周波数領域における周波数データの平均値を求め、処理対象の周波数データと前記平均値の差に対して、前記処理対象の周波数データの周期ごとに予め準備されている値を掛けることにより周波数データの変更を行い、その変更後の周波数データを前記逆直交変換工程により逆直交変換して、前記原画像を圧縮・展開するとともに鮮明化を行うことを特徴とする画像処理方法。
  9. 前記周波数データ変更工程は、展開処理工程にて行い、展開処理を行うために掛ける係数を考慮した値を掛けることによって周波数データの変更を行うことを特徴とする請求項7または8に記載の画像処理方法。
  10. 前記周波数データ変更工程は、直流成分である周波数データに対しては、その周波数データの変更処理の対象としないことを特徴とする請求項7、8または9に記載の画像処理方法。
  11. 画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を鮮明化処理する画像鮮明化工程を有する画像処理装置において、
    前記画像鮮明化手段は、
    前記原画像を周波数領域に変換するために原画像の直交変換を行なう直交変換手段と、
    前記前記直交変換手段で直交変換された周波数領域の周波数データを、前記周波数領域における周波数データの特性を考慮して変更する周波数データ変更手段と、
    前記周波数データ変更手段により変更された周波数領域における周波数データの逆直交変換を行なう逆直交変換手段と、
    を有し、
    前記周波数データ変更手段は、前記直交変換手段で直交変換された周波数領域における周波数データの平均値を求め、前記周波数データと前記求められた平均値の差に対して予め準備されている定数を掛けることにより前記周波数データの変更を行うことを特徴とする画像処理装置。
  12. 画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を鮮明化処理する画像鮮明化工程を有する画像処理装置において、
    前記画像鮮明化手段は、
    前記原画像を周波数領域に変換するために原画像の直交変換を行なう直交変換手段と、
    前記前記直交変換手段で直交変換された周波数領域の周波数データを、前記周波数領域における周波数データの特性を考慮して変更する周波数データ変更手段と、
    前記周波数データ変更手段により変更された周波数領域における周波数データの逆直交変換を行なう逆直交変換手段と、
    を有し、
    前記周波数データ変更手段は、前記直交変換手段で直交変換された周波数領域における周波数データの平均値を求め、処理対象の周波数データと前記平均値の差に対して、前記処理対象の周波数データの周期ごとに予め準備されている値を掛けることにより前記周波数データの変更を行うことを特徴とする画像処理装置。
  13. 前記周波数データ変更手段は、直流成分である周波数データに対しては、その周波数データの変更処理の対象としないことを特徴とする請求項11または12に記載の画像処理装置。
  14. 画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を所定の倍率に拡大・縮小し、鮮明化処理する画像拡大鮮明化手段を有する画像処理装置において、
    前記画像拡大鮮明化手段は、
    前記原画像を周波数領域に変換するために原画像の直交変換を行なう直交変換手段と、
    拡大率に応じた周波数領域を用し、周波数領域における領域の拡大・縮小を行う領域拡張手段と、
    前記領域拡張手段により作成された周波数領域における周波数データを、前記周波数領域における周波数データの特性を考慮して変更する周波数データ変更手段と、
    前記変更後の周波数領域における周波数データの逆直交変換を行なう逆直交変換手段と、
    を有し、
    前記周波数データ変更手段は、前記領域拡張手段で作成された周波数領域における周波数データの平均値を求め、前記周波数データと前記求められた平均値の差に対して予め準備されている定数を掛けることにより周波数データの変更を行うことを特徴とする画像処理装置。
  15. 画像入力手段により入力された原画像に含まれる画像情報に基づいて画像を所定の倍率に拡大・縮小し、鮮明化処理する画像拡大鮮明化手段を有する画像処理装置において、
    前記画像拡大鮮明化手段は、
    前記原画像を周波数領域に変換するために原画像の直交変換を行なう直交変換手段と、
    拡大率に応じた周波数領域を用し、周波数領域における領域の拡大・縮小を行う領域拡張手段と、
    前記領域拡張手段により作成された周波数領域における周波数データを、前記周波数領域における周波数データの特性を考慮して変更する周波数データ変更手段と、
    前記変更後の周波数領域における周波数データの逆直交変換を行なう逆直交変換手段と、
    を有し、
    前記周波数データ変更手段は、前記領域拡張手段で作成された周波数領域の周波数データの平均値を求め、処理対象の周波数データと前記平均値の差に対して、前記処理対象の周波数データの周期ごとに予め準備されている値を掛けることにより周波数データの変更を行うことを特徴とする画像処理装置。
  16. 前記周波数データ変更手段は、直流成分である周波数データに対しては、その周波数データの変更処理の対象としないことを特徴とする請求項14または15に記載の画像処理方法。
  17. 画像入力手段により入力された画像を直交変換を用いて圧縮・展開し、鮮明化処理する圧縮展開画像鮮明化手段を有する画像処理装置において、
    前記圧縮展開画像鮮明化手段は、
    直交変換手段により直交変換された周波数領域における周波数データを用いて圧縮処理を行う圧縮処理手段と、
    前記圧縮処理手段により圧縮された圧縮データを展開処理後に逆直交変換行う展開処理手段と、
    の少なくともいずれか一方の手段を有し、前記直交変換後の周波数データを前記周波数領域における周波数データの特性を考慮して変更する周波数データ変更手段を、前記圧縮・展開処理手段のいずれか一方に設け、
    前記周波数データ変更手段は、前記周波数領域における周波数データの平均値を求め、前記周波数データと前記求められた平均値の差に対して予め準備されている定数を掛けることにより周波数データの変更を行うことを特徴とする画像処理装置。
  18. 画像入力手段により入力された画像を直交変換を用いて圧縮・展開し、鮮明化処理する圧縮展開画像鮮明化手段を有する画像処理装置において、
    前記圧縮展開画像鮮明化手段は、
    直交変換手段により直交変換された周波数領域における周波数データを用いて圧縮処理を行う圧縮処理手段と、
    前記圧縮処理手段により圧縮された圧縮データを展開処理後に逆直交変換行う展開処理手段と、
    の少なくともいずれか一方の手段を有し、前記直交変換後の周波数データを前記周波数領域における周波数データの特性を考慮して変更する周波数データ変更手段を、前記圧縮・展開処理手段のいずれか一方に設け、
    前記周波数データ変更手段は、前記周波数領域における周波数データの平均値を求め、処理対象の周波数データと前記平均値の差に対して、前記処理対象の周波数データの周期ごとに予め準備されている値を掛けることにより前記周波数データの変更を行うことを特徴とする画像処理装置。
  19. 前記周波数データ変更手段は、展開処理手段に設け、展開処理のために掛ける係数を考慮した値を掛けることにより周波数データの変更を行うことを特徴とする請求項17または18に記載の画像処理方法。
  20. 前記周波数データ変更手段は、直流成分である周波数データに対しては、その周波数データの変更処理の対象としないことを特徴とする請求項17、18または19に記載の画像処理装置。
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