JP2000293684A - 画像処理方法および装置並びに記録媒体 - Google Patents

画像処理方法および装置並びに記録媒体

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JP2000293684A
JP2000293684A JP2000017101A JP2000017101A JP2000293684A JP 2000293684 A JP2000293684 A JP 2000293684A JP 2000017101 A JP2000017101 A JP 2000017101A JP 2000017101 A JP2000017101 A JP 2000017101A JP 2000293684 A JP2000293684 A JP 2000293684A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原画像信号から複数のボケ画像信号を作成
し、これらの画像信号に基づいて複数の帯域制限画像信
号を作成し、各帯域制限画像信号を複数の変換関数に基
づいて変換して複数の変換画像信号を作成し、各変換画
像信号を積算して得た積算信号を原画像信号に加算して
原画像信号の特定の周波数成分を強調する処理を行なう
際に、所望とする解像度の画像に対しても原画像と同じ
周波数応答特性が得られるようにする。 【解決手段】 拡大率入力手段5から入力された所望拡
大率に最も近い解像度画像を再現可能な基準低解像度画
像信号に基づいてボケ画像信号および帯域制限画像信号
を作成する。変換関数を所望拡大率に応じてシフトして
帯域制限画像信号を変換して変換画像信号を得、これか
ら得られる積算信号を基準低解像度画像信号に加算して
中間処理済画像信号Sproc′を得、これを所望拡大率に
拡大または縮小して処理済画像信号Sprocを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像信号に対して
所定の周波数成分を強調するなどの処理を行なうための
画像処理方法および装置並びに画像処理方法をコンピュ
ータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュ
ータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、本出願人により、非鮮鋭マスク画
像信号(以下、ボケ画像信号という)を用いて周波数強
調処理あるいはダイナミックレンジ圧縮処理などを行っ
て放射線画像の診断性能を向上させる数々の画像処理方
法および装置が提案されている(特開昭55-163472号、
同55-87953号、特開平3-222577号、特開平10-75395号、
同10-171983号など)。例えば周波数強調処理は、原画
像信号Sorgからボケ画像信号Susを引いたものに強調
係数βを乗じたものを、原画像信号Sorgに加算するこ
とにより、原画像信号の所定の空間周波数成分を強調す
るものである。これを式で表すと下記の式(1)のよう
になる。 Sproc=Sorg+β×(Sorg−Sus) …(1) (Sproc:周波数強調処理された信号、Sorg:原画像
信号、Sus:ボケ画像信号、β:強調係数)
【0003】また、特開平10-75395号には、原画像信号
に加算する加算信号の周波数応答特性を調整することに
より、周波数強調処理された信号に対してアーチファク
トが発生することを防止する方法が提案されている。こ
の方法とは、まず鮮鋭度の異なる、すなわち周波数応答
特性の異なる複数のボケ画像信号を作成し、そのボケ画
像信号および原画像信号の中の2つの信号の差分をとる
ことにより、原画像信号の、ある限られた周波数帯域の
周波数成分を表す複数の帯域制限画像信号(バンドパス
信号)を作成し、さらにその帯域制限画像信号をそれぞ
れ異なる変換関数によって所望の大きさとなるように変
換してから、その複数の抑制された帯域制限画像信号を
積算することにより上記加算信号を作成するものであ
る。この処理は例えば下記の式(2)により表すことが
できる。 Sproc=Sorg+β(Sorg)×Fusm(Sorg,Sus1,Sus2,…SusN) Fusm(Sorg,Sus1,Sus2,…SusN) =f(Sorg−Sus1)+f(Sus1−Sus2)+… +fk(Susk-1−Susk)+…+f(SusN-1−SusN) …(2) (但し、Sproc:高周波成分が強調された画像信号 Sorg :原画像信号 Susk(k=1〜N):ボケ画像信号 f(k=1〜N):各帯域制限画像信号を変換する変換関
数 β(Sorg):原画像信号に基づいて定められる強調係
数)
【0004】これらの周波数強調処理においては、帯域
制限画像信号を変換する変換関数のパラメータを変更す
ることによって原画像信号に加算する加算信号の周波数
応答特性を調整することができる。このため、各変換関
数の定義次第で、アーチファクトの発生防止など所望の
周波数応答特性を有する処理済画像信号を得ることがで
きる。
【0005】さらに、特開平 10-171983号には、周波数
強調処理とダイナミックレンジ圧縮処理とを同時に施す
場合において、処理が施された信号に対してアーチファ
クトが発生することを防止する方法が提案されている。
この方法とは、上記特開平10-75395号に記載されたよう
に、複数の帯域制限画像信号を作成し、この帯域制限画
像信号に基づいて原画像信号の高周波成分に関する信号
(高周波成分信号)および低周波成分に関する信号(低
周波成分信号)を得、原画像信号にこれらの高周波成分
に関する信号および低周波成分に関する信号を加算する
ことにより周波数強調処理を施すとともにダイナミック
レンジ圧縮処理を施すようにしたものである。この処理
は例えば下記の式(3)により表すことができる。 Sproc=Sorg +β(Sorg)・Fusm(Sorg,Sus1,Sus2,…SusN) +D(Sorg−Fdrc(Sorg,Sus1,Sus2,…SusN))…(3) Fusm(Sorg,Sus1,Sus2,…SusN) ={fu1(Sorg−Sus1)+fu2(Sus1 −Sus2)+… +fuk(Susk-1−Susk )+…+fuN(SusN-1−SusN)} Fdrc(Sorg,Sus1,Sus2,…SusN) ={fd1(Sorg−Sus1)+fd2(Sus1 −Sus2)+… +fdk(Susk-1−Susk )+…+fdN(SusN-1−SusN)} (但し、Sproc:処理済画像信号 Sorg:原画像信号 Susk(k=1〜N):ボケ画像信号 fuk(k=1〜N):高周波成分信号を得るために使用す
る変換関数 fdk(k=1〜N):低周波成分信号を得るために使用す
る変換関数 β(Sorg):原画像信号に基づいて定められる強調係
数 D(Sorg−Fdrc):低周波成分信号に基づいて定めら
れるダイナミックレンジ圧縮用の信号(DはSorg−Fd
rcを変換する関数))
【0006】一方、上述した周波数強調処理などに用い
られるボケ画像信号は、原画像信号の画素に対して所定
間隔毎に所定のフィルタリング処理を施すことによって
画素を間引きし、その後間引きした数分の画素を所定の
補間方法によって補間することにより作成される。この
フィルタリング処理としては、ローパスフィルタにより
原画像信号の高周波成分を取り除くような処理、具体的
にはフィルタ内の画素値の平均値や、荷重平均値を求め
るといった処理が行われている。上記特開平10-75395号
などにおいてボケ画像信号を得るために行われるフィル
タリング処理では、原画像信号に対してフィルタリング
処理を施して得られた画素数の少ない信号に対してさら
にこのフィルタリング処理を施して、フィルタリングの
各段階で得られた画素数の少ない画像信号をそれぞれ原
画像信号と同じ画素数となるように補間することによ
り、複数の異なるボケ画像信号を作成している。
【0007】ボケ画像信号は、上記のように原画像信号
に基づいて作成されるものであるが、この原画像信号
は、読取装置により原画像信号を所定の読取密度で読取
って所定の画素密度を有する画像を再現可能なデジタル
信号としたものである。一般に、デジタル化された画像
信号を例えばプリント出力として再生する場合、画素密
度によって決定されるある周波数(ナイキスト周波数)
以下の周波数成分は正しく再生されることが知られてい
る。すなわち、読取密度すなわち画素密度は再生時に必
要となる画質レベルを考慮して決定されるため、必ずし
も一定であるとは限らない。
【0008】例えば、放射線画像読取再生システムで
は、蓄積性蛍光体シートに記録された人体の放射線画像
をレーザビーム走査によりデジタル画像信号として読取
っているが、読取密度すなわち画素密度は蓄積性蛍光体
シートの大きさによって異なったり、ユーザの設定によ
り任意の値に変更することができるものである。
【0009】ここで、読み取りの際の画素密度(読取密
度)すなわちナイキスト周波数が異なり、該信号に基づ
いて得られる画像の解像度がそれぞれ異なる画像信号に
対し、同一のローパスフィルタによるフィルタリング処
理、および同一の補間方法による補間処理を施した場
合、得られる帯域制限画像信号の周波数特性、具体的に
は帯域制限画像信号の周波数帯域は画素密度によって異
なることとなる。これにより、例えば1つの原画像を2
種類の読取密度で読み取って2種類の画素密度を有する
原画像信号を得た場合、同じボケ画像信号を用いて帯域
制限画像信号を得て周波数強調処理あるいはダイナミッ
クレンジ圧縮処理を行っても、強調される周波数帯域あ
るいは圧縮される周波数帯域は2種類の原画像信号でそ
れぞれ異なってしまうという問題が生じる。
【0010】このため、原画像信号の画素密度に関する
情報を得、その情報に基づいて複数のフィルタ係数リス
トからフィルタ係数を選択し、選択されたフィルタ係数
のフィルタによって原画像信号に対してフィルタリング
処理を行ってボケ画像信号を得るようにした方法が提案
されている(特開平10-63837号)。ここで例えば読取密
度が5本/mmと6.7本/mmの原画像信号に対して同
一のローパスフィルタによりフィルタリング処理を施す
ことにより得られる帯域制限画像信号はその周波数帯域
が異なるものとなるが、この方法によれば各原画像信号
に対してそれぞれ異なるローパスフィルタによりフィル
タリング処理を施すことにより、各原画像信号から得ら
れる帯域制限画像信号の周波数帯域を略一致させること
ができる。したがって、画素密度に拘わらず同じ周波数
特性のボケ画像信号を作成することができ、これにより
同じ周波数特性の帯域制限画像信号を作成し、所望の処
理、例えば上述したような周波数強調処理やダイナミッ
クレンジ圧縮処理などを、常に同じように行なうことが
できることとなる。
【0011】一方、原画像信号を圧縮する(データ数を
少なくする)形式としては、JPEG、GIF、TIF
Fなど種々の形式が存在するが、近年画像信号を解像度
毎に階層的に分解し、各階層毎のデータ(階層データ)
を符号化して圧縮する形式が提案されている。この圧縮
形式は、具体的には原画像信号をウェーブレット変換な
どにより原画像の1/2倍の解像度を有する複数の解
像度毎の階層画像信号に分解し、この分解された各解像
度毎の階層画像信号を階層順に符号化して1つのファイ
ルとして圧縮するものである。
【0012】この圧縮方式は以下のような特徴を有す
る。 (1)従来のJPEGで用いられているDCT方式のよ
うに、画像信号をブロック毎に処理していないため、ブ
ロック歪みのようなアーチファクトが生じない。 (2)画像信号が階層的に符号化されているため、画像
信号の転送の際に必要な解像度の情報のみを転送すれば
よく、効率的な画像転送が可能となる。 (3)画像信号が多重解像度あるいは多重分解能に分解
されているため、周波数強調処理など種々の画像処理を
比較的簡単に行なうことができる。 (4)多重解像度解析による空間と周波数との同時分解
が可能であり、符号化効率に大きく影響を与える低周波
数領域に対しては広い範囲で直交変換を行ない、高周波
領域に対しては狭い範囲で直交変換が可能となるため、
画像中のエッジ周辺部に量子化ノイズが発生しても、そ
の空間的広がりを抑えることができる。このため、ノイ
ズが知覚されにくい。
【0013】また、イーストマンコダック社が提案する
FlashPixファイルのように、1つのファイル内
に複数の性質の異なるデータを記憶することができるフ
ァイル形式が提案されているが、このようなFlash
Pix規格のファイルにも、多重解像度に分解された階
層画像信号を保管することも可能である。
【0014】このように、原画像信号を多重解像度に分
解することにより、原画像の1/2 倍の解像度を有
する複数の画像を表す階層画像信号から原画像信号を構
成することができる。そして、このような多重解像度に
分解された信号を用いて圧縮された画像は、その用途に
よって原画像と同じ解像度レベルで復元して使用された
り、あるいは途中の解像度レベルで復元して使用された
りする。例えば、プリンタのように高画質の画像を再生
する必要がある場合には、最高解像度までの画像を表す
階層画像信号に基づいて画像を復元することにより原画
像と同一解像度を有する高画質の画像を再現可能な画像
信号を得ることができる。また、CRTのようにプリン
タほど高解像度の画像を再現する必要がない場合には、
原画像よりも低解像度の画像を表す階層画像信号に基づ
いて画像信号を復元し、さらに必要であれば拡大、縮小
することにより、原画像よりは解像度が低いもののCR
Tの解像度に適した画像を再生することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多重解
像度に分解された信号を用いて圧縮された画像を、原画
像と同じ解像度レベルで復元しないで途中の解像度レベ
ルで復元して使用する場合、復元された画像の解像度
は、原画像の解像度に対して1/2倍の関係を有す
るものの、上記特開平10-63837号に記載のような、予め
想定されている読取密度に応じた解像度とは異なるた
め、上記特開平10-63837号に記載の方法を用いることは
困難であり、原画像信号について設定されるべき変換関
数を用いて所望の変換処理を行なうこととなる。この場
合、原画像信号と原画像信号よりも低い解像度の画像を
表す階層画像信号とでは周波数応答特性が異なるため、
上述した周波数強調処理を多重解像度に分解された画像
信号における原画像よりも低解像度の画像を表す画像信
号に施す場合に、原画像の解像度に対応する変換関数を
低解像度の画像に適用したのでは、原画像信号に対して
周波数強調処理を施した場合と異なる周波数応答特性を
有する画像となるおそれがある。一方この場合において
も、上記特開平10-63837号に記載の方法を適用するべ
く、各レベルの解像度に応じた変換関数を用意し、解像
度に応じて変換関数を選択して周波数強調処理を施すこ
とが考えられる。しかしながら、各解像度に応じて変換
関数を用意したのでは、変換関数の数が膨大なものとな
り、変換関数の管理が非常に煩わしいものとなる。これ
は原画像信号を多重解像度に分解した画像信号に対して
周波数強調処理を施す場合のみならず、原画像よりも低
い解像度を有する画像を再生するに際して周波数強調処
理を施す場合にも生じる問題である。
【0016】また、原画像と同じ解像度レベルまで至ら
ない途中の解像度レベルで復元することに限らず、原画
像と同じ解像度レベルで復元した原画像と同サイズの画
像を拡大し、この拡大により得た画像に対して原画像に
ついて設定されるべき変換関数を用いて強調処理などを
施す場合においても同様の問題を生じる。例えばCRT
上で画像を見て画像の一部分を詳細に読影する場合に
は、画像の該当する部分を拡大して表示したりあるいは
フィルム出力することもある。この場合、同じ変換関数
を用いて処理しているにも拘わらず、拡大画像の空間解
像度がアップしているために、拡大後に強調処理などを
施した画像の画質と、原画像サイズで通常通り強調処理
などを施した画像の画質とが異なり、読影に影響をおよ
ぼすことがある。
【0017】さらに、上述したような周波数強調処理な
どを行なう画像処理装置においては、放射線画像読取再
生システムにおいて得られた、予め定められた読取密度
(解像度の一指標)で読み取られた原画像信号のみなら
ず、入力モダリティの種類などに応じて読取密度が異な
る画像を表す原画像信号が入力される、つまり入力画像
の解像度が多様化することもある。このような場合に予
め定められた解像度(以下基準解像度とする)に対応す
る変換関数により、基準解像度とは異なる解像度の画像
を表す画像信号に対して上述した周波数強調処理などを
施すと、得られる画像が、基準解像度の画像を表す画像
信号に対して処理を施した場合と異なる周波数応答特性
を有するものとなるおそれがある。この場合、解像度に
応じて変換関数を用意し、解像度に応じた変換関数を選
択して周波数強調処理などを施すことにより、処理を施
す画像の解像度に拘わらず同一の周波数応答特性を有す
る画像を再現可能な処理済画像信号を得ることができ
る。しかしながら、解像度に応じて変換関数を用意した
のでは、変換関数の数が膨大なものとなり、変換関数の
管理が非常に煩わしいものとなる。
【0018】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、処理する画像の解像度に拘わらず、周波数強調処理
などを常に同じように行なうことができる画像処理方法
および装置並びに画像処理方法をコンピュータに実行さ
せるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可
能な記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の画像
処理方法は、入力された画像信号から互いに異なる帯域
制限特性を有する複数の帯域制限画像信号を作成し、該
各帯域制限画像信号に対応して設定された複数の変換関
数に基づいて変換処理を施して変換画像信号を得、該変
換画像信号に基づいて、入力された画像信号に対して所
定の処理を施して処理済画像信号を得る画像処理方法に
おいて、基準解像度を有する基準解像度画像について変
換処理を行なう際に用いられる、該基準解像度画像につ
いての各帯域制限画像信号に対応する基準変換関数を用
意し、基準解像度とは異なる解像度を有する処理用画像
を表す画像信号が入力されたとき、基準変換関数に対応
する各帯域制限画像信号の周波数帯域が処理用画像につ
いての各帯域制限画像信号の周波数帯域に最も近くなる
ように基準変換関数を相対移動させ、この移動させた基
準変換関数を処理用画像についての変換関数として設定
することを特徴とするものである。
【0020】なお「解像度」という言葉は、一般的には
非常に広い意味を有し、例えば鮮鋭度を意味するものと
して使用されたり、画像(あるいは画像信号)の画素密
度を意味するものとして使用されたりする場合もある
が、本願発明において用いられる解像度は鮮鋭度に関す
るものを意味するものとする。また、画像(あるいは画
像信号)の総画素数を意味するものとして画像サイズと
いう言葉を用いる。ここで「鮮鋭度に関するものを意味
する」とは、例えば画素密度を増減(この場合画像サイ
ズも増減する)して鮮鋭度を増減したり、あるいは画素
密度を同じに維持しつつ再生する(できる)周波数範囲
を拡大・縮小したり信号のレスポンスを変更して鮮鋭度
を増減することのいずれをも含む意味である。したがっ
て、例えば、基準解像度画像を画素間引きを用いたフィ
ルタリング処理などによって低解像度画像にしたときに
は、画素密度が低下されており、低解像度画像は基準解
像度画像よりも画像サイズが小さくなる。一方、前記画
素間引きを用いたフィルタリング処理によって得た低解
像度画像を補間拡大して得た鮮鋭度の低いボケ画像は、
画素密度が基準解像度画像と同じで、画像サイズも同じ
ものである。換言すれば、前記画素間引きを用いたフィ
ルタリング処理によって得た低解像度画像は基準解像度
画像よりも解像度の低い(小さい)画像であると共に画
像サイズが小さい画像である一方、ボケ画像は基準解像
度画像よりも解像度の低い(小さい)画像であると共に
画像サイズが同じ画像である。
【0021】上記において「各帯域制限画像信号に対応
して設定された複数の変換関数」は、各帯域制限画像信
号が6つの周波数帯域からなるものである場合は、各周
波数帯域に対応して6つの変換関数となる。
【0022】なお、本発明においては、基準変換関数と
しては、線形関数、非線型関数、定数など種々の態様の
ものを用いることができる(後述する第2の方法におい
ても同様)。
【0023】また、「所定の処理」としては、例えば、
上記式(2)に示すような原画像信号に含まれる特定の
周波数成分を強調する周波数強調処理や、上記式(3)
に示すような原画像の最高濃度と最低濃度との差すなわ
ちダイナミックレンジを狭めるように高濃度域もしくは
低濃度域あるいは高濃度域および低濃度域の双方のコン
トラストを下げるダイナミックレンジ圧縮処理などが挙
げられる(後述する第2の方法においても同様)。
【0024】本発明による第1の画像処理方法におい
て、「基準変換関数を相対移動」させて処理用画像につ
いての変換関数を設定するに際しては、基準変換関数と
帯域制限画像信号の組数、並びに基準解像度画像につい
ての帯域制限画像信号と処理用画像についての帯域制限
画像信号の共通する周波数範囲の数に基づいて、前記相
対移動を行なうのが望ましく、具体的には、以下のよう
にするとよい。すなわち、処理用画像についての変換関
数と該変換関数に対応する各帯域制限画像信号の組数
を、処理用画像の解像度が基準解像度の2−(p+1)
倍から2−p倍(pは正の整数)の範囲内にあるときに
はp個だけ減少させ、処理用画像の解像度が基準解像度
の2q−1 倍から2倍(qは正の整数)の範囲内
にあるときにはq個だけ増加させるとよい。なお、第2
の解像度が第1の解像度の2−1倍から1倍(上記にお
いてq,pが0の場合に相当)の範囲内にあるときには
前記組数を増減させない。
【0025】ここで処理用画像の解像度が基準解像度の
−(p+1)倍から2−p倍の範囲内にあるときにp
個だけ減少させるのは、解像度の関係が上述のような状
態にあるときには、各帯域制限画像信号のうちの共通す
る周波数範囲の数がp個分だけ減少するため、処理用画
像について強調処理など行なう際には、各帯域制限画像
信号のうちの、基準解像度画像についての強調処理には
使用されない低周波側の周波数帯域に対応するp個分の
基準変換関数を用いる必要がなくなる(むしろ、用いる
と不具合を生じる虞れがある)からである。
【0026】一方、処理用画像の解像度が基準解像度の
q−1 倍から2倍の範囲内にあるときには、帯
域制限画像信号としては、基準解像度画像についての強
調処理には使用される低周波側の周波数帯域成分が不足
するため、単に基準変換関数を相対移動させるだけでは
低周波側の変換関数に用いるべき帯域制限画像信号が存
在せず、画質に影響を与える低周波側の特性を基準解像
度画像についての強調処理などによる特性と同じにでき
ないため、処理用画像について強調処理など行なう際に
は帯域制限画像信号の数をq個だけ増やす必要があるか
らである。そして、この場合、基準変換関数を相対移動
させただけでは、処理用画像についての変換関数の数が
生成される帯域制限画像信号の数よりも少なくなるの
で、生成される帯域制限画像信号のうち、基準解像度画
像についての強調処理には使用されない高周波側の周波
数帯域に対応する変換関数(不足する分)を新たに定義
するのが望ましく、結果的に、処理用画像についての変
換関数と該変換関数に対応する各帯域制限画像信号の組
数を、q個だけ増加させることになる。
【0027】また、上記第1の画像処理方法において
は、処理用画像の解像度が基準解像度よりも低い場合
は、複数の変換関数のうち処理用画像の解像度以下の周
波数帯域に対応する変換関数を、前記変換処理を行なう
変換関数として設定することもできる。
【0028】ここで、「処理用画像の解像度以下の周波
数帯域に対応する変換関数」とは、例えば処理用画像の
解像度が基準解像度の1/2倍である場合には、各
周波数帯域毎の変換関数のうちk個分低周波数帯域側の
変換関数のことをいう。例えば基準解像度画像を表す画
像信号に対して6つの変換関数f〜f(f
最高周波数帯域に対応)があり、処理用画像の解像度が
基準解像度の1/2である場合には、最高周波数帯域に
対応する変換関数以外の5つの変換関数f 〜f
ことをいう。そして処理用画像を表す画像信号から得ら
れる6つの帯域制限画像信号のうちの、最も低周波側の
ものを除く5つの帯域制限画像信号を5つの変換関数に
より変換して変換画像信号が得られることとなる。
【0029】また、上記第1の画像処理方法において、
基準解像度画像の画像サイズとは異なる画像サイズの出
力画像を得る際には、出力画像の画像サイズに近く(好
ましくは最も近く)なるように基準解像度画像の画像サ
イズを22k(kは整数)倍した変倍画像を処理用画像
として変換処理および所定の処理を施し、その後、処理
済画像信号が表す画像サイズが22k倍の画像に対し
て、出力画像の画像サイズと等しくなるように変倍処理
を施す、すなわち前記所定の処理が施された処理済画像
信号に対して変倍処理を施して変倍処理済画像信号を得
ることが望ましい。
【0030】「変倍画像を処理用画像として変換処理お
よび所定の処理を施す」とは、変倍画像を表す変倍画像
信号を前記処理用画像を表す画像信号として入力し、こ
の入力された画像信号(変倍画像信号)から各帯域制限
画像信号を作成し、設定された変換関数に基づいて変換
処理を施し、さらに所定の処理を施すことを意味する。
【0031】「画像サイズが22k倍」とは、主走査方
向および副走査方向に画素密度をそれぞれ2倍する
ことによって画像サイズを22k倍とすることを意味す
る。なお、kは整数、すなわちゼロ、あるいは正負いず
れかの整数であり、基準解像度画像の画像サイズを2
2k倍するとは、変倍画像を、拡大(k>0)あるいは
縮小(k<0)することだけでなく、基準解像度画像の
画像サイズそのまま(k=0)とすることも含む意味で
ある。
【0032】また、「出力画像の画像サイズと等しくな
るように変倍処理を施す」場合においても、「変倍」
は、画像サイズを、拡大(変倍率>1)あるいは縮小
(変倍率<1)することだけでなく、画像サイズをその
まま(変倍率=1)とすることを含む。例えば、出力画
像の画像サイズが基準解像度画像の画像サイズの22k
であるときには、前記所定の処理を施して得られた処理
済画像信号が表す画像の画像サイズそのものが出力画像
の画像サイズと同じになるので、「出力画像の画像サイ
ズと等しくなるように変倍処理を施す」に際しては、変
倍率を1倍にすればよく、実際には処理済画像信号をそ
のまま変倍処理済画像信号とすればよい(つまり変倍処
理を行なわなくてもよい)。
【0033】本発明による第2の画像処理方法は、入力
された画像信号から互いに異なる帯域制限特性を有する
複数の帯域制限画像信号を作成し、該各帯域制限画像信
号に対応して設定された複数の変換関数に基づいて変換
処理を施して変換画像信号を得、該変換画像信号に基づ
いて、入力された画像信号に対して所定の処理を施して
処理済画像信号を得る画像処理方法において、基準解像
度を有する基準解像度画像について前記変換処理を行な
う際に用いられる、該基準解像度画像についての各帯域
制限画像信号に対応する基準変換関数を用意し、基準解
像度とは異なる解像度を有する処理用画像を表す画像信
号が入力されたとき、処理用画像の解像度と基準解像度
の違いに基づいて、処理用画像についての処理済画像信
号のレスポンスが、基準解像度画像についての処理済画
像信号のレスポンスと略同じになるように基準変換関数
を補正(新たな関数を算出)し、この補正により得た関
数を処理用画像についての変換関数として設定すること
を特徴とするものである。
【0034】「処理用画像の解像度と基準解像度の違い
に基づいて、処理用画像についての処理済画像信号のレ
スポンスが、基準解像度画像についての処理済画像信号
のレスポンスと略同じになるように基準変換関数を補
正」するに際しては、例えば、基準解像度画像を表す画
像信号および処理用画像を表す画像信号から得られる、
それぞれの各帯域制限画像信号、所望の周波数応答特
性、および各画像それぞれに設定されるべき変換関数の
パラメータの関係式を、各帯域制限画像信号と周波数応
答特性を既知の値とし、変換関数のパラメータを変数と
する連立方程式として解くことによりパラメータを求め
るなどの方法を用いることができる。あるいは、処理用
画像についての変換関数および処理用画像を表す画像信
号から得られる複数の画像信号の周波数帯域から、内
挿、外挿などの演算を行なうことにより算出する方法で
あってもよい。
【0035】上記第2の画像処理方法においては、基準
変換関数の補正(新たな関数の算出)を、入力された処
理用画像を表す画像信号を処理して得た処理済画像信号
により表される画像の特性が、処理用画像の解像度に応
じたナイキスト周波数の少なくとも1/5以下の周波数
範囲において、基準解像度画像を表す画像信号を処理し
て得た処理済画像信号により表される画像の特性とほぼ
一致するように行なうことが望ましい。
【0036】さらに、本発明による第1および第2の画
像処理方法においては、処理用画像の解像度に関する解
像度情報を取得し、該解像度情報に基づいて、処理用画
像についての変換関数を設定することが好ましい。
【0037】なお、解像度情報を取得するに際しては、
ユーザ(オペレータ)がキーボードから数値として入力
してもよいし、操作画面に数種類の解像度情報を表示し
てユーザに選択させるといった形態でもよいし、あるい
は処理用画像を表す画像信号に解像度情報を添付してお
き、処理用画像を表す画像信号を処理する際に解像度情
報を自動的に取得するようにしてもよく、解像度情報を
取得することができれば、どのような形態であってもよ
い。
【0038】なお、「解像度情報」は、画像(あるいは
画像信号)の鮮鋭度に関する情報である限りどのような
ものを用いてもよく、例えば蓄積性蛍光体シートに記録
された放射線画像を読み取る際の読取密度(例えばdp
iや本/mm)のみならず、例えば画像信号を得る際のサ
ンプリング周波数であってもよい。
【0039】なお、本発明における各帯域制限画像信号
は、それぞれが、入力された処理用画像を表す画像信号
(原画像信号)の所定の周波数帯域成分を表すものであ
る限りどのような方法を用いて生成してもよく、例え
ば、原画像信号をウェーブレット変換やラプラシアンピ
ラミッドなどの手法により多重解像度展開して作成する
ことができる。
【0040】また、この帯域制限画像信号は、入力され
た画像信号に基づいて互いに周波数応答特性が異なる複
数のボケ画像信号を作成し、該複数のボケ画像信号およ
び入力された画像信号に基づいて作成することもでき
る。なお、上述したように原画像信号を多重解像度展開
した場合には、各解像度毎の画像を表す階層画像信号を
低解像度画像信号とし、低解像度画像信号を補間拡大す
ることによりボケ画像信号を作成することもできる。
【0041】ここで「ボケ画像信号」とは、入力された
処理用画像を表す画像信号(原画像信号)と画素数は同
じであるが原画像信号よりも鮮鋭度(解像度)が低い画
像を表す画像信号である。ボケ画像信号は、まず原画像
信号の画素に対して所定間隔毎に所定のフィルタリング
処理、線形補間処理、あるいは単純に画素数を減少させ
る処理などを施すことによって画素を間引きし、そのよ
うにして得た画像信号に対して同様のフィルタリング処
理を繰り返してさらに画素数を少なくして解像度が原画
像(処理用画像)の1/2倍となる低解像度画像を
表す低解像度画像信号を複数作成し、そのそれぞれに対
して所定の補間方法により原画像と画素数が同じになる
ように補間処理を施すことにより作成する。ここで、フ
ィルタリング処理や補間は入力された処理用画像の解像
度(例えば画素密度)に基づいて定められたフィルタ係
数を有するフィルタにより行われるものであり、その具
体的手法については、例えば上述した特開平10-63837号
に記載されている方法など、一般に広く使用されている
種々の方法を用いることができる。
【0042】この場合、「帯域制限画像信号」は、例え
ば隣接する周波数帯域のボケ画像信号同士で差分を求め
て作成してもよいし、原画像信号と各ボケ画像信号の差
分を求めて作成してもよい。あるいは原画像信号とボケ
画像信号の他の組み合わせで差分を求めて作成すること
もできる。なお、変換画像信号の作成、および周波数強
調処理やダイナミックレンジ圧縮処理は例えば上記
(2)式や(3)式で表すことができる。
【0043】本発明による第1の画像処理装置は、上記
第1の画像処理方法を実施する装置、すなわち、入力さ
れた画像信号から互いに異なる帯域制限特性を有する複
数の帯域制限画像信号を作成する画像信号作成手段と、
該各帯域制限画像信号に対応する複数の変換関数を設定
し、設定した変換関数に基づいて変換処理を施して変換
画像信号を得、該変換画像信号に基づいて、前記入力さ
れた画像信号に対して所定の処理を施して処理済画像信
号を得る変換処理手段とを備えた画像処理装置であっ
て、変換処理手段を、基準解像度を有する基準解像度画
像について変換処理を行なう際に用いられる、該基準解
像度画像についての各帯域制限画像信号に対応する基準
変換関数を保持すると共に、基準解像度とは異なる解像
度を有する処理用画像を表す画像信号が画像信号作成手
段に入力されたとき、基準変換関数に対応する各帯域制
限画像信号の周波数帯域が処理用画像についての各帯域
制限画像信号の周波数帯域に最も近くなるように基準変
換関数を相対移動させ、この相対移動させた基準変換関
数を処理用画像についての変換関数として設定するもの
としたことを特徴とするものである。
【0044】上記第1の画像処理装置においては、変換
処理手段を、処理用画像についての変換関数と該変換関
数に対応する各帯域制限画像信号の組数を、処理用画像
の解像度が基準解像度の2−(p+1)倍から2−p
(pは正の整数)の範囲内にあるときにはp個だけ減少
させ、処理用画像の解像度が基準解像度の2q−1倍か
ら2倍(qは正の整数)の範囲内にあるときにはq
個だけ増加させるものとすることが望ましい。
【0045】また上記第1の画像処理装置においては、
変換処理手段を、処理用画像の解像度が基準解像度より
も低い場合は、複数の変換関数のうち処理用画像の解像
度以下の周波数帯域に対応する変換関数を、変換処理を
行なう変換関数として設定するものとすることもでき
る。
【0046】さらに、本発明による第1の画像処理装置
においては、基準解像度画像の画像サイズとは異なる画
像サイズの出力画像を得ることができるように、さら
に、該出力画像の画像サイズに近い基準解像度画像の2
2k(kは整数)倍となる第1の倍率と、該第1の倍率
で変倍された画像を該画像の画像サイズが前記出力画像
の画像サイズと等しくなるように変倍するための第2の
倍率とを算出する倍率算出手段と、第1の倍率により基
準解像度画像を変倍処理して処理用画像を得る第1の変
倍処理手段と、変倍処理を行なって得た処理用画像を表
す画像信号から互いに異なる帯域制限特性を有する複数
の帯域制限画像信号を作成し、複数の変換関数のうち処
理用画像の解像度以下の周波数帯域に対応する変換関数
を、変換処理を行なう変換関数として設定して該変換処
理を行なって変換画像信号を得、該変換画像信号に基づ
いて前記処理済画像信号を得るよう画像信号作成手段お
よび変換処理手段を制御する制御手段と、該処理済画像
信号を第2の倍率によりさらに変倍処理して出力画像を
表す変倍処理済画像信号を得る第2の変倍処理手段とを
備えたものとするとよい。
【0047】なお、倍率算出手段と第1の変倍処理手段
で、出力画像の画像サイズに最も近い、基準解像度画像
の画像サイズを22k倍した変倍画像を得、この変倍画
像を処理用画像とする手段が構成される。また第2の変
倍処理手段は、処理済画像信号が表す22k倍の画像に
対して出力画像の画像サイズと等しくなるように変倍処
理を施す手段として機能するものである。
【0048】本発明による第2の画像処理装置は、上記
第2の画像処理方法を実施する装置、すなわち、入力さ
れた画像信号から互いに異なる帯域制限特性を有する複
数の帯域制限画像信号を作成する画像信号作成手段と、
該各帯域制限画像信号に対応する複数の変換関数を設定
し、設定した変換関数に基づいて変換処理を施して変換
画像信号を得、該変換画像信号に基づいて、前記入力さ
れた画像信号に対して所定の処理を施して処理済画像信
号を得る変換処理手段とを備えた画像処理装置であっ
て、変換処理手段を、基準解像度を有する基準解像度画
像について変換処理を行なう際に用いられる、該基準解
像度画像についての各帯域制限画像信号に対応する基準
変換関数を保持すると共に、基準解像度とは異なる解像
度を有する処理用画像を表す画像信号が画像信号作成手
段に入力されたとき、処理用画像の解像度と基準解像度
の違いに基づいて、処理用画像についての処理済画像信
号のレスポンスが、基準解像度画像についての処理済画
像信号のレスポンスと略同じになるように基準変換関数
を補正し、この補正により得た関数を処理用画像につい
ての変換関数として設定するものとしたことを特徴とす
るものである。
【0049】本発明による第2の画像処理装置において
は、変換処理手段を、処理用画像を表す画像信号を処理
して得た処理済画像信号により表される画像の特性が、
該処理用画像の解像度に応じたナイキスト周波数の少な
くとも1/5以下の周波数範囲において、基準解像度画
像を表す画像信号を処理して得た処理済画像信号により
表される画像の特性とほぼ一致するように、基準変換関
数の補正を行なうものとすることが望ましい。
【0050】本発明による上記第1および第2の画像処
理装置においては、処理用画像の解像度に関する情報を
取得する解像度情報取得手段をさらに備えたものとする
と共に、変換処理手段を、該解像度情報取得手段により
取得された情報に基づいて、処理用画像についての変換
関数を設定するものとするのが望ましい。
【0051】また、本発明による上記第1および第2の
画像処理装置における基準変換関数は非線形関数であっ
てもよい。
【0052】さらに、本発明による上記第1および第2
の画像処理装置における所定の処理は、周波数強調処理
あるいはダイナミックレンジ圧縮処理であってもよい。
【0053】なお、本発明による画像処理方法をコンピ
ュータに実行させるためのプログラムとして、コンピュ
ータ読取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
【0054】
【発明の効果】本発明による第1の画像処理方法および
装置によれば、基準解像度を有する基準解像度画像につ
いて変換処理を行なう際に用いられる、該基準解像度画
像についての各帯域制限画像信号に対応する基準変換関
数を用意し、基準解像度とは異なる解像度を有する処理
用画像を表す画像信号が入力されたとき、基準変換関数
に対応する各帯域制限画像信号の周波数帯域が処理用画
像についての各帯域制限画像信号の周波数帯域に最も近
くなるように基準変換関数を相対移動させ、この移動さ
せた基準変換関数を処理用画像についての変換関数とし
て設定しているので、基準解像度画像を表す入力画像信
号(基準解像度画像信号)および処理用画像を表す入力
画像信号(処理用画像信号)のそれぞれから得られる各
帯域制限画像信号のうちの、同じか若しくは近傍の周波
数範囲を示す帯域制限画像信号に対して、ほぼ同様の度
合いで強調処理などが施されるように、処理用画像につ
いての変換関数を設定することができる。したがって、
処理用画像について所定の処理を施して得た処理済画像
信号を再生することにより得られる出力画像において
は、基準解像度画像(を表す画像信号)と略同じ周波数
範囲である限り、その周波数応答特性を基準解像度画像
信号から得られた処理済画像信号を再生することにより
得られる出力画像の周波数応答特性と略一致させる、つ
まり、画像の解像度に影響されることなく、ほぼ同様の
周波数応答特性を有する画像を再現可能な処理済画像信
号を得ることができる。
【0055】また、処理用画像についての変換関数と該
変換関数に対応する各帯域制限画像信号の組数を、処理
用画像の解像度が基準解像度の2−(p+1)倍から2
−p倍(pは正の整数)の範囲内にあるときにはp個だ
け減少させ、処理用画像の解像度が基準解像度の2
q−1 倍から2倍(qは正の整数)の範囲内にあ
るときにはq個だけ増加させたり、さらには処理用画像
の解像度が基準解像度よりも低い場合は、複数の変換関
数のうち処理用画像の解像度以下の周波数帯域に対応す
る変換関数を、変換処理を行なう変換関数として設定す
るようにすれば、処理用画像についての変換関数とし
て、基準解像度画像について用いる基準変換関数と同一
の変換関数を用いることができ、解像度毎に変換関数を
用意する必要が無くなり、これにより本発明を適用した
システムの構成を簡易なものとすることができ、また変
換関数の管理の煩わしさをなくすことができる。
【0056】ここで、基準解像度よりも低い解像度を有
する処理用画像に対して周波数強調処理を施す場合に、
基準解像度画像についての基準変換関数のうち処理用画
像の解像度以下の周波数帯域に対応する変換関数を、変
換処理を行なう変換関数として設定するということは、
基準解像度画像信号から処理済画像信号を得る際に用い
られる各周波数帯域毎の所定変換関数を処理用画像信号
の周波数帯域に対応させ、対応させた変換関数により処
理用画像信号から得られる互いに帯域制限特性が異なる
複数の画像信号の変換を行なうようにすることである。
処理用画像の解像度が基準解像度の1/2倍である
場合には、処理用画像信号から得られる各帯域制限画像
信号のピーク周波数は基準解像度画像信号から得られる
各帯域制限画像信号のピーク周波数と一致する部分を有
するため、基準解像度画像に適用する基準変換関数を処
理用画像信号から得られる複数の画像信号の周波数帯域
に対応させて変換処理を行なうことにより、処理用画像
信号から得られる変換画像信号の周波数応答特性を基準
解像度画像信号から得られる変換画像信号の周波数応答
特性と同一のものとすることができる。このため、処理
用画像信号から得られる処理済画像信号を再生すること
により得られる画像においては、その周波数応答特性を
基準解像度画像信号から得られた処理済画像信号を再生
することにより得られる画像の周波数応答特性と略一致
させることができ、これにより解像度に影響されない一
定の周波数応答特性を有する画像を再現可能な処理済画
像信号を得ることができる。
【0057】さらに、本発明による第1の画像処理方法
および装置において、基準解像度画像の画像サイズとは
異なる画像サイズの出力画像を得る際に、出力画像の画
像サイズに近くなるように基準解像度画像の画像サイズ
を22k倍した変倍画像を処理用画像として変換処理お
よび所定の処理を施すと、第1の倍率は処理用画像の解
像度を基準解像度の2倍とするものともなり、上述
のように、処理用画像信号から得られる各帯域制限画像
信号のピーク周波数は基準解像度画像信号から得られる
各帯域制限画像信号のピーク周波数と一致する部分を有
することとなる。したがって、基準解像度画像に適用す
る基準変換関数を処理用画像信号から得られる各帯域制
限画像信号の周波数帯域に対応させて変換処理を行なう
ことにより、処理用画像信号から得られる変換画像信号
の周波数応答特性を基準解像度画像信号から得られる変
換画像信号の周波数応答特性と略同一のものとすること
ができる。このため、処理用画像信号から得られる処理
済画像信号が表す画像サイズが22k倍の画像に対し
て、所望とする出力画像の画像サイズと等しくなるよう
に変倍処理を施すことにより得られる変倍処理済画像信
号を再生して得た画像においては、その周波数応答特性
を基準解像度画像信号から得られた処理済画像信号を再
生することにより得られる画像の周波数応答特性と略一
致させることができ、これにより解像度に影響されない
一定の周波数応答特性を有する画像を再現可能な変倍処
理済画像信号を得ることができる。
【0058】また、出力画像の画像サイズを基準解像度
画像の画像サイズよりも小さくする場合において、前記
第1の倍率が22k(kは負の整数)倍となるときに
は、前記処理用画像が基準解像度画像の画素数よりも少
ない縮小画像となり、この縮小画像について強調処理な
どの所定の処理を施すことができるので、該所定の処理
のための演算時間を短縮することができる。
【0059】また、本発明の第2の画像処理方法および
装置によれば、基準解像度を有する基準解像度画像につ
いて前記変換処理を行なう際に用いられる、該基準解像
度画像についての各帯域制限画像信号に対応する基準変
換関数を用意し、基準解像度とは異なる解像度を有する
処理用画像を表す画像信号が入力されたとき、処理用画
像の解像度と基準解像度の違いに基づいて、処理用画像
についての処理済画像信号のレスポンスが、基準解像度
画像についての処理済画像信号のレスポンスと略同じに
なるように基準変換関数を補正し、この補正により得た
関数を処理用画像についての変換関数として設定してい
るので、処理用画像信号から得られる処理済画像信号に
おいてはその周波数応答特性を基準変換関数を用いて基
準解像度画像信号を処理した場合に得られる処理済画像
信号の周波数応答特性と略同一のものとすることがで
き、これにより得られる処理済画像信号を再生すること
により得られる画像においては、その周波数応答特性を
解像度に拘わらず略一定のものとすることができる。し
たがって、解像度に影響されない一定の周波数応答特性
を有する画像を再現可能な処理済画像信号を得ることが
できる。
【0060】また、基準変換関数を補正しているので、
基準変換関数に基づいて処理用画像信号に対して変換処
理を行なう場合の変換関数を算出することができ、解像
度毎に複数の変換関数を用意する必要が無くなり、これ
により変換関数の管理の煩わしさをなくすことができ
る。
【0061】また、処理用画像信号を処理して得た処理
済画像信号により表される画像の特性が、処理用画像の
解像度に応じたナイキスト周波数の少なくとも1/5以
下の周波数範囲において、基準解像度画像信号を処理し
て得た処理済画像信号により表される画像の特性とほぼ
一致するように前記基準変換関数の補正を行なうと、画
質に影響を与える度合いの大きい比較的低周波領域にお
ける周波数応答特性を、基準解像度画像信号を処理した
場合に得られる周波数応答特性と略同一のものとするこ
とができる。
【0062】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。なお、本実施形態において
は、蓄積性蛍光体シートに記録された人体の放射線画像
を読取って得た画像信号に対して、その画像が診断に適
した画像となるように、ボケ画像信号を使用して周波数
強調処理を施すものであり、処理された画像信号は主と
してフィルムに記録され、診断に用いられる。
【0063】図1は本発明の第1の実施形態による画像
処理装置の構成を示す概略ブロック図である。画像処理
装置1は、読取装置などにおいて得られ、後述するよう
に原画像信号Sorg を多重解像度空間に変換して符号化
することにより得られた原画像信号Sorg′ からボケ画
像信号を作成するボケ画像信号作成手段2と、特定の周
波数を強調するための周波数強調処理を行って中間処理
済画像信号Sproc′を得る周波数強調処理手段3とを有
する。
【0064】さらに、この画像処理装置1は、パラメー
タ設定手段4と拡大率入力手段5と拡大縮小手段6とを
備える。パラメータ設定手段4は、周波数強調処理手段
3が変換処理に使用する変換関数を設定する手段であ
り、拡大率入力手段5から入力された拡大率に関する情
報Mに基づいて変換関数を設定する。拡大率入力手段5
は原画像信号Sorg の拡大率情報Mを得るための手段で
あり、ユーザが拡大率をキーボードから数値として入力
してもよく、操作画面に数種類の拡大率を表示してユー
ザに選択させるといった形態でもよい。拡大縮小手段6
は周波数強調処理手段3において得られた中間処理済画
像信号Sproc′を拡大率情報Mに基づいて拡大縮小して
最終的な処理済画像信号Sprocを得るものである。
【0065】原画像信号Sorg は以下のようにして多重
解像度空間に変換されて符号化される。まず図2(a)
に示すように、原画像信号Sorg がウェーブレット変換
されて複数の解像度毎の4つのデータLL1、HL0、
LH0およびHH0に分解される。ここで、データLL
1は原画像の縦横を1/2に縮小した画像を表し、デー
タHL0、LH0およびHH0はそれぞれ縦エッジ、横
エッジおよび斜めエッジ成分の画像を表すものとなる。
そして、4つのデータLL1、HL0、LH0およびH
H0を逆ウェーブレット変換することにより原画像信号
Sorgが得られる。次に、図2(b)に示すようにデー
タLL1をさらにウェーブレット変換して4つのデータ
LL2、HL1、LH1およびHH1を得る。ここで、
データLL2はデータLL1の縦横をさらに1/2に縮
小した画像を表すものとなり、データHL1、LH1お
よびHH1はそれぞれデータLL1の縦エッジ、横エッ
ジおよび斜めエッジ成分の画像を表すものとなる。そし
てこれら4つのデータLL2、HL1、LH1およびH
H1を逆ウェーブレット変換することにより原画像の1
/2の解像度の画像を表す低解像度画像信号が得られ
る。さらに、ウェーブレット変換を行なう毎に得られる
データLLに対してウェーブレット変換を所望とする回
数繰り返して、複数の解像度毎のデータを得る。その
後、図2(c)に示すように、各解像度毎のデータを符
号化して原画像信号Sorg′ を得る。
【0066】なお、原画像信号Sorg′ において所望と
する解像度までのデータのみを復号化し、かつ逆ウェー
ブレット変換を施すことにより、原画像の1/2
(k:所望とする解像度)倍の解像度且つ画像サイ
ズが1/22k倍の画像を表す低解像度画像信号BB
を復元することができる。この機能をなす手段とし
て、ボケ画像信号作成手段2には、後述する第2の実施
形態において説明する復号化手段30(図17参照)を
複数段設けた構成と同じもの、および復元した所望とす
る解像度の低解像度画像信号BBをフィルタリング
処理手段10に入力する切替手段が設けられている(い
ずれも図1においては不図示)。なお、図17に示すよ
うな複数の復号化手段30を設けた構成とは異なり、デ
ータLLK+1,HLK,LHKおよびHHkを逆ウェ
ーブレット変換して直ちに原画像の1/2 倍の解像
度の画像を表す低解像度画像信号BBを復元する構
成とすることもできる。
【0067】次に、ボケ画像信号の作成処理について詳
細に説明する。図3は第1の実施形態におけるボケ画像
信号作成手段の構成を示す概略ブロック図である。
【0068】図3に示すように、第1の実施形態におけ
るボケ画像信号作成手段2は、まずフィルタリング処理
手段10に入力される原画像信号Sorg として原画像信
号Sorg′を復元することにより得られた任意の解像度
レベルの画像信号を使用し、フィルタリング処理手段1
0により、この原画像信号Sorg に対し、原画像信号S
org が表す原画像の画素のx方向およびy方向に対して
フィルタリング処理を施して低解像度画像信号B
作成し、次にこの低解像度画像信号Bに対して同様
のフィルタリング処理を施してこの低解像度画像信号B
よりもさらに解像度が低い低解像度画像信号B
を作成し、以降順次同様のフィルタリング処理を重ねて
いくものである。そして、補間処理手段11により、こ
のフィルタリング処理の各段において得られる低解像度
画像信号Bに対して、それぞれ補間拡大処理を施し
て、鮮鋭度の異なる複数のボケ画像信号Sus1 〜SusN
(以下Susk ( k=1〜N)で代表させる)を得るもの
である。
【0069】本実施形態においては、上記フィルタリン
グ処理のフィルタとして、1次元ガウス分布に略対応し
たフィルタを使用する。すなわちフィルタのフィルタ係
数を、ガウス信号に関する下記の式(4)にしたがって
定める。
【数1】
【0070】これは、ガウス信号は周波数空間および実
空間の双方において局在性がよいためであり、例えば上
記(4)式においてσ=1とした場合の5×1の1次元
フィルタは図4に示すようなものとなる。
【0071】フィルタリング処理は、図5に示すよう
に、原画像信号Sorg に対して、あるいは低解像度画像
信号Bに対して1画素おきに行なう。このような1
画素おきのフィルタリング処理をx方向、y方向に行な
うことにより、低解像度画像信号Bの画素数は原画
像の1/4となり、フィルタリング処理により得られる
低解像度画像信号に対して繰り返しこのフィルタリング
処理を施すことにより、得られるn個の低解像度画像信
号B(k=1〜n)は、それぞれ、画素数が原画像
信号Sorg の1/22Kの画像信号となる。
【0072】次に、このようにして得られた低解像度画
像信号Bに対して施される補間拡大処理について説
明する。補間演算の方法としては、Bスプラインによる
方法など種々の方法が挙げられるが、本実施形態におい
ては、補間演算についてガウス信号を用いるものとす
る。具体的には、下記の式(5)において、σ=2k−
と近似したものを用いる。
【数2】
【0073】低解像度画像信号Bを補間する際に
は、k=1であるためσ=1となる。この場合、補間処
理を行なうためのフィルタは、図6に示すように5×1
の1次元フィルタとなる。この補間処理は、まず低解像
度画像信号Bに対して1画素おきに値が0の画素を
1つずつ補間することにより低解像度画像信号B
原画像と同一のサイズに拡大し、次に、この補間された
低解像度画像信号Bに対して上述した図6に示す1次
元フィルタによりフィルタリング処理を施すことにより
行われる。
【0074】同様に、この補間拡大処理を全ての低解像
度画像信号Bに対して行なう。低解像度画像信号B
を補間する際には、上記式(5)に基づいて、3×
−1の長さのフィルタを作成し、画像信号B
各画素の間に値が0の画素を2−1個ずつ補間する
ことにより、原画像と同一サイズに拡大し、この値が0
の画素が補間された画像信号Bに対して3×2
−1の長さのフィルタにより、フィルタリング処理を施
すことにより補間拡大する。
【0075】次に、上記のようにして作成されたボケ画
像信号Susk を用いて行われる周波数強調処理について
説明する。図7は周波数強調処理を行なう装置の構成を
ボケ画像信号作成手段2とともに示す概略ブロック図で
ある。図7に示すように、原画像信号Sorg と、フィル
タリング処理手段10および補間処理手段11により作
成されたボケ画像信号Susk について、減算器21によ
りそれらの信号の差分が求められ、原画像信号Sorg の
限られた周波数帯域の成分である帯域制限画像信号(S
org-Sus1、Sus1-Sus2など)が作成される。
【0076】一方、画像処理装置1に設けられているパ
ラメータ設定手段4は、基準解像度を有する基準解像度
画像について変換処理を行なう際に用いられる、該基準
解像度画像についての各帯域制限画像信号に対応する基
準変換関数f〜fを不図示のメモリに保持している。
そして、フィルタリング処理手段10に入力される原画
像信号Sorg として、基準解像度画像信号が入力された
ときには、保持している基準変換関数f〜fを各帯域
制限画像信号に応じて設定する。
【0077】そして、フィルタリング処理手段10に基
準解像度画像信号が入力されたときには、各帯域制限画
像信号が変換器22においてそれぞれ異なる変換関数f
〜f により所望の大きさとなるように変換され、さ
らに下記の式(2′)にしたがって、その複数の変換さ
れた帯域制限画像信号(本発明の変換画像信号)が演算
器23において積算されて周波数強調処理に必要な信号
(積算信号)Fusm が得られ、さらに信号Fusm に所定
の係数が乗じられた後原画像信号Sorg と加算されて、
処理済画像信号Sproc′が生成される。これにより所望
とする周波数成分を目的に応じた度合いで強調した処理
済画像信号Sproc′を得ることができる。 Sproc′=Sorg +β(Sorg )×Fusm (Sorg,Sus1,Sus2,…SusN) Fusm (Sorg,Sus1,Sus2,…SusN) =f(Sorg −Sus1)+f(Sus1 −Sus2)+… +f(Susk-1−Susk )+…+f(SusN-1−SusN)…(2′) (但し、Sproc′:高周波成分が強調された画像信号 Sorg :原画像信号 Susk(k=1〜N):ボケ画像信号 f(k=1〜N):各帯域制限画像信号を変換する変換関
数 β(Sorg) :原画像信号に基づいて定められる強調係
【0078】以上、処理済画像信号Sproc′の作成につ
いて説明したが、次に、第1の実施形態が解決しようと
する問題点およびその解決手段について例を示して説明
する。上述したように原画像と同一解像度の画像(原画
像と同一の画像であっても異なる画像であってもよい)
を表す処理済画像信号Sproc′を得る場合には、帯域制
限画像信号の周波数帯域に応じた変換関数fを用い
て周波数強調処理を行えばよいが、原画像よりも低解像
度の画像(原画像と同一の画像であっても異なる画像で
あってもよい)を表す処理済画像信号を得る場合に、そ
の解像度に応じた変換関数を用意する必要があるため、
変換関数の管理が非常に煩わしいものとなる。ここで、
原画像信号Sorg を6つの周波数帯域に分離して周波数
強調処理を行なう場合は、帯域制限画像信号の周波数特
性は6つのピークを有するものとなる。
【0079】そして、例えば、基準解像度としての10本
/mmの読取密度で読み取られた基準解像度画像を表す
原画像信号Sorg (以下10本/mmの解像度を有する原
画像信号ともいう;他の読取密度においても同様)から
帯域制限画像信号を得る場合、原画像信号Sorg のナイ
キスト周波数は5cycle/mmであり、図8に示すように、
最高周波数帯域の帯域制限画像信号のピーク周波数がこ
のナイキスト周波数5cycle/mmとなり、最高周波数帯域
の次の周波数帯域の帯域制限画像信号のピーク周波数は
ナイキスト周波数の1/5の値を有する1.0cycle/mm
となり、以下低周波数帯域となるにつれて、0.5cycl
e/mm、0.25cycle/mm、0.12cycle/mm、0.06
cycle/mmのようにピーク周波数は前段のピーク周波数の
1/2となる。また、基準解像度画像の1/2の解像度
の画像(読取密度を5本/mmとしてもよいし、基準解
像度画像を間引きなどにより低解像度化してもよい)を
表す画像信号を原画像信号Sorg としたときにおける、
帯域制限画像信号のピーク周波数は、図9に示すように
2.5cycle/mm、0.5cycle/mm、0.25cycle/mm、
0.125cycle/mmおよび0.06cycle/mmとなる。
【0080】以下基準解像度画像の1/4、1/8、1
/16の解像度の画像を表す画像信号を原画像信号Sor
g としたときにおける、帯域制限画像信号のピーク周波
数は、図10から図12に示すようになる。つまり、帯
域制限画像信号のうち最高周波数帯域の帯域制限画像信
号のピーク周波数は解像度レベルに応じたナイキスト周
波数となり、最高周波数帯域の次の周波数帯域の帯域制
限画像信号のピーク周波数はナイキスト周波数の1/5
となり、以下低周波数帯域となるにつれて、前段のピー
ク周波数の1/2となる。
【0081】次に、基準解像度画像の画像サイズとは異
なる画像サイズ(以下所望画像サイズともいう)の出力
画像を得る場合について説明する。
【0082】例えば、基準解像度画像よりも小さい所望
画像サイズの画像を表す処理済画像信号を得る場合に
は、本発明に係る処理用画像を表す画像信号、すなわち
フィルタリング処理手段10に入力する原画像信号Sor
g として所望画像サイズに最も近い、基準解像度画像の
画像サイズを22k(kは負の整数)倍した変倍画像で
ある低解像度画像を表す画像信号を使用する。以下、こ
の画像サイズを22k倍した低解像度画像の解像度を所
定解像度といい、この低解像度画像を表す画像信号を基
準低解像度画像信号ともいう。
【0083】そして、この基準低解像度画像信号から低
解像度ボケ画像信号を得、この低解像度ボケ画像信号に
基づいて低解像度帯域制限画像信号を作成し、さらに低
解像度帯域制限画像信号に対して帯域制限画像信号の周
波数帯域に対応した変換関数により変換画像信号を得
て、中間処理済画像信号Sproc′を得、さらに中間処理
済画像信号Sproc′を拡大率情報Mに基づいて拡大また
は縮小して所望画像サイズの画像を表す処理済画像信号
Sprocを得る。
【0084】より具体的な態様として、基準解像度画像
の1/4の画像サイズで且つ1/2解像度の画像(1/
縮小画像)を表す処理済画像信号Sprocを得る場
合を図13のフローチャートを参照して説明する。な
お、ここでは原画像信号Sorgにおいては図8に示すよ
うに帯域制限画像信号は6つの周波数帯域からなるもの
とする。
【0085】まず、拡大率入力手段5からユーザが所望
とする前記所望画像サイズに対応する拡大率(所望拡大
率とする)を入力する(ステップS1)。これにより拡
大率入力手段5から拡大率情報Mがボケ画像信号作成手
段2、パラメータ設定手段4および拡大縮小手段6に入
力される。ボケ画像信号作成手段2においては、拡大率
情報Mに基づいて、所望拡大率に最も近い画像サイズが
2k(kは負の整数)倍の画像を表す低解像度画像信
号BBを復号化手段30(図17参照)により復元
してフィルタリング処理手段10に入力するとともに
(ステップS2)、低解像度ボケ画像信号Susk を作成
する(ステップS3)。なお、低解像度画像信号BB
が原画像信号Sorg に対応する基準低解像度画像信
号となる。また、本実施形態においては、基準解像度画
像の1/4の画像サイズに対応する拡大率情報Mが入力
されることになるので、画像サイズが1/4倍の画像を
表す低解像度画像信号BBを復元する。
【0086】ここで、フィルタリング処理手段10に原
画像信号Sorg として基準解像度画像信号が入力された
場合に得られる6つのボケ画像信号(原画像信号含む)
Sorg 〜Sus6 と、所定解像度(所望画像サイズ)に近
い、1/2解像度画像(1/2縮小画像)を表す低
解像度画像信号BBから得られる低解像度ボケ画像
信号Sorg 〜Sus5 との対応関係を、各ボケ画像信号の
周波数範囲が同じものが同列となるように図14に示
す。なお、図14には、1/4解像度画像(1/4
縮小画像)〜1/16解像度画像(1/16縮小画
像)までの原画像信号Sorg およびボケ画像信号Susk
の対応関係も示す。図14に示すように、基準解像度画
像におけるボケ画像信号Sus1 が、例えば1/2解像度
画像における低解像度ボケ画像信号Sorg に対応し、以
下順次図中右側に相対移動している。
【0087】次に、低解像度ボケ画像信号Susk に基づ
いて低解像度帯域制限画像信号が作成される(ステップ
S4)。基準解像度画像信号から得られる6つの帯域制
限画像信号と、各解像度画像を表す低解像度画像信号B
から得られる低解像度帯域制限画像信号との対応
関係を、各帯域制限画像信号の周波数範囲が同じものが
同列となるように図15に示す。なお、フィルタリング
処理手段10に低解像度画像信号BBが入力された
場合において生成される低解像度帯域制限画像信号のう
ちの0.03cycle/mm以下の低周波数帯域のものは、基
準解像度画像についての強調処理には使用されない周波
数範囲の信号であるため、強調処理には使用しないよう
にする。図14〜図16における1/2〜1/16解像
度画像について、右側を途中までしか示していないのは
このためである。
【0088】一方、パラメータ設定手段4においては各
低解像度帯域制限画像信号に対して施す変換処理の変換
関数fの設定が行われる(ステップS5)。ここ
で、基準解像度画像信号から得られる6つの帯域制限画
像信号に対しては上述したように変換関数f〜f
用いられるが、1/2解像度画像を表す低解像度画像信
号BBから得られる低解像度帯域制限画像信号に対
しては、設定する変換関数に対応する低解像度帯域制限
画像信号のピーク波長が、それぞれ基準解像度画像信号
から得られる各帯域制限画像信号の波長と同じになるよ
うに基準変換関数f〜fをシフト(相対移動)させ
る。
【0089】各解像度画像における変換関数の対応関係
を図16に示す。例えば、図8、図9、および図14か
ら判るように、例えば基準解像度画像における帯域制限
画像信号Sus1−Sus2のピーク波長が、1/2解像度画
像における低解像度帯域制限画像信号Sorg−Sus1のピ
ーク波長と同じになり、以下順次図15中右側に相対移
動している。したがって、図16に示すように、処理用
画像としての低解像度画像の解像度が基準解像度の1/
倍となると、低解像度画像についての変換関数f
は基準変換関数f〜fのうちのk個分低周波数
帯域側のものが用いられることとなる。したがって、基
準解像度画像に対して周波数強調処理を施す場合の上記
式(2′)における積算信号Fusm を式(6)に示す
と、1/2解像度画像に対して周波数強調処理を施す場
合の積算信号Fusm は式(7)に示すものとなる。 Fusm (Sorg,Sus1,Sus2,…Sus6) =f(Sorg −Sus1)+f(Sus1 −Sus2)+… +f(Sus4−Sus5 )+f(Sus5−Sus6)…(6) Fusm (Sorg,Sus1,Sus2,…Sus5) =f(Sorg −Sus1)+f(Sus1 −Sus2)+… +f(Sus3−Sus4 )+f(Sus4−Sus5)…(7)
【0090】そして、このようにして低解像度帯域制限
画像信号から低解像度変換画像信号が作成されて(ステ
ップS6)低解像度積算信号Fusm が得られると、上記
式(2′)に示すように、強調係数β(Sorg) が低解
像度積算信号Fusm に乗算され、さらに原画像信号Sor
g (ここでは基準低解像度画像信号)に加算されて中間
処理済画像信号Sproc′が作成される(ステップS
7)。この中間処理済画像信号Sproc′は、基準解像度
画像の1/4の画像サイズで且つ1/2解像度の画像
(1/2縮小画像)を表すことになる。なお、式
(2′)におけるβ(Sorg) は基準低解像度画像信号
に基づいて設定されることになる。
【0091】そしてこのようにして得られた中間処理済
画像信号Sproc′は拡大縮小手段6に入力される。拡大
縮小手段6においては、拡大率入力手段5から入力され
た拡大率情報Mに基づいて、所望拡大率の画像を再現可
能なように中間処理済画像信号Sproc′を拡大または縮
小して最終的な処理済画像信号Sprocを得る(ステップ
S8)。ここで、本実施形態においては、拡大率入力手
段5から入力された拡大率情報Mは1/4の画像サイズ
に対応するため、拡大縮小手段6においては1/2
縮小画像(1/2解像度画像)を表す中間処理済画像信
号Sproc′を何ら拡大、縮小することなく最終的な処理
済画像信号Sprocとする。
【0092】このように、本実施形態においては、基準
解像度画像よりも画像サイズが小さい画像を表す処理済
画像信号を得る、あるいは基準解像度画像よりも低解像
度の画像を表す処理済画像信号を得る際に、基準解像度
画像に対して周波数強調処理を行なうときに使用する基
準変換関数を、基準解像度画像についての各帯域制限画
像信号の周波数帯域が処理用画像についての各帯域制限
画像信号の周波数帯域に最も近くなるように基準変換関
数を相対移動させ、この相対移動させた基準変換関数を
処理用画像についての変換関数として設定して変換画像
信号を求めた後に周波数強調処理を施すようにしたの
で、得られる処理済画像信号を再生することにより得ら
れる画像においては、その周波数応答特性を基準解像度
画像に基づく処理済画像信号Sprocを再生することによ
り得られる画像の周波数応答特性と略一致させることが
でき、これにより解像度に影響されない一定の周波数応
答特性を有する画像を再現可能な処理済画像信号Sproc
を得ることができる。
【0093】また、基準解像度画像に対して周波数強調
処理を行なう際に使用する変換関数と同一の変換関数を
用いているため、解像度毎に変換関数を用意する必要が
無くなり、これにより本発明を適用したシステムの構成
を簡易なものとすることができ、また変換関数の管理の
煩わしさをなくすことができる。
【0094】なお、画素数(画像サイズ)に拘わらず、
基準解像度画像よりも低解像度の画像を表す処理済画像
信号を得る場合においても、基準変換関数f〜f
同様にシフトさせるとよく、得られる効果も略同じであ
る。ただし、拡大縮小手段6における処理では、鮮鋭度
を向上させることができないので、最終的に得られる画
像は、画像サイズが所望画像サイズになるものの、完全
に所望解像度に復元できないこともある。
【0095】さらに、出力画像の画像サイズを基準解像
度画像の画像サイズよりも小さくする場合において、フ
ィルタリング処理手段10に入力される画像の大きさが
基準解像度画像の22k(kは負の整数)倍となるとき
には、処理用画像が基準解像度画像の画素数よりも少な
い縮小画像となり、この縮小画像について強調処理など
の所定の処理を施すことができるので、該所定の処理の
ための演算時間を短縮することができる。
【0096】なお、上記第1の実施形態においては、基
準解像度画像信号あるいは基準低解像度画像信号からフ
ィルタリングおよび補間拡大によりボケ画像信号を求
め、基準解像度画像信号およびボケ画像信号から帯域制
限画像信号を作成しているが、これに限定されるもので
はなく、例えば基準解像度画像信号あるいは基準低解像
度画像信号をウェーブレット変換やラプラシアンピラミ
ッドなどの手法により多重解像度に変換し、変換された
各解像度毎の画像信号を帯域制限画像信号としてもよ
い。
【0097】また、上記第1の実施形態においては、多
重解像度に変換されて符号化された原画像信号Sorg′
に基づいて所定解像度の画像を復元した後に周波数強調
処理を施しているが、これに限定されるものではなく、
何ら符号化されない画像信号、あるいはこの符号化され
ない画像信号とは異なる解像度の画像信号に対して周波
数強調処理を施してもよい。
【0098】次いで、本発明の第2の実施形態について
説明する。上記第1の実施形態においては、原画像信号
Sorg を多重解像度空間に変換して符号化した原画像信
号Sorg′を所望画像サイズに最も近い、1/2
像度の画像(1/22k縮小画像)を表す低解像度画像
信号BBまで復元し、この復元された低解像度画像
信号BBをフィルタリングおよび補間拡大を順次繰
り返して複数のボケ画像信号を作成していたが、第2の
実施形態においては、最低解像度(最小画像サイズ)か
ら所望画像サイズに最も近い、1/2解像度の画像
(1/22k縮小画像)までの各解像度レベル(各画像
サイズ)の低解像度画像信号BBをそれぞれ補間拡
大して複数のボケ画像信号を作成するものである。な
お、第2の実施形態においては、ボケ画像信号作成手段
2における処理が異なるのみであって、他の構成につい
ては第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省
略する。
【0099】ここで、第2の実施形態におけるボケ画像
信号の作成処理について説明する。図17は第2の実施
形態におけるボケ画像信号作成手段2の構成を示す概略
ブロック図である。図17に示すように、まず復号化手
段30により原画像信号Sorg′ における最低解像度の
画像を表すデータを復号化および逆ウェーブレット変換
して原画像の1/2倍の解像度の画像を表す低解像
度画像信号BBを作成し、次にこの低解像度画像信
号BBを用いて原画像の1/2n−1 倍の解像度
の画像を表す低解像度画像信号BBn−1 を作成し、
以降順次復号化および逆ウェーブレット変換を行なって
原画像の1/2(k=1〜n)倍の解像度を表す低
解像度画像信号BBおよび最高解像度の画像すなわ
ち原画像(基準解像度画像)を表す原画像信号Sorg を
作成する。なお、低解像度画像信号BBは原画像信
号Sorg をウェーブレット変換することにより得られる
データLLkに対応するものとなる。そして、補間処理
手段31により、この復号化処理の各段において得られ
る低解像度画像信号BBに対して、それぞれ上記第
1の実施形態と同様の補間拡大処理を施して、鮮鋭度の
異なる複数のボケ画像信号Sus1 〜SusN (以下Susk
(k=1〜N)で代表させる)を得る。
【0100】次に、このボケ画像信号Susk から帯域制
限画像信号を得る。そして、上記式(2′)に示すよう
に周波数強調処理を施して処理済画像信号Sproc′を得
る。
【0101】ここで、第2の実施形態においても、第1
の実施形態と同様にして基準解像度画像よりも小さい所
望画像サイズの画像(基準解像度よりも低い所定解像度
の画像と同じ意味)を表す処理済画像信号Sprocを得る
場合について説明する。なお、第2の実施形態において
も第1の実施形態と同様に生成される帯域制限画像信号
の周波数帯域は6つであり、所望画像サイズが基準解像
度画像の1/4サイズであるとする。
【0102】まず、拡大率入力手段5からユーザが所望
拡大率を入力する。これにより拡大率入力手段5から拡
大率情報Mがボケ画像信号作成手段2、パラメータ設定
手段4および拡大縮小手段6に入力される。ボケ画像信
号作成手段2においては、拡大率情報Mに基づいて、最
低解像度から所望拡大率に最も近い画像サイズが2
(kは負の整数)倍までの各画像サイズ(各解像度)の
画像を表す低解像度画像信号BBを復元するととも
に、低解像度ボケ画像信号Susk を作成する。なお、低
解像度画像信号BBが原画像信号Sorg に対応する
基準低解像度画像信号となる。また、本実施形態におい
ては、基準解像度画像の1/4の画像サイズに対応する
拡大率情報Mが入力されることになるので、画像サイズ
が1/4倍の画像を表す低解像度画像信号BB〜B
を復元する。
【0103】ここで、生成される6つのボケ画像信号
(原画像信号含む)Sorg 〜Sus6 と、所定解像度(所
望画像サイズ)に最も近い、1/2解像度画像(1/2
縮小画像)を表す低解像度画像信号BBから得
られる低解像度ボケ画像信号Sorg 〜Sus5 との対応関
係、および基準解像度画像信号から得られる帯域制限画
像信号と各解像度画像を表す低解像度画像信号BB
から得られる帯域制限画像信号の関係は、上記図14お
よび図15に示すものとなる。また、パラメータ設定手
段4においては各低解像度帯域制限画像信号に対して施
す変換処理の変換関数の設定が第1の実施形態と同様に
行われ、解像度が1/2となると変換関数f
は、上記式(6)および式(7)に示すように、基
準変換関数f〜fのうちのk個分低周波数帯域側
のものが用いられることとなる。
【0104】そして、このようにして低解像度帯域制限
画像信号から低解像度変換画像信号が作成されて低解像
度積算信号が得られると、強調係数β(Sorg) が積算
信号に乗算され、さらに所定解像度の画像に対応する原
画像信号Sorg (基準低解像度画像信号)に加算されて
中間処理済画像信号Sproc′が得られる。
【0105】そしてこのようにして得られた中間処理済
画像信号Sproc′は拡大縮小手段6に入力される。拡大
縮小手段6においては、拡大率入力手段5から入力され
た拡大率情報Mに基づいて、所望拡大率の画像を再現可
能なように中間処理済画像信号Sproc′を拡大または縮
小して最終的な処理済画像信号Sprocを得る。ここで、
第2の実施形態においても、拡大率入力手段5から入力
された拡大率情報Mは1/4の画像サイズに対応するた
め、拡大縮小手段6においては1/2縮小画像(1
/2解像度画像)を表す中間処理済画像信号Sproc′を
何ら拡大、縮小することなく最終的な処理済画像信号S
procとする。
【0106】このように、第2の実施形態においても、
基準解像度画像よりも画像サイズが小さい画像を表す処
理済画像信号を得る際に、基準解像度画像に対して周波
数強調処理を行なう際に使用する基準変換関数を所望画
像サイズ(所定解像度)に応じてシフト(相対移動)し
て帯域制限画像信号の変換を行なうようにしたため、得
られる処理済画像信号を再生することにより得られる画
像においては、その周波数応答特性を基準解像度画像に
基づく処理済画像信号Sprocを再生することにより得ら
れる画像の周波数応答特性と略一致させることができ、
これにより解像度に影響されない一定の周波数応答特性
を有する画像を再現可能な処理済画像信号Sprocを得る
ことができる。
【0107】なお、上記第1および第2の実施形態にお
いては、1/2縮小画像を得る場合について説明してい
るが、例えば1/3縮小画像(1/3解像度画像)
を得る場合には、ボケ画像信号作成手段2および周波数
強調処理手段3において、1/3縮小画像に最も近
い1/4縮小画像(1/4解像度画像)を表す低解
像度画像信号に基づいて周波数強調処理が行われて中間
処理済画像信号Sproc′が得られる。そして、この中間
処理済画像信号Sproc′を拡大縮小手段6において、
(4/3)倍に拡大して最終的な処理済画像信号S
procが得られることとなる。なお、所望画像サイズが基
準解像度画像の1/22k倍の場合には、拡大縮小手段
6を省略することができるため、装置の構成を簡易なも
のとすることができる。
【0108】また、上記第1および第2の実施形態にお
いては、式(2′)に基づいて帯域制限画像信号を変換
関数fにより変換して変換画像信号を作成している
が、下記の式(8)に示すように、変換関数fに代
えて強調係数αを用いて帯域制限画像信号を強調し
て変換画像信号を得てもよい。この場合、基準解像度画
像用に設定される強調係数α〜αを、上記変換関数
をシフトさせたと同じように所望画像サイズ(所
定解像度)に応じてシフトして強調処理が行われること
となる。 Sproc=Sorg+β(Sorg)×Fusm(Sorg,Sus1,Sus2,…SusN) Fusm(Sorg,Sus1,Sus2,…SusN) =α(Sorg−Sus1)+α(Sus1−Sus2)+… +α(Susk-1−Susk)+…+α(SusN-1−SusN) …(8)
【0109】上記各実施形態は所望画像サイズ(所定解
像度)が基準解像度画像よりも小さい場合についてのも
のであるが、逆に、所望画像サイズ(所定解像度)が基
準解像度画像よりも大きい場合についても、上記各実施
形態と略同様の方法を用いることができる。以下、この
場合について説明する。
【0110】医療診断などにおいて、CRT上で画像を
見て画像の一部分を詳細に読影する場合には、画像の該
当する部分を拡大して表示したりあるいはフィルム出力
することがある。この場合、従来の態様では、拡大処理
した画像信号に対して基準解像度画像に対する変換関数
を用いて処理して強調処理を施すことになる。一方、拡
大処理に際しては、補間処理を施して22n倍拡大画像
(nは正の整数)を得る態様と、多重解像度信号とし
て、予め拡大画像用に用意された2倍解像度レベル
の信号を用いる態様とが考えられる。ここで、拡大画像
を表す画像信号の周波数帯域は、前者の場合には画素数
は22n倍になるものの最大でも基準解像度画像の周波
数帯域と同じであり、後者の場合には2倍解像度レ
ベルの信号を用いている分だけ拡がる。
【0111】これに対して、帯域制限画像信号の生成過
程、変換処理、および強調処理としては、入力される画
像信号の態様に拘わらず同じ処理がなされ、拡大処理に
際して補間処理を施すか2倍解像度レベルの信号を
用いるかに拘わらず、画像サイズと帯域制限画像信号と
の間には、図15から推測されるように、処理対象とな
る帯域制限画像信号と変換関数の組数が増えるため基準
解像度に存在しない変換関数を定義する必要が生じる。
【0112】一方、拡大画像における各帯域制限画像信
号が担持する周波数成分は、拡大処理に際して2
解像度レベルの信号を用いた場合には、図18に示す同
列部分が同じ周波数範囲となり、各帯域制限画像信号の
ピーク波長は、例えば、基準解像度画像におけるSorg
−Sus1が、2倍解像度画像(2倍拡大画像)にお
けるSus1 −Sus2 、4倍解像度画像(4倍拡大画
像)におけるSus2 −Sus3 と同じになる。そして、2
倍解像度画像におけるSorg−Sus1、4倍解像度画像に
おけるSorg −Sus1 およびSus1 −Sus2 が、基準解
像度画像に存在しない高周波成分(高周波帯域制限画像
信号)となる。そこで、拡大画像用に用意された2
倍解像度レベルの信号を用いて強調処理を行なうに際し
ては、図19に示すように、基準解像度画像と同じ周波
数成分に対しては基準解像度画像についてのものと同じ
変換関数が用いられるようにすると共に、基準解像度画
像に存在しない高周波成分に対応する変換関数として、
基準解像度画像の最高周波数帯域で用いた変換関数f
をそのまま利用することとする。これにより、拡大
画像を担持する処理済画像信号Sprocの応答を、視覚的
に影響が大きな低周波側から基準解像度画像の最高周波
数(ナイキスト周波数)までに亘って、基準解像度画像
と略同じにすることができるとと共に、基準解像度画像
に存在しない高周波成分についても、変換関数f
用いることで、基準解像度画像についてのものとある程
度の対応関係をもつ強調処理を施すことができる。
【0113】他方、補間処理を施して22n倍拡大画像
を得、この拡大画像を表す画像信号を用いて強調処理を
行なう場合には、拡大画像における各帯域制限画像信号
のピーク波長は、例えば基準解像度画像におけるSorg
−Sus1が2倍拡大画像におけるSus1 −Sus2 、
倍拡大画像におけるSus2 −Sus3 と同じにな
る。そして、2倍拡大画像におけるSorg−Sus1、
倍拡大画像におけるSorg −Sus1 およびSus1
−Sus2 が基準解像度画像の最高周波数(ナイキスト周
波数)と同じになる。そこで、補間処理を施して得た2
2n倍拡大画像を用いて強調処理などを行う場合には、
基準解像度画像と同じ周波数成分に対しては基準解像度
画像と同じ変換関数が用いられるように、図19と同様
の変換関数を用いる。つまり、2倍拡大画像におけ
るSus1 −Sus2 、4倍拡大画像におけるSus2 −
Sus3 、および2倍拡大画像におけるSorg−Sus
1、4 倍拡大画像におけるSorg −Sus1 、Sus1 −
Sus2 に対して変換関数fを用いる。これにより、拡
大画像を担持する処理済画像信号Sprocの応答を、視覚
的に影響が大きな低周波側から基準解像度画像の最高周
波数まで(本例では略全帯域となる)に亘って、基準解
像度画像と略同じにすることができる。
【0114】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。図20は本発明の第3の実施形態による画像処
理装置の構成を示す概略ブロック図である。この図20
において、第1の実施形態の要素と同等の要素には同番
号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り
省略する。
【0115】第3の実施形態に係る画像処理装置1は、
読取装置などにおいて得られた任意の解像度を有する原
画像信号Sorg からボケ画像信号を作成するボケ画像信
号作成手段2と、上述した式(2)に基づいて特定の周
波数を強調するための周波数強調処理を行って処理済画
像信号Sprocを得る、第1の実施形態にかかる周波数強
調処理手段3と同じ機能をなす変換処理手段3とを有す
る。さらに、この第3の実施形態にかかる画像処理装置
1は、変換関数算出手段40と解像度情報入力手段50
とを備える。変換関数算出手段40は、変換処理手段3
が変換処理に使用する変換関数を算出する手段であり、
後述するように解像度情報入力手段50から入力される
解像度情報に基づいて、基準解像度を有する基準解像度
画像信号(以下基準原画像信号とする)Sorg0 に対し
て周波数強調処理を施す際に使用する変換関数を用い
て、入力された画像信号が表す画像の解像度に応じた変
換関数を算出するものである。解像度情報入力手段50
は原画像信号Sorg の解像度情報Mを得るための手段で
ある。解像度情報入力手段50による入力は、ユーザが
キーボードから数値として入力してもよいし、操作画面
に数種類の密度を表示してユーザに選択させるといった
形態でもよい。あるいは読取装置側で、解像度情報Mを
原画像信号Sorgに添付しておき、画像処理装置1が入
力された画像信号毎に添付された解像度情報Mを認識す
るようにしてもよく、変換関数算出手段40が解像度を
認識することができれば、どのような形態であってもよ
い。
【0116】なお、第3の実施形態の変換器22におい
て用いられる変換関数f〜fは定数とする。ここで、
第1の実施形態の図8に示すように、10本/mmの読取
密度で読み取られた原画像信号Sorg から得られる各帯
域制限画像信号に対して設定される変換関数は下記の表
1に示すような値を有するものとする。
【表1】
【0117】次に、第3の実施形態が解決しようとする
問題点およびその解決手段について例を示して説明す
る。上述したように原画像信号Sorgの所望とする周波
数成分を強調するためには、帯域制限画像信号の周波数
帯域に応じた変換関数fを用いて周波数強調処理を行
えばよい。しかしながら、10本/mmの解像度を有する
原画像信号Sorgに対して周波数強調処理を行なう際に
使用する変換関数を、300dpiの解像度を有する原
画像信号Sorgに対して適用した場合、10本/mmの解
像度を有する原画像信号Sorgから得られる処理済画像
信号Sprocと300dpiの解像度を有する原画像信号
Sorgから得られる処理済画像信号Sprocとにおいて、
得られる画像の周波数応答特性が図21に示すように異
なるものとなってしまう。
【0118】したがって、第3の実施形態においては、
例えば10本/mmの解像度を有する原画像信号Sorgを
基準原画像信号Sorg0とし、基準原画像信号Sorg0に
対して周波数強調処理を施す際に使用する基準変換関数
を用いて、300dpiの原画像信号Sorgに対して周
波数強調処理を施す際に使用する変換関数を算出するよ
うにしたものである。以下、変換関数の算出について説
明する。
【0119】図22は300dpi解像度の原画像信号
Sorgから得られる帯域制限画像信号の周波数応答特性
を示す図である。図22に示すように、300dpi解
像度の原画像信号Sorgのナイキスト周波数は5.9cyc
le/mmであり、最高周波数帯域の帯域制限画像信号のピ
ーク周波数がこのナイキスト周波数となる。そして、最
高周波数帯域の次の周波数帯域の帯域制限画像信号のピ
ーク周波数はナイキスト周波数の1/5の値である1.
18cycle/mmとなり、以下低周波数帯域となるにつれ
て、0.59cycle/mm、0.30cycle/mm、0.15cy
cle/mm、0.07cycle/mmのようにピーク周波数は前段
の周波数帯域の1/2の関係となっている。この関係は
図7に示した基準原画像信号Sorg0の帯域制限画像信
号の周波数応答特性の関係と一致するものであり、この
関係は、低解像度画像信号を作成する際のフィルタを変
更しない限り原画像信号Sorgの解像度に拘わらず成立
するものである。
【0120】したがって、基準原画像信号Sorg0から
得られる帯域制限画像信号のピーク周波数、300dp
i解像度の原画像信号Sorgから得られる帯域制限画像
信号のピーク周波数および基準変換関数に基づいて、内
挿あるいは外挿の線形補間を行なうことにより、下記の
表2に示すように300dpi画像に対する変換関数を
求めることができる。具体的には、ピーク周波数が1.
18cycle/mmとなる帯域制限画像信号に対応する変換関
数は、表1における5cycle/mmおよび1cycle/mmの変換
関数の値から、ピーク周波数と変換関数の値との関係を
下記の式(6)により求め、この式(9)に300dp
i解像度のピーク周波数の値を代入してそのピーク周波
数における変換関数の値を求める。そして、この線形補
間を全ピーク周波数に対して行ない、各帯域制限画像信
号に対応する変換関数を求める。なお、ここでは線形補
間により求めているが、これに限定されるものではな
い。
【表2】 fx=1/40×C+0.875 (9) 但し、fx:求めるべき変換関数の値 C:ピーク周波数
【0121】そしてこのようにして求められた変換関数
により変換処理手段3において、変換処理(周波数強調
処理)が行われて処理済画像信号Sprocが得られる。こ
こで、上述したようにして求められた変換関数により処
理が施された処理済画像信号Sprocと基準原画像信号S
org0に対して基準変換関数により処理を施すことによ
り得られた処理済画像信号Sproc0とにおける周波数応
答特性の関係を図23に示す。図23に示すように、第
1の実施形態によれば処理を施す原画像信号の解像度に
拘わらず略同一の周波数応答特性を有する処理済画像信
号Sprocが得られることが分かる。
【0122】次いで、第3の実施形態の動作について説
明する。図24は本実施形態の動作を示すフローチャー
トである。まず、読取装置などから原画像信号Sorgが
画像処理装置1に入力される(ステップS1)。原画像
信号Sorgはボケ画像信号作成手段2に入力されてここ
でボケ画像信号Suskが作成される(ステップS2)。
一方、解像度情報入力手段50には、原画像信号Sorg
の解像度情報Mが入力され(ステップS3)、入力され
た解像度情報Mに基づいて変換関数算出手段40におい
て上述したように解像度に応じた変換関数が算出される
(ステップS4)。なお、ステップS1,2の処理より
もステップS3,4の処理を先に行ってもよいが、これ
らの処理を並列して行なうことにより演算時間を短縮す
ることができる。変換処理手段3においては、ボケ画像
信号Suskに基づいて帯域制限画像信号が作成され、さ
らに変換関数算出手段40において算出された変換関数
に基づいて上記式(2)に示す周波数強調処理が行われ
処理済画像信号Sprocが得られる(ステップS5)。
【0123】この周波数強調処理は、ボケ画像信号を用
いて強調のために原画像信号に加算する加算信号を作成
するものであり、周波数強調処理を行なうことによって
アーチファクトが発生しないようにするために、この加
算信号を構成する各周波数帯域の信号がそれぞれ所望の
信号となるよう、周波数帯域毎に異なる変換処理を施す
ものである。所望の信号を作成するためには、原画像信
号Sorgの解像度に拘わらず所望の周波数応答特性を有
する信号となることが好ましい。第3の実施形態によれ
ば、解像度に拘わらず処理済画像信号Sprocの周波数応
答特性が略同一のものとなるように変換関数を算出する
ようにしたため、原画像の解像度に拘わらず略同一の周
波数応答特性を有する処理済画像信号Sprocを得ること
ができる。
【0124】また、基準変換関数に基づいて解像度毎に
変換関数を算出しているため、解像度毎に複数の変換関
数を用意する必要が無くなり、これにより変換関数の管
理の煩わしさをなくすことができる。
【0125】なお、上記第3の実施形態においては、基
準変換関数を10本/mmの解像度に対応する1組のみ用
いて任意の解像度に対応する変換関数を算出している
が、例えば利用頻度が高い数種類の基準解像度に対応す
る変換関数を基準変換関数として用意し、処理を施す画
像の解像度が上記数種類の基準解像度のいずれに近い値
を有するか否かを判断し、解像度が近い方の基準変換関
数を用いて処理を施す画像の解像度に対応した変換関数
を求めてもよい。例えば、2種類の基準解像度およびこ
れらに対応する変換関数を第1および第2の基準解像
度、第1および第2の基準変換関数とし、さらに第1お
よび第2の基準変換関数の使用範囲を図25(a)に示
すように設定した場合において、処理を施す原画像信号
により表される画像の解像度が図中矢印Aの部分である
場合には第1の基準変換関数を使用し、矢印Bの部分で
ある場合には第2の基準変換関数を使用する。また、第
1および第2の基準変換関数の使用範囲を図25(b)
に示すように設定した場合において、処理を施す原画像
信号により表される画像の解像度が図中矢印Cの部分で
ある場合には第1の基準変換関数を使用し、矢印Dの部
分である場合には第2の基準変換関数を使用してもよ
い。
【0126】また、上記第3の実施形態においては変換
関数を定数としているが、所定の傾きを有する非線形関
数を用いてもよい。以下、変換関数を非線形関数とした
場合における解像度に応じた変換関数の算出について第
4の実施形態として説明する。第4の実施形態において
は、変換関数fとして下記の式(10)に示す非線形
関数が用いられる。 f(Sin)=Sout=Sin×Y×(exp(X/Sin)-1)/(exp(X/Sin)+1) …(10)
【0127】式(10)において、Sinは入力信号、S
outは出力信号、Xは非線形の程度すなわち抑制条件を
決定するパラメータ、Yは関数全体の傾きすなわち周波
数応答特性をコントロールするパラメータである。そし
て、パラメータX,Yを調整することにより帯域制限画
像信号の周波数応答特性を変更することができる。第4
の実施形態においては、パラメータX,Yとして、下記
の表3に示すものを用いる。なお、表3においては、10
本/mm、6.7本/mmおよび5本/mmの画素密度を
有する原画像信号に対するパラメータを示すものであ
り、上の行ほど高周波帯域の帯域制限画像信号に対する
パラメータとなっている。ここで、ナイキスト周波数が
低くなるほど非線形処理に使用する帯域制限画像信号の
数は図26に示すように少なくなる。例えば10本/mm
の解像度の場合には6つの帯域制限画像信号を用いるが
6.7本/mmおよび5本/mmの解像度の場合には5つ
の帯域制限画像信号のみが用いられる。これは、6.7本
/mmおよび5本/mmの画素密度において0.03cy
cle/mmにピークを有する低周波数帯域に対しては、10
本/mmに相当する低周波数帯域が存在しないためであ
る。また、ここでも基準原画像信号の解像度を10本/m
mとし、表3に示すパラメータX,Yの組からなる変換
関数を基準変換関数とする。また、処理が施される原画
像信号により表される画像の解像度を200dpiとす
る。
【表3】
【0128】図27は200dpi解像度の原画像信号
Sorgから得られる帯域制限画像信号の周波数応答特性
を概略的に示す図である。図27に示すように、200
dpi解像度の原画像信号Sorgのナイキスト周波数は
約4.0(厳密には3.937)cycle/mmであり、最高
周波数帯域の帯域制限画像信号のピーク周波数がこのナ
イキスト周波数となる。そして、最高周波数帯域の次の
周波数帯域の帯域制限画像信号のピーク周波数はナイキ
スト周波数の1/5の値である0.8cycle/mmとなり、
以下低周波数帯域となるにつれて、0.4cycle/mm、
0.2cycle/mm、0.1cycle/mm、0.05cycle/mmの
ようにピーク周波数は前段の周波数帯域の1/2の関係
となっている。この関係は図8に示した10本/mmの解
像度を有する基準原画像信号Sorg0の帯域制限画像信
号の周波数応答特性の関係と一致するものであり、この
関係は、低解像度画像信号を作成する際のフィルタを変
更しない限り原画像信号Sorgの解像度に拘わらず成立
するものである。このような周波数応答特性を有する2
00dpi画像を表す原画像信号Sorgに対して基準変
換関数により処理を施すことにより得られる処理済画像
信号Sprocと基準原画像信号Sorg0に対して基準変換
関数により処理を施すことにより得られる処理済画像信
号Sproc0との周波数応答特性を図28に示す。図28
に示すように処理済画像信号Sprocは処理済画像信号S
proc0と比較して低周波数帯域が強調された画像となっ
てしまう。
【0129】このため、上記第3の実施形態と同様にし
て、処理を施す原画像信号の解像度に応じて基準変換関
数から処理に用いる変換関数を算出する。以下変換関数
の算出について説明する。第4の実施形態においては、
基準原画像信号から得られる帯域制限画像信号のピーク
周波数、変換関数のパラメータ(ここでは表3における
Yの値)および処理を施す200dpi画像を表す原画
像信号Sorgから得られる帯域制限画像信号のピーク周
波数が予め分かっており、さらには求める変換関数の数
が6個であることも分かっている。そこで、まず下記の
式(12)により基準原画像信号の帯域制限画像信号の
周波数応答特性、200dpi解像度の原画像信号に基
づく帯域制限画像信号のピーク周波数、および基準変換
関数のパラメータYから200dpi解像度の原画像信
号Sorgに基づく帯域制限画像信号のピーク周波数に対
応する周波数でのレスポンスを求める。 R1=X1[F1]*Y1+X2[F1]*Y2+X3[F1]*Y3+X4[F1]*Y4+X5[F1]*Y5+X6[F1]*Y6 R2=X1[F2]*Y1+X2[F2]*Y2+X3[F2]*Y3+X4[F2]*Y4+X5[F2]*Y5+X6[F2]*Y6 R3=X1[F3]*Y1+X2[F3]*Y2+X3[F3]*Y3+X4[F3]*Y4+X5[F3]*Y5+X6[F3]*Y6 R4=X1[F4]*Y1+X2[F4]*Y2+X3[F4]*Y3+X4[F4]*Y4+X5[F4]*Y5+X6[F4]*Y6 R5=X1[F5]*Y1+X2[F5]*Y2+X3[F5]*Y3+X4[F5]*Y4+X5[F5]*Y5+X6[F5]*Y6 R6=X1[F6]*Y1+X2[F6]*Y2+X3[F6]*Y3+X4[F6]*Y4+X5[F6]*Y5+X6[F6]*Y6 …(12) 但し、R1〜R6 : ピーク周波数におけるレスポンス(2
00dpi画像) X1[F1]〜X6[F6]:基準原画像信号に基づいて作成された
帯域制限画像信号のF1〜F6の周波数におけるレスポンス Y1〜Y6 : 基準変換関数のパラメータ
【0130】そしてこのようにしてレスポンスR1〜R
2が求められると下記の連立方程式(13)を解くこと
により、200dpi解像度画像に対応する変換関数の
パラメータA1〜A6を求める。 R1=Z1[F1]*A1+Z2[F1]*A2+Z3[F1]*A3+Z4[F1]*A4+Z5[F1]*A5+Z6[F1]*A6 R2=Z1[F2]*A1+Z2[F2]*A2+Z3[F2]*A3+Z4[F2]*A4+Z5[F2]*A5+Z6[F2]*A6 R3=Z1[F3]*A1+Z2[F3]*A2+Z3[F3]*A3+Z4[F3]*A4+Z5[F3]*A5+Z6[F3]*A6 R4=Z1[F4]*A1+Z2[F4]*A2+Z3[F4]*A3+Z4[F4]*A4+Z5[F4]*A5+Z6[F4]*A6 R5=Z1[F5]*A1+Z2[F5]*A2+Z3[F5]*A3+Z4[F5]*A4+Z5[F5]*A5+Z6[F5]*A6 R6=Z1[F6]*A1+Z2[F6]*A2+Z3[F6]*A3+Z4[F6]*A4+Z5[F6]*A5+Z6[F6]*A6 …(13) 但し、R1〜R6 : 上記式(12)により求めたレスポン
ス Z1[F1]〜Z6[F6]:200dpi解像度の原画像信号に基
づいて作成された帯域制限画像信号のF1〜F6の周波数に
おけるレスポンス A1〜A6 : 変換関数のパラメータ
【0131】このようにして求められた変換関数を用い
て上記第3の実施形態と同様にして200dpi解像度
の画像信号に対して周波数強調処理を施すことにより、
解像度に拘わらず処理済画像信号Sprocの周波数応答特
性が略同一のものとすることができ、これにより原画像
の解像度に拘わらず略同一の周波数応答特性を有する処
理済画像信号Sprocを得ることができる。
【0132】ここで、上記式(13)におけるZ1[F1]〜
Z6[F6]の算出方法について説明する。10本/mmの解像
度を有する基準原画像信号Sorg0の帯域制限画像信号
は上記図8に示す特性を有するものとなる。図8に示す
特性において実線で示す最高周波数帯域の特性は、図4
に示す1次元フィルタのフィルタ係数をフーリエ変換し
た結果と、図6に示す1次元フィルタのフィルタ係数を
フーリエ変換した結果とを乗算することによりボケ画像
信号の周波数応答特性を得、さらにこの周波数応答特性
を基準原画像信号Sorg0の周波数応答特性(全周波数
帯域に亘って1の値を有する)から減算することにより
求められる。さらに低周波数帯域の特性については、そ
の周波数帯域に対応する低解像度画像信号を求めるフィ
ルタのフィルタ係数およびボケ画像信号を求めるフィル
タ係数に基づいて上記と同様にしてボケ画像信号の周波
数応答特性を得、これを1つ高周波数帯域のボケ画像信
号の周波数応答特性から減算することにより求められ
る。
【0133】ここで、基準原画像信号Sorg0の最高周
波数帯域の帯域制限画像信号のレスポンスをX1[Fi](F
i:周波数)なる関数で表し、周波数を2048によりサン
プリングした場合の帯域制限画像信号のレスポンスをX1
[i]なる関数とすると、Fiとiとの関係は、 i=2047×Fi/fnq (14) 但し、fnq:ナイキスト周波数 0≦i≦2047 となる。また、この対応関係を図29に示す。なお、i
は関数X1[i]をテーブルとして扱った場合におけるアド
レスとなる。このようにして帯域制限画像信号の全周波
数帯域におけるレスポンスを関数X1[i]〜X6[i]として求
め、これらの関数X1[i]〜X6[i]をテーブルとして扱うこ
とにより、上記式(12)および式(13)におけるX1
[F1]〜X6[F6]の値を式(14)を用いて容易に求めるこ
とができる。
【0134】このようにして求められた全周波数帯域の
レスポンスの関数X1[i]〜X6[i]に基づいてレスポンスZ1
[F1]〜Z6[F6]を求める。なお、ここでは関数X1[i]から
任意の周波数FiにおけるレスポンスZ1[Fi]を求める場合
について説明する。レスポンスZ1[Fi]は200dpi解
像度の原画像信号に基づいて作成された帯域制限画像信
号のうち最高周波数帯域の帯域制限画像信号の周波数Fi
におけるレスポンスである。200dpi解像度の原画
像信号のナイキスト周波数は4cycle/mmであり、レスポ
ンスZ1[Fi]の周波数を2048によりサンプリングした場合
のレスポンスをZ1[i]なる関数で表すものとすると、周
波数Fiとiとの関係はX1[i]と同様に式(14)に示すも
のとなる。関数X1[i]と関数Z1[i]の関係を図30に示
す。概念的には関数X1[i]と関数Z1[i]とはナイキスト周
波数が異なる別の関数であるが、関数X1[i]を用いてレ
スポンスZ1[Fi]を近似的に求めることができる。例え
ば、2cycle/mmのレスポンスZ1[Fi]を求める場合は、上
記式(14)により、 i=2047×2/4=1024 となるため、関数X1[i]におけるアドレスが1024となる
所の値を求め、それを2cycle/mmにおけるレスポンスZ1
[Fi]として求める。
【0135】このように、関数X1[i]〜X6[i]をテーブル
として持ち、周波数強調処理を行なう原画像信号のナイ
キスト周波数および上記式(14)に基づいてアドレス
iを求めることにより、関数X1[i]〜X6[i]のテーブルを
参照して近似的にレスポンスZ1[F1]〜Z6[F6]を求めるこ
とができる。
【0136】なお、300dpi解像度の画像を表す原
画像信号Sorgに対して周波数強調処理を施す場合に
は、上記式(12)により基準原画像信号の帯域制限画
像信号の周波数応答特性、300dpi解像度画像信号
に基づく帯域制限画像信号のピーク周波数、および基準
変換関数のパラメータYから300dpi解像度の原画
像信号に基づく帯域制限画像信号のピーク周波数に対応
する周波数でのレスポンスを求める。そして、上記式
(13)により変換関数のパラメータを求めることがで
きる。なお、300dpi解像度においてはナイキスト
周波数は5.9cycle/mmであって基準原画像信号Sorg
0のナイキスト周波数5cycle/mmを越えるものとなる。
ここで、上記式(12)におけるX1[F1]〜X6[F6]は、0
〜5cycle/mmの範囲に対する関数値と考えているため、
5.9cycle/mmに対応する値がなく、式(12)におけ
るR1を求めることができない。したがって、300dp
i解像度の画像においては、ピーク周波数として基準原
画像信号から得られる帯域制限画像信号のピーク周波数
を用いる。
【0137】また、100dpi解像度の画像を表す原
画像信号Sorgに対して周波数強調処理を施す場合につ
いて下記に説明する。100dpi解像度のナイキスト
周波数は約2.0cycle/mm(厳密には1.97cycle/m
m)であるため、帯域制限画像信号の数は5つとなる。
したがって、上記式(12)、(13)は下記の式(1
5)、(16)に示すように変更され、これにより変換
関数の5つのパラメータが求められることとなる。 R1=X1[F1]*Y1+X2[F1]*Y2+X3[F1]*Y3+X4[F1]*Y4+X5[F1]*Y5+X6[F1]*Y6 R2=X1[F2]*Y1+X2[F2]*Y2+X3[F2]*Y3+X4[F2]*Y4+X5[F2]*Y5+X6[F2]*Y6 R3=X1[F3]*Y1+X2[F3]*Y2+X3[F3]*Y3+X4[F3]*Y4+X5[F3]*Y5+X6[F3]*Y6 R4=X1[F4]*Y1+X2[F4]*Y2+X3[F4]*Y3+X4[F4]*Y4+X5[F4]*Y5+X6[F4]*Y6 R5=X1[F5]*Y1+X2[F5]*Y2+X3[F5]*Y3+X4[F5]*Y4+X5[F5]*Y5+X6[F5]*Y6 …(15) 但し、R1〜R5 : ピーク周波数におけるレスポンス(1
00dpi画像) X1[F1]〜X6[F5]:原画像信号に基づいて作成された帯域
制限画像信号のF1〜F5の周波数におけるレスポンス Y1〜Y6 : 基準変換関数のパラメータ R1=Z1[F1]*A1+Z2[F1]*A2+Z3[F1]*A3+Z4[F1]*A4+Z5[F1]*A5 R2=Z1[F2]*A1+Z2[F2]*A2+Z3[F2]*A3+Z4[F2]*A4+Z5[F2]*A5 R3=Z1[F3]*A1+Z2[F3]*A2+Z3[F3]*A3+Z4[F3]*A4+Z5[F3]*A5 R4=Z1[F4]*A1+Z2[F4]*A2+Z3[F4]*A3+Z4[F4]*A4+Z5[F4]*A5 R5=Z1[F5]*A1+Z2[F5]*A2+Z3[F5]*A3+Z4[F5]*A4+Z5[F5]*A5 …(16) 但し、R1〜R5 :上記式(15)により求めたレスポン
ス Z1[F1]〜Z5[F5]:100dpi解像度の原画像信号に基
づいて作成された帯域制限画像信号のF1〜F5の周波数に
おけるレスポンス A1〜A5 : 変換関数のパラメータ
【0138】なお、上記第4および第4の実施形態にお
いては、変換処理として上記式(2)に示す周波数強調
処理を行っているが、周波数強調処理とダイナミックレ
ンジ圧縮処理とを同時に行なう処理であってもよい。以
下この処理を行なう装置について第5の実施形態として
説明する。
【0139】図31は、本発明の第5の実施形態による
変換処理の一例としての周波数強調処理およびダイナミ
ックレンジ圧縮処理を行なう装置の構成をボケ画像信号
作成手段2とともに示す概略ブロック図である。図31
に示すように、原画像信号Sorgと、フィルタリング処
理手段10および補間処理手段11により作成されたボ
ケ画像信号Suskについて、減算器21によりそれらの
信号の差分が求められ、原画像信号の限られた周波数帯
域の成分である帯域制限画像信号(Sorg-Sus1、Sus1
-Sus2など)が作成される。このようにして求められた
帯域制限画像信号は、図31に示すように第1の変換手
段3aおよび第2の変換手段3bにそれぞれ入力され、
各変換手段の変換器22a,22bにより処理される。
【0140】第1の変換手段3aの変換器22aによる
変換は、上述したように原画像信号Sorgの解像度に応
じて算出された変換関数を使用して行なう。具体的に
は、例えば図32、図33に示される変換関数、あるい
はこれらを組み合わせた関数を基準変換関数とし、原画
像信号Sorgの解像度に拘わらず処理済画像信号Sproc
の周波数応答特性が略同一のものとなるように、基準と
なる変換関数に基づいて解像度に応じた変換関数を算出
し、算出された変換関数を使用して行なう。
【0141】ここで、図32に示す変換関数は、振幅の
大きな帯域制限画像信号を抑制するような変換を行なう
ものであり、周波数帯域の高い帯域制限画像信号の抑制
の度合いを、周波数帯域の低い帯域制限画像信号よりも
強くするものであるが、これは実際の放射線画像のエッ
ジに含まれている高周波成分が、低周波成分に比べてそ
の振幅が小さいということを考慮したものである。実際
の放射線画像においては、かなり急峻なエッジでさえも
正確な階段状にはなっておらず、高周波成分になるほど
その振幅が小さくなっていることが多い。このため、各
周波数成分の振幅に合わせて、周波数の高い帯域制限画
像信号ほど小さい振幅から抑制を行なうことが望まし
く、本関数によりそれを実現することができる。
【0142】また図33の関数は、帯域制限画像信号
を、帯域制限画像信号の絶対値に基づいて決まる、その
絶対値以下の値となるように変換を行なうもので、この
関数が低周波帯域を処理する関数であるほど、帯域制限
画像信号の絶対値が0近傍の所定の範囲内の値である帯
域制限画像信号を変換した際に得られる変換画像信号の
絶対値が小さい値であることを特徴とするものである。
言い換えれば、これらの関数はそれぞれ、原点を通り、
関数の傾きがその関数により処理される値に拘わらず1
以下であり、その関数の0近傍における傾きが、低周波
帯域を処理する関数であるほど小さいことを特徴とする
ものである。これらの関数は、変換画像信号を積算して
得られる信号を、原画像信号Sorgに加えた場合、原画
像信号Sorgと加算された信号とのつなぎ目、すなわち
信号の立ち上がりをより自然なものとするという効果が
ある。
【0143】同様に、第2の変換手段3bの変換器22
bによる変換は、例えば図34に示される関数、前述の
図33の関数、あるいは図34と図33の関数を組み合
わせたものを使用して行なう。上記各変換手段3a,3
bにより出力された変換画像信号は、それぞれ演算器2
3a,23bに入力される。ここで演算器23aは周波
数強調処理に必要な信号を作成するための演算を行な
い、演算器23bはダイナミックレンジ圧縮処理に必要
な信号を作成するための演算を行なうものである。
【0144】演算器23aは、上述した第3の実施形態
と同様の周波数強調処理を行なうものである。この演算
器23aにおいては次のような処理が行われる。まず、
上述したように第1の変換手段3aにより変換された帯
域制限画像信号は積算される。そしてこの積算信号が求
められると、さらに原画像信号Sorg の値に応じた強調
度βが乗じられる。
【0145】一方、演算器23bは、ダイナミックレン
ジ圧縮処理を行なうものである。この演算器23bにお
いては次のような処理が行われる。まず、上述したよう
に第2の変換手段3bにより変換された帯域制限画像信
号は積算される。そして求められた積算信号は原画像信
号Sorgから減じられる。さらにその減算により作成さ
れた差分信号が変換関数により変換され、ダイナミック
レンジ圧縮係数が得られる。
【0146】演算器23a,23bにより求められた信
号は、それぞれ加算手段28により原画像信号Sorgに
加算され処理済画像信号Sprocが得られる。
【0147】以上の処理は、従来技術で述べたと同様の
下記の式(3)により表される。 Sproc=Sorg +β(Sorg)・Fusm(Sorg,Sus1,Sus2,…SusN) +D(Sorg−Fdrc(Sorg,Sus1,Sus2,…SusN))…(3) Fusm(Sorg,Sus1,Sus2,…SusN) ={fu1(Sorg−Sus1)+fu2(Sus1 −Sus2)+… +fuk(Susk-1−Susk )+…+fuN(SusN-1−SusN)} Fdrc(Sorg,Sus1,Sus2,…SusN) ={fd1(Sorg−Sus1)+fd2(Sus1 −Sus2)+… +fdk(Susk-1−Susk )+…+fdN(SusN-1−SusN)} (但し、Sproc:処理済画像信号 Sorg :原画像信号 Susk(k=1〜N):ボケ画像信号 fuk(k=1〜N):第1の変換処理に使用する変換関数 fdk(k=1〜N):第2の変換処理に使用する変換関数 β(Sorg):原画像信号に基づいて定められる強調係
数 D(Sorg−Fdrc):低周波成分信号に基づいて定めら
れるダイナミックレンジ圧縮係数(DはSorg−Fdrcを
変換する関数))
【0148】ここで、図31に示す第5の実施形態にお
いては、周波数強調処理に使用する信号とダイナミック
レンジ圧縮処理に使用する信号をそれぞれ原画像信号S
orgに基づいて作成して最後に加算を行なうものである
が、原画像信号Sorgに対して周波数強調処理あるいは
ダイナミックレンジ圧縮処理のいずれか一方の処理を先
に行ない、その結果得られた信号に対して他の一方の処
理を行なうようにする場合も含むものとする。但し、一
般に放射線画像の低濃度部は撮影時の撮影線量が少ない
部分であるためノイズが比較的多く含まれている。これ
に対し、周波数強調処理では高濃度部ほど強調の度合い
が高くなる濃度依存の強調処理を行っているため、原画
像信号に対して直接周波数強調処理を行えばこの低濃度
部は強調されず、ノイズが強調されることがない。一
方、例えば原画像信号に対しダイナミックレンジ圧縮処
理を施してから周波数強調処理を行なうと、低濃度部は
ダイナミックレンジ圧縮処理により濃度が高められるこ
とになる。つまり、強調処理においてその部分が強調さ
れることとなり、同時にその部分に含まれるノイズが強
調されてしまうことになる。したがって、望ましくは図
31に示す第5の実施形態のように原画像信号Sorgに
基づいて各信号を作成するのがよい。また処理時間の短
縮という意味でも、2つの処理は並列に行なうことが望
ましい。
【0149】このように、ダイナミックレンジ圧縮処理
を行なう場合においても、原画像信号Sorgの解像度に
応じて処理済画像信号Sprocの周波数応答特性が略同一
のものとなるように変換関数を算出することにより、原
画像信号Sorgの解像度に拘わらず略同一の周波数応答
特性を有する処理済画像信号Sprocを得ることができ
る。
【0150】なお、上記第3の実施形態において述べた
と同様に、第4および第5の実施形態においても、10本
/mmの解像度に対応する1組の基準変換関数を用いる
のみならず、表3右側に示すように、利用頻度が高い数
種類の基準解像度に対応する変換関数を基準変換関数の
組として用意し、基本解像度以外の所定解像度の画像を
原画像とする場合には、この処理を施す原画像の所定解
像度が上記数種類の基準解像度のいずれに近い値を有す
るか否かを判断して解像度が近い方を選択するなど、前
記組から最適な組を選択し、選択した基準変換関数の組
と基本解像度および所定解像度情報を用いて処理を施す
画像の解像度に対応した変換関数を算出し、算出した変
換関数を用いて変換処理を行なうようにしてもよい。こ
のとき、複数の基本解像度から処理対象に適切な基本解
像度を選択する方法としては、特開平10-63838号に記載
の方法を用いたり、試行錯誤により設定してもよいし、
あるいは、以下のような方法を用いることもできる。
【0151】まず、上記表3に示すような基本解像度
(a,b,c;a<b<c:cが最高解像度、上記例で
は、a=5,b=6.7 ,c=10)の定義パラメータのテ
ーブルを用意しておき、処理対象となる原画像解像度R
sが基本解像度(a,b,c;a<b<c:cが最高解
像度)と異なる場合には、基本解像度a,b,cの内、
最も近い基本解像度の定義パラメータを以下のルールに
したがって選択する。 Rs>b+(c−b)/2のとき、c用のパラメータ b+(c−b)/2≧Rs>a+(b−a)/2のと
き、b用のパラメータ b+(c−b)/2≧Rsのときa用のパラメータ この方法を用いると、変換関数の定義パラメータの決定
を簡単に行なうことができる。
【0152】また、このように、基本解像度が複数存在
し且つ各基本解像度用パラメータがそれぞれ存在するシ
ステムとする場合には、それらの中から1つの基本解像
度と基本解像度パラメータを選択し、選択した基本解像
度とパラメータおよび処理対象となる画像の解像度情報
を処理対象となる画像に関連付けて保存するとよい。こ
れにより、画像をフィルムやモニターに再出力すると
き、前回出力した画像のに対応する定義パラメータなど
を記憶装置から読み出し、この読み出した定義パラメー
タを使用して処理済画像信号procを生成して、前回出力
した画像と同等画質の画像を得ることができる。また、
定義パラメータを決定する処理を省略できるので、短時
間で画像が出力される。
【0153】なお、上記第3および第4の実施形態にお
いて示した周波数強調処理、あるいは第5の実施形態に
おいて示したダイナミックレンジ圧縮処理を行なうに際
しては、所定解像度画像信号を処理して得た処理済画像
信号により表される画像の特性が、所定解像度を規定す
るナイキスト周波数の1/5(より好ましくは1/2)
以下の周波数において、原画像信号(上記例では基準原
画像信号Sorg0 など)を処理して得た処理済画像信号
Sprocにより表される画像の特性と略一致するように変
換関数を算出するのが好ましい。以下、この点につい
て、強調特性と処理済画像信号が表す画像のレスポンス
の関係を示した図35を参照して説明する。
【0154】例えば、基本解像度として、5本/mm,
6.7 本/mm,10本/mmが存在し、各々に対してそれ
ぞれ変換関数群が定義されているシステムの場合におい
て、例えば処理対象となる画像の解像度が4本/mmで
ある場合には、最も近い基本解像度は5本/mmとなる
ので、5本/mm用の変換関数群を用いて、上述したよ
うにして4本/mm用の変換関数群を計算することにな
る。
【0155】ここで、各帯域制限画像信号を得る際には
画像信号を1/2単位で縮小しているため、4本/mm
用の画像信号における、各帯域制限画像信号のうちの最
高周波数帯域信号の特性幅(例えばレスポンス0.8以
上の略平坦部分)は、少なくとも1.0cycle/mm〜2.0cycl
e/mm位となり、各帯域制限画像信号のゲインを変換関数
で制御するような変換処理を行なう場合において、例え
ば1.0 cycle/mm近傍の特性を基本解像度特性に一致させ
ようとすれば2.0 cycle/mm近傍のレスポンスを持ち上げ
ることができず2.0 cycle/mm近傍では基本解像度特性と
一致しなくなり、逆に2.0 cycle/mm近傍の特性を基本解
像度特性に一致させようとすれば、1.0cycle/mm近傍の
レスポンスも持ち上がるため1.0 cycle/mm近傍では基本
解像度特性と一致しなくなるというように、1.0cycle/m
m〜2.0cycle/mmの間のレスポンスを微調整することが難
しい(できない)。
【0156】したがって、基本解像度5本/mm用の変
換関数群として、図35(A)に示すように、比較的低
周波側から比較的高周波側に亘って強調するような特性
となる変換関数群(パラメータ)の設定となっている場
合において、4本/mm用の変換関数群を計算する際に
は、最高周波数帯域信号を除く低周波側の帯域信号に対
する変換関数として、最高周波数帯域信号に対する変換
関数によって1.0 cycle/mm近傍が持ち上がる分を補正す
るような値にすることができ、計算された変換関数群に
基づく処理済画像信号Sprocのレスポンスを、図35
(B)に示すように、1.0cycle/mm〜2.0cycle/mm近傍に
おいても、基本解像度特性と略一致させることができ
る。
【0157】しかしながら、基本解像度5本/mm用の
変換関数群として、図35(C)に示すように、比較的
高周波成分のみを強調するなどナイキスト周波数に近い
周波数帯域で急激な特性変化を持つような特性となる変
換関数群の設定となっている場合には、上述のように1.
0cycle/mm〜2.0cycle/mmの間のレスポンスを微調整する
ことが難しいという問題があるため、処理済画像信号S
procの全周波数帯域に亘ってレスポンスを基本解像度特
性と一致させるということはできない。この場合、図3
5(D)に示すように、視覚的に影響が大きな(画質に
影響を与える度合いの大きい)低周波側のレスポンスを
重視し、例えばナイキスト周波数(本例では2.0 cycle/
mm)の1/5以下の周波数において、処理済画像信号S
procのレスポンスが基本解像度特性と一致するようにす
るのが好ましい。また、ナイキスト周波数の1/2以下
の低周波帯域成分を重視して基本解像度特性に合わせる
ようにすれば、よりよい結果となる。
【0158】また、上記第3から第5の実施形態におい
ては、入力される原画像信号Sorgの解像度に応じて変
換関数を算出しているが、入力する原画像信号Sorgの
レスポンスに関する特性情報に基づいて変換関数を補正
してもよい。すなわち、原画像信号Sorgを取得するた
めの装置としては、蓄積性蛍光体シートから放射線画像
を読み取る装置の他、半導体センサなどもあり、得られ
る原画像信号Sorgのレスポンスが装置に応じて異なる
ものである。このため、装置に応じた原画像信号Sorg
のレスポンスに関する特性情報に基づいて変換関数を補
正することにより、原画像信号Sorgを取得する装置に
拘わらず、一定の周波数応答特性を有する処理済画像信
号Sprocを得ることができる。例えば、ある装置におい
て得られる原画像信号Sorgの2cycle/mmにおけるレス
ポンスが基準となるレスポンスから40%劣っているよ
うな場合には、その旨を特性情報として本発明による画
像処理装置に入力し、画像処理装置においては2cycle/
mmのレスポンスが基準レスポンスとなるように変換関数
を補正し、補正された変換関数により処理済画像信号S
procを得る。
【0159】さらに、上記第4および第5の実施形態に
おいては、変換関数を非線形関数として帯域制限画像信
号に対して変換処理を施しているが、非線形関数に限定
されるものではなく、変換関数を線形関数や定数として
もよい。
【0160】また、上記第3から第5の実施形態におい
ては、原画像信号からフィルタリングおよび補間拡大に
よりボケ画像信号を求め、原画像信号およびボケ画像信
号から帯域制限画像信号を作成しているが、これに限定
されるものではなく、例えば原画像信号をウェーブレッ
ト変換やラプラシアンピラミッドなどの手法により多重
解像度に変換し、変換された各解像度毎の画像信号から
ボケ画像信号を作成して帯域制限画像信号を作成しても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による画像処理装置の構成を
示す概略ブロック図
【図2】原画像信号をウェーブレット変換して階層毎に
符号化する状態を示す図
【図3】第1の実施形態におけるボケ画像信号作成手段
の構成を示す概略ブロック図
【図4】フィルタリング処理に使用されるフィルタの一
例を示す図
【図5】低解像度画像信号作成処理の詳細を示す図
【図6】補間拡大処理に使用されるフィルタの一例を示
す図
【図7】周波数強調処理装置の一例を示す図
【図8】帯域制限画像信号の周波数応答特性を示す図
(基準解像度)
【図9】帯域制限画像信号の周波数応答特性を示す図
(1/2解像度)
【図10】帯域制限画像信号の周波数応答特性を示す図
(1/4解像度)
【図11】帯域制限画像信号の周波数応答特性を示す図
(1/8解像度)
【図12】帯域制限画像信号の周波数応答特性を示す図
(1/16解像度)
【図13】第1の実施形態の動作を示すフローチャート
【図14】基準解像度画像から得られる6つのボケ画像
信号と、最低解像度から所定解像度に最も近い周波数帯
域までの低解像度画像から得られる低解像度ボケ画像信
号との対応関係を示す図
【図15】基準解像度画像から得られる6つの帯域制限
画像信号と、各解像度画像に基づく原画像信号および低
解像度ボケ画像信号から得られる低解像度帯域制限画像
信号との対応関係を示す図
【図16】基準解像度画像と各解像度画像とにおける変
換関数の対応関係を示す図
【図17】第2の実施形態におけるボケ画像信号作成手
段の構成を示す概略ブロック図
【図18】基準解像度の画像と拡大画像における、各帯
域制限画像信号の対応関係を示す図
【図19】基準解像度の画像と拡大画像における、各変
換関数の対応関係を示す図
【図20】本発明の第3の実施形態による画像処理装置
の構成を示す概略ブロック図
【図21】処理済画像信号の周波数応答特性を示す図
【図22】帯域制限画像信号の周波数応答特性を示す図
(300dpi)
【図23】第3の実施形態により得られた処理済画像信
号の周波数応答特性を示す図
【図24】第3の実施形態の処理を示すフローチャート
【図25】変換関数の選択状態を示す図
【図26】解像度に応じた帯域制限画像信号の数を示す
【図27】帯域制限画像信号の周波数応答特性を示す概
略図(200dpi)
【図28】処理済画像信号の周波数応答特性を示す図
【図29】レスポンスX1[F1]と関数X1[i]との対応関係
を示す図
【図30】関数X1[i]と関数Z1[i]との関係を示す図
【図31】ダイナミックレンジ圧縮処理装置の一例を示
す図
【図32】第1の変換手段における変換関数の一例を表
す図
【図33】第1の変換手段における変換関数の他の例を
表す図
【図34】第2の変換手段における変換関数の一例を表
す図
【図35】強調特性と処理済画像信号が表す画像のレス
ポンスの関係を示す図
【符号の説明】
1 画像処理装置 2 ボケ画像信号作成手段 3 周波数強調処理手段、変換処理手段 4 パラメータ設定手段 5 拡大率入力手段 6 拡大縮小手段 10 フィルタリング処理手段 11,31 補間処理手段 21 減算器 22 変換器 23 演算器 30 復号化手段 40 変換関数算出手段 50 解像度情報入力手段

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された画像信号から互いに異なる
    帯域制限特性を有する複数の帯域制限画像信号を作成
    し、該各帯域制限画像信号に対応して設定された複数の
    変換関数に基づいて変換処理を施して変換画像信号を
    得、該変換画像信号に基づいて、前記入力された画像信
    号に対して所定の処理を施して処理済画像信号を得る画
    像処理方法において、 基準解像度を有する基準解像度画像について前記変換処
    理を行なう際に用いられる、該基準解像度画像について
    の前記各帯域制限画像信号に対応する基準変換関数を用
    意し、 前記基準解像度とは異なる解像度を有する処理用画像を
    表す画像信号が入力されたとき、前記基準解像度画像に
    ついての前記各帯域制限画像信号の周波数帯域が前記処
    理用画像についての前記各帯域制限画像信号の周波数帯
    域に最も近くなるように前記基準変換関数を相対移動さ
    せ、この相対移動させた基準変換関数を前記処理用画像
    についての変換関数として設定することを特徴とする画
    像処理方法。
  2. 【請求項2】 前記処理用画像についての変換関数と
    該変換関数に対応する前記各帯域制限画像信号の組数
    を、前記処理用画像の解像度が前記基準解像度の2
    −(p+1)倍から2−p倍(pは正の整数)の範囲内
    にあるときにはp個だけ減少させ、前記処理用画像の解
    像度が前記基準解像度の2q−1 倍から2 倍(q
    は正の整数)の範囲内にあるときにはq個だけ増加させ
    ることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
  3. 【請求項3】 前記処理用画像の解像度が前記基準解
    像度よりも低い場合は、前記複数の変換関数のうち前記
    処理用画像の解像度以下の周波数帯域に対応する変換関
    数を、前記変換処理を行なう変換関数として設定するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】 前記基準解像度画像の画像サイズとは
    異なる画像サイズの出力画像を得る際には、 前記出力画像の画像サイズに近い、前記基準解像度画像
    の画像サイズを22k(kは整数)倍した変倍画像を
    得、該変倍画像を前記処理用画像として前記変換処理お
    よび前記所定の処理を施し、 その後、前記処理済画像信号が表す前記22k倍の変倍
    画像に対して、前記出力画像の画像サイズと等しくなる
    ようにさらに変倍処理を施すことを特徴とする請求項1
    から3いずれか1項記載の画像処理方法。
  5. 【請求項5】 入力された画像信号から互いに異なる
    帯域制限特性を有する複数の帯域制限画像信号を作成
    し、該各帯域制限画像信号に対応して設定された複数の
    変換関数に基づいて変換処理を施して変換画像信号を
    得、該変換画像信号に基づいて、前記入力された画像信
    号に対して所定の処理を施して処理済画像信号を得る画
    像処理方法において、 基準解像度を有する基準解像度画像について前記変換処
    理を行なう際に用いられる、該基準解像度画像について
    の前記各帯域制限画像信号に対応する基準変換関数を用
    意し、 前記基準解像度とは異なる解像度を有する処理用画像を
    表す画像信号が入力されたとき、前記処理用画像の解像
    度と前記基準解像度の違いに基づいて、前記処理用画像
    についての処理済画像信号のレスポンスが、前記基準解
    像度画像についての処理済画像信号のレスポンスと略同
    じになるように前記基準変換関数を補正し、この補正に
    より得た関数を前記処理用画像についての変換関数とし
    て設定することを特徴とする画像処理方法。
  6. 【請求項6】 前記基準変換関数の補正を、前記処理
    用画像を表す画像信号を処理して得た前記処理済画像信
    号により表される画像の特性が、該処理用画像の解像度
    に応じたナイキスト周波数の少なくとも1/5以下の周
    波数範囲において、前記基準解像度画像を表す画像信号
    を処理して得た前記処理済画像信号により表される画像
    の特性とほぼ一致するように行なうことを特徴とする請
    求項5項記載の画像処理方法。
  7. 【請求項7】 前記処理用画像の解像度に関する情報
    を取得し、該情報に基づいて、前記処理用画像について
    の変換関数を設定することを特徴とする請求項1から6
    いずれか1項記載の画像処理方法。
  8. 【請求項8】 前記入力された画像信号に基づいて互
    いに周波数応答特性が異なる複数のボケ画像信号を作成
    し、該複数のボケ画像信号および前記入力された画像信
    号に基づいて前記帯域制限画像信号を作成することを特
    徴とする請求項1から7いずれか1項記載の画像処理方
    法。
  9. 【請求項9】 前記基準変換関数は、非線形関数であ
    ることを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載の
    画像処理方法。
  10. 【請求項10】 前記所定の処理は、周波数強調処理
    であることを特徴とする請求項1から9いずれか1項記
    載の画像処理方法。
  11. 【請求項11】 前記所定の処理は、ダイナミックレ
    ンジ圧縮処理であることを特徴とする請求項1から9い
    ずれか1項記載の画像処理方法。
  12. 【請求項12】 入力された画像信号から互いに異な
    る帯域制限特性を有する複数の帯域制限画像信号を作成
    する画像信号作成手段と、該各帯域制限画像信号に対応
    する複数の変換関数を設定し、設定した変換関数に基づ
    いて変換処理を施して変換画像信号を得、該変換画像信
    号に基づいて、前記入力された画像信号に対して所定の
    処理を施して処理済画像信号を得る変換処理手段とを備
    えた画像処理装置において、 前記変換処理手段が、基準解像度を有する基準解像度画
    像について前記変換処理を行なう際に用いられる、該基
    準解像度画像についての前記各帯域制限画像信号に対応
    する基準変換関数を保持すると共に、前記基準解像度と
    は異なる解像度を有する処理用画像を表す画像信号が前
    記画像信号作成手段に入力されたとき、前記基準変換関
    数に対応する前記各帯域制限画像信号の周波数帯域が前
    記処理用画像についての前記各帯域制限画像信号の周波
    数帯域に最も近くなるように前記基準変換関数を相対移
    動させ、この相対移動させた基準変換関数を前記処理用
    画像についての変換関数として設定するものであること
    を特徴とする画像処理装置。
  13. 【請求項13】 前記変換処理手段が、前記処理用画
    像についての変換関数と該変換関数に対応する前記各帯
    域制限画像信号の組数を、前記処理用画像の解像度が前
    記基準解像度の2−(p+1)倍から2−p倍(pは正
    の整数)の範囲内にあるときにはp個だけ減少させ、前
    記処理用画像の解像度が前記基準解像度の2q−1
    から2倍(qは正の整数)の範囲内にあるときには
    q個だけ増加させるものであることを特徴とする請求項
    12記載の画像処理装置。
  14. 【請求項14】 前記変換処理手段が、前記処理用画
    像の解像度が前記基準解像度よりも低い場合は、前記複
    数の変換関数のうち前記処理用画像の解像度以下の周波
    数帯域に対応する変換関数を、前記変換処理を行なう変
    換関数として設定するものであることを特徴とする請求
    項12または13記載の画像処理装置。
  15. 【請求項15】 前記基準解像度画像の画像サイズと
    は異なる大きさの出力画像の画像サイズに近い前記基準
    解像度画像の22k(kは整数)倍となる第1の倍率
    と、該第1の倍率で変倍された画像を該画像の画像サイ
    ズが前記出力画像の画像サイズと等しくなるように変倍
    するための第2の倍率とを算出する倍率算出手段と、 前記第1の倍率により前記基準解像度画像を変倍処理し
    て前記処理用画像を得る第1の変倍処理手段と、 前記変倍処理を行なって得た処理用画像を表す画像信号
    から互いに異なる帯域制限特性を有する複数の帯域制限
    画像信号を作成し、前記複数の変換関数のうち前記処理
    用画像の解像度以下の周波数帯域に対応する変換関数
    を、前記変換処理を行なう変換関数として設定して該変
    換処理を行なって変換画像信号を得、該変換画像信号に
    基づいて前記処理済画像信号を得るよう前記画像信号作
    成手段および前記変換処理手段を制御する制御手段と、 該処理済画像信号を前記第2の倍率によりさらに変倍処
    理して前記出力画像を表す変倍処理済画像信号を得る第
    2の変倍処理手段とを備えたことを特徴とする画像処理
    装置。
  16. 【請求項16】 入力された画像信号から互いに異な
    る帯域制限特性を有する複数の帯域制限画像信号を作成
    する画像信号作成手段と、該各帯域制限画像信号に対応
    する複数の変換関数を設定し、設定した変換関数に基づ
    いて変換処理を施して変換画像信号を得、該変換画像信
    号に基づいて、前記入力された画像信号に対して所定の
    処理を施して処理済画像信号を得る変換処理手段とを備
    えた画像処理装置において、 前記変換処理手段が、基準解像度を有する基準解像度画
    像について前記変換処理を行なう際に用いられる、該基
    準解像度画像についての前記各帯域制限画像信号に対応
    する基準変換関数を保持すると共に、前記基準解像度と
    は異なる解像度を有する処理用画像を表す画像信号が前
    記画像信号作成手段に入力されたとき、前記処理用画像
    の解像度と前記基準解像度の違いに基づいて、前記処理
    用画像についての処理済画像信号のレスポンスが、前記
    基準解像度画像についての処理済画像信号のレスポンス
    と略同じになるように前記基準変換関数を補正し、この
    補正により得た関数を前記処理用画像についての変換関
    数として設定するものであることを特徴とする画像処理
    装置。
  17. 【請求項17】 前記変換処理手段が、前記基準変換
    関数の補正を、前記処理用画像を表す画像信号を処理し
    て得た前記処理済画像信号により表される画像の特性
    が、該処理用画像の解像度に応じたナイキスト周波数の
    少なくとも1/5以下の周波数範囲において、前記基準
    解像度画像を表す画像信号を処理して得た前記処理済画
    像信号により表される画像の特性とほぼ一致するように
    行なうものであることを特徴とする請求項16記載の画
    像処理装置。
  18. 【請求項18】 前記処理用画像の解像度に関する情
    報を取得する解像度情報取得手段をさらに備え、前記変
    換処理手段は、該解像度情報取得手段により取得された
    情報に基づいて、前記処理用画像についての変換関数を
    設定するものであることを特徴とする請求項12から1
    7いずれか1項記載の画像処理装置。
  19. 【請求項19】 前記画像信号作成手段は、前記入力
    された画像信号に基づいて互いに周波数応答特性が異な
    る複数のボケ画像信号を作成し、該複数のボケ画像信号
    および前記入力された画像信号に基づいて前記帯域制限
    画像信号を作成するものであることを特徴とする請求項
    12から18いずれか1項記載の画像処理装置。
  20. 【請求項20】 前記基準変換関数は、非線形関数で
    あることを特徴とする請求項12から19いずれか1項
    記載の画像処理装置。
  21. 【請求項21】 前記所定の処理は、周波数強調処理
    であることを特徴とする請求項12から20いずれか1
    項記載の画像処理装置。
  22. 【請求項22】 前記所定の処理は、ダイナミックレ
    ンジ圧縮処理であることを特徴とする請求項12から2
    0いずれか1項記載の画像処理装置。
  23. 【請求項23】 入力された画像信号から互いに異な
    る帯域制限特性を有する複数の帯域制限画像信号を作成
    する手順と、該各帯域制限画像信号に対応して設定され
    た複数の変換関数に基づいて変換処理を施して変換画像
    信号を得、該変換画像信号に基づいて、前記入力された
    画像信号に対して所定の処理を施して処理済画像信号を
    得る手順とを有する画像処理方法をコンピュータに実行
    させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り
    可能な記録媒体において、基準解像度を有する基準解像
    度画像について前記変換処理を行なう際に用いられる、
    該基準解像度画像についての前記各帯域制限画像信号に
    対応する基準変換関数を用意する手順と、前記基準解像
    度とは異なる解像度を有する処理用画像を表す画像信号
    が入力されたとき、前記基準解像度画像についての前記
    各帯域制限画像信号の周波数帯域が前記処理用画像につ
    いての前記各帯域制限画像信号の周波数帯域に最も近く
    なるように前記基準変換関数を相対移動させ、この相対
    移動させた基準変換関数を前記処理用画像についての変
    換関数として設定する手順を有することを特徴とするコ
    ンピュータ読取り可能な記録媒体。
  24. 【請求項24】 前記変換関数を設定する手順は、前
    記処理用画像についての変換関数と該変換関数に対応す
    る前記各帯域制限画像信号の組数を、前記処理用画像の
    解像度が前記基準解像度の2−(p+1)倍から2−p
    倍(pは正の整数)の範囲内にあるときにはp個だけ減
    少させ、前記処理用画像の解像度が前記基準解像度の2
    q−1 倍から2倍(qは正の整数)の範囲内にあ
    るときにはq個だけ増加させる手順であることを特徴と
    する請求項23記載のコンピュータ読取り可能な記録媒
    体。
  25. 【請求項25】 前記変換関数を設定する手順は、前
    記処理用画像の解像度が前記基準解像度よりも低い場合
    は、前記複数の変換関数のうち前記処理用画像の解像度
    以下の周波数帯域に対応する変換関数を、前記変換処理
    を行なう変換関数として設定する手順であることを特徴
    とする請求項23または24記載のコンピュータ読取り
    可能な記録媒体。
  26. 【請求項26】 前記帯域制限画像信号を作成する手
    順は、前記基準解像度画像の画像サイズとは異なる大き
    さの出力画像の画像サイズに近い前記基準解像度画像の
    2k(kは整数)倍となる第1の倍率と、該第1の倍
    率で変倍された画像を該画像の画像サイズが前記出力画
    像の画像サイズと等しくなるように変倍するための第2
    の倍率とを算出する手順と、 前記第1の倍率により前記基準解像度画像を変倍処理し
    て変倍画像を得、該変倍画像を前記処理用画像として前
    記変換処理および前記所定の処理を施させる手順と、 前記処理済画像信号を前記第2の倍率によりさらに変倍
    処理して前記出力画像を表す変倍処理済画像信号を得る
    手順とをさらに有することを特徴とする請求項23から
    25いずれか1項記載のコンピュータ読取り可能な記録
    媒体。
  27. 【請求項27】 入力された画像信号から互いに異な
    る帯域制限特性を有する複数の帯域制限画像信号を作成
    する手順と、該各帯域制限画像信号に対応して設定され
    た複数の変換関数に基づいて変換処理を施して変換画像
    信号を得、該変換画像信号に基づいて、前記入力された
    画像信号に対して所定の処理を施して処理済画像信号を
    得る手順とを有する画像処理方法をコンピュータに実行
    させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り
    可能な記録媒体において、 基準解像度を有する基準解像度画像について前記変換処
    理を行なう際に用いられる、該基準解像度画像について
    の前記各帯域制限画像信号に対応する基準変換関数を用
    意する手順と、 前記基準解像度とは異なる解像度を有する処理用画像を
    表す画像信号が入力されたとき、前記処理用画像の解像
    度と前記基準解像度の違いに基づいて、前記処理用画像
    についての処理済画像信号のレスポンスが、前記基準解
    像度画像についての処理済画像信号のレスポンスと略同
    じになるように前記基準変換関数を補正し、この補正に
    より得た関数を前記処理用画像についての変換関数とし
    て設定する手順を有することを特徴とするコンピュータ
    読取り可能な記録媒体。
  28. 【請求項28】 前記変換関数を設定する手順が、前
    記基準変換関数の補正を、前記処理用画像を表す画像信
    号を処理して得た前記処理済画像信号により表される画
    像の特性が、該処理用画像の解像度に応じたナイキスト
    周波数の少なくとも1/5以下の周波数範囲において、
    前記基準解像度画像を表す画像信号を処理して得た前記
    処理済画像信号により表される画像の特性とほぼ一致す
    るように行なう手順であることを特徴とする請求項27
    項記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  29. 【請求項29】 前記処理用画像の解像度に関する情
    報を取得する手順をさらに有し、前記変換関数を設定す
    る手順が、該情報に基づいて、前記処理用画像について
    の変換関数を設定する手順であることを特徴とする請求
    項23から28いずれか1項記載のコンピュータ読取り
    可能な記録媒体。
  30. 【請求項30】 前記複数の画像信号を作成する手順
    は、前記入力された画像信号に基づいて互いに周波数応
    答特性が異なる複数のボケ画像信号を作成し、該複数の
    ボケ画像信号および前記入力された画像信号に基づいて
    前記帯域制限画像信号を作成する手順であることを特徴
    とする請求項23から29いずれか1項記載のコンピュ
    ータ読取り可能な記録媒体。
  31. 【請求項31】 前記基準変換関数は、非線形関数で
    あることを特徴とする請求項23から30いずれか1項
    記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  32. 【請求項32】 前記所定の処理は、周波数強調処理
    であることを特徴とする請求項23から31いずれか1
    項記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  33. 【請求項33】 前記所定の処理は、ダイナミックレ
    ンジ圧縮処理であることを特徴とする請求項23から3
    1いずれか1項記載のコンピュータ読取り可能な記録媒
    体。
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