JP3302136B2 - 腕時計カバーガラス用接着機及び腕時計カバーガラスの接着方法 - Google Patents

腕時計カバーガラス用接着機及び腕時計カバーガラスの接着方法

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JP3302136B2
JP3302136B2 JP28353693A JP28353693A JP3302136B2 JP 3302136 B2 JP3302136 B2 JP 3302136B2 JP 28353693 A JP28353693 A JP 28353693A JP 28353693 A JP28353693 A JP 28353693A JP 3302136 B2 JP3302136 B2 JP 3302136B2
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純一 長岡
清満 深沢
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セイコーインスツルメンツ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、腕時計用カバーガラ
ス接着に使用する接着機に関するものである。特に、従
来の接着機の接着作業の能率を上げた接着機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、腕時計用カバーガラスを腕時計ケ
ースに接着剤を用いて接着固定する構造は多く提案され
実施されている。接着剤により固定する構造の利点は、
腕時計用カバーガラスの取付け固定が容易で部品点数が
少なく、仕上がり外観も良好であることである。
【0003】接着剤としては従来はエポキシ系の熱硬化
型接着剤が多く用いられていたが、近年はアクリル系等
の紫外線硬化型接着剤も多用されるようになってきた。
紫外線硬化型接着剤は1液タイプであるため2液混合の
手間がかからず、ポットライフが長く、短時間の紫外線
照射で硬化することができるため、作業性が良好である
という利点がある。
【0004】接着工程は接着剤をケースの接着部に塗布
後ガラスをセットして加熱叉は紫外線を照射して硬化せ
しめる。接着剤を塗布する作業については注射器を用い
て手作業により塗布する場合もあるが、近年は接着機を
用いて接着剤を塗布する場合も多くなってきた。
【0005】ここで時計用カバーガラスの接着機につい
て説明する。図3は、従来の接着機の外観図である。接
着機は、時計ケースに腕時計用カバーガラスを接着する
際、接着剤を塗布する機械であり、時計ケース2を載せ
るステーション1、カバーガラス6を取り外すアーム
4、接着剤を塗布するディスペンサー8を備えている
カバーガラスを時計ケースから取り外し、ディスペンサ
ーにより接着剤を塗布し、カバーガラスをセットできる
ようにしたものである。
【0006】時計ケースの所定位置にディスペンサー先
端部を接触させ、塗布するために、ディスペンサーは先
端部が接着位置に追随して動くようになっている。ま
た、ケースを載せる台は任意の速度で回転させ、回転す
るに従って、接着剤が塗布されるようになっている。ア
ーム4はガイドによりカバーガラス6を吸い取った位置
に戻り停止するようになっている。そのためカバーガラ
ス6を元の時計ケース2のカバーガラスを接着する位置
に正確に戻すことができる。
【0007】次に、接着機の作用について説明する。カ
バーガラス6を時計ケース2のカバーガラスを接着する
位置にセット後、アームを手で移動させ、カバーガラス
6をアーム先端に取り付けた吸着盤をカバーガラス6に
接触させ、吸引して吸いとる。次に、ディスペンサーを
時計ケースの位置に移動させ、時計ケースのガラスとの
接着部にディスペンサーの先端8aを接触させ、時計ケ
ース2を載せたステーションをC方向に回転させて、接
着剤を塗布する。先端部は接着位置に追随して動く。
【0008】そして、接着剤を塗布後、アーム4の先端
につけた吸着盤で吸い取ったカバーガラス6を戻し時計
ケース2の接着位置に降ろし、吸引を切って、接着位置
に戻す。接着機により接着する場合の利点は、ディスペ
ンサーにより塗布するため、接着剤塗布量が一定にな
り、そのため、接着品質が安定し、信頼性が高いという
ことである。
【0009】しかし、従来の接着機は、手作業によりカ
バーガラスをケースにセット後、同じく手作業によりア
ームを動かして、アーム先端の吸着盤でカバーガラスを
吸い取り、ディスペンサーにより接着剤を塗布する。そ
のため、ディスペンサーにより接着剤を塗布する間作業
を行う者は待っている必要があり、作業の能率が低いと
いう欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの欠
点を除去するためなされたものであり、接着機により接
着剤を塗布する場合の作業の能率を向上せしめようとす
るものである。即ち、時計ケースをセットする作業と接
着剤塗布作業とを同時に行うことができるようにしよう
とするものである。
【0011】また、カバーガラスの着脱を自動化して、
作業能率を向上しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、腕時計用カバ
ーガラスを接着する際、ケースを載せるステーションを
回転テーブル上に2個設け、時計ケースをセットする位
置とディスペンサーにより接着剤を塗布する位置とを分
け、一方でカバーガラスを載せた時計ケースをセット
後、回転テーブルを回転することによりステーションを
回転させ、接着剤を塗布する位置でディスペンサーによ
り接着剤を塗布する。そして、接着剤を塗布している時
に、次の時計ケースを手作業によりセットできるように
したものである。
【0013】また、カバーガラスを吸い取る吸着盤を取
り付けたアームは時計ケースを乗せるステーションと一
体となって回転するようになっていて、ステーションが
回転する間に、アームが自動的に下降し、真空吸引して
カバーガラスを時計ケースから吸い取って持ち上げ、ま
た、接着剤塗布後はカバーガラスを時計ケースの元の位
置に戻し、真空吸引を切ってカバーガラスを元の位置に
戻すことができるようになっている。
【0014】ステーションとアームは台に固定され一体
となって回転するため、相対的な位置ずれはない。その
ため、カバーガラスを時計ケースから取り外し、再度元
に戻すとき、正確に元の位置に戻すことができる。
【0015】
【作用】本発明による接着機では、まずカバーガラスを
接着位置においた時計ケースを所定位置にセットする。
その後、時計ケースを載せたステーションは台の回転に
従って回転する。回転する間にステーションと一体とな
って回転しているアームが下降上昇し、先端につけた吸
着盤がカバーガラスを真空吸引して吸い取り、その後、
180度回転した位置でステーションは停止し、ディス
ペンサーの先端がケースの接着部に接し、ステーション
は回転し、接着部に接着剤を塗布する。この間に、次の
ケースを手作業によりセットする。再度ステーションが
回転する間にアームが下降し、接着剤が塗布された時計
ケースにカバーガラスが戻され、真空吸引を切ってカバ
ーガラスがセットされる。
【0016】はじめの位置に戻ったケースを取り外し、
次のケースをセットして接着作業を継続する。以上の工
程により、容易にカバーガラス接着部に接着剤を塗布し
カバーガラスをセットするという接着機による接着作業
を能率よく行うことが出来、接着品質の信頼性の高い製
品を得ることができる。
【0017】
【実施例】以下、図面に従って本発明の実施例を詳細に
説明する。図1はこの発明の実施例を示す装置の外観図
であり、ベース11に図示省略の間欠回転駆動機構によ
り180度毎の回転をする回転テーブル12が回転自在
に保持されている。回転テーブル上面の対向する位置に
は、第1ステーション13、第2ステーション14がそ
れ自体は自転できるように設けられ、時計ケース21を
定位置に保持するようになっている。回転テーブル12
にはエアシリンダ31がコラム32により保持されてい
る。コラム32の下部にはアリ形状をしたガイド33が
設けられ、このガイド33に嵌合する図示省略のアリ溝
を有する移動ブロック34がエアシリンダ31の先端部
にB−B’方向に移動できるように取り付けられて上下
駆動手段を形成している。エアシリンダ31は、図示省
略の回転軸受部に取り付けられたエアダクト38に連結
している。そのために、回転テーブル12がA方向に回
転してもエアダクト38は軸受部で滑り捩り力を受けな
いようになっている。移動ブロック34には左右に延び
るアーム35a、35bとその先端に取り付けられた吸
着盤37a、37bがあり、これらの吸着盤はエアパイ
プ36a、36bにそれぞれ連結している。ベース11
の一側には図示省略の制御装置に押しボタンにより指令
する操作盤51がある。ベース11の他側上面にはコラ
ム46が設けられ、コラム中心部に設けた穴に支軸47
を回転自在に保持している。支軸47の上部にはブロッ
ク45が取り付けられ、これに連結したアーム44を介
してディスペンサー41を保持する保持部ブロック42
が支軸47を支点として旋回運動できるように保持され
ている。ディスペンサー41の下部には細径部を有する
抽出部41aがステーション面上に向かって設けられ、
その上部にはエアパイプ43が連結され、ディスペンサ
ー41内の接着剤をエアーにより押し出すことができる
ようになっている。
【0018】回転テーブル12の回転中心付近には移動
ブロック34の下限位置を規制するストッパ15が設け
られている。図1は、時計ケース21にディスペンサー
抽出ブロック41aが接近して接着剤を塗布している状
態を示し、この間はカバーガラス22は吸着盤37bに
吸着され、移動ブロック34とともに上方に移動して待
機している。
【0019】本発明の接着機は、上記のように構成され
ており、以下その作用について説明する。まず、カバー
ガラスを時計ケースに載せ、時計ケース21を第1ステ
ーション13の所定の位置にセットする。すると、第1
ステーション13が固袈された回転テーブル12はA方
向に回転する。また、カバーガラスを吸い取る吸着盤を
取り付けたアーム35a、35bは、回転テーブル12
がA方向に回転するにしたがって一体となって回転す
る。回転する間に、アーム35a、35bがB’方向に
下降し、時計ケース21にセットしてあるカバーガラス
22を吸着盤37bにより吸引して吸い取り、アーム3
5a、35bは上昇し、カバーガラス22を時計ケース
21から取り外す。回転テーブルは180度回転し、第
2ステーション14の位置で停止する。このとき、カバ
ーガラス22はディスペンサー41の上方に位置し、デ
ィスペンサー41により時計ケース21に接着剤を塗布
する作業の邪魔にならないようになっている。この位置
においてディスペンサー41は下降し、時計ケース21
の接着部にディスペンサー先端ブロック41aは時計ケ
ース21のC方向回転に追随して動き、時計ケース21
の先端部に接着剤を塗布する。
【0020】時計ケース21の所定位置に接着剤を塗布
後、回転テーブル12が再びA方向に回転し、回転する
アーム35a、35bがB’方向に下降し、吸着盤37
bにより吸い取ったカバーガラス22を、時計ケース2
1のカバーガラス固定位置に戻し、吸引を切ってカバー
ガラス22を時計ケース21にセットし接着される。
【0021】図2(A)、図2(B)は本発明の接着機
による接着作業工程を表したものである。図2(A)は
回転テーブル12の回転角位置を60度毎AからFまで
の6箇所示した図である。図2(B)は第1ステーショ
ンおよび第2ステーションの各回転角位置における作業
工程を示している。
【0022】図において、Aの位置でカバーガラス22
を載せた時計ケース21をセットし、第1ステーション
13がBの位置からCの位置まで移動する間にアーム3
5a、35bが下降し、カバーガラス22を吸着盤37
aにより吸着し、アーム35a、35bは上昇し、カバ
ーガラス22を時計ケース21から取り外す。Dの位置
において、ディスペンサー41により時計ケース21の
接着部に接着剤を塗布する。第1ステーション13がD
の位置にあり、接着剤を塗布する時に、第2ステーショ
ン14で次のカバーガラスを乗せた時計ケースを手作業
または機械によりによりセットする。さらに、第1ステ
ーション13がEの位置からFの位置まで移動する間に
アーム35a、35bが下降し、吸引を切ってガラスを
外し上昇して、取り外したカバーガラス22を時計ケー
ス21にセットする。このとき同時に、第2ステーショ
ン14は、Bの位置からCの位置まで移動する間にカバ
ーガラス22を取り外す作業を行っている。
【0023】即ち、時計ケースのセットと接着剤塗布と
を同時に行うことができる。また、ガラスの着脱は、ス
テーションの移動中に自動的に行われるため、時間の無
駄がない。このため、ディスペンサーにより接着剤を塗
布している間待っている必要がなくなり、能率よく作業
することができる。
【0024】なお、実施例ではステーション数を2個と
したが4個にするなど数を増やすことは当業者において
容易にできる。
【0025】
【発明の効果】本発明は、上記のように時計ケースのセ
ットと接着剤の塗布とを同時に進行させることが出来、
また、時計ケースをセットする位置から接着剤を塗布す
る位置への移動中にガラスの着脱を行うことが出来る。
【0026】接着機により接着剤を塗布する場合の作業
の能率を向上させることができるものであり、本接着機
によれば、信頼性の高い均質な製品が省力化されて得ら
れるので極めて大きな効果を有する発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明接着機の外観図である。
【図2】(A)、(B)は本発明接着機による接着作業
の工程図である。
【図3】従来の接着機の外観図である。
【符号の説明】
11 ベース 12 回転テーブル 13 第1ステーション 14 第2ステーション 15 ストッパ 21 時計ケース 22 カバーガラス 31 エアシリンダ 32、46 コラム 33 ガイド 35a,35b、44 アーム 36a,36b、43 エアパイプ 38 エアダクト 37a,37b 吸着盤 41 ディスペンサー 41a ディスペンサー先端部 42 保持部 45 ブロック 47 支軸 51 操作盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭55−107268(JP,U) 実開 昭58−92692(JP,U) 実開 平2−91680(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G04D 3/06 G04B 39/02 B05C 13/00 B05C 5/

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースと、 前記ベース上に回転自在に保持された回転テーブルと、 前記回転テーブル上の対抗する位置に時計ケースを載せ
    る自転可能な少なくとも2つのステーションと、 前記回転テーブル上に固定されたアームに設けられ、カ
    バーガラスを吸着して前記時計ケースに前記カバーガラ
    スをセットする吸着盤と、 前記ベース上で前記回転テーブルと隣接する位置に設
    け、前記時計ケースに接着剤を塗布するディスペンサー
    と、 を有する腕時計カバーガラス用接着機。
  2. 【請求項2】 前記吸着盤は、前記回転テーブルが回転
    している間に、前記時計ケースの接着位置に置かれたカ
    バーガラスを吸引する請求項1記載の腕時計カバーガラ
    ス用接着機。
  3. 【請求項3】 前記吸着盤は、前記回転テーブルが回転
    している間に、前記カバーガラスを前記時計ケースにセ
    ットする請求項1又は2記載の腕時計カバーガラス用接
    着機。
  4. 【請求項4】 カバーガラスが接着位置に置かれた時計
    ケースをステーションにセットする工程と、 回転台を回転して前記ステーションを所定の位置に停止
    する工程と、 吸着盤が前記時計ケースから前記カバーガラスを吸着す
    る工程と、 ディスペンサーが前記時計ケースに接着剤を塗布する工
    程と、 前記回転台が再度回転するとともに、前記再度回転中に
    前記吸着盤が前記カバーガラスを前記時計ケースにセッ
    トする工程と、 を有する腕時計カバーガラスの接着方法。
  5. 【請求項5】 前記吸着盤が前記カバーガラスを吸着す
    る工程は、前記回転台が回転してから前記所定の位置に
    停止するまでの間に行われる請求項4に記載の腕時計カ
    バーガラスの接着方法。
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EP2924518B1 (fr) * 2014-03-27 2018-08-15 Omega SA Tourelle pour opérations sur mouvements horlogers
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