JP3302020B2 - プロテアーゼの測定方法及び該方法に用いる薄膜 - Google Patents

プロテアーゼの測定方法及び該方法に用いる薄膜

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雅司 小川
勤 浜岡
裕 田村
哲彦 立川
郁夫 長谷川
周作 吉木
紘司 長谷川
純爾 西垣
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、プロテアーゼの測定方法に関するものであ
る。より具体的には、癌細胞の浸潤活性や転移活性など
の癌の悪性度、歯周炎などの歯周病の進行度、リウマチ
性関節炎などにおける破壊性病態などの正確な診断を可
能にするプロテアーゼの測定方法に関するものである。
従来の技術 腫瘍の良性、悪性の相違を規定する因子の一つとし
て、間質結合組織への浸潤の有無を挙げることができ
る。この病態を明らかにするためには。腫瘍細胞自体の
増殖動態の変化を観察すると同時に、腫瘍細胞と間質結
合組織との相互作用に影響を及ぼす要因を検索すること
が必要である。特に、腫瘍細胞の浸潤や転移にはプロテ
アーゼが関与することが明らかにされており、プロテア
ーゼを制御することによって悪性腫瘍細胞の浸潤や転移
を抑制できる可能性がある。このようなプロテアーゼ
(細胞外マトリックス分解酵素)のうち、特にマトリッ
クス・メタロプロテアーゼ(MMP)が癌細胞の増殖、浸
潤、血管新生に重要な役割をはたすことが明らかにされ
ている(鶴尾隆編「癌転移の分子機構」、第8章、宮崎
香著「マトリックス・プロテアーゼと癌の浸潤・転
移」、pp.92−107、メジカルビュー社、1993年発行を参
照)。
一方、歯周病では歯肉溝上皮の破壊及びコラーゲンを
主体とした結合組織の破壊が初期病変として進行する
が、この組織の破壊にもマトリックス・メタロプロテア
ーゼが関与していることが知られている(歯周組織破壊
におけるプロテアーゼの関与、及び病態とプロテアーゼ
との相関については、青野正男監修「歯周治療の科
学」、白川正治著、第VII章「歯周組織の病理」、pp.99
〜109、医歯薬出版、並びに、長谷川ら、「歯周病態者
における歯肉溝滲出液(GCF)中のゲラチナーゼ活
性」、演題A−44、日本歯周病学会第37回秋期学術大会
などを参照)。
マトリックス・メタロプロテアーゼはコラーゲン、プ
ロテオグリカン、ラミニン、フィブロネクチン、及びゼ
ラチンなどの細胞外基質を分解する酵素であり、MMP−
1,2,3,7,9及び10など8種類の存在が明らかにされてい
る。間質型コラーゲナーゼ(MMP−1)は最も古くから
知られているマトリックス・メタロプロテアーゼであ
り、繊維芽細胞や軟骨などに分布しており、間質間のコ
ラーゲンを1/4及び1/3に切断する。歯周病においては、
主としてMMP−2(ゼラチナーゼA)及びMMP−9(ゼラ
チナーゼB)が歯周組織の構成成分であるIV型コラーゲ
ン、ラミニン、フィブロネクチン、及びプロテオグリカ
ンなどを破壊する。なお、マトリックス・メタロプロテ
アーゼの分泌は、細胞増殖因子であるEGFやTGF−βによ
って強く促進されており、他方、組織内の内在性インヒ
ビターによって分泌や活性発現が制御されている。もっ
とも、増殖因子が関与した場合にその発現がどのように
抑制されるのかは必ずしも明らかではない。
また、腫瘍細胞の浸潤や転移に関与する他のプロテア
ーゼとしては、セリンプロテアーゼであるプラスミノー
ゲン・アクティベーター(PA)を挙げることができる。
このプラスミノーゲン・アクティベーターはプラスミノ
ーゲンをプラスミンに変換する酵素であり、プラスミノ
ーゲン・アクティベーターの作用により生成したプラス
ミンがプロメタロプロテアーゼを活性型メタロプロテア
ーゼに変換する。従って、マトリックス・メタロプロテ
アーゼとプラスミノーゲン・アクティベーターとの間で
形成されるカスケードによって、癌細胞の浸潤や転移が
進行ないしは加速されると考えられる。
プロテアーゼは、上記の癌細胞の浸潤及び転移、並び
に歯周病の進行のほか、歯槽膿漏による骨組織や歯根膜
の破壊、リウマチ性関節炎による骨膜や骨組織の破壊な
どの破壊性病変に関与している可能性がある(リウマチ
におけるプロテアーゼの関与に関しては、日本臨床、50
(3),pp.463−467,1992を参照)。従って、細胞や組
織中のプロテアーゼを定量することによって、浸潤活性
及び転移活性などからみた癌細胞の悪性度や歯周病の病
態、及びリウマチなどの破壊性病変の進行程度を正確に
診断することが可能である(癌細胞の浸潤度とプロテア
ーゼ活性との相関いついては、例えば、Yamagata,et a
l.,Cancer Lett.,59,51,1991;Azzam,et al.,J.Natl.,Ca
ncer Inst.,85,1758,1993;Brown,et al.,Clin.Exp.Meta
stasis,11,183,1993;Davies,et al.,Br.J.Cancer,67,11
26,1993などを参照)。
従来、プロテアーゼの測定方法としては、基質の分解
の程度から酵素活性を測定するザイモグラフィー法や各
々のプロテアーゼに特異的な抗体を用いたイムノブロテ
ィング法などが利用されている。例えば、癌細胞や歯周
病化細胞を粉砕した後、抽出液をゼラチン含有SDS−ポ
リアクリルアミドゲルを用いた電気泳動に付し、電気泳
動後のゲルをアミドブラックで染色して、染色されずに
白く透明なバンドを与える試料をプロテアーゼ陽性と判
定する方法が知られている。しかしながら、この方法で
は測定毎にSDS−ポリアクリルアミドゲルを作成する必
要があり、検出までに約30時間を要するという問題があ
る。
また、SDS−PAGEによる電気泳動後にゲルをメンブレ
ンに密着させ、ブロッティング後の酵素をモノクローナ
ル抗体で検出する方法もあるが、電気泳動を利用する点
で上記の方法と同様の欠点を有しており、それに加え
て、操作に熟練を要することと高価なモノクローナル抗
体を用いることも問題である。さらに、これらの方法は
個々の細胞のプロテアーゼを測定したものではなく、組
織全体のプロテアーゼ総量を検出するものであり、個々
の癌細胞の浸潤・転移活性の情報を得ることはできない
という問題がある。
最近、血管組織中のプロテアーゼ活性をザイモグラフ
ィーの原理により測定する方法が提案された(The FASE
B Journal,Vol.9,July,pp.974−980,1995)。この方法
では、蛍光性化合物が結合したカゼイン又はゼラチンを
プロテアーゼの基質として用い、この基質を含むアガロ
ースの薄膜をスライドグラス上に形成させた後、その薄
膜の表面に固定化されていない組織切片(6−10μm)
をのせて37℃で培養し、基質の消化を蛍光顕微鏡下に観
察する工程を含んでいる(第975頁、右欄第6〜18行の
プロトコールを参照)。この方法は、組織中のプロテア
ーゼを直接測定できる点では優れているものの、プロテ
アーゼの基質をスライドグラス上に固定化するためにア
ガロースを必須成分として用いる必要があり、プロテア
ーゼによる基質の消化にばらつきが生じてしまい、再現
性に乏しいという問題があった。
発明の開示 本発明の目的は、簡便かつ正確なプロテアーゼの測定
方法を提供することにある。より具体的には、浸潤や転
移活性などの癌細胞の悪性度、歯周病などの病態、及び
リウマチなどの破壊性病変の進行度を短時間で正確かつ
簡便に判定でき、癌の予後や破壊性病変の進行程度など
を正確に予測するために有用なプロテアーゼの測定方法
を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記の特徴を有するプロ
テアーゼの測定方法であって、被検組織内に局在する癌
細胞などに由来するプロテアーゼを正確に測定する方法
を提供することにある。
さらに本発明の別の目的は、上記のプロテアーゼの測
定方法に用いる薄膜を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意努力した結
果、ゼラチンなどのプロテアーゼ基質と硬膜剤とを含む
薄膜の表面に癌組織などの組織切片を密着させるか、あ
るいは歯周病などの病変組織などから採取した滲出液を
該薄膜上に滴下すると、試料中に含まれるプロテアーゼ
が薄膜を消化し薄膜表面に消化痕が形成されることを見
いだした。また、上記の方法がアガロースを含む薄膜を
用いる方法(The FASEB Journal,Vol.9,July,pp.974−9
80,1995)に比べて非常に再現性に優れており、試料中
のプロテアーゼ活性を正確に測定できることを見いだし
た。さらに、連続した組織切片を用いてそれぞれ組織標
本と上記の薄膜標本を作成して比較・比較することによ
り、組織中の個々の細胞内に発現しているプロテアーゼ
を測定することができることを見いだした。本発明はこ
れらの知見を基にして完成されたものである。
すなわち本発明は、プロテアーゼの測定方法であっ
て、(1)プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み支持体表
面に形成された薄膜に対してプロテアーゼを含む試料を
接触させる工程;及び(2)プロテアーゼの作用により
該薄膜に形成された消化痕を検出する工程を含む方法を
提供するものである。
本発明の第二の態様によれば、プロテアーゼの測定方
法であって、(1)プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み
支持体表面に形成された薄膜に対して生体試料の実質的
に連続した二切片のうちの一つを接触させる工程;
(2)プロテアーゼの作用により該薄膜に形成された消
化痕を検出する工程;及び(3)他の一つの切片から調
製した組織標本と上記消化痕とを対比する工程を含む方
法が提供される。
本発明の第三の態様によれば、プロテアーゼの測定方
法であって、(1)プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み
支持体表面に形成された薄膜に対して生体試料の実質的
に連続した2以上の切片のうちの一つを接触させる工
程;(2)プロテアーゼ基質、硬膜剤、及びプロテアー
ゼ・インヒビターを含み支持体表面に形成された薄膜に
対して残りの切片を接触させる工程;(3)プロテアー
ゼの作用により該薄膜に形成された消化痕を検出する工
程;及び(4)工程(1)で用いた薄膜の消化痕と工程
(2)で用いた薄膜の消化痕とを対比する工程を含む方
法が提供される。この方法の好ましい態様では、工程
(2)において、残りの2以上の各切片をそれぞれ異な
る種類のプロテアーゼ・インヒビターを含む薄膜に接触
させる工程を含んでいる。
本発明の第四の態様によれば、プロテアーゼの測定方
法であって、(1)プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み
支持体表面に形成された薄膜に対して生体試料の実質的
に連続した2以上の切片のうちの一つを接触させる工
程;(2)工程(1)で用いた薄膜に含まれるプロテア
ーゼ基質とは異なるプロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み
支持体表面に形成された薄膜に対して残りの切片を接触
させる工程;(3)プロテアーゼの作用により該薄膜に
形成された消化痕を検出する工程;及び(4)工程
(1)で用いた薄膜の消化痕と工程(2)で用いた薄膜
の消化痕とを対比す工程を含む方法が提供される。この
方法の好ましい態様では、工程(2)において、残りの
2以上の各切片をそれぞれ異なる種類のプロテアーゼ基
質を含む薄膜に接触させる工程を含んでいる。
本発明の第五の態様によれば、プロテアーゼの測定方
法であって、(1)少なくとも下記の2層:プロテアー
ゼ基質、硬膜剤、及びプロテアーゼ・インヒビターを含
み支持体表面に形成された(a)層と、プロテアーゼ基
質及び硬膜剤を含み(a)層に積層された(b)層とを
含む薄膜に対してプロテアーゼを含む試料を接触させる
工程;(2)プロテアーゼの作用により該薄膜に形成さ
れた消化痕を検出する工程;及び(3)(a)層の消化
痕と(b)層の消化痕とを対比する工程を含む方法が提
供される。
本発明の第六の態様によれば、(1)少なくとも下記
の2層:プロテアーゼ基質及び硬膜剤を含み支持体表面
に形成された(a)層と、(a)層に含まれるプロテア
ーゼ基質とは異なるプロテアーゼ基質及び硬膜剤を含み
(a)層に積層された(b)層とを含む薄膜に対してプ
ロテアーゼを含む試料を接触させる工程;(2)プロテ
アーゼの作用により該薄膜に形成された消化痕を検出す
る工程;及び(3)(a)層の消化痕と(b)層の消化
痕とを対比する工程を含む方法が提供される。
これらの方法では、プロテアーゼを含む試料や生体試
料は、支持体に接触することなく薄膜の表面に接触する
ことを特徴としている。
本発明のさらに別の態様によれば、上記の各方法にお
いて定義されたプロテアーゼ測定用の薄膜が提供され
る。
これらの発明の好ましい態様によれば、プロテアーゼ
基質が、コラーゲン、ゼラチン、プロテオグリカン、フ
ィブロネクチン、ラミニン、エラスチン、及びカゼイン
からなる群から選ばれる上記の各方法及び薄膜;該試料
が患者から分離・採取した生体試料である上記の各方法
及び薄膜;生体試料が癌組織切片、歯肉溝滲出液、又は
破壊性病変組織切片若しくは抽出液(例えば、リウマチ
性病変組織抽出液又は歯槽膿漏組織抽出液)である上記
の各方法及び薄膜;プロテアーゼがマトリックス・メタ
ロプロテアーゼである上記の各方法及び薄膜;消化痕を
染色により検出する上記の各方法及び薄膜;金属、金属
酸化物、顔料、及び染料からなる群から選ばれ、400nm
から700nmの波長領域の最大透過濃度が0.01以上の物質
の1種又は2種以上を含む薄膜を用いて検出を行う上記
の各方法;並びに、プロテアーゼ基質としてゼラチンを
用い、消化痕をアミドブラック又はクマジーブルーでゼ
ラチン染色する上記の各方法及び薄膜が提供される。
本発明の薄膜の好ましい態様によれば、金属、金属酸
化物、顔料、及び染料からなる群から選ばれ、400nmか
ら700nmの波長領域の最大透過濃度が0.01以上の物質の
1種又は2種以上を含む上記薄膜;支持体がスライドグ
ラス又はポリエチレンテレフタレートフイルムから選ば
れる上記薄膜;上記支持体と上記薄膜との間に下塗り槽
が設けられた上記薄膜;並びに、上記薄膜が感光・現像
・定着処理後の写真フイルムである上記薄膜も提供され
る。
本発明の別の態様により、上記のそれぞれの方法にお
いて定義された各工程に従ってプロテアーゼが関与する
疾患を診断する方法が提供される。この発明の好ましい
態様として、該疾患が、癌、リウマチ性疾患、歯周病、
及び歯槽膿漏からなる群から選ばれる疾患である上記方
法が提供される。
発明を実施するための最良の形態 上記の各態様のプロテアーゼの測定方法は、基本的に
は、プロテアーゼを含む試料を薄膜と接触させる工程
(第一工程)と、プロテアーゼの作用により該薄膜上に
形成された消化痕を検出する工程(第二工程)を含んで
いる。この方法に用いられるプロテアーゼ測定用の薄膜
は、基本的には、支持体表面上に単層又は多重層として
形成されており、プロテアーゼ基質と硬膜剤とを必須の
成分として含むことを特徴としている。従って、本発明
の方法に従うと、試料と薄膜との接触工程の当初におい
ては、試料と支持体とが接触しないという特徴がある。
また、上記の薄膜は硬膜剤を含有しており、アガロース
のようなバインダーが存在しないために、プロテアーゼ
により消化されるゼラチンなどのプロテアーゼ基質の膜
中密度が高く、例えばゼラチンなどのプロテアーゼ基質
の架橋により消化痕の形態の崩れが防止されるので、プ
ロテアーゼの測定感度や測定の再現性に優れるという特
徴を有している。
本明細書において用いられる測定方法という用語は、
定性及び定量を含めて最も広義に解釈されるべきであ
る。本発明の方法では、試料中に含まれるプロテアーゼ
によってプロテアーゼ基質が消化され、薄膜上に消化痕
が形成される。この消化痕は、例えば、必要に応じて適
宜の染色などを行った後に顕微鏡下で検出することがで
き、試料中のプロテアーゼの存在を証明することができ
る。
本発明の方法の測定対象となるプロテアーゼとして
は、例えば、マトリックス・メタロプロテアーゼ(MM
P)及びマトリックス・セリンプロテアーゼ(MSP)を挙
げることができる。これらの酵素については、鶴尾隆編
「癌転移の分子機構」、pp.92−107、メジカルビュー
社、1993年発行に詳細に説明されている。本発明の方法
に特に好適なプロテアーゼとして、例えば、間質型コラ
ーゲナーゼ(MMP−1)、ゼラチナーゼA(MMP−2)、
及びゼラチナーゼB(MMP−9)などのマトリックス・
メタロプロテアーゼ;及びプラスミノーゲン・アクティ
ベーター(PA)などのマトリックスセリンプロテアーゼ
を挙げることができるが、本発明の方法の対象はこれら
のプロテアーゼに限定されることはない。
プロテアーゼ基質は、プロテアーゼの基質として分解
される高分子化合物であれば特に限定されない。例え
ば、コラーゲン、ゼラチン、プロテオグリカン、フィブ
ロネクチン、ラミニン、エラスチン、又はカゼインなど
を用いることができる。好ましくは、コラーゲン、ゼラ
チン、フィブロネクチン、エラスチン、又はカゼインを
用いることができ、より好ましくはゼラチン、フィブロ
ネクチン、又はカゼインを用いることができる。プロテ
アーゼ基質は上記の物質の1種を用いてもよいが、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
2種以上の異なるプロテアーゼ基質を組み合わせて用
いることにより、生体試料中に含まれるプロテアーゼの
種類を正確に特定できる場合がある。例えば、生体試料
中の実質的に連続した2以上の切片のうちの一つをプロ
テアーゼ基質を含む薄膜に接触させ、残りの切片を上記
の薄膜に含まれるプロテアーゼ基質とは異なるプロテア
ーゼ基質を含む他の薄膜に接触させた後、それぞれの薄
膜に形成された消化痕を対比する方法を採用することが
できる。この方法では、異なるプロテアーゼ基質をそれ
ぞれ含有する3以上の薄膜を用いて測定を行なうことが
可能である。また、例えば、プロテアーゼ基質を含有す
る第一の層と、第一の層に含まれるプロテアーゼ基質と
は異なるプロテアーゼ基質を含有する第二の層とを含む
単一の薄膜を製造し、プロテアーゼを含む試料を接触さ
せた後に、それぞれの層に形成された消化痕を対比する
方法を採用してもよい。この方法では、異なる種類のプ
ロテアーゼをそれぞれ含有する3以上の層を積層した薄
膜を用いることも可能である。
また、プロテアーゼ・インヒビターを用いることによ
り、インヒビターに関連するプロテアーゼの同定やプロ
テアーゼの特性の判定が容易になる場合もある。プロテ
アーゼ・インヒビターとしては、例えば、ティッシュ・
インヒビター・オブ・メタプロテアーゼ1(TIMP1)、
ティッシュ・インヒビター・オブ・メタプロテアーゼ2
(TIMP2)、ラージ・インヒビター・オブ・メタロプロ
テアーゼ(LIMP)、チッキン・インヒビター・オブ・メ
タロプロテアーゼ(ChIMP)、オポスタチン、血小板第I
V因子(PF−4)、αマクログロブリン、EDTA、1,10
−フェナントロリン、BB94、ミノサイクリン、マトリス
タチン、SC−44463、又は、ジチオトレイトール(DTT)
などを挙げることができる。例えば、生体試料中の実質
的に連続した2以上の切片のうちの一つをプロテアーゼ
基質を含む薄膜に接触させ、残りの切片をプロテアーゼ
基質とプロテアーゼ・インヒビターとを含む他の薄膜に
接触させた後、それぞれの薄膜に形成された消化痕を対
比する方法を採用することができる。また、例えば、プ
ロテアーゼ基質を含有する第一の層と、プロテアーゼ基
質とプロテアーゼ・インヒビターとを含有する第二の層
を含む単一の薄膜を製造し、プロテアーゼを含む試料を
接触させた後に、それぞれの層に形成された消化痕を対
比する方法を採用してもよい。プロテアーゼ・インヒビ
ターを用いる上記の方法と、2種以上の異なるプロテア
ーゼを組み合わせて用いる上記の方法とをさらに組み合
わせてもよい。
本発明の薄膜の製造に用いられる硬膜剤は、上記のプ
ロテアーゼ基質の薄膜の製造において薄膜の硬化を促進
し、及び/又は形成後の薄膜の膨潤を防止する作用を有
している。硬膜剤の種類は、上記の作用を有し、かつ、
プロテアーゼとプロテアーゼ基質との反応を実質的に阻
害しない限り特に限定されず、無機又は有機の硬膜剤の
いずれを用いてもよい。例えば、クロム塩(クロム明ば
ん、酢酸クロムなど);アルデヒド類(ホルムアルデヒ
ド、グリオキサール、グリタールアルデヒドなど);N−
メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチロールジメ
チルヒダントインなど);ジオキサン誘導体(2,3−ジ
ヒドロキシジオキサンなど)、カルボキシル基を活性化
することにより作用する化合物類(カルベニウム、2−
ナフタレンスルホナート、1,1−ビスピロリジノ−1−
クロロ−、ピリジニウム、1−モルホリノカルボニル−
3−(スルホナトアミノメチル)−など);活性ビニル
化合物(1,3−ビスビニルスルホニル−2−プロパノー
ル、1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタ
ン、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル、ビニル
スルホニル基を側鎖に有するビニル系ポリマー、1,3,5
−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、
ビス(ビニルスルホニル)メタンなど);活性ハロゲン
化合物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリア
ジン及びそのナトリウム塩など);ムコハロゲン酸類
(ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸など);イソ
オキサゾール類;ジアルデヒド澱粉;又は、2−クロル
−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチンなどの硬膜剤
を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。これらのうち、ビニルスルホン酸型硬膜剤が好ま
しい。硬膜剤の使用量は特に限定されないが、例えば、
プロテアーゼ基質としてゼラチンを用いる場合には、検
出性能の点からゼラチン100gに対して0.1〜20mmol、さ
らに好ましくは0.3〜10mmol程度を配合するのがよい。
本発明の方法に用いる試料としては、例えば、ヒトを
含む哺乳類動物から分離・採取した生体試料を用いるこ
とができる。生体試料としては、組織又は組織滲出液な
どを用いることができる。例えば、肺癌、胃癌、食道
癌、乳癌、脳腫瘍などの固形癌組織から手術や組織検査
などにより分離・採取した癌組織、リウマチ性関節炎の
滑膜や骨組織、及び歯槽膿漏の歯根膜や骨組織などの破
壊性病変組織や滲出液、並びに歯周病の歯肉溝滲出液な
どを用いることができる。
試料が組織の場合には、例えば、液体窒素で急速凍結
した試料から凍結切片作成装置を用いて厚さ1〜10μ
m、好ましくは5μm程度の切片を調製し、この切片を
薄膜に貼付することによって試料と薄膜とを接触させる
ことができる。また、リウマチ性関節炎の患者から採取
した滑膜液を試料として用いる場合には、滑膜液約5〜
50μl、好ましくは20μl程度を薄膜上に滴下すればよ
い。歯周病の歯肉溝滲出液を試料として用いる場合に
は、歯肉溝内に濾紙を挿入して約5〜10μl程度の歯肉
溝滲出液を採取し、該濾紙を薄膜に貼付する方法を採用
することができる。歯肉溝滲出液の採取後、必要に応じ
て蒸留水や適宜の緩衝液(例えば、50mM Tris−HCl,pH
7.5,10mM CaCl2,0.2M NaClなど)を用いて濾紙から歯肉
溝滲出液を抽出し、抽出液を薄膜上に滴下してもよい。
組織内のプロテアーゼの存在を顕微鏡下で観察できる
ように、薄膜は透明又は半透明の支持体上に形成される
ことが好ましい。このような透明又は半透明の支持体と
しては、例えば、ガラス、又はポリエチレンテレフタレ
ート、ポリカーボネート、ポリイミド、ナイロン、セル
ロース、若しくはトリアセテート等からなる透明又は半
透明プラスチックフイルムなどを用いることができる。
ガラスとしては顕微鏡用のスライドグラスを用いること
が好ましく、プラスチックフイルムとしてはポリエチレ
ンテレフタレートフイルムを用いることが好ましい。も
っとも、支持体はこれらに限定されることはなく、均一
な薄膜を製造することができ、検鏡に適するものであれ
ばいかなるものを用いてもよい。
また、歯肉溝滲出液などの試料溶液を薄膜表面に滴下
すると、滴下により形成される円形の塗布面の円周に沿
って消化痕が検出される場合がある。このような場合に
は必ずしも顕微鏡下での検出を必要としないので、上記
の支持体に加えて、不透明な支持体を用いることも可能
である。例えば、紙、合成紙、合成樹脂(例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレ
ンナフタレート等)をラミネートした紙、金属板(例え
ば、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、鉄、銅な
どの板)、上記の金属がアミネート又は蒸着された紙や
プラスチックフイルムなどを用いることができる。この
ような態様においては支持体に着色が施されていてもよ
い。
支持体の厚さは特に限定されないが、ガラスの場合に
はスライドグラス程度の厚さのもの(例えば2〜3mm程
度)が好ましく、ポリエチレンテレフタレートフイルム
の場合には約100〜250μm、より好ましくは約150〜200
μm、特に好ましくは175μm程度のものを用いること
ができる。該支持体上の薄膜は単層又は重層で形成する
ことができるが、薄膜はできる限り均一な表面を与える
ように調製すべきである。例えば、乾燥後の膜厚が1〜
10μm、好ましくは4〜6μm程度になるように調製す
ることが好ましい。
薄膜の調製には、例えば、水、又はメチレンクロライ
ド、アセトン、メタノール、エタノール、若しくはそれ
らの混合溶媒などの有機溶媒に分散したプロテアーゼ基
質を支持体表面に塗布して乾燥すればよい。塗布方法と
しては、例えば、ディップ塗布法、ローラー塗布法、カ
ーテン塗布法、押し出し塗布法などを採用することがで
きる。もっとも、薄膜の調製方法はこれらに限定される
ことはなく、例えば、写真用フイルムの技術分野などに
おいて汎用されている薄膜形成方法などを適宜採用する
ことが可能である。なお、プロテアーゼ基質としてゼラ
チンを用いる場合には、ゼラチンの種類は特に限定され
ず、例えば、牛骨アルカリ処理ゼラチン、豚皮膚アルカ
リ処理ゼラチン、牛骨酸処理ゼラチン、牛骨フタル化処
理ゼラチン、豚皮膚酸処理ゼラチンなどを用いることが
できる。
薄膜を支持体上に形成するにあたり、薄膜と支持体と
の接着を改善するために、薄膜と支持体表面との間に下
塗り層を設けてもよい。例えば、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタ
コン酸、無水マレイン酸等から選ばれるモノマーの1種
又は2種以上を重合させて得られる重合体又は共重合
体、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼ
ラチン、又はニトロセルロースなどの重合体を下塗り層
として形成することができる。また、ポリエステル系支
持体を用いる場合には、下塗り層に替えて、支持体表面
をコロナ放電処理、紫外線処理、又はグロー放電処理す
ることによっても、支持体と薄膜との接着力を改善でき
る場合がある。
本明細書において用いられる「支持体表面上に形成さ
れた薄膜」という用語またはその同義語については、こ
のような1又は2以上の下塗り層及び/又は支持体表面
の処理を排除するものと解釈してはならない。もっと
も、薄膜と支持体との接着を改善するための手段は上記
のものに限定されることはなく、例えば、写真用フイル
ムの技術分野などにおいて汎用されている手段を適宜採
用することができる。
また、薄膜を製造する際に、上記の成分に加えて、染
料、顔料、防腐剤、安定化剤などの成分を適宜配合して
もよい。このような成分は、プロテアーゼとプロテアー
ゼ基質との反応を実質的に阻害しない限り、適宜のもの
を選択して用いることが可能である。染料としては、例
えば、特開平6−102624号公報に記載された染料(第9
頁1−1より第47頁63までの化学構造式により具体的に
示された染料)を用いることができ、染料の添加方法
は、例えば、特開平5−313307号公報に記載された方法
(第11頁段落番号[0037]から第12頁段落番号[0044]
までに具体的に説明された方法)を採用することができ
る。染料や顔料を添加することにより消化痕の検出が容
易になる場合があるが、このような目的のためには、染
料や顔料のほか、金属や金属酸化物を配合してもよい。
金属、金属酸化物、染料、顔料などの物質を添加する場
合には、製造後の薄膜が400nmから700nmまでの波長領域
の最大透過濃度が0.01以上であることが好ましい。これ
らの物質の1種又は2種以上を薄膜に配合することがで
き、薄膜を形成する各層にそれぞれ異なる物質、例えば
色の異なる染料などを配合してもよい。なお、薄膜の製
造にあたりアガロースを用いるとプロテアーゼ検出の再
現性が低下するので、本発明の薄膜の製造にアガロース
を用いることは好ましくない。
本発明の方法では、例えば、組織切片を薄膜に貼付す
るか、あるいは液体試料を薄膜上に滴下することによっ
て薄膜とプロテアーゼを含む試料とを接触させた後、好
ましくは37℃の湿潤箱内で、組織切片については例えば
1〜24時間、好ましくは2〜12時間、さらに好ましくは
3〜6時間程度、液体試料については0.5〜12時間、好
ましくは1〜6時間、さらに好ましくは1〜3時間程度
インキュベートする。試料中にプロテアーゼが含まれる
場合には、薄膜内のプロテアーゼ基質がプロテアーゼに
よって分解され、薄膜上に消化痕が形成される。必要に
応じて薄膜を染色した後、肉眼や顕微鏡下で消化痕を観
察することにより、プロテアーゼの存在を証明すること
ができる。また、分光光度計による光分解を利用して評
価を行ってもよい。
プロテアーゼ基質としてゼラチンを用いる場合には、
ゼラチン染色後に消化痕を観察することが好ましい。ゼ
ラチン染色は、例えば、1%アミドブラックやクマジー
ブルーなどを用いて、常法に従って行うことができる。
例えば、アミドブラックを用いたゼラチン染色では、ゼ
ラチン薄膜は黒紺色に染色されるが、プロテアーゼによ
りゼラチン薄膜上にゼラチン消化痕が形成されると、そ
の消化痕の部分にはゼラチンが存在しないので、染色さ
れない白抜き部分が現れる。写真用フイルムの表面には
ゼラチン薄膜が形成されているので、写真用フイルム
(例えばネオパンF、富士写真フイルム株式会社製)を
感光させて通常の現像、定着、水洗、乾燥処理を行った
ものを薄膜として用いてもよい。この場合には、感光し
た黒色のフイルム上に消化痕が白抜き部分として観察で
きる。
本発明の方法の別の態様に従えば、癌組織などから連
続凍結切片を作成し、実質的に連続した二切片のうちの
一方の切片を、例えば、ヘマトキシリン・エオシン染色
切片などの通常の組織標本として調製し、他の切片を本
発明の測定方法に従って処理し、両者の観察結果を比較
・対比することによって組織中の個々の細胞に由来する
プロテアーゼの存在を正確に把握することが可能であ
る。このようなプロテアーゼの測定方法により、組織中
に存在する個々の癌細胞の悪性度(浸潤活性及び転移活
性など)を正確に判定することが可能であり、癌疾患の
予後についての的確な判定が可能になる。また、リウマ
チ性関節炎の関節液や歯肉溝滲出液などの試料中のプロ
テアーゼを定量することにより、これらの疾患の病態や
進行程度を正確に判定することができるが、試料中のプ
ロテアーゼ定量のためには、予め作成した標準溶液を用
いて検量線を作成することが好ましい。
実施例 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する
が、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されることは
ない。
例1:プロテアーゼ測定用薄膜の製造 牛骨アルカリ処理ゼラチン10gを純水127gに溶解し、
硬膜剤として1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミ
ド)エタン(2%)0.8mlを添加した。この溶液を下塗
りを施したポリエチレンテレフタレートフイルム上に乾
燥膜厚が約5μmになるように均一に塗布し、乾燥して
ゼラチン薄膜とした。ゼラチン薄膜は使用時まで室温で
保存した。
例2:プロテアーゼ測定用薄膜の製造 例1と同様にして牛骨アルカリ処理ゼラチン溶液を調
製し、この溶液をスライドグラス上に乾燥膜厚が約6μ
mとなるように均一に塗布し、乾燥してゼラチン薄膜を
製造した。また、牛骨アルカリ処理ゼラチンに替えて、
豚皮膚アルカリ処理ゼラチン、牛骨酸処理ゼラチン、牛
骨フタル化処理ゼラチン、豚皮膚酸処理ゼラチン(シグ
マ社製#G2625)、及び豚皮膚酸処理ゼラチン(シグマ
社製#G2500)をそれぞれ用いて、同様に各ゼラチン薄
膜を製造した。
例3:プロテアーゼ活性測定 プロテアーゼ液体試料として、マトリックス・メタロ
プロテアーゼ(MMP)−1、MMP−2及びMMP−9(ヤガ
イ社製)をそれぞれ2pg/mlから200ng/mlの濃度で含む溶
液を用いた、また、生体試料としては、歯周病患者から
採取した歯肉、歯肉溝滲出液(GCF:Gingival Crevicula
r Fluid)、及び歯周病原菌(P.gingivalis #381株;A.
actinomycetemcomitans Y4株;及びP.intermedia ATCC
25611株)を培養した上清を用いた。例2で得たそれぞ
れのゼラチン薄膜上に液体試料約10μlを滴下し、組織
試料は約5μmの凍結切片として各ゼラチン薄膜上に貼
付した。ゼラチン薄膜を湿潤箱内に入れて37℃で4〜16
時間インキュベートし、その後、クマジーブルーで染色
した。
この結果、いずれのゼラチン薄膜にもプロテアーゼに
よるゼラチンの消化によって染色されない部位(白抜き
の部分:ゼラチン消化痕)が認められた。特に、牛骨フ
タル化処理のゼラチン薄膜は液体試料の場合に顕著なゼ
ラチン消化を与え、豚皮膚酸処理のゼラチン薄膜も液体
試料及び組織切片に対して強いゼラチン消化痕を与え
た。MMP−1、MMP−2及びMMP−9について、4時間後
に200ng/ml、8時間後に20ng/ml、16時間後に20−200pg
/mlの濃度範囲でプロテアーゼ活性が認められた。歯肉
溝滲出液の多くはプロテアーゼ活性を認めるまでに約8
〜16時間を要し、プロテアーゼの量が2pg/mlが20ng/ml
の範囲であることが示唆された。また、組織切片でのプ
ロテアーゼ活性は、内縁上皮、外縁上皮、及び上皮下結
合組織中の炎症性細胞浸潤が強い部位に認められた。
例4:癌組織のプロテアーゼ活性測定 被検組織試料として舌扁平上皮癌、肺癌、及び食道癌
の手術標本を厚さ約0.5cm×幅2cmの大きさに切り出し、
液体窒素で急速凍結して−80℃で保存した。この標本か
ら凍結切片作成装置を用いて厚さ5μmの連続切片を作
成し、一枚をスライドグラスに張り付けて乾燥させた
後、10%ホルマリンで5分間固定し、その後、常法に従
ってヘマトキシリン・エオシン染色を行った。他の連続
切片を例2及び例3で製造した各ゼラチン薄膜上に貼付
し、湿潤箱に入れて37℃で3〜6時間インキュベートし
た。
インキュベート終了後にゼラチン薄膜を1%アミドブ
ラック溶液で染色し、乾燥した後に検鏡した。プロテア
ーゼ活性が発現している部分は白抜きのゼラチン消化痕
を与えており、一方、他の部分は濃い青黒色であった。
いずれの癌組織にも癌胞巣を形成する個々の癌細胞にゼ
ラチン消化痕が認められたが、特に癌胞巣辺縁に位置す
る細胞に強いゼラチン消化痕が認められた。正常扁平細
胞ではゼラチンの消化が弱いながらも認められたが、こ
の上皮が異型増殖するに従ってゼラチンの消化が強く認
めらた。
例5:症例(口腔上顎歯肉癌) 標本中の癌細胞は胞巣構造を形成する低分化型扁平上
皮癌で、骨組織を破壊して強い浸潤を示していた。癌胞
巣中の癌細胞に対応するゼラチン薄膜は消化されてゼラ
チン薄膜標本上に白抜きのゼラチン消化痕を与えていた
が、特に癌胞巣の辺縁に位置する細胞に対応する部位に
強いゼラチン消化痕が認められた。標本中の巣状の炎症
性細胞浸潤部位に対応する部分には、強い顆粒状のゼラ
チン消化痕が生じていた。癌胞巣を拡大して観察する
と、癌胞巣辺縁に位置する増殖域の細胞に強いゼラチン
消化痕が認められ、癌胞巣に隣接する間質の繊維芽細胞
にも顆粒状にゼラチンの消化痕が認められた。
例6:症例(舌癌) 標本中の癌細胞は未分化型扁平上皮癌で大小の癌胞巣
が存在していた。癌胞巣の辺縁部の癌細胞に対応する部
位にいずれも強いゼラチン消化痕が認められ、癌の増殖
域の細胞に相当する部位ではゼラチンの消化痕が顕著で
あった。巣状の炎症性細胞浸潤巣に対応する部分にも顆
粒状のゼラチン消化痕が認められた。
例7:症例(口腔粘膜の高度上皮異形成症) ヘマトキシリン・エオシン染色標本では、上皮に高度
上皮異形成症が認められ、棘細胞層の肥厚と基底細胞の
重層化が生じていた。特に基底細胞には多形成や異型性
の細胞増殖が認められた。ゼラチン薄膜上では、肥厚し
た棘細胞層及び顆粒細胞層に対応する部分に強いゼラチ
ン消化痕を認めたが、基底細胞層では点状にゼラチン消
化痕を認めたのみであった。この結果は、上皮細胞のタ
ーンオーバーが盛んに行われており、一方、基底細胞で
は上皮化結合織への浸潤が生じていることを示してい
る。
棘細胞の肥厚と重層化した基底細胞を拡大して観察す
ると、いずれの細胞層に対応する部分にもゼラチン消化
痕が認められたが、特に、棘細胞と重層化基底細胞に対
応する部分ではゼラチンが顕著に消化されていた。一
方、単層又は2層の基底細胞ではゼラチンの消化が重層
化基底細胞より弱かった。また、重層化した基底細胞は
紡錘形となり、細胞の多形成や異型性が認められたが、
異型性を示す増殖傾向の細胞に対応する部分はゼラチン
薄膜上に強いゼラチン消化痕を形成していた。
例8:液状試料のプロテアーゼ活性測定 リウマチ患者の滑膜液約20μlをゼラチン薄膜上に滴
下し、37℃の浸潤箱内で1〜3時間インキュベートし
た。その後、ゼラチン薄膜を1%アミドブラックで染色
したところ、滴下によりゼラチン薄膜上に形成された円
形の塗布跡の円周に強いゼラチン消化痕が認められた。
特に、牛骨フタル化処理のゼラチン薄膜を用いた場合に
は特に顕著なゼラチン消化痕が観察できた。
例9:歯周病におけるプロテアーゼ活性測定 歯面の唾液及びプラークを可及的に綿球で除去して簡
易防湿した後、ペリオペーパーを歯肉溝に挿入して90秒
間静置し、歯肉溝滲出液(約5〜10μl程度)をペリオ
ペーパーに吸い取らせた。このペリオペーパーを150μ
lの緩衝液(50mM Tris−HCl,pH7.5,10mM CaCl2,0.2M N
aCl)で抽出して試料溶液とし、例3と同様の方法に従
ってプロテアーゼの測定を行った。この結果、歯肉溝滲
出液の滴下によりゼラチン薄膜上に形成された円形の塗
布跡の円周に沿って強いゼラチン消化痕が認められた。
例10:プロテアーゼ測定用薄膜の製造 牛骨アルカリ処理ゼラチン15gを純水123gに溶解し、
硬膜剤として1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミ
ド)エタン(4%水溶液)0.6mlを添加した。この溶液
をスライドグラス上に乾燥膜厚が約7μmになるように
均一ワイヤーバーコーターを使って塗布し、乾燥して薄
膜(単層薄膜:試料101)とした。薄膜は使用時まで室
温で保存した。また、牛骨アルカリ処理ゼラチンの代わ
りに表1に示したプロテアーゼ基質を使用し、硬膜剤、
添加剤、支持体を変更又は追加して、試料101と同様に
して試料102〜130を作成した。なお、塗布の際には必要
に応じて塗布助剤を使用した。なお、表中の試料1はア
ミドブラックを示し、顔料1は銅フタロシアニンを示
す。
例11:プロテアーゼ測定用薄膜の製造 コラーゲン1溶液(和光純薬株式会社製、3mg/ml)を
スライドグラス上に乾燥膜厚が約1μmになるように均
一ワイヤーバーコーターを使って塗布し、乾燥して薄膜
(単層薄膜:試料131)とした。薄膜は使用時まで室温
で保存した。また、コラーゲンIの代わりに表2に示し
たプロテアーゼ基質を使用し、硬膜剤、添加剤、支持体
を変更又は追加して、試料131と同様にして試料132〜16
0を作成した。なお、塗布の際には必要に応じて塗布助
剤を使用した。
塗布の際にワイヤーバーコーターの代わりにスライド
コーターを使用した他は試料121〜130と同様にして試料
161〜170を作成した。なお、乾燥条件は、必要に応じて
10℃にいったん冷却した後、常温常湿で乾燥する方法を
採用した。
例12:プロテアーゼ活性測定 プロテアーゼ液体試料として例3に記載したMMP−2
を用い、例11で得たそれぞれの薄膜上に約10μlを滴下
した。薄膜を浸潤箱内に入れて37℃で4〜16時間インキ
ュベートし、その後、透明な試料はアミドブラック溶液
で染色した。活性の評価方法としては、それぞれの試料
に対して、目視による判定、ミクロデンシトメトリ
ーによる微小部分の濃度測定による判定、及び接触式
膜厚測定機による膜厚測定による判定を行った。結果を
表3に示す。
プロテアーゼ・インヒビターを添加しなかった薄膜で
は、いずれについてもプロテアーゼによりプロテアーゼ
基質が消化された白抜きの部分(消化痕)が認められ、
この部分の光学濃度及び膜厚は周辺部に比べて減少して
いた。一方、プロテアーゼ・インヒビターを添加した試
料についてはプロテアーゼ活性が抑制されたために消化
痕を認めなかった。また、スライドコーターによって作
成した試料160〜170はバーコーターによって作成した試
料と同様の結果を与えた。
例13:プロテアーゼ活性測定 プロテアーゼ液体試料として、マトリックス・メタロ
プロテアーゼ(MMP)−1、をそれぞれ2pg/mlから200ng
/mlの濃度で含む溶液を用い、例11で得た試料101に対し
て例12と同様の方法により測定を行って検量線を作成し
た。結果を表4に示す。
表4の結果をグラフ上にプロットし、生体試料を用い
た場合の消化痕の光学濃度(2.6)を与えるマトリック
ス・メタロプロテアーゼ(MMP)−1の濃度を求めた。
この結果、生体試料中のプロテアーゼの濃度は約40pg/m
lであった、 例14:プロテアーゼ活性測定 生体試料として、歯周病患者から採取した歯肉、歯肉
溝滲出液、及び歯周病の組織試料を約5μmの凍結切片
として薄膜試料101〜160の上に貼付した。薄膜を湿潤箱
内に入れて37℃で4〜16時間インキュベートし、その
後、透明な試料はアミドブラック溶液で染色した。活性
の評価方法としては、それぞれの試料に対してはっきり
と活性が認められる箇所について、目視による判定、
ミクロデンシトメトリーによる微小部分の濃度測定に
よる判定、及び接触式膜厚測定機による膜厚測定によ
る判定を行った。結果を表5に示す。
生体試料の凍結切片を直接設置する方法においても、
各薄膜にはプロテアーゼによるプロテアーゼ基質の消化
痕(白抜きの部分)が形成されており、この部分の光学
濃度と膜厚は周辺部に比べて減少していた。
例15:プロテアーゼ測定用薄膜の製造 牛骨アルカリ処理ゼラチン15gを純水123gに溶解し、
硬膜剤として1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミ
ド)エタン(4%)0.6mlを添加した。この溶液をスラ
イドグラス上に乾燥膜厚が約7μmになるように均一ワ
イヤーバーコーターを使って塗布し、乾燥して薄膜とし
た。牛骨アルカリ処理ゼラチン15gを純水123gに溶解
し、硬膜剤として1,2−ビス(ビニルスルホニルアセト
アミド)エタン(4%)0.6mlとポリメチルメタクリレ
ート粒子(平均粒径2μm)を添加した。この溶液を、
すでに作成した乾燥薄膜の表面に乾燥膜厚が約7μmに
なるように均一ワイヤーバーコーターを使って塗布し、
乾燥して薄膜とした(多層薄膜:試料301)。薄膜は使
用時まで室温で保存した。また、プロテアーゼ基質、硬
膜剤、変更又は追加して、表6に示す薄膜を作成した。
なお、塗布の際には必要に応じて塗布助剤、粘度調整剤
を使用し、表中の青色染料1、緑色染料1、及び赤色染
料としては、それぞれ以下の化合物を用いた。
塗布の際にワイヤーバーコーターの代わりにスライド
コーターを使用した他は試料301〜330と同様にして試料
331〜360を作成した。なお、乾燥条件は必要に応じて10
℃にいったん冷却した後常温常湿にて乾燥する方法を採
用した。
例16:プロテアーゼ活性測定 例12と同様の方法でプロテアーゼの活性測定を行っ
た。結果を表7に示す。この結果から、多層の薄膜にお
いてもプロテアーゼ活性を非常に明確に判定可能である
ことがわかった。スライドコーターによって作成した試
料331〜360はバーコーターによって作成した試料と同様
の結果を示した。
例17:プロテアーゼ測定用薄膜の製造とプロテアーゼ活
性測定 牛骨アルカリ処理ゼラチン15gを純水123gに溶解し、
硬膜剤として1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミ
ド)エタン(4%)0.6mlを添加した。この溶液をバッ
ク層にスライドコーターを使って塗布し、乾燥して薄膜
とした他は試料331〜360と同様にして試料501〜530を作
成した、また、試料501〜530のバック層の上にポリマー
ラテックス層を塗布、乾燥した試料531〜560を作成し
た。これらの試料について試料331〜360と同様にプロテ
アーゼ活性測定を行ったところ、同様な評価結果が得ら
れた。また、これらの試料はカールなどが起きず、薄膜
の取扱い性において非常に良好であった。
例18:写真用フイルムを用いたプロテアーゼの測定 ネオパンF(写真用黒白フイルム:富士写真フイルム
株式会社製)を完全に感光させた後、通常の方法に従っ
て現像、定着、及び水洗を行った後に乾燥させた。この
写真用フイルムをプロテアーゼ測定用のゼラチン薄膜と
して用い、フイルム上に実施例4で調製した癌組織の切
片を貼付して、実施例4と同様の方法に従ってプロテア
ーゼ活性の測定を行った。この結果、プロテアーゼの存
在しない部分は黒色のままであったが、実施例4で染色
により調製した薄膜上に認められた消化痕と同様の消化
痕が白抜き部分として認められた。ただし、例1、例
2、例10、例11、例15、及び例17で製造した薄膜に比べ
ると検出性能は劣っていた。
例19:ラジオグラフィ用乳剤を用いたプロテアーゼの測
定および測定結果(比較例) 生体試料として、歯周病患者から採取した歯肉、歯肉
溝滲出液、及び歯周病の組織試料を約5μmの凍結切片
としてスライドグラス上に設置した。その上に水で希釈
したラジオグラフィ用乳剤NRM2又はNRH2(コニカ株式会
社製)を塗布し、乾燥して薄膜を形成した。薄膜を湿潤
箱内に入れて37℃で16時間〜14日間インキュベートし、
その後、アミドブラックで染色するか、または黒白現像
処理をした。その結果、プロテアーゼの活性はほとんど
検出できなかった。14日間インキュベートした後に黒色
現像処理した試料においてわずかに活性らしいものを示
したが、活性部の表示が非常に曖昧であり、本発明の薄
膜に比べてプロテアーゼの検出能は著しく劣っていた。
産業上の利用可能性 本発明の方法は、組織中に局在する特定部位や組織中
の個々の細胞に由来するプロテアーゼを正確かつ簡便に
測定することができ、しかも短時間に判定できるという
特徴がある。従って、本発明の方法は、浸潤や転移活性
などの癌細胞の悪性度、歯周炎などの歯周病の進行度、
リウマチや歯槽膿漏などの破壊性病態などの正確な診断
に有用である。また、本発明の方法に従えば、極めて微
量の試料からプロテアーゼ活性を測定することが可能で
あり、判定後の薄膜を固定標本として永久保存すること
もできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立川 哲彦 東京都品川区荏原2―17―9―105 (72)発明者 長谷川 郁夫 東京都新宿区舟町2 (72)発明者 吉木 周作 神奈川県川崎市宮前区宮崎5―11―38― A106 (72)発明者 長谷川 紘司 東京都新宿区舟町2 (72)発明者 西垣 純爾 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写 真フイルム株式会社足柄研究所内 (56)参考文献 特開 平2−2398(JP,A) 特開 昭61−71000(JP,A) ロシア国特許出願公開1178761(RU, A) 金井泉編,臨床検査法提要(第25版第 3刷),金原出版株式会社,1970年 4 月20日,p.▲III▼−13〜▲III ▼−14 ANALYTICAL BIOCHE MISTRY,104(1980),P.175− 181 ANALYTICAL BIOCHE MISTRY,76(1976),P.579− 588 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/37 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロテアーゼの測定方法であって、 (1)プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み支持体表面に
    形成された薄膜に対して生体試料の実質的に連続した二
    切片のうちの一つを接触させる工程; (2)プロテアーゼの作用により該薄膜に形成された消
    化痕を検出する工程;及び (3)他の一つの切片から調製した組織標本と上記消化
    痕とを対比する工程を含む方法。
  2. 【請求項2】プロテアーゼ基質が、コラーゲン、ゼラチ
    ン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ラミニン、
    エラスチン、及びカゼインからなる群かれ選ばれる請求
    の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】該試料が患者から分離・採取した生体試料
    である請求の範囲第1項又は第2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】プロテアーゼがマトリックス・メタロプロ
    テアーゼである請求の範囲第1項ないし第3項のいずれ
    か1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】プロテアーゼが関与する疾患の診断に用い
    る請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか1項に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】該疾患が癌である請求の範囲第5項に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み支持体
    表面に形成された薄膜であって、請求の範囲第1項ない
    し第6項のいずれか1項に記載の方法に用いるための薄
    膜。
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