JP2002223796A - プロテアーゼの測定方法及び該方法に用いる薄膜 - Google Patents

プロテアーゼの測定方法及び該方法に用いる薄膜

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JP2002223796A
JP2002223796A JP2002004293A JP2002004293A JP2002223796A JP 2002223796 A JP2002223796 A JP 2002223796A JP 2002004293 A JP2002004293 A JP 2002004293A JP 2002004293 A JP2002004293 A JP 2002004293A JP 2002223796 A JP2002223796 A JP 2002223796A
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Masashi Ogawa
雅司 小川
Tsutomu Hamaoka
勤 浜岡
Yutaka Tamura
裕 田村
Tetsuhiko Tachikawa
哲彦 立川
Ikuo Hasegawa
郁夫 長谷川
Shusaku Yoshiki
周作 吉木
Koji Hasegawa
紘司 長谷川
Junji Nishigaki
純爾 西垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マトリックス・メタロプロテアーゼなどのプ
ロテアーゼを測定する方法を提供する。 【解決手段】 プロテアーゼの測定方法であって、 (1) プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み支持体表面に形
成された薄膜に対して生体試料の実質的に連続した2以
上の切片のうちの一つを接触させる工程; (2) プロテアーゼ基質、硬膜剤、及びプロテアーゼ・イ
ンヒビターを含み支持体表面に形成された薄膜に対して
残りの切片を接触させる工程; (3) プロテアーゼの作用により該薄膜に形成された消化
痕を検出する工程;及び (4) 工程(1)で用いた薄膜の消化痕と工程(2)で用いた薄
膜の消化痕とを対比する工程を含む方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(技術分野)本発明は、プロテアーゼの測
定方法に関するものである。より具体的には、癌細胞の
浸潤活性や転移活性などの癌の悪性度、歯周炎などの歯
周病の進行度、リウマチ性関節炎などにおける破壊性病
態などの正確な診断を可能にするプロテアーゼの測定方
法に関するものである。
【0002】(従来の技術)腫瘍の良性、悪性の相違を
規定する因子の一つとして、間質結合組織への浸潤の有
無を挙げることができる。この病態を明らかにするため
には、腫瘍細胞自体の増殖動態の変化を観察すると同時
に、腫瘍細胞と間質結合組織との相互作用に影響を及ぼ
す要因を検索することが必要である。特に、腫瘍細胞の
浸潤や転移にはプロテアーゼが関与することが明らかに
されており、プロテアーゼを制御することによって悪性
腫瘍細胞の浸潤や転移を抑制できる可能性がある。この
ようなプロテアーゼ(細胞外マトリックス分解酵素)の
うち、特にマトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)が
癌細胞の増殖、浸潤、血管新生に重要な役割をはたすこ
とが明らかにされている(鶴尾隆編「癌転移の分子機
構」、第8章、宮崎香著「マトリックス・プロテアーゼ
と癌の浸潤・転移」、pp.92-107、メジカルビュー社、1
993年発行を参照)。
【0003】一方、歯周病では歯肉溝上皮の破壊及びコ
ラーゲンを主体とした結合組織の破壊が初期病変として
進行するが、この組織の破壊にもマトリックス・メタロ
プロテアーゼが関与していることが知られている(歯周
組織破壊におけるプロテアーゼの関与、及び病態とプロ
テアーゼとの相関については、青野正男監修「歯周治療
の科学」、白川正治著、第VII章「歯周組織の病理」、p
p.99〜109、医歯薬出版、並びに、長谷川ら、「歯周病
患者における歯肉溝滲出液(GCF)中のゲラチナーゼ活
性」、演題A-44、日本歯周病学会第37回秋期学術大会な
どを参照)。
【0004】マトリックス・メタロプロテアーゼはコラ
ーゲン、プロテオグリカン、ラミニン、フィブロネクチ
ン、及びゼラチンなどの細胞外基質を分解する酵素であ
り、MMP-1,2,3,7,9及び10など8種類の存在が明ら
かにされている。間質型コラーゲナーゼ(MMP-1)は最も
古くから知られているマトリックス・メタロプロテアー
ゼであり、繊維芽細胞や軟骨などに分布しており、間質
型のコラーゲンを1/4及び1/3に切断する。歯周病におい
ては、主として MMP-2(ゼラチナーゼA)及びMMP-9(ゼ
ラチナーゼB)が歯周組織の構成成分であるIV型コラー
ゲン、ラミニン、フィブロネクチン、及びプロテオグリ
カンなどを破壊する。なお、マトリックス・メタロプロ
テアーゼの分泌は、細胞増殖因子であるEGFやTGF-βに
よって強く促進されており、他方、組織内の内在性イン
ヒビターによって分泌や活性発現が制御されている。も
っとも、増殖因子が関与した場合にその発現がどのよう
に抑制されるのかは必ずしも明らかではない。
【0005】また、腫瘍細胞の浸潤や転移に関与する他
のプロテアーゼとしては、セリンプロテアーゼであるプ
ラスミノーゲン・アクティベーター(PA)を挙げることが
できる。このプラスミノーゲン・アクティベーターはプ
ラスミノーゲンをプラスミンに変換する酵素であり、プ
ラスミノーゲン・アクティベーターの作用により生成し
たプラスミンがプロメタロプロテアーゼを活性型メタロ
プロテアーゼに変換する。従って、マトリックス・メタ
ロプロテアーゼとプラスミノーゲン・アクティベーター
との間で形成されるカスケードによって、癌細胞の浸潤
や転移が進行ないしは加速されると考えられる。
【0006】プロテアーゼは、上記の癌細胞の浸潤及び
転移、並びに歯周病の進行のほか、歯槽膿漏による骨組
織や歯根膜の破壊、リウマチ性関節炎による骨膜や骨組
織の破壊などの破壊性病変に関与している可能性がある
(リウマチにおけるプロテアーゼの関与に関しては、日
本臨床、50(3),pp.463-467,1992を参照)。従って、
細胞や組織中のプロテアーゼを定量することによって、
浸潤活性及び転移活性などからみた癌細胞の悪性度や歯
周病の病態、及びリウマチなどの破壊性病変の進行程度
を正確に診断することが可能である(癌細胞の浸潤度と
プロテアーゼ活性との相関については、例えば、Yamaga
ta,et al.,Cancer Lett.,59,51,1991; Azzam,et
al.,J.Natl.,Cancer Inst.,85,1758,1993; Brow
n,et al.,Clin.Exp.Metastasis,11,183,1993; Da
vies,et al.,Br.J.Cancer,67,1126,1993などを
参照)。
【0007】従来、プロテアーゼの測定方法としては、
基質の分解の程度から酵素活性を測定するザイモグラフ
ィー法や各々のプロテアーゼに特異的な抗体を用いたイ
ムノブロティング法などが利用されている。例えば、癌
細胞や歯周病化細胞を粉砕した後、抽出液をゼラチン含
有SDS-ポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動に付
し、電気泳動後のゲルをアミドブラックで染色して、染
色されずに白く透明なバンドを与える試料をプロテアー
ゼ陽性と判定する方法が知られている。しかしながら、
この方法では測定毎にSDS-ポリアクリルアミドゲルを作
成する必要があり、検出までに約30時間を要するという
問題がある。
【0008】また、SDS-PAGEによる電気泳動後にゲルを
メンブレンに密着させ、ブロッティング後の酵素をモノ
クローナル抗体で検出する方法もあるが、電気泳動を利
用する点で上記の方法と同様の欠点を有しており、それ
に加えて、操作に熟練を要することと高価なモノクロー
ナル抗体を用いることも問題である。さらに、これらの
方法は個々の細胞のプロテアーゼを測定したものではな
く、組織全体のプロテアーゼ総量を検出するものであ
り、個々の癌細胞の浸潤・転移活性の情報を得ることは
できないという問題がある。
【0009】最近、血管組織中のプロテアーゼ活性をザ
イモグラフィーの原理により測定する方法が提案された
(The FASEB Journal,Vol.9,July,pp.974-980,199
5)。この方法では、蛍光性化合物が結合したカゼイン
又はゼラチンをプロテアーゼの基質として用い、この基
質を含むアガロースの薄膜をスライドグラス上に形成さ
せた後、その薄膜の表面に固定化されていない組織切片
(6-10μm)をのせて37℃で培養し、基質の消化を蛍光顕
微鏡下に観察する工程を含んでいる(第975頁、右欄第6
〜18行のプロトコールを参照)。この方法は、組織中の
プロテアーゼを直接測定できる点では優れているもの
の、プロテアーゼの基質をスライドグラス上に固定化す
るためにアガロースを必須成分として用いる必要があ
り、プロテアーゼによる基質の消化にばらつきが生じて
しまい、再現性に乏しいという問題があった。
【0010】(発明の開示)本発明の目的は、簡便かつ
正確なプロテアーゼの測定方法を提供することにある。
より具体的には、浸潤や転移活性などの癌細胞の悪性
度、歯周病などの病態、及びリウマチなどの破壊性病変
の進行度を短時間で正確かつ簡便に判定でき、癌の予後
や破壊性病変の進行程度などを正確に予測するために有
用なプロテアーゼの測定方法を提供することにある。
【0011】また、本発明の別の目的は、上記の特徴を
有するプロテアーゼの測定方法であって、被検組織内に
局在する癌細胞などに由来するプロテアーゼを正確に測
定する方法を提供することにある。さらに本発明の別の
目的は、上記のプロテアーゼの測定方法に用いる薄膜を
提供することにある。
【0012】本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意
努力した結果、ゼラチンなどのプロテアーゼ基質と硬膜
剤とを含む薄膜の表面に癌組織などの組織切片を密着さ
せるか、あるいは歯周病などの病変組織などから採取し
た滲出液を該薄膜上に滴下すると、試料中に含まれるプ
ロテアーゼが薄膜を消化し薄膜表面に消化痕が形成され
ることを見いだした。また、上記の方法がアガロースを
含む薄膜を用いる方法(The FASEB Journal,Vol.9,Ju
ly,pp.974-980,1995)に比べて非常に再現性に優れて
おり、試料中のプロテアーゼ活性を正確に測定できるこ
とを見いだした。さらに、連続した組織切片を用いてそ
れぞれ組織標本と上記の薄膜標本を作成して比較・比較
することにより、組織中の個々の細胞内に発現している
プロテアーゼを測定することができることを見いだし
た。本発明はこれらの知見を基にして完成されたもので
ある。
【0013】すなわち本発明は、プロテアーゼの測定方
法であって、(1)プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み支
持体表面に形成された薄膜に対してプロテアーゼを含む
試料を接触させる工程;及び(2)プロテアーゼの作用に
より該薄膜に形成された消化痕を検出する工程を含む方
法を提供するものである。
【0014】本発明の第二の態様によれば、プロテアー
ゼの測定方法であって、(1)プロテアーゼ基質と硬膜剤
とを含み支持体表面に形成された薄膜に対して生体試料
の実質的に連続した二切片のうちの一つを接触させる工
程;(2)プロテアーゼの作用により該薄膜に形成された
消化痕を検出する工程;及び(3)他の一つの切片から調
製した組織標本と上記消化痕とを対比する工程を含む方
法が提供される。
【0015】本発明の第三の態様によれば、プロテアー
ゼの測定方法であって、(1)プロテアーゼ基質と硬膜剤
とを含み支持体表面に形成された薄膜に対して生体試料
の実質的に連続した2以上の切片のうちの一つを接触さ
せる工程;(2)プロテアーゼ基質、硬膜剤、及びプロテ
アーゼ・インヒビターを含み支持体表面に形成された薄
膜に対して残りの切片を接触させる工程;(3)プロテア
ーゼの作用により該薄膜に形成された消化痕を検出する
工程;及び(4)工程(1)で用いた薄膜の消化痕と工程(2)
で用いた薄膜の消化痕とを対比する工程を含む方法が提
供される。この方法の好ましい態様では、工程(2)にお
いて、残りの2以上の各切片をそれぞれ異なる種類のプ
ロテアーゼ・インヒビターを含む薄膜に接触させる工程
を含んでいる。
【0016】本発明の第四の態様によれば、プロテアー
ゼの測定方法であって、(1)プロテアーゼ基質と硬膜剤
とを含み支持体表面に形成された薄膜に対して生体試料
の実質的に連続した2以上の切片のうちの一つを接触さ
せる工程;(2)工程(1)で用いた薄膜に含まれるプロテア
ーゼ基質とは異なるプロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み
支持体表面に形成された薄膜に対して残りの切片を接触
させる工程;(3)プロテアーゼの作用により該薄膜に形
成された消化痕を検出する工程;及び(4)工程(1)で用い
た薄膜の消化痕と工程(2)で用いた薄膜の消化痕とを対
比する工程を含む方法が提供される。この方法の好まし
い態様では、工程(2)において、残りの2以上の各切片
をそれぞれ異なる種類のプロテアーゼ基質を含む薄膜に
接触させる工程を含んでいる。
【0017】本発明の第五の態様によれば、プロテアー
ゼの測定方法であって、(1)少なくとも下記の2層:プ
ロテアーゼ基質、硬膜剤、及びプロテアーゼ・インヒビ
ターを含み支持体表面に形成された(a)層と、プロテア
ーゼ基質及び硬膜剤を含み(a)層に積層された(b)層とを
含む薄膜に対してプロテアーゼを含む試料を接触させる
工程;(2)プロテアーゼの作用により該薄膜に形成され
た消化痕を検出する工程;及び(3)(a)層の消化痕と(b)
層の消化痕とを対比する工程を含む方法が提供される。
【0018】本発明の第六の態様によれば、(1)少なく
とも下記の2層:プロテアーゼ基質及び硬膜剤を含み支
持体表面に形成された(a)層と、(a)層に含まれるプロテ
アーゼ基質とは異なるプロテアーゼ基質及び硬膜剤を含
み(a)層に積層された(b)層とを含む薄膜に対してプロテ
アーゼを含む試料を接触させる工程;(2)プロテアーゼ
の作用により該薄膜に形成された消化痕を検出する工
程;及び(3)(a)層の消化痕と(b)層の消化痕とを対比す
る工程を含む方法が提供される。
【0019】これらの方法では、プロテアーゼを含む試
料や生体試料は、支持体に接触することなく薄膜の表面
に接触することを特徴としている。本発明のさらに別の
態様によれば、上記の各方法において定義されたプロテ
アーゼ測定用の薄膜が提供される。
【0020】これらの発明の好ましい態様によれば、プ
ロテアーゼ基質が、コラーゲン、ゼラチン、プロテオグ
リカン、フィブロネクチン、ラミニン、エラスチン、及
びカゼインからなる群から選ばれる上記の各方法及び薄
膜;該試料が患者から分離・採取した生体試料である上
記の各方法及び薄膜;生体試料が癌組織切片、歯肉溝滲
出液、又は破壊性病変組織切片若しくは抽出液(例え
ば、リウマチ性病変組織抽出液又は歯槽膿漏組織抽出
液)である上記の各方法及び薄膜;プロテアーゼがマト
リックス・メタロプロテアーゼである上記の各方法及び
薄膜;消化痕を染色により検出する上記の各方法及び薄
膜;金属、金属酸化物、顔料、及び染料からなる群から
選ばれ、400nmから700nmの波長領域の最大透過濃度が0.
01以上の物質の1種又は2種以上を含む薄膜を用いて検
出を行う上記の各方法;並びに、プロテアーゼ基質とし
てゼラチンを用い、消化痕をアミドブラック又はクマジ
ーブルーでゼラチン染色する上記の各方法及び薄膜が提
供される。
【0021】本発明の薄膜の好ましい態様によれば、金
属、金属酸化物、顔料、及び染料からなる群から選ば
れ、400nmから700nmの波長領域の最大透過濃度が0.01以
上の物質の1種又は2種以上を含む上記薄膜;支持体が
スライドグラス又はポリエチレンテレフタレートフイル
ムから選ばれる上記薄膜;上記支持体と上記薄膜との間
に下塗り層が設けられた上記薄膜;並びに、上記薄膜が
感光・現像・定着処理後の写真フイルムである上記薄膜
も提供される。
【0022】本発明の別の態様により、上記のそれぞれ
の方法において定義された各工程に従ってプロテアーゼ
が関与する疾患を診断する方法が提供される。この発明
の好ましい態様として、該疾患が、癌、リウマチ性疾
患、歯周病、及び歯槽膿漏からなる群から選ばれる疾患
である上記方法が提供される。
【0023】(発明を実施するための最良の形態)上記
の各態様のプロテアーゼの測定方法は、基本的には、プ
ロテアーゼを含む試料を薄膜と接触させる工程(第一工
程)と、プロテアーゼの作用により該薄膜上に形成され
た消化痕を検出する工程(第二工程)を含んでいる。こ
の方法に用いられるプロテアーゼ測定用の薄膜は、基本
的には、支持体表面上に単層又は多重層として形成され
ており、プロテアーゼ基質と硬膜剤とを必須の成分とし
て含むことを特徴としている。従って、本発明の方法に
従うと、試料と薄膜との接触工程の当初においては、試
料と支持体とが接触しないという特徴がある。また、上
記の薄膜は硬膜剤を含有しており、アガロースのような
バインダーが存在しないために、プロテアーゼにより消
化されるゼラチンなどのプロテアーゼ基質の膜中密度が
高く、例えばゼラチンなどのプロテアーゼ基質の架橋に
より消化痕の形態の崩れが防止されるので、プロテアー
ゼの測定感度や測定の再現性に優れるという特徴を有し
ている。
【0024】本明細書において用いられる測定方法とい
う用語は、定性及び定量を含めて最も広義に解釈される
べきである。本発明の方法では、試料中に含まれるプロ
テアーゼによってプロテアーゼ基質が消化され、薄膜上
に消化痕が形成される。この消化痕は、例えば、必要に
応じて適宜の染色などを行った後に顕微鏡下で検出する
ことができ、試料中のプロテアーゼの存在を証明するこ
とができる。
【0025】本発明の方法の測定対象となるプロテアー
ゼとしては、例えば、マトリックス・メタロプロテアー
ゼ(MMP)及びマトリックス・セリンプロテアーゼ(MSP)を
挙げることができる。これらの酵素については、鶴尾隆
編「癌転移の分子機構」、pp.92-107、メジカルビュー
社、1993年発行に詳細に説明されている。本発明の方法
に特に好適なプロテアーゼとして、例えば、間質型コラ
ーゲナーゼ(MMP-1)、ゼラチナーゼA(MMP-2)、及びゼラ
チナーゼB(MMP-9)などのマトリックス・メタロプロテア
ーゼ;及びプラスミノーゲン・アクティベーター(PA)な
どのマトリックスセリンプロテアーゼを挙げることがで
きるが、本発明の方法の対象はこれらのプロテアーゼに
限定されることはない。
【0026】プロテアーゼ基質は、プロテアーゼの基質
として分解される高分子化合物であれば特に限定されな
い。例えば、コラーゲン、ゼラチン、プロテオグリカ
ン、フィブロネクチン、ラミニン、エラスチン、又はカ
ゼインなどを用いることができる。好ましくは、コラー
ゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、エラスチン、又は
カゼインを用いることができ、より好ましくはゼラチ
ン、フィブロネクチン、又はカゼインを用いることがで
きる。プロテアーゼ基質は上記の物質の1種を用いても
よいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】2種以上の異なるプロテアーゼ基質を組み
合わせて用いることにより、生体試料中に含まれるプロ
テアーゼの種類を正確に特定できる場合がある。例え
ば、生体試料中の実質的に連続した2以上の切片のうち
の一つをプロテアーゼ基質を含む薄膜に接触させ、残り
の切片を上記の薄膜に含まれるプロテアーゼ基質とは異
なるプロテアーゼ基質を含む他の薄膜に接触させた後、
それぞれの薄膜に形成された消化痕を対比する方法を採
用することができる。この方法では、異なるプロテアー
ゼ基質をそれぞれ含有する3以上の薄膜を用いて測定を
行なうことが可能である。また、例えば、プロテアーゼ
基質を含有する第一の層と、第一の層に含まれるプロテ
アーゼ基質とは異なるプロテアーゼ基質を含有する第二
の層とを含む単一の薄膜を製造し、プロテアーゼを含む
試料を接触させた後に、それぞれの層に形成された消化
痕を対比する方法を採用してもよい。この方法では、異
なる種類のプロテアーゼをそれぞれ含有する3以上の層
を積層した薄膜を用いることも可能である。
【0028】また、プロテアーゼ・インヒビターを用い
ることにより、インヒビターに関連するプロテアーゼの
同定やプロテアーゼの特性の判定が容易になる場合もあ
る。プロテアーゼ・インヒビターとしては、例えば、テ
ィッシュ・インヒビター・オブ・メタプロテアーゼ1(TI
MP1)、ティッシュ・インヒビター・オブ・メタプロテア
ーゼ2(TIMP2)、ラージ・インヒビター・オブ・メタロプ
ロテアーゼ(LIMP)、チッキン・インヒビター・オブ・
メタロプロテアーゼ(ChIMP)、オポスタチン、血小板第I
V因子(PF-4)、α2マクログロブリン、EDTA、1,10- フ
ェナントロリン、BB94、ミノサイクリン、マトリスタチ
ン、SC-44463、又は、ジチオトレイトール(DTT)などを
挙げることができる。例えば、生体試料中の実質的に連
続した2以上の切片のうちの一つをプロテアーゼ基質を
含む薄膜に接触させ、残りの切片をプロテアーゼ基質と
プロテアーゼ・インヒビターとを含む他の薄膜に接触さ
せた後、それぞれの薄膜に形成された消化痕を対比する
方法を採用することができる。また、例えば、プロテア
ーゼ基質を含有する第一の層と、プロテアーゼ基質とプ
ロテアーゼ・インヒビターとを含有する第二の層を含む
単一の薄膜を製造し、プロテアーゼを含む試料を接触さ
せた後に、それぞれの層に形成された消化痕を対比する
方法を採用してもよい。プロテアーゼ・インヒビターを
用いる上記の方法と、2種以上の異なるプロテアーゼを
組み合わせて用いる上記の方法とをさらに組み合わせて
もよい。
【0029】本発明の薄膜の製造に用いられる硬膜剤
は、上記のプロテアーゼ基質の薄膜の製造において薄膜
の硬化を促進し、及び/又は形成後の薄膜の膨潤を防止
する作用を有している。硬膜剤の種類は、上記の作用を
有し、かつ、プロテアーゼとプロテアーゼ基質との反応
を実質的に阻害しない限り特に限定されず、無機又は有
機の硬膜剤のいずれを用いてもよい。例えば、クロム塩
(クロム明ばん、酢酸クロムなど);アルデヒド類(ホ
ルムアルデヒド、グリオキサール、グリタールアルデヒ
ドなど);N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、
メチロールジメチルヒダントインなど);ジオキサン誘
導体(2,3-ジヒドロキシジオキサンなど)、カルボキシ
ル基を活性化することにより作用する化合物類(カルベ
ニウム、2-ナフタレンスルホナート、1,1-ビスピロリジ
ノ-1-クロロ-、ピリジニウム、1-モルホリノカルボニル
-3-(スルホナトアミノメチル)-など);活性ビニル化合
物(1,3-ビスビニルスルホニル-2-プロパノール、1,2-
ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン、ビス
(ビニルスルホニルメチル)エーテル、ビニルスルホニ
ル基を側鎖に有するビニル系ポリマー、1,3,5-トリアク
リロイル-ヘキサヒドロ-s-トリアジン、ビス(ビニルス
ルホニル)メタンなど);活性ハロゲン化合物(2,4-ジ
クロル-6- ヒドロキシ-s- トリアジン及びそのナトリウ
ム塩など);ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフ
ェノキシクロル酸など);イソオキサゾール類;ジアル
デヒド澱粉;又は、2-クロル-6- ヒドロキシトリアジニ
ル化ゼラチンなどの硬膜剤を単独でまたは2種以上を組
み合わせて用いることができる。これらのうち、ビニル
スルホン酸型硬膜剤が好ましい。硬膜剤の使用量は特に
限定されないが、例えば、プロテアーゼ基質としてゼラ
チンを用いる場合には、検出性能の点からゼラチン100g
に対して0.1〜20mmol、さらに好ましくは0.3〜10mmol程
度を配合するのがよい。本発明の方法に用いる試料とし
ては、例えば、ヒトを含む哺乳類動物から分離・採取し
た生体試料を用いることができる。生体試料としては、
組織又は組織滲出液などを用いることができる。例え
ば、肺癌、胃癌、食道癌、乳癌、脳腫瘍などの固形癌組
織から手術や組織検査などにより分離・採取した癌組
織、リウマチ性関節炎の滑膜や骨組織、及び歯槽膿漏の
歯根膜や骨組織などの破壊性病変組織や滲出液、並びに
歯周病の歯肉溝滲出液などを用いることができる。
【0030】試料が組織の場合には、例えば、液体窒素
で急速凍結した試料から凍結切片作成装置を用いて厚さ
1〜10μm、好ましくは5μm程度の切片を調製し、この切
片を薄膜に貼付することによって試料と薄膜とを接触さ
せることができる。また、リウマチ性関節炎の患者から
採取した滑膜液を試料として用いる場合には、滑膜液約
5〜50μl、好ましくは20μl程度を薄膜上に滴下すれば
よい。歯周病の歯肉溝滲出液を試料として用いる場合に
は、歯肉溝内に濾紙を挿入して約5〜10μl程度の歯肉溝
滲出液を採取し、該濾紙を薄膜に貼付する方法を採用す
ることができる。歯肉溝滲出液の採取後、必要に応じて
蒸留水や適宜の緩衝液(例えば、50mM Tris-HCl,pH 7.
5,10mM CaCl2,0.2M NaClなど)を用いて濾紙から歯肉
溝滲出液を抽出し、抽出液を薄膜上に滴下してもよい。
【0031】組織内のプロテアーゼの存在を顕微鏡下で
観察できるように、薄膜は透明又は半透明の支持体上に
形成されることが好ましい。このような透明又は半透明
の支持体としては、例えば、ガラス、又はポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ナイ
ロン、セルロース、若しくはトリアセテート等からなる
透明又は半透明プラスチックフイルムなどを用いること
ができる。ガラスとしては顕微鏡用のスライドグラスを
用いることが好ましく、プラスチックフイルムとしては
ポリエチレンテレフタレートフイルムを用いることが好
ましい。もっとも、支持体はこれらに限定されることは
なく、均一な薄膜を製造することができ、検鏡に適する
ものであればいかなるものを用いてもよい。
【0032】また、歯肉溝滲出液などの試料溶液を薄膜
表面に滴下すると、滴下により形成される円形の塗布面
の円周に沿って消化痕が検出される場合がある。このよ
うな場合には必ずしも顕微鏡下での検出を必要としない
ので、上記の支持体に加えて、不透明な支持体を用いる
ことも可能である。例えば、紙、合成紙、合成樹脂(例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリエチレンナフタレート等)をラミネートした紙、金
属板(例えば、アルミニーウム、アルミニウム合金、亜
鉛、鉄、銅などの板)、上記の金属がラミネート又は蒸
着された紙やプラスチックフイルムなどを用いることが
できる。このような態様においては支持体に着色が施さ
れていてもよい。
【0033】支持体の厚さは特に限定されないが、ガラ
スの場合にはスライドグラス程度の厚さのもの(例えば
2〜3mm程度)が好ましく、ポリエチレンテレフタレート
フイルムの場合には約100〜250μm、より好ましくは約1
50〜200μm、特に好ましくは 175μm程度のものを用い
ることができる。該支持体上の薄膜は単層又は重層で形
成することができるが、薄膜はできる限り均一な表面を
与えるように調製すべきである。例えば、乾燥後の膜厚
が1〜10μm、好ましくは 4〜6μm程度になるように調製
することが好ましい。
【0034】薄膜の調製には、例えば、水、又はメチレ
ンクロライド、アセトン、メタノール、エタノール、若
しくはそれらの混合溶媒などの有機溶媒に分散したプロ
テアーゼ基質を支持体表面に塗布して乾燥すればよい。
塗布方法としては、例えば、ディップ塗布法、ローラー
塗布法、カーテン塗布法、押し出し塗布法などを採用す
ることができる。もっとも、薄膜の調製方法はこれらに
限定されることはなく、例えば、写真用フイルムの技術
分野などにおいて汎用されている薄膜形成方法などを適
宜採用することが可能である。なお、プロテアーゼ基質
としてゼラチンを用いる場合には、ゼラチンの種類は特
に限定されず、例えば、牛骨アルカリ処理ゼラチン、豚
皮膚アルカリ処理ゼラチン、牛骨酸処理ゼラチン、牛骨
フタル化処理ゼラチン、豚皮膚酸処理ゼラチンなどを用
いることができる。
【0035】薄膜を支持体上に形成するにあたり、薄膜
と支持体との接着を改善するために、薄膜と支持体表面
との間に下塗り層を設けてもよい。例えば、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アク
リル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等から選ばれるモ
ノマーの1種又は2種以上を重合させて得られる重合体
又は共重合体、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グ
ラフト化ゼラチン、又はニトロセルロースなどの重合体
を下塗り層として形成することができる。また、ポリエ
ステル系支持体を用いる場合には、下塗り層に替えて、
支持体表面をコロナ放電処理、紫外線処理、又はグロー
放電処理することによっても、支持体と薄膜との接着力
を改善できる場合がある。
【0036】本明細書において用いられる「支持体表面
上に形成された薄膜」という用語またはその同義語につ
いては、このような1又は2以上の下塗り層及び/又は
支持体表面の処理を排除するものと解釈してはならな
い。もっとも、薄膜と支持体との接着を改善するための
手段は上記のものに限定されることはなく、例えば、写
真用フイルムの技術分野などにおいて汎用されている手
段を適宜採用することができる。
【0037】また、薄膜を製造する際に、上記の成分に
加えて、染料、顔料、防腐剤、安定化剤などの成分を適
宜配合してもよい。このような成分は、プロテアーゼと
プロテアーゼ基質との反応を実質的に阻害しない限り、
適宜のものを選択して用いることが可能である。染料と
しては、例えば、特開平6-102624号公報に記載された染
料(第9頁I-1より第47頁63までの化学構造式により具
体的に示された染料)を用いることができ、染料の添加
方法は、例えば、特開平5-313307号公報に記載された方
法(第11頁段落番号[0037]から第12頁段落番号[0044]ま
でに具体的に説明された方法)を採用することができ
る。染料や顔料を添加することにより消化痕の検出が容
易になる場合があるが、このような目的のためには、染
料や顔料のほか、金属や金属酸化物を配合してもよい。
金属、金属酸化物、染料、顔料などの物質を添加する場
合には、製造後の薄膜が400nmから700nmまでの波長領域
の最大透過濃度が0.01以上であることが好ましい。これ
らの物質の1種又は2種以上を薄膜に配合することがで
き、薄膜を形成する各層にそれぞれ異なる物質、例えば
色の異なる染料などを配合してもよい。なお、薄膜の製
造にあたりアガロースを用いるとプロテアーゼ検出の再
現性が低下するので、本発明の薄膜の製造にアガロース
を用いることは好ましくない。
【0038】本発明の方法では、例えば、組織切片を薄
膜に貼付するか、あるいは液体試料を薄膜上に滴下する
ことによって薄膜とプロテアーゼを含む試料とを接触さ
せた後、好ましくは37℃の湿潤箱内で、組織切片につい
ては例えば1〜24時間、好ましくは2〜12時間、さらに好
ましくは3〜6時間程度、液状試料については0.5〜12時
間、好ましくは1〜6時間、さらに好ましくは1〜3時間程
度インキュベートする。試料中にプロテアーゼが含まれ
る場合には、薄膜内のプロテアーゼ基質がプロテアーゼ
によって分解され、薄膜上に消化痕が形成される。必要
に応じて薄膜を染色した後、肉眼や顕微鏡下で消化痕を
観察することにより、プロテアーゼの存在を証明するこ
とができる。また、分光光度計による光分解を利用して
評価を行ってもよい。
【0039】プロテアーゼ基質としてゼラチンを用いる
場合には、ゼラチン染色後に消化痕を観察することが好
ましい。ゼラチン染色は、例えば、1%アミドブラックや
クマジーブルーなどを用いて、常法に従って行うことが
できる。例えば、アミドブラックを用いたゼラチン染色
では、ゼラチン薄膜は黒紺色に染色されるが、プロテア
ーゼによりゼラチン薄膜上にゼラチン消化痕が形成され
ると、その消化痕の部分にはゼラチンが存在しないの
で、染色されない白抜き部分が現れる。写真用フイルム
の表面にはゼラチン薄膜が形成されているので、写真用
フイルム(例えばネオパンF、富士写真フイルム株式会
社製)を感光させて通常の現像、定着、水洗、乾燥処理
を行ったものを薄膜として用いてもよい。この場合に
は、感光した黒色のフイルム上に消化痕が白抜き部分と
して観察できる。
【0040】本発明の方法の別の態様に従えば、癌組織
などから連続凍結切片を作成し、実質的に連続した二切
片のうちの一方の切片を、例えば、ヘマトキシリン・エ
オシン染色切片などの通常の組織標本として調製し、他
の切片を本発明の測定方法に従って処理し、両者の観察
結果を比較・対比することによって組織中の個々の細胞
に由来するプロテアーゼの存在を正確に把握することが
可能である。このようなプロテアーゼの測定方法によ
り、組織中に存在する個々の癌細胞の悪性度(浸潤活性
及び転移活性など)を正確に判定することが可能であ
り、癌疾患の予後についての的確な判定が可能になる。
また、リウマチ性関節炎の関節液や歯肉溝滲出液などの
試料中のプロテアーゼを定量することにより、これらの
疾患の病態や進行程度を正確に判定することができる
が、試料中のプロテアーゼ定量のためには、予め作成し
た標準溶液を用いて検量線を作成することが好ましい。
【0041】(実施例)以下、本発明を実施例によりさ
らに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施
例に限定されることはない。 例1:プロテアーゼ測定用薄膜の製造 牛骨アルカリ処理ゼラチン10gを純水127gに溶解し、硬
膜剤として1,2-ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)
エタン(2%)0.8mlを添加した。この溶液を下塗りを施し
たポリエチレンテレフタレートフイルム上に乾燥膜厚が
約5μmになるように均一に塗布し、乾燥してゼラチン薄
膜とした。ゼラチン薄膜は使用時まで室温で保存した。
【0042】例2:プロテアーゼ測定用薄膜の製造 例1と同様にして牛骨アルカリ処理ゼラチン溶液を調製
し、この溶液をスライドグラス上に乾燥膜厚が約6μmと
なるように均一に塗布し、乾燥してゼラチン薄膜を製造
した。また、牛骨アルカリ処理ゼラチンに替えて、豚皮
膚アルカリ処理ゼラチン、牛骨酸処理ゼラチン、牛骨フ
タル化処理ゼラチン、豚皮膚酸処理ゼラチン(シグマ社
製#G2625)、及び豚皮膚酸処理ゼラチン(シグマ社製#G25
00)をそれぞれ用いて、同様に各ゼラチン薄膜を製造し
た。
【0043】例3:プロテアーゼ活性測定 プロテアーゼ液体試料として、マトリックス・メタロプ
ロテアーゼ(MMP)-1、MMP-2及びMMP-9(ヤガイ社製)を
それぞれ2pg/mlから200ng/mlの濃度で含む溶液を用い
た。また、生体試料としては、歯周病患者から採取した
歯肉、歯肉溝滲出液(GCF: Gingival Crevicular Flui
d)、及び歯周病原菌(P.gingivalis #381株;A.actino
mycetemcomitans Y4株;及びP.intermedia ATCC 25611
株)を培養した上清を用いた。例2で得たそれぞれのゼ
ラチン薄膜上に液体試料約10μlを滴下し、組織試料は
約5μmの凍結切片として各ゼラチン薄膜上に貼付した。
ゼラチン薄膜を湿潤箱内に入れて37℃で4〜16時間イン
キュベートし、その後、クマジーブルーで染色した。
【0044】この結果、いずれのゼラチン薄膜にもプロ
テアーゼによるゼラチンの消化によって染色されない部
位(白抜きの部分:ゼラチン消化痕)が認められた。特
に、牛骨フタル化処理のゼラチン薄膜は液体試料の場合
に顕著なゼラチン消化を与え、豚皮膚酸処理のゼラチン
薄膜も液体試料及び組織切片に対して強いゼラチン消化
痕を与えた。MMP-1、MMP-2及びMMP-9について、4時間
後に200ng/ml、8時間後に20ng/ml、16時間後に20-200p
g/mlの濃度範囲でプロテアーゼ活性が認められた。歯肉
溝滲出液の多くはプロテアーゼ活性を認めるまでに約8
〜16時間を要し、プロテアーゼの量が2pg/mlから20ng/m
lの範囲であることが示唆された。また、組織切片での
プロテアーゼ活性は、内縁上皮、外縁上皮、及び上皮下
結合組織中の炎症性細胞浸潤が強い部位に認められた。
【0045】例4:癌組織のプロテアーゼ活性測定 被検組織試料として舌扁平上皮癌、肺癌、及び食道癌の
手術標本を厚さ約0.5cm×幅2cmの大きさに切り出し、液
体窒素で急速凍結して-80℃で保存した。この標本から
凍結切片作成装置を用いて厚さ5μmの連続切片を作成
し、一枚をスライドグラスに張り付けて乾燥させた後、
10%ホルマリンで5分間固定し、その後、常法に従って
ヘマトキシリン・エオシン染色を行った。他の連続切片
を例2及び例3で製造した各ゼラチン薄膜上に貼付し、
湿潤箱に入れて37℃で3〜6時間インキュベートした。イ
ンキュベート終了後にゼラチン薄膜を1%アミドブラック
溶液で染色し、乾燥した後に検鏡した。プロテアーゼ活
性が発現している部分は白抜きのゼラチン消化痕を与え
ており、一方、他の部分は濃い青黒色であった。いずれ
の癌組織にも癌胞巣を形成する個々の癌細胞にゼラチン
消化痕が認められたが、特に癌胞巣辺縁に位置する細胞
に強いゼラチン消化痕が認められた。正常扁平細胞では
ゼラチンの消化が弱いながらも認められたが、この上皮
が異型増殖するに従ってゼラチンの消化が強く認められ
た。
【0046】例5:症例(口腔上顎歯肉癌) 標本中の癌細胞は胞巣構造を形成する低分化型扁平上皮
癌で、骨組織を破壊して強い浸潤を示していた。癌胞巣
中の癌細胞に対応するゼラチン薄膜は消化されてゼラチ
ン薄膜標本上に白抜きのゼラチン消化痕を与えていた
が、特に癌胞巣の辺縁に位置する細胞に対応する部位に
強いゼラチン消化痕が認められた。標本中の巣状の炎症
性細胞浸潤部位に対応する部分には、強い顆粒状のゼラ
チン消化痕が生じていた。癌胞巣を拡大して観察する
と、癌胞巣辺縁に位置する増殖域の細胞に強いゼラチン
消化痕が認められ、癌胞巣に隣接する間質の繊維芽細胞
にも顆粒状にゼラチンの消化痕が認められた。
【0047】例6:症例(舌癌) 標本中の癌細胞は未分化型扁平上皮癌で大小の癌胞巣が
存在していた。癌胞巣の辺縁部の癌細胞に対応する部位
にいずれにも強いゼラチン消化痕が認めら、癌の増殖域
の細胞に相当する部位ではゼラチンの消化痕が顕著であ
った。巣状の炎症性細胞浸潤巣に対応する部分にも顆粒
状のゼラチン消化痕が認められた。
【0048】例7:症例(口腔粘膜の高度上皮異形成
症) ヘマトキシリン・エオシン染色標本では、上皮に高度上
皮異形成症が認められ、棘細胞層の肥厚と基底細胞の重
層化が生じていた。特に基底細胞には多形成や異型性の
細胞増殖が認められた。ゼラチン薄膜上では、肥厚した
棘細胞層及び顆粒細胞層に対応する部分に強いゼラチン
消化痕を認めたが、基底細胞層では点状にゼラチン消化
痕を認めたのみであった。この結果は、上皮細胞のター
ンオーバーが盛んに行われており、一方、基底細胞では
上皮化結合織への浸潤が生じていることを示している。
棘細胞の肥厚と重層化した基底細胞を拡大して観察する
と、いずれの細胞層に対応する部分にもゼラチン消化痕
が認められたが、特に、棘細胞と重層化基底細胞に対応
する部分ではゼラチンが顕著に消化されていた。一方、
単層又は2層の基底細胞ではゼラチンの消化が重層化基
底細胞より弱かった。また、重層化した基底細胞は紡錘
形となり、細胞の多形成や異型性が認められたが、異型
性を示す増殖傾向の細胞に対応する部分はゼラチン薄膜
上に強いゼラチン消化痕を形成していた。
【0049】例8:液状試料のプロテアーゼ活性測定 リウマチ患者の滑膜液約20μlをゼラチン薄膜上に滴下
し、37℃の湿潤箱内で1〜3時間インキュベートした。そ
の後、ゼラチン薄膜を1%アミドブラックで染色したとこ
ろ、滴下によりゼラチン薄膜上に形成された円形の塗布
跡の円周に強いゼラチン消化痕が認められた。特に、牛
骨フタル化処理のゼラチン薄膜を用いた場合には特に顕
著なゼラチン消化痕が観察できた。
【0050】例9:歯周病におけるプロテアーゼ活性測
定 歯面の唾液及びプラークを可及的に綿球で除去して簡易
防湿した後、ペリオペーパーを歯肉溝に挿入して90秒間
静置し、歯肉溝滲出液(約5〜10μl程度)をペリオペー
パーに吸い取らせた。このペリオペーパーを150μlの緩
衝液(50mM Tris-HCl,pH7.5,10mM CaCl2,0.2M NaCl)
で抽出して試料溶液とし、例3と同様の方法に従ってプ
ロテアーゼの測定を行った。この結果、歯肉溝滲出液の
滴下によりゼラチン薄膜上に形成された円形の塗布跡の
円周に沿って強いゼラチン消化痕が認められた。
【0051】例10:プロテアーゼ測定用薄膜の製造 牛骨アルカリ処理ゼラチン15gを純水123gに溶解し、硬
膜剤として1,2-ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)
エタン(4% 水溶液)0.6mlを添加した。この溶液をスライ
ドグラス上に乾燥膜厚が約7μmになるように均一ワイヤ
ーバーコーターを使って塗布し、乾燥して薄膜(単層薄
膜:試料101)とした。薄膜は使用時まで室温で保存し
た。また、牛骨アルカリ処理ゼラチンの代わりに表1に
示したプロテアーゼ基質を使用し、硬膜剤、添加剤、支
持体を変更又は追加して、試料101と同様にして試料102
〜130を作成した。なお、塗布の際には必要に応じて塗
布助剤を使用した。なお、表中の染料1はアミドブラッ
クを示し、顔料1は銅フタロシアニンを示す。
【0052】
【表1】
【0053】例11:プロテアーゼ測定用薄膜の製造 コラーゲンI溶液(和光純薬株式会社製、3mg/ml)をスラ
イドグラス上に乾燥膜厚が約1μmになるように均一ワイ
ヤーバーコーターを使って塗布し、乾燥して薄膜(単層
薄膜:試料131)とした。薄膜は使用時まで室温で保存し
た。また、コラーゲンIの代わりに表2に示したプロテ
アーゼ基質を使用し、硬膜剤、添加剤、支持体を変更又
は追加して、試料131と同様にして試料132〜160を作成
した。なお、塗布の際には必要に応じて塗布助剤を使用
した。
【0054】
【表2】
【0055】塗布の際にワイヤーバーコーターの代わり
にスライドコーターを使用した他は試料121〜130と同様
にして試料161〜170を作成した。なお、乾燥条件は、必
要に応じて10℃にいったん冷却した後、常温常湿で乾燥
する方法を採用した。例12:プロテアーゼ活性測定 プ
ロテアーゼ液体試料として例3に記載したMMP-2を用
い、例11で得たそれぞれの薄膜上に約10μlを滴下し
た。薄膜を湿潤箱内に入れて37℃で4〜16時間インキュ
ベートし、その後、透明な試料はアミドブラック溶液で
染色した。活性の評価方法としては、それぞれの試料に
対して、目視による判定、ミクロデンシトメトリー
による微小部分の濃度測定による判定、及び接触式膜
厚測定機による膜厚測定による判定を行った。結果を表
3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】プロテアーゼ・インヒビターを添加しなか
った膜膜では、いずれについてもプロテアーゼによりプ
ロテアーゼ基質が消化された白抜きの部分(消化痕)が
認められ、この部分の光学濃度及び膜厚は周辺部に比べ
て減少していた。一方、プロテアーゼ・インヒビターを
添加した試料についてはプロテアーゼ活性が抑制された
ために消化痕を認めなかった。また、スライドコーター
によって作成した試料160〜170はバーコーターによって
作成した試料と同様の結果を与えた。 例13:プロテアーゼ活性測定 プロテアーゼ液体試料と
して、マトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)-1、を
それぞれ2pg/mlから200ng/mlの濃度で含む溶液を用い、
例11で得た試料101に対して例12と同様の方法により測
定を行って検量線を作成した。結果を表4に示す。
【0060】
【表6】
【0061】表4の結果をグラフ上にプロットし、生体
試料を用いた場合の消化痕の光学濃度(2.6)を与えるマ
トリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)-1の濃度を求め
た。この結果、生体試料中のプロテアーゼの濃度は約40
pg/mlであった。 例14:プロテアーゼ活性測定 生体試料として、歯周病
患者から採取した歯肉、歯肉溝滲出液、及び歯周病の組
織試料を約5μmの凍結切片として薄膜試料101〜160の上
に貼付した。薄膜を湿潤箱内に入れて37℃で4〜16時間
インキュベートし、その後、透明な試料はアミドブラッ
ク溶液で染色した。活性の評価方法としては、それぞれ
の試料に対してはっきりと活性が認められる箇所につい
て、目視による判定、ミクロデンシトメトリーによ
る微小部分の濃度測定による判定、及び接触式膜厚測
定機による膜厚測定による判定を行った。結果を表5に
示す。
【0062】
【表7】
【0063】
【表8】
【0064】
【表9】
【0065】生体試料の凍結切片を直接設置する方法に
おいても、各薄膜にはプロテアーゼによるプロテアーゼ
基質の消化痕(白抜きの部分)が形成されており、この
部分の光学濃度と膜厚は周辺部に比べて減少していた。
【0066】例15:プロテアーゼ測定用薄膜の製造 牛骨アルカリ処理ゼラチン15gを純水123gに溶解し、硬
膜剤として1,2-ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)
エタン(4%)0.6mlを添加した。この溶液をスライドグラ
ス上に乾燥膜厚が約7μmになるように均一ワイヤーバー
コーターを使って塗布し、乾燥して薄膜とした。牛骨ア
ルカリ処理ゼラチン15gを純水123gに溶解し、硬膜剤と
して1,2-ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン
(4%)0.6mlとポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径2
μm)を添加した。この溶液を、すでに作成した乾燥薄
膜の表面に乾燥膜厚が約7μmになるように均一ワイヤー
バーコーターを使って塗布し、乾燥して薄膜とした(多
層薄膜:試料301)。薄膜は使用時まで室温で保存した。
また、プロテアーゼ基質、硬膜剤、変更又は追加して、
表6に示す薄膜を作成した。なお、塗布の際には必要に
応じて塗布助剤、粘度調整剤を使用し、表中の青色染料
1、緑色染料1、及び赤色染料としては、それぞれ以下
の化合物を用いた。
【0067】
【化1】
【0068】
【表10】
【0069】
【表11】
【0070】
【表12】
【0071】塗布の際にワイヤーバーコーターの代わり
にスライドコーターを使用した他は試料301〜330と同様
にして試料331〜360を作成した。なお、乾燥条件は必要
に応じて10℃にいったん冷却した後常温常湿にて乾燥す
る方法を採用した。例16:プロテアーゼ活性測定 例12
と同様の方法でプロテアーゼの活性測定を行った。結果
を表7に示す。この結果から、多層の薄膜においてもプ
ロテアーゼ活性を非常に明確に判定可能であることがわ
かった。スライドコーターによって作成した試料331〜3
60はバーコーターによって作成した試料と同様の結果を
示した。
【0072】
【表13】
【0073】例17:プロテアーゼ測定用薄膜の製造とプ
ロテアーゼ活性測定 牛骨アルカリ処理ゼラチン15gを純水123gに溶解し、硬
膜剤として1,2-ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)
エタン(4%)0.6mlを添加した。この溶液をバック層にス
ライドコーターを使って塗布し、乾燥して薄膜とした他
は試料331〜360と同様にして試料501〜530を作成した。
また、試料501〜530のバック層の上にポリマーラテック
ス層を塗布、乾燥した試料531〜560を作成した。これら
の試料について試料331〜360と同様にプロテアーゼ活性
測定を行ったところ、同様な評価結果が得られた。ま
た、これらの試料はカールなどが起きず、薄膜の取扱い
性において非常に良好であった。
【0074】例18:写真用フイルムを用いたプロテアー
ゼの測定 ネオパンF(写真用黒白フイルム:富士写真フイルム株
式会社製)を完全に感光させた後、通常の方法に従って
現像、定着、及び水洗を行った後に乾燥させた。この写
真用フイルムをプロテアーゼ測定用のゼラチン薄膜とし
て用い、フイルム上に実施例4で調製した癌組織の切片
を貼付して、実施例4と同様の方法に従ってプロテアー
ゼ活性の測定を行った。この結果、プロテアーゼの存在
しない部分は黒色のままであったが、実施例4で染色に
より調製した薄膜上に認められた消化痕と同様の消化痕
が白抜き部分として認められた。ただし、例1、例2、
例10、例11、例15、及び例17で製造した薄膜に比べると
検出性能は劣っていた。
【0075】例19:ラジオグラフィ用乳剤を用いたプロ
テアーゼの測定および測定結果(比較例) 生体試料として、歯周病患者から採取した歯肉、歯肉溝
滲出液、及び歯周病の組織試料を約5μmの凍結切片とし
てスライドグラス上設置した。その上に水で希釈したラ
ジオグラフィ用乳剤NRM2又はNRH2(コニカ株式会社製)
を塗布し、乾燥して薄膜を形成した。薄膜を湿潤箱内に
入れて37℃で16時間〜14日間インキュベートし、その
後、アミドブラックで染色するか、または黒白現像処理
をした。その結果、プロテアーゼの活性はほとんど検出
できなかった。14日間インキュベートした後に黒白現像
処理した試料においてわずかに活性らしいものを示した
が、活性部の表示が非常に曖昧であり、本発明の薄膜に
比べてプロテアーゼの検出能は著しく劣っていた。
【0076】(産業上の利用可能性)本発明の方法は、
組織中に局在する特定部位や組織中の個々の細胞に由来
するプロテアーゼを正確かつ簡便に測定することがで
き、しかも短時間に判定できるという特徴がある。従っ
て、本発明の方法は、浸潤や転移活性などの癌細胞の悪
性度、歯周炎などの歯周病の進行度、リウマチや歯槽膿
漏などの破壊性病態などの正確な診断に有用である。ま
た、本発明の方法に従えば、極めて微量の試料からプロ
テアーゼ活性を測定することが可能であり、判定後の薄
膜を固定標本として永久保存することもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 裕 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社足柄研究所内 (72)発明者 立川 哲彦 東京都品川区荏原2−17−9−105 (72)発明者 長谷川 郁夫 東京都新宿区舟町2 (72)発明者 吉木 周作 神奈川県川崎市宮前区宮崎5−11−38−A 106 (72)発明者 長谷川 紘司 東京都新宿区舟町2 (72)発明者 西垣 純爾 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社足柄研究所内 Fターム(参考) 4B029 AA07 BB16 FA13 4B063 QA01 QA18 QA19 QQ36 QR57 QR84 QS12 QS28 QS39

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロテアーゼの測定方法であって、 (1) プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み支持体表面に形
    成された薄膜に対して生体試料の実質的に連続した2以
    上の切片のうちの一つを接触させる工程; (2) プロテアーゼ基質、硬膜剤、及びプロテアーゼ・イ
    ンヒビターを含み支持体表面に形成された薄膜に対して
    残りの切片を接触させる工程; (3) プロテアーゼの作用により該薄膜に形成された消化
    痕を検出する工程;及び (4) 工程(1)で用いた薄膜の消化痕と工程(2)で用いた薄
    膜の消化痕とを対比する工程を含む方法。
  2. 【請求項2】 プロテアーゼ基質が、コラーゲン、ゼラ
    チン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、ラミニ
    ン、エラスチン、及びカゼインからなる群から選ばれる
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該試料が患者から分離・採取した生体試
    料である請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 プロテアーゼがマトリックス・メタロプ
    ロテアーゼである請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 プロテアーゼが関与する疾患の診断に用
    いる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 該疾患が癌である請求項5に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 プロテアーゼ基質及び硬膜剤を含み支持
    体表面に形成された薄膜であって、請求項1ないし6の
    いずれか1項に記載の方法に用いるための薄膜。
  8. 【請求項8】 プロテアーゼ基質、硬膜剤、及びプロテ
    アーゼ・インヒビターを含み支持体表面に形成された薄
    膜であって、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の
    方法に用いるための薄膜。
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