JP3301901B2 - 圧電共振子 - Google Patents

圧電共振子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電性セラミック
スの共振現象を利用した電子部品、例えば、カーステレ
オ,コードレス電話,ページャ等の移動体通信で用いら
れるセラミックフィルター、セラミックレゾネータの圧
電共振子に関するものである。
【0002】
【従来技術】圧電振動子には、電気的信号を入力し、機
械的な信号(変位)を出力することを目的としたバイモ
ルフ等の変位素子や、電気的信号を入力し、電気的信号
(インピーダンス特性)を出力することを目的とした圧
電共振子がある。
【0003】圧電共振子を用いたフィルターとしては、
近年、映像信号や音声信号など通信情報量の大容量化
や、自動車電話,移動体通信などの通信端末の多様化に
伴い、高選択,低損失,高信頼性の特性を有する圧電共
振子の開発が望まれている。
【0004】従来の圧電共振子は、図2に示すように、
圧電性基板1の上下面に、上面電極2および下面電極3
を形成して構成されており、帯域および保償減衰量を制
御する必要から、上面電極2の寸法を下面電極3の寸法
より小さくしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
構造においては、上記したように、上面電極2の寸法が
下面電極3の寸法より小さいため、電界が、上面電極2
の外周部で斜め方向(図1のA方向)、即ち圧電性基板
1の厚み方向(図1のB方向)とは異なる方向に働き、
斜め方向の電界が圧電性基板1に働くことにより、圧電
性基板1に屈曲振動を生じ、その結果として、屈曲振動
モードのスプリアス(異常共振点)が多数出現するとい
う問題があった。これらスプリアスは、発振周波数の移
動等を誘発し、圧電共振子として正しく作動しないとい
う問題があった。
【0006】即ち、拡がり振動子を例にとれば、上面電
極2および下面電極3に交流電界を加えることによっ
て、ある一定の周波数で拡がり振動を励振し、この周波
数でのインピーダンスのピークを発振子、またはフィル
ターとして利用している。このような圧電共振子では、
図3に示すように、利用する拡がり振動のピーク以外に
も多数のスプリアスSと呼ばれる屈曲振動モードのピー
クが存在し、これらスプリアスが大きい場合、もしく
は、利用する拡がり振動のピーク(利用帯域)の近傍に
存在した場合、発振周波数がスプリアスの周波数に移動
していまい、圧電共振子として正しく作動しないという
問題があった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、屈曲振動モードのスプリアス
の発生を抑制することができる圧電共振子を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、分極方向が正反対の第
1圧電性基板と第2圧電性基板を用いて圧電共振子を形
成することにより、スプリアスの発生を抑制することが
できることを見出し、本発明に至った。
【0009】即ち、本発明の圧電共振子は、同一厚みで
ある第1圧電性基板と第2圧電性基板とを、これらの第
1圧電性基板と第2圧電性基板の全面に形成された共用
電極を介して接合し、前記第1圧電性基板および前記第
2圧電性基板の表面に、前記共用電極と対向するように
該共用電極よりも小さい第1電極および第2電極をそれ
ぞれ形成するとともに、前記第1圧電性基板と前記第2
圧電性基板の分極方向を正反対とし、拡がり振動を利用
したものである。ここで第1電極および第2電極は同一
形状であることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の圧電共振子は、図1に示
すように、第1圧電性基板11と第2圧電性基板13と
が共用電極15を挟持し、基板本体17が形成されてい
る。第1圧電性基板11と第2圧電性基板13とは、共
用電極15を介して接合されている。
【0011】第1圧電性基板11と第2圧電性基板13
は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛Pb(ZrX Ti
1-X )O3 (以後、PZTという)から構成されてお
り、第1圧電性基板11と第2圧電性基板13とが同一
形状,同一厚みとされている。また、共用電極15は、
例えば、Ag−Pdから構成されている。
【0012】そして、基板本体17の厚み方向の両端面
には、第1電極19および第2電極21がそれぞれ形成
され、第1圧電性基板11と第2圧電性基板13の分極
方向が正反対とされている。図1に、第1圧電性基板1
1の分極方向(X)および第2圧電性基板13の分極方
向(Y)を図示する。
【0013】このような圧電共振子は、第1電極19と
第2電極21が同位相で共用電極15が逆位相となるよ
うに交流電流を印加して用いられる。
【0014】本発明の圧電共振子の製造方法を詳細に説
明する。本発明の圧電共振子は、例えば、所定の電気特
性が得られるように調合したPZT系セラミック原料を
湿式混合し、この混合物を脱水、乾燥した後、800〜
1200℃で1〜3時間仮焼し、当該仮焼物を再びボー
ルミルで粉砕する。
【0015】その後、この粉砕物に有機バインダーを混
合し、ドクターブレード法、あるいは押し出し成形法等
で所定厚みの2枚のシート状圧電成形体を形成する。一
方の圧電成形体の片面に共用電極となるAg−Pd等の
導電性ペーストを印刷し、この導電性ペーストの表面に
他方の圧電成形体を積層する。即ち、圧電成形体により
導電性ペーストを挟持するように積層し、積層成形体を
形成する。
【0016】この積層成形体を、大気中において所定温
度で脱バインダーを行い、この後大気中で1200〜1
300℃の温度にて2〜6時間焼成し、第1圧電性基板
と第2圧電性基板が共用電極を介して接合した基板本体
を作製する。得られたPZT系セラミックからなる基板
本体の両端面に、銀とガラスを含んだ導電性ペーストを
印刷し、500〜600℃で焼き付け、第1圧電性基板
と第2圧電性基板の表面に、共用電極と対向するように
第1電極および第2電極を形成する。
【0017】次に基板本体の両端面に形成された電極面
に150℃程度で硬化するポリマーを含んだAgペース
ト(導電性ポリマー)を印刷し、硬化後所定温度のシリ
コンオイル中で第1圧電性基板と第2圧電性基板に分極
方向が正反対(180°異なる)となるようにそれぞれ
3KV/mmの電界を印加して分極処理を行い、その
後、導電性ポリマーを水洗して洗い落とすことにより、
本発明の圧電共振子を得る。
【0018】尚、分極を安定化させるために、分極処理
後150〜250℃で1時間の熱エージングを行っても
良い。またエージング後の基板が所定のサイズになるよ
うに、ダイシングを行っても良い。
【0019】
【作用】本発明の圧電共振子は、第1圧電性基板を挟持
する共用電極と第1電極に交流電界を印加することによ
り、第1圧電性基板はある共振周波数f0 で屈曲振動を
励振しようとする。しかし、第2圧電性基板は、第1圧
電性基板と分極方向が180°逆であるため、第2圧電
性基板を挟持する共用電極と第2電極に交流電界を印加
すると、前記共振周波数f0 では、第1圧電性基板と逆
位相で振動しようとする。その結果として、本来屈曲振
動が励振されるはずの周波数f0 では、その振動が第1
圧電性基板と第2圧電性基板で打ち消され、屈曲モード
スプリアスを取り除くことができる。
【0020】拡がり振動のピークについては、第1圧電
性基板と第2圧電性基板が同一の位相で拡がり振動をす
るために打ち消されることなく、良好に励振し、屈曲振
動モードスプリアスが殆ど存在しない良好なインピーダ
ンス特性が得られる。
【0021】屈曲振動モードスプリアスの発生は、第1
圧電性基板と第2圧電性基板とを同一厚みとすることに
より、または、第1電極および第2電極を同一形状とす
ることによりさらに抑制することができる。
【0022】
【実施例】PZT系セラック原料を湿式混合し、次いで
この混合物を脱水、乾燥した後、1000℃で3時間仮
焼し、当該仮焼物を再びボールミルで粉砕した。
【0023】その後、この粉砕物に有機バインダーを混
合し、ドクターブレード法にて所定厚みのシート状成形
体を2枚作製した。得られた成形体を所定のサイズで打
ち抜き、一方の成形体の片面に共用電極となるAg−P
dからなる導電性ペーストを印刷した。この導電性ペー
ストの上に他方のシート状成形体を積層し、成形体によ
り共用電極を挟持するようにして熱圧着を行い、積層成
形体を得た。この積層成形体を大気中で脱バインダーを
行い、その後大気中で1250℃の温度にて3時間焼成
し、第1圧電性基板と第2圧電性基板が共用電極を介し
て接合された基板本体を作製した。この基板本体の両端
面、即ち、共用電極と対向するように、縦2.0mm横
2.0mm、厚み0.01mmの銀とガラスを含有する
導電性ペーストを印刷し、600℃で焼き付け、第1圧
電性基板の表面に第1電極、第2圧電性基板の表面に第
2電極を形成した。
【0024】次に電極を形成した面に150℃程度で硬
化するポリマーを含んだAgペースト(導電性ポリマ
ー)を印刷、熱硬化後80℃のシリコンオイル中で第1
圧電基板と第2圧電基板に分極方向が正反対となるよう
にそれぞれ3KV/mmの電界を印加して分極処理を行
い、その後、導電性ポリマーを、水洗いして洗い落とし
た。この後、分極を安定化させるために220℃で1時
間の熱エージングを行い、その後、エージング後の圧電
共振子が、縦4.6mm、横4.6mm、厚み0.5m
mのサイズになるようにダイシングを行い、図1に示す
ような本発明の圧電共振子を得た。
【0025】尚、従来の圧電共振子、即ち、縦4.6m
m、横4.6mm、厚み0.5mmのPZTからなる圧
電基板を作製し、この圧電基板の上面に、縦2.0mm
横2.0mm、厚み0.01mmの銀とガラスからなる
上面電極を形成するとともに、下面に、縦4.6mm、
横4.6mm、厚み0.01mmの銀とガラスからなる
下面電極を形成した図2の圧電共振子を比較例とした。
【0026】また、従来の圧電共振子では、上面電極、
下面電極間に交流を印加した状態で評価した。本発明に
よる圧電共振子では、第1電極と第2電極が同位相で共
用電極が逆位相となるように交流電流を印加し、圧電共
振子のインピーダンス特性の評価を、インピーダンスア
ナライザーを用いて100KHz〜1MKHzで行い、
拡がり振動のメインピークおよびスプリアスの発生周波
数を記載した。その結果を表1に記載した。
【0027】
【表1】
【0028】この結果から明かなように、従来の圧電共
振子では、215KHz、401KHz、505KH
z、610KHz、740KHz、830KHz、90
5KHz、915KHzにスプリアスが出現している
が、本発明による圧電共振子では610KHzおよび9
10KHzのみにスプリアスが出現しており、屈曲振動
モードのスプリアスの発生を抑制できることが判る。
尚、表1中における拡がり振動のメインピークの欄の括
弧内は帯域幅を示している。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、第1圧電
性基板と第2圧電性基板が同一の位相で拡がり振動をす
るために打ち消されることなく、良好に励振するととも
に、屈曲振動モードのスプリアスの発生を抑制し、良好
なインピーダンス特性を得ることができる。また、屈曲
振動モードのスプリアスの発生は、第1圧電性基板と第
2圧電性基板とを同一厚みとすることにより、または、
第1電極および第2電極を同一形状とすることによりさ
らに抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電共振子を示す斜視図である。
【図2】従来の圧電共振子を示す斜視図である。
【図3】従来の圧電共振子のインピーダンス特性を示す
グラフである。
【符号の説明】
11・・・第1圧電性基板 13・・・第2圧電性基板 15・・・共用電極 17・・・基板本体 19・・・第1電極 21・・・第2電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−206600(JP,A) 特開 平5−48377(JP,A) 特開 昭64−12609(JP,A) 特開 昭61−89706(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/00 - 9/215 H03H 9/54 - 9/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一厚みである第1圧電性基板と第2圧電
    性基板とを、これらの第1圧電性基板と第2圧電性基板
    の全面に形成された共用電極を介して接合し、前記第1
    圧電性基板および前記第2圧電性基板の表面に、前記共
    用電極と対向するように該共用電極よりも小さい第1電
    極および第2電極をそれぞれ形成するとともに、前記第
    1圧電性基板と前記第2圧電性基板の分極方向を正反対
    とし、拡がり振動を利用したことを特徴とする圧電共振
    子。
  2. 【請求項2】第1電極および第2電極は同一形状である
    ことを特徴とする請求項1記載の圧電共振子。
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