JP3301622B2 - 板幅方向に均一で優れた磁気特性を有する方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

板幅方向に均一で優れた磁気特性を有する方向性けい素鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、板幅方向に均一で優
れた磁気特性を有する方向性けい素鋼板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】方向性けい素鋼板は周知のように、変圧
器その他の電気機器の鉄心材料として使用され、板面に
{110 }面、圧延方向に<001 >軸が揃った2次再結晶
粒によって構成される。このような結晶方位の2次再結
晶粒を発達させるためには、インヒビターと呼ばれるMn
S, MnSe, AlNなどの析出物を鋼中に均一微細に分散さ
せ、最終の高温仕上げ焼鈍中に他の方位の結晶粒の成長
を効果的に抑制することが必要である。そのためのイン
ヒビター分散形態のコントロールは熱間圧延に先立つス
ラブ加熱中にこれらの析出物を一旦固溶させ、この後適
当な冷却パターンの熱間圧延を施すことにより行われ
る。このように熱間圧延の重要な役割の一つは、鋼中に
固溶しているインヒビター成分を微細均一にインヒビタ
ーとして機能するサイズに析出させることである。
【0003】ところで、近年の鉄鋼製造においては、ス
ラブ形成法が造塊−分塊法から連続鋳造法に大部分変わ
ってきている。かかる連鋳法を方向性けい素鋼板の製造
に適用した場合、分塊圧延による鋳造組織の破壊及び再
結晶による結晶組織の微細化工程が省略されるため、連
鋳法固有の急冷凝固による柱状晶がスラブ加熱で異常成
長を起こし易く、熱延時の粗圧延終了後でも粗大な延伸
粒として残る。これら延伸粒は、組織に起因した磁性不
良の原因となる。
【0004】かかる弊害の防止策として特公昭60-37172
号公報では、熱延中のパス時に960〜1190℃の温度範囲
で1パス当り30%以上の圧下率で圧延する方法が、また
特開昭59−193216号公報では、粗圧延段階の最終パスを
30%以上とし、かつ粗圧延終了温度を 950〜1150℃の範
囲とする方法が提案されている。これらの方法はいずれ
もインヒビターが析出粗大化しない範囲で、結晶組織の
微細化及び集合組織の改善を図ろうとするものである
が、板幅両エッジ部は板幅中央部より温度降下が大きく
しかもスラブ組織の柱状晶部にあたることから、加熱中
に粗大な粒になり易い。このように粗圧延後も延伸粒が
多いと、二次再結晶不良の問題を生じる。
【0005】これらエッジ部組織の改善策としては、特
開昭60−200916号公報に、粗圧延中に圧下率が5〜40%
にわたる少なくとも1回の幅圧下を施すことが提案され
ている。この方法は、連鋳スラブに特有な両エッジ部に
おける粗大結晶粒の微細化を狙ったものであり、形状制
御には著しい効果があった。しかしながらこのような幅
圧下では、両エッジ部が極度に冷え、インヒビターの析
出が加速されることがある。このため二次再結晶不良を
完全になくすことは不可能である。さらに近年、板のエ
ッジまで製品に利用する場合が増えたので、歩留り上の
問題が以前よりも増大した。
【0006】また特開平1−176023号公報においては、
スラブ抽出から熱間圧延終了までの間にわたって鋼片の
両エッジ部近傍を保温し、1100℃以上の温度で熱間圧延
を終了する方法を提案している。この方法は、インヒビ
ターが両エッジ部で析出しないように温度降下を抑制す
るものであるが、粗圧延で完全に柱状晶が破壊されてい
ないために組織が悪く磁性レベルが低くなる。またこの
方法では、粗圧延終了後の板の両エッジ部の温度が中央
部に比べて低く、この状態で仕上げ圧延を行うとインヒ
ビターの分散が板幅方向で異なり、最適な仕上げ焼鈍条
件が板幅方向で異なってしまう。このため仕上げ焼鈍条
件を特定することが困難という問題が残る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よってこの発明の目的
は、鋼板の板幅方向に対して、きわめて安定して優れた
磁気特性を持つ方向性けい素鋼板の有利な製造方法を提
案するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、含
けい素鋼スラブを加熱した後、粗圧延及び仕上げ圧延か
らなる熱間圧延を施し、ついで1回又は中間焼鈍をはさ
む2回の冷間圧延を施して最終板厚とした後、脱炭・1
次再結晶焼鈍を施し、ついで鋼板表面に焼鈍分離剤を塗
布してから、仕上げ焼鈍を施す一連の工程によって一方
向性けい素鋼板を製造するに当たり、上記熱間圧延にお
いて、粗圧延直前におけるスラブの幅中央部温度を1250
〜1450℃とし、かつスラブのエッジ部温度を幅中央部温
度より50℃以上高くしてから、粗圧延を施すことからな
る板幅方向に均一で優れた磁気特性を有する方向性けい
素鋼板の製造方法(第1発明)である。
【0009】またこの発明は、含けい素鋼スラブを加熱
した後、粗圧延及び仕上げ圧延からなる熱間圧延を施
し、ついで1回又は中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延を
施して最終板厚とした後、脱炭・1次再結晶焼鈍を施
し、ついで鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布してから、仕上
げ焼鈍を施す一連の工程によって一方向性けい素鋼板を
製造するに当たり、上記熱間圧延において、粗圧延直前
におけるスラブの幅中央部温度を1250〜1450℃とし、か
つスラブのエッジ部温度を幅中央部温度より下記(1) 式
で求められる温度以上に高くしてから、粗圧延を施し、
この粗圧延中に、エッジ部に5〜100 mmの幅圧下を施す
ことからなる板幅方向に均一で優れた磁気特性を有する
方向性けい素鋼板の製造方法(第2発明)である。 記 y= 18.249 ×exp(−0.0137x)+ 31 ---- (1) ここでy: 幅中央部とエッジ部との温度差 (℃) x: 幅圧下量(mm)
【0010】以下、この発明を得るに至った実験結果に
ついて説明する。さて発明者らは、製品に現れる二次再
結晶不良の原因を突き止めるために、以下に述べるよう
な観察を行った。まず粗圧延終了直後のシートバーを水
冷し幅方向の断面観察を光学顕微鏡と電子顕微鏡を用い
て行った。光学顕微鏡観察により、幅方向のエッジ部に
は延伸粒の存在が確認された。さらに電子顕微鏡を用い
てこの延伸粒と再結晶している組織とでインヒビターの
析出が異なっているかどうかを観察した。その結果、再
結晶している組織ではインヒビターがほとんど観察され
なかったのに対して、延伸粒中には粗大に析出したイン
ヒビターが散見された。
【0011】従って二次再結晶不良の原因は、これら延
伸粒中に析出した粗大なインヒビターにあると考えられ
る。そこで延伸粒中に粗大にインヒビターが析出する理
由並びにこれらが二次再結晶不良を引き起こす理由につ
いて考察した結果、以下に述べる結論に達するに到っ
た。理想的に粗圧延が行われた場合、スラブ組織は破壊
され粗圧延中に完全に再結晶し、これらの再結晶粒内で
は転位がほとんど見られない。インヒビターは、転位を
サイトにして析出すると考えられており、従って再結晶
粒内では析出サイトが少なくなるために析出が非常に遅
くなる。このためインヒビターの析出は、仕上げ圧延で
新たに歪みが加わるまで抑制されることになる。そして
仕上げ圧延で歪みを加えるときは、板の温度が低いため
析出物が非常に細かくなるが、これらの微細析出物は最
終の高温仕上げ焼鈍中に他の方位の結晶粒の成長を効果
的に抑制することができ、従って良好な二次再結晶が起
こる。
【0012】一方、スラブ組織が完全に破壊されず再結
晶しなかった場合、すなわち粗大な延伸粒となった場合
は、粒内には転位が非常にたくさん残存し、この上にイ
ンヒビターが析出する。これらインヒビターが、粗圧延
直後すなわち高温の状態で析出を開始した場合には、イ
ンヒビター成分の拡散速度が非常に速いために短時間の
うちに成長する。そしてかようにして粗大に成長したイ
ンヒビターは、最終の高温仕上げ焼鈍中に他の方位の結
晶粒の成長を効果的に抑制することができないばかり
か、仕上げ圧延中に細かく析出するインヒビターの量を
減らしてしまうため、最終製品では二次再結晶しない部
分となってしまう。
【0013】一般に連鋳スラブの柱状晶はスラブ加熱で
異常成長を起こし易く、熱延時の粗圧延終了後でも粗大
な延伸粒として残る。これらは、特に板幅のエッジ部に
多発する。この板幅エッジ部の延伸粒を破壊するには、
中央部より高い圧下をかけることが必要となる。しかし
ながら、エッジ部に中央部より高い圧下をかけること
は、現状の圧延機では不可能である。従って同じ圧下率
でエッジ部の延伸粒を破壊し再結晶させることが必要と
なる。
【0014】これを解決するためには、発明者らがすで
に特開平1−250638号公報で開示した、図1に示すよう
な、高温の方が再結晶が進むという現象を利用して、エ
ッジ部を板幅中央部よりさらに高温にする方法が有効と
考えられる。またさらに積極的に、延伸粒を破壊するた
めには幅圧下を施すことが有効と考えられる。しかしな
がら、エッジ部を加熱せずに幅圧下を施すとエッジ部温
度が急速に下がり、インヒビターが析出する温度域に中
心部より速く入ってしまうため、インヒビターの析出が
幅方向で不均一になる。従って、エッジ部の加熱は必要
と考えられる。
【0015】上記の考えに基づき以下の実験を行った。
C:0.045 wt%(以下、単に%で示す), Se:3.40%,
Mn:0.064 %及びSe:0.024 %を含有するけい素鋼スラ
ブを、スラブ加熱炉で1430℃, 25分間均一加熱した後、
炉外に抽出した。その後エッジ部のみを誘導加熱式のエ
ッジ部加熱装置を用いて加熱し、スラブ幅中央部よりも
温度が上昇させた。この温度上昇代と幅圧下量とを種々
変更させて粗圧延を行った。粗圧延終了後、シートバー
の後端1mをシャーでサンプルとして採取し、直ちに水
冷し組織観察を行った。このときの代表例を図2に示
す。図2から明らかなように、エッジ部の加熱、さらに
は幅圧下により、延伸粒が破壊されているのが判る。
【0016】残りのシートバーは通常の仕上げ圧延によ
って熱延コイルに仕上げたのち、中間焼鈍をはさむ2回
の冷間圧延を施して最終板厚とし、ついで脱炭・1次再
結晶焼鈍後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布してから、仕
上げ焼鈍を施し、最終製品とした。かくして得られた最
終製品の幅方向の磁気特性を調べた結果を図3に示す。
【0017】図3から明らかなように、従来法に従い粗
圧延を行った場合には両エッジ部における特性の劣化が
免れ得なかったのに対し、この発明に従い両エッジ部を
加熱することにより特性が改善され、とくに幅圧下を併
用した場合には中央部と遜色のない優れた特性値が得ら
れている。
【0018】また図4には、エッジ部25mm位置における
鉄損値について調べた結果を温度差及び幅圧下量との関
係で示す。同図より明らかなように、エッジと中央部の
温度差を50℃以上とすることにより、エッジ部の鉄損を
改善することができる。またエッジと中央部の温度差が
50℃未満の場合でも、幅圧下を施すことにより、エッジ
部の鉄損は向上する。しかしながら50℃未満の温度にお
いて幅圧下をかける場合、あまりに軽い圧下では、延伸
粒は破壊できず、むしろ端部の温度をかえって下げるだ
けであり磁性の改善が望めないことから、少なくとも5
mmの幅圧下が必要である。一方、幅圧下量を大きくして
いくと、端部の必要最低加熱温度は低くて済むことが判
った。この理由としては、幅圧下量を上げることによる
加工発熱と考えられる。しかしながら、幅圧下量が 100
mmを超えると端部の形状が悪くなるので、幅圧下量は10
0 mm以下にする必要がある。ここに効果のある幅圧下量
と加熱温度の限界線は次式(1)で示される。よってこ
の温度以上に端部を加熱する必要がある。 y= 18.249 ×exp(−0.0137x)+ 31 ---- (1) ここでy: 幅中央部とエッジ部との温度差 (℃) x: 幅圧下量(mm) 但し5≦x≦100
【0019】実際の熱延工程においては、スラブをガス
加熱炉又は誘導加熱炉のいずれかあるいは両者の組合せ
で十分に加熱した後、粗圧延の直前に、ガスもしくは重
油によるバーナー、直接通電加熱、誘導加熱のいずれか
の方法でエッジ部を加熱する。またそれより以前にスラ
ブを誘導加熱する際、周波数を調整してスラブ外周部の
温度を抽出前に中心部より上げるようにしてもよい。さ
らに幅圧下するに当たっては、幅プレス、ロールのどち
らでも用いることができる。
【0020】なお粗圧延前のスラブ加熱では、インヒビ
ター成分を鋼中に十分に固溶させておくことが重要で、
この目的を達成する必要からスラブは1330℃以上の温度
に加熱することが好ましい。スラブ加熱後、スラブの圧
延開始まで温度は降下するが、幅中央部温度が1250℃以
上であることが必要である。というのは1250℃未満にな
ると幅中央部でも未再結晶粒が残存するようになるため
である。とはいえあまりに高温になるとスラブ表面が溶
融し始めるので、上限は1450℃に定めた。
【0021】
【作用】この発明の素材である含けい素鋼としては、従
来公知の成分組成のものいずれもが適合するが、代表組
成を掲げると次のとおりである。 C:0.010 〜0.10% Cは、熱間圧延中に(α+γ)域を通過させることによ
って熱延組織の改善を図ることを意図したもので、その
適正範囲として限定されるものである。
【0022】Si:2.0 〜4.5 % Siは、鋼板の比抵抗を高め鉄損の低減に有効であるが、
4.5%を上回ると冷延性が損なわれ、一方 2.5%を下回
ると鉄損低減効果が弱まるので、 2.5〜4.0 %の範囲で
含有させることが好ましい。
【0023】Mn:0.02〜0.12% Mnは、熱間脆性による割れを生じない下限の量として少
なくとも0.02%が必要であり、また上限はMnSeの解離固
溶温度を高めず、またスラブ抽出から粗圧延に至る時間
規制の過程でインヒビターの粗大化を起こさせない観点
から、0.12%に制限することが好ましい。
【0024】インヒビターとしては, いわゆるMnS,Mn
Se系とAlN系とがある。MnS, MnSe系を使用する場合
は、Se、Sのうちから選ばれる少なくとも1種:0.005
〜0.06% Se、Sはいずれも、方向性けい素鋼板の2次再結晶を制
御するインヒビターとして有力な元素である。抑制力確
保の観点からは、少なくとも 0.005%程度を必要とする
が、0.06%を超えるとその効果が損なわれるので、0.00
5 〜0.06%の範囲で含有させることが好ましい。
【0025】AlN系をインヒビターとして用いる場合
は、 Al:0.005 〜0.10%、N:0.04〜0.015 % Al及びNの範囲についても、上述したMnS, MnSe系の場
合と同様な理由で上記の範囲に定めた。ここに上記した
MnS, MnSe系とAlN系の併用は可能である。
【0026】インヒビター成分としては、上記したS,
Se、Alの他、Cu, Sn, Cr, Ge, Sb,Mo, Te, Bi及びP等
も有利に適合するので、それぞれ少量併せて含有させる
こともできる。ここに上記成分の好適添加範囲はそれぞ
れ、Cu, Sn, Cr:0.01〜0.15%、Ge, Sb, Mo, Te, Bi:
0.005 〜0.1 %、P:0.01〜0.2 %であり、これらの各
インヒビター成分についても、単独使用及び複合使用い
ずれもが可能である。
【0027】
【実施例】
実施例1 C:0.041 %, Si:3.10%, Mn:0.074 %, Se:0.021
%及びSb:0.018 %を含有し、残部実質的にFeよりなる
連鋳スラブを、ガス加熱炉に装入してN2雰囲気中で均熱
保持し、ついで誘導加熱炉に装入し、平均温度を1400℃
とした後、炉から抽出した。その後、誘導加熱方式のエ
ッジ部加熱装置を用いて、中心部の温度が1380℃の時、
エッジ部の温度が1430℃以上になるように加熱した。そ
の後直ちに粗圧延に供した。粗圧延は、1150℃以上で終
了した。粗圧延終了後は40mm厚のシートバーとし、以後
は仕上げタンデムミルで3.0 mm厚の熱延鋼板とした。こ
のときの熱延条件を表1に示す。ついでこの熱延鋼板を
酸洗後、一次冷延、中間焼鈍、二次冷延で0.30mm厚の製
品厚に仕上げた。その後脱炭焼鈍を施したのち、 MgOを
主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、2次再結晶及
び純化を目的とする仕上げ焼鈍工程を経て最終製品とし
た。かくして得られた製品の磁気特性について調べた結
果を、表1に併記する。
【0028】
【表1】
【0029】同表から明らかなように、エッジ部の温度
を上げた場合は、そのまま通常の熱延を行った場合に較
べて、極めて均一に磁性が向上している。
【0030】実施例2 C:0.068 %, Si:3.10%, Mn:0.074 %, Se:0.016
%, Sb:0.020 %, Al:0.026 %, N:0.010 %及びC
u:0.06%を含有し、残部実質的にFeよりなる連鋳スラ
ブを、直ちにガス加熱炉に装入してN2雰囲気中で均熱保
持し、ついで誘導加熱炉に装入し、平均温度を1380℃と
した後、加熱のための周波数を変化させ、エッジ部の温
度を1450℃にして炉から抽出した。ついで幅プレスを用
いて幅圧下を行い、その後直ちに粗圧延に供した。粗圧
延は、1150℃以上で終了した。粗圧延終了後は40mm厚の
シートバーとし、以後は仕上げタンデムミルで 2.7mm厚
の熱延鋼板とした。このときの熱延条件を表1に示す。
ついでこの熱延鋼板を、酸洗後、1次冷延、中間焼鈍、
2次冷延で0.27mm厚の製品厚に仕上げた。その後脱炭焼
鈍を施したのち、 MgOを塗布してから、二次再結晶、純
化を目的とする仕上げ焼鈍を経て最終製品とした。かく
して得られた製品の磁気特性について調べた結果を表2
に併記する。
【0031】
【表2】
【0032】同表から明らかなように、この発明法によ
って加熱し幅圧下したものは、磁気特性が極めて均一に
向上している。
【0033】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、方向性けい
素鋼板の幅方向にわたる磁気特性を均一かつ安定して向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】再結晶率に及ぼす圧延温度と圧下率との影響を
示したグラフである。
【図2】シートバーの幅方向断面を示した図である。
【図3】方向性けい素鋼板の幅方向にわたる磁気特性を
示したグラフである。
【図4】エッジ部25mm位置における鉄損値に及ぼすエッ
ジ部加熱温度と幅圧下量との関係を示したグラフであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 竹内 文彦 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社 技術研究本部内 (72)発明者 小原 隆史 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社 技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭60−200916(JP,A) 特開 平1−176023(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含けい素鋼スラブを加熱した後、粗圧延
    及び仕上げ圧延からなる熱間圧延を施し、ついで1回又
    は中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延を施して最終板厚と
    した後、脱炭・1次再結晶焼鈍を施し、ついで鋼板表面
    に焼鈍分離剤を塗布してから、仕上げ焼鈍を施す一連の
    工程によって一方向性けい素鋼板を製造するに当たり、
    上記熱間圧延において、粗圧延直前におけるスラブの幅
    中央部温度を1250〜1450℃とし、かつスラブのエッジ部
    温度を幅中央部温度より50℃以上高くしてから、粗圧延
    を施すことを特徴とする板幅方向に均一で優れた磁気特
    性を有する方向性けい素鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 含けい素鋼スラブを加熱した後、粗圧延
    及び仕上げ圧延からなる熱間圧延を施し、ついで1回又
    は中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延を施して最終板厚と
    した後、脱炭・1次再結晶焼鈍を施し、ついで鋼板表面
    に焼鈍分離剤を塗布してから、仕上げ焼鈍を施す一連の
    工程によって一方向性けい素鋼板を製造するに当たり、 上記熱間圧延において、粗圧延直前におけるスラブの幅
    中央部温度を1250〜1450℃とし、かつスラブのエッジ部
    温度を幅中央部温度より下記(1) 式で求められる温度以
    上に高くしてから、粗圧延を施し、この粗圧延中に、エ
    ッジ部に5〜100 mmの幅圧下を施すことを特徴とする板
    幅方向に均一で優れた磁気特性を有する方向性けい素鋼
    板の製造方法。 記 y= 18.249 ×exp(−0.0137x)+ 31 ---- (1) ここでy: 幅中央部とエッジ部との温度差 (℃) x: 幅圧下量(mm)
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