JP3301620B2 - 抗菌性塗料 - Google Patents

抗菌性塗料

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宗雄 三田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性に優れた塗膜を
得るために用いられる抗菌性塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】我々を取りまく環境において、例えば工
業用、農業用または食添用の分野で実に多種類の殺菌剤
が用いられている。その大半は、有機系の抗菌剤である
が、近時無機系の抗菌剤としてゼオライトAを代表とす
るアルミノシリケート系化合物の抗菌剤が注目され、多
数の提案がなされている。
【0003】これらはナトリウムアルミノシリケート中
のNa+ をAg+ 、Cu2+、Zn2+等の殺菌作用のある
金属イオンと置換して担持させたものである(特開昭60
-181002 号公報、特開昭62-70220号公報、特開昭62-702
21号公報、特開昭63-265809号公報等) 。また、ゼオラ
イトの前駆体である無定形アルミノシリケートに殺菌作
用のある金属イオンを担持させたものも知られている(
特開平1-164720号公報) 。この他にも、無機イオン交換
体である天然の層状アルミノシリケートやチタン酸に同
様の金属イオンを担持させたものも提案されている。
【0004】上記はいずれも無機質イオン交換体に殺菌
作用のある金属イオンを担持させたものであるが、無機
質顔料に担持させた抗菌剤も知られている(特開平1-26
8764号公報、特開平2-96508 号公報) 。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特に銀
イオンを担持した白色の抗菌性ゼオライトにあっては、
往々にしてそれ自体が淡黄色ないし灰褐色に着色し易
く、これを塗料や合成樹脂、ゴムなどに添加配合すると
加工温度との影響も加わって好ましくない着色を与え、
その商品価値を著しく損なう欠点がある。
【0006】近時この種の抗菌性ゼオライトは、持続性
のある優れた殺菌作用を有することから代表的な無機質
抗菌剤としてその用途開発が急速に進められ、抗菌性ゼ
オライトの粉末自体は、耐変色性が比較的改善されてき
た。しかしながら、このような抗菌性ゼオライトを塗料
に配合した場合、次第に経時変化を生じて着色する欠点
があり、該着色現象は、露光により著しく促進される傾
向にある。
【0007】ところが、例えば前記のようなアンモニウ
ムイオンを担持させたり、アミン錯体イオンを担持した
抗菌性ゼオライトに関して、この種の着色現象を抑制し
た安定な抗菌性塗料を商業的に生産する技術はこれまで
開発されていない。
【0008】本発明の目的は、上記の課題を解決した抗
菌性塗料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による抗菌性塗料は、Agのイオン及びZn
のイオンを担持するホウ酸塩を含有してなることを構成
上の特徴とする。
【0010】 本発明は、塗料に無機質抗菌剤を含有させ
て抗菌作用を付与させるものである。本発明に係る無機
質抗菌剤であるホウ酸塩系抗菌剤は、Agのイオン及び
Znのイオンを担持する難溶性ホウ酸塩を有効成分とす
るものである。これらの金属ホウ酸塩は、多くの場合難
溶性のメタホウ酸塩または四ホウ酸塩を形成し抗菌作用
を有する。
【0011】 本発明に係る無機質抗菌剤において、ホウ
塩系の抗菌剤は、加熱処理した焼成粉末でもよく、む
しろその方がより顔料特性を改善できるうえで好まし
い。すなわち、加熱処理をすることにより、Agイオン
及びZnイオンの溶出を制御できると共にAgイオンに
基づく露光による変色がなくなり、いわゆる耐色性が一
層向上して幅広い用途に適用でき、より実用的な抗菌剤
になる。加熱条件は、無機質抗菌剤により異なり特に限
定はないが 300〜1200℃が好適範囲となる。例えばケイ
酸塩は 600℃以上、ホウ酸塩は 300℃以上がよい。な
お、前記焼成において、焼成温度や焼成雰囲気によって
は、担持した抗菌性金属イオンは一部還元して金属化す
ることがあるが、勿論、そのようなものがあっても差し
支えない。
【0012】 無機質抗菌剤におけるAgのイオン及びZ
nのイオンの担持量は、抗菌剤の物性や抗菌性金属イオ
ンの種類によって多様であるけれども、金属として全重
量当たり0.1 〜20wt%、好ましくは0.5 〜10wt%の範囲
がよい。特に抗菌力の点からは銀イオンの担持が望まし
く、0.5 〜5wt%の範囲が実用的である。なお、銀また
は銀イオンを担持したものにあっては、耐変色性の点か
ら他の金属イオン、特に亜鉛を同時に担持させたものが
好ましい。
【0013】 かかる無機質抗菌剤は、抗菌作用を高める
と共に顔料特性をより高めるため、可及的に微粉末であ
ることが好ましい。したがって、平均粒径(D50)は0.1
〜10μm 、好ましくは0.5 〜5μm の範囲にあり、かつ
D50の1/2 から3/2 の粒子径を有する粒子が全体の少な
くとも50%、好適には60%を占めるようなシャープな粒
度分布を有するものが特に望ましい。
【0014】 なお、本発明に係る無機質抗菌剤の製造方
法は、何れの方法で得られたものでもよく特に限られた
ものではない。
【0015】 本発明に係る抗菌性塗料は、前記無機質抗
菌剤を塗料ビヒクルに含有させたものであるが、塗料の
種類は油性または水性のいずれであってもよい。しか
し、消防上や公害防止の面から水性塗料が望ましい。塗
料ビヒクルとしては、一般的に使用されている塗料を用
いれば良く、例えばボイル油、油ペイント、油ワニス、
油エナメル等の油性塗料、アルキッド樹脂塗料、ニトロ
セルロースラッカー等のセルロース誘導体塗料、アミノ
アルキド樹脂塗料、ビニル塗料、アクリル樹脂塗料、エ
ポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料等の合成樹脂塗
料、セメント系塗料、粉体および練状水性塗料、エマル
ジョン塗料等の水系塗料を用いることができる。
【0016】 本発明において、Agのイオン及びZnの
イオンを担持するホウ酸塩の固体粒子を含有する塗料組
成物を作るには、抗菌性粉末と塗料ビヒクルとを直接混
合し攪拌または強力剪断を施して均一に分散すれば良
い。また、添加する無機質抗菌剤は、同時に1種に限ら
ず2種以上を併用することができる。
【0017】 本発明における無機質抗菌剤の塗料中にお
ける配合量は、抗菌効果によって変化するが0.05〜70%
であり、好ましくは0.1 〜50%とすることが適当であ
る。本発明の抗菌性塗料には、必要に応じて顔料、可塑
剤、硬化剤、増量剤、充填剤、老化防止剤、増粘剤、界
面活性剤等の各種塗料添加剤を適時併用することができ
る。
【0018】
【作用】本発明による抗菌性塗料は、塗料成分にAgの
イオン及びZnのイオンを担持するホウ酸塩を含有させ
た組成を備えるから、優れた抗菌作用を発揮すると共
に、抗菌性ゼオライトの欠点である露光による変色が効
果的に改善される。
【0019】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するために以下に
実施例を示す。 実施例および比較例1〜2 (1)無機質抗菌剤の調製 各試料は以下によって調製した。(1) ホウ酸塩系抗菌剤 試料1:メタホウ酸ナトリウム・4水塩(NaBO
4HO)31.0g を100mlの純水に溶解し、さらに二酸
化チタン50g を分散させた。その中に硝酸銀(AgNO
)4.3gと硝酸亜鉛・6水塩29.7g を100ml に溶解した
溶液を滴下し、メタホウ酸銀/メタホウ酸亜鉛担持の二
酸化チタン68.9g を得た。AgおよびZnの含有量は、
Ag=3.5 wt%、Zn=9.0 wt%であった。
【0020】 (2)抗菌性塗料の調製 上記無機質抗菌剤と塗料組成物とを三本ロールで混練し
て抗菌性塗料を得た。なお、部は重量部を表す。
【0021】 〔抗菌性塗料1〕 試料1 2.0部 エポキシ樹脂塗料 100.0部 (大日本塗料(株) 製、レジフロアー)
【0022】 〔比較塗料1〕 抗菌性ゼオライト 5.0部 酢酸ビニルコポリマー 18.0部 水 32.9部 エチレングリコール 1.0部 非イオン性界面活性剤10%水溶液 0.8部 ヘキサメタリン酸ナトリウム10%水溶液 1.5部 ヒドロキシエチルセルロース2wt%水溶液 9.2部 炭酸カルシウム(顔料) 4.8部 タルク(顔料) 9.5部 酸化チタン(顔料) 22.4部
【0023】 前記比較塗料1で使用の抗菌性ゼオライト
は、ナトリウムA型ゼオライトをカチオン交換処理して
Ag2Oとして3.0wt%、ZnOとして8.0wt%、CuOと
して5.0wt%を担時させて作製した。
【0024】 〔比較塗料2〕 比較塗料1から抗菌性ゼオライトを除いた塗料組成物。
【0025】 (3)抗菌性試験 上記方法で得た抗菌性塗料をアルミプレート板(50×50
×1mm)に厚さ約6mmに塗引きし、乾燥してそれぞれの試
験板を得た。各試料の抗菌性は下記の方法によって評価
した。上記試験片を予め調製した細菌汚染水(注1)ま
たはカビ希釈水(注2)の50mlに加えた。ついで、この
液を微生物簡易測定器具、イージーカルトTTC(好気
性菌、真菌、酵母類検査用:三愛石油社製)及びイージ
カルトM(真菌、酵母類検査用:三愛石油社製)を用い
培養試験(注3)をおこなった。 (注1)河川水を無菌水で希釈して細菌数を105個とし
たもの:総細菌検査用 (注2)黒カビ発生壁±1gを無菌水100ml に希釈した
もの:真菌検査用 (注3)培養は27〜30℃のインキュベータ中で総細菌の
場合は2日間、真菌の場合は4日間おこなった。 (注4)総菌数の評価は、コロニー発生度合いを予め概
略求められた細菌数との関係からおこなった。0は、コ
ロニーの発生が全く認められない場合である。 (注5)真菌汚染度は、下記四段階で評価した。 −:汚染なし +:軽度汚染 ++:中度汚染 +++:強度汚染
【0026】 得られた評価結果を表1に示した。
【0027】
【表1】 ──────────────────────────────── 例 試験板 総細菌数(注4) 真菌汚染度(注5) ──────────────────────────────── 実 施 1 抗菌性塗料1 1〜10 − 例 ──────────────────────────────── 比 1 比較塗料1 10 + 較 例 2 〃 2 105 〜106 +++ ────────────────────────────────
【0028】 (4)変色性試験 抗菌性試験板と同様にして作製したそれぞれの試験板を
フィードメーター(スガ試験機株式会社、FA−2型;
光源カーボンアークランプ)で100 時間露光し、露光前
の見本試験板と比較して色の変化程度を目視によって評
価した。なお、評価方法は著しく変色した場合を評価
1、わずかに変色した場合を評価2、変化しない場合を
評価3として3段階評価により判定した。得られた結果
を表2に示した。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る抗菌性塗料
は、Agのイオン及びZnのイオンを担持するホウ酸
含有してなるもので、優れた抗菌作用を有し、かつ抗
菌性ゼオライトの欠点である露光による変色が著しく改
善された変色抵抗性を有している。したがって、殺菌性
が要求される各種材料の被覆塗料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 稔 東京都板橋区坂下3−36−5 東邦顔料 工業株式会社研究部内 (56)参考文献 特開 平2−19308(JP,A) 特開 昭50−18531(JP,A) 特開 平3−296566(JP,A) 特開 平3−193707(JP,A) 特開 平3−120204(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 7/12 A01N 59/14 A01N 59/16 C09D 5/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Agのイオン及びZnのイオンを担持す
    るホウ酸塩を含有してなる抗菌性塗料。
  2. 【請求項2】 ホウ酸塩が焼成粉末である請求項1記載
    の抗菌性塗料。
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