JP3300563B2 - 絶縁ゲート型電力用半導体装置 - Google Patents

絶縁ゲート型電力用半導体装置

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JP3300563B2
JP3300563B2 JP05476795A JP5476795A JP3300563B2 JP 3300563 B2 JP3300563 B2 JP 3300563B2 JP 05476795 A JP05476795 A JP 05476795A JP 5476795 A JP5476795 A JP 5476795A JP 3300563 B2 JP3300563 B2 JP 3300563B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁ゲートによりター
ンオフ制御を行なう絶縁ゲート型電力用半導体装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】高耐圧、大電流の電力用素子におけるゲ
ート駆動には、電圧制御型のものと、電流駆動型のもの
とがあるが、前者の方が望ましい。これは電圧制御型の
方が電流駆動型に比べ、より小電流でゲート駆動が行な
えるからである。
【0003】図30は、従来の絶縁ゲート型サイリスタ
の素子構造を示す断面図である。このサイリスタでは、
高抵抗のn型ベース層701の表面にp型ベース層70
2が形成され、このp型ベース層702内にはn型エミ
ッタ層703が形成されている。また、n型ベース層7
01の裏面には高濃度のp型エミッタ層704が形成さ
れている。n型エミッタ層703上にはカソード電極7
05が、p型エミッタ層704にはアノード電極706
が設けられている。
【0004】n型エミッタ層703から所定距離離れた
位置のp型ベース層702の表面にはn型ドレイン層7
07が形成されている。このn型ドレイン層707とn
型エミッタ層703の間のp型ベース層702上には、
ゲート絶縁膜709を介してゲート電極710が配設さ
れている。このゲート電極710はターンオフ用であっ
て、このn型エミッタ層703をソースとし、領域CH
1をチャネル領域とするn型のターンオフ用MOSFE
Tが構成されている。
【0005】n型ドレイン層707にコンタクトするド
レイン電極708は、同時にp型ベース層702にもコ
ンタクトしており、p型ベース層702とn型ドレイン
層707がこのドレイン電極708により短絡してい
る。
【0006】また、n型ベース層701とn層エミッタ
層703の間のp型ベース層702上には、ゲート絶縁
膜711を介してゲート電極712が配設されている。
このゲート電極712はターンオン用であって、このn
型エミッタ層703をソースとし、領域CH2をチャネ
ル領域とするn型のターンオン用MOSFETが構成さ
れている。
【0007】このような構造の絶縁ゲート型サイリスタ
の動作原理は以下の通りである。まず、素子をターンオ
ンするには、ターンオン用ゲート電極712にカソード
に対して正の電圧を引加する。これにより、ターンオン
用ゲート電極712直下のnチャネル領域CH2が導通
状態となって、n型エミッタ層703からn型ベース層
701に電子が注入され、それに見合う正孔がp型エミ
ッタ層704から注入されて、サイリスタがターンオン
する。
【0008】一方、ターンオフするには、ターンオフ用
ゲート電極710にカソードに対して正の電圧を引加す
る。これにより、ターンオフ用ゲート電極710直下の
nチャネル領域CH1が導通状態となる。
【0009】この結果、p型ベース層702から直接n
型エミッタ層703に流れ込んでいた正孔電流の一部
が、図に破線で示すようにドレイン電極708から吸い
出され、n型ドレイン層707、nチャネル領域CH1
を通って、n型エミッタ層703からカソード電極70
5にバイパスするようになる。この正孔電流のバイパス
によってやがてn型エミッタ層703からp型ベース層
702への電子注入が止まり、このサイリスタはターン
オフする。
【0010】しかしながら、この従来構造の絶縁ゲート
型サイリスタにあっては、十分なターンオフ能力が得ら
れないという問題があった。これは、図30に破線で示
した正孔電流バイパス経路の抵抗に原因がある。
【0011】すなわち、正孔電流バイパス経路の抵抗
は、主要にはp型ベース層702の抵抗R1,R2とタ
ーンオフ用ゲート電極710下のnチャネルCH1のオ
ン抵抗であり、これらの抵抗(バイパス経路抵抗)とバ
イパス電流により決まる電圧降下が、n型エミッタ層7
03とp型ベース層702のビルトイン電圧以上になる
と、n型エミッタ層703からの電子注入が止まらなく
なる。
【0012】特に、発明者等の研究によれば、上記バイ
パス経路抵抗のうちp型ベース層702の横方向拡散部
分における抵抗R2が非常に大きいことが明らかとなっ
た。したがって、従来構造の素子ではアノード電流(主
電流)が大きくなると、ターンオフできなくなる。
【0013】さらに、急速なターンオフ制御を行なう
と、p型ベース層702に蓄積されている正孔を排出し
きれず、ターンオフできなくなるという問題もあった。
さらにまた、このような素子構造を配列形成した絶縁ゲ
ート型電力用半導体装に以下のような問題がある。
【0014】すなわち、ゲート駆動のばらつきなどによ
ってn型エミッタ層のターンオフ動作がばらつき、これ
により、一部のn型エミッタ層に装置の全電流が集中し
て電子注入止まらなくなる。このような問題はアノード
電流(主電流)が大きなくると顕著になる。換言すれ
ば、大きなアノード電流を流すとターンオフできなくな
るという問題が生じる。
【0015】図31は、従来の縦型の絶縁ゲート型サイ
リスタの素子構造を示す断面図である(B.J.Baliga et.
al,ISPSD91,p138-141)。また、図32は同サイリスタの
等価回路図である。
【0016】図31に示すように、p型エミッタ層80
1に接してn型ベース層802が形成されており、この
n型ベース層802内にp型ベース層803およびn型
エミッタ層804が拡散形成されている。p型エミッタ
層801にはアノード電極805が設けられ、n型エミ
ッタ層804にはカソード電極806が設けられてい
る。
【0017】また、n型エミッタ層804とn型ベース
層802との間のp型ベース層803上には、ゲート絶
縁膜811を介してターンオン用ゲート電極808が形
成されて、領域CH1をn型チャネル領域とするn型の
ターンオン用MOSFETが構成されている。
【0018】n型ベース層802の表面にはp型ベース
層803から所定距離離れてp型ドレイン層807が形
成されており、このp型ドレイン層807とp型ベース
層803との間のn型ベース層802上には、ゲート絶
縁膜812を介してターンオフ用ゲート電極809が形
成され、領域CH2をp型チャネル領域とするn型のタ
ーンオフ用MOSFETが構成されている。ターンオフ
用ゲート電極809はターンオン用ゲート電極808と
電気的に接続されている。
【0019】図33はこのサイリスタのゲート駆動方法
を示すタイムチャートである。この素子の動作は次の通
りである。ターンオン時には、ゲート入力端子Gからタ
ーンオン用ゲート電極808およびターンオフ用ゲート
電極809にカソードに対して正のゲート電圧VG を印
加する。
【0020】この結果、ターンオン用ゲート電極808
下のn型チャネル領域CH1が導通し、n型エミッタ層
804からn型ベース層802へ電子が注入されて、素
子はターンオンする。
【0021】一方、ターンオフ時には、ターンオン用ゲ
ート電極808およびターンオフ用ゲート電極809に
カソードに対して負のゲート電圧VG を印加する。この
結果、ターンオフ用ゲート電極809下のp型チャネル
領域CH2が導通状態となり、p型ベース層803から
n型エミッタ層804に流れていた正孔電流の一部が、
p型ドレイン層807からカソード電極810にバイパ
スするようになるので、やがてn型エミッタ層804か
らp型ベース層803への電子注入が止まって、素子は
ターンオフする。
【0022】このような従来の絶縁ゲート付きサイリス
タでは、アノード電流が大きくなると、十分なターンオ
フ能力が得られないという問題があった。これは、ター
ンオフ能力が、n型エミッタ層804とp型ベース層8
03とからなるエミッタ接合のpn接合電位(ビルトイ
ン電圧)によって大きく左右されることによる。
【0023】すなわち、アノード電流が大きくなると、
ターンオフの際に、n型エミッタ層804直下の正孔バ
イパス電流が大きくなり、正孔バイパス電流による電圧
降下がエミッタ接合電位を越え、n型エミッタ層804
からの電子注入が止まらず、ラッチアップ状態のままと
なり、ゲートコントロールが不可能となる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の絶
縁ゲート型サイリスタにあっては、アノード電流が大き
くなると、バイパス電流により生じる電圧降下によって
電子注入が止まらなくなり、ターンオフできなくなると
いう問題があった。また、急速なターンオフ制御を行な
うと、p型ベース層に蓄積された正孔を排出しきれず、
ターンオフできなくなるという問題もあった。
【0025】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、従来よりもターンオフ
能力に優れた絶縁ゲート型電力用半導体装置を提供する
ことにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る絶縁ゲート型電力用半導体装置(請
求項1)は、第1導電型ベース層と、この第1導電型ベ
ース層の表面に直接または間接的に接する第2導電型エ
ミッタ層と、この第2導電型エミッタ層と反対側の前記
第1導電型ベース層の表面に選択的に形成された第2導
電型ベース層と、この第2導電型ベース層の表面に選択
的に形成された第1の第1導電型エミッタ層と、前記第
2導電型ベース層の表面に前記第1の第1導電型エミッ
タ層と一体的にに形成され、かつ前記第1の第1導電型
エミッタ層より拡散深さが浅い第2の第1導電型エミッ
タ層と、前記第2導電型ベース層の表面に選択的に形成
された第1導電型ドレイン層と、前記第2導電型ベース
層の表面に前記第1導電型ドレイン層から所定距離離れ
て形成された第1導電型ソース層と、前記第1導電型ド
レイン層と前記第1導電型ソース層との間の前記第2導
電型ベース層上にゲート絶縁膜を介して形成されたター
ンオフ用ゲート電極と、前記第1導電型ベース層と前記
第2の第1導電型エミッタ層との間の前記第2導電型ベ
ース層上にゲート絶縁膜を介して形成されたターンオン
用ゲート電極と、前記第2導電型エミッタ層に設けられ
た第1の主電極と、前記第1導電型エミッタ層に設けら
れた第2の主電極と、前記第1導電型ドレイン層に設け
られたドレイン電極と、前記第2導電型ベース層に設け
られ、前記ドレイン電極と電気的に接続されたベース電
極と、前記第1導電型ソース層に設けられ、前記第2の
主電極と電気的に接続されたソース電極とを備えている
ことを特徴とする。
【0027】本発明に係る他の絶縁ゲート型電力用半導
体装置(請求項2)は、第1導電型ベース層と、この第
1導電型ベース層の表面に直接または間接的に接する第
2導電型エミッタ層と、この第2導電型エミッタ層と反
対側の前記第1導電型ベース層の表面に選択的に形成さ
れた第2導電型ベース層と、この第2導電型ベース層の
表面に選択的に形成された第1導電型エミッタ層と、前
記第2導電型ベース層の表面に選択的に形成された第1
導電型ドレイン層と、前記第2導電型ベース層の表面に
前記第1導電型ドレイン層から所定距離離れて形成され
た第1導電型ソース層と、前記第1導電型ドレイン層と
前記第1導電型ソース層との間の前記第2導電型ベース
層上にゲート絶縁膜を介して形成されたターンオフ用ゲ
ート電極と、前記第1導電型ベース層と前記第1導電型
エミッタ層との間の前記第2導電型ベース層上にゲート
絶縁膜を介して設けられたターンオン用ゲート電極と、
前記第2導電型エミッタ層に設けられた第1の主電極
と、前記第1導電型エミッタ層に設けられた第2の主電
極と、前記第1導電型ドレイン層に設けられたドレイン
電極と、前記第2導電型ベース層に設けられ、前記ドレ
イン電極と電気的に接続されたベース電極と、前記第1
導電型ソース層に設けられ、前記第2の主電極と電気的
に接続されたソース電極と、前記ターンオン用ゲート電
極に電気的に接続された第1の電圧入力端子と、前記タ
ーンオフ用ゲート電極に電気的に接続された第2の電圧
入力端子と、前記第1の電圧入力端子と前記ターンオン
用ゲート電極の下部のゲート絶縁膜との間に設けられた
抵抗体と、前記第1の電圧入力端子と前記第2の主電極
との間に設けられた容量体とを備えていることを特徴と
する。
【0028】上記抵抗体の抵抗値と容量体の容量値との
積はターンオン用ゲート電極の抵抗成分と容量成分との
より大きいことが望ましい。本発明に係る他の絶縁ゲ
ート型電力用半導体装置(請求項3)は、第1導電型ベ
ース層と、この第1導電型ベース層の表面に直接または
間接的に接する第2導電型エミッタ層と、この第2導電
型エミッタ層と反対側の前記第1導電型ベース層の表面
に選択的に形成された第2導電型ベース層と、この第2
導電型ベース層と所定距離離れて前記第1導電型ベース
層の表面に形成された第2導電型ドレイン層と、前記第
2導電型ベース層の表面に選択的に形成された第1導電
型エミッタ層と、前記第1導電型ベース層と前記第1導
電型エミッタ層との間の前記第2導電型ベース層上にゲ
ート絶縁膜を介して設けられたターンオン用ゲート電極
と、前記第2導電型ベース層と前記第2導電型ドレイン
層との間の前記第1導電型ベース層上にゲート絶縁膜を
介して設けられたターンオフ用ゲート電極と、前記第1
導電型エミッタ層に設けられた第1の主電極と、前記第
2導電型エミッタ層に設けられた第2の主電極と、前記
第2導電型ドレイン層に設けられ、前記第1の主電極と
電気的に接続されたドレイン電極と前記ターンオン用ゲ
ート電極および前記ターンオフ用ゲート電極に電気的に
接続された電圧入力端子と、この電圧入力端子と、前記
ターンオン用ゲート電極の下部のゲート絶縁膜との間に
設けられた抵抗体と、前記ターンオン用ゲート電極と第
1の主電極との間に設けられた容量体とを備えているこ
とを特徴とする。
【0029】本発明に係る他の絶縁ゲート型電力用半導
体装置(請求項4)は、1導電型ベース層と、この第1
導電型ベース層の表面に直接または間接的に接する第2
導電型エミッタ層と、この第2導電型エミッタ層と反対
側の前記第1導電型ベース層の表面に選択的に形成され
た第2導電型ベース層と、この第2導電型ベース層の表
面に選択的に形成された第1導電型エミッタ層と、前記
第2導電型ベース層の表面に選択的に形成された第1導
電型ドレイン層と、前記第2導電型ベース層の表面に前
記第1導電型ドレイン層から所定距離離れて形成された
第1導電型ソース層と、前記第1導電型ドレイン層と前
記第1導電型ソース層との間の前記第2導電型ベース層
上にゲート絶縁膜を介して形成されたターンオフ用ゲー
ト電極と、前記第1導電型ベース層と前記第1導電型エ
ミッタ層との間の前記第2導電型ベース層上にゲート絶
縁膜を介して形成されたターンオン用ゲート電極と、前
記第2導電型エミッタ層に設けられた第1の主電極と、
前記第1導電型エミッタ層に設けられた第2の主電極
と、前記第1導電型ドレイン層に設けられたドレイン電
極と、前記第2導電型ベース層に設けられ、前記ドレイ
ン電極と電気的に接続されたベース電極と、前記第1導
電型ソース層に設けられ、前記第2の主電極と電気的に
接続されたソース電極と、前記ターンオン用ゲート電極
および前記ターンオフ用ゲート電極に電気的に接続され
た電圧入力端子と、この電圧入力端子と前記ターンオフ
用ゲート電極の下部のチャネル領域との間に設けられた
容量体と、前記電圧入力端子と前記ターンオフ用ゲート
電極の下部のゲート絶縁膜との間に設けられた抵抗体と
を備えてなり、前記ターンオン用ゲート電極、その下部
の前記ゲート絶縁膜、前記第1導電型ベース層、前記第
1導電型エミッタ層および前記第2導電型ベース層から
なるターンオン用MOSFETのしきい値電圧が、前記
ターンオフ用ゲート電極、その下部の前記ゲート絶縁
膜、前記第1導電型ドレイン層、前記第1導電型ソース
層および前記第2導電型ベース層からなるターンオフ用
MOSFETのしきい値電圧より大きいことを特徴とす
る。
【0030】
【作用】本発明(請求項1)によれば、ターンオフの際
に、ターンオフ用ゲート電極に所定レベル以上の電圧を
印加して、ターンオフ用ゲート電極下の第2導電型ベー
ス層の表面にチャネルを形成すれば、第2導電型エミッ
タ層の多数キャリアと同極性の素子内のキャリアは、第
1導電型ベース層、第2導電型ベース層、ベース電極
(=ドレイン電極)、第1導電型ドレイン層、上記チャ
ネル、第1導電型ソース層、ソース電極、第2の主電極
(カソード電極)というバイパス経路で素子外に排出さ
れる。すなわち、バイパス経路における第2導電型ベー
ス層は従来のそれよりも短くなる。このため、上記バイ
パス経路における第2導電型ベース層の抵抗は、従来の
バイパス経路におけるそれよりも小さくなる。
【0031】さらに、本発明によれば、ターンオン用M
OSFETを構成する第1導電型エミッタ層の一部(第
2の第1導電型エミッタ層)が浅く形成されているの
で、第2導電型ベース層の横方拡散部分における抵抗が
著しく低減される。
【0032】したがって、本発明によれば、バイパス経
路における第2導電型ベース層の(横方向)抵抗の低減
および第2導電型ベース層の横方向拡散部分における抵
抗の低減により、従来に比べて、ターンオフ特性を大幅
に改善(例えば、遮断電流の増大)できるようになる。
【0033】本発明(請求項2)によれば、第1の電圧
入力端子とターンオン用ゲート電極の下部のチャネル領
域との間には抵抗体、第1の電圧入力端子と第2の主電
極のとの間には容量体が設けられているので、第1の電
圧入力端子を介してターンオン用ゲート電極に印加され
た電圧のレベルがターンオン用MOSFETのしきい値
電圧のレベルにまで下がる時間は、抵抗体の抵抗値と容
量体の容量値との積(時定数)に相当する時間だけ従来
よりも遅くなる。
【0034】ここで、ターンオン用MOSFETは、タ
ーンオン用ゲート電極と、その下部のゲート絶縁膜、第
1導電型ベース層、第1導電型エミッタ層、第2導電型
ベース層からなるMOSFETである。
【0035】そして、本発明に係る素子構造の駆動方法
では、ターンオフ時にターンオフ用MOSFETおよび
ターンオン用MOSFETの両方がともにオン状態(I
GBTモード)である期間が存在するが、その期間は上
記時定数に相当する時間だけ従来よりも長くなる。
【0036】したがって、ターンオフ用MOSFETが
オン状態になってもターンオン用MOSFETは急激に
はオフ状態にはならないので、従来よりも第2導電型ベ
ース層に蓄積されるキャリア量が低減し、ターンオフ特
性が改善される。
【0037】本発明(請求項3)によれば、電圧入力端
子と前記ターンオン用ゲート電極の下部のチャネル領域
との間に設けられた抵抗体が設けられ、ターンオン用ゲ
ート電極と第2の主電極との間に容量体が設けられてい
る。
【0038】このため、ターンオン用MOSFETがオ
ン状態、ターンオフ用MOSFETがオフ状態となるレ
ベルの電圧が、電圧入力端子を介してターンオン用ゲー
ト電極およびターンオフ用ゲート電極に印加されている
ときに、ターンオン用MOSFETがオフ状態、ターン
オフ用MOSFETがオン状態となるレベルの電圧を電
圧入力端子を介してターンオン用ゲート電極およびター
ンオフ用ゲート電極に印加すると、ターンオン用MOS
FETは、抵抗体の抵抗値と容量体の容量値との積(時
定数)に相当する時間だけ従来よりも長い間オン状態に
なっている。
【0039】この結果、ターンオフ時にターンオフ用M
OSFETおよびターンオン用MOSFETの両方がと
もにオン状態(IGBTモード)である期間が存在する
ようになり、しかる後、ターンオン用MOSFETがオ
フ状態になり、IGBTモードが解除される。
【0040】したがって、本発明によれば、IGBTモ
ードによりサイリスタのラッチアップが解除され、IG
BTモードによりキャリアが排出されることにより、素
子がターンオフすることになるので、IGBTモードに
よるキャリアの排出がない従来の場合よりもターンオフ
特性が改善される。
【0041】本発明(請求項4)によれば、上記発明
(請求項1)と同様な作用・効果(ただし、第2の第1
導電型エミッタ層に係る作用を除く)が得られ、さらに
ターンオフ用MOSFETおよびターンオン用MOSF
ETを単一のゲート信号により制御できるという効果も
得られる。これは以下の理由によるターンオン時には、
ターンオン用MOSFETのしきい値電圧よりも高い電
圧(ターンオン電圧)を電圧入力端子を介してターンオ
ン用ゲート電極およびターンオフ用ゲート電極に印加す
る。
【0042】ここで、ターンオン電圧の印加時間、抵抗
体の値、容量体の値を制御することにより、ターンオン
電圧のレベルをターンオフ用MOSFETのしきい値電
圧未満にできる。したがって、ターンオン用MOSFE
Tのみをオン状態にでき、ターンオンが可能となる。
【0043】一方、ターンオフ時には、ターンオン用M
OSFETのしきい値電圧よりも高い電圧を電圧入力端
子を介してターンオン用ゲート電極およびターンオフ用
ゲート電極に印加した後、ターンオフ用MOSFETの
しきい値電圧より大きく、かつターンオン用MOSFE
Tのしきい値電圧より小さい電圧を電圧入力端子を介し
てターンオン用ゲート電極およびターンオフ用ゲート電
極に印加する。
【0044】この結果、ターンオフ時には、まず、ター
ンオン用MOSFETおよびターンオフ用MOSFET
の両方がオン状態(IGBTモード)になった後、ター
ンオン用MOSFETがオフ状態になり、素子はターン
オフする。
【0045】このとき、上記発明(請求項3)の場合と
同様に、IGBTモードによりサイリスタのラッチアッ
プが解除され、IGBTモードによりキャリアが排出さ
れるので、ターンオフ特性が改善される。
【0046】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。 (第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例に係る
絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面図である。
【0047】図中、101は高抵抗のn型ベース層を示
しており、このn型ベース層101の表面にはp型ベー
ス層102が形成されている。このp型ベース層102
の表面には高濃度の第1のn型エミッタ層103とそれ
より拡散深さの浅い高濃度の第2のn型エミッタ層10
3aとが互いに接して形成(一体形成)されており、こ
れらn型エミッタ層103,103aにはカソード電極
105が配設されている。
【0048】また、p型ベース層102上のn型エミッ
タ層103に隣接する位置には、ドレイン電極108が
p型ベース層102にコンタクトして設けられ、高濃度
のn型ドレイン層107がドレイン電極108によりp
型ベース層102と短絡されている。
【0049】また、このn型ドレイン層107から所定
距離離れたp型ベース層102の表面には高濃度のn型
ソース層113が形成され、このn型ソース層113と
n型ドレイン層107との間のp型ベース層102上に
は、ゲート絶縁膜109を介して、ターンオフ用ゲート
電極110が配設されている。これらゲート電極11
0、n型ドレイン層107、n型ソース層113などに
よってターンオフ用MOSFETが構成されている。n
型ソース層113はカソード電極105に接続されてい
る。
【0050】また、n型ベース層101と第2のn型エ
ミッタ層103aとの間のp型ベース層102上には、
ゲート絶縁膜111を介して、ターンオン用ゲート電極
112が配設され、これらゲート電極112、n型ベー
ス層101、第2のn型エミッタ層103aなどによっ
てターンオン用MOSFETが構成されている。
【0051】なお、p型ベース層102内には、図示の
如く、ターンオフ用MOSFETのチャネル領域CH1
およびターンオン用MOSFETのチャネル領域CH2
にかからないように、高濃度のp型ベース層102a,
102bとが形成されていても良い。
【0052】一方、n型ベース層101の裏面には、高
濃度のp型エミッタ層104が形成されており、このp
型エミッタ層104にはアノード電極106が配設され
ている。
【0053】なお、n型ベース層101に直接接するp
型エミッタ層104を形成する代わりに、n型ベース層
101とp型エミッタ層104との間にn型バッファ層
を設け、n型ベース層101に間接的に接するp型エミ
ッタ層104を形成しても良い。
【0054】本実施例の絶縁ゲート型サイリスタは、図
3に示すようなタイムチャートに従ったゲート駆動方法
によりスイッチング動作させることができる。すなわ
ち、ターンオン時、ターンオフ用ゲート電極110は零
または負バイアスとして、ターンオン用ゲート電極11
2に正電圧が印加される。
【0055】これにより、第2のn型エミッタ層103
aからターンオン用ゲート電極112下のnチャネル領
域CH2を介してn型ベース層101に電子が注入さ
れ、これに見合った量の正孔がp型エミッタ層104か
らn型ベース層101に注入されて、サイリスタがター
ンオンする。
【0056】一方、ターンオフ時は、ターンオン用ゲー
ト電極112を零または負バイアスとして、ターンオフ
用ゲート電極110にカソードに対して正の電圧が印加
される。
【0057】このときの正孔電流のバイパス経路を破線
で示している。正孔電流の一部は図示のように、n型エ
ミッタ層103のすぐ近くでドレイン電極108に吸い
出され、このドレイン電極108からn型ドレイン層1
07、ゲート電極110下のnチャネル領域CH1、n
型ソース層113を通って、カソード電極105に排出
される。
【0058】本実施例では、図30の従来構造と比較し
て明らかなように、正孔電流バイパス経路においてp型
ベース層102での排出距離が減少するので、p型ベー
ス層102の抵抗が小さくなる。特に、n型エミッタ層
103aの拡散深さが浅いために、p型ベース層102
の横方向拡散部分の抵抗が著しく低減される。
【0059】さらに、第1のn型エミッタ層103を高
濃度のp型ベース層102aで完全に包みこむように高
濃度のp型ベース層102aを形成すると、バイパス抵
抗がいっそう低減され効果的である。
【0060】以上の作用により、バイパスされる正孔電
流による電圧降下が従来構造に比べて小さくなり、より
優れたターンオフ特性(例えば、大きな遮断電流)が得
られる。
【0061】また、本実施例の絶縁ゲート型サイリスタ
は、図4に示すようなタイムチャートに従ったゲート駆
動方法により、図3に示したゲート駆動方法よりも、さ
らにターンオフ電流を増加させることができる。
【0062】すなわち、ターンオン用MOSFETをオ
ン状態にするために、ターンオン用ゲート電極112に
カソードに対して正の電圧を印加した後、時間Δt1後
にターンオフ用ゲート電極110にカソードに対して正
の電圧を印加する。
【0063】なお、ターンオン用MOSFETのゲート
電極112は、ターンオンからターンオフまでの間ずっ
と正の電圧を印加しておいても良く、ターンオフ用ゲー
ト電極110は、ターンオフ期間の間ずっと正の電圧を
印加しておいても良い。
【0064】図1には、ターンオン用ゲート電極113
に正の電圧を印加してターンオン用MOSFETをオン
状態(導通状態)にしたときの電子電流が実線で、そし
て、ターンオフ用ゲート電極に正の電圧を印加してター
ンオフ用MOSFETをオン状態にしたときの正孔電流
のバイパス経路が破線で示されている。
【0065】正孔電流は、図示のように、n型エミッタ
層103のすぐ近くでドレイン電極108に吸い出さ
れ、n型ドレイン層107、ターンオフ用ゲート電極1
10下部のnチャネル領域CH1、n型ソース層113
を通りカソード電極105から素子外へ排出される。
【0066】このような電流の経路はIGBTのそれと
同じであり、トランジスタ状態であるので、ターンオフ
用ゲート電極110に正の電圧を印加した後、一定時間
後(Δt2後)に、ターンオン用MOSFETを非導通
状態にすると、電子の注入が停止して素子はオフする。
【0067】このようなゲート駆動方法によれば、ター
ンオフ時の電子電流の流れを均一にできるため、従来の
ゲート電極法の場合に比べて、電子電流の導通領域の縮
小によるターンオフ電流の低下が遥かに少なくなる。
【0068】また、電子電流の流れを均一にできること
から、本実施例の素子構造を複数配列形成して得られる
絶縁ゲート型電力用半導体装置によれば、ターンオフ動
作のばらつきによる一部の素子への電流集中を防止で
き、従来より大きなアノード電流を流すことができる。
【0069】このゲート駆動方法では、IGBTモード
によりサイリスタのラッチアップが解除され、IGBT
モードによりキャリアが排出されることにより、素子は
ターンオフする。
【0070】IGBTモードの期間では、上述のよう
に、ターンオン用MOSFETによりn型エミッタ層1
03からn型ベース層101に電子が注入されており、
ターンオン用MOSFETのチャネルCH2の近傍で電
子濃度が高いため、p型エミッタ層104からn型ベー
ス層101に注入される正孔はその電子濃度の高いとこ
ろ、つまり、チャネル領域CH2付近のp型ベース層1
02に流れ込む。
【0071】このため、従来構造のようなn型エミッタ
層の拡散形状では、正孔電流のバイパス経路において、
p型ベース層の横方向拡散部分の抵抗R2による電位降
下が非常に大きくなってしまう。
【0072】しかし、本実施例では、n型エミッタ層1
03aの拡散深さが浅いために、p型ベース層102の
横方向拡散部分の抵抗R2が著しく低減されることか
ら、図4で示したゲート駆動方法によってさらに大きな
ターンオフ電流を得ることができるようになる。 (第2の実施例)図2は、本発明の第2の実施例に係る
絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面図である。以
下の図において、前出した図と同一符号は同一部分また
は相当部分を示し、詳細な説明は省略する。
【0073】本実施例の特徴は、カソード電極105が
第1のn型エミッタ層103のみにコンタクトするよう
に設けられており、第2のn型エミッタ層103aには
コンタクトしていないことにある。
【0074】このため、ターンオフ時、ターンオフ用M
OSFETとターンオン用MOSFETとを同時に導通
状態とするIGBT期間において、電子電流はカソード
電極105から第1のn型エミッタ層103、第2のn
型エミッタ層103a、チャネル領域CH2を通ってn
型ベース層101へと注入される。
【0075】その際、第2のn型エミッタ層103aの
拡散抵抗によって、第2のn型エミッタ層103aの電
位が上昇するため、p型ベース層102と第2のn型エ
ミッタ層103aとにより構成されるエミッタ接合は正
バイアスされにくくなり、その結果、さらに大きな電流
をターンオフできるようになる。 (第3の実施例)図5は、本発明の第3の実施例に係る
絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面図である。
【0076】本実施例では、p型ベース層102が2つ
の領域、つまり、第1のp型ベース層102aと第2の
p型ベース層102bとに分離形成され、第1のp型ベ
ース層102a内には第1のn型エミッタ層103、第
2のn型エミッタ層103aおよびベース電極108a
が形成され、第2のp型ベース層103bにはn型ドレ
イン層107、n型ソース層113およびドレイン電極
108bが形成されている。ここで、ベース電極108
aとドレイン電極108bとは一体形成されて電気的に
接続されている。
【0077】本実施例によれば、例えば、ターンオフ用
MOSFETのチャネル領域CH1を平面上で櫛形状に
形成することが可能となる。これにより、ターンオフ用
MOSFETのチャネル幅を十分大きくすることがで
き、正孔電流のバイパス経路の抵抗が低減され、さらに
優れたターンオフ特性が得られる。 (第4の実施例)図6は、本発明の第4の実施例に係る
絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面図である。
【0078】本実施例では、p型ベース層102表面で
n型エミッタ層103に隣接し、かつ第1のドレイン電
極108と反対側の位置に、第2のドレイン電極117
が設けられ、この第2のドレイン電極117によりp型
ベース層102と短絡される第2のn型ドレイン層11
6が形成されている。
【0079】さらに、この第2のn型ドレイン層116
とn型ベース層101との間にターンオン用ゲート電極
112が設けられて、ターンオン用MOSFETが構成
される。
【0080】本実施例によれば、ターンオフ時のIGB
T期間において、図中に点線で示すように、正孔電流が
第2のドレイン電極117から排出されるため、n型エ
ミッタ層103直下のp型ベース層102は正孔排出経
路とならない。したがって、さらに優れたターンオフ特
性が得られる。 (第5の実施例)図7は、本発明の第5の実施例に係る
絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面図である。
【0081】本実施例は、図6の絶縁ゲート型サイリス
タの変形例であり、図6において、p型ベース層102
を第1のp型ベース層102と第2のp型ベース層11
5に分け、第2のp型ベース層115にターンオフ用M
OSFETを形成した構造になっている。本実施例で
も、第4の実施例と同様に優れたターンオフ特性が得ら
れる。 (第6の実施例)図8は、本発明の第6の実施例に係る
絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面図である。
【0082】本実施例は、図7の絶縁ゲート型サイリス
タの変形例であり、その特徴は、第1のベース電極10
2の表面で、n型エミッタ層103に隣接し、かつ第1
のドレイン電極108aと反対側の位置にベース電極1
17が設けられ、このベース電極117と第1および第
2のドレイン電極108a,108bとが電気的に接続
されていることにある。
【0083】本実施例によれば、IGBT期間のとき
に、ベース電極108aおよびドレイン電極117に正
孔電流が流れ、正孔電流のバイパス経路が二つに増え、
正孔電流による電圧降下が減少するので、より優れたタ
ーンオフ特性が得られる。 (第7の実施例)図9は、本発明の第7の実施例に係る
絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面図である。
【0084】本実施例の絶縁ゲート型サイリスタが第6
の実施例のそれと主として異なる点は、p型ベース層1
02の表面に二つのn型ドレイン層116a,116b
を形成し、これらn型ドレイン層116a,116bに
それぞれドレイン電極117を設け、さらにn型ドレイ
ン層116bとn型ベース層101との間のp型ベース
層102上にゲート絶縁膜121を介してターンオンゲ
ート電極122を設けて第2のターンオン用MOSFE
Tを形成したたことにある。
【0085】本実施例でも、従来よりも優れたターンオ
フ特性が得られ、さらに第2のターンオン用MOSFE
Tにより優れたターンオン特性も得られる。 (第8の実施例)図10は、本発明の第8の実施例に係
る絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面図である。
【0086】本実施例は、図6の絶縁ゲート型サイリス
タの変形例であり、n型ドレイン層116を二つのn型
ドレイン層116a,116bに分け、さらに、ゲート
絶縁膜118、ターンオフ用ゲート電極119を付加し
て、第2のターンオフ用MOSFETを形成したことに
ある。
【0087】本実施例によれば、正孔電流のバイパス経
路が増えるので、より優れたターンオフ特性が得られ
る。 (第9の実施例)図11は、本発明の第9の実施例に係
る絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面図である。
【0088】本実施例では、p型ベース層102から所
定距離離れたn型ベース層101の表面にp型層120
が形成され、このp型層120にドレイン電極108と
電気的に接続された電極121が設けられる。
【0089】すなわち、本実施例では、ターンオン用ゲ
ート電極112、n型エミッタ層103およびn型ベー
ス層101により領域CH2をチャネル領域とするター
ンオン用MOSFETが構成されていると同時に、ター
ンオン用ゲート電極112、p型ベース層102および
p型層120により領域CH3をチャネル領域とするタ
ーンオフ用MOSFETが構成されている。
【0090】本実施例によれば、ターンオフ時のIGB
T期間において、図中に点線で示すように、正孔電流が
p型ベース層102(の横方向拡散部分)からチャネル
領域異CH3、p型層120、電極121、n型ドレイ
ン層107、チャネル領域CH2、n型ソース層113
を通ってカソード電極105へと排出されるので、n型
エミッタ層103直下のp型ベース層102は正孔排出
経路とならない。したがって、本実施例でも従来よりも
優れたターンオフ特性が得られる。 (第10の実施例)図12は、本発明の第10の実施例
に係る絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面図であ
る。
【0091】図中、201は高抵抗のn型ベース層を示
しており、このn型ベース層201の表面にはp型ベー
ス層202が形成されている。このp型ベース層202
の表面には高濃度のn型エミッタ層203が選択的に形
成されており、このn型エミッタ層203にはカソード
電極205が配設されている。
【0092】このサイリスタ構造において、p型ベース
層202のn型エミッタ層203に隣接する位置にドレ
イン電極208が設けられ、このドレイン電極208に
よりp型ベース層202と短絡される高濃度のn型ドレ
イン層207が形成されている。
【0093】このn型ドレイン層207から所定距離離
れたp型ベース層202の表面にはn型ソース層213
が形成され、このn型ソース層213にはソース電極2
14が設けられている。これらn型ドレイン層207と
n型ソース層213との間のp型ベース層2上には、ゲ
ート絶縁膜209を介してターンオフゲート電極210
が配設され、領域CH1をチャネル領域とするターンオ
フ用MOSFETが構成されている。
【0094】ソース電極214は、カソード電極205
と一体形成されてカソード電極205と電気的に接続さ
れている。また、n型ベース層201とn型エミッタ層
203の間のp型ベース層202上には、ゲート絶縁膜
211を介してターンオンゲート電極212が配設さ
れ、領域CH2をチャネル領域とするターンオン用MO
SFETが構成されている。
【0095】ゲート電極212は抵抗体221を介して
ターンオン電圧入力端子G1に接続され、ターンオン電
圧入力端子G1は容量体222を介してカソード電極2
05に接続されている。
【0096】抵抗体221の抵抗値と容量体222の容
量値との積(時定数)は、ターンオン用MOSFETの
ゲート抵抗とゲート容量との積より大きいことが望まし
い。また、ゲート電極210は抵抗体223を介してタ
ーンオフ電圧入力端子G2に接続され、ターンオフ電圧
入力G2は容量体224を介してカソード電極205に
接続されている。
【0097】抵抗体223の抵抗値と容量体224の容
量値との積(時定数)は、ターンオフ用MOSFETの
ゲート抵抗とゲート容量との積より大きいことが望まし
い。一方、n型ベース層201の裏面には、高濃度のp
型エミッタ層204が形成されており、このp型エミッ
タ層204にはアノード電極206が配設されている。
【0098】なお、n型ベース層201に直接接するp
型エミッタ層204を形成する代わりに、n型ベース層
201とp型エミッタ層204との間にn型バッファ層
を設け、n型ベース層201に間接的に接するp型エミ
ッタ層204を形成しても良い。
【0099】図13は、本実施例の絶縁ゲート型サイリ
スタのゲート駆動方法を示すタイムチャートである。ま
た、図14は、従来の絶縁ゲート型サイリスタのゲート
駆動方法を示すタイムチャートである。
【0100】ターンオン時には、ターンオン用ゲート電
極212に誘起される電圧VCH2 がターンオン用MOS
FETのしきい値電圧Vth,on より高くなる電圧をター
ンオン電圧入力端子G1に与え、一方、ターンオフ用ゲ
ート電極210に誘起される電圧VCH1 がターンオフ用
MOSFETのしきい値電圧Vth,offより低くなる電圧
を与える。
【0101】また、ターンオフ時には、図13に示すよ
うに、ターンオン用MOSFETがオン状態のときに、
ターンオフ用MOSFETをオン状態にする。この結
果、ターンオン用MOSFETおよびターンオフ用MO
SFETの両方がともにオン状態(IGBTモード)で
ある期間が存在する。この期間は上記時定数に相当する
時間だけ従来よりも長くなる。
【0102】したがって、ターンオフ用MOSFETが
オン状態になってもターンオン用MOSFETは急激に
はオフ状態にはならないので、図14の従来のゲート駆
動方法の場合よりも、p型ベース層202に蓄積される
正孔量が低減し、ターンオフ特性が改善される。 (第11の実施例)図15は、本発明の第11の実施例
に係る縦型の絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面
図である。また、図16は同絶縁ゲート型サイリスタの
等価回路である。
【0103】図15に示すように、p型エミッタ層30
1に接してn型ベース層302が形成されており、この
n型ベース層302内にp型ベース層303が拡散形成
されている。このp型ベース層303内にはn型エミッ
タ層304が拡散形成されている。p型エミッタ層30
1にはアノード電極305が設けられ、n型エミッタ層
304にはカソード電極306が設けられている。
【0104】n型エミッタ層304とn型ベース層30
2との間のp型ベース層303上には、ゲート絶縁膜3
11を介してターンオン用ゲート電極308が形成され
て、領域CH2をn型チャネル領域とするターンオン用
n型MOSFETが構成されている。
【0105】n型ベース層302の表面にはp型ベース
層303から所定距離離れてp型ドレイン層307が形
成されており、このp型ドレイン層307とp型ベース
層303との間のn型ベース層302上には、ゲート絶
縁膜312を介してターンオフ用ゲート電極309が形
成され、領域CH1をp型チャネル領域とするp型のタ
ーンオフ用MOSFETが構成されている。p型ドレイ
ン層307にはドレイン電極310が設けられており、
このドレイン電極310はカソード電極306に接続さ
れている。
【0106】ターンオン用ゲート電極308およびター
ンオフ用ゲート電極309は電圧入力端子Gに接続され
ている。この電圧入力端子Gとターンオン用ゲート電極
308との間には抵抗体313が設けられている。ま
た、ターンオン用ゲート電極308とカソード電極30
6との間には容量体314が設けられている。
【0107】図17は、本実施例の絶縁ゲート型サイリ
スタのゲート駆動方法を示すタイムチャートである。ゲ
ート電圧入力端子Gにゲート電圧VG を与えると、抵抗
体313と容量体314との影響により、ターンオン用
ゲート電極308に印加されるゲート電圧VG に時間遅
れが生じ、ターンオン用n型MOSFETは従来よりも
遅れてオン状態になる。この遅延時間は抵抗体313の
抵抗値と容量体314の容量値との積(時定数)により
決定される。オンゲートのグラフに波線で示しているの
がターンオン用ゲート電極308に実際に印加されるゲ
ート電圧VG ´である。
【0108】このようにターンオン用MOSFETが遅
れてオン状態になる結果、ターンオフ用MOSFETお
よびターンオン用MOSFETの両方がともにオン状態
(IGBTモード)である期間が存在するようになる。
【0109】この状態では、ターンオン用ゲート電極3
08下には電子電流が、オフゲート用電極309下にな
正孔電流が流れサイリスタのラッチアップが解けてい
る。したがって、本実施例によれば、IGBTモードで
サイリスタのラッチアップが解除され、このIGBTモ
ードでキャリアが排出されて素子がターンオフするの
で、IGBTモードがない図30の従来の素子構造の場
合よりも、優れたターンオフ特性(例えば、可制御電流
の増大、スイッチング動作の高速化、遮断電流の増大)
が得られるようになる。 (第12の実施例)図18は、本発明の第12の実施例
に係る縦型の絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面
図である。
【0110】本実施例の特徴は、第11の実施例の低抗
体を高抵抗膜315(例えば、ポリシリコン膜、エピタ
キシャルシリコン膜などの半導体層)によりゲート電極
308の下部のチャネル領域CH2上に形成し、、第1
1の実施例の容量体を高抵抗膜315とカソード電極3
06とこれらの間の絶縁膜316とにより形成したこと
にある。また、p型ベース層303上に電位検知用のベ
ース電極317を形成し、動作時の挙動と電位とを監視
できるようにしている。 (第13の実施例)図19は、本発明の第13の実施例
に係る縦型の絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面
図である。
【0111】本実施例の絶縁ゲート型サイリスタが第1
2の実施例と異なる点は、p型ドレイン層307がn型
ベース層302の表面ではなく、n型エミッタ層304
の表面に拡散形成したことにある。
【0112】このような素子構造であれば、ターンオフ
用ゲート電極309と高抵抗膜315との間にドレイン
電極310を形成することができるので、より小さな面
積で素子を形成することができ、面積効率を高くするこ
とができる。 (第14の実施例)図20は、本発明の第14の実施例
に係る絶縁ゲート型サイリスタの構造を示す断面図であ
る。
【0113】図中、401は高抵抗のn型ベース層を示
しており、このn型ベース層401内にはp型ベース層
402が形成されている。このp型ベース層402の表
面には高濃度のn型エミッタ層403が形成されてお
り、このn型エミッタ層403にはカソード電極405
が配設されている。
【0114】このサイリスタ構造において、n型エミッ
タ層403に隣接する位置にドレイン電極408が設け
られ、このドレイン電極408によりp型ベース層40
2と短絡される高濃度のn型ドレイン層407がp型ベ
ース層402の表面に形成されている。
【0115】n型ドレイン層407から所定距離離れた
p型ベース層402の表面にはn型ソース層413が形
成されており、このn型ソース層413にはソース電極
414が設けられている。
【0116】n型ドレイン層407とn型ソース層41
3との間のp型ベース層402上には、ゲート絶縁膜4
09を介してゲート電極410が配設され、領域CH1
をチャネル領域とするターンオフ用MOSFETが構成
されている。
【0117】ソース電極414は、カソード電極405
と一体形成されてカソード電極405と電気的に接続さ
れている。また、n型ベース層401とn型エミッタ層
403との間のp型ベース層402上には、ゲート絶縁
膜411を介してゲート電極412が配設され、領域C
H2をチャネル領域とするターンオン用MOSFETが
構成されている。
【0118】一方、n型ベース層401の裏面には、高
濃度のp型エミッタ層404が形成されており、このp
型エミッタ層404にはアノード電極406が配設され
ている。
【0119】なお、n型ベース層401に直接接するp
型エミッタ層404を形成する代わりに、n型ベース層
401とp型エミッタ層404との間にn型バッファ層
を設け、n型ベース層401に間接的に接するp型エミ
ッタ層404を形成しても良い。
【0120】上記のような素子構造において、本実施例
では、ターンオフ用ゲート電極410を抵抗体415と
容量体(不図示)とを介してターンオン用ゲート電極4
12と同一のゲート電圧入力端子Gに接続させている。
本実施例では、容量体をゲート絶縁膜409の容量で代
用している。なお、容量体を別に設けても良い。
【0121】そして、ターンオン用MOSFETのしき
い値電圧Vth,on はターンオフ用MOSFETのしきい
値電圧Vth,offより大きい値に設定されている本実施例
の絶縁ゲート型サイリスタは、図21に示すようなタイ
ムチャートに従ったゲート駆動方法によりスイッチング
動作させる。
【0122】なお、図21において、VG はゲート入力
端子420に印加される電圧、VCH2 はターンオン用ゲ
ート電極412に誘起される電圧、そしてVCH1 はター
ンオフ用ゲート電極410に誘起される電圧を示してい
る。
【0123】ターンオン時には、ゲート電圧入力端子4
20にしきい値電圧Vth,on より大きい正電圧が所定の
時間Δt1だけ印加される。これにより、ターンオン用
ゲート電極412にはしきい値電圧Vth,on を上回る正
電圧が瞬時に印加される。しかし、図22に示すよう
に、抵抗体415と容量体409とにより生じる時間遅
れによって、ターンオフ用ゲート電極410では、時間
Δt1内にしきい値電圧Vth,offを上回らないため、タ
ーンオン用MOSFETのみがオン状態(導通状態)と
なる。
【0124】その結果、n型エミッタ層403からター
ンオン用ゲート電極412下のnチャネル領域CH2を
介してn型ベース層401に電子が注入され、これに見
合った量の正孔がp型エミッタ層404からn型ベース
層401に注入されて、サイリスタはターンオンする。
【0125】一方、ターンオフ時には、まず、ゲート電
圧入力端子420にしきい値電圧Vth,on より大きい正
電圧が所定の時間Δt2だけ印加される。ここで、時間
Δt2は時間Δt1より長く設定されている。そして、
時間Δt2後には、しきい値電圧Vth,on より小さく、
かつしきい値電圧Vth,offより大きい正電圧がゲート電
圧入力端子Gに印加される。
【0126】この結果、時間Δt2が経過するまでター
ンオン用ゲート電極412およびターンオフ用ゲート電
極410の両方にしきい値電圧Vth,on を上回る正電圧
が印加される。
【0127】そして、時間Δt2経過後、ターンオフ用
ゲート電極410にはしきい値電圧Vth,offを上回る電
圧が印加されるが、ターンオン用ゲート電極412では
しきい値電圧Vth,on を上回らない。
【0128】したがって、ターンオフ時には、まずター
ンオン用MOSFET412およびターンオフ用MOS
FET410の両方がともにオン状態(導通状態)とな
った後に、一定時間後(Δt0後)にターンオン用MO
SFETがオフ状態(非導通状態)となる。
【0129】図20には、ターンオン用MOSFETを
オン状態にしたときの電子電流が実線で、そして、ター
ンオフ用MOSFETをオン状態にしたときの正孔電流
のバイパス経路が破線で示されている。
【0130】正孔電流は、図示のように、n型エミッタ
層403のすぐ近くでドレイン電極408に吸い出さ
れ、n型ドレイン層407、ターンオフ用ゲート電極4
10下部のn型チャネル領域CH1、n型ソース層41
3、ソース電極414を通りカソード電極405から素
子外へ排出される。
【0131】このような電流の経路はIGBTのそれと
同じであるので、ターンオフ用MOSFETを導通状態
にした後、一定時間後(Δt0後)に、ターンオン用M
OSFETを非導通状態にすると、電子の注入が停止し
て素子はオフする。
【0132】このようなゲート駆動方法によれば、ター
ンオフ時にサイリスタ状態からトランジスタ状態を経て
ターンオフするため、ターンオフ時の電子電流の流れを
均一にでき、電子電流の導通領域の縮小によるターンオ
フ電流の低下が遥かに少なくなる。
【0133】したがって、本実施例によれば、従来より
も大きなターンオフ電流を得ることができるようにな
る。また、この実施例では、図30の従来の素子構造と
比較して明らかなように、正孔電流バイパス経路にはp
型ベース層の横方向抵抗が入らないので、バイパスされ
る正孔電流による電圧降下が従来に素子構造に比べて小
さくなり、さらに高いターンオフ能力が得られる。 (第15の実施例)図23は、本発明の第15の実施例
に係る絶縁ゲート型サイリスタの要部素子構造を示す平
面図である。
【0134】本実施例では、抵抗体415がゲート電極
の極細の引出し部分より構成されている。これにより、
ターンオフ用ゲート電極410とターンオン用ゲート電
極412とを一回のパターニング工程で一体形成するこ
とが可能となる。 (第16の実施例)図24は、本発明の第16の実施例
に係る絶縁ゲート型サイリスタの要部素子構造を示す平
面図である。
【0135】本実施例では、抵抗体415がターンオフ
用ゲート電極410のイオン注入されていない部分より
構成されている。これにより、第15の実施例と同様
に、ターンオフ用ゲート電極410とターンオン用ゲー
ト電極412とを一回のパターニング工程で一体形成す
ることが可能となる。 (第17の実施例)図25は、本発明の第17の実施例
に係る絶縁ゲート型サイリスタの素子構造を示す断面図
である。
【0136】本実施例では、抵抗体415が絶縁ゲート
電極410上に形成された抵抗体により構成されてい
る。これにより、ターンオフ用ゲート電極410とター
ンオン用ゲート電極412とを金属材料などの低抵抗配
線で接続することが可能となる。 (第18の実施例)図26は、本発明の第18の実施例
に係る絶縁ゲート型サイリスタの素子構造を示す断面図
である。
【0137】本実施例では、p型ベース層が2つの領
域、つまり、第1のp型ベース層402aと第2のp型
ベース層402bに分離形成され、第1のp型ベース層
402aにn型エミッタ層403およびベース電極40
8aが形成され、第2のp型ベース層402bにn型ド
レイン層407およびn型ソース層413が形成されて
いる。
【0138】そして、ベース電極408aは、ドレイン
電極408bと一体形成されてドレイン電極408bと
電気的に接続され、ソース電極414は第2のp型ベー
ス層402bとn型ソース層413の両方にコンタクト
している。
【0139】本実施例による絶縁ゲート型ターンオフサ
イリスタの駆動方法ならびに動作原理は、第14の実施
例のそれらと同様である。本実施例でも、第14の実施
例と同様な効果が得られ、さらに本実施例では、p型ベ
ース層402が分離形成され、n型ソース層413のラ
ッチアップが起こり難いので、ターンオフ用MOSFE
Tのチャネルを平面上で櫛型に形成するなどの方法によ
って、ターンオフ用MOSFETのチャネル抵抗を低減
でき、ターンオフ能力をさらに高めることができる。 (第19の実施例)図27は、本発明の第19の実施例
に係る絶縁ゲート型サイリスタの素子構造を示す断面図
である。
【0140】本実施例では、p型ベース層402が2つ
の領域、つまり、第1のp型ベース層402aと第2の
p型ベース層402bとに分離形成されている。第1の
p型ベース層402aにはn型エミッタ層403、ベー
ス電極408aなどが形成され、第2のn型ベース層4
02bにはn型ドレイン層407、n型ソース層413
などが形成されている。
【0141】そして、第2のp型ベース層402bには
ダイオード417を介してゲート電圧入力端子Gと接続
された電位制御電極416が設けられている。ターンオ
ン用ゲート電極412は所定の大きさの抵抗体415お
よび容量体を介してゲート入力端子Gに接続され、ター
ンオフ用ゲート電極410がカソード電極405に接続
されている。
【0142】本実施例の絶縁ゲート型サイリスタは、図
28に示すようなタイムチャートに従ったゲート駆動方
法によりスイッチング動作させることができる。すなわ
ち、ゲート電圧入力端子Gには、オン状態で+Von
[V]の電圧が印加され、ターンオフ時に−Voff
[V]の電圧が印加される。
【0143】これにより、ターンオン時にはターンオン
用ゲート電極412にVth,on を上回る正電圧が印加さ
れて、ターンオン用MOSFETがオン状態となる。一
方、ターンオフ時には、電位制御電極416によりター
ンオフ用MOSFETの基板電位が−Voff[V]の
負電位となって、カソード電極405に接続されて零電
位となっているターンオフ用ゲート電極410との間に
Voff[V]の電位差が生じ、ターンオフ用MOSF
ETがオン状態となる。
【0144】さらに、ターンオン用ゲート電極410で
は抵抗体415と容量体により生じる時間遅れによっ
て、時間Δt0後に電圧がVth,on を下回り、ターンオ
ン用MOSFETがオフ状態となる。
【0145】以上のような動作原理によって、ターンオ
フ時に、はじめターンオン用MOSFETとターンオフ
用MOSFETの両方がオン状態となり、一定時間経過
後(Δt0後)にターンオン用MOSFETがオフ状態
となる。したがって、本実施例の絶縁ゲート型サイリス
タでも、第14の実施例の場合と同様の機構により、大
きな電流をターンオフすることができる。 (第20の実施例)図29は、本発明の第20の実施例
に係る絶縁ゲート型サイリスタの素子構造を示す断面図
である。
【0146】本実施例は、第19の実施例の絶縁ゲート
型サイリスタの変形例であり、主として異なる点は、電
位制御電極416型の下部のp型ベース層402の表面
に高濃度のn型層418が設けられていることにある。
第19の実施例と同様にダイオード417を設けても良
い。
【0147】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。例えば、上記実施例では、第1導電型をn
型、第2導電型をp型とした場合の実施例であるが、第
1導電型をp型、第2導電型をn型としても良い。その
他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実
施できる。
【0148】
【発明の効果】以上詳述したように本発明(請求項1)
によれば、バイパス経路における第2導電型ベース層の
抵抗の低減および第2導電型ベース層の横方向拡散部分
における抵抗の低減により、従来に比べて、ターンオフ
特性が大幅に改善される。
【0149】また、本発明(請求項2)によれば、ター
ンオフ時に、ターンオフ用MOSFETがオン状態にな
ってもターンオン用MOSFETは急激にはオフ状態に
ならないので、従来よりも第2導電型ベース層に蓄積さ
れるキャリア量が低減し、ターンオフ特性が改善され
る。
【0150】また、本発明(請求項3)によれば、IG
BTモードによりサイリスタのラッチアップが解除さ
れ、IGBTモードによりキャリアが排出されることに
より、素子がターンオフするので、ターンオフ特性が改
善される。
【0151】また、本発明(請求項4)によれば、ター
ンオフ特性が改善され、さらに、ターンオフ用MOSF
ETおよびターンオン用MOSFETを単一のゲート信
号により制御できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る絶縁ゲート型サイ
リスタの構造を示す断面図
【図2】本発明の第2の実施例に係る絶縁ゲート型サイ
リスタの構造を示す断面図
【図3】図1の絶縁ゲート型サイリスタのゲート駆動方
法を示すタイムチャート
【図4】図1の絶縁ゲート型サイリスタの他のゲート駆
動方法を示すタイムチャート
【図5】本発明の第3の実施例に係る絶縁ゲート型サイ
リスタの構造を示す断面図
【図6】本発明の第4の実施例に係る絶縁ゲート型サイ
リスタの構造を示す断面図
【図7】本発明の第5の実施例に係る絶縁ゲート型サイ
リスタの構造を示す断面図
【図8】本発明の第6の実施例に係る絶縁ゲート型サイ
リスタの構造を示す断面図
【図9】本発明の第7の実施例に係る絶縁ゲート型サイ
リスタの構造を示す断面図
【図10】本発明の第8の実施例に係る絶縁ゲート型サ
イリスタの構造を示す断面図
【図11】本発明の第9の実施例に係る絶縁ゲート型サ
イリスタの構造を示す断面図
【図12】本発明の第10の実施例に係る絶縁ゲート型
サイリスタの構造を示す断面図
【図13】図12の絶縁ゲート型サイリスタのゲート駆
動方法を示すタイムチャート
【図14】従来の絶縁ゲート型サイリスタのゲート駆動
方法を示すタイムチャート
【図15】本発明の第11の実施例に係る縦型の絶縁ゲ
ート型サイリスタの構造を示す断面図
【図16】図15の絶縁ゲート型サイリスタの等価回路
【図17】図15の絶縁ゲート型サイリスタのゲート駆
動方法を示すタイムチャート
【図18】本発明の第12の実施例に係る縦型の絶縁ゲ
ート型サイリスタの構造を示す断面図
【図19】本発明の第13の実施例に係る縦型の絶縁ゲ
ート型サイリスタの構造を示す断面図
【図20】本発明の第14の実施例に係る絶縁ゲート型
サイリスタの構造を示す断面図
【図21】図14の絶縁ゲート型サイリスタのゲート駆
動方法を示すタイムチャート
【図22】抵抗体と容量体との効果を示す回路図
【図23】本発明の第15の実施例に係る絶縁ゲート型
サイリスタの要部素子構造を示す平面図
【図24】本発明の第16の実施例に係る絶縁ゲート型
サイリスタの要部素子構造を示す平面図
【図25】本発明の第17の実施例に係る絶縁ゲート型
サイリスタの素子構造を示す断面図
【図26】本発明の第18の実施例に係る絶縁ゲート型
サイリスタの素子構造を示す断面図
【図27】本発明の第19の実施例に係る絶縁ゲート型
サイリスタの素子構造を示す断面図
【図28】図27の絶縁ゲート型サイリスタのゲート駆
動方法を示すタイムチャート
【図29】本発明の第20の実施例に係る絶縁ゲート型
サイリスタの素子構造を示す断面図
【図30】従来の絶縁ゲート型サイリスタの素子構造を
示す断面図
【図31】従来の縦型の絶縁ゲート型サイリスタの素子
構造を示す断面図
【図32】図31の絶縁ゲート型サイリスタの等価回路
【図33】図31の絶縁ゲート型サイリスタのゲート駆
動方法を示すタイムチャート
【符号の説明】
CH1…ターンオンMOSFETのチャネル領域 CH2…ターンオフMOSFETのチャネル領域 G …電圧入力端子 G1…ターンオン電圧入力端子 G2…ターンオフ電圧入力端子 101…n型ベース層(第1導電型ベース層) 102…p型ベース層(第2導電型ベース層) 103…第1のn型エミッタ層(第1の第1導電型エミ
ッタ層) 103a…第2のn型エミッタ層(第2の第1導電型エ
ミッタ層) 104…p型エミッタ層(第2導電型エミッタ層) 105…カソード電極(第2の主電極) 106…アノード電極(第1の主電極) 107…n型ドレイン層(第1導電型ドレイン層) 108…ドレイン電極 109…ゲート絶縁膜 110…ターンオフ用ゲート電極 111…ゲート絶縁膜 112…ターンオン用ゲート電極 113…n型ソース層(第1導電型ソース層) 114…ソース電極 201…n型ベース層(第1導電型ベース層) 202…p型ベース層(第2導電型ベース層) 203…n型エミッタ層(第1導電型エミッタ層) 204…p型エミッタ層(第2導電型エミッタ層) 205…カソード電極(第2の主電極) 206…アノード電極(第1の主電極) 207…n型ドレイン層(第1導電型ドレイン層) 208…ドレイン電極 209…ゲート絶縁膜 210…ターンオフゲート電極 211…ゲート絶縁膜 212…ターンオンゲート電極 213…n型ソース層(第1導電型ソース層) 214…ソース電極 221…抵抗体 222…容量体 223…抵抗体 224…容量体 301…p型エミッタ層(第2導電型エミッタ層) 302…n型ベース層(第1導電型ベース層) 303…p型ベース層(第2導電型ベース層) 304…n型エミッタ層(第1導電型エミッタ層) 305…アノード電極(第1の主電極) 306…カソード電極(第2の主電極) 307…p型ドレイン層(第2導電型ドレイン層) 308…ターンオン用ゲート電極 309…ターンオフ用ゲート電極 310…ドレイン電極 311…ゲート絶縁膜 312…ゲート絶縁膜 316…絶縁膜 317…ベース電極 401…n型ベース層(第1導電型ベース層) 402…p型ベース層(第2導電型ベース層) 403…n型エミッタ層(第1導電型エミッタ層) 404…p型エミッタ層(第2導電型エミッタ層) 405…カソード電極(第2の主電極) 406…アノード電極(第1の主電極) 407…n型ドレイン層(第1導電型ドレイン層) 408…ドレイン電極 409…ゲート絶縁膜 410…ゲート電極 411…ゲート絶縁膜 412…ゲート電極 413…n型ソース層(第1導電型ソース層) 414…ソース電極 415…抵抗体
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−125078(JP,A) 特開 平6−232387(JP,A) 特開 平6−177371(JP,A) 特開 平8−213588(JP,A) 特開 平8−88348(JP,A) 特開 平5−29606(JP,A) 特開 平4−196359(JP,A) 特開 昭58−46678(JP,A) 特開 昭58−6169(JP,A) 国際公開90/10311(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/749 H01L 29/78 655

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型ベース層と、 この第1導電型ベース層の表面に直接または間接的に接
    する第2導電型エミッタ層と、 この第2導電型エミッタ層と反対側の前記第1導電型ベ
    ース層の表面に選択的に形成された第2導電型ベース層
    と、 この第2導電型ベース層の表面に選択的に形成された第
    1の第1導電型エミッタ層と、 前記第2導電型ベース層の表面に前記第1の第1導電型
    エミッタ層と一体的に形成され、かつ前記第1の第1導
    電型エミッタ層より拡散深さが浅い第2の第1導電型エ
    ミッタ層と、 前記第2導電型ベース層の表面に選択的に形成された第
    1導電型ドレイン層と、 前記第2導電型ベース層の表面に前記第1導電型ドレイ
    ン層から所定距離離れて形成された第1導電型ソース層
    と、 前記第1導電型ドレイン層と前記第1導電型ソース層の
    間の前記第2導電型ベース層上にゲート絶縁膜を介して
    形成されたターンオフ用ゲート電極と、 前記第1導電型ベース層と前記第2の第1導電型エミッ
    タ層の間の前記第2導電型ベース層上にゲート絶縁膜を
    介して形成されたターンオン用ゲート電極と、 前記第2導電型エミッタ層に設けられた第1の主電極
    と、 前記第1導電型エミッタ層に設けられた第2の主電極
    と、 前記第1導電型ドレイン層に設けられたドレイン電極
    と、 前記第2導電型ベース層に設けられ、前記ドレイン電極
    と電気的に接続されたベース電極と、 前記第1導電型ソース層に設けられ、前記第2の主電極
    と電気的に接続されたソース電極と を具備してなることを特徴とする絶縁ゲート型電力用半
    導体装置。
  2. 【請求項2】第1導電型ベース層と、 この第1導電型ベース層の表面に直接または間接的に接
    する第2導電型エミッタ層と、 この第2導電型エミッタ層と反対側の前記第1導電型ベ
    ース層の表面に選択的に形成された第2導電型ベース層
    と、 この第2導電型ベース層の表面に選択的に形成された第
    1導電型エミッタ層と、 前記第2導電型ベース層の表面に選択的に形成された第
    1導電型ドレイン層と、 前記第2導電型ベース層の表面に前記第1導電型ドレイ
    ン層から所定距離離れて形成された第1導電型ソース層
    と、 前記第1導電型ドレイン層と前記第1導電型ソース層と
    の間の前記第2導電型ベース層上にゲート絶縁膜を介し
    て形成されたターンオフ用ゲート電極と、 前記第1導電型ベース層と前記第1導電型エミッタ層と
    の間の前記第2導電型ベース層上にゲート絶縁膜を介し
    て設けられたターンオン用ゲート電極と、 前記第2導電型エミッタ層に設けられた第1の主電極
    と、 前記第1導電型エミッタ層に設けられた第2の主電極
    と、 前記第1導電型ドレイン層に設けられたドレイン電極
    と、 前記第2導電型ベース層に設けられ、前記ドレイン電極
    と電気的に接続されたベース電極と、 前記第1導電型ソース層に設けられ、前記第2の主電極
    と電気的に接続されたソース電極と、 前記ターンオン用ゲート電極に電気的に接続された第1
    の電圧入力端子と、 前記ターンオフ用ゲート電極に電気的に接続された第2
    の電圧入力端子と、 前記第1の電圧入力端子と前記ターンオン用ゲート電極
    の下部のゲート絶縁膜との間に設けられた抵抗体と、 前記第1の電圧入力端子と前記第2の主電極との間に設
    けられた容量体と を具備してなることを特徴とするMOSゲート型電力用
    半導体装置。
  3. 【請求項3】第1導電型ベース層と、 この第1導電型ベース層の表面に直接または間接的に接
    する第2導電型エミッタ層と、 この第2導電型エミッタ層と反対側の前記第1導電型ベ
    ース層の表面に選択的に形成された第2導電型ベース層
    と、 この第2導電型ベース層と所定距離離れて前記第1導電
    型ベース層の表面に形成された第2導電型ドレイン層
    と、 前記第2導電型ベース層の表面に選択的に形成された第
    1導電型エミッタ層と、 前記第1導電型ベース層と前記第1導電型エミッタ層と
    の間の前記第2導電型ベース層上にゲート絶縁膜を介し
    て設けられたターンオン用ゲート電極と、 前記第2導電型ベース層と前記第2導電型ドレイン層と
    の間の前記第1導電型ベース層上にゲート絶縁膜を介し
    て設けられたターンオフ用ゲート電極と、 前記第1導電型エミッタ層に設けられた第1の主電極
    と、 前記第2導電型エミッタ層に設けられた第2の主電極
    と、 前記第2導電型ドレイン層に設けられ、前記第1の主電
    極と電気的に接続されたドレイン電極と 前記ターンオン用ゲート電極および前記ターンオフ用ゲ
    ート電極に電気的に接続された電圧入力端子と、 この電圧入力端子と前記ターンオン用ゲート電極の下部
    ゲート絶縁膜との間に設けられた抵抗体と、 前記ターンオン用ゲート電極と第1の主電極との間に設
    けられた容量体と を具備してなることを特徴とする絶縁ゲート型電力用半
    導体装置。
  4. 【請求項4】第1導電型ベース層と、 この第1導電型ベース層の表面に直接または間接的に接
    する第2導電型エミッタ層と、 この第2導電型エミッタ層と反対側の前記第1導電型ベ
    ース層の表面に選択的に形成された第2導電型ベース層
    と、 この第2導電型ベース層の表面に選択的に形成された第
    1導電型エミッタ層と、 前記第2導電型ベース層の表面に選択的に形成された第
    1導電型ドレイン層と、 前記第2導電型ベース層の表面に前記第1導電型ドレイ
    ン層から所定距離離れて形成された第1導電型ソース層
    と、 前記第1導電型ドレイン層と前記第1導電型ソース層と
    の間の前記第2導電型ベース層上にゲート絶縁膜を介し
    て形成されたターンオフ用ゲート電極と、 前記第1導電型ベース層と前記第1導電型エミッタ層と
    の間の前記第2導電型ベース層上にゲート絶縁膜を介し
    て形成されたターンオン用ゲート電極と、 前記第2導電型エミッタ層に設けられた第1の主電極
    と、 前記第1導電型エミッタ層に設けられた第2の主電極
    と、 前記第1導電型ドレイン層に設けられたドレイン電極
    と、 前記第2導電型ベース層に設けられ、前記ドレイン電極
    と電気的に接続されたベース電極と、 前記第1導電型ソース層に設けられ、前記第2の主電極
    と電気的に接続されたソース電極と、 前記ターンオン用ゲート電極および前記ターンオフ用ゲ
    ート電極に電気的に接続された電圧入力端子と、 この電圧入力端子と前記ターンオフ用ゲート電極の下部
    のチャネル領域との間に設けられた容量体と、 前記電圧入力端子と前記ターンオフ用ゲート電極の下部
    のゲート絶縁膜との間に設けられた抵抗体と を具備してなり、 前記ターンオン用ゲート電極、その下部の前記ゲート絶
    縁膜、前記第1導電型ベース層、前記第1導電型エミッ
    タ層および前記第2導電型ベース層からなるターンオン
    用MOSFETのしきい値電圧が、前記ターンオフ用ゲ
    ート電極、その下部の前記ゲート絶縁膜、前記第1導電
    型ドレイン層、前記第1導電型ソース層および前記第2
    導電型ベース層からなるターンオフ用MOSFETのし
    きい値電圧より大きいことを特徴とする絶縁ゲート型電
    力用半導体装置。
  5. 【請求項5】前記第2導電型ベース層は、第1の第2導
    電型ベース層と、第2の第2導電型ベース層とから構成
    され、前記第1の第2導電型ベース層には、前記第1お
    よび第2の第1導電型エミッタ層、ならびに前記ベース
    電極が形成され、前記第2の第2導電型ベース層には、
    前記第1導電型ドレイン層、前記第1導電型ソース層お
    よび前記ドレイン電極が形成されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の絶縁ゲート型電力用半導体装置。
  6. 【請求項6】第1導電型ベース層と、 この第1導電型ベース層の表面に直接または間接的に接
    する第2導電型エミッタ層と、 この第2導電型エミッタ層と反対側の前記第1導電型ベ
    ース層の表面に選択的に形成された第2導電型ベース層
    と、 前記第2導電型ベース層の表面に選択的に形成された第
    1導電型エミッタ層と、 前記第1導電型エミッタ層の表面に選択的に形成された
    第2導電型ドレイン層と、 前記第1導電型ベース層と前記第1導電型エミッタ層と
    の間の前記第2導電型ベース層上にゲート絶縁膜を介し
    て設けられたターンオン用ゲート電極と、 前記第2導電型ベース層と前記第2導電型ドレイン層と
    の間の前記第1導電型エミッタ層上にゲート絶縁膜を介
    して設けられたターンオフ用ゲート電極と、 前記第1導電型エミッタ層に設けられた第1の主電極
    と、 前記第2導電型エミッタ層に設けられた第2の主電極
    と、 前記第2導電型ドレイン層に設けられ、前記第1の主電
    極と電気的に接続されたドレイン電極と 前記ターンオン用ゲート電極および前記ターンオフ用ゲ
    ート電極に電気的に接続された電圧入力端子と、 この電圧入力端子と前記ターンオン用ゲート電極の下部
    のゲート絶縁膜との間に設けられた抵抗体と、 前記ターンオン用ゲート電極と第1の主電極との間に設
    けられた容量体と を具備してなることを特徴とする絶縁ゲート型電力用半
    導体装置。
  7. 【請求項7】前記抵抗体および容量体は、前記ゲート電
    極の一部を用いて構成されていることを特徴とする請求
    項2、3、4、または6に記載の絶縁ゲート型電力用半
    導体装置。
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