JP3296981B2 - 樹脂積層コアを持つ超砥粒ホイール - Google Patents
樹脂積層コアを持つ超砥粒ホイールInfo
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Description
ラミックス成形体等の研削に用いる超砥粒ホイールに係
り、特に肉厚方向に樹脂の層を積層して形成した樹脂積
層コアを備える超砥粒ホイールに関する。
加工に用いるダイヤモンドホイールは、研削装置の回転
主軸に連結されて高速回転させることによってワークを
研削する。このような研削加工用のホイールでは、ホイ
ールがワークから受ける研削抵抗が大きいので、ホイー
ルの強度を保つために円盤状のコアの周面に有機質接着
剤で砥粒層を付着させるという構成がその基本である。
そして、コアとしては、たとえばアルミニウムや鉄が従
来では一般に使用されている。
る場合では、ホイールを高速回転させてそのワークを研
削するときには、コアの剛性が高いためにワークに折損
を生じたり研削面にビビリ痕を残してしまうことが多
い。
に樹脂成形体を中間層として形成し、この樹脂成形体に
よって研削時のコアの剛性による先のような問題を解消
しようとする試みが従来においてもみられる。しかしな
がら、樹脂を素材とした中間層の半径方向の厚さが十分
にとれないような大きさのホイールでは、コアの剛性を
低減する効果は薄く、ワークに対する悪影響は避けられ
ない。また、コアと砥粒層に加えて中間層も形成するこ
とが必要なので、素材数及び加工工程が増えることにな
るコスト面での障害も大きい。
製として金属製のコアに比べて剛性を小さくすることに
よって研削性能を向上させようとしたものとして、たと
えば特公昭63−62343公報や特開平2−1164
75号公報に記載のものがある。前者の公報に記載のホ
イールは、砥粒層と樹脂組成物コアを同時に成形するよ
うにしたものであり、後者のものは予め成形したメタル
ボンド砥粒層を金型にセットして樹脂組成物のコアを成
形すると同時に一体化することによってホイールを製造
するというものである。
とでホイール全体の剛性を下げることができるので、ワ
ークに対する研削性能が向上すると共に、ワーク表面の
ビビリ痕の発生も防止することは可能である。
も、樹脂粉末と充填粉末の混合物を金型に投入して成形
する方法であるため、その製造にはコア成形用の専用の
金型を準備しておけばよい。したがって、このような金
型によって各種の寸法のホイールの製造の量産には適し
ているといえる。
るワークの種類は多岐に亘るので、それぞれのワークに
適した大きさ及び形状のホイールを製作するには、専用
の金型による製造では十分に対応できない。
も、コアの全体を一体の合成樹脂主体で形成した場合で
は、その弾性によるワークへの悪影響を避けることはで
きるものの、厚さが薄いような場合には研削負荷による
コアの座屈変形等が発生する恐れがある。そして、この
ような変形が微量であっても研削精度には大きな影響を
及ぼすことになり、加工精度を高く保つ必要があるワー
クへの汎用性が損なわれることになる。
脂をコアの素材として研削負荷に対する弾性能を持たせ
て高い効率での研削を可能とすると共に強度的にも安定
した超砥粒ホイールを提供することにある。
とダイヤモンドまたはCBNからなる砥粒層の内周面と
を嵌合するか、砥粒層の成形と同時に金型によってコア
の外周に加熱しながら接合する接合によって一体化した
樹脂積層コアを持つ超砥粒ホイールであって、前記コア
が、合成樹脂層と、紙,綿布,ガラスクロス,炭素繊維
布,ポリイミド繊維布,金属メッシュの中の何れかの基
材層との重合層を肉厚方向に交互に重合した積層体をコ
アの孔から外周縁まで一様に展開させた樹脂積層コアで
あり、前記コアを熱処理して、コアの外周面と砥粒層の
内周面との間の接合面に圧縮応力を作用させたことを特
徴とする。
備える超砥粒ホイールを半径方向に切断したとき要部の
縦断面図である。
むための孔1aを開けたコア1の外周の全周に一様厚さ
のレジンボンドダイヤモンドをその素材とする砥粒層2
が一体に接合されている。
交互に重合させた断面構造を持ち、これらの合成樹脂層
1b及び基材層1cをそれぞれ孔1aから外周縁まで一
様に展開させた積層体として構成されている。
層の積層体として各種の分野で使用されているものが適
用でき、一定の肉厚の合成樹脂層と基材層との重合体を
複数段の積み重ねとし、プレス成形による加圧及び加熱
操作等によって各層を一体に接合して固形化することに
よって得られるものである。
ェノール,ポリイミド,エポキシ,メラミン,シリコ
ン,ポリエステル等の各合成樹脂を挙げることができ
る。また、基材層1cに適したものとしては、紙,綿
布,ガラスクロス,炭素繊維布,ポリイミド繊維布,金
属メッシュ等が挙げられる。そして、これらの合成樹脂
及び基材素材の選択や組み合わせは、コア1を成形した
後に一体に接合される砥粒層2の物性のほか、合成樹脂
層1bの周面と砥粒層2との接合面の接着性やワークに
対する研削条件等に応じて適宜決めることができる。
1cの積層体は、従来から一般に市販されているものが
そのまま使用できる。すなわち、予め専用設備によって
定形寸法に成形した積層体が市場に供給されており、こ
れはそのまま簡易に保管することができる。そして、従
来構造においてコアとして使用されているアルミニウム
や鉄のと同様に機械加工して円盤状に成形することがで
き、既存の設備や金型が使用でき、専用の金型は必要な
い。
体として予め製作したものとするか、砥粒層2自体の成
形と同時に金型によってコア1の外周に加熱しながら接
合することによって製作する。この場合、たとえばコア
1の外周の全周に凹溝を刻んでおきと砥粒層2にはこの
凹溝に入り込む凸部を持たせることによって接合度を強
くするような組立てとすることが好ましい。また、この
外にも、コア1の外周面をショットブラスト加工によっ
て微小な凹凸面を形成させて砥粒層2との接合面積を増
やしたり、接合面の溶剤による超音波洗浄やプライマー
処理及び接着剤を塗布したりすることによっても、接着
強度の高いホイールを得ることができる。
外周に砥粒層2を接合して成形するときに加熱処理され
ると、未反応部の反応の進行や硬化反応のさらなる進行
により寸法が変化するような二次収縮を発生する。この
合成樹脂層1bの二次収縮が砥粒層2の成形収縮より大
きくなると、これらの合成樹脂層1bと砥粒層2との間
に引っ張り応力が生じる。そして、この引っ張り応力が
合成樹脂層1bと砥粒層2との間の接着強度より大きい
場合には、剥離破壊を発生してしまうことになる。
2との間に安全な接着強度を得るには、接合した後の組
立て後にそれぞれの接合面に小さな圧縮応力が残ってい
るようにすれば、合成樹脂層1bと砥粒層2の間の嵌合
力を増強することができ、これによって安定した接合が
可能となる。
含むコア1について熱処理を行ってその寸法変化を測定
した結果、熱処理時間に対するコア1の寸法変化は図2
の線図に示す特性を一般的に表す傾向にあることが判っ
た。この寸法変化の特性は、コア1は熱処理しないとき
が最も寸法変化が大きくて、熱処理時間が長いすなわち
加熱量が増加するに従って寸法変化は減少していき最終
的には寸法変化はほぼ零になることを示している。
な組成の場合では、熱処理しないか短時間での処理とす
ればコア1の収縮率も砥粒層2に合わせることができ、
同様に砥粒層2の成形収縮率が小さいときにはコア1の
熱処理時間を長くしその収縮率を小さくして砥粒層2に
収縮変形量を合わせることができる。このように、合成
樹脂層1bを含むコア1に対する熱処理の操作を適切に
することで、コア1の外周面と砥粒層2の内周面との間
の嵌合接合においてそれぞれの接合面に圧縮応力を作用
させた接合を得ることができ、コア1と砥粒層2との間
の剥離破壊を防ぐことができる。
コア1の外周面に嵌合したり、砥粒層2をチップ状とし
て接着する場合では、接着剤の加熱硬化時のコア1の寸
法変化を小さくして嵌合精度を保つ必要があるので、コ
ア1は長時間熱処理したものとすることが好ましい。
れが半径方向の全長に展開しているので、砥粒層2によ
る研削時にはこの合成樹脂層1bによって適度な弾性を
持たせることができる。このため、高速回転での研削で
あっても、コア1を金属製としたものに比べると剛性を
下げることができ、ワークの折損や表面のビビリ痕を発
生することが防止される。
層の方向は、図1から明らかなようにコア1の厚さ方向
であり、砥粒層2によるワークへの研削の際に受ける研
削反力はこの積層方向とは直交する向きに作用する。そ
して、合成樹脂層1b及び基材層1cはそれぞれが交互
に重合されて積層方向に加圧成形されたものなので、研
削反力に対しては合成樹脂層1b及び基材層1cの複数
の層の断面の総和がこれを受けることになる。したがっ
て、基材2cがたとえば紙のように脆弱なもので強度的
な面ではコア1が合成樹脂を主体とするものであって
も、合成樹脂層1bの各層が加圧成形されて展延した方
向を圧縮する向きの作用力であることから、研削反力に
対しては十分な強度を持たせることが可能である。
は、コア1の全体の肉厚を細分化したものなので弾性的
なしなりを潜在的に持つ。したがって、研削時のワーク
の表面との間のホイールの相対的な姿勢の変動が激しく
生じたりしても、このような合成樹脂層2bのしなりの
効果によって、振動等を吸収して安定した研削が維持さ
れることになる。
削盤による超硬ドリルの溝加工に、直径200mmの超
砥粒ホイールを使用した。このホイールのコアはアルミ
ニウム合金としたもので、加工時にワークの超硬ドリル
の折損がみられた。
ール合成樹脂による合成樹脂層1bと布を使用した基材
層1bとから構成したホイールを使用したものでは、ワ
ークの超硬ドリルの折損事故は生じなかった。
来のホイールとフェノール合成樹脂による合成樹脂層1
bと布を使用した基材層1bとから構成した本発明のホ
イールを使っての加工中の砥石軸モーターの電流値の変
化状況を示すものである。
グ状に予め成形しておき、これをコア1の外周にエポキ
シ系接着剤で接着する製法で製造したものである。そし
て、コア1のに対する熱処理条件は、150°Cに昇温
して10時間を加熱時間とした。
ールでは電流値の変化が大きく、その値が非常に高くな
った時にワークが折損することが確認された。一方、本
発明のホイールでは、電流値の変化が小さくて過大とも
ならないので、ホイールによるワークに対する研削負荷
も適度に抑えられていることが判り、これによってワー
クの折損を伴わないことも確認された。
の超硬ロールの外周を直径で2mm研削する作業に、直
径400mm,厚さ22mmでアルミニウム製のコアの
外周に樹脂成形体の中間層を備えると共にその外周に砥
粒層を設けた従来のホイールを使用した。この研削加工
ではワークの研削代が多いため、ホイール切込を大きく
して加工能率を上げようとすると、ビビリの発生がみら
れた。
と同じとして図1にに示したコア1の合成樹脂層1bを
フェノール樹脂とすると共に基材層1cをガラスクロス
材としたホイールを使用した。この場合では、ホイール
の切込を2倍にしてもビビリを発生しないことが確認さ
れ、加工能率も2倍に向上した。また、研削音も低減さ
れたほか、ホイール自身の重量も従来のホイールと比較
して約35%軽くすることができた。
フェノール樹脂を素材とした合成樹脂層1bと布を素材
とした基材層1cとによって直径760mm,厚さ30
mmの超硬溶射ロール研削用のホイールを作成した。こ
のホイールの砥粒層2は収縮率が大きい組成(たとえ
ば、充填剤としてパルプを用いるフェノール樹脂成形材
料など)であっため、コア1に対しての熱処理条件は1
50°Cまで昇温及び30分間の加熱とした。その後、
コア1の外周面であって砥粒層2との接合面部にショッ
トブラスト掛けの処理を施すと共に、超音波洗浄及びた
とえばフェノール樹脂系の接着剤を塗布をし、砥粒層成
形用金型に装着して砥粒層の成形と同時に両者を接合し
た。
00mmの超硬溶射ロールを研削したところ、従来ホイ
ールに比べると研削音が低減した。また、ホイールの重
量も約50%軽減され、研削盤負荷や消費電力の低減が
可能となった。
の肉厚方向に積層してその外周に砥粒層を接合している
ので、適度な弾性を持たせた研削によってワークの折損
や表面のビビリ痕のない研削が効率的に行うことができ
る。そして、合成樹脂層の積層体であることから、一体
の肉厚とした従来の合成樹脂製のコアに比べると研削負
荷に対する強度も向上するほか各合成樹脂層のしなりに
よって研削時の振動を吸収した加工が可能となり、加工
能率の向上,加工面の品位の向上,研削音の低下による
作業環境の改善,軽量化による作業性の向上,研削盤負
荷の軽減,消費電力の低減が図られる。
を示す概略縦断面図である。
関係を示す線図である。
ルと本発明の超砥粒ホイールの溝切り深さ加工時での砥
石回転軸駆動モータの電流値の変化を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 コアの外周面とダイヤモンドまたはCB
Nからなる砥粒層の内周面とを嵌合するか、砥粒層の成
形と同時に金型によってコアの外周に加熱しながら接合
する接合によって一体化した樹脂積層コアを持つ超砥粒
ホイールであって、前記コアが、合成樹脂層と、紙,綿布,ガラスクロス,
炭素繊維布,ポリイミド繊維布,金属メッシュの中の何
れかの基材層との重合層を肉厚方向に交互に重合した積
層体をコアの孔から外周縁まで一様に展開させた樹脂積
層コアであり、 前記コアを熱処理して、コアの外周面と砥粒層の内周面
との間の接合面に圧縮応力を作用させた 樹脂積層コアを
持つ超砥粒ホイール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32836596A JP3296981B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 樹脂積層コアを持つ超砥粒ホイール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32836596A JP3296981B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 樹脂積層コアを持つ超砥粒ホイール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10166274A JPH10166274A (ja) | 1998-06-23 |
JP3296981B2 true JP3296981B2 (ja) | 2002-07-02 |
Family
ID=18209443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32836596A Expired - Lifetime JP3296981B2 (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | 樹脂積層コアを持つ超砥粒ホイール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3296981B2 (ja) |
-
1996
- 1996-12-09 JP JP32836596A patent/JP3296981B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10166274A (ja) | 1998-06-23 |
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