JP2004223624A - 超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの製造方法 - Google Patents

超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの製造方法 Download PDF

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親寿 五十嵐
Akitatsu Kogo
明達 向後
Masakazu Sato
政和 佐藤
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Abstract

【課題】ワーク表面の研削仕上り精度の向上が可能で、ホイール回転が円滑で振れによる振動の発生が防止された研削ホイールを提供する。
【解決手段】一般砥粒を含み超砥粒を含まないビトリファイド組成物からなるコア部用成形素体と超砥粒を含むビトリファイド組成物からなる円環状の外周部用成形素体とを形成し、コア部用成形素体の外周面に外周部用成形素体の内周面を適合させ同時焼成することにより円板状砥石ユニット12−Nを得、これを複数互いに同軸状となるように重畳させ砥石重畳体10を形成する。その際に砥石ユニットの隣接するものどうしを接着剤により接着し、硬化後の接着剤の層22の厚さを平均厚さが250μm以下で最大厚さと最小厚さとの差が50μm以下となるようにする。接着剤を砥石ユニットの側面から一般砥粒の平均粒径の5倍以上の深さまで浸透させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研削技術に属するものであり、特に外周部に超砥粒ビトリファイド砥石からなる研削機能部を有する研削ホイールに関するものである。本発明の研削ホイールは、たとえば棒状の被研削物の外周面をセンターレス研削加工するのに好適に利用することができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、金属その他の材質の被研削物の表面研削に、超砥粒ビトリファイド砥石からなる研削機能部を有する研削ホイールが使用されている。被研削物が断面円形状の外周面を有する棒状や筒状をなす場合には、センターレス研削と呼ばれる研削方法を採用することができる。この研削方法では、ワーク(被研削物)を、研削ホイールと調整ホイールとワークレストとにより、これらの間にて研削ホイールの回転中心軸方向とほぼ平行な姿勢にて回転自在に維持する。そして、研削ホイールの外周面である研削機能面にワークの外周面を当接させ、調整ホイールの作用によりホイール回転軸方向に沿ってワークを移動させながら、ワークの外周面を研削する。
【0003】
このセンターレス研削のためには、回転軸方向に所要の寸法(幅)を有する研削ホイールが必要である。従来、このような研削ホイールとしては、円筒状のコア部の外周に超砥粒ビトリファイド砥石からなる研削機能部を付したものが利用されている。
【0004】
研削機能部とコア部との熱膨張収縮性に大きな差があると、製造時に破損が生ずる。また、研削時その他において研削ホイールには温度変化が発生する。コア部と研削機能部との熱膨張収縮性に大きな差があると、研削機能部に上記温度変化に基づき内部応力が発生し、研削機能部の表面形状精度が低下するおそれがある。そこで、コア部と研削機能部との熱膨張収縮性を同等にし、内部応力に基づく研削機能部の表面形状精度低下を防止するために、コア部として、超砥粒の代わりに一般砥粒等の無機質粒子からなる骨材を用いたことを除いて実質上研削機能部と同等の構成を有するものが用いられる。このコア部は、実際に研削機能を発揮することはないが、一般砥粒を用いたビトリファイド砥石と同等またはそれに類似するものであるので、本明細書においては、便宜上「一般砥粒ビトリファイド砥石」ということにする。
【0005】
ところで、従来のセンターレス研削のための研削ホイールでは、ホイール幅寸法が比較的大きいことに基づく製造上の理由から、研削機能部は周方向に関し複数に分割されたセグメントの形態をなしているのが通例であり、これらのセグメントは接着剤によりコア部の外面に接合されている。この様な形態の研削ホイールは、例えば特開平9−314470号公報に記載されている。
【0006】
しかるに、以上の様に研削機能部の外周面により構成される研削機能面において周方向に関し隣接セグメント間の不連続が存在すると、その近傍の部分において研削加工に伴う研削機能部の摩耗が早められて、研削機能面に段差が発生することがある。経時的にこの様な状態に立ち至ると、ワーク表面の仕上り粗さが大きくなるなどのワーク表面の研削仕上り精度の低下が発生する。
【0007】
また、センターレス研削のための研削ホイールでは、ホイール幅寸法が比較的大きいことから、軸体に取り付けて回転させた時に振れによる振動が発生しやすく、この振動によってもワーク表面の研削仕上り精度の低下が発生する。
【0008】
そこで、本発明は、以上の様な従来の超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの有する問題点を解消し、ワーク表面の研削仕上り精度の向上が可能で、研削ホイール回転が円滑になされ、振れによる振動の発生が防止された研削ホイールの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、
一般砥粒ビトリファイド砥石からなるコア部と該コア部の外側に前記コア部に連続して形成された超砥粒ビトリファイド砥石からなる外周部とを有する円板状砥石ユニットが複数互いに同軸状となるように軸方向に重畳されて砥石重畳体を形成しており、前記外周部は周方向に連続する円環状をなしている超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールを製造する方法であって、
一般砥粒を含み超砥粒を含まない第1のビトリファイド組成物からなるコア部用成形素体と超砥粒を含む第2のビトリファイド組成物からなる円環状の外周部用成形素体とを形成し、前記コア部用成形素体の外周面に前記外周部用成形素体の内周面を適合させ同時焼成することにより前記円板状砥石ユニットを得、該砥石ユニットを複数互いに同軸状となるように軸方向に重畳させ、その際に複数の前記砥石ユニットの隣接するものどうしを接着剤により接着し、硬化後の前記接着剤の層の厚さを平均厚さが250μm以下で最大厚さと最小厚さとの差が50μm以下となるようにすることを特徴とする、超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの製造方法、
が提供される。
【0010】
本発明の一態様においては、前記砥石重畳体の重畳状態を保持手段により保持する。本発明の一態様においては、前記コア部用成形素体の中央に軸方向に貫通せる貫通孔を形成しておき、前記保持手段として軸体と挟持部材とを備えているものを用い、前記砥石重畳体において前記コア部用成形素体の貫通孔に対応して形成された前記コア部の貫通孔の集合として形成される貫通開口に前記軸体を通し、前記挟持部材により前記砥石重畳体を挟持し前記軸体に対して前記砥石重畳体を支持する。
【0011】
本発明の一態様においては、前記接着剤としてフィルム状またはシート状のものを使用し、これを互いに隣接する複数の前記砥石ユニット間に介在させ硬化させることで接着する。本発明の一態様においては、前記接着剤をスクリーン印刷により互いに隣接する複数の前記砥石ユニットの少なくとも一方に塗布し次いで該一方の前記砥石ユニットに他方の砥石ユニットを適合させ、しかる後に接着剤を硬化させる。
【0012】
本発明の一態様においては、前記接着剤を前記砥石ユニットの側面から前記一般砥粒の平均粒径の5倍以上の深さまで浸透させる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は本発明の製造方法により得られる超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの一実施形態を示す模式的断面図であり、図2はその砥石重畳体の模式的斜視図であり、図3はその砥石ユニットの模式的斜視図である。
【0015】
図2に示されている様に、砥石重畳体10は、複数の砥石ユニット12(12−N:ここでNは1〜nの整数)からなる。本実施形態では砥石ユニット12の数nは8であるが、本発明においては砥石重畳体を構成する砥石ユニットの数は、これに限定されるものではない。図3に示されている様に、各砥石ユニット12は、円板状をなしており、外径がDで、厚さ(幅)がTである。外径Dは、例えば、150〜760mmであり、厚さTは、例えば、5〜100mmであるが、これに限定されるものではない。本実施形態では、全ての砥石ユニット12が実質上同等である(即ち、構造、形状及び寸法が同一である)。砥石重畳体10の厚さは、例えば、100〜800mmであるが、これに限定されるものではない。
【0016】
各砥石ユニット12は、コア部14と該コア部の外側に連続して形成された外周部16とを有する。外周部16は、周方向に連続する円環状をなしており、その内周面がコア部14の外周面上に位置している。
【0017】
コア部14は一般砥粒ビトリファイド砥石からなり、外周部16は超砥粒ビトリファイド砥石からなる。超砥粒としては、CBN(立方晶窒化ホウ素)砥粒またはダイヤモンド砥粒が用いられる。超砥粒は、例えば粒度が#80〜#600、特に#100〜250であるが、これに制限されるものではない。一般砥粒ビトリファイド砥石に含まれる骨材としては、例えばアルミナ砥粒、ムライト砥粒または炭化ケイ素砥粒等の一般砥粒が用いられる。この骨材の粒度は、特に制限されるものではないが、例えば上記超砥粒の粒度と同程度のものが例示される。
【0018】
コア部14を構成する一般砥粒ビトリファイド砥石と外周部16を構成する超砥粒ビトリファイド砥石とは、共通の結合剤を用いて形成することが好ましい。尚、超砥粒ビトリファイド砥石は、砥粒として超砥粒のみを含むものであってもよいし、砥粒として超砥粒と一般砥粒とを含むものであってもよい。また、超砥粒ビトリファイド砥石は、密度が1.97〜2.86g/cm で、曲げ強度が4.67〜14.46kg/mm であるのが好ましい。これにより、特に、大径であっても高集中度で安定して高い研削性能を発揮する研削ホイールを提供することができる。
【0019】
図3に示されている様に、コア部14の中央には軸(回転中心軸:回転対称軸)Xの方向に貫通せる貫通孔18が形成されており、図2に示されている様に、砥石重畳体10においてはコア部14の貫通孔18の集合として貫通開口20が形成されている。
【0020】
図1に示されている様に、砥石重畳体10は、その貫通開口20を通る軸体30と該軸体に付設された挟持部材32,32’とを有する支持手段により支持される。軸体30は、回転中心軸Xを中心として回転する様に、センターレス研削機等の研削機に装着される。挟持部材32,32’は、両側から砥石重畳体10を挟持するように、軸体30に固定される。この固定は、例えば、挟持部材32,32’に形成したネジ孔を介して止めネジ34,34’をネジ込むことで、行なうことができる。これにより、砥石重畳体10をその重畳状態を保持するように挟持することができる。
【0021】
砥石重畳体10において、複数の砥石ユニット12−Nは互いに同軸状(即ち、各砥石ユニットの回転中心軸Xが同一)となるように軸方向に重畳されている。
【0022】
砥石重畳体10において、砥石ユニット12の隣接するものどうしの間には接着剤層22が介在している。接着剤層22を形成するための接着剤としては、例えばエポキシ系接着剤(熱硬化性接着剤)またはホットメルト接着剤(熱可塑性接着剤)を用いることができる。接着剤層22の厚さは、平均厚さが250μm以下、好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下で、最大厚さと最小厚さとの差が50μm以下、好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下とされている。
【0023】
以上の様な本実施形態の研削ホイールによれば、所要の研削仕様に応じた厚さ(回転中心軸Xの方向の寸法)が得られる様に、必要個数の砥石ユニット12を用いて容易に砥石重畳体10を形成することができる。
【0024】
更に、互いに隣接する砥石ユニット間に、それぞれ厚さが薄く且つばらつきの少ない接着剤層22が介在しているので、研削ホイール全体の形状バランスは良好であり、回転時に振れが生じにくく、従って振動発生が低減され、回転は滑らかなものとなる。
【0025】
また、研削機能面を構成する外周面を有する外周部16は周方向に連続する円環状をなしているので、研削に伴って経時的に研削機能面に段差が発生するようなことがなく、ワーク表面の仕上り面粗さが大きくはならず、ワーク表面の研削仕上り精度は良好に維持される。
【0026】
また、コア部14と研削機能部たる外周部16とをいずれもビトリファイド砥石からなるものとし共通の結合剤を使用することで、これらの熱膨張収縮性を同等にし、内部応力に基づく研削機能部の表面形状精度低下を防止することが可能である。
【0027】
しかも、一般砥粒ビトリファイド砥石からなるコア部14と超砥粒ビトリファイド砥石からなる外周部16とが連続して形成されているので、研削停止後の研削再開の際には、コア部14内に周方向に関して偏って保持されている研削液等の液体は、研削ホイール回転の遠心力により、コア部14と外周部16とで連続して形成されているビトリファイド気孔を伝って、直ちに外周部16へと移動し直ちに外部へと放出される。かくして、研削ホイール回転は直ちに円滑になり、振れによる振動の発生は殆どない。これにより、研削ホイールを装着した研削機の回転駆動系の劣化は少なくなり、研削の際にワークに均一な押圧力を与えて研削性能を向上させ、ワークの仕上り面の粗さ精度が向上する。従って、コア部全面に面倒な研削液侵入の阻止のための樹脂被覆ないし含浸を施す必要がない。
【0028】
以上の実施形態では、砥石重畳体10において全ての砥石ユニット12が同等であるものとしたが、本発明においては、砥石重畳体10を構成する複数の砥石ユニット12として軸方向位置に応じて異なるものを使用することも可能である。例えば、厚さ等の寸法を異ならせたり、超砥粒ビトリファイド砥石に含まれる超砥粒の粒径や集中度を異ならせたりすることができる。
【0029】
例えば、超砥粒ビトリファイド砥石に含まれる超砥粒の粒径が、砥石重畳体10における砥石ユニット12の位置が回転中心軸Xに沿って一の向き(ワークが移動する向き)に進むに従って次第に小さくなる様にすることができる。この様な形態によれば、ワークの進行する向きに関して、最初は粒径の比較的大きな(粗い)超砥粒の砥石ユニット12が少なくとも1つ位置し、次いで粒径の中程度の超砥粒の砥石ユニット12が少なくとも1つ位置し、次いで粒径の比較的小さな(細かい)超砥粒の砥石ユニット12が少なくとも1つ位置する様にし、これにより、荒研削から仕上げ研削までを一貫して行なうことが可能となる。
【0030】
また、回転中心軸Xの方向の位置に応じて砥石ユニット12の外径を異ならせることも可能である。このような研削ホイールは、ワークをX方向に移動させることなく研削するのに使用される。
【0031】
図4は本発明による超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの製造方法の一実施形態の説明のための模式的斜視図である。
【0032】
先ず、図4(a)に示されている様に、コア部用成形素体14aと外周部用成形素体16aとを形成する。コア部用成形素体14aは、焼成により上記コア部14を形成するためのものであり、所要のビトリファイド結合剤とそれに分散された一般砥粒とを含み超砥粒を含まない第1のビトリファイド組成物からなるものである。また、外周部用成形素体16aは、焼成により上記外周部16を形成するためのものであり、所要のビトリファイド結合剤とそれに分散された超砥粒とを含む第2のビトリファイド組成物からなるものである。これらの成形素体は、いずれも冷間プレスにより所要の形状に成形されている。コア部用成形素体14aは中央に貫通孔18aが形成されており、該貫通孔18aはコア部14の貫通孔18を形成するためのものである。外周部用成形素体16aは円環状をなしている。
【0033】
次に、図4(b)に示されている様に、コア部用成形素体14aの外周面に外周部用成形素体16aの内周面を適合させ、同時焼成する。これにより、上記図3に示される様な円板状の砥石ユニット12が得られる。
【0034】
なお、コア部用成形素体14aと外周部用成形素体16aとを図4(b)に示される形態にて同時に冷間プレスにて一体形成し、これを焼成して、上記図3に示される様な円板状の砥石ユニット12を得ることも可能である。
【0035】
このように、コア部用成形素体14aの外周面に外周部用成形素体16aの内周面を適合させ同時焼成することにより、密度1.97〜2.86g/cm で曲げ強度4.67〜14.46kg/mm の超砥粒ビトリファイド砥石からなる外周部16を有する高集中度(例えば180以上)で高強度で大径(例えば外径400mm以上)の砥石ユニット12が安定して得られる。
【0036】
次に、砥石ユニット12を複数互いに同軸状となるように軸Xの方向に重畳させることで、上記図2に示されている様な砥石重畳体10を形成する。この砥石重畳体10を形成するに際して、隣接する砥石ユニット間に接着剤を介在させる。この接着剤は、重畳体の形成後に硬化され、接着剤層22となる。
【0037】
砥石ユニット12の側面に厚さが薄く且つばらつきの少ない接着剤層22を形成するためには、たとえば接着剤の塗布を次のようにして行う。
【0038】
即ち、接着剤としてフィルム状またはシート状のものを使用し、これを互いに隣接する複数の砥石ユニット12間に介在させ硬化させる。フィルム状接着剤としては、例えば、ナガセケムテックス社製の熱硬化性フィルムタイプエポキシ接着剤「DENABOND」(商品名)または、ダイセルファインケム社製のホットメルト用フィルムタイプ接着剤「ダイアミド」(商品名)を挙げることができる。これらの接着剤は例えばフィルム厚さが50〜200μmであり、厚さの均一性が極めて良好であり、砥石ユニットの側面に対応する形状に切り出し、これを一方の砥石ユニットの側面に適合し、更にこのフィルム状接着剤に他方の砥石ユニットの側面を適合させて所要の温度に加熱硬化または加熱冷却硬化させることで、厚さの均一性の良好な接着剤層22を形成することができる。
【0039】
また、接着剤をスクリーン印刷により互いに隣接する砥石ユニット12の少なくとも一方に塗布し次いで該一方の砥石ユニットに他方の砥石ユニットを適合させ、しかる後に接着剤を硬化させることで接着することも可能である。このスクリーン印刷に際しては、紗として株式会社八尾金網製作所製のステンレス・スクリーンを使用することができる。ステンレス・スクリーンを使用することにより、所要厚さに均一性良く接着剤を塗布することができ、厚さ均一性の良好な接着剤層22を形成することができる。
【0040】
本実施形態においては、接着剤を砥石ユニット12の側面から一般砥粒の平均粒径の5倍以上、好ましくは10倍以上の深さまで浸透させるのが好ましい。このような浸透は、例えば接着剤を介在させた砥石ユニット同士を互いに適宜の圧力で押圧しながら硬化させることで行うことができる。このような砥石ユニットの側面への接着剤の浸透により、各砥石ユニットの外周部エッジの砥粒脱落や欠けを防止することができる。
【0041】
このように、複数の砥石ユニット12の隣接するもの同士を接着剤により接合することで、軸体30に装着するまでの砥石重畳体10の取扱が容易になる。
【0042】
次に、図1に示されている様に、軸体30と挟持部材32,32’とを備えている支持手段を用い、砥石重畳体10においてコア部用成形素体14aの貫通孔18aに対応して形成されたコア部貫通孔18の集合として形成される貫通開口20に軸体30を通し、挟持部材32,32’及び止めネジ34,34’により砥石重畳体10を挟持して、軸体30に対して砥石重畳体10を支持する。これにより、図1に示される研削ホイールが得られる。
【0043】
以下、実施例及び比較例により本発明の研削ホイールの製造方法を更に説明する。
【0044】
比較例1
図5に斜視図を示す研削砥石を用いて、以下に示す条件にてセンターレス研削を行なった。尚、図5において、一般砥粒ビトリファイド砥石からなるコア部114の外周面上に、不図示のエポキシ系接着剤により複数の砥石セグメント110が接合されている。砥石セグメント110は、大略矩形状の湾曲した形状をなしており、周方向に12個配列したものが軸Xの方向に3段に配列されている。砥石セグメント110は、一般砥粒ビトリファイド砥石からなるベース部115とその上の超砥粒ビトリファイド砥石からなる研削機能部116とからなる。この超砥粒ビトリファイド砥石は、粒度#120のCBN砥粒を集中度200で含むものであり、砥粒体積率50%、結合剤体積率20%、気孔体積率30%であった。
【0045】
研削砥石の寸法は、外径が500mmであり、内径が304.8mmであり、厚さが205mmであった。
【0046】
ワークとして外径7mmで長さ20mmのSUJ2(HRC58〜60)を使用し、砥石周速45m/sにてセンターレス研削を行なった。開始から4万本目の後5万本目までの1万本につき研削後ワークの面粗度を測定したところ、その平均は1.0μmRzであった。
【0047】
実施例1
図1〜4に関し説明した様な以下に示す研削ホイールを用いて、以下に示す条件にてセンターレス研削を行なった。
【0048】
8個の砥石ユニット12により砥石重畳体10を構成した。隣接砥石ユニット間にはナガセケムテックス社製の熱硬化性フィルムタイプエポキシ接着剤「DENABOND FA−1354」(商品名){フィルム厚100μm}を介在させ、これを所定の押圧条件下で加熱硬化させて、接着剤層22を形成した。接着剤層の平均厚さは100μmであり、最大厚さと最小厚さとの差が10μm以下であり、砥石ユニットの側面から140μmの深さまで接着剤が浸透していた。
【0049】
各砥石ユニット12の外周部16を構成する超砥粒ビトリファイド砥石は、粒度#120のCBN砥粒を集中度200で含むものであり、砥粒体積率50%、結合剤体積率20%、気孔体積率30%で、密度2.21g/cm で曲げ強度7.31kg/mm であった。外周部16の厚さは3mmであった。コア部14を構成する一般砥粒ビトリファイド砥石は、粒度#120のムライトを含むものであり、ムライト体積率50%、結合剤体積率15.8%、気孔体積率34.2%であった。但し、これらの値は、接着剤が浸透していない部分のものである。
【0050】
砥石重畳体10の寸法は、外径が500mmであり、内径が304.8mmであり、厚さが205mmであった。
【0051】
上記比較例1と同様に、ワークとして外径7mmで長さ20mmのSUJ2(HRC58〜60)を使用し、砥石周速45m/sにてセンターレス研削を行なった。開始から4万本目の後5万本目までの1万本につき研削後ワークの面粗度を測定したところ、その平均は0.38μmRzであった。これは、比較例1により得られた面粗度の40%以下の値であり、比較例1と比べて面粗度が十分に向上している。また、加工時におけるワークの移動は極めて滑らかであった。
【0052】
実施例2
接着剤層22の形成に際してエポキシ系接着剤をスクリーン印刷(紗として株式会社八尾金網製作所製の180メッシュのステンレス・スクリーンを使用)により塗布したことを除いて、実施例1と同様にして研削ホイールを作製した。接着剤層の平均厚さは100μmであり、最大厚さと最小厚さとの差が10μm以下であり、砥石ユニットの側面から140μmの深さまで接着剤が浸透していた。この研削ホイールを用いて実施例1と同様にしてセンターレス研削を行なった。開始から4万本目の後5万本目までの1万本につき研削後ワークの面粗度を測定したところ、その平均は0.40μmRzであった。
【0053】
参考例1
接着剤層22の形成に際してエポキシ系接着剤を刷毛塗りにより塗布したことを除いて、実施例1と同様にして研削ホイールを作製した。接着剤層の平均厚さは300μmであり、最大厚さと最小厚さとの差が350μmであり、砥石ユニットの側面から140μmの深さまで接着剤が浸透していた。この研削ホイールを用いて実施例1と同様にしてセンターレス研削を行なった。開始から4万本目の後5万本目までの1万本につき研削後ワークの面粗度を測定したところ、その平均は0.52μmRzであった。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ワーク表面の研削仕上り精度の向上が可能で、コア部へ液体が侵入してもホイール回転開始時の遠心力により迅速に外部へと放出され、かくして研削ホイール回転が円滑になされ、振れによる振動の発生が防止された研削ホイールの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により得られる超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの一実施形態を示す模式的断面図である。
【図2】砥石重畳体の模式的斜視図である。
【図3】砥石ユニットの模式的斜視図である。
【図4】本発明による超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの製造方法の一実施形態の説明のための模式的斜視図である。
【図5】比較例で使用した研削砥石を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
10 砥石重畳体
12,12−N,12−1〜12−8 砥石ユニット
14 コア部
14a コア部用成形素体
16 外周部
16a 外周部用成形素体
18 貫通孔
18a 貫通孔
20 貫通開口
22 接着剤層
30 軸体
32,32’ 挟持部材
34,34’ 止めネジ
X 回転中心軸

Claims (6)

  1. 一般砥粒ビトリファイド砥石からなるコア部と該コア部の外側に前記コア部に連続して形成された超砥粒ビトリファイド砥石からなる外周部とを有する円板状砥石ユニットが複数互いに同軸状となるように軸方向に重畳されて砥石重畳体を形成しており、前記外周部は周方向に連続する円環状をなしている超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールを製造する方法であって、一般砥粒を含み超砥粒を含まない第1のビトリファイド組成物からなるコア部用成形素体と超砥粒を含む第2のビトリファイド組成物からなる円環状の外周部用成形素体とを形成し、前記コア部用成形素体の外周面に前記外周部用成形素体の内周面を適合させ同時焼成することにより前記円板状砥石ユニットを得、該砥石ユニットを複数互いに同軸状となるように軸方向に重畳させ、その際に複数の前記砥石ユニットの隣接するものどうしを接着剤により接着し、硬化後の前記接着剤の層の厚さを平均厚さが250μm以下で最大厚さと最小厚さとの差が50μm以下となるようにすることを特徴とする、超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの製造方法。
  2. 前記砥石重畳体の重畳状態を保持手段により保持することを特徴とする、請求項1に記載の超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの製造方法。
  3. 前記コア部用成形素体の中央に軸方向に貫通せる貫通孔を形成しておき、前記保持手段として軸体と挟持部材とを備えているものを用い、前記砥石重畳体において前記コア部用成形素体の貫通孔に対応して形成された前記コア部の貫通孔の集合として形成される貫通開口に前記軸体を通し、前記挟持部材により前記砥石重畳体を挟持し前記軸体に対して前記砥石重畳体を支持することを特徴とする、請求項2に記載の超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの製造方法。
  4. 前記接着剤としてフィルム状またはシート状のものを使用し、これを互いに隣接する複数の前記砥石ユニット間に介在させ硬化させることで接着することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの製造方法。
  5. 前記接着剤をスクリーン印刷により互いに隣接する複数の前記砥石ユニットの少なくとも一方に塗布し次いで該一方の前記砥石ユニットに他方の砥石ユニットを適合させ、しかる後に接着剤を硬化させることで接着することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの製造方法。
  6. 前記接着剤を前記砥石ユニットの側面から前記一般砥粒の平均粒径の5倍以上の深さまで浸透させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの製造方法。
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