JP2003285274A - 超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイール及びその製造方法 - Google Patents

超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイール及びその製造方法

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JP2003285274A
JP2003285274A JP2002194773A JP2002194773A JP2003285274A JP 2003285274 A JP2003285274 A JP 2003285274A JP 2002194773 A JP2002194773 A JP 2002194773A JP 2002194773 A JP2002194773 A JP 2002194773A JP 2003285274 A JP2003285274 A JP 2003285274A
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grindstone
superabrasive
grinding wheel
vitrified
grinding
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English (en)
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Chikahisa Igarashi
親寿 五十嵐
Tomoya Asami
知也 浅見
Masakazu Sato
政和 佐藤
Akitatsu Kogo
明達 向後
Akira Sakai
明 酒井
Masanao Moriyama
真尚 森山
Yoshio Tamura
芳雄 田村
Izumi Hayakawa
泉 早川
Kazumi Takeda
和美 武田
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MITSUI KENSAKU TOISHI KK
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MITSUI KENSAKU TOISHI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワーク表面の研削仕上り精度の向上が可能
で、コア部へ液体が侵入しても研削ホイール回転が円滑
になされ、振れによる振動の発生が防止された研削ホイ
ールを提供する。 【解決手段】 中央に軸方向に貫通せる貫通孔が形成さ
れている一般砥粒ビトリファイド砥石からなるコア部
と、その外側に連続して形成され周方向に連続する円環
状をなす超砥粒ビトリファイド砥石からなる外周部とを
有する円板状砥石ユニット12−Nが、複数互いに同軸
状となるように軸方向に重畳されて砥石重畳体10を形
成している。砥石重畳体10においてコア部貫通孔の集
合として形成される貫通開口を通る軸体30と、それに
付設され砥石重畳体10を挟持する挟持部材32,3
2’とにより、砥石重畳体10の重畳状態を保持してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研削技術に属する
ものであり、特に外周部に超砥粒ビトリファイド砥石か
らなる研削機能部を有する研削ホイール及びその製造方
法に関するものである。本発明の研削ホイールは、たと
えば棒状の被研削物の外周面をセンターレス研削加工す
るのに好適に利用することができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
金属その他の材質の被研削物の表面研削に、超砥粒ビト
リファイド砥石からなる研削機能部を有する研削ホイー
ルが使用されている。被研削物が断面円形状の外周面を
有する棒状や筒状をなす場合には、センターレス研削と
呼ばれる研削方法を採用することができる。この研削方
法では、ワーク(被研削物)を、研削ホイールと調整ホ
イールとワークレストとにより、これらの間にて研削ホ
イールの回転中心軸方向とほぼ平行な姿勢にて回転自在
に維持する。そして、研削ホイールの外周面である研削
機能面にワークの外周面を当接させ、調整ホイールの作
用によりホイール回転軸方向に沿ってワークを移動させ
ながら、ワークの外周面を研削する。
【0003】このセンターレス研削のためには、回転軸
方向に所要の寸法(幅)を有する研削ホイールが必要で
ある。従来、このような研削ホイールとしては、円筒状
のコア部の外周に超砥粒ビトリファイド砥石からなる研
削機能部を付したものが利用されている。この研削ホイ
ールでは、研削機能部は周方向に関し複数に分割された
セグメントの形態をなしており、これらのセグメントは
接着剤によりコア部の外面に接合されている。この様な
形態の研削ホイールは、例えば特開平9−314470
号公報に記載されている。
【0004】しかるに、以上の様に、研削機能部の外周
面により構成される研削機能面において周方向に関し隣
接セグメント間の不連続が存在すると、その近傍の部分
において研削加工に伴う研削機能部の摩耗が早められ
て、研削機能面に段差が発生することがある。経時的に
この様な状態に立ち至ると、ワーク表面の仕上り粗さが
大きくなるなどのワーク表面の研削仕上り精度の低下が
発生する。
【0005】一方、研削機能部とコア部との熱膨張収縮
性に大きな差があると、製造時に破損が生ずる。また、
研削時その他において研削ホイールには温度変化が発生
する。コア部と研削機能部との熱膨張収縮性に大きな差
があると、研削機能部に上記温度変化に基づき内部応力
が発生し、研削機能部の表面形状精度が低下するおそれ
がある。そこで、コア部と研削機能部との熱膨張収縮性
を同等にし、内部応力に基づく研削機能部の表面形状精
度低下を防止するために、コア部として、超砥粒の代わ
りに一般砥粒等の無機質粒子からなる骨材を用いたこと
を除いて実質上研削機能部と同等の構成を有するものが
用いられる。このコア部は、実際に研削機能を発揮する
ことはないが、一般砥粒を用いたビトリファイド砥石と
同等またはそれに類似するものであるので、本明細書に
おいては、便宜上「一般砥粒ビトリファイド砥石」とい
うことにする。
【0006】しかるに、このコア部は、多孔質であり液
体吸収性を有するので、研削時に使用される研削液を吸
収して保持する。そして、研削ホイールの回転中心軸の
方向は水平に維持されるので、研削停止の際にはコア部
内の研削液は重力の作用により下側に移動する。かくし
て、研削再開の際の回転開始時には、コア部内には周方
向に関して液体が偏在することになる。コア部と研削機
能部との間には接着剤層が介在するので、コア部に保持
された研削液がホイール回転開始時の遠心力によっても
迅速には外部へと放出されずに残存する時間が長くな
り、かくして、研削ホイール回転が円滑になされず、振
れによる振動が発生することがある。これにより、研削
ホイールを装着した研削機の回転駆動系の劣化が早くな
ったり、また、研削の際にワークに不均一な押圧力を与
えて研削性能を劣化させ、ワークの仕上り面の粗さ及び
精度が低下したりする。
【0007】このような問題点のうちのいくつかを解消
することを目的として、コア部に研削液等の液体が入り
込むのを防止すべく、コア部全面に研削液侵入の阻止の
ために樹脂による被覆ないし含浸がなされることもあ
る。
【0008】しかしながら、この様な樹脂被覆等は、塗
布及び乾燥に時間がかかり、製造コスト上昇の原因とな
る。また、被覆等を行なっても、コア部内へと研削液が
侵入することがあり、その場合には侵入した液体がコア
部外へと一層脱出しにくくなるという更なる問題が発生
する。
【0009】そこで、本発明は、以上の様な従来の超砥
粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの有する問
題点を解消し、ワーク表面の研削仕上り精度の向上が可
能で、コア部へ液体が侵入してもホイール回転開始時の
遠心力により迅速に外部へと放出され、かくして研削ホ
イール回転が円滑になされ、振れによる振動の発生が防
止された研削ホイール及びその製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、以上の
如き目的を達成するものとして、一般砥粒ビトリファイ
ド砥石からなるコア部と該コア部の外側に前記コア部に
連続して形成された超砥粒ビトリファイド砥石からなる
外周部とを有する円板状砥石ユニットが複数互いに同軸
状となるように軸方向に重畳されて砥石重畳体を形成し
ており、前記外周部は周方向に連続する円環状をなして
いることを特徴とする、超砥粒ビトリファイド砥石を用
いた研削ホイール、が提供される。
【0011】ここで、一般砥粒ビトリファイド砥石と
は、上記の様に、実際に研削機能を発揮するものではな
いが、一般砥粒を用いたビトリファイド砥石と同等のも
の又は一般砥粒に類似する無機質粒子からなる骨材を用
いたビトリファイド焼結体のことをいう。
【0012】本発明の一態様においては、前記外周部の
超砥粒ビトリファイド砥石は密度が1.97〜2.86
g/cm3 である。本発明の一態様においては、前記外
周部の超砥粒ビトリファイド砥石は曲げ強度が4.67
〜14.46kg/mm2 である。
【0013】本発明の一態様においては、前記砥石重畳
体は保持手段によりその重畳状態を保持されている。本
発明の一態様においては、前記コア部の中央には軸方向
に貫通せる貫通孔が形成されており、前記保持手段は前
記砥石重畳体において前記コア部の貫通孔の集合として
形成される貫通開口を通る軸体と該軸体に付設され前記
砥石重畳体をその重畳状態を保持するように挟持する挟
持部材とを備えている。本発明の一態様においては、複
数の前記砥石ユニットの隣接するものどうしは接合剤に
より接合されている。
【0014】本発明の一態様においては、複数の前記砥
石ユニットは、実質上同等であり、特に、同一の外径を
有する。本発明の一態様においては、前記超砥粒ビトリ
ファイド砥石に含まれる超砥粒の粒径は、前記砥石重畳
体における前記砥石ユニットの軸方向位置に応じて異な
り、特に、前記砥石重畳体における前記砥石ユニットの
軸方向位置が一の向きに進むに従って次第に小さくな
る。
【0015】また、本発明によれば、以上の如き目的を
達成するものとして、上記の超砥粒ビトリファイド砥石
を用いた研削ホイールを製造する方法であって、一般砥
粒を含み超砥粒を含まない第1のビトリファイド組成物
からなるコア部用成形素体と超砥粒を含む第2のビトリ
ファイド組成物からなる円環状の外周部用成形素体とを
形成し、前記コア部用成形素体の外周面に前記外周部用
成形素体の内周面を適合させ同時焼成することにより前
記円板状砥石ユニットを得、該砥石ユニットを複数互い
に同軸状となるように軸方向に重畳させて前記砥石重畳
体を形成することを特徴とする、超砥粒ビトリファイド
砥石を用いた研削ホイールの製造方法、が提供される。
【0016】本発明の一態様においては、前記砥石重畳
体の重畳状態を保持手段により保持する。本発明の一態
様においては、前記コア部用成形素体の中央に軸方向に
貫通せる貫通孔を形成しておき、前記保持手段として軸
体と挟持部材とを備えているものを用い、前記砥石重畳
体において前記コア部用成形素体の貫通孔に対応して形
成された前記コア部の貫通孔の集合として形成される貫
通開口に前記軸体を通し、前記挟持部材により前記砥石
重畳体を挟持し前記軸体に対して前記砥石重畳体を支持
する。本発明の一態様においては、前記砥石重畳体を形
成するに際して複数の前記砥石ユニットの隣接するもの
どうしを接合剤により接合する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら説明する。
【0018】図1は本発明による超砥粒ビトリファイド
砥石を用いた研削ホイールの一実施形態を示す模式的断
面図であり、図2はその砥石重畳体の模式的斜視図であ
り、図3はその砥石ユニットの模式的斜視図である。
【0019】図2に示されている様に、砥石重畳体10
は、複数の砥石ユニット12(12−N:ここでNは1
〜nの整数)からなる。本実施形態では砥石ユニット1
2の数nは8であるが、本発明においては砥石重畳体を
構成する砥石ユニットの数は、これに限定されるもので
はない。図3に示されている様に、各砥石ユニット12
は、円板状をなしており、外径がDで、厚さ(幅)がT
である。外径Dは、例えば、150〜760mmであ
り、厚さTは、例えば、5〜100mmであるが、これ
に限定されるものではない。本実施形態では、全ての砥
石ユニット12が実質上同等である(即ち、構造、形状
及び寸法が同一である)。砥石重畳体10の厚さは、例
えば、100〜800mmであるが、これに限定される
ものではない。
【0020】各砥石ユニット12は、コア部14と該コ
ア部の外側に連続して形成された外周部16とを有す
る。外周部16は、周方向に連続する円環状をなしてお
り、その内周面がコア部14の外周面上に位置してい
る。
【0021】コア部14は一般砥粒ビトリファイド砥石
からなり、外周部16は超砥粒ビトリファイド砥石から
なる。超砥粒としては、CBN(立方晶窒化ホウ素)砥
粒またはダイヤモンド砥粒が用いられる。超砥粒は、例
えば粒度が#80〜#600、特に#100〜250で
あるが、これに制限されるものではない。一般砥粒ビト
リファイド砥石に含まれる骨材としては、例えばアルミ
ナ砥粒、ムライト砥粒または炭化ケイ素砥粒等の一般砥
粒が用いられる。この骨材の粒度は、特に制限されるも
のではないが、例えば上記超砥粒の粒度と同程度のもの
が例示される。
【0022】コア部14を構成する一般砥粒ビトリファ
イド砥石と外周部16を構成する超砥粒ビトリファイド
砥石とは、共通の結合剤を用いて形成することが好まし
い。尚、超砥粒ビトリファイド砥石は、砥粒として超砥
粒のみを含むものであってもよいし、砥粒として超砥粒
と一般砥粒とを含むものであってもよい。また、超砥粒
ビトリファイド砥石は、密度が1.97〜2.86g/
cm3 で、曲げ強度が4.67〜14.46kg/mm
2 であるのが好ましい。これにより、特に、大径であっ
ても高集中度で安定して高い研削性能を発揮する研削ホ
イールを提供することができる。
【0023】図3に示されている様に、コア部14の中
央には軸(回転中心軸:回転対象軸)Xの方向に貫通せ
る貫通孔18が形成されており、図2に示されている様
に、砥石重畳体10においてはコア部14の貫通孔18
の集合として貫通開口20が形成されている。
【0024】図1に示されている様に、砥石重畳体10
は、その貫通開口20を通る軸体30と該軸体に付設さ
れた挟持部材32,32’とを有する支持手段により支
持される。軸体30は、回転中心軸Xを中心として回転
する様に、センターレス研削機等の研削機に装着され
る。挟持部材32,32’は、両側から砥石重畳体10
を挟持するように、軸体30に固定される。この固定
は、例えば、挟持部材32,32’に形成したネジ孔を
介して止めネジ34,34’をネジ込むことで、行なう
ことができる。これにより、砥石重畳体10をその重畳
状態を保持するように挟持することができる。
【0025】砥石重畳体10において、複数の砥石ユニ
ット12−Nは互いに同軸状(即ち、各砥石ユニットの
回転中心軸Xが同一)となるように軸方向に重畳されて
いる。砥石重畳体10において、砥石ユニット12の隣
接するものどうしをエポキシ系接着剤等の接合剤により
接合してもよい。
【0026】以上の様な本実施形態の研削ホイールによ
れば、所要の研削仕様に応じた厚さ(回転中心軸Xの方
向の寸法)が得られる様に、必要個数の砥石ユニット1
2を用いて容易に砥石重畳体10を形成することができ
る。
【0027】また、研削機能面を構成する外周面を有す
る外周部16は周方向に連続する円環状をなしているの
で、研削に伴って経時的に研削機能面に段差が発生する
ようなことがなく、ワーク表面の仕上り面粗さが大きく
はならず、ワーク表面の研削仕上り精度は良好に維持さ
れる。
【0028】また、コア部14と研削機能部たる外周部
16とをいずれもビトリファイド砥石からなるものとし
共通の結合剤を使用することで、これらの熱膨張収縮性
を同等にし、内部応力に基づく研削機能部の表面形状精
度低下を防止することが可能である。
【0029】しかも、一般砥粒ビトリファイド砥石から
なるコア部14と超砥粒ビトリファイド砥石からなる外
周部16とが連続して形成されているので、研削停止後
の研削再開の際には、コア部14内に周方向に関して偏
って保持されていてる研削液等の液体は、研削ホイール
回転の遠心力により、コア部14と外周部16とで連続
して形成されているビトリファイド気孔を伝って、直ち
に外周部16へと移動し直ちに外部へと放出される。か
くして、研削ホイール回転は直ちに円滑になり、振れに
よる振動の発生は殆どない。これにより、研削ホイール
を装着した研削機の回転駆動系の劣化は少なくなり、研
削の際にワークに均一な押圧力を与えて研削性能を向上
させ、ワークの仕上り面の粗さ精度が向上する。従っ
て、コア部全面に面倒な研削液侵入の阻止のための樹脂
被覆ないし含浸を施す必要がない。
【0030】以上の実施形態では、砥石重畳体10にお
いて全ての砥石ユニット12が同等であるものとした
が、本発明においては、砥石重畳体10を構成する複数
の砥石ユニット12として軸方向位置に応じて異なるも
のを使用することも可能である。例えば、厚さ等の寸法
を異ならせたり、超砥粒ビトリファイド砥石に含まれる
超砥粒の粒径や集中度を異ならせたりすることができ
る。
【0031】例えば、超砥粒ビトリファイド砥石に含ま
れる超砥粒の粒径が、砥石重畳体10における砥石ユニ
ット12の位置が回転中心軸Xに沿って一の向き(ワー
クが移動する向き)に進むに従って次第に小さくなる様
にすることができる。この様な形態によれば、ワークの
進行する向きに関して、最初は粒径の比較的大きな(粗
い)超砥粒の砥石ユニット12が少なくとも1つ位置
し、次いで粒径の中程度の超砥粒の砥石ユニット12が
少なくとも1つ位置し、次いで粒径の比較的小さな(細
かい)超砥粒の砥石ユニット12が少なくとも1つ位置
する様にし、これにより、荒研削から仕上げ研削までを
一貫して行なうことが可能となる。
【0032】また、回転中心軸Xの方向の位置に応じて
砥石ユニット12の外径を異ならせることも可能であ
る。このような研削ホイールは、ワークをX方向に移動
させることなく研削するのに使用される。
【0033】図4は本発明による超砥粒ビトリファイド
砥石を用いた研削ホイールの製造方法の一実施形態の説
明のための模式的斜視図である。
【0034】先ず、図4(a)に示されている様に、コ
ア部用成形素体14aと外周部用成形素体16aとを形
成する。コア部用成形素体14aは、焼成により上記コ
ア部14を形成するためのものであり、所要のビトリフ
ァイド結合剤とそれに分散された一般砥粒とを含み超砥
粒を含まない第1のビトリファイド組成物からなるもの
である。また、外周部用成形素体16aは、焼成により
上記外周部16を形成するためのものであり、所要のビ
トリファイド結合剤とそれに分散された超砥粒とを含む
第2のビトリファイド組成物からなるものである。コア
部用成形素体14aは中央に貫通孔18aが形成されて
おり、該貫通孔18aはコア部14の貫通孔18を形成
するためのものである。外周部用成形素体16aは円環
状をなしている。
【0035】次に、図4(b)に示されている様に、コ
ア部用成形素体14aの外周面に外周部用成形素体16
aの内周面を適合させ、同時焼成する。これにより、上
記図3に示される様な円板状の砥石ユニット12が得ら
れる。
【0036】なお、コア部用成形素体14aと外周部用
成形素体16aとを図4(b)に示される形態にて同時
に一体形成し、これを焼成して、上記図3に示される様
な円板状の砥石ユニット12を得ることも可能である。
【0037】このように、コア部用成形素体14aの外
周面に外周部用成形素体16aの内周面を適合させ同時
焼成することにより、密度1.97〜2.86g/cm
3 で曲げ強度4.67〜14.46kg/mm2 の超砥
粒ビトリファイド砥石からなる外周部16を有する高集
中度(例えば180以上)で高強度で大径(例えば外径
400mm以上)の砥石ユニット12が安定して得られ
る。
【0038】次に、砥石ユニット12を複数互いに同軸
状となるように軸Xの方向に重畳させることで、上記図
2に示されている様な砥石重畳体10を形成する。尚、
砥石重畳体10を形成するに際して、複数の砥石ユニッ
ト12の隣接するものどうしをエポキシ系接着剤等の接
合剤により接合してもよい。このようにすることで、軸
体30に装着するまでの砥石重畳体10の取扱が容易に
なる。
【0039】次に、図1に示されている様に、軸体30
と挟持部材32,32’とを備えている支持手段を用
い、砥石重畳体10においてコア部用成形素体14aの
貫通孔18aに対応して形成されたコア部貫通孔18の
集合として形成される貫通開口20に軸体30を通し、
挟持部材32,32’及び止めネジ34,34’により
砥石重畳体10を挟持して、軸体30に対して砥石重畳
体10を支持する。これにより、図1に示される研削ホ
イールが得られる。
【0040】以下、実施例及び比較例により本発明の研
削ホイール及びその製造方法を更に説明する。
【0041】比較例1:図5に斜視図を示す研削砥石を
用いて、以下に示す条件にてセンターレス研削を行なっ
た。尚、図5において、一般砥粒ビトリファイド砥石か
らなるコア部114の外周面上に、不図示のエポキシ系
接着剤により複数の砥石セグメント110が接合されて
いる。砥石セグメント110は、大略矩形状の湾曲した
形状をなしており、周方向に12個配列したものが軸X
の方向に3段に配列されている。砥石セグメント110
は、一般砥粒ビトリファイド砥石からなるベース部11
5とその上の超砥粒ビトリファイド砥石からなる研削機
能部116とからなる。この超砥粒ビトリファイド砥石
は、粒度#120のCBN砥粒を集中度200で含むも
のであり、砥粒体積率50%、結合剤体積率20%、気
孔体積率30%であった。
【0042】研削砥石の寸法は、外径が500mmであ
り、内径が304.8mmであり、厚さが205mmで
あった。
【0043】ワークとして外径10mmで長さ20mm
のSUJ2(HRC58〜60)を使用し、砥石周速4
5m/sにてセンターレス研削を行なったところ、ワー
クの面粗度が0.8〜1.0μmRzとなった。
【0044】実施例1:図1〜4に関し説明した様な以
下に示す研削ホイールを用いて、以下に示す条件にてセ
ンターレス研削を行なった。
【0045】8個の砥石ユニット12により砥石重畳体
10を構成した。各砥石ユニット12の外周部16を構
成する超砥粒ビトリファイド砥石は、粒度#120のC
BN砥粒を集中度200で含むものであり、砥粒体積率
50%、結合剤体積率20%、気孔体積率30%で、密
度2.21g/cm3 で曲げ強度7.31kg/mm 2
であった。外周部16の厚さは3mmであった。コア部
14を構成する一般砥粒ビトリファイド砥石は、粒度#
120のムライトを含むものであり、ムライト体積率5
0%、結合剤体積率15.8%、気孔体積率34.2%
であった。
【0046】砥石重畳体10の寸法は、外径が500m
mであり、内径が304.8mmであり、厚さが205
mmであった。
【0047】上記比較例1と同様に、ワークとして外径
10mmで長さ20mmのSUJ2(HRC58〜6
0)を使用し、砥石周速45m/sにてセンターレス研
削を行なったところ、ワークの面粗度が0.5μmRz
となった。これは、比較例1により得られた面粗度の約
50%の値であり、比較例1と比べて面粗度が十分に向
上している。
【0048】実施例2:図1〜4に関し説明した様な以
下に示す研削ホイールを用いて、以下に示す条件にてセ
ンターレス研削を行なった。
【0049】8個の砥石ユニット12により砥石重畳体
10を構成した。各砥石ユニット12の外周部16を構
成する超砥粒ビトリファイド砥石は、粒度#120のC
BN砥粒を集中度200で含むものであり、砥粒体積率
50%、結合剤体積率20%、気孔体積率30%で、密
度2.24g/cm3 で曲げ強度7.64kg/mm 2
であった。外周部16の厚さは3mmであった。コア部
14を構成する一般砥粒ビトリファイド砥石は、粒度#
120のムライトを含むものであり、ムライト体積率5
0%、結合剤体積率15.8%、気孔体積率34.2%
であった。
【0050】砥石重畳体10の寸法は、外径が405m
mであり、内径が203.2mmであり、厚さが205
mmであった。
【0051】ワークとして外径7mmで長さ15mmの
SUJ2(HRC58〜60)を使用し、砥石周速50
m/sにてセンターレス研削を行なったところ、ワーク
の面粗度が0.5μmRzとなった。これは、比較例1
により得られた面粗度の約50%の値であり、比較例1
と比べて面粗度が十分に向上している。
【0052】実施例3:図1〜4に関し説明した様な以
下に示す研削ホイールを用いて、以下に示す条件にてセ
ンターレス研削を行なった。
【0053】8個の砥石ユニット12により砥石重畳体
10を構成した。各砥石ユニット12の外周部16を構
成する超砥粒ビトリファイド砥石は、CBN砥粒を集中
度200で含むものであり、砥粒体積率50%、結合剤
体積率20%、気孔体積率30%で、密度2.27g/
cm3 で曲げ強度7.97kg/mm2 であり、軸Xの
方向の位置に応じて粒度を次の様に変化させた: ワーク入口側から1,2番目は粒度#100 ワーク入口側から3,4,5番目は粒度#140 ワーク入口側から6,7番目は粒度#170 ワーク入口側から8番目(ワーク出口側から1番目)は
粒度#230。
【0054】外周部16の厚さは3mmであった。コア
部14を構成する一般砥粒ビトリファイド砥石は、粒度
#120のムライトを含むものであり、ムライト体積率
50%、結合剤体積率15.8%、気孔体積率34.2
%であった。
【0055】砥石重畳体10の寸法は、外径が610m
mであり、内径が304.8mmであり、厚さが205
mmであった。
【0056】上記比較例と同様に、ワークとして外径1
0mmで長さ20mmのSUJ2(HRC58〜60)
を使用し、砥石周速45m/sにてセンターレス研削を
行なったところ、ワークの面粗度が0.35μmRzと
なった。これは、比較例1により得られた面粗度の約3
5%の値であり、比較例1と比べて面粗度が十分に向上
している。
【0057】実施例4:図1〜4に関し説明した様な以
下に示す研削ホイールを用いて、以下に示す条件にてセ
ンターレス研削を行なった。
【0058】8個の砥石ユニット12により砥石重畳体
10を構成した。各砥石ユニット12の外周部16を構
成する超砥粒ビトリファイド砥石は、粒度#120のC
BN砥粒を集中度200で含むものであり、砥粒体積率
50%、結合剤体積率20%、気孔体積率30%で、密
度2.24g/cm3 で曲げ強度7.64kg/mm 2
であった。砥石ユニット12の寸法は、外径が405m
mであり、内径が203.2mmであり、厚さが25m
mであった。外周部16の厚さは3mmであった。コア
部14を構成する一般砥粒ビトリファイド砥石は、粒度
#120のムライトを含むものであり、ムライト体積率
50%、結合剤体積率15.8%、気孔体積率34.2
%であった。
【0059】砥石重畳体10の寸法は、外径が405m
mであり、内径が203.2mmであり、厚さが205
mmであった。
【0060】ワークとして外径8.8mmで長さ13.
5mmのSUJ2(HRC58〜60)を使用し、砥石
周速45m/s、ワーク送り速度3m/min、取り代
0.020mmφの研削条件下でセンターレス研削を行
なった。
【0061】その結果、ワークの面粗度が0.38μm
Rzで、真円度が0.22μmで、ドレスインターバル
が200万本/ドレス以上(ドレスインターバルをワー
ク面粗度が0.8μmRz以上となるまでのワーク出来
高とし、後述の比較例2のドレスインターバルを100
とした場合には、225)となった。
【0062】比較例2:図5に斜視図を示す研削砥石を
用いて、実施例5と同様な条件下でセンターレス研削を
行なった。
【0063】その結果、ワークの面粗度が0.75μm
Rzで、真円度0.52μmで、ドレスインターバルが
100万本/ドレスとなった。これは、実施例4より劣
る結果である。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワーク表面の研削仕上り精度の向上が可能で、コア部へ
液体が侵入してもホイール回転開始時の遠心力により迅
速に外部へと放出され、かくして研削ホイール回転が円
滑になされ、振れによる振動の発生が防止された研削ホ
イール及びその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超砥粒ビトリファイド砥石を用い
た研削ホイールの一実施形態を示す模式的断面図であ
る。
【図2】砥石重畳体の模式的斜視図である。
【図3】砥石ユニットの模式的斜視図である。
【図4】本発明による超砥粒ビトリファイド砥石を用い
た研削ホイールの製造方法の一実施形態の説明のための
模式的斜視図である。
【図5】比較例で使用した研削砥石を示す模式的斜視図
である。
【符号の説明】
10 砥石重畳体 12,12−N,12−1〜12−8 砥石ユニット 14 コア部 14a コア部用成形素体 16 外周部 16a 外周部用成形素体 18 貫通孔 18a 貫通孔 20 貫通開口 30 軸体 32,32’ 挟持部材 34,34’ 止めネジ X 回転中心軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 政和 埼玉県入間市大字狭山ケ原11番地10 三井 研削砥石株式会社内 (72)発明者 向後 明達 埼玉県入間市大字狭山ケ原11番地10 三井 研削砥石株式会社内 (72)発明者 酒井 明 埼玉県入間市大字狭山ケ原11番地10 三井 研削砥石株式会社内 (72)発明者 森山 真尚 埼玉県入間市大字狭山ケ原11番地10 三井 研削砥石株式会社内 (72)発明者 田村 芳雄 埼玉県入間市大字狭山ケ原11番地10 三井 研削砥石株式会社内 (72)発明者 早川 泉 埼玉県入間市大字狭山ケ原11番地10 三井 研削砥石株式会社内 (72)発明者 武田 和美 埼玉県入間市大字狭山ケ原11番地10 三井 研削砥石株式会社内 Fターム(参考) 3C063 AA02 AB03 BA03 BA32 BB02 BB03 BB04 BC05 BG07 BH32 CC02 CC17 EE26 FF03 FF23

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般砥粒ビトリファイド砥石からなるコ
    ア部と該コア部の外側に前記コア部に連続して形成され
    た超砥粒ビトリファイド砥石からなる外周部とを有する
    円板状砥石ユニットが複数互いに同軸状となるように軸
    方向に重畳されて砥石重畳体を形成しており、前記外周
    部は周方向に連続する円環状をなしていることを特徴と
    する、超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイー
    ル。
  2. 【請求項2】 前記外周部の超砥粒ビトリファイド砥石
    は密度が1.97〜2.86g/cm3 であることを特
    徴とする、請求項1に記載の超砥粒ビトリファイド砥石
    を用いた研削ホイール。
  3. 【請求項3】 前記外周部の超砥粒ビトリファイド砥石
    は曲げ強度が4.67〜14.46kg/mm2 である
    ことを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の超
    砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイール。
  4. 【請求項4】 前記砥石重畳体は保持手段によりその重
    畳状態を保持されていることを特徴とする、請求項1〜
    3のいずれかに記載の超砥粒ビトリファイド砥石を用い
    た研削ホイール。
  5. 【請求項5】 前記コア部の中央には軸方向に貫通せる
    貫通孔が形成されており、前記保持手段は前記砥石重畳
    体において前記コア部の貫通孔の集合として形成される
    貫通開口を通る軸体と該軸体に付設され前記砥石重畳体
    をその重畳状態を保持するように挟持する挟持部材とを
    備えていることを特徴とする、請求項4に記載の超砥粒
    ビトリファイド砥石を用いた研削ホイール。
  6. 【請求項6】 複数の前記砥石ユニットの隣接するもの
    どうしは接合剤により接合されていることを特徴とす
    る、請求項1〜5のいずれかに記載の超砥粒ビトリファ
    イド砥石を用いた研削ホイール。
  7. 【請求項7】 複数の前記砥石ユニットは実質上同等で
    あることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載
    の超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイール。
  8. 【請求項8】 複数の前記砥石ユニットは同一の外径を
    有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記
    載の超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイール。
  9. 【請求項9】 前記超砥粒ビトリファイド砥石に含まれ
    る超砥粒の粒径は前記砥石重畳体における前記砥石ユニ
    ットの軸方向位置に応じて異なることを特徴とする、請
    求項1〜6,8のいずれかに記載の超砥粒ビトリファイ
    ド砥石を用いた研削ホイール。
  10. 【請求項10】 前記超砥粒ビトリファイド砥石に含ま
    れる超砥粒の粒径は前記砥石重畳体における前記砥石ユ
    ニットの軸方向位置が一の向きに進むに従って次第に小
    さくなることを特徴とする、請求項9に記載の超砥粒ビ
    トリファイド砥石を用いた研削ホイール。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の超
    砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールを製造す
    る方法であって、 一般砥粒を含み超砥粒を含まない第1のビトリファイド
    組成物からなるコア部用成形素体と超砥粒を含む第2の
    ビトリファイド組成物からなる円環状の外周部用成形素
    体とを形成し、前記コア部用成形素体の外周面に前記外
    周部用成形素体の内周面を適合させ同時焼成することに
    より前記円板状砥石ユニットを得、該砥石ユニットを複
    数互いに同軸状となるように軸方向に重畳させて前記砥
    石重畳体を形成することを特徴とする、超砥粒ビトリフ
    ァイド砥石を用いた研削ホイールの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記砥石重畳体の重畳状態を保持手段
    により保持することを特徴とする、請求項11に記載の
    超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削ホイールの製造
    方法。
  13. 【請求項13】 前記コア部用成形素体の中央に軸方向
    に貫通せる貫通孔を形成しておき、前記保持手段として
    軸体と挟持部材とを備えているものを用い、前記砥石重
    畳体において前記コア部用成形素体の貫通孔に対応して
    形成された前記コア部の貫通孔の集合として形成される
    貫通開口に前記軸体を通し、前記挟持部材により前記砥
    石重畳体を挟持し前記軸体に対して前記砥石重畳体を支
    持することを特徴とする、請求項12に記載の超砥粒ビ
    トリファイド砥石を用いた研削ホイールの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記砥石重畳体を形成するに際して複
    数の前記砥石ユニットの隣接するものどうしを接合剤に
    より接合することを特徴とする、請求項11〜13のい
    ずれかに記載の超砥粒ビトリファイド砥石を用いた研削
    ホイールの製造方法。
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JP2011136417A (ja) * 2005-07-19 2011-07-14 Abrasive Technology Inc 研磨ツール
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