JPH0825213A - ラッピング研磨装置の研磨定盤 - Google Patents

ラッピング研磨装置の研磨定盤

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JPH0825213A
JPH0825213A JP15855894A JP15855894A JPH0825213A JP H0825213 A JPH0825213 A JP H0825213A JP 15855894 A JP15855894 A JP 15855894A JP 15855894 A JP15855894 A JP 15855894A JP H0825213 A JPH0825213 A JP H0825213A
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Yukio Yamaguchi
幸男 山口
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成利 伊藤
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被研磨部材の表面平滑性と加工変質層の低減
とが得られると同時に高い面精度が得られるラッピング
研磨装置の研磨定盤を提供する。 【構成】 母材20内に軟質金属粒体22が分散させら
れているので、研磨平面16に露出した軟質金属粒体2
2は母材20によって適度に弾性的に保持されており、
しかも遊離砥粒が研磨平面16に露出した軟質金属粒体
22によって半ば埋没した状態で保持されることから、
遊離砥粒の切刃先端が揃い易いので充分な表面平滑性が
得られるとともに、加工変質層の形成が低減される。ま
た、気孔形成剤26は母材20内において固体状態で分
散されていることから、合成樹脂製の母材20の圧縮変
形が極めて小さく剛性が高められるので、樹脂研磨層1
8が極めて剛性の高いバックアップ部材14に固着され
ることによりバックアップされていることと相まって被
研磨部材の縁だれがなくなって、高い面精度が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラッピング研磨装置に
用いられる研磨定盤に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年の電子部品や光学部品に用いられるセ
ラミックス、ガラス、水晶などの被研磨部材は、その表
面平滑性と加工変質層の低減が求められるだけでなく、
高い面精度も望まれるようになって来ている。よく知ら
れたスウェード、パッド、フェルトなどの軟質で弾力性
のある研磨工具を用いれば、充分な表面平滑性が得られ
るとともに加工変質層が低減されるが、中央部よりも周
縁部の研磨量が多くなって、縁だれと称される周縁部厚
みが小さくなる現象が発生して充分な面精度が得られな
いという欠点があった。また、よく知られた鋳鉄や銅な
どの剛性の高い金属製研磨定盤を用いれば、被研磨部材
の表面が高い面精度で研磨されるが、表面平滑性が充分
に得られず、加工変質層が発生する欠点があった。
【0003】これに対し、銅又は錫の微粉末を分散され
た連続気孔を有する熱硬化性樹脂の多孔体により研磨定
盤を構成する技術が提案されている。たとえば、特開平
3−60970号公報に記載された研磨定盤がそれであ
る。これによれば、砥粒が銅または錫の粉末に半ば埋没
した形で固定化されるので効率よく研磨できるようにな
る一方、研磨に伴う熱が多孔質体であるために効果的に
放散されるとともに、研磨屑が気孔に補足されて目詰ま
りが防止されるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な形式の研磨定盤では、被研磨部材の表面平滑性が得ら
れるとともに、加工変質層が低減されるけれども、母材
である熱硬化性樹脂が連続気孔を有する多孔質体とされ
ているため、たとえ剛性の高いバックアップ材に固着さ
れたとしても、熱硬化性樹脂自身の変形が大きいことか
ら、高い面精度が得られないという欠点があった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、被研磨部材の表
面平滑性と加工変質層の低減とが得られると同時に高い
面精度が得られるラッピング研磨装置の研磨定盤を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、遊離砥粒を含む研磨
液を用いて被研磨部材の表面をラッピング研磨するラッ
ピング研磨装置の研磨定盤であって、(a) 剛性の高いバ
ックアップ部材に固着された合成樹脂製の母材と、(b)
その母材内に分散され、研磨平面において前記遊離砥粒
の押圧により塑性変形させられてその遊離砥粒を埋没さ
せる軟質金属粒体と、(c) 前記母材内に固体状態で分散
され、前記研磨平面において前記研磨液に流出させられ
ることによりその研磨平面に開口する独立した多数の気
孔を形成する気孔形成剤とを、含むことにある。
【0007】
【作用】このようにすれば、剛性の高いバックアップ部
材に固着された合成樹脂製の母材内には、研磨平面にお
いて前記遊離砥粒の押圧により塑性変形させられてその
遊離砥粒を埋没させる軟質金属粒体と、研磨平面におい
て前記研磨液に流出させられることによりその研磨平面
に開口する独立した多数個の気孔を形成する気孔形成剤
とが分散させられているので、研磨平面においては、多
数の軟質金属粒体が露出するとともに、独立した多数個
の気孔が開口させられる。
【0008】
【発明の効果】したがって、研磨平面に露出した比較的
大きな砥粒が軟質金属粒体に埋没させられることから、
切刃高さが揃い易いので、高い表面平滑性が得られると
ともに加工変質層が低減される。また、研磨屑が気孔に
補足されて目詰まりが防止されるので高い研磨能率が得
られる。しかも、気孔形成剤は母材内において固体状態
で分散されていることから、合成樹脂製の母材の圧縮変
形が極めて小さく剛性が高められるので、バックアップ
部材の剛性による補強効果と相まって被研磨部材の高い
面精度が得られるのである。
【0009】ここで、好適には、前記母材は、エポキシ
系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、フタル酸系樹脂、メラミン樹脂から選
択された熱硬化性樹脂であって、20乃至50容積%の
割合で含まれる。このようにすれば、軟質金属粒体に対
する弾性的な保持効果が好適に得られる。
【0010】また、好適には、前記軟質金属粒体は、銅
粉体、錫粉体、鉛粉体から選択された単味或いは混合粉
体であり、50μm以下の粒径を備えたものである。こ
のようにすれば、砥粒が軟質金属に容易に埋没させられ
るとともに、軟質金属に埋没する砥粒が均一に分布する
利点がある。
【0011】また、好適には、前記軟質金属粒体は、2
0乃至50容積%の割合で含まれる。このようにすれ
ば、軟質金属粒体の脱落を抑制しつつ砥粒の保持面積が
得られるので、研磨能率が得られる。
【0012】また、好適には、前記気孔形成剤は、前記
遊離砥粒よりも軟質の水溶性の有機質化合物である。こ
のようにすれば、研磨平面を粗すことなく、多数の独立
した気孔が研磨平面に開口して形成される利点がある。
【0013】また、好適には、前記気孔形成剤は、50
乃至500μmの粒径を備えたものである。このように
すれば、大きな気孔近傍の欠けを発生させることなく、
目詰まりが防止される利点がある。
【0014】また、好適には、前記気孔形成剤は、5乃
至40容積%の割合で含まれるものである。このように
すれば、定盤自体の強度が低下して偏磨耗を発生させる
ことなく、目詰まりが防止される利点がある。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0016】図1および図2は、本発明の一実施例のラ
ッピング研磨装置に用いられる研磨定盤10の一部を切
り欠いた平面および断面をそれぞれ示している。図にお
いて、研磨定盤10は、たとえばステンレス鋼などから
所定厚みに形成されることにより高剛性に構成され、取
付用の螺子穴12を中央部に有した円板状のバックアッ
プ部材14と、環状の研磨平面16を有し、そのバック
アップ部材14の一面の外周部において所定厚みで固着
された環状の樹脂研磨層18とを備えている。なお、1
9は、両面研磨の上側定盤として用いられるときに研磨
液を注入するための貫通穴である。
【0017】図3に詳しく示すように、上記研磨定盤1
0の樹脂研磨層18は、熱硬化性樹脂製の母材20と、
その母材20内に分散され、研磨平面16において研磨
液に含まれる遊離砥粒の押圧により塑性変形させられて
その遊離砥粒を半ば埋没させてそれを保持する軟質金属
粒体22と、母材20内では固体状態で分散され、研磨
平面16において研磨液に流出させられることによりそ
の研磨平面16に開口する独立した多数の気孔24を形
成する気孔形成剤26とから構成されている。なお、図
3は理解を容易とするための図であり、軟質金属粒体2
2および気孔形成剤26の形状、大きさ、個数は実際の
ものとは相違する。そして、上記研磨平面16には、被
研磨部材の加工面と研磨平面16との間に遊離砥粒を含
む研磨液が容易に入り込むようにするための断面U字状
の溝28が同心円或いはスパイラル状の円弧に沿って形
成されている。
【0018】上記母材20を構成する熱硬化性樹脂は、
熱或いは反応触媒によってその前駆体が硬化させられる
ことにより構成され、耐熱性に優れるだけでなく、研磨
液として用いられる水や有機溶剤に対しても殆ど溶解或
いは膨潤しないものである。この母材20に用いられる
熱硬化性樹脂としては、たとえばエポキシ系樹脂、フェ
ノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、フタル酸系樹脂、メラミン系樹脂などから選択され
た単独或いは混合樹脂であるが、耐久性や加工寸法精度
などにおいてエポキシ系樹脂或いはそれを主剤として用
いた混合樹脂が最もよい。
【0019】前記樹脂研磨層18において、上記母材2
0は、20乃至50容積%、好ましくは30乃至40容
積%の範囲内で樹脂研磨層18内に含有される。それら
母材20の含有率の下限値を下回ると、軟質金属粒体2
2の局部的な弾性的保持作用が低下して平滑性が低下す
るとともに、軟質金属粒体22の保持が不充分となって
その軟質金属粒体22の離脱が発生して一層研磨に影響
する。また、上記母材20の含有率の上限値を上回る
と、軟質金属粒体22の含有率が低下するので、研磨能
率の低下が発生する。
【0020】前記軟質金属粒体22は、銅、錫、鉛など
から選択された単独或いは混合金属から構成され、アル
ミナ、炭化珪素、窒化珪素、ダイヤモンドなどの遊離砥
粒の押圧により容易に塑性変形して遊離砥粒が半ば埋没
された状態でそれを保持するものである。この軟質金属
粒体22には、50μm以下、好適には10乃至40μ
mの範囲内の粒径を備えたものが用いられる。この軟質
金属粒体22の粒径の範囲を超えると、研磨平面16に
おいて軟質金属粒体22に保持された微細な砥粒の分布
が不均一となるので、比較的狭い範囲内に抑えられてい
るのである。
【0021】前記樹脂研磨層18において、上記軟質金
属粒体22は、20乃至50容積%、好ましくは30乃
至40容積%の範囲内で樹脂研磨層18内に含有され
る。その軟質金属粒体22の含有率の下限値を下回る
と、遊離砥粒の軟質金属粒体22に保持される面積が少
なくなって研磨能率が低下する。反対に、上記軟質金属
粒体22の含有率の上限値を上回ると、母材20すなわ
ち熱硬化性樹脂の含有率が低くなって軟質金属粒体22
の保持力が低下して離脱を発生させるので、研磨に悪影
響を及ぼすのである。
【0022】前記気孔形成剤26には、研磨定盤10の
作成に熱硬化性樹脂の前駆体と混合されるとき或いは硬
化された後で熱硬化性樹脂内に存在するときには、溶解
などにより粒状の機械的形状が損なわれないが、研磨平
面16に露出して研磨液に触れると、その研磨液に溶解
或いは研磨液により流出させられて気孔24を研磨平面
16に形成する性質を備え、しかも遊離砥粒よりも硬さ
が低い有機質化合物、たとえば糖類、アミノ酸類などの
生化学物質、食塩、重曹などの無機塩類、中でも、庶糖
類、ラクトース(乳糖)、マルトース(麦芽糖)、Na
Cl、Na2 CO3 が好適に採用される。
【0023】上記気孔形成剤26は、研磨平面16に露
出する前には母材20内に気孔を形成しないでその剛性
を保持するが、研磨平面16に露出したときには、切り
粉や凝集した砥粒を受け入れてそれらの溜り場所を提供
して目詰まりを防止する独立の気孔24を形成するため
のものであり、使用する遊離砥粒の径の数十倍以上、好
ましくは50乃至500μmの範囲内の粒径を備えたも
のが用いられる。この気孔形成剤26の粒径の下限値を
下まわると、上記の目詰まり防止作用が充分に得られな
くなり、上限値を超えると、大径の気孔24からの欠け
が容易に発生して異常摩耗により耐久性が得られなくな
るのである。
【0024】また、上記気孔形成剤26は、5乃至40
容積%、好ましくは10乃至30容積%の範囲内で樹脂
研磨層18内に含有される。その気孔形成剤26の含有
率の下限値を下回ると、前記目詰まり防止作用が充分に
得られなくなり、上限値を上回ると、樹脂研磨層18自
体の強度が低下して摩耗が多くなり、高い面精度が得ら
れなくなる。また、樹脂研磨層18自体の剛性が低下し
て、縁だれやうねりを発生させる。
【0025】上記研磨定盤10は、たとえば次のように
して製造される。すなわち、母材20を構成するための
熱硬化性樹脂の原液または粉体と軟質金属粒体22と気
孔形成剤26とを、前記の範囲内の割合で調合した後に
混練し、ホットプレスの金型内で加熱された状態で押圧
することにより成形すると同時に硬化させ、このように
して得られた樹脂研磨層18をバックアップ部材14に
接着して仕上げ加工する。このように乾式にて混練し且
つ成形するので、比重の高い軟質金属粒体22でも均一
に分散される。
【0026】以上のように構成された研磨定盤10は、
よく知られたラッピング研磨装置において所謂片面研磨
或いは両面研磨と称される研磨に用いられる。片面研磨
では、軸まわりに回転駆動された研磨定盤10の研磨平
面16に対して、遊離砥粒を含む水性研磨液の存在下
で、図示しない支持体に保持された被研磨部材が押圧さ
れることにより、被研磨部材の一面が研磨される。両面
研磨では、軸まわりに回転駆動される相対向する一対の
研磨定盤10の間に、遊離砥粒を含む水性研磨液の存在
下で、それら研磨平面16の間隔よりも薄い保持具の穴
内に嵌合された被研磨部材を介在させることにより、被
研磨部材の両面が研磨される。
【0027】上記研磨定盤10によれば、母材20内に
軟質金属粒体22が分散させられているので、研磨平面
16に露出した軟質金属粒体22は母材20によって適
度に弾性的に保持されており、しかも遊離砥粒が研磨平
面16に露出した軟質金属粒体22によって半ば埋没し
た状態で保持される。このため、遊離砥粒が適度に固定
されて能率よく研磨が行われる一方、遊離砥粒の切刃先
端が揃い易いので、充分な表面平滑性が得られるととも
に、加工変質層の形成が低減される。
【0028】また、上記研磨定盤10によれば、研磨平
面16に露出した気孔形成剤26が研磨液に溶解或いは
流出させられることによって独立した気孔24が形成さ
れることから、研磨平面16では研磨屑や凝集した砥粒
などが気孔24に捕捉されて目詰まりが防止されるので
高い研磨能率が得られる。しかも、上記気孔形成剤26
は母材20内において固体状態で分散されていることか
ら、合成樹脂製の母材20の圧縮変形が極めて小さく剛
性が高められるので、樹脂研磨層18が極めて剛性の高
いバックアップ部材14に固着されることによりバック
アップされていることと相まって被研磨部材の縁だれが
なくなって、高い面精度が得られるのである。
【0029】以下において、本実施例の効果を示すため
に行われた研磨試験例、すなわち水晶振動子に用いる水
晶片の研磨例(実験例1)、光磁気デイスクに用いるガ
ラス円板の研磨例(実験例2)、窒化珪素セラミック板
の研磨例(実験例3)をそれぞれ説明する。
【0030】(実験例1) ・研磨定盤 原料の配合割合 粉状金属錫 (75.5wt%) アトマイズ製法によるものから20μm以下に篩分けさ
れたもの 粉状エポキシ樹脂 (13.0wt%) ノボラック型のエポキシ樹脂でエポキシ当量が220の
もの ラクトース1水和物(11.5wt%) 試薬品に微量の水を添加して混練造粒し、粒径が0.1
乃至0.2mmとなるように篩分けされたもの 成形方法 上記配合割合にて混合した粉状物(坏土)を所定寸法の
金型に充填し、成形後には3.35g/cm3 となるよ
うにプレス条件を設定し、180℃にセットした一対の
熱盤の間で100kg/cm2 の圧力で15分間加圧し
た後、硬化した成形物を170℃のオーブンにて3時間
熟成する。 定盤の作製 上記の成形方法で得た成形物(外径285mmφ×内径
110mmφ)をステンレス製のバックアップ部材に接
着し、仕上げを行う。上側定盤には、研磨液(スラリ
ー)を注入する貫通穴が形成されるとともに、研磨平面
には右巻きスパイラル状の1.5mmピッチの溝が形成
される。下側定盤の研磨平面には右巻きスパイラル状の
2.0mmピッチの溝が形成される。 ・研磨定盤の特性 組成 金属含有率 34.7wol% 樹脂含有率 35.1wol% 気孔形成剤含有率 24.9wol% ここで、5.3vol%の空孔が生じるが、これは非常
に微細で連続気孔とはなっておらず、全体に均一に分散
した独立気孔である。 物性 マイクロビッカース硬度(300g荷重) Hv=19.0kg/mm2 ・研磨方法 研磨機 4wayタイプの両面研磨機 上側定盤回転速度5r.p.m 、下側定盤回転速度15r.p.
m 被加工物 8φ×0.060mmt の円盤状水晶片であ
って、前加工としてアルミナ質砥粒#2000にてラッ
プ研磨されたもの。研磨機への装着は、ポケット内に被
加工20個が挿入された専用のキャリアを5個用いて行
った。 加工圧 100g/cm2 加工時間 20分間 研磨液 平均粒径1.0μmの酸化セリウム(Ce
2 )砥粒を、濃度が6wt%となるように水に分散さ
せて調整し、研磨中には、10cc/分にて上側定盤よ
り注入する。 ・研磨試験結果
【0031】
【表1】
【0032】実験例1では、上記表1に示すように、研
磨面の平滑度を示す最大粗さでは、鋳物定盤を用いたも
のに比較してセリウムパッドおよび本実験例の定盤を用
いたものが1/3程度となったのに対し、縁だれすなわ
ちロールオフδでは、セリウムパッドを用いたものが大
きいという結果に比較して鋳物定盤および本実験例の定
盤を用いたものが極めて小さい値を示した。また、研磨
速度では、鋳物定盤を用いた場合、セリウムパッドを用
いた場合、および本実験例の定盤を用いた場合について
略同程度であった。上記セリウムパッドは、本実験例の
定盤と同じ径であるが、0.6mmt 、硬度(ショア
C)が80度、10mmピッチの格子溝を研磨平面に備
えたものであり、上記鋳物定盤は、本実験例の定盤と同
じ径であるが、材質FC20、15mmピッチの格子溝
を研磨平面に備えたものである。なお、上記ロールオフ
δは、縁だれ寸法を示すものであり、図4に示すように
定義されたものである。
【0033】(実験例2) ・研磨定盤 原料の配合割合 粉状金属錫 (78.0wt%) アトマイズ製法によるものから30μm以下に篩分けさ
れたもの 液状エポキシ樹脂 (13.0wt%) グリシジル型のエポキシ樹脂(主剤)でエポキシ当量190 100部 変成ポリアミン型の硬化剤でアミン当量330 50部 マルトース1水和物(9.0wt%) 試薬品に微量の水を添加して混練造粒し、粒径が0.1
乃至0.4mmφとなるように篩分けされたもの 成形方法 所定量のエポキシ樹脂主剤と粉状錫とを秤量して真空脱
泡混合機内に投入して10分間混合し、所定量のエポキ
シ硬化剤を添加してさらに混合し、さらにマルトース1
水和物を添加して5分間混合する。このようにして得ら
れた混合流体を所定の型内に流し込んで静置して硬化さ
せる。次いで60℃のオーブンにて24時間アフターキ
ュアを行う。このようにして得られた成形物の密度は
3.50g/cm3 であった。 定盤の作製 上記の成形方法で得た成形物(外径386mmφ×内径
155mmφ)をステンレス製のバックアップ部材に接
着し、仕上げを行う。上側定盤には、研磨液(スラリ
ー)を注入する貫通穴が形成され、同心円状の溝が研磨
平面に形成される。溝ピッチは外周側程短くされること
により溝で分離された面積が等しくなるようにされ、ス
ラリーの供給量が内外周で均一となるようにされてい
る。下側定盤にも同様の溝が形成されるが、上側定盤の
溝の倍の溝ピッチとされて上下研磨量のバランスを調整
されている。・研磨定盤の特性 組成 金属含有率 34.7wol% 樹脂含有率 39.6wol% 気孔形成剤含有率 21.7wol% ここで、4.0wol%の空孔が生じるが、非常に微細
であるため、連続気孔とはなっておらず、均一に分散し
た独立気孔となっている。 物性 マイクロビッカース硬度(300g荷重) Hv=15.2kg/mm2 ・研磨方法 研磨機 6Bタイプの4way方式両面研磨機 上側定盤回転速度25/3r.p.m 、下側定盤回転速度2
5r.p.m 被加工物 50φ×0.8mmt の低アルカリガラス円
板であって、前加工としてアルミナ質砥粒#1200に
てラップ研磨されたもの。研磨機への装着は、3個の低
アルカリガラス円板を保持するガラスエポキシ製キャリ
ヤを5個用いて行った。 加工圧 150g/cm2 加工時間 20分間 研磨液 平均粒径0.5μmの酸化セリウム(Ce
2 )砥粒を、濃度が5wt%となるように水に分散さ
せて調整し、研磨中には、30cc/分にて上側定盤よ
り注入する。 ・研磨試験結果
【0034】
【表2】
【0035】実験例2では、上記表2に示すように、被
研磨面の平滑度を示す最大粗さでは、無気孔研磨定盤を
用いた場合(Rmax =0.02)に比較してセリウムパ
ッドおよび本実験例の定盤を用いたものが1/2程度と
なり、縁だれすなわちロールオフδでは、セリウムパッ
ドを用いたものが大きいという結果となり、無気孔研磨
定盤を用いたものおよび本実施例の定盤を用いたものが
極めて小さい値を示した。また、研磨速度では、無気孔
研磨定盤を用いた場合(0.2μm/分)に比較してセ
リウムパッドおよび本実験例の定盤を用いたものが倍の
速度となり、さらに、無気孔研磨定盤を用いた場合は、
疵の発生や目詰まりが発生するという特徴があった。上
記セリウムパッドは、本実験例の定盤と同じ径である
が、0.6mmt 、硬度(ショアC)が65度、20m
mピッチの格子溝を研磨平面に備えたものであり、上記
無気孔研磨定盤は、気孔形成剤が含まれていない点以外
は本実験例の定盤と同じである。
【0036】(実験例3) ・研磨定盤 原料の配合割合 粉状金属銅 (76.0wt%) アトマイズ製法によるものから40μm以下に篩分けされたもの 粉状エポキシ変成フェノール樹脂 (10.8wt%) 架橋剤:ヘキサメチレンテトラミン、添加量は外7wt% ラクトース1水和物 (13.2wt%) 試薬品に微量の水を添加して混練造粒し、粒径が0.5
mm以下となるように篩分けされたもの 成形方法 実験例1と同様であり、成形後には3.55g/cm3
の密度となるように設定されている。 定盤の作製 上記の成形方法で得た成形物(外径300mmφ×内径
100mmφ)をアルミニウム製のバックアップ部材に
接着し、仕上げを行う。この定盤の研磨平面には右巻き
スパイラル状で山幅が3mm、溝幅が2mm、溝深さが
2mmの溝が形成される。 ・研磨定盤の特性 組成 金属含有率 30.1wol% 樹脂含有率 30.4wol% 気孔形成剤含有率 29.8wol% ここで、9.7wol%の空穴が生じるが、このものは
非常に微細であるため、実施例1と同様に連続気孔には
ならなず、研磨に影響を及ぼさない。 物性 マイクロビッカース硬度(300g荷重) Hv=19.0kg/mm2 ・研磨方法 研磨機 修正リング方式の片面ラッピングポリシング盤 下側定盤回転速度60r.p.m 被加工物 38φ×4.0mmt の常圧焼結法の円盤状
窒化珪素て、前加工として5乃至8μmφの単結晶ダイ
ヤモンド砥粒にてラップ研磨されたもの。研磨機への装
着は、3個の被加工部材を保持する専用のキャリアを3
個用いて行った。 加工圧 250g/cm2 加工時間 25分間 研磨液 粒度が0乃至2μmの多結晶ダイヤモンド砥粒
を、その濃度が20カラット/lとなるように水に分散
させて調整し、研磨中には、マイクロポンプを利用して
0.5cc/分にて研磨部分に供給した。 ・研磨試験結果
【0037】
【表3】
【0038】実験例3では、上記表3に示すように、研
磨面の平滑度を示す平均粗さでは、金属銅定盤および無
気孔研磨定盤を用いた場合(Ra=9nmおよびRa=
7nm)に比較して本実験例の定盤を用いた場合が最も
よく(Ra=5nm)、疵に関しては、金属銅定盤およ
び無気孔研磨定盤を用いた場合は発生したが、本実験例
の定盤を用いた場合は全く無い。また、目詰まりでは、
金属銅定盤および無気孔研磨定盤を用いた場合は発生し
たが、本実験例の定盤を用いた場合は全く無く、研磨速
度では、金属銅定盤を用いた場合(0.04μm)およ
び無気孔研磨定盤を用いた場合(0.02μm)に比較
して本実験例の定盤を用いた場合が最も速い(0.05
μm)。上記金属銅定盤は、本実験例の定盤と同じ径で
あるが、金属銅のみから構成されたものであり、上記無
気孔研磨定盤は、気孔形成剤が含まれていない点以外は
本実験例の定盤と同じである。
【0039】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0040】たとえば、前述の実施例の研磨定盤10で
は、その研磨平面16に形成された溝28は、断面U字
状であったが、断面V字状であっても差支えない。ま
た、溝28の方向は、同心円状或いはスパイラル状の円
弧方向以外に、直線が交叉したクロスハッチ状に形成さ
れていてもよいのである。
【0041】また、前述の実施例の研磨定盤10では、
その研磨平面16に溝28が形成されていたが、被研磨
部材の形状が小さい場合や、被研磨部材の被研磨面が小
さい面積に分割されているような場合などには、必ずし
も上記溝28が形成されなくてもよい。
【0042】また、前述の実施例の研磨液は、水性とし
て説明されていたが、油性であっても差支えない。この
場合の気孔形成剤26は、油性の研磨液に溶解或いは流
出させられる物質が採用される。
【0043】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の研磨定盤を示す、一部を切
り欠いた正面図である。
【図2】図1の実施例の断面図である。
【図3】図1の実施例の要部を拡大して模式的に説明す
る斜視図である。
【図4】ラッピング研磨における縁だれを定量的に表す
ロールオフδを説明する斜視図である。
【符号の説明】 10:研磨定盤 14:バックアップ部材 16:研磨平面 18:樹脂研磨層 20:母材 22:軟質金属粒体 24:気孔 26:気孔形成剤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊離砥粒を含む研磨液を用いて被研磨部
    材の表面をラッピング研磨するラッピング研磨装置の研
    磨定盤であって、 剛性の高いバックアップ部材に固着された合成樹脂製の
    母材と、 該母材内に分散され、研磨平面において前記遊離砥粒の
    押圧により塑性変形させられて該遊離砥粒を埋没させる
    軟質金属粒体と、 前記母材内に固体状態で分散され、前記研磨平面におい
    て前記研磨液に流出させられることにより該研磨平面に
    開口する独立した多数の気孔を形成する気孔形成剤と
    を、含むことを特徴とするラッピング研磨装置の研磨定
    盤。
  2. 【請求項2】 前記母材は、エポキシ系樹脂、フェノー
    ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
    フタル酸系樹脂、メラミン系樹脂から選択された熱硬化
    性樹脂であり、20乃至50容積%の割合で含まれるも
    のである請求項1のラッピング研磨装置の研磨定盤。
  3. 【請求項3】 前記軟質金属粒体は、銅粉体、錫粉体、
    鉛粉体から選択された単味或いは混合粉体であり、50
    μm以下の粒径を備えたものである請求項1または2の
    ラッピング研磨装置の研磨定盤。
  4. 【請求項4】 前記軟質金属粒体は、20乃至50容積
    %の割合で含まれるものである請求項3のラッピング研
    磨装置の研磨定盤。
  5. 【請求項5】 前記気孔形成剤は、前記遊離砥粒よりも
    軟質の水溶性の有機質化合物である請求項1乃至3のい
    ずれかのラッピング研磨装置の研磨定盤。
  6. 【請求項6】 前記気孔形成剤は、50乃至500μm
    の粒径を備えたものである請求項5のラッピング研磨装
    置の研磨定盤。
  7. 【請求項7】 前記気孔形成剤は、5乃至40容積%の
    割合で含まれるものである請求項6のラッピング研磨装
    置の研磨定盤。
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