JP2015042427A - 研磨工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊離砥粒を用いた研磨工具の砥粒保持性を改善することによって、研磨工具の研磨特性(研磨能率、仕上げ面粗さ)を従来よりも向上させ、また、研磨工具の摩耗を抑制する。【解決手段】定盤本体1の表面1aと被加工物5との間に遊離砥粒および液体が供給され、被加工物が定盤本体の表面に押圧されつつ定盤本体および被加工物が相対回転運動する。定盤本体の全体、もしくは表面を含むその上部1cが、固体接触状態にある金属粉末または金属繊維から形成された多孔質成形体、あるいは、固体接触状態にある金属粉末または金属繊維からなる多孔質体に樹脂を含浸させた成形体からなっている【選択図】図1

Description

本発明は、遊離砥粒を用いた研磨加工において使用される研磨工具に関するものである。
遊離砥粒を用いた研磨加工に使用される研磨工具には、通常、粗研磨(ラッピング加工)用のものと、仕上げ研磨用のものがあり、また、それぞれの研磨加工において、平面状、球面状および非球面状等の加工面の種類に応じて種々のものが存在する。
そして、被加工物を平面状に粗研磨するには、通常、ラップ定盤(粗研磨定盤)を備えた研磨機が使用され、研磨機には、片面加工用のものと両面加工用のものがある。
片面加工用の研磨機においては、ラップ定盤上に被加工物を載置して、その隙間に水や油等の液体に遊離砥粒を混ぜたスラリーを供給し、被加工物をラップ定盤に押圧しながら擦り合わせることによって被加工物が研磨される。また、両面加工用の研磨機においては、被加工物の上面と下面を一対のラップ定盤で挟み込み、被加工物の上下面が同時に研磨される。
そして、例えば、片面加工用研磨機のラップ定盤は、通常、鋳鉄、銅およびステンレス等から形成された定盤本体と、定盤本体の上方にこれに対向して配置された被加工物保持盤とを備えており、被加工物保持盤の下面に被加工物が固定された後、定盤本体の表面と被加工物との隙間に、遊離砥粒を液体に混ぜたスラリーが供給されるとともに、被加工物が定盤本体の表面に押し付けられつつ定盤本体および被加工物保持盤が相対回転運動せしめられ、それによって被加工物の表面の研磨(ラッピング加工)がなされるようになっている(例えば、特許文献1、2参照)。
ところで、この遊離砥粒を用いた研磨加工に使用されるラップ定盤においては、定盤本体の表面が凹凸のない平滑面として形成されるので、定盤本体の表面における砥粒の滞留性が悪く、そのため、研磨工具および砥粒間に相対速度が発生し、定盤本体が摩耗しやすく、研磨能率が低下し、良好な仕上げ面粗さが達成されないという問題があった。そして、両面加工用研磨機のラップ定盤においては、上定盤および下定盤の一方の摩耗が他方に比べて進展し、上定盤の加工特性と下定盤の加工特性に差が生じてしまうという問題があった。
これは、ラップ定盤以外の他の研磨工具においても同様であった。
特開平10−235553号公報(段落[0002]〜[0004]) 特開平11−165254号公報(段落[0002]〜[0003])
したがって、本発明の課題は、遊離砥粒を用いた研磨工具の砥粒保持性を改善することによって、研磨工具の研磨特性(研磨能率、仕上げ面粗さ)を従来よりも向上させ、また、研磨工具の摩耗を抑制することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、気孔または樹脂またはそれらの両方を内部に含んだ、金属粉末または金属繊維の成形体であって、前記成形体中の金属が占める体積割合が20〜70%であるものからなっていることを特徴とする研磨工具を構成したものである。
上記構成において、前記金属が50〜2000MPaの引張強さおよび40〜220GPaのヤング率を有していることが好ましい。
また、前記金属が、各種ステンレス鋼や各種鋳鉄のような耐食性処理が施された鉄合金およびチタン合金およびアルミニウム合金のうちのいずれか1種類、またはそれらの2種類以上の組み合わせからなっていることが好ましい。
また好ましくは、前記成形体は、アスペクト比が10以上1000以下の金属繊維を加圧成形したものからなっている。
また、前記樹脂は、高耐摩耗性のウレタン樹脂またはエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂またはポリアミド樹脂であることが好ましい。
また、その金属繊維の繊維径としては、研磨に使用する砥粒径の4〜400倍程度が望ましい。
本発明は種々の研磨工具に適用可能であり、例えば、粗研磨(ラッピング加工)に用いられるラップ定盤に適用可能である。
この場合には、定盤本体の全体、もしくは表面を含むその上部を多孔質成形体から形成するとともに、多孔質成形体を固体接触状態にある金属粉末または金属繊維から形成すること、
あるいは、定盤本体の全体、もしくは表面を含むその上部を、固体接触状態にある金属粉末または金属繊維からなる多孔質体に樹脂を含浸させた成形体から形成することが好ましい。
いずれの場合においても、多孔質成形体(成形体)中の金属の占める体積の割合が20〜70%であることが好ましく、また、前者においては、多孔質成形体の表面における開口率が30〜80%であることが特に好ましい。
また、本発明は仕上げ研磨に用いられる研磨定盤にも適用可能であり、この場合には、定盤本体の全体、もしくは表面を含むその上部を、金属繊維を固体接触しない状態で樹脂に混合したものからなる成形体から形成することが好ましい。
本発明によれば、研磨工具を、気孔または樹脂またはそれらの両方を内部に含んだ、金属粉末または金属繊維の成形体であって、前記成形体中の金属が占める体積割合が20〜70%であるものから形成している。
そして、気孔を内部に含んだ金属粉末または金属繊維の成形体とした場合には、研磨工具の表面(研磨面)に微小な凹凸が生じ、砥粒が研磨工具の表面に適度に拘束されて研磨工具の表面における砥粒の滞留性が改善され、その結果、研磨工具の研磨特性(研磨能率や仕上げ面粗さ)が従来よりも大幅に向上し、さらには、研磨工具の摩耗が抑制される。
さらに、研磨工具が摩耗しても表面の凹凸構造が維持され、それによって、研磨工具の砥粒保持特性の変化は少なく、研磨特性は変化しない。特に、両面研磨用のラップ定盤においては、使い続けているうちに上定盤の加工特性と下定盤の加工特性に差が生じてしまうのを防ぐことができる。
また、樹脂を内部に含んだ金属粉末または金属繊維の成形体とした場合には、研磨工具の表面(研磨面)の、金属よりも摩耗しやすいまたは変形しやすい樹脂部分が金属部分よりも凹むことで、研磨工具の表面に微小な凹凸が生じ、砥粒が研磨工具の表面に適度に拘束されて研磨工具の表面における砥粒の滞留性が改善される。また、樹脂を含浸させることで、金属粉末または金属繊維の成形体中に連続気孔が形成されることが防止され、それによって、砥粒が連続気孔内に沈み込んで作用しなくなることが抑制される。
これらの結果、研磨工具の研磨特性(研磨能率や仕上げ面粗さ)が従来よりも大幅に向上し、さらには、研磨工具の摩耗が抑制される。
さらに、研磨工具の表面が摩耗しても表面の凹凸構造が維持され、それによって、研磨工具の砥粒保持特性の変化は少なく、研磨特性は変化しない。
なお、金属の体積割合が20%未満となると、砥粒の保持される量が少なくなって、研磨能率が低下し、仕上げ面粗さが悪くなる。一方、金属の体積割合が70%を超えると、砥粒の保持特性が悪くなり、研磨特性が悪化するとともに研磨工具の摩耗が大きくなる。
また、金属の引張強さが50MPa未満になると、金属の摩耗が進展しやすくなるとともに、砥粒が金属に埋め込まれる深さが大きくなり、研磨能率が低下する。一方、金属の引張強さが2000MPaを超えても、砥粒の保持特性が悪くなり、研磨特性はやはり悪化する。
また、金属繊維のアスペクト比が10未満になると、金属の体積割合を増大させないと金属の固体接触状態を形成しにくくなる。そのため、砥粒が成形体に埋め込まれる状態となり、研磨能率が低下する。一方、金属繊維のアスペクト比が1000を超えると、ある平面内の金属間の距離が長くなり、砥粒の保持される量が少なくなり、研磨特性が悪化する。
本発明の1実施例による研磨工具の概略構成を示す側面図である。 本発明のラップ定盤と従来例の研磨特性を比較したグラフである。 本発明のラップ定盤と従来例の砥粒濃度および研磨能率間の関係を比較したグラフである。 本発明のラップ定盤と従来例の研磨時間および研磨能率間の関係を比較したグラフである。 本発明の別の実施例によるラップ定盤の研磨特性を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施例について説明する。
図1は、本発明の1実施例による研磨工具の概略構成を示す側面図である。なお、図1では、本発明による研磨工具は、片面ラップ加工用のラップ定盤として構成されているが、これは単なる一例である。
図1において、1は円柱状をなす定盤本体であり、定盤本体1の上面(表面)1aは平坦に形成され、定盤本体1の下面1bには、垂直な回転軸2が設けられている。図示はしないが、回転軸2の下端は、モータを含む適当な公知の駆動機構に連結されており、この駆動機構によって定盤本体1が回転駆動せしめられるようになっている。
3は、円柱状をなし、定盤本体1の上方において、定盤本体1の表面1aに対向配置された被加工物保持盤であり、被加工物保持盤3の上面3bには、垂直な回転軸4が設けられている。図示はしないが、回転軸4の上端は、モータおよびシリンダを含む適当な公知の昇降および回転駆動機構に連結されている。
この昇降および回転駆動機構によって、被加工物保持盤3は、定盤本体1の表面1aから上方に離間した待機位置と、定盤本体1の表面1aに圧接する圧接位置との間で昇降運動せしめられるとともに、垂直軸のまわりに回転駆動せしめられるようになっている。
被加工物保持盤3の下面3aは平坦に形成され、この下面3aに被加工物5が固定されるようになっている。
定盤本体1の表面1aを含む少なくとも上部1cは、多孔質成形体から形成され、この多孔質成形体は、固体接触状態にある金属粉末または金属繊維から形成されている。この場合、多孔質成形体中の金属の占める体積の割合が20〜70%であることが好ましく、さらに、多孔質成形体の表面における開口率が30〜80%であることが好ましい。
あるいは、定盤本体1の表面1aを含む少なくとも上部1cは、固体接触状態にある金属粉末または金属繊維からなる多孔質体に樹脂を含浸させた成形体から形成されていてもよい。この場合も、成形体中の金属の占める体積の割合が20〜70%であることが好ましい。
上部1cを構成する金属(金属繊維、金属粉末)は、50〜2000MPaの引張強さ、および40〜220GPaのヤング率を有する金属から形成されていることが好ましく、また、金属繊維のアスペクト比は、加圧形成により10以上1000以下とされていることが好ましい。また、その金属繊維の繊維径としては、研磨に使用する砥粒径の4〜400倍程度が望ましい。
金属としては、例えば、各種ステンレス鋼や各種鋳鉄のような耐食性処理が施された鉄合金およびチタン合金およびアルミニウム合金のうちのいずれか1種類、またはそれらの2種類以上の組み合わせを使用することが好ましい。
また、樹脂としては、例えば、高耐摩耗性のウレタン樹脂またはエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂またはポリアミド樹脂を使用することが好ましい。
被加工物保持盤3の待機位置において、被加工物5が被加工物保持盤3に固定された後、被加工物保持盤3が圧接位置に向けて下降せしめられ、被加工物5が所定圧で定盤本体1の表面1aに圧接した時点で被加工物保持盤3の下降が停止せしめられる。次いで、定盤本体1および被加工物保持盤3がそれぞれ互いに同じ向きに、または互いに反対向きに回転せしめられる。
また、図示はしないが、水および油等の液体に遊離砥粒を混ぜたスラリーを供給するスラリー供給機構が備えられており、定盤本体1および被加工物保持盤3が回転する間に、スラリー供給機構から被加工物5と定盤本体1の表面1aとの隙間にスラリーが供給される。
こうして、被加工物5および定盤本体1の表面1a間に遊離砥粒が介在した状態で、被加工物5が定盤本体1の表面1aと擦り合わされ、被加工物5の表面が研磨される(ラッピング加工がなされる)。
本発明のラップ定盤によれば、定盤本体1の表面1aを含む少なくとも上部1cが、固体接触状態にある金属粉末または金属繊維から形成された多孔質成形体からなり、定盤本体1の表面1aに微小な凹凸が設けられるので、定盤本体1と被加工物5が相対回転運動する間に砥粒が定盤本体1の表面1aに適度に拘束される。その結果、定盤本体1の表面1aにおける砥粒の滞留性が改善され、そして、ラップ定盤の研磨能率(研磨特性)および耐摩耗性が従来よりも大幅に向上する。
また、定盤本体1の表面1aを含む少なくとも上部1cを、樹脂を内部に含んだ金属粉末または金属繊維の成形体とした場合には、定盤本体1の表面1aの、金属よりも摩耗しやすいまたは変形しやすい樹脂部分が金属部分よりも凹むことで、定盤本体1の表面1aに微小な凹凸が生じ、砥粒が定盤本体1の表面1aに適度に拘束されて表面1aにおける砥粒の滞留性が改善され、その結果、ラップ定盤の研磨工具の研磨能率(研磨特性)および耐摩耗性が従来の研磨工具よりも大幅に向上する。
また、本発明のラップ定盤によれば、定盤本体1の表面1aが摩耗しても表面1aの凹凸構造が維持されるので、ラップ定盤のメンテナンスコストが低減する。
次に、本願発明が所期の効果を奏するか否かを調べるべく実証実験を行った。実験の内容は以下のとおりである。
(実施例1)
本発明のラップ定盤として、図1に示したものと同様の構成のものを準備した。
この実施例では、繊維状のSUS316L(繊維換算直径=50μm)から形成された、目付量が4000g/m、直径が380mm、厚さが1mmの金属繊維焼結物(株式会社日工テクノ製)を、直径が380mmの鋳鉄製定盤本体1を備えた従来の片面研磨用ラップ定盤の定盤本体1の上面に張り付けて、定盤本体1の上部1cを形成した。
(比較例)
比較例として、上記実施例のラップ定盤の定盤本体1から金属繊維焼結物を取り外したもの、すなわち、鋳鉄製定盤本体を備えた従来のラップ定盤を準備した。
[実験1]
実施例のラップ定盤の被加工物保持盤3に、被加工物5として直径が20mm、厚さが10mmのソーダガラスを固定し、WA砥粒#2000の濃度0.5w%のスラリーを25mL/分の割合で供給しつつ、5分間、20kPaの研磨圧力で、定盤本体1を60rpm、被加工物5を60rpmで同じ向きに回転させて研磨を行い、ラップ定盤の研磨能率および被加工物の表面粗さを測定した。
研磨能率の測定は、研磨前後の被加工物の重量差を電子天秤によって測定することで行い、被加工物の表面粗さの測定は、干渉顕微鏡を用いて、表面の算術平均高さRaを測定することによって行った。
次に、実施例のラップ定盤を用いて、同じ研磨条件下、WA砥粒の代わりに酸化セリウム(セリア)(平均粒径1.4μm)の濃度3w%のスラリーを供給して研磨を行い、前と同様に、ラップ定盤の研磨能率および被加工物の表面粗さを測定した。
さらに、実施例のラップ定盤を用いて、同じ研磨条件下、セリアの代わりにダイヤモンド砥粒(粒径4〜8μm)の濃度0.5w%のスラリーを供給して研磨を行い、前と同様に、ラップ定盤の研磨能率および被加工物の表面粗さを測定した。
次いで、比較例のラップ定盤を使用し、実施例のラップ定盤と同様にして、WA砥粒#2000、セリア(平均粒径1.4μm)およびダイヤモンド砥粒(粒径4〜8μm)を別々に用いて研磨を行い、それぞれの場合のラップ定盤の研磨能率および被加工物の表面粗さを測定した。
なお、比較例のラップ定盤においては、研磨を行う前に、その都度、鋳鉄製定盤本体を、フェイシング後、粒度#100のCMPドレッサーを用いて30分間ドレスした後、粒度#800のドレッサーで30分間ドレスした。
実験結果を図2のグラフに示す。グラフ中、棒グラフは研磨能率を表し、丸印は表面粗さを表している。また、黒く塗りつぶされた棒グラフおよび丸印は実施例のデータを表し、白抜きの棒グラフおよび丸印は比較例のデータを表している。
図2のグラフから、実施例は、どの種類の砥粒を用いた場合においても、比較例に比べて研磨能率が向上していることがわかる。また、実施例において、WA砥粒を用いた場合には、研磨能率および表面粗さの両方が向上している。また、セリアを用いた場合、比較例では研磨ができなかったのに対し、実施例では高い研磨能率を示した。さらに、ダイヤモンド砥粒の場合には、実施例では比較例に比べて2倍以上の研磨能率が得られている。
実施例のこの研磨特性は、金属繊維焼結物の複雑な凹凸構造による定盤本体1の表面1aの砥粒の滞留性の大幅な改善に起因するものと考えられる。
[実験2]
実施例のラップ定盤の被加工物保持盤3に実験1と同様の被加工物5を固定し、WA砥粒#2000の濃度0.5w%のスラリーを供給しながら、実験1と同様の研磨条件下で研磨を行い、研磨能率を測定した。
次に、WA砥粒#2000の濃度が異なるスラリー(それぞれ、1w%、2w%、3w%)を用いて、それぞれ、前と同様に研磨を行い、研磨能率を測定した。
また、比較例のラップ定盤を使用し、実施例のラップ盤と同様にして研磨を行い、研磨能率を測定した。
実験結果を図3のグラフに示す。グラフ中、黒色の丸印は実施例のデータを表し、白色の丸印は比較例のデータを表している。
図3のグラフから、砥粒の濃度が0.5w%のときに、実施例と比較例の研磨能率の差が最大になっていることがわかる。しかしながら、砥粒の濃度が1w%を超えると、両者の研磨能率の差異が見られなくなっている。これは、砥粒の濃度の上昇に伴って定盤本体の表面上の砥粒の個数が大幅に増加し、定盤本体の表面の滞留性の改善効果が薄れたためであると考えられる。
[実験3]
実施例のラップ定盤の被加工物保持盤3に実験1と同様の被加工物5を固定し、ダイヤモンド砥粒(粒径4〜8μm)の濃度0.5w%のスラリーを供給しながら、実験1と同様の研磨条件下で、2分毎に研磨を中断し、その都度研磨能率を測定しつつ、10分間研磨を行った。
また、比較例のラップ定盤を使用し、実施例のラップ定盤と同様にして研磨を行い、研磨能率を測定した。
実験結果を図4のグラフに示す。グラフ中、黒色の丸印は実施例のデータを表し、白色の丸印は比較例のデータを表している。
図4のグラフから、比較例では、時間の経過につれて研磨能率が低下していることがわかる。これは、フェイシングおよびドレスによって形成された定盤本体表面の凹凸が、硬いダイヤモンド砥粒によって削られて摩耗したことで、砥粒の滞留性が低下したことが原因であると考えられる。これに対し、実施例では、研磨の初期の段階から高い研磨能率が得られ、時間が経過してもこの高い研磨能率が維持され、比較例の2倍以上の平均研磨能力が得られている。これは、定盤本体1の表面1aを形成する金属繊維焼結物の凹凸構造が、定盤本体1の表面1aの砥粒の滞留性に寄与するとともに、ダイヤモンド砥粒によって金属繊維焼結物が摩耗しても、その凹凸構造が維持されるためであると考えられる。
(実施例2)
本発明のラップ定盤として、図1に示したものと同様の構成のものを準備した。
この実施例では、定盤本体1の上部1cの構成が異なる次の3種類のラップ定盤を作製した。
(i)繊維状のSUS316L(繊維換算直径=30μm)から形成された、目付量が1500g/m、直径が200mm、厚さが1mmの金属繊維不織布を、直径が200mmの鋳鉄製定盤本体1を備えた従来の片面研磨用ラップ定盤の定盤本体1の上面に張り付けたもの
(ii)上記(i)と同様の金属不織布にエポキシ樹脂を含浸させて形成した成形体を、(i)で使用したのと同様の従来のラップ定盤の定盤本体1の上面に張り付けたもの
(iii)上記(i)と同様の金属不織布にウレタン樹脂を含浸させて形成した成形体を、(i)で使用したのと同様の従来のラップ定盤の定盤本体1の上面に張り付けたもの
[実験4]
(i)〜(iii)のラップ定盤のそれぞれの被加工物保持盤3に、被加工物5として直径が20mm、厚さが10mmのソーダガラスを固定し、WA砥粒#2000の濃度3w%のスラリーを25mL/分の割合で供給しつつ、5分間、20kPaの研磨圧力で、定盤本体1を60rpm、被加工物5を60rpmで同じ向きに回転させて研磨を行い、ラップ定盤の研磨能率および被加工物の表面粗さを測定した。
測定結果を図5のグラフに示す。図5のグラフから、金属不織布(未焼結)のみから定盤本体1の上部1cを形成した場合よりも、金属不織布に樹脂含浸して形成した成形体から定盤本体1の上部1cを形成した場合の方が、研磨特性が大幅に向上していることがわかる。
1 定盤本体
1a 上面(表面)
1b 下面
1c 上部
2 回転軸
3 被加工物保持盤
3a 上面
3b 下面
4 回転軸
5 被加工物

Claims (5)

  1. 気孔または樹脂またはそれらの両方を内部に含んだ、金属粉末または金属繊維の成形体であって、前記成形体中の金属が占める体積割合が20〜70%であるものからなっていることを特徴とする研磨工具。
  2. 前記金属が50〜2000MPaの引張強さ、および40〜220GPaのヤング率を有していることを特徴とする請求項1に記載の研磨工具。
  3. 前記金属が、各種ステンレス鋼や各種鋳鉄のような耐食性処理が施された鉄合金およびチタン合金およびアルミニウム合金のうちのいずれか1種類、またはそれらの2種類以上の組み合わせからなっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の研磨工具。
  4. 前記成形体は、アスペクト比が10以上1000以下の金属繊維を加圧成形したものからなっていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の研磨工具。
  5. 前記樹脂は、高耐摩耗性のウレタン樹脂またはエポキシ樹脂またはポリイミド樹脂またはポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の研磨工具。
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