WO2017033280A1 - 研磨工具及び研磨工具の製造方法 - Google Patents

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宙治 桐野
裕司 川波多
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Definitions

  • the present inventors have invented a polishing tool made of a molded body of metal powder or metal fiber containing a resin such as an epoxy resin (for example, see Patent Document 1).
  • a resin such as an epoxy resin
  • this polishing tool since the resin portion having better machinability than the metal on the surface is recessed from the metal portion, minute irregularities are generated on the surface (polishing surface), so that abrasive grains are moderately applied to the surface of the polishing tool. Restraint, retention of abrasive grains on the surface of the polishing tool is improved, retention of abrasive grains is also improved, and polishing efficiency can be improved.
  • the metal constituting the metal fiber or metal powder for example, any one of iron alloys, titanium alloys, and aluminum alloys subjected to corrosion resistance treatment such as various stainless steels and various cast irons, or those Two or more types of combinations can be used.
  • the resin impregnated in the metal fiber or metal powder compact for example, it is preferable to use any one of a highly wear-resistant urethane resin, epoxy resin, polyimide resin, and polyamide resin.
  • the polishing tool 1 is manufactured by arranging and fixing the plurality of molded pieces 2 produced in the pressurizing step on the surface of the base portion 3 as shown in FIG.
  • each molded piece 2 is attached to the surface of the base portion 3 using an adhesive such as an epoxy resin, for example, in a state where the adjacent molded pieces 2 are in close contact with each other.
  • the plurality of molded pieces 2 are fixed on the surface of the base portion 3 in a state where the molded pieces 2 are arranged so as to form a substantially circular shape having substantially the same shape as the base portion 3 in plan view.
  • the attaching step is not necessarily limited to adhering the adjacent molded pieces 2 to each other and attaching them on the surface of the base portion 3.
  • Example 1 The polishing tool of Example 1 is manufactured through a manufacturing process as shown in FIG. 4 and is configured by impregnating an epoxy resin into a compression body of a stainless fiber having a diameter of 50 ⁇ m and a length of 1 mm as a metal fiber.
  • the polishing tool of Example 1 is configured such that the volume content of the stainless fiber in each molded piece 2 is 30 vol%.
  • the polishing efficiency of the polishing tool of Example 1 is improved by about 36% compared to the polishing tool of Comparative Example 2.
  • Example 1 by using a plurality of molded pieces 2, the number of physical convex portions increased by increasing the volume content of stainless fiber to 30 vol%, and the retention of abrasive grains was improved. it is conceivable that.
  • the polishing tool of Example 1 has almost the same numerical value as the polishing tools of other Comparative Examples 1 and 2, and even with a content of 30 vol% stainless fiber, it depends on the epoxy resin. It is considered that elasticity is working sufficiently.

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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
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Abstract

【課題】 大きな表面積を有する場合でも、製造コストを抑えつつ、全体の金属繊維又は金属粉末の体積含有率を高密度且つ均一に構成することでき、全体に渡って砥粒に対する滞留性を改善し、研磨能率を向上させると共に、耐磨耗性を向上させることができる研磨工具を提供する。 【解決手段】 遊離砥粒を用いて被研磨物をラッピング加工するための研磨工具であって、金属繊維又は金属粉末を樹脂と混合し、加圧して成形することによって作製した複数の成形片をベース部の表面上に並べて貼り付けることにより構成されている。

Description

研磨工具及び研磨工具の製造方法
 本発明は、遊離砥粒を用いて被研磨物をラッピング加工するための研磨工具及び研磨工具の製造方法に関する。
 近年、LED用基板やスマートフォンのカバーガラスとして採用が検討されているサファイアや、次世代パワーデバイス用基板であるSiCといった材料の需要の拡大が見込まれている。これらの材料は、化学的に安定し極めて硬質な難削材であるため、その基板の製造工程では多くの工数と工程が必要となる。このような基板の製造工程の1つとして、遊離砥粒を用いた粗研磨(ラッピング加工)工程がある。
 ラッピング加工においては、従来から、研磨工具として一般的に球状黒鉛を含有する鋳鉄定盤(ラップ定盤)が用いられている。そして、被研磨物の研磨を行う際には、例えば、このようなラップ定盤が研磨装置に取り付けられて使用される。研磨装置には、片面加工用のものと両面加工用のものがあり、片面加工用の研磨装置では、例えば、ラップ定盤に研磨ヘッドに保持された被研磨物を押し当てた状態で、ラップ定盤上に遊離砥粒が分散された研磨スラリーを供給しながら、ラップ定盤及び研磨ヘッドを相対的に回転させることにより研磨が行われる。また、両面加工用の研磨装置では、被研磨物の上下面をそれぞれ上下に設けられた一対のラップ定盤で挟み込み、被研磨物の上下面の研磨が同時に行われる。
 しかしながら、従来の球状黒鉛を含有する鋳鉄定盤では、表面が平坦に近いため、研磨加工を行う際に使用する砥粒に対する保持性が悪く、砥粒の滞留性も良くないため、研磨能率が低いという問題がある。
 そこで、本発明者らは、エポキシ樹脂等の樹脂を内部に含んだ金属粉末または金属繊維の成形体からなる研磨工具を発明した(例えば、特許文献1参照)。この研磨工具では、表面の金属よりも被削性に優れた樹脂部分が金属部分よりも凹むことで、表面(研磨面)に微小な凹凸が生じるので、砥粒が研磨工具の表面に適度に拘束され、研磨工具の表面における砥粒に対する保持性が向上し、砥粒の滞留性も改善され、研磨能率を向上させることができる。
特開2015-042427号公報
 このような特許文献1では、樹脂を内部に含んだ金属粉末または金属繊維の成形体である研磨工具は、例えば、金属繊維又は金属粉末を樹脂と混合したものを加圧して成形すること等によって作製される。しかしながら、この方法では、大きな径を有する研磨工具を作製するには、例えば、特注の大きなプレス装置等を準備する必要があるため、非常に製造コストが高くなる。また、加圧して成形することによって大きな径を有する研磨工具を作製する場合には、全体を均一に構成することが非常に難しい。つまり、場所によって成形体中の金属繊維又は金属粉末の体積含有率等に差が生じる可能性があり、研磨能率が場所によって変わってしまう虞がある。また、金属繊維又は金属粉末を樹脂と混合したものに熱を掛けて固めて焼結体として成形体を作製する方法も考えられるが、その場合には、そのための設備が必要になると共に、熱を掛けて雰囲気制御を行う必要があるため、非常に製造コストが高くなる。
 本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、大きな表面積を有する場合でも、製造コストを抑えつつ、全体の金属繊維又は金属粉末の体積含有率を高密度且つ均一に構成することでき、全体に渡って砥粒に対する滞留性を改善し、研磨能率を向上させると共に、耐磨耗性を向上させることができる研磨工具を提供することを目的とする。
 上記目的を達成するために、本発明に係る研磨工具は、遊離砥粒を用いて被研磨物をラッピング加工するための研磨工具であって、金属繊維又は金属粉末を樹脂と混合し、加圧して成形することによって作製した複数の成形片をベース部の表面上に並べて貼り付けたこと特徴としている。
 また、本発明に係る研磨工具は、前記成形片中の前記金属繊維又は前記金属粉末の体積含有率は、30~70vol%であることを特徴としている。
 また、本発明に係る研磨工具は、前記樹脂が、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂のいずれかであることを特徴としている。
 また、本発明に係る研磨工具は、前記成形片の研磨面となる表面積は、1~100cmであることを特徴としている。
 また、本発明に係る研磨工具は、前記ベース部の直径が、380mm以上であることを特徴としている。
 また、本発明に係る研磨工具の製造方法は、遊離砥粒を用いて被研磨物をラッピング加工するための研磨工具の製造方法であって、金属繊維又は金属粉末を樹脂と混合する混合工程と、前記樹脂が混合された前記金属繊維又は前記金属粉末を加圧して成形することによって複数の成形片を作製する加圧工程と、前記複数の成形片をベース部の表面上に並べて貼り付ける貼付工程と、を含むことを特徴としている。
 本発明に係る研磨工具によれば、金属繊維又は金属粉末を樹脂と混合し、加圧して成形することによって作製した複数の成形片をベース部の表面上に並べて貼り付けられるので、大きな表面積を有する場合でも、それに応じた数の成形片を用いることにより、特注の大型のプレス装置等を用いることなく、製造コストを抑えつつ、全体の金属繊維又は金属粉末の体積含有率を高密度且つ均一に構成することできる。これにより、研磨工具の表面全体に渡って砥粒に対する滞留性を改善し、研磨能率を向上させると共に、耐磨耗性を向上させることができる。
 また、本発明に係る研磨工具によれば、成形片中の金属繊維又は金属粉末の体積含有率は、30~70vol%であるので、成形片中の金属繊維又は金属粉末を高密度化することができ、耐磨耗性をより向上させることができる。
 また、本発明に係る研磨工具によれば、金属繊維又は金属粉末と混合される樹脂は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂のいずれかであるので、砥粒に対する滞留性をより向上させることができる。
 また、本発明に係る研磨工具によれば、成形片の研磨面となる表面積は、1~100cmと小型であるので、容易に均一に加圧することができ、金属繊維又は金属粉末が高密度な成形片を効率良く作製することができる。これにより、更に耐磨耗性を向上させることができる。
 また、本発明に係る研磨工具によれば、複数の成形片が並べて貼り付けられるベース部の直径は、380mm以上であるので、全体の金属繊維又は金属粉末の体積含有率が高密度且つ均一に構成された大きな表面積を有する研磨工具となり、大型の被研磨物等に対しても高い研磨能率で対応することができる。
 本発明に係る研磨工具の製造方法によれば、金属繊維又は金属粉末を樹脂と混合し、加圧して成形することによって作製した複数の成形片をベース部の表面上に並べて貼り付けることによって研磨工具を製造しているので、大きな表面積を有する場合でも、それに応じた数の成形片を用いることにより、特注の大型のプレス装置等を用いることなく、製造コストを抑えつつ、全体の金属繊維又は金属粉末の体積含有率を高密度且つ均一に構成することできる。これにより、研磨工具の表面全体に渡って砥粒に対する滞留性を改善し、研磨能率を向上させると共に、耐磨耗性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る研磨工具(ラップ定盤)を備えた研磨装置の一例を示す概略側面図である。 本発明の実施形態に係る研磨工具の一例を示す概略平面図である。 成形片の一例を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る研磨工具の製造方法の一例を示す製造工程図である。 研磨工具の種類による研磨特性の比較を示すグラフである 研磨工具の種類による磨耗量の比較を示すグラフである。
 以下、本発明に係る研磨工具の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明に係る研磨工具1は、図1に示すように、例えば、研磨装置100に取り付けられて使用されるラップ定盤であって、遊離砥粒を含む研磨スラリーを用いて被研磨物4をラッピング加工するためのものである。
 研磨工具1は、図1~3に示すように、複数の成形片2をベース部3の表面上に並べて貼り付けることによって固定したものである。複数の成形片2は、図2及び図3に示すように、それぞれ同一の平面視略正方形状の板状に形成されている。この成形片2は、固体接触状態にある金属繊維又は金属粉末の圧縮体に樹脂が含浸されて構成されている。成形片2中の金属繊維又は金属粉末の体積含有率は、20~70%であることが好ましく、耐磨耗性の観点から、30~70%と高密度であることがより好ましい。
 1つの成形片2の研磨面となる表面積S(=L1×L2)は、特に限定されるものではないが、後述する加圧工程の際に、金属繊維又は金属粉末と樹脂を混合したものを均一に加圧して、金属繊維又は金属粉末が高密度である成形片2をより多く作製できるように、1~100cm程度であることが好ましい。また、成形片2の厚みtについても、特に限定されるものではないが、耐久性を考慮して、5~30mm程度に加圧されていることが好ましい。尚、本実施形態に係る研磨工具1では、成形片2が平面視略正方形状に形成されている例を示しているが、これに限定されるものではなく、ベース部3の表面上に並べて貼り付けることが可能な形状に形成されていれば良く、平面視長方形状又は平面視多角形状であっても良い。
 成形片2を構成する金属繊維又は金属粉末は、50~2000MPaの引張強さ、及び、40~220GPaのヤング率を有する金属から形成されていることが好ましい。また、金属繊維のアスペクト比は、加圧されることにより10以上1000以下とされることが好ましく、その金属繊維の繊維径としては、ラッピング加工に使用する遊離砥粒径の0.5~100倍程度であることが好ましい。
 金属繊維又は金属粉末を構成する金属としては、例えば、各種ステンレス鋼や各種鋳鉄のような耐食性処理が施された鉄合金、チタン合金、及び、アルミニウム合金のうちのいずれか1種類、又はそれらの2種類以上の組み合わせを用いることができる。また、金属繊維又は金属粉末の圧縮体に含浸される樹脂としては、例えば、高耐摩耗性のウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、及び、ポリアミド樹脂のいずれかを使用することが好ましい。
 ベース部3は、図1及び図2に示すように、例えば、ステンレス材や鉄系の材料等によって円盤状に形成されるものである。研磨工具1は、このようなベース部3の表面上に複数の成形片2が並べて貼り付けられることによって構成される。このような研磨工具1は、研磨装置100に取り付けられて使用されるものであって、例えば、図1に示すように、ベース部3の下側には回転軸5が固着されており、この回転軸5の下端側は、詳しくは図示しないが、モータ等を含む従来公知の駆動手段に接続されている。そして、この駆動手段によって回転軸5が所定の回転速度で回転駆動されることに伴って、研磨工具1も回転軸5を中心に所定の回転速度で回転する。
 また、研磨装置100は、研磨工具1の上面(表面)に対向する位置に被研磨物4を保持するための研磨ヘッド6を備えており、研磨ヘッド6の上面には、回転軸7が固着されている。回転軸7の上端側には、詳しくは図示しないが、モータ及びシリンダ等を含む従来公知の昇降及び回転駆動機構に連結されている。また、研磨装置100には、詳しくは図示しないが、遊離砥粒を含む研磨スラリーを研磨工具1の表面上に供給するための研磨スラリー供給機構が備えられている。
 このような研磨装置100を用いてラッピング加工を行う際には、例えば、研磨ヘッド6によって保持された被研磨物4を研磨工具1の表面に所定の圧力で圧接させた状態で、研磨スラリーを供給しながら、研磨工具1及び研磨ヘッド6を相対的に回転させる。これにより、研磨工具1の表面及び被研磨物4の間に遊離砥粒が介在した状態で、被研磨物4が研磨工具1の表面と擦り合わされ、被研磨物4の表面がラッピング加工される。この際、研磨工具1の表面は、金属繊維又は金属粉末の圧縮体に樹脂が含浸されて構成されている成形片2によって微小な凹凸を有しているので、砥粒が研磨工具1の表面に適度に拘束され、研磨工具1の表面における砥粒に対する保持性が向上し、砥粒の滞留性が改善されることにより、研磨能率を向上させることができる。また、研磨工具1では、表面が磨耗しても表面の凹凸構造が維持されるので、メンテナンスコストを軽減することができる。
 研磨工具1によってラッピング加工が行われる被研磨物4としては、例えば、レンズ、半導体デバイス用シリコンウエハ、液晶ディスプレイ用ガラス基板、ハードディスク用ガラス基板、アルミ基板、セラミックス、サファイア等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではなく、様々な被研磨物に対して適宜用いることができる。また、研磨工具1を用いてラッピング加工を行う際に使用される砥粒としては、例えば、α-アルミナ、中間アルミナ、アルミナゾル、炭化ケイ素粒子、ダイヤモンド、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられ、被研磨物4の種類等に応じて、これらを1種以上使用することは、研磨速度を向上させる観点から好ましい。
 尚、本実施形態では、研磨工具1は、片面ラッピング加工用のラップ定盤として用いられる例を示しているが、両面加工用の研磨装置によって、被研磨物4の上下面をそれぞれ上下に設けられた一対の研磨工具(ラップ定盤)1で挟み込み、被研磨物4の上下面の研磨を同時に行うように用いても良い。
 以下、研磨工具1の製造方法の実施形態の一例について図1~4を参照しつつ説明する。図4に示すように、本実施形態に係る製造方法では、例えば、金属繊維又は金属粉末と樹脂を混合する混合工程と、樹脂が混合された金属繊維又は金属粉末を加圧して成形することによって、複数の成形片2を作製する加圧工程と、複数の成形片2をベース部3の表面上に並べて貼り付ける貼付工程とを経て研磨工具1が作製される。
 混合工程では、例えば、各種ステンレス鋼や各種鋳鉄のような耐食性処理が施された鉄合金、チタン合金、及び、アルミニウム合金のうちのいずれか1種類、又はそれらの2種類以上の組み合わせた金属繊維又は金属粉末を、高耐摩耗性のウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂のいずれかの樹脂と混合させる。
 次に、加圧工程では、混合工程で得られた金属繊維又は金属粉末と樹脂を混合したものを、例えば、所定の大きさ毎に区切られている枡状の容器へと流し込み、従来公知のプレス装置を用いて、所定の圧力を均一に加えることにより加圧成形を行う。この際、プレス装置によって加える圧力は、成形片2の大きさや成形片2中の金属繊維又は金属粉末の体積含有率等に応じて変わってくるが、成形片2の厚みtが、5~30mm程度に圧縮されるように加圧することが好ましい。これにより、加圧工程では、例えば、図3に示すような、所定の大きさを有する平面視略正方形状の複数の成形片2を作製する。尚、加圧工程で作製する成形片2の個数は、貼り付けられるベース部3の直径D及び成形片2の大きさに応じて、適宜決めれば良い。
 そして、貼付工程では、加圧工程で作製した複数の成形片2を、図2に示すように、ベース部3の表面上に並べて貼り付けて固定することにより、研磨工具1を製造する。この際、各成形片2は、例えば、隣り合う成形片2同士を密着させた状態で、エポキシ樹脂等の接着剤等を用いて、ベース部3の表面に貼り付けられる。このようにして、複数の成形片2は、全体としてベース部3と平面視が略同形状の略円形状になるように並べられた状態でベース部3の表面上に固定される。尚、貼付工程では、必ずしも隣り合う成形片2同士を密着させてベース部3の表面上に貼り付けることに限定されるものではなく、例えば、隣り合う成形片2の間に1~5mm程度の隙間をあけて貼り付けることによって研磨工具1の表面(研磨面)に成形片2の横L1、縦L2の大きさに応じたピッチで格子状の溝が形成されるようにしても良い。研磨工具1では、このように隣り合う成形片2に若干の隙間をあけて溝を形成することにより、研磨スラリー及び研磨屑を排出し易くすることができる。また、研磨工具1では、例えば、このような溝を形成する隙間に、親水性の良いエポキシ樹脂等を設けることによって、隣り合う成形片2同士をエポキシ樹脂を介して接着させると共に、溝の深さを調整して、砥粒の滞留性を向上させるようにしても良い。
 このように研磨工具1は、金属繊維又は金属粉末を樹脂と混合し、加圧して成形することにより作製した複数の成形片2をベース部3の表面上に並べて貼り付けることによって研磨工具を製造しているので、大きな表面積を有する場合でも、それに応じた数の成形片2を用いることにより、特注の大型のプレス装置等を用いることなく、製造コストを抑えつつ、研磨工具1全体の金属繊維又は金属粉末の体積含有率を高密度且つ均一に構成することできる。これにより、研磨工具1の表面全体に渡って砥粒に対する滞留性を改善し、研磨能率を向上させると共に、耐磨耗性を向上させることができる。そのため、本発明の研磨工具1は、表面(研磨面)の面積が大きい場合に特に有効であり、例えば、ベース部3の直径Dが380mm以上等の大きい直径Dを有するような場合により有効となる。
 以下、本発明の実施形態に従って製造した研磨工具の実施例ついて説明する。
 (実施例1)
 実施例1の研磨工具は、図4に示すような製造工程を経て製造されたものであって、金属繊維として直径50μm、長さ1mmのステンレス繊維の圧縮体にエポキシ樹脂が含浸されて構成され、横L1=20mm、縦L2=20mm、厚みt=5mmの図3に示すような平面視正方形状に形成された複数の成形片2を直径D=300mmの鋳鉄製定盤からなるペース部3の表面上に並べて貼り付けることによって製造されたものである。この実施例1の研磨工具では、それぞれの成形片2中のステンレス繊維の体積含有率が、30vol%になるように構成されている。そして、この研磨工具を取り付けた片面ラッピング研磨装置を用いて、被研磨物として加工前の表面粗さが1.3μmRa程度の2インチサファイアのラッピング加工を行い、研磨工具の研磨能率、被研磨物の表面粗さ、及び研磨工具の磨耗量を測定した。研磨条件については、以下に示すような条件で研磨を行った。研磨能率の測定は、研磨前後の被研磨物の質量変化を電子天秤によって測定することにより算出した。被研磨物の表面粗さの測定は、光学式表面粗さ計を用いて行った。また、研磨工具の磨耗量は、研磨前後の研磨工具の厚みを三次元測定機で測定し算出した。
(研磨条件)
研磨圧力:20kPa
工作物回転数:60rpm
定盤回転数:75rpm
研磨時間:240min
研磨スラリー:GC砥粒#600(平均粒径24μm)を3wt%水に懸濁したスラリー
スラリー供給量:25mL/min
 (比較例1)
 比較例1の研磨工具としては、従来の直径300mmの鋳鉄製定盤を用いて、実施例1と同様の条件にて2インチサファイアのラッピング加工を行った。
 (比較例2)
 また、比較例2の研磨工具としては、金属繊維として直径50μm、長さ1mmのステンレス繊維の圧縮体にエポキシ樹脂が含浸されて構成された直径300の1つの成形体を直径300mmの鋳鉄製定盤からなるベース部の表面に貼り付けることによって製造したものを用いて、実施例1と同様の条件にて2インチサファイアのラッピング加工を行った。尚、この比較例2の研磨工具では、成形体中のステンレス繊維の体積含有率が、20vol%になるよう構成されている。
 その結果、図5に示すように、実施例1の研磨工具では、比較例2の研磨工具に対して約36%も研磨能率が向上している。これは、実施例1では、複数の成形片2を用いることにより、ステンレス繊維の体積含有率を30vol%に増加させることで物理的な凸部箇所が増え、砥粒の保持性が向上したものと考えられる。また、仕上げ面粗さにおいては、実施例1の研磨工具は、他の比較例1及び比較例2の研磨工具とほぼ同じ数値になっており、30vol%のステンレス繊維の含有量でもエポキシ樹脂による弾性が十分に作用していると考えられる。
 また、図6に示すように、実施例1の研磨工具では、比較例2の研磨工具に比べて磨耗量が約25%減少している。これは、実施例1では、複数の成形片2を用いることにより、ステンレス繊維の体積含有率を30vol%に増加させることでエポキシ樹脂よりも耐摩耗性に優れたステンレス繊維の割合が増えたことによるものと考えられる。尚、実施例1の研磨工具では、比較例1の研磨工具である鋳鉄製定盤に比べて磨耗量は約4倍となっているが、鋳鉄製定盤では、研磨能率を維持するためにコンディショニングを頻繁に行う必要があるのに対して、実施例1の研磨工具では、磨耗しても表面の凹凸構造が維持されるので、研磨工具の砥粒に対する保持性の変化は少なく、研磨特性を維持することができる。
 尚、本発明の実施の形態は上述の形態に限るものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
 本発明に係る研磨工具は、遊離砥粒を用いて被研磨物をラッピング加工するための研磨工具として有効に利用することができる。
1    研磨工具(ラップ定盤)
2    成形片
3    ベース部
4    被研磨物

Claims (6)

  1.  遊離砥粒を用いて被研磨物をラッピング加工するための研磨工具であって、
     金属繊維又は金属粉末を樹脂と混合し、加圧して成形することによって作製した複数の成形片をベース部の表面上に並べて貼り付けたことを特徴とする研磨工具。
  2.  前記成形片中の前記金属繊維又は前記金属粉末の体積含有率は、30~70vol%であることを特徴とする請求項1に記載の研磨工具。
  3.  前記樹脂は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の研磨工具。
  4.  前記成形片の研磨面となる表面積は、1~100cmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の研磨工具
  5.  前記ベース部の直径は、380mm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の研磨工具。
  6.  遊離砥粒を用いて被研磨物をラッピング加工するための研磨工具の製造方法であって、
     金属繊維又は金属粉末を樹脂と混合する混合工程と、
     前記樹脂が混合された前記金属繊維又は前記金属粉末を加圧して成形することによって複数の成形片を作製する加圧工程と、
     前記複数の成形片をベース部の表面上に並べて貼り付ける貼付工程と、を含む研磨工具の製造方法。
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WO (1) WO2017033280A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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