WO2010119606A1 - 研磨ヘッドの製造方法及び研磨装置 - Google Patents

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WO2010119606A1
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polishing head
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橋本浩昌
桝村寿
森田幸治
荒谷崇
岸田敬実
荒川悟
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信越半導体株式会社
不二越機械工業株式会社
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • B24B37/27Work carriers
    • B24B37/30Work carriers for single side lapping of plane surfaces

Definitions

  • a typical single-side polishing apparatus includes, for example, a surface plate 88 to which a polishing cloth 89 is attached, an abrasive supply mechanism 90, a polishing head 82, and the like as shown in FIG.
  • the workpiece W is held by the polishing head 82
  • the polishing agent is supplied from the polishing agent supply mechanism 90 onto the polishing cloth 89
  • the surface plate 88 and the polishing head 82 are rotated to rotate the workpiece W. Polishing is performed by bringing the surface of the substrate into sliding contact with the polishing cloth 89.
  • Patent Document 2 discloses a fluorine rubber, butyl rubber, and chloroprene rubber having physical properties of rubber hardness of 10 to 100, tensile strength of 3 to 20 MPa, tensile elongation of 50 to 1000%, and thickness of 0.2 to 3 mm.
  • Various rubber materials such as urethane rubber and silicon rubber have been proposed.
  • Patent Document 2 proposes a metal material made of stainless steel or aluminum.
  • Patent Document 2 discloses that the rigid ring 104 and a flexible rubber lump are put in a mold and heated to 150 ° C. to 185 ° C., and the clamping pressure is 1 to 200.
  • a method of forming by compression molding with a ton is disclosed.
  • the backking pad 13 can be attached to the lower surface of the rubber film 3.
  • the backing pad 13 includes water and affixes the work W, and holds the work W on the work holding surface of the rubber film 3.
  • the backing pad 13 can be made of foamed polyurethane, for example.
  • the workpiece W can be reliably held by the surface tension of the water contained in the backing pad 13.
  • FIG. 1 shows a state in which the template 14 is directly bonded to the rubber film 3, the present invention does not exclude the case where the template 14 is bonded to the rubber film 3 via the backing pad 13 or the like. Absent.
  • the manufacturing method of the polishing head according to the present invention includes a step of forming a rubber film 3 with a rubber material having a JIS A hardness of 40 to 90 ° and adhering it to the rigid ring 4 as shown below, and a rubber film 3
  • the flatness in the circumferential direction of the lower surface portion of the rubber film 3 at the bonded portion with the lower end surface of the rigid ring 4 is measured, and the measured flatness And a step of selecting those having a thickness of 40 ⁇ m or less.
  • the rubber film 3 is molded and bonded to the rigid ring 4.

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

 本発明は、少なくとも、 JIS A硬度が40~90°のゴム材料でラバー膜を成形して剛性リングに接着する工程と、前記ラバー膜が接着された剛性リングと中板とを結合した状態で、前記剛性リングの下端面との接着部分の前記ラバー膜の下面部の周方向の平面度を測定し、該測定した平面度が40μm以下となるものを選別する工程とを有し、該選別された平面度が40μm以下のラバー膜が接着された剛性リング及び該剛性リングに結合された前記中板とを用いて研磨ヘッドを製造することを特徴とする研磨ヘッドの製造方法である。これにより、ワークの研磨において、安定して一定の平坦度、研磨代均一性が得られる研磨ヘッドの製造方法及び研磨装置が提供される。

Description

研磨ヘッドの製造方法及び研磨装置
 本発明は、ワークの表面を研磨する際にワークを保持するための研磨ヘッドを製造する方法、及びその方法で製造された研磨ヘッドを備えた研磨装置に関し、特には、ラバー膜でワークを保持する研磨ヘッドの製造方法及びその製造された研磨ヘッドを備えた研磨装置に関する。
 
 シリコンウェーハ等のワークの表面を研磨する装置として、ワークを片面ずつ研磨する片面研磨装置と、両面を同時に研磨する両面研磨装置とがある。
 一般的な片面研磨装置は、例えば図8に示したように研磨布89が貼り付けられた定盤88と、研磨剤供給機構90と、研磨ヘッド82等から構成されている。このような研磨装置81では、研磨ヘッド82でワークWを保持し、研磨剤供給機構90から研磨布89上に研磨剤を供給するとともに、定盤88と研磨ヘッド82をそれぞれ回転させてワークWの表面を研磨布89に摺接させることにより研磨を行う。
 ワークを片面研磨加工により平坦化させるためのワーク保持方法として、より平坦で、かつ高剛性な円盤状のプレートにワックス等の接着剤を介してワークを貼り付ける方法があるが、特にワーク全面に対して均一な研磨加工代を必要とする場合には、ワーク保持部を高剛性な円盤状のプレートの代わりにラバー膜とし、該ラバー膜の背面に空気等の加圧流体を流し込み、均一の圧力でラバー膜を膨らませて研磨布にワークを押圧する、いわゆるラバーチャック方式が使用されている。(例えば、特許文献1参照)
 従来のラバーチャック方式の研磨ヘッドの構成の一例を模式的に図7に示す。この研磨ヘッド102の要部は、環状剛性リング104と、剛性リング104に接着されたラバー膜103と、剛性リング104に結合された中板105とからなる。剛性リング104と、ラバー膜103と、中板105とによって、密閉された空間106が画成される。また、ラバー膜103の下面部の周辺部には、剛性リング104と同心に環状のテンプレート114が具備される。また、中板105の中央には圧力調整機構107により加圧流体を供給するなどして空間の圧力を調節する。また、中板105を研磨布109方向に押圧する図示しない押圧手段を有している。
 ラバー膜103の材質としては、特許文献2にゴム硬度10~100、引張強度3~20MPa、引張伸度50~1000%、厚み0.2~3mmの物性を示す弗素系ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム等の様々なゴム材料が提案されている。
 また、 剛性リング104の材質としては、特許文献2にステンレス製、アルミ製の金属製の材料が提案されている。 
 また、ラバー膜103を剛性リング104上に形成する方法として、特許文献2に剛性リング104と可撓性ゴム塊を金型に入れて150℃~185℃に加熱し、型締め圧1~200トンで圧縮成形して形成する方法が開示されている。
  このようにして構成された研磨ヘッド102を用いて、ラバー膜103の下面部でバッキングパッド113を介してワークWを保持するとともに、テンプレート114でワークWのエッジ部を保持し、中板105を押圧して定盤108の上面に貼り付けられた研磨布109にワークWを摺接させて研磨加工が行われる。
 
特開平5-69310号公報 特開2005-7521号公報
 このような、従来の研磨ヘッド102を用いてワークWの研磨を行うことにより、ワークW全面の研磨代の均一性が向上する場合もあったが、研磨ヘッド102のラバー膜103が接着された剛性リング104によっては、研磨代均一性、ワークの平坦度が大幅に悪化することがあり、研磨後のワークWの平坦度を安定に保てないという問題があった。
 本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、ワークの研磨において、安定して一定の平坦度、研磨代均一性が得られる研磨ヘッドの製造方法及び研磨装置を提供することを目的とする。
 上記目的を達成するために、本発明によれば、少なくとも、環状の剛性リングと、該剛性リングの少なくとも下端面に均一の張力で接着されたラバー膜と、前記剛性リングに結合され、前記ラバー膜と前記剛性リングとともに空間部を形成する中板と、前記空間部の圧力を変化させる圧力調整機構とを具備し、前記ラバー膜の下面部にワークの裏面を保持し、該ワークの表面を定盤上に貼り付けた研磨布に摺接させて研磨する研磨ヘッドの製造方法であって、少なくとも、JIS A硬度が40~90°のゴム材料で前記ラバー膜を成形して前記剛性リングに接着する工程と、前記ラバー膜が接着された剛性リングと前記中板とを結合した状態で、前記剛性リングの下端面との接着部分の前記ラバー膜の下面部の周方向の平面度を測定し、該測定した平面度が40μm以下となるものを選別する工程とを有し、該選別された平面度が40μm以下のラバー膜が接着された剛性リング及び該剛性リングに結合された前記中板とを用いて研磨ヘッドを製造することを特徴とする研磨ヘッドの製造方法が提供される。
 このように、少なくとも、JIS A硬度が40~90°のゴム材料で前記ラバー膜を成形して前記剛性リングに接着する工程と、前記ラバー膜が接着された剛性リングと前記中板とを結合した状態で、前記剛性リングの下端面との接着部分の前記ラバー膜の下面部の周方向の平面度を測定し、該測定した平面度が40μm以下となるものを選別する工程とを有し、該選別された平面度が40μm以下のラバー膜が接着された剛性リング及び該剛性リングに結合された前記中板とを用いて研磨ヘッドを製造すれば、ラバー膜は全周が平坦な剛性リングの下端面に接着され、ラバー膜の肉厚も全周にわたってより平坦なものとなるので、研磨中のワークに異常な変形を発生させることなく、ラバー膜から均一な圧力でワークを押圧でき、ワーク全面に均一な研磨代を得ることができ、安定して一定の平坦度を得ることができる研磨ヘッドを製造することができる。
 このとき、前記成形時のラバー膜の線収縮係数が0.2%以下のものを用い前記剛性リングに接着することが好ましい。
 このように、前記成形時のラバー膜の線収縮係数が0.2%以下のものを用い前記剛性リングに接着すれば、ラバー膜が接着された剛性リングと中板とを結合した状態のラバー膜の下面部の周方向の平面度をより40μm以下にし易くすることができる。これにより、ラバー膜の平面度が40μm以下となるものを選別する工程における工程時間が長くなるのを抑制することができる。
 またこのとき、前記ラバー膜の厚さを0.5~2.5mmとすることが好ましい。
 このように、前記ラバー膜の厚さを0.5mm以上とすれば、ワークの研磨時に研磨布から受ける摩擦抵抗によりラバー膜がよじれてしまうのを抑制することができる研磨ヘッドとなる。また、2.5mm以下とすれば、成形時にラバー膜の肉厚ばらつきをより確実に小さくすることができ、ラバー膜が接着された剛性リングと中板とを結合した状態のラバー膜の下面部の周方向の平面度をより40μm以下にし易くすることができる。これにより、ラバー膜の平面度が40μm以下となるものを選別する工程における工程時間が長くなるのを抑制することができる。また、より確実にワーク全面に均一な研磨代を得ることができる研磨ヘッドとなる。
 またこのとき、前記ラバー膜の成形及び前記剛性リングへの接着を、前記剛性リングが設置された注型金型内にゴム材料を注入することによって行うことができる。
 このように、前記ラバー膜の成形及び前記剛性リングへの接着を、前記剛性リングが設置された注型金型内にゴム材料を注入することによって行えば、高精度な金型を用いてその金型の精度を効率良くラバー膜に転写することができ、ラバー膜の肉厚ばらつきの発生をより効果的に抑制することができる。
 また、本発明によれば、少なくとも、定盤上に貼り付けられた研磨布と、該研磨布上に研磨剤を供給するための研磨剤供給機構と、本発明に係る製造方法により製造した研磨ヘッドを具備し、該研磨ヘッドでワークの裏面を保持して前記ワークの表面を研磨するものであることを特徴とする研磨装置が提供される。
 このように、本発明に係る製造方法により製造した研磨ヘッドを具備し、該研磨ヘッドでワークの裏面を保持して前記ワークの表面を研磨する研磨装置であれば、研磨代均一性、ワークの平坦度が悪化すること無く、安定して良好な平坦性を確保してワークを研磨することができるものとなる。
 本発明では、少なくとも、JIS A硬度が40~90°のゴム材料で前記ラバー膜を成形して前記剛性リングに接着する工程と、前記ラバー膜が接着された剛性リングと前記中板とを結合した状態で、前記剛性リングの下端面との接着部分の前記ラバー膜の下面部の周方向の平面度を測定し、該測定した平面度が40μm以下となるものを選別する工程とを有し、該選別された平面度が40μm以下のラバー膜が接着された剛性リング及び該剛性リングに結合された前記中板とを用いて研磨ヘッドを製造するので、ラバー膜は全周が平坦な剛性リングの下端面に接着され、ラバー膜の肉厚も全周にわたってより平坦なものとなるので、研磨中のワークに異常な変形を発生させることなく、ラバー膜から均一な圧力でワークを押圧でき、ワーク全面に均一な研磨代を得ることができ、安定して一定の平坦度を有するワークを得ることができる研磨ヘッドを製造することができる。
 
本発明に係る研磨装置の一例を示した概略図である。 本発明に係る研磨ヘッドの製造方法において得られる中板と剛性リングが結合された状態で剛性リングの下端面との接着部分のラバー膜下面部の周方向の平面度の測定結果の一例を示した図である。 実施例1での、アルミナ製剛性リングを用いて、68°シリコーンゴムを使用し注型法でラバー膜厚み1mmを成形して研磨ヘッドを製造した場合の剛性リング単体平面度、ラバー膜平面度、および、その製造した研磨ヘッドを使用した場合の研磨代均一性の結果を示す図である。 実施例2での、ステンレス製剛性リングを用いて、68°シリコーンゴムを使用し注型法でラバー膜厚み1mmを成形して研磨ヘッドを製造した場合の剛性リング単体平面度、ラバー膜平面度、および、その製造した研磨ヘッドを使用した場合の研磨代均一性の結果を示す図である。 比較例での、ステンレス製剛性リングを用いて、80°エチレンプロピレンゴム(EPDM)を使用し圧縮法でラバー膜厚み1mmを成形して研磨ヘッドを製造した場合の剛性リング単体平面度、ラバー膜平面度、および、その製造した研磨ヘッドを使用した場合の研磨代均一性の結果を示す図である。 実施例1、2、比較例での、ラバー膜平面度、および、各研磨ヘッドを使用した場合の研磨代均一性の結果を示す図である。 従来の研磨ヘッドの一例を示す概略図である。 従来の片面研磨装置の一例を示す概略図である。
 以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
 従来の研磨ヘッドを用い、ラバー膜の下面部にワークを保持してワークの研磨を行った際、使用した研磨ヘッドによっては、研磨代均一性、ワークの平坦度が大幅に変化してしまい、安定したワークの平坦度が得られないという問題があった。
 そこで、本発明者らは、このような問題が生じる原因について、鋭意実験及び検討を行った。
 その結果、本発明者らは、以下のことを見出した。すなわち、研磨が安定して実施可能なJIS A硬度が40~90°までのゴム材料を用いたラバー膜の場合、ワークの研磨代均一性はワーク裏面が貼り付けられているラバー膜の下面部の平面度に影響を受けるが、ラバー膜単体での下面部の平面度は、そのラバー膜を成形する際に使用する金型の表面精度に依存する。また、その使用する金型の表面精度は機械加工機の加工精度に依存し、ラバー膜単体であれば特に問題なく10μm程度の平面度が達成可能である。
 しかしながら、ラバー膜はその外周部が剛性リングの表面に接着され固定されているため、該固定部分の周方向の平面度がラバー膜全体の平面度に大きな影響を与えることが分かった。さらに、研磨ヘッドを実際に研磨に使用する際の状態と同一である、すなわち中板と剛性リングが結合された状態での剛性リングの下端面との接着部分のラバー膜の下面部の周方向の平面度がワークの研磨代均一性に大きな影響を与えていることが分かった。
 さらに、本発明者らは、この平面度は中板と剛性リングが結合された状態での剛性リングの周方向の平面度とラバー膜の周方向の肉厚ばらつきによって決定されるため、その両方の平面度の改善に関して、鋭意実験及び検討を行い、ラバー膜のJIS A硬度が40~90°までのゴム材料を用いた場合における、中板と剛性リングが結合された状態での前記ラバー膜の下面部の周方向の平面度とワークの研磨代均一性との関係を明らかにし、本発明を完成させた。
 図1に、本発明に係る研磨ヘッドの製造方法により製造した研磨ヘッド及びその研磨ヘッドを具備する本発明の研磨装置の一例を示す。 
 図1に示すように、研磨装置1は研磨ヘッド2、定盤8を具備している。この定盤8は円盤形であり、上面にワークWを研磨する研磨布9が貼り付けられている。そして、定盤8の下部には、駆動軸11が垂直に連結され、その駆動軸11の下部に連結された定盤回転モータ(不図示)によって回転するようになっている。
 この定盤8の上方に、本発明の研磨ヘッドの製造方法により製造した研磨ヘッド2が設置されている。研磨ヘッド2は、環状の剛性リング4と、剛性リング4の少なくとも下端面に均一の張力で形成されたラバー膜3と、剛性リング4に例えばボルト等で結合された中板5とを備える。これら剛性リング4と、ラバー膜3と、中板5とによって、密閉された空間6が形成されている。また、研磨ヘッド2は、この空間部6の圧力を変化させる圧力調整機構7を具備している。そして、中板5の中央には、圧力調整機構7に連通する圧力調整用の貫通孔12が設けられており、圧力調整機構7により加圧流体を供給するなどして空間部6の圧力を調整することができるようになっている。また、研磨ヘッド2は、その軸周りに回転可能となっている。
 また、研磨ヘッド2では、中板5と剛性リング4が結合された状態で剛性リング4の下端面との接着部分のラバー膜3の下面部の周方向の平面度が40μm以下となっている。ここで、この平面度は、本発明において以下のように定義される。
 すなわち、剛性リング4上の外周部、中央部、内周部の3ケ所を、JIS A硬度で40~90°までのゴム材料において安定測定が行える最小測定力50mmNで全周を均等に36等分した点を測定し、各3周部に対して、その測定した36点から最小自乗法で仮想平面を作成し、この仮想平面に対して平行で測定した最小値、最大値を含む平面と仮想平面の距離を平面度とし、この各3周部の各平面度の平均平面度を上記平面度と定義する。
 図2は、このようにして定義した平面度を、市販の3次元測定機を用いて測定した結果の一例を示す図である。
 ここで、研磨ヘッド2に用いられる剛性リング4と中板5の材質は、特に限定されることはないが、その両方が結合された状態で剛性リング4の下端面との接着部分のラバー膜3の下面部の周方向の平面度を40μm以下とするため、高平坦加工が可能なものであることが好ましく、例えば、ステンレス、チタン、アルミ等の金属、あるいはセラミックス等の剛性材料とすることができる。特に、アルミナ等のセラミックス製であれば、高剛性で形状が経時変化しにくいため好ましい。
 またここで、研磨ヘッド2に用いられるラバー膜3の材質は、JIS A硬度が40~90°のゴム材料である。このように、40°以上の硬度のゴム材料を用いれば、ワークWの研磨時に研磨布9から摩擦抵抗を受けてラバー膜3によじれが発生してしまうのを抑制することができ、ワークWの平坦度の悪化を抑制することができるものとなる。また、硬度が90°以下のものを用いれば、ワークWの研磨時にラバー膜3の下面部がワークWの裏面に完全に倣うことができるので、圧力むらの発生を抑制することができ、ワークWの平坦度の悪化を抑制することができるものとなる。
 また、研磨ヘッド2は、ラバー膜3の下面部の周辺部に研磨中にワークWが外れないようにワークWのエッジ部を保持するための環状のテンプレート14が配設されたものとすることができる。この場合、テンプレート14は剛性リング4と同心となるようにし、ラバー膜3の下面部の外周部に沿って、下方に突出するように配設することができる。
 ここで、テンプレート14の下端面の高さは、保持されたワークWの下端面の高さと同じか、あるいはワークWの下端面の高さよりも、例えば10μm程度僅かに下方に突出しているようにすることができる。
 このようにテンプレート14を配設すれば、ワーク外周部の圧力分布を緩和することができ、ワーク外周部の過研磨が防止され、ワークの研磨代均一性を向上させることができるものとなる。
 また、テンプレート14は、その外径が少なくとも剛性リング4の内径よりも大きいもので、かつ、その内径が剛性リング4の内径よりも小さいものとすることができる。 
 このようにすれば、ワーク全面にかかる押圧力をより均一にして研磨することができる。 
 またここで、テンプレート14の材質は、ワークWを汚染せず、かつ、キズや圧痕をつけないために、ワークWよりも柔らかく、研磨中に研磨布9と摺接されても磨耗しにくい、耐磨耗性の高い材質であることが好ましい。
 またこのとき、ラバー膜3の下面にバックキングパッド13を貼設することができる。バッキングパッド13は、水を含ませてワークWを貼り付け、ラバー膜3のワーク保持面にワークWを保持するものである。ここで、バッキングパッド13は、例えば発泡ポリウレタン製とすることができる。このようなバッキングパッド13に含まれる水の表面張力によりワークWを確実に保持することができるものとなる。
  なお、図1では、テンプレート14が直接ラバー膜3に接着される様態を示したが、本発明は、テンプレート14がラバー膜3にバッキングパッド13等を介して接着される場合を排除するものではない。
 また、図1に示すように、研磨装置1は定盤8の上方に研磨用のスラリーを供給するための研磨剤供給機構10、及び中板5を研磨布9に押圧する手段(不図示)を有している。
 このようにして構成された研磨装置1を用いて、図示しない中板押圧手段により中板5を定盤8上に貼り付けられた研磨布9の方向に押圧し、研磨剤供給機構10を介して研磨剤を供給しながら、ワークWを研磨布9に摺接させてワークWの表面を研磨するものとなっている。ここで、中板押圧手段は、例えば、エアシリンダーなどを用いて中板5を全面にわたって均一の圧力で押圧できるものが好ましい。
 このように、本発明に係る研磨装置1を用いてワークWを研磨することにより、研磨代均一性、ワークの平坦度が悪化すること無く、安定して良好な平坦性を確保してワークを研磨することができる。
 次に、本発明に係る研磨ヘッドの製造方法について説明する。 
 上記したように本発明に係る製造方法で製造する研磨ヘッドは、例えば、図1に示すように、少なくとも、環状の剛性リング4と、該剛性リング4の少なくとも下端面に均一の張力で形成されたラバー膜3と、剛性リング4に結合されラバー膜3と剛性リング4とともに空間部6を形成する中板5と、空間部6の圧力を変化させる圧力調整機構7とを具備する構成となっている。
 本発明に係る研磨ヘッドの製造方法は、以下に示すような、少なくとも、JIS A硬度が40~90°のゴム材料でラバー膜3を成形して剛性リング4に接着する工程と、ラバー膜3が接着された剛性リング4と中板5とを結合した状態で、剛性リング4の下端面との接着部分のラバー膜3の下面部の周方向の平面度を測定し、該測定した平面度が40μm以下となるものを選別する工程とを有している。
 まず、JIS A硬度が40~90°のゴム材料を用い、ラバー膜3を成形して剛性リング4に接着する。ここで、ラバー膜3の剛性リング4への接着は、剛性リング4と中板5とを結合した状態で行うこともできるし、単体の剛性リング4にラバー膜3を接着してから剛性リング4と中板5とを結合しても良い。
 次に、剛性リング4と中板5とを結合した状態でラバー膜3の下面部の周方向の平面度の測定を行う。ここで、ラバー膜3の下面部の周方向の平面度の測定は、以下のようにして行うことができる。すなわち、市販の3次元測定機を用い、剛性リング4上の外周部、中央部、内周部の3箇所を、JIS A硬度で40~90°までのゴム材料において安定測定が行える最小測定力50mmNで全周を均等に36等分した点を測定し、各3周部に対して、その測定した36点から最小自乗法で仮想平面を作成し、この仮想平面に対して平行で測定した最小値、最大値を含む平面と仮想平面の距離を平面度とし、この各3周部の各平面度の平均平面度を上記平面度とする。
 このようにして測定したラバー膜3の周方向の平面度が40μm以下となっていない場合には、例えば、ラバー膜3の成形、接着をやり直したり、剛性リング4、及び/又は中板5を別のものに交換してからラバー膜3の成形、接着をやり直したりしてその平面度が40μm以下となるものを選別する。
 そして、選別された平面度が40μm以下のラバー膜3が接着された剛性リング4及び該剛性リング4に結合された中板5とを用いて空間部6を形成する。
 次に圧力調整機構7を中板5の上方に配設する。この工程は従来と同様の方法で行うことができる。
 このように、少なくとも、JIS A硬度が40~90°のゴム材料でラバー膜3を成形して剛性リング4に接着する工程と、ラバー膜3が接着された剛性リング4と中板5とを結合した状態で、剛性リング4の下端面との接着部分のラバー膜3の下面部の周方向の平面度を測定し、該測定した平面度が40μm以下となるものを選別する工程とを有し、該選別された平面度が40μm以下のラバー膜3が接着された剛性リング4及び該剛性リング4に結合された中板5とを用いて研磨ヘッドを製造すれば、ラバー膜3は全周が平坦な剛性リング4の下端面に接着され、ラバー膜3の肉厚も全周にわたってより平坦なものとなるので、研磨中のワークWに異常な変形を発生させることなく、ラバー膜3から均一な圧力でワークWを押圧でき、ワークW全面に均一な研磨代を得ることができ、安定して一定の平坦度を有するワークを得ることができる研磨ヘッドを製造することができる。
 このとき、ラバー膜3の周方向の平面度の測定を行う前に、まず、剛性リング4単体の下端面の周方向の平面度を上記と同様にして測定し、その測定値が40μm以下となるものを事前に選別するようにしても良いし、中板5と結合された状態の剛性リング4の下端面の周方向の平面度を上記と同様にして測定して、その測定値が40μm以下でない場合に例えば別の剛性リング4、あるいは、別の中板5を用いる等して、その剛性リング4の平面度の測定値が40μm以下となるものを事前に選別するようにしても良い。
 このように剛性リング4単体、又は中板5と結合された状態の剛性リング4の下端面の周方向の平面度を測定して、40μm以下となるものを事前に選別するようにすれば、ラバー膜3の下面部の周方向の平面度を40μm以下にし易くすることができ、ラバー膜3の再成形の回数を減らして工程時間が長くなるのを抑制することができる。
 ここで、剛性リング4と中板5として、高平坦加工が可能な材質のものを用いるのが好ましく、例えば、ステンレス、チタン、アルミ等の金属、あるいはセラミックス等の剛性材料を用いることができる。また、このような材質の剛性リング4を用いれば、ラバー膜3の下面部の周方向の平面度が40μm以下となるものを選別する工程において、ラバー膜3の成形、接着を繰返し行うことができる。また、特に高剛性で形状が経時変化しにくいアルミナ等のセラミックス製の剛性リング4であれば、ラバー膜3の成形、接着を繰返し行っても剛性リング4の下端面の平面度の悪化を抑制することができ、さらに金属製のものよりも剛性リング4単体の平面度は安定しており、かつ、より高精度化が可能であるので好ましい。
 またここで、ラバー膜3として、高精度な金型を使用した成形方法を用いることが可能なゴム材料からなるものを用いることが好ましく、例えば、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム等を使用できる。このようなゴム材料を用いれば、ラバー膜3を成形し、剛性リング4に接着する際にラバー膜3の肉厚ばらつきをより確実に小さくすることができ、剛性リング4の下端面との接着部分のラバー膜3の下面部の周方向の平面度を40μm以下にし易くすることができ、工程時間が長くなるのを抑制することができる。
 またこのとき、成形時のラバー膜3の線収縮係数が0.2%以下のものを用い剛性リング4に接着することが好ましい。
 このように、成形時のラバー膜3の線収縮係数が0.2%以下のものを用い剛性リング4に接着すれば、高精度な金型を使用して誤差を小さくして成形することができ、ラバー膜3が接着された剛性リング4と中板5とを結合した状態のラバー膜3の下面部の周方向の平面度をより40μm以下にし易くすることができ、工程時間が長くなるのを抑制することができる。
 またこのとき、ラバー膜3の厚さを0.5~2.5mmとすることが好ましい。
 このように、ラバー膜3の厚さを0.5mm以上とすれば、ワークWの研磨時に研磨布9から受ける摩擦抵抗によりラバー膜3がよじれてしまうのを抑制することができるものとなる。また、2.5mm以下とすれば、成形時にラバー膜3の肉厚ばらつきを確実に小さくすることができ、ラバー膜3が接着された剛性リング4と中板5とを結合した状態のラバー膜3の下面部の周方向の平面度をより40μm以下にし易くすることができ、工程時間が長くなるのを抑制することができる。また、ラバー膜3の肉厚ばらつきを小さくした研磨ヘッドであれば、ワークWの研磨時において、ワークW全面に均一な研磨代を得ることができる。
 またこのとき、ラバー膜3の成形及び剛性リング4への接着を、剛性リング4が設置された注型金型内にゴム材料を注入することによって行うことができる。
 このように、ラバー膜3の成形及び剛性リング4への接着を、剛性リング4が設置された注型金型内にゴム材料を注入することによって行えば、高精度な金型を用いてその金型の精度を効率良くラバー膜3に転写することができ、ラバー膜3の肉厚ばらつきの発生を抑制することができる。
 また、ラバー膜3の下面部の周辺部に、研磨中にワークWが外れないようにワークWのエッジ部を保持するための環状のテンプレート14を配設することができる。この場合、テンプレート14は、剛性リング4と同心となるようにし、ラバー膜3の下面部の外周部に沿って、下方に突出するように配設することができる。
 ここで、テンプレート14の下端面の高さは、保持された時のワークWの下端面の高さと同じか、あるいはワークWの下端面の高さよりも、例えば10μm程度僅かに下方に突出しているようにすることができる。
 このように、テンプレート14を配設すれば、ワーク外周部にかかる過剰な圧力分布を緩和することができ、ワークWの周辺部における過研磨を防止して研磨代均一性を向上することができる研磨ヘッドとすることができる。
 またここで、テンプレート14として、その外径が少なくとも剛性リング4の内径よりも大きいもので、かつ、その内径が剛性リング4の内径よりも小さいものを用いることができる。
 このようなものを用いれば、ワークW全面にかかる押圧力をより均一にして研磨することができる研磨ヘッドとすることができる。
 またここで、テンプレート14の材質は、ワークWを汚染せず、かつ、キズや圧痕をつけないために、ワークWよりも柔らかく、研磨中に研磨布9と摺接されても磨耗しにくい、耐磨耗性の高い材質のものを用いるのが好ましい。
 またこのとき、ラバー膜3の下面に、例えば発泡ポリウレタン製のバッキングパッド13を貼設することができる。このようなバッキングパッド13を設けて水を含ませる事で、バッキングパッド13に含まれる水の表面張力によりワークWを確実に保持することができる研磨ヘッドとすることができる。
 
 以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
 図1に示すような研磨ヘッドを本発明に係る製造方法で製造し、その研磨ヘッドを研磨装置に搭載した。ワークWとして、直径300mm、厚み775μmのシリコン単結晶ウェーハを用意し、研磨を行った。なお、使用したシリコン単結晶ウェーハは、その両面に予め研磨を施し、エッジ部にも研磨を施したものである。
 まず、外径360mmのアルミナ製の剛性リングを2ケ製作し、ラバー膜を接着する下端面の平面度を市販の3次元測定機で測定した。測定条件は、ラバー膜を接着した後に測定する条件と同一で、前記の2ケの剛性リング上の外周部、中央部、内周部の3ケ所を測定力50mmNで全周を均等に36等分した点を測定し、前記各3周部に対して、前記36点から最小自乗法で仮想平面を作成し、この仮想平面に対して平行で測定した最小値、最大値を含む平面と仮想平面の距離を平面度とし、前記各3周部の各平面度の平均平面度を該剛性リング単体の平面度とした。
 図3に測定した剛性リング単体の平面度の結果を示す。テストNo.0001のアルミナ製剛性リングの単体平面度は2μm、テストNo.0002のアルミナ製剛性リングの単体平面度は2μmであった。
 次にステンレス製の中板と前記のアルミナ製剛性リングとをボルトで結合し、前記と同様にして剛性リングの平面度を測定し、該平面度の値が40μm以下であることを確認した。測定後、剛性リングにラバー膜を形成するため、中板を取り外した。
 ラバー膜には、注型成形が可能なJIS A硬度が68°シリコーンゴムを使用し、ゴムは二液硬化型で混合直後には粘度が137Pa・sの液状のものを用いた。2ケのアルミナ製剛性リングに厚さ1mmのラバー膜を形成するため、注型成形用の金型を用意し、金型内部に剛性リングと中子を所定の位置に設置した。シリコーンゴムを混錬真空脱泡後に金型に注いだ。この際、シリコーンゴムの線収縮率は23℃、24時間後で0.2%以下であった。
 金型に注いだシリコーンゴムが硬化後、剛性リングを金型から取り出し、ラバー膜の表面に気泡、キズ等がないか目視で確認後、中板を再び剛性リングにボルトで結合し、該ラバー膜の下面部の周方向の平面度を市販の3次元測定機で上述した方法で測定した。
 図3に測定したラバー膜の平面度の結果を示す。図3に示すように、テストNo.0001のラバー膜の平面度は8μm、テストNo.0002のラバー膜の平面度は10μmであり、両方とも平面度の値が40μm以下となっており、良好な結果となった。
 次に、それぞれの剛性リングのラバー膜の下面に、ワーク保持用の市販のテンプレートアセンブリを貼り付けた。このテンプレートアセンブリは、外径355mmの両面テープ付きの発泡ポリウレタン製のシートであるバックキングパッドに外径355mm、内径302mmのガラスクロス入りエポキシ樹脂積層板を両面テープで接着して構成したものを使用した。
 このような本発明に係る研磨ヘッドの製造方法で製造した研磨ヘッドを備えた、図1に示すような研磨装置を用いて、直径300mm、厚み775μmのシリコン単結晶ウェーハの研磨を行った。
 研磨の際には、研磨剤としてコロイダルシリカを含有するpH10~11のアルカリ溶液を使用し、研磨布として市販のポリウレタンを表面に含浸した不織布タイプの研磨布を使用し、研磨ヘッドと定盤はそれぞれ31rpm、29rpmで回転させた。ワークWの研磨荷重(押圧力)は15KPaとし、研磨時間を5分とした。
 このようにして研磨を行ったシリコン単結晶ウェーハについて、研磨代均一性を評価した。なお、研磨代均一性は、市販のシリコンウェーハ専用の平坦度測定機を用いて、研磨前後のシリコン単結晶ウェーハの厚みを最外周部2mm幅分を除外した領域を1000点以上測定し、その各測定点で研磨代を計算し、該ウェーハの研磨代均一性を以下の式で求めた。
 研磨代均一性(%)=(最大研磨代-最小研磨代)/(全点の平均研磨代)
 図3に研磨代均一性の結果を示す。テストNo.0001では、研磨代均一性が4.2%に、テストNo.0002では、研磨代均一性が5.0%となり、両方とも良好な結果となった。
 以上により、本発明に係る製造方法で製造した研磨ヘッドを具備した、本発明の研磨装置を用いれば、ワークの研磨において、安定して一定の平坦度、研磨代均一性が得られることが確認できた。
 
(実施例2)
 剛性リングの材質をステンレス製とした以外、実施例1と同様にして本発明の製造方法で研磨ヘッドを2ケ製造し、その研磨ヘッドを具備した研磨装置でシリコン単結晶ウェーハを研磨し、実施例1と同様な評価を行った。
 図4にこれらの結果を示す。図4に示すように、テストNo.0003のステンレス製剛性リングの単体平面度は8μm、テストNo.0004のステンレス製剛性リングの単体平面度は7μmであった。実施例1のアルミナ製剛性リングの結果よりは若干悪いものの、両方とも平面度の値が40μm以下であった。
 また、図4に示すように、剛性リングと中板とを結合した状態でのラバー膜の平面度の結果は、テストNo.0003で26μm、テストNo.0004で19μmであった。このように、両方ともラバー膜の平面度は40μm以下であった。
 また、図4に示すように、テストNo.0003の研磨ヘッドでは、研磨代均一性が8.5%、テストNo.0004の研磨ヘッドでは、研磨代均一性が5.9%であった。図4に示すように実施例1の結果と比べ微小なうねりが観察されるが、大きく均一性を悪化させておらず、実施例1とほぼ同レベルの良好な研磨代均一性が得られた。
 
(比較例)
 剛性リングの材質をステンレス製とし、ラバー膜の材質として、注型成形が不可能であり、実施例1で使用した68°シリコーンゴムとほぼ同等の応力-歪み特性を示す80°エチレンプロピレンゴムを使用し、ラバー膜の平面度が40μmを越えるものを用いて研磨ヘッドを2ケ製造し、実施例1と同様な評価を行った。
 図5にこれらの結果を示す。図5に示すように、テストNo.0005のステンレス製剛性リングの単体平面度は8μm、テストNo.0006のステンレス製剛性リングの単体平面度は9μmであった。実施例1のアルミナ製剛性リングよりは悪い結果となったが、実施例2のステンレス製剛性リングとは同レベルの平面度であった。
 次にステンレス製の中板とステンレス製剛性リングとをボルトで結合し、前記と同様にして剛性リングの平面度を測定し、該平面度の値が40μm以下であることを確認した。測定後、剛性リングにラバー膜を形成するため、中板を取り外した。そして、2ケのステンレス製剛性リングのそれぞれに厚さ1mmのラバー膜を形成するため、圧縮成形用の金型を用意し、金型内部に剛性リングと中子を所定の位置に設置した。エチレンプロピレンゴムを混錬後にゴム塊を金型内部に充填し、そのゴムが軟化する温度以上に金型を加熱し、圧縮成形した。この際、ゴムの線収縮率は23℃、24時間後で0.2%を超えていた。
 エチレンプロピレンゴムが硬化後、剛性リングを金型から取り出し、ラバー膜の表面に気泡、キズ等がないか目視で確認後、剛性リングと中板とを結合した状態でのラバー膜の平面度を上記と同様の方法で測定した。
 図5にラバー膜の平面度の測定結果を示す。図5に示すように、テストNo.0005のステンレス製剛性リングのラバー膜の平面度は67μm、テストNo.0006のステンレス製剛性リングのラバー膜の平面度は41μmであり、両方ともラバー膜の平面度の値が40μmを越えていた。そして、これらのラバー膜、剛性リング、及び中板を用いて研磨ヘッドの製造を継続した。
 このようなラバー膜、剛性リング、及び中板を用いて製造した研磨ヘッドを具備した研磨装置を用い、実施例1と同様のシリコンウェーハを研磨し、研磨代均一性を評価した。
 図5に研磨代均一性の結果を示す。図5に示すように、テストNo.0005の研磨ヘッドでは、研磨代均一性が17.3%に、テストNo.0006の研磨ヘッドでは、12.7%となった。両方とも、ラバー膜の平面度が40μmを超えていたため、シリコンウェーハの外周部の研磨代にうねりが観察され、これにより、均一性を大幅に悪化させていた。
 図6に実施例1、2、比較例の研磨結果を示した。図6に示すように、ラバー膜の平面度の悪化に従い、研磨代均一性が悪化していることが分かる。特に、ラバー膜の平面度が40μm超えると、シリコンウェーハの外周部の研磨代にうねりが観察され、均一性が急激に悪化していることが分かる。
 なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
 例えば、本発明に係る製造方法で製造する研磨ヘッドは、図1に示した態様に限定されず、例えば、中板の形状等は適宜設計すればよい。
  また、研磨装置の構成も図1に示したものに限定されず、例えば、本発明に係る製造方法で製造した研磨ヘッドを複数備えた研磨装置とすることもできる。

Claims (5)

  1.  少なくとも、環状の剛性リングと、該剛性リングの少なくとも下端面に均一の張力で接着されたラバー膜と、前記剛性リングに結合され、前記ラバー膜と前記剛性リングとともに空間部を形成する中板と、前記空間部の圧力を変化させる圧力調整機構とを具備し、前記ラバー膜の下面部にワークの裏面を保持し、該ワークの表面を定盤上に貼り付けた研磨布に摺接させて研磨する研磨ヘッドの製造方法であって、少なくとも、
     JIS A硬度が40~90°のゴム材料で前記ラバー膜を成形して前記剛性リングに接着する工程と、
     前記ラバー膜が接着された剛性リングと前記中板とを結合した状態で、前記剛性リングの下端面との接着部分の前記ラバー膜の下面部の周方向の平面度を測定し、該測定した平面度が40μm以下となるものを選別する工程とを有し、
     該選別された平面度が40μm以下のラバー膜が接着された剛性リング及び該剛性リングに結合された前記中板とを用いて研磨ヘッドを製造することを特徴とする研磨ヘッドの製造方法。
     
  2.  前記成形時のラバー膜の線収縮係数が0.2%以下のものを用い前記剛性リングに接着することを特徴とする請求項1に記載の研磨ヘッドの製造方法。
     
  3.  前記ラバー膜の厚さを0.5~2.5mmとすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の研磨ヘッドの製造方法。
     
  4.  前記ラバー膜の成形及び前記剛性リングへの接着を、前記剛性リングが設置された注型金型内にゴム材料を注入することによって行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の研磨ヘッドの製造方法。
     
  5.  少なくとも、定盤上に貼り付けられた研磨布と、該研磨布上に研磨剤を供給するための研磨剤供給機構と、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の製造方法により製造した研磨ヘッドを具備し、該研磨ヘッドでワークの裏面を保持して前記ワークの表面を研磨するものであることを特徴とする研磨装置。
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